新しい創傷治療:最新記事

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   湿潤治療:医師リスト

2024/12/03

【全治療例の経過】




 来年の話なので鬼が苦笑していますが、2月1日に以下の要領で「神田でちょっと遅めの新年会」を開催します。
 



 リストカットについての小児科の先生からのメールです。
 最近、リストカットの症例を2例経験したので、報告させていただきます。(大変残念ながら写真を撮影できていません。)
 2例とも女子中学生です。

 1例目:9月某日夜に自室でカッターで左腕を自傷し、翌日来院。
 左前腕に10箇所以上の切創があり、ハイドロコロイド包帯を貼る方針として、1週間後に再来してもらいましたが、ほとんど目立たなくなっていました。

 2例目:11月19日昼間に自宅で自傷。本人は風邪で学校を休んでおり、親は仕事で不在で一人で家にいて、カッターで自傷したとのこと。夕方に親が帰宅して慌てて近くの皮膚科を受診したところ、ゲンタシン軟膏が処方され、ガーゼを当てる治療をされ「傷が残る」と言われたそうです。
 11月20日来院、ハイドロコロイド包帯で治療。
 11月25日、12月2日(本日)、再診され、傷はほとんど目立たなくなっていました。
 母親が涙ぐみながら、喜んでいました。

 1例目の後に、夏井先生の症例リストの中の「自傷行為」の症例を拝見して、ハイドロコロイド治療が有効だったことを確認しまして、2例目は自信を持って対応することができました。膨大な症例リスト、本当にありがたく思っています。(自分も湿潤療法を知る前だったら、ゲンタシン軟膏とガーゼの治療をしていたかもしれません。)

 自傷行為の症例はあって欲しくないですが、自傷行為(リストカット)の患者さんを診察することが多い診療科(児童精神科や皮膚科)に湿潤療法が広まれば良いのにと思いました。
 

 早期のリストカットはハイドロコロイドで結構きれいになりますね。治療も簡単で素人でも治療できます。
 あと、「血液サラサラ系の薬を処方したらアルギン酸塩被覆材(ヘモスタパッド)も一緒に購入してもらう」のも常識になってほしいです。血液サラサラ系の出血もヘモスタパッドで抑えておけば短時間で止血が得られますので、大騒ぎしないで済みます。


【昨日寄せられたコメント】




【いろいろな情報や小ネタ系】
  1. シリア・アサド政権は崩壊間近…ウクライナの泥沼にハマったプーチンが迫られる「究極の選択」と、その後に襲う「深刻な打撃」
     世界で最も多くの人間を拷問死させた眼科医として名高いシリアのアサド大統領ですが、その後ろ盾であるプーチン様が「ウクライナとの戦争を続けるか」、「アサド政権を助けてシリアの反政府勢力を蹴散らすか」の二択問題に直面しているようです。ウクライナとの戦争に固執すればアサド政権が倒れ、アサド政権維持のためにロシア軍を投入するとウクライナ戦線が維持できない・・・というジレンマです。

  2. ロシアのプーチン大統領、予算案に署名 歳出の3分の1が軍事費
     留まるところを知らないロシアの軍事費増大。国家が潰れても戦争を続けるしかない状態でしょう。

  3. AIで校正や制作を自動化し納期を約30分の1にして印税を100%還元する自費出版サービス「Spines」が既存の出版業界から反発を受ける
     校正や制作どころか、企画段階からAI様に作ってもらえば、「AIが企画を立て、AIが文章を作り、AIが校正し、AIが全体の厚生を整え、AIが装丁し、AIが自費出版の手続きを完了させる」ことも可能になるでしょう。AIが「売れている本」を分析して本のテーマやらストーリーを考えてくれるのだから、ベストセラー間違いなし♡
     出版社を介在しないので、印税は100%還元方式になりますが、印税の受け取り手が人間なのかAI様なのか、なんだか微妙。

