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2008/06/30
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,広島県東広島市の康成病院 小林達也(副院長)先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 一昨日は名古屋で開催された第1回創傷ケア研究会で鳥谷部先生とともに30分のミニ講演。褥創のラップ療法を中心に,湿潤治療をしている医師,看護師の顔合わせというか,これからどういう方向でやっていこうか,という会合です。久し振りの鳥谷部先生,元気そうでした。
そのあとは立食での懇親会,そして2次会へと突入したのでありました。お互いよく知っている人ばかりでしたので,とても楽しい宴会となりました。
- 上記の研究会や宴会での雑談で出た話です。
- エビデンスがないからラップ療法が広まらないのではない。知られていないから広まらないのだ。エビデンスを提示しても広まるわけではないような気がする。
- ラップ療法に反対する医者は,自分で褥創治療をしていない医者ばかりのようだ。だから,観念論で治療に反対しているだけ。この人たちを説得するのは不可能(・・・褥創治療の実情を知らないから)。
- 外傷の湿潤治療にしろ褥創のラップ療法にしろ,実際にやってみた医者や看護師で反対する人はいない。
- 湿潤治療について全く知らない研修医は,今やほとんどいない。彼らが自分の意思で治療できるようになったら,旧来の傷の治療も褥瘡学会が推奨する治療も,自然消滅するのではないだろうか?
- 一般市民が湿潤治療を体験してしまったら,旧態依然とした傷の治療,やけどの治療をしている病院(=大学病院,大規模総合病院)の治療を希望する患者はいなくなり,患者が拒否するようになる。つまり,医者が消毒したくてもできない時代になる。
このように考えてみると,EBMの論理はパラダイムシフトに対応できない,むしろEBMはパラダイムの転換を妨害するのではないだろうか。既存の論文に証拠を求めるからである。だから,例えばラップ療法のエビデンスをいくら積み上げてもそれで治療法を変える看護師はいないだろうし,消毒の組織障害性に関するエビデンスをいくら積み上げても,それで消毒を止める医者はいないだろう。
チョンマゲを結っていた江戸時代には「チョンマゲをする必要はない,チョンマゲはしなくてもいい」というエビデンスはなかった。チョンマゲをしろ,チョンマゲをしなければおかしい,という常識しかなかったからだ。チョンマゲ医者(=消毒医者・消毒看護師)にチョンマゲを止めさせるためには,「チョンマゲをしない」ことが常識となり,チョンマゲ医者以外のすべての人間がチョンマゲをしていない世の中にするしかないのである。
つまり,エビデンス(=論文)を出すことではなく,世の中を変えるしかないような気がする。
2008/06/28
2008/06/27
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,兵庫県神戸市の神戸市立医療センター西市民病院 整形外科 藤原弘之先生,愛知県名古屋市のさかえクリニック 末武信宏先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 「治療例」に「急速増悪した膿皮症」を追加。感染症のように見えて実は感染症ではないので,抗生剤もデブリードマンも効果はありません。
- 先日紹介したJon Bayless,Marco Falossiのほかの演奏も聞いてみたいという方はお気軽にご連絡下さい。
2008/06/26
2008/06/25
2008/06/24
- 10月24日(金)の仙台オープン病院 登録医秋季勉強会で講演することが決まりました。
- 国境なき医師団に参加されている先生から,紛争地での外傷治療にプラスモイストPを使いたいが,と連絡をいただきました。早速,手配しましたが,このような場合にはプラスモイストを提供しますのでお気軽にご連絡ください。
- 今週末,6月28日に名古屋で開催される第1回創傷ケア研究会で使用するスライドが(一応)完成しました。研究会参加者は既に基礎的なことを知っている人ばかりで,しかも講演時間が30分と短いことから,熱傷症例と創感染,生態系としての人体,という観点から作り直したものです。
以前,スライドファイルをダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますし,新たにダウンロードをご希望の方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
- またもピアノネタでごめん! 今回はJon BaylessのYouTube画像の紹介。
Jon Baylessといえば自作のアレンジしか演奏しない変な(?)ピアニストで,プッチーニのアリアを豪華絢爛に編曲したアルバムとか,バッハの曲とビートルズを見事に合体させた編曲のアルバムなどを発表している。私は大好きなピアニストなんだけど,何しろこの方面のピアニストに対する需要は少ないので,何となく「忘れられかけているピアニスト」みたいな感じになっている。
