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2008/07/31
- カンヌ映画祭で上映されるや否や,あらゆる映画賞を総なめにし,世界中の映画評論家が手放しで絶賛した映画,《オール・アバウト・マイ・マザー》を紹介。
確かにいい映画だとは思うが,映画賞を総なめにするほどはいい映画なんだろうか? ストーリーが偶然の連続でしか展開しないのがすごく気になるんだけど・・・。
- テレビのニュース番組を見ていてふと気になったが,「ニュースとスポーツ」というタイトルの番組っておかしくないか? その日に起こったさまざまな事件やニュースと,スポーツ(プロ野球だったりサッカーだったり高校野球だったりする)を取り上げるという番組なんだけど,これって何か変じゃないだろうか。
何が気になるかというと,「ニュース」と「スポーツ」は同列ではないからだ。ニュースの部分集合がスポーツであって,ニュースとスポーツ(のニュース)は独立しているものではないからだ。
「ニュースとスポーツ」というのは要するに「ニュースと金融」,「ニュースと政治」,「ニュースとレジャー」,「ニュースと医療」,「ニュースと映画」,「ニュースとリカちゃん人形」,「ニュースと漫画」と同じである。要するに,全体集合と部分集合が同列に並べられている収まりの悪さに違和感を感じるのだ。なぜスポーツのニュースだけを特別扱いで取り上げているのだろうか(・・・もちろん,視聴率がいいからだよ,スポーツに関心を持っている人が一番多いからだよ・・・って,自分で突っ込むなよ)。
「ニュースとスポーツ」というと何となく普通に感じるが,「ニュースとスポーツニュース」という番組タイトルだと絶対に変でしょう? もしも「ニュースとスポーツ」というタイトルの本を書いたら,まず一番最初に編集者から「これは変です。別のタイトルを考えましょう」と注意されると思うし,それを見逃したら編集者として失格である。
- 2007年10月初めから「外傷を湿潤治療している医師」リストを作り直していますが,以前登録された先生で所在の確認作業ができず,リストから漏れている先生がいらっしゃいます。
再掲載を御希望なさる方,あるいは新たに掲載を御希望なさる方はお手数をおかけしますが,
- 氏名
- 所属病院,診療科(病院勤務の場合)
- 住所と電話・ファックス番号
- メールアドレス掲載の有無(メールアドレスは暗号化してHTMLの中に埋め込みますので,アドレス収集プログラムにはひっかからないようにしていますが万全ではありません)
- 同じ病院内に湿潤治療をしている医師がいればその人の名前
- 病院のホームページアドレス
以上を明記してメールでご連絡下さい。
2008/07/30
- 11月21日(金)に東京医科大学八王子医療センターで講演することが決まりました。会場は王子プラザホテルです。
- 「ライフハッカー」というサイトが面白いです。コンピュータ・デジタル関連のさまざまな便利な知識から,日常生活に使えるちょっといい豆知識まで,膨大な情報が含まれています。
- そういえば,上記のように何気なく「コンピュータ」と入力していますが,もちろん発音から言えば「コンピューター」です。理工系の文章ではこのようにカタカナ専門用語の最後の長音記号は省略するのが常識ですが,どうやらこれはJIS規格みたいです。
そしたらマイクロソフトが「コンピューター」表記を復活させるみたいですね。なんで今頃わざわざ・・・という気もしますが・・・。
- 現在,光文社新書の原稿をせっせと書いています。いつものことですが,最初の一行さえ決まってしまえばあとは一気呵成に原稿用紙にして10~15枚くらいを書いてしまいます。一旦書き始めてしまうと「スイッチが入った」状態になり,最後まで書かないと落ち着かなくなり,暇さえあればキーボードをたたいている状態になります。このペースを維持できたら,案外完成は早いかもしれません。