  4. 9月以降の都心で「真夏日」22日、平年の約2.5倍 観測史上、ダントツに暑い秋だった
     道理で暑かったわけですな。水という比熱の大きい物質の温度が高くなるとこうなります。さて、今年の冬はどうなることやら。

  5. 最も奇妙な米ハリケーンシーズン終了、記録的に高い海水温が原因か
     海水温の高さなら、大西洋もメキシコ湾も負けていません。当然のことながら、ハリケーンは年を追うごとに巨大化し、頻発するようになります。海水温が高いため、水蒸気を大量に含んだ上昇気流が次から次へと発生するんだから当然です。
     ちなみに、トランプ様はこのような科学的な因果関係を全て否定なさっておられます。

  6. 中国、公務員志願が過去最多 340万人、景気低迷背景
     安定を求めて中国の大卒者は公務員を目指しますが、中国の地方政府には公務員給与の支払いが滞っているところも出ている模様。

  7. 大多数の人々は「隠れた絶対音感」を持っていると判明!
     私は絶対音感は持っていないようですが、特定の音楽の音(例:ショパンのバラード第1番の始まりは「ド」、幻想即興曲の始まりは「嬰ト」という具合)で音程を認識している感じです。

  8. 小型スマホがオワコン化している理由--時代は「薄さ」を追求
     すべての機能をスマホ1台に詰め込めるようになった結果、画面が狭いスマホは使い物にならなくなったようです。電話だけの機能なら超小型スマホで十分なんだけどね。




【糖質制限・食の話題】
  1. ニホンザルの肉を食べてみた。感動するほど美味だった件
     これは面白い記事でした。「狩猟対象にしたらみんなで食べてニホンザルが絶滅するレベルの美味しさ」とのことです。一度、食べてみたいな。




【医学の話題など】
  1. 「マイナ保険証」に移行初日 これまでの「健康保険証」を持ってきた人が半数以上だった病院も 12月の世論調査で移行への不安「大いに感じる」「ある程度感じる」と答えた割合は5割以上
     12月2日の初日、私のクリニックでのマイナ保険証持参患者さんは全体の1割程度でした。大量のマイナ保険証の患者さんが来たらどうしようと戦々恐々としていましたが、蓋を開けてみたら拍子抜け。大多数の患者さんはいつもどおりに紙保険証で受付していました。
     皆様のクリニックはいかがでしたか?




【ミニエッセイ】
 皆さん、覚えてますか? ささやき女将です。




「俳句は余白に余韻をもたせることが大事」と夏井いつき先生

これまでのコメントのタイトル一覧


2024/12/02

【全治療例の経過】




【昨日寄せられたコメント】




【いろいろな情報や小ネタ系】
  1. 1万人の第九を万博でも 大屋根リングに1万人が立ち合唱 天気&音響に不安 佐渡裕氏「神に祈るしかない」
     使い道がいまいちわからなかった「リング」ですが、ついに有効利用される日がやってきました。でも、雨天や強風の時は絶対に演奏できないよね。弦楽器も管楽器も雨に濡れたら一大事ですよ。一体どうするんだろうか? 第9といえば佐渡裕さんですが、佐渡さんもいい迷惑じゃなかろうか。

  2. 「お風呂に毎日入る人」は皆無だったのに…130年前の日本人に"入浴の新常識"を広めた「母親の教科書」の中身
     「日本人と入浴/洗髪」については拙書で詳しく説明していますし、ヨーロッパでの入浴の歴史はこの本が詳しいです。
     欧米に関して言えば、ヨーロッパは何世紀も昔からある家屋に住んでいるため、浴室を自宅内に作れず、長い事、入浴は一般化しなかったようです。アメリカでは荒野に新たに町を作ったため、最初の設計段階から水道設備/風呂付きの家を作れました。日本でも上水道がすべての家庭に行き渡ったのは1950年代で、それまでは大都市以外では井戸で水を汲むのが普通でした。