そういうピアニストを力強くサポートしてくれるのがYouTubeで,現時点で以下の演奏ビデオが視聴できるので,ちょっと紹介。
ちなみに,Baylessのほかの演奏も聞いてみたいという方がいらっしゃいましたら,メールでご連絡下さい。
2008/06/23
2008/06/20
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,香川県高松市の横井内科医院 横井徹先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 講演で使用するスライドですが,さらにバージョンアップし,6月19日作成のものが最新バージョンです。以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますし,新たにダウンロードをご希望の方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
- 昨日はつくば市での下妻地区創傷治療勉強会で講演でした。用意された席は全て埋まり,いろいろな質問をいただきました。多数ご参加いただき,ありがとうございます。
そして,講演終了後(21:30),会場を移動して懇親会。ここでも40人ほどの人が参加されました。遅くまでお付き合いいただき,ありがとうございました。
ちなみに昨日は,夕方17:00まで外来診療をし,17:45に病院を出発,19:30過ぎに講演開始,21:30に懇親会開始,23:30に懇親会会場を後にし,自宅に戻ったのは24:10くらいでした。そして,翌日は朝5:30に起床しています。
- スプラッターホラー映画として始まり,悲恋映画で終わるちょっと変な映画,《キャンディマン》について。悪い映画じゃないんだけど・・・。
2008/06/19
2008/06/18
- アンケートに「外来で使用しているガーゼは滅菌,未滅菌?」を追加。
- 「医師養成数増へ方針転換 97年閣議決定見直しへ」。ようやく10年来の過ちが修正されることになったのか,と概ね賛成だが,問題はこの決定がもしかしたら遅過ぎたのではないか,もう間に合わないのではないか,という点にある。なぜかというと,今後10年間,医師の供給数は増加せず,高齢化率はさらに増加するからだ。
ご存知のように,「医師数・看護師数の国際比較」で明らかなように,OECD諸国(いわゆる先進国)で人口当たりの看護師数はほぼ真ん中あたりだが,医師数は下から4番目なのである。しかも高齢化率はトップなのである。
この「高齢化率の変化」を見ると1990年代から急速に上昇していることがわかる。しかも少子化も同時進行していたわけで,近い症例,高齢者(=有病者)が増えることが容易に予想できていたのに,1997年に閣議決定で医学部定員削減が決まってしまったのだ。その結果が「2005年,人口当たりの医師数はOECD諸国で最低ライン」という現実に結実したのだ。どう考えても10年前の閣議決定は,現実のデータを無視した決定だったと思う。
今回の方針変更を受けて,数年以内には医学部の定員が徐々に増えていくのだろうが,医学部定員を増やした効果が現実の医師数の増加に反映されるのに10年以上かかることを忘れてはいけない。10年たって初めて卒後4年目の医者になり,何とか使い物になってくるからだ。
「ゆとり教育」でも思ったことだが,教育のシステムを変えてもそれがどういう結果を生むかはすぐにはわからない。わかるのは10年後なのだ。そして,10年たって「これではまずい」と方針変更をしたとしても,その変更の効果が現れるのはさらに10年後だ。巨大なタンカーが舵を切ってもなかなか航路が変わらないのと同じだ。
だから,義務教育のシステム変更とか医学部定員の変更などのような国家の根幹に関わるような変更は「現時点での不具合の修正のための路線変更」でなく,「10年後,20年後の日本と世界の変化を見越した上での路線変更」でなければいけないのだ。従って,システム変更をする際には正確なデータと論理的演繹能力を持った人間の判断が必要になり,その判断を実行に移すかどうかは為政者に委ねられることになる。
問題は,この国でそのような判断システムがどうなっているかだが,10年前に得られたデータを素直に読む限り,その時点でなされた意思決定はデータを完全に無視したものであり,少なくとも当時は政策判断システムがまともに作動していたとは思えないのである。
政治とは何か,政策とは何か,政治家とは何か,官僚とは何か,為政者とは何か,政策決定とは誰が誰のためにするものなのか,そもそも国家とは何なのか・・・・。
- 今回の岩手・宮城県での大地震で思ったのだが,「震源地は岩手県奥州市」と聞いて,それが岩手県のどこにあるのか,全くわからなかった。私は東北の生まれで東北地方の病院での勤務が長いにもかかわらず,「奥州市」がどこにあるのかわからなかったのである。もちろん,奥州市が平成の大合併で生まれた市だからだ。
そういえば秋田は私の生まれ故郷だが,ニュースで秋田県○○市,と聞いても,それがどこにあるのか全然わからないことが多くなった。