そして,本を一冊出すたびに,これでいつ突然死んでもこの本はしばらくこの世に残るんだな,なんて思ってしまいます。
本の原稿にしても,このサイトの記事にしても,もしも私が突然死んでしまったら,それが絶筆になります。どれが私の絶筆になるのかは自分では選べない,という単純な事実に気がつきました。そうか,辞世の句は自分で選べるけれど,絶筆は自分で決められないのか。うんとふざけた文章を書いてそれが絶筆になったら,ちょっと嫌だな。
- 私は映画DVDをネットでレンタルしては動画ファイルにダビングし,移動の際に鑑賞しています。動画ファイルのうち,あまりにくだらない映画のものは捨てていますが,それ以外のものは外付けの2つのHDDに保存しています。その数,溜まりに溜まって205本分です。1本90分として,全部見るのに300時間。一日1本見るとして7ヶ月かかる計算です。
「この映画はよかったからまた後で見よう」と取っておいたものですが,205本のうち,本当に見返す映画は何本あるんでしょうか。ましてや,週に2本,新しい映画DVDが届きます。多分,ほとんどの映画の動画ファイル見返す時間はありません。こうなると,保存しておく意味がわからなくなってきます。
あと半年くらいで,2台目のHDDも一杯になる計算ですが,3台目のHDDを購入すべきかどうか迷っています。DVDに焼いてHDDを空けるという手もありますが,DVDに焼いたとしてもそれを見る時間がないという事実に変わりはありません。
物を保存するとはどういうことなのか,利用できないものを取っておくことに意味があるのか,ちょっと考えてしまいます。人生には限りがある,なんて考えもしなかった頃はひたすら物を集めていましたが(私の場合はピアノの稀少楽譜),人生の残り時間のカウントダウンが聞こえてくる歳になると,こういう問題に初めて気がつきます。
2008/07/29
- 「7歳,前腕の深い5センチの裂創も縫合せずに治った」という症例を追加。7歳の細腕の5センチですから,成人で言うとかなりの長さの傷で,しかも一部で筋膜が露出。これでも治ります。無理に縫合しなくても治ります。
- 「先生って何科の医者なの?」を追加。よく質問されるのですが,自分でもよくわからなくなってきました。
- 先日取り上げた『「無限」に魅入られた天才数学者たち』の書評に対し,専門の方(?)から「この説明はおかしい,この説明は誤解を招く」というご指摘をいただきました。転載の御許可をいただきましたので,上記の文章の最後に追加させていただきました。
このような素人の書いた駄文に目を留めていただき,間違いを指摘していただき感謝しております。
2008/07/28
- 6年間,各地の皮膚科医院などに通院して全く治らなかった(・・・というより,全く改善せず悪化する一方だった)両下肢を中心とした慢性湿疹が,なぜかプラスモイスト貼付だけでよくなってきたという症例を紹介。いろいろ考えさせられる症例です。
- 書店で本のタイトルを見た瞬間に一目ぼれ,そして,冒頭1ページを読んだだけで心奪われ,あれよあれよという間に半分まで読んでしまった本,それが『解読! アルキメデス写本 羊皮紙から甦った天才数学者』(光文社)です。アルキメデス,すごいです。実無限の世界にそこまで肉薄していたとは知りませんでした。
そして同時に,パピルス本はどうやって作っていたのかとか,羊皮紙の作り方,維持の仕方とか,アレキサンドリアの図書館の運営とか,いろいろな知識が満載で,それだけで読んだ甲斐がありました。最後まで読んだらきちんと書評を書こうと思います。