  3. 杉村太蔵、少子化問題で疑問 子育て支援ない時代の方が「子供がたくさん生まれたのはなぜ?」
     杉村くん、ちょっと頭が悪すぎ。昔、子どもが多かったのは子育て支援がなかったからじゃなくて、当時の日本が「子どもが労働力として貴重な第一次産業社会」だったから。そして何より、社会インフラも医療も整備されていなかったから、子どもを生んでも乳児死亡率が高いため、とにかく産めるときに産んでおかないと「労働力としての子ども」が確保できず、その労働力で支えられた家業が崩壊してしまうのです。

  4. F-35をドローンで代替? イーロン・マスクが「コスパ最悪」のステルス戦闘機に大なたか
     この件についてはマスク様は正しいと思います。戦闘機が優位性を保っていたのは第二次大戦からせいぜい東西冷戦の頃まで。

  5. 東京から見える...だと? 牛久大仏の大きさに10万人驚がく「少しだけかと思ったら」「関東平野なめてた」
     関東平野って筑波山のあたりまではのっぺりとしていてまじで起伏に乏しいのです。




【医学の話題など】
  1. 徳島の肥満児、8歳男子・15歳女子で全国ワースト…県教委「家庭などと連携不可欠」
     たしか徳島も高知同様に「うどん県」でしたよね? 糖質摂取を控える、という発想がそもそも欠落していたりして・・・。

  2. コロナ感染で90歳の男性死亡、遺族が高齢者施設を提訴…「速やかにPCR検査しなかった」
     詳細は不明ですが、一般的な医学常識で考えると、90歳で新型コロナだったら、PCR検査で陽性が判別しても死んでいたんじゃないでしょうか? これで施設側の落ち度だというのはあまりに酷です。

  3. 「ビタミンCで風邪予防は意味なし」論文が示した“意外な事実”とは【医師が解説】
     毎度書いているとおり、私は糖質制限を開始した2011年暮れころから次第に野菜摂取を減らし始め、その数年後からは「生野菜摂取ゼロ & 果実摂取零」生活を続けています。サプリは一切口に入れていないし果物系ジュースの摂取もゼロなので、ビタミンCの摂取量は理論上ゼロと思われます。でも、風邪も引かなければ体調不良になることもないし、お肌の美しさは30代女性がびっくりするレベルです。
     そもそも、体内貯蔵できず体内合成もできないため食物からしか摂取できない水溶性ビタミンがなければ人間は健康を維持できないんですよ、なんてすごく嘘っぽいんですよ。
     というわけで、ビタミンCの効能について調べたければ、ビタミンC摂取ゼロ生活を数年間続けてみればいいだけのことなのに、なぜかこの研究方法を思い付く研究者はいません。多分、栄養学の研究者や医学の研究者は「ビタミンCを摂取しないと壊血病で死ぬ」と思い込んでいるんでしょうね。アホらし!





2024/12/01

【全治療例の経過】




 「ハイドロコロイド包帯 vs キズパワーパッド」という内科の先生からのメールです。
 先日、指先をスライスしてしまった患者さんがおりました。キズパワーパッドを貼ってきたので、ハイドロコロイド包帯アドバンスに貼り替えましたが、まあキズパワーパッドがしっかりと貼り付いて、剥がすのがけっこう大変でした。
 で、再診時に言われたのですが「ハイドロコロイド包帯」は処理がしやすく、また貼っているときもキズパワーパッドのような「突っ張った感じ?」がなく感じが良かったとのことです。
 まあ主観の問題なのでどの程度当てになるかわかりませんがキズパワーパッドよりハイドロコロイド包帯アドバンスのほうが貼り心地は良かったようです
 患者さんはさっそくハイドロコロイド包帯を注文したとのことでした
 