- 今月13日のこのコーナーで,ジャズピアニスト上原ひろみの "I Got Rhythm" の採譜楽譜が雑誌に掲載されているという話を書きましたが,早速,雑誌をゲットし弾いてみました。右手は速くてちょっと複雑なパッセージが多く,左手も跳躍が多いものの,左手のリズムが定型的で覚えやすいため,全体としては弾きにくいという感じはありません。右手の16文音符の連続さえ必死に練習すれば,何とかなりそうな感じです。
また,テンポが速いためにスウィング感にこだわらずに楽譜どおり弾いてもそこそこ「ジャズっぽく」なりますので,普段ジャズを弾かないクラシックピアノ弾きにも嬉しい一曲じゃないかと思います。
2008/06/17
- お洒落で,ちょっぴり感動的で,しかも後味がとっても素敵な詐欺師映画,《マッチスティック・メン》について。ニコラス・ケイジがいい味を出しています。
- 「秋葉原の歩行者天国を当面中止に」
これってどうなんだろう。歩行者天国であろうとなかろうと,イカれた奴が大量に人を殺そうと思ったらどこでもできるからね。それこそ渋谷や新宿のスクランブル交差点なんかにダンプで突っ込むとか,アメ横で刃物を振り回すとか,いくらでもできるからだ。悪意を持った人間が何かをしようとしたら,それを防ぐことは不可能である。
これは要するに,家に泥棒が入ってきたようなもので,侵入に使われた窓だけを閉鎖しよう,というのが今回の「歩行者天国中止」と同じ。しかし,泥棒が入れそうな窓は他にもあるし,窓以外にも入れそうなところはある。つまり,「泥棒が入った窓だけ閉鎖する」というのは何の解決にもならない。
ではどうするか。悪意を持った人が入ろうとするとは入れない建物がないことをまず認め,泥棒が入ることを前提に,早めに感知するとか,いかにも入れそうな窓をわざと作ってトラップを仕掛けるとか,そういうことしかないような気がする。
ちなみに,「絶対に泥棒が入れない建物を作ろう」という命題を考えるのも面白い。
- 窓があればそこから入られるだろうから窓は一切作らない。
- ドアがあればそこから入ってくるかもしれないからドアも作らない。
- 通気口からも入ってくる可能性があるから通気口も作らない。
- 通信機器があればハッキングされて情報を盗まれるかもしれないから外部との通信機器はおかず,外部との連絡が取れないようにする。
- 水道やガスがあると,万一故障したときに外部から人を呼んで直してもらわないといけないが,そのときに泥棒が入ってくるかもしれないからガスも水道もない。
つまり,「絶対に泥棒が入れない建物」とは人間が住めない建物,ということになってしまう。要するに,泥棒に絶対に入れない建物とは,中に住んでいる人が外に出られない建物,外部とのあらゆる連絡手段が一切ない建物である。
ちなみに,この「絶対に泥棒が入れない建物」とは,「カテーテル刺入部の感染を絶対に起こさない処置法は何か」,「術後創感染を絶対に起こさない処置法はあるか」,「絶対に創感染を起こさない熱傷治療とは何か」という命題のアナロジーである。
カテーテル感染を絶対に起こしたくないと思ったら,唯一の解決法はカテーテルを入れないことである。術後創感染をゼロにすべきと思ったら手術をしないことである。交通事故ゼロにするために最も簡単なのは,車をすべて廃止するか,車と人間の接触を一切なくせばいい(例:車はロボットが運転し,人間社会と完全に遮断した社会を作ってそこで車を走らせる)のと同じ。
「でも,車は便利で廃止することはできないし,治療でカテーテルは絶対に必要」と考えるなら,事故や感染は必ず起こることを前提にしてシステムを組み立てるしかないのだ。
- 「マンガに埋もれ、仙台市の男性が死亡」
つくづく,人間は死に方を選べないな,と思う。格好いい死に方もなければ格好悪い死に方もない。死は死だ。
自分の父親が死んだ歳まで生きられるとして,私はあと17年か・・・。
2008/06/16
2008/06/14
- 「質問」コーナーに「カラヤヘッシブとデュオアクティブの違い」を追加しました。
- 雑誌「臨床外科7月号」に『創傷治癒の基本理論』が掲載されました。
- 講演で使用するスライドですが,さらにバージョンアップし,6月13日作成のものが最新バージョンです。以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますし,新たにダウンロードをご希望の方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
2008/06/13
2008/06/12
- アンケートに「外傷の湿潤治療」普及のための最大の障害は何でしょうかを追加。
- 実際の治療例に「爪床損傷例」を追加。先日予告した症例です。
- 以下の推論はあくまでも「報道された内容」が根拠なので,実際には違っているかもしれないよ,ということは最初に断っておく。
「整形外科で点滴後に女性死亡、11人入院 三重・伊賀」について,同院の院長先生は看護師「点滴作り置きしていた」 患者死亡の整形外科と回答したようだ。また,「点滴毎朝作り置き、血液から細菌 院内感染の疑い強まる」というのも明らかになった。どうやら,「細菌汚染されていたのは点滴薬剤か点滴ルートのいずれかしかない」という昨日の私の予想があたってしまったようだ。