値段はちょっと高い2200円。私の脳内価格体系では「4中生ジョッキ」に相当するので,衝動買いの範疇です。ちなみに,「6中生ジョッキ」だと衝動買いした本がハズレだと,しばらくへこみます。
ちなみに,その次に読もうかなと思っているのは『タンパク質の一生 生命活動の舞台裏』(岩波新書)で,こちらはどうやら,研究者が一般読者向けに書いた解説本のようです。着眼点が面白そうです。
- それにしてもWindows標準のMS-IMEは本当に出来が悪い。97のあたりまでは「ちょっと変」くらいだったが2000では「もっと変」になり,2003では「学習の基本ができていない」と症状が悪化している。要するに,学習機能がおかしいのである。
一度も使ったことがない熟語(例:腺性,胃火,腺等)が変換候補の先頭に居座ったまま,いつまでもそれが第一選択になっている。特にこの傾向は長文一括変換の際にひどい。また,単文節変換の学習と連文節変換の学習が全く連動していないのも明らかだ。
つい面倒くさいんでMS-IMEを使っているんだけど,そろそろ我慢の限界です。MS-IMEは文章を書く邪魔にしかなっていません。
いろいろ調べてみると,97以降のMS-IMEはインドでプログラミングをしているんだとか。使わない人間がプログラミングしているんじゃ,使い物にならないのも当たり前か・・・。
2008/07/25
2008/07/24
2008/07/23
- 「爪根脱臼,爪甲裂創の治療」について追加。これは爪の外傷でなく,末節骨の開放骨折です。このあたりがわかっていないと,とんでもない治療をすることになります。ちなみに,従来の教科書にはデタラメな治療が書かれています。
2008/07/22
- 11月16日(日)に第21回 山口県国保地域医療学会で講演することが決まりました。
- 「湿潤治療の講演をしている医師」に湘南外科グループ 静岡徳洲会病院外科 高坂 佳宏、村山 弘之 先生にもご参加いただきました。ありがとうございました。
- DVDのジャケットを見るといかにも《SAW》系のサスペンス,でも中身は一種のヒューマンドラマ,という小粒映画,《5IVE》について。
- おじさんモバイラーとして気になっていたWillcom D4の実機に,遅ればせながら触ってきました・・・が,「いつでもどこでも長文入力がスピーディーにできる」という私が求める機能には程遠いものがあり,熱は一気に冷めました。キーボードのサイズはタッチタイピングできるサイズ下限ギリギリでしたが,キーが固すぎます。両手の親指でポチポチ打つにはいいのですが,机に置いてタッチタイピングできるキーボードではありません。昔のsigmarionⅢが懐かしいです。
そういえば,富士通のLoox Uの後継機種が出るという噂は数ヶ月前から出ていますが,どうなっているのでしょうか?
2008/07/18
- 昨日の「水虫がラップで治った」に全国の皮膚科の先生から非難轟々です。なぜあんな極論を書いたか,実は続きがあります。よろしかったらお読み下さい。
- 拙書『さらば消毒とガーゼ』(春秋社)がおかげさまで第5刷になりました。お買い上げいただき,ありがとうございます。
- 光文社新書の原稿,猛烈な勢いで書いています。これまで書いてきたこと,書く機会がなかった事などを盛り込もうと思っています。
2008/07/17
- 「実際の治療例」に「水虫がワセリンとラップ,プラスモイストで数日で治ってしまいました」という素人の方からの報告を追加。
わずか一例ですが,されど一例です。水虫(と皮膚科医がきちんと診断している)が数日で完治した例,私はこれまで聞いたことがありません。これが正しいとすれば,従来の白癬の概念が間違っていることになりますがどうでしょうか?