 個人的にはキズパワーパッドはちょっと厚すぎるかな、と思っています。
 思い起こすと、今から30数年前、日本褥瘡学会発足に期を合わせるように多種類のハイドロコロイド被覆材が医療現場に登場しましたが、当時のハイドロコロイドはどれもかなりの厚いものばかりでした。ハイドロコロイドは浸出液などの水分に触れるとゲル化して融解するため、薄いとすぐに溶けて頻回の張替えが必要になる、ということが理由だったと思われます。デュオアクティブも薄いものと厚いものの2種類(?)があったと記憶しています。キズパワーパッドはその伝統を受け継ぐ「分厚いハイドロコロイド」製品でしょう。
 その後、私が世界で初めて外傷や熱傷治療にハイドロコロイドを使うことになりますが、指尖部損傷や顔の外傷に使用する際、厚い製品はどうにも使いにくく、薄いハイドロコロイドであるデュオアクティブしか使わなくなり、その後はズイコウメディカル社のハイドロコロイド包帯オンリーとなっています。顔面や手指外傷では「薄さは正義」なのです。


【昨日寄せられたコメント】




【いろいろな情報や小ネタ系】
  1. 美しさを諦めた女性たちを劇的に変身させる美容師…驚きのビフォー&アフター
     見ているだけで幸せな気分になる素敵な動画。

  2. 「トイレ風呂無し5平米」ホテルが1泊1万円の衝撃 大阪・あいりん地区を仰天させる“インバウンド異変”
     嘘か冗談として思えない「風呂なし高額ホテル」です。それでもインバウンドの皆様には「ちょっと不便だけで超安い」となるんでしょうね。日本人は橋の下にテントを張って泊まるしかないな。

  3. 能登半島豪雨、人為的な気候変動の影響か 国際研究チームが分析
     海水温が高止まりしているから水蒸気量が増え、水蒸気が増えると降雨量が爆増。じゃぁ、なんで海水温が高止まりしているかというと・・・。

  4. 【万博】会場建設費の「予備費」から62億円を使用する方向 “ガス爆発”の再発防止策や休憩所の整備などで必要に
     万博会場建設費が青天井、ってことはないようだけど・・・。それにしても62億円か。

  5. 敬老パス見直し、高齢者から反発続出 若者からは「負担感」の訴えも
     一度手にした既得権を手放すバカはいません。「現在、敬老パスを持っている人からパスを取り上げたりはしませんが、新規発行は止めます」とするしかないと思います。そうすれば、既得権益を手放さないジジババたちは既得権益を握りしめながらあの世行き・・・。まぁ、その時まで札幌市の財政が破綻しないことを祈るしかありません。

  6. 中国が日本人への短期ビザ免除再開…直行便に日本人客少なく、関係筋「どこまで増えるか読めない」
     入国と同時にスパイ容疑で拘束される特典付きのビザです。

  7. 2024年の世界で「産めよ増やせよ」を喧伝するロシア・プーチン政権 伝統的価値観により一段と内向き姿勢を強め、益々特異性を強めていく方向に進んでいる
     兵士不足に悩むプーチン様、必死です。なりふりかまっていられません。
     戦時下経済は戦争開始当初は好景気に沸きますが、全生産を兵器生産に振り分けるため、その他の工業製品や食料生産が時間の経過とともに減少していくのが常です。

  8. 陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ
     「その想像力を他のことに使う機会がないのか」の一節がすべてを物語っています。




【糖質制限・食の話題】
  1. 最高:たった599円で買えるIKEAの『お菓子の家キット』の幸福度がエグい!!! これでクリスマスも怖くない!
     これ、子どもと一緒に作ったら絶対に盛り上がるやつ。職場の空気も一変♡




【医学の話題など】
  1. 【詳報】マイナ保険証「桁違い」発言の文脈は? 平将明デジタル大臣が会見で東京新聞の質問に語ったこと
     根拠はないけど、万博並みの経済効果が見込まれるようです。

  2. マイナ保険証の効果「桁違い」と胸を張ったが…根拠はなかった 抑制できる医療費「試算したものはない」
     資産はしていないが、経済効果は桁違いらしい。

  3. 「保険証を捨てないで!」医師たちが緊急呼びかけ 保険証が使えなくなると勘違いしている人が多すぎる
     明日から本格稼働するマイナ保険証システムですが、現場で起こるであろう混乱をもろに受ける現場の医者はたまったものではありません。





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