- 先日,縫合の練習法の動画について書きましたが,この動画,なぜか画面と音声がズレまくっていましたので,新たに作り直しました。今度はずれていません。前回ダウンロードした人は同じアドレスからダウンロードできるようにしましたので,よろしかったらどうぞ。
新たにダウンロード御希望の方はメールでご連絡下さい。
- 一昨日,b-mobileとe-mobileの話を書きましたが,「移動が多いのであれば,全国どこでも確実に繋がるb-mobileは必要です。b-mobile hoursにすれば安くなりますよ」というアドバイスをいただきました。
e-mobileは最近ようやく茨城の田舎町でも使えるようになりましたが,道路一つ越えると全く繋がらないし,自宅で使っていても時々繋がらないこともあります。都会では高速通信が安定して楽しめるe-mobileですが,都会をちょっと離れるとまだまだ不安定のようです。
その点,b-mobileはかなりの田舎町でも確実に繋がりますし,安定性も抜群です。消費電力がe-mobileより少ないのもモバイラーとしては嬉しいところです。
また,e-mobileのサービスエリアの拡大のスピードが鈍っているようです。恐らく,高速常時接続を維持するための設備投資にかなり金がかかり,新規開設にまわす余裕がなくなっているかもしれません。
要するに,都会は人口密度が高いので接続ポイントを一つ増やすと多数のユーザー増加が見込めますが,田舎では人口密度が低く広い面積に少ない人口が点在しています。だから,接続ポイントを増やしてもユーザーの数はほとんど増えません。
多分,音声通話のみの低速通信網と高速通信網では,インフラへの投資額と維持費が全く違っているんじゃないでしょうか。
同様のことは,「"iPhone 3G"がソフトバンクの首を絞める時」でも論じられていましたね。
- 光文社新書から通算7冊目となる本の出すことが決まり,執筆を開始しました。以前から新書で書いてみたいなと思っていたので,ちょっと嬉しいです。
- 「福音派の支持を取り付け、躍進するマケイン候補」なんて記事があった。こういう分析を読むと,アメリカという国は何だかよくわからない国なんだなぁ,という思いを強くする。政治的保守と宗教的保守が不分離だからだ。
アメリカは実は,世界最大の宗教国家である。日曜日ごとに教会に集う人間の人口に対する比率で言うと,イスラム原理主義国家よりも比率が高いという分析もあったと記憶している(・・・その記憶自体が怪しいけど)。
世界史的に見れば,アメリカを開拓したのは清教徒(ピューリタン)だ。ピューリタニズムはプロテスタント(=カトリックに比べるともともとカルト色が強い)の中でも一段とカルト色が強く,いわば,あまりにも極端なものを信じているためにイギリスを追い出されたようなものらしい。だから,アメリカを歴史的に見ると,故郷を追い出されたカルト集団が新天地に作った国ということもできる。そして,福音派はキリスト教極右の中でも一段とカルト色が強い。
宗教学的には面白いともいえるが,そういう国が世界最強というのはちょっと迷惑でもある。ことあるごとに,宗教という論理が通じないものが顔を出すからだ。
ちなみに,アメリカとは何か,というもう一つの定義は「税金を払いたくない人たちが作った国」というのがあった。それによると,アメリカ独立戦争とは,イギリスに税金を払いたくない人が起こした戦争になるらしい。だからアメリカは伝統的に「小さな政府」を目指している。国に税金を払いたくない,それどころか国に税金を払うなんて真っ平だと考える人たちが作った国だからだ。なるほどなぁ,と思ってしまう。
- さて,私の名前の「睦」は「まこと」と読む。かなり珍しい読み方であり(もちろん,正式の読み方であり広辞苑にも載っている),これまでの51年の人生では「むつみさん」と呼ばれることが圧倒的に多かった。自分の子供の名前に珍奇な漢字,珍奇な読み方をつける親が最近ムチャクチャ多いが,やはり当たり前に読める名前,普通に読める名前の方がいいと思うよ。
何が一番困るかというと,電話で自分の名前の漢字を相手に伝えるのが大変なのだ。私の名前くらいだったら「睦まじい,という漢字です」とか「陸地の陸という漢字の左側が目になっている字です」といえばいいが,最近,外来を訪れる子供の中には,この名前の漢字をどうやって相手に伝えるんだろう? と人事ながら心配になってくる名前が多い。
そういうもんだから,「男子五輪代表が合宿公開/レスリング」というニュースの中に「笹本睦」という選手の名前が「まこと」だと知って,ちょっと嬉しくなったりするのです。笹本選手,頑張ってください。
ちなみにネットで調べてみると,「睦でまこと」さんの有名人は次の二人くらいしか見つからなかった。多分彼らも「むつみさん」って呼ばれて育ったんだろうなぁ・・・本名だとしたら。
- 越中睦:イケメンのボーカル,俳優
- 森澄睦:インディーズ系のネットミュージシャン
2008/07/16
2008/07/15
- 日本産婦人科医会報7月号に依頼論文「新しい術後創傷管理法」が掲載されました。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,石川県金沢市のなるわクリニック 整形外科 米澤太聞先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 私は自宅でも移動先でもe-mobileの3.6Mbpsの通信カードでネット接続していますが,先週末の秋田での講演ではb-mobileの112Kbps通信カードを持っていきました。事前に,秋田県内でe-mobileが使えるのは秋田市のごく一部に過ぎないことがわかっていたからです。しかも,宿泊したホテルには有線LANがなく,3日間,b-mobileは久し振りの大活躍でした。
問題はb-mobileの契約が10月に切れることです。e-mobileが使えるエリアは日々拡大しているとはいえ,地方に行くと繋がるエリアはまだまだ限られています(例:青森県では青森市と弘前市だけ,秋田県では秋田市の一部だけ,岩手県では盛岡市の一部だけ)。また,多くのホテルで有線LANが無料で使えるようになっているとはいえ,今回のようにLAN端子のないホテルに遭遇することもたまにあります。少なくとも,私の実家のあたりがe-mobileのエリアになることは当分ないはずです。b-mobileのようにe-mobileが全国どこの田舎町でも使えるようになるのは,まだかなり先の話でしょう。
また,「子供がヤケドしました,どうしたらいいでしょうか?」なんていう緊急メールは毎日舞い込みますから,インターネットが一日中使えないのは困ります。
b-mobileで使用時間の上限がある安いタイプに契約変更するかどうか,今年10月の契約切れまで悩みそうです。
2008/07/14
- 先日ちょっと紹介した『ミトコンドリアが進化を決めた』について本格的に紹介。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,大阪府堺市のベルランド総合病院急病救急部/甲村 稔先生,兵庫県西脇市の西脇市立西脇病院、外科 五島正裕先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 先週金曜日は秋田県の市立田沢湖病院で講演でした。60床ほどの規模の病院ですが,会場の同院会議室は満員で,そのあとの質疑応答も活発でした。お集まりいただき,ありがとうございました。
そのあとは10人ほどの人たちと懇親会。久し振りに聞く純正秋田弁の鼻濁音の多い会話が懐かしかったです。日本酒王国・秋田の酒も美味でした。そしてさらに二次会に突入。深夜,何とか宿泊のホテルにたどり着きました。
- 土曜日は秋田の実家にそのまま移動し,これまた久し振りに一人で暮らしている母親に会いました。絵に書いたような田舎町なんですが,町内会の半分の世帯は高齢者の一人暮らしで,子供の声も滅多に聞こえないという衰退ぶり。翌日,電車に乗ろうと駅に行きましたが,駅前の通りはほとんどシャッターが閉まっている状態でした。以前にも書いたことがありますが,この町(かつてはその市の中心だった)の町並みは私が小学生だった頃,つまり45年前と全く変わっていません。タイムトンネルをくぐって45年前の世界に迷い込んだような感じでした。
- さて,母親によると,大型の蛾のクスサン,ヤママユガが激減というか,全くいなくなったそうです。昔は今頃になると,巨大な幼虫の群れが繭を作る場所を求めて家の外壁を登り,軒下などで繭を作るという,かなり気色悪い光景が繰り広げられていましたが,ここ5年ほど,一匹も見ないそうです。そういえば,昔あれほどいたアメリカシロヒトリも全然見なくなりましたね。
庭に生えている雑草の種類も少しずつ変わってきたそうです。
- その実家の仏壇には父の遺影と私の姉の遺影が並んでいます。姉は私が生まれる前に死んだため,私はこの写真でしか知りません。この姉のことを覚えている人間は,もう母親しかいません。母親がこの世を去ったとき,かつて1歳半で死んでいった幼女がいたという記憶は永遠に消え去ります。
私の父が死んでから既に13年ですが,父のことを覚えている人間も次第に少なくなるのでしょう。長年,中学の教師をしていましたから,もしかしたらその頃の教え子で覚えている人もいるのかもしれませんが,その教え子たちも中年に達しているはずです。また,かつて父の同僚だった人たち,釣り仲間だった人たちも,一人,また一人とこの世から消えていっています。
人が死ぬということは,その人が保っていた記憶も死ぬということなんだな,と仏壇の写真を見ながらしみじみ思いました。
2008/07/11
- 今日は11時半頃まで外来診療をして,それから12時の常磐線に飛び乗って上野⇒秋田新幹線と移動し,市立田沢湖病院で講演です。
- これは文句なしに大傑作,超オモシロ映画,《カクタス・ジャック》。
- またもや医学と関係ないピアノネタです。
ピアノ・サイトを作っていた頃からの知人から「ローゼンブラットの『鉄腕アトムの主題による幻想曲』の楽譜,持ってますか?」というメールをいただき,そういえば一時期,ローゼンブラットにはまっていた時期があったっけ,と懐かしくなり,YouTubeで探してみたら,結構あるじゃないです。中でも,聞いて楽しく見て楽しい『ロシアの主題によるコンチェルティーノ』を紹介します。後半,「二人羽織」があります。
そして,次のような演奏も発見。
前者はほとんど演奏されることがないアレンジですが,演奏効果が高く,それでいてシフラ編曲ほど難しくないため,私の好きな編曲です。
後者はカツァリスによる「シフラ編曲 熊蜂の飛行」。1975年の演奏らしいです。最近,このような古い演奏動画が次々とYouTubeで復活していて,嬉しい限りです。
弾いてみたい,楽譜を見てみたいという人は,御連絡ください。
2008/07/10
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,茨城県鹿嶋市の財団法人 鹿島病院 整形外科 武井貢彦先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 8月29日の「第2回創傷ケア研究会」の詳細について追加しました。シンポジウム(定員300名),懇親会(50名)に参加ご希望の方は,あらかじめメールでお申し込みください。
- 「質問」コーナーに「私が住んでいる地域ではどんなヤケドもきれいに治るとトフメルA軟膏が評判ですが・・・」を追加。
- 一昨日,日経メディカルの私のDVDについて書きましたが,実はまだ日経メディカルから購入できるようです。ちょっとわかりにくいところにあるので,気がつきませんでした。
30分で2万円という超高価ビデオ(DVD)ですので,「研修医教育用に必要」なんて名目をでっち上げて病院に買ってもらってください。
- 講演で使用するスライドですが,さらにバージョンアップし,7月8日作成のものが最新バージョンです。以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますし,新たにダウンロードをご希望の方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
2008/07/09
- 来年5月に行われる第82回 日本整形外科学会学術総会のパネルディスカッション「軟部組織欠損に対する治療戦略」でパネリストとして参加することが決まりました。
- 昨日,東京のクリニック勤務の山本先生が見学に見えられました。午前中のみの見学でしたが,そこそこ多くの症例をお見せできてよかったです。
- ついに『ミトコンドリアが進化を決めた』(ニック・レーン,みすず書房)を読破! ものすごい本である。これほど感動的な科学書は滅多にあるものではない。以前,同じ作者の『生と死の自然史―進化を統べる酸素』という本を紹介した。これも壮大な生命の歴史を描きつくした壮麗な名著だったが,今回の『ミトコンドリア』は更なる高みに到達している。 ミトコンドリアに関するありとあらゆる実験データを視野にいれ,膨大な関連分野の研究結果をすべて網羅し,それらを組み合わせて真核生物の驚くべき進化の過程を壮大なドラマとして説明するのだ。とにかく,ページをめくるたびに驚きがあり,新しいものの見方を教えてくれるのだ。しかも,どの部分をとっても論理は明晰であり,難解な部分はなく,具体的な比喩がちりばめられているため,読み進めるのが愉悦ですらある。
いずれ,きちんとしたレビューを書こうと思っているが,この膨大華麗な書の内容を正確にまとめ,その面白さを文章で表現するだけの力が私にあるのかどうか,ちょっと不安である。
- 詐欺師とペテン師の丁々発止の騙しのテクニックが楽しい《ペテン師とサギ師だまされてリビエラ》について。1988年発表の作品なんで,さすがに感覚的にちょっと古い部分があるけど,結構楽しめます。
2008/07/08
- アンケートに予防的投与している抗生剤は,本当に術後感染を防いでいると思いますかを追加。
- 「縫合の練習風景が収められているということで日経メディカルのビデオ(DVD)を購入しようとしましたが,もう売られていないようで入手できません」というようなメールを時々いただきます。どうやら,私が知らないうちに絶版になっていたようです。
このDVDは私自身も所有していないためどうしようもないと思っていたのですが,なんとか昔使っていたハードディスクの中から,縫合練習部分のみをDivXファイルに転換したものが見つかりました。ご覧になりたい方は,メールでご連絡下さい。
- 洞爺湖サミットを記念して(?),参加各国の首脳の年齢を調べてみました。以前の企画の焼きなおし,ってとこで,はっきり言って手抜きネタです。
- 72歳
- 福田康夫(日本)1936年7月16日生
- シルヴィオ・ベルルスコーニ(イタリア)1936年9月29日生
- 62歳
- ジョージ・W・ブッシュ(アメリカ)1946年7月6日生
- 57歳
- ゴードン・ブラウン(イギリス)1951年2月20日生
- 53歳
- アンゲラ・メルケル(ドイツ)1954年7月17日生
- ニコラ・サルコジ(フランス)1955年1月28日生
- 49歳
- スティーヴン・ハーパー(カナダ)1959年4月30日生
- 42歳
- ドミトリー・メドヴェージェフ(ロシア)1965年9月14日生
自分の年齢と重ね合わせると,なかなか感慨深いものがあります。
2008/07/07
- 先週金曜日は埼玉県の済生会川口総合病院で講演でした。同院の会議室は満員状態で,後ろで立っていらっしゃる方も多かったです。また,質疑応答もとても活発でした。
その後は病院近くのお寿司屋さんで宴会。お料理もおいしかったですが,地酒の濁り酒が美味でした。遅くまでお付き合いいただき,ありがとうございました。
- こんな質問いただきましたに,「喉頭腫瘍への放射線照射後の疼痛対策」を追加。
- 最近,2つの雑誌で湿潤治療が紹介されていました。「コーチングクリニック」6月号,そして「Medical Bio」7月号です。前者では「スポーツの怪我での応急手当に用いるグッズ一覧」というコーナーで,ごく当たり前のように「消毒しないで乾燥を防げばいい」と治療を紹介し,後者では「ライフサイエンス Q & A」というコーナーで「カサブタを作らないあたしい傷の治療とは」と紹介されていました。いずれも記事は無記名で,それぞれの記者の方が書かれたもののようです。
ここで注目したいのは,スポーツ雑誌の「コーチングクリニック」での記事の軽快さです。新しい治療を紹介しますね,というのでなく,もう皆さん御存知と思いますが,という感じで治療グッズを紹介しているのです。以前にも自転車ロードレースをしていらっしゃる方から「この業界では湿潤治療は当たり前ですよ。すぐに痛みがなくなるし,早く治るんだから当たり前です」とメールをいただいたことがありますが,そういうことなんでしょう。スポーツ界で当たり前の治療になれば,治療の普及は私が想像するより案外早くなるかもしれません。
一度この治療を経験したら,もう昔ながらの「消毒をして軟膏ガーゼ」の時代には戻れませんし,一度でも経験した人は,医者がいくら消毒しようとしても,それを拒否するでしょうし,そういう医者には行かなくなるでしょう。医者が治療を押し付ける時代でなく,患者が治療,医者を選ぶ時代になれば,自然に「消毒馬鹿医者」は淘汰されます。患者が拒否する治療を医者が強要できるかどうか,という問題です。
2008/07/04
- 健康雑誌の「安心」8月号で『〔名療法発見!〕 傷,ヤケドに消毒,ガーゼは不要! 速く治る痛みも少ない潤い治療』と紹介していただきました。ありがとうございました。
- 今日は昼まで外来診療をして,それから電車を乗り継いで川口に向かい,済生会川口病院で講演です。
- ZAKZAKにピアニストの松本あすかの記事があったのでちょっと面白そうだったので,動画検索。
- 「エリーゼのために」
- パーカッションつきのジャズ。
- 「お行儀のよいジャズ」という感じでしょうか。センスはいいです。
- 「エリーゼのために」
- こちらはソロ演奏。
- 普通に始まり,途中からいきなり倍速のジャズに・・・。
- 演奏はこちらの方が面白い気がする。
- ベートーヴェン「ワルトシュタイン・ソナタ」
- 元曲の「ワルトシュタイン」をよく知っている人ほど楽しめると思うが,それを知らないと,「何だかきれいな曲だけど・・・」と感じるかも。
- 「ワルトシュタイン」第1楽章の主題,経過句をリズムと和声を変え,コラージュ風に配置している。換骨奪胎という言葉はこのアレンジのためにあるかも。
- Bach Italian Concerto Ⅲ
- 冒頭は誰が聞いても「イタリア協奏曲」のフィナーレなんだけど,リズムの取り方がなんか変だな,と思っていると和声も微妙にずれてきて,いつの間にかジャズになっちゃう。
- 冒頭の音階を聞いても,バッハはジャズに合うことがよくわかる。
ちなみに上記の記事で紹介されていたCDはこちら。
2008/07/03
- 昨日ちょっと書いた大傑作映画,《4分間のピアニスト》について。最後の4分間の演奏を文章化してみました。ついでに映画の中で何度も流れるシューベルトの「即興曲変イ長調」についての想い出も・・・。
2008/07/02
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,東京都新宿区の神楽坂医院 安部通先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 6月30日,7月1日と連続で東京慈恵会医科大学外科の山本先生が見学にいらっしゃいました。もうすぐ開業ということで治療法はもとより,治療に使用している細々した物品なども熱心に見学されていました。
- この週末,ちょっと話題になった映画《4分間のピアニスト》を見ました。内容も素晴らしいものでしたが,何より最後の4分間の演奏が衝撃的で圧倒されます。まずはこのYouTubeのラストの画像を見てください。現在,映画の感想をまとめているところです。いずれにしても,ピアノ大好き人間にはたまらない作品でしょう。
2008/07/01
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,宮城県岩沼市の医療法人将道会 総合南東北病院 形成外科 村松英俊先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 「1970年代,イギリスのロックシーンに忽然として登場し,瞬く間に頂点に上り詰めたのが伝説のロックバンドがあった。このバンドを率いるボーカルとリードギターは双子の兄弟だったが,普通の双子と違っているところがあった。彼らは結合体双生児だったのだ」・・・という斬新な設定の傑作ロック映画,《ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド》について。
映画そのものとしては申し分ない作品だし,何より演奏シーンが惚れ惚れするほど素晴らしいです。ただ,医学的な面で矛盾が・・・。