だが,この報道中の院長先生の「私の指示を無視して,看護師が勝手に薬剤の作り置きをして使っていた」という弁明には疑問を抱く。その根拠は次の通り。
- 同院のホームページを見る限り,勤務医師は院長一人のみと思われる。
- 同院の診療時間は午前3時間,午後3時間の合計6時間。
- 同院では一日に300人を診療し,同じ薬剤の点滴を一日100人がしていた,と報じられている。
これが正しいとすれば,院長先生は一人で一日300人の患者の診療に当たっていたことになる。一人で診察・診療できる患者数の上限は恐らく,1時間当たり12~15人くらいだろうから,食事もとらずに朝から晩まで診察したとしても80人から100人が上限だろう。残りの200人はリハビリだけ,注射だけで医師の診察なし,と考えなければ計算が合わない。もちろん,大学からの応援医師が毎日3人くらい来ていたら300人の外来患者をこなせるかもしれないが・・・。
しかも,今回の事故が起きたのと同じ点滴を毎日100人に行っているという。ということは,外来患者の3人に一人は同じ点滴をしていたことになる。これは医学的に見て異常ではないだろうか。外来患者の3割以上が同じ症状で,同じ治療が必要で,同じ点滴が必要だったという事態は,常識では考えられないと思う。恐らく,医師の診察なしに点滴が行われ,しかもその点滴の内容は医師の指示なしに最初から作られていたのだろう。それが「作り置き」だし,「作り置き」しておかなければ,1日100人の点滴をこなすのは難しいはずだ。
逆に言えば,点滴内容が初めから決まっていたからこそ「作り置き」が可能になり,100人の患者をこなせたのだろう。
2008/06/11
- 講演で使用するスライドですが,さらにバージョンアップし,6月10日作成のものが最新バージョンです。以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますし,新たにダウンロードをご希望の方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
ちなみに今回の修正は熱傷症例の入れ替えで,「某大学病院で植皮が必要と診断された乳児熱傷」を追加しました。
- 昨日は横浜市で開かれた神奈川県慶応関連病院外科研究会で講演でした。100人近い方が参加され会場はほぼ満席でした。多数ご参加いただきありがとうございました。
そのあと立食形式の懇親会に参加しましたが,ここでもさまざまな質問をいただきました。
そして,随行してくれたメーカーの人とちょっと食事をして,9時過ぎの東海道線で横浜から東京に移動し,上野22:00発の常磐線の電車に乗り,23時過ぎに石岡到着。散々飲んだあとだったため,常磐線の車内では危うく眠りそうになり,はっと気がついたときに石岡駅に停車中で,慌てて飛び起き,飛び降りました。ここで目が覚めなかったらどこまで行っていたんだろうか。いやぁ,危なかった,危なかった。
ちなみにここで寝過ごすとどうなるかは,「駅までたったの40分!」というサイトに凄まじい実録ルポがあります。既に更新が途絶えていますが,いつ読んでも面白いです。
- 「整形外科で点滴後に女性死亡、11人入院 三重・伊賀」。点滴に使われていたのはノイロトロピンとメチコバール,それを生食に溶いて点滴していて,死亡された患者さんは9日に点滴して翌日死亡。感染症で亡くなったと報じられている。
となると,点滴してから死亡までの時間が短いことから考えると,使用した薬剤が既に細菌汚染されていたか点滴のルートが汚染されていたかのいずれかの可能性が高い気がするが,どうだろうか。
2008/06/10
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,岩手県盛岡市のちだ内科・外科クリニック 千田明紀先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- アンケートに手術前の手洗いについてを追加。
- 後期高齢者保険制度とか高齢者医療の問題の根源は恐らく,老化とか老衰という自然現象に付随するさまざまな「変化」を「病気」と考えていることにあるんじゃないだろうか。
「病気」だと思えば治療対象になり,何が何でも治療して状態を改善しよう,改善しなければいけない,全力で改善しよう・・・という方向に走ってしまう。
だが,物事全て「原因と結果」であり,「原因」が除去できれば「結果」は自然に改善する。だから,治療のターゲットはあくまでも「原因」でなければいけない。例えば細菌性肺炎の場合,細菌と言う「原因」を除去する方向で治療をすれば肺炎は治るが,咳とか痰などの「結果」だけ治療しても状態は改善しない。肺炎は肺炎のままだ。
それと同じに考えれば,老衰に付随するさまざまな現象(例:寝たきりになる,褥創ができる,意識レベルが落ちるなど)を治療することには意味がなく,唯一意味がある治療とは「老衰を改善する」,つまり,若返らせることしかない。もちろん,これは不可能だ。
高齢者医療を考えるには,まず,「老衰」と「病気」を同一視するのか,区別するのか,というあたりから考え直す必要があるんじゃないだろうか,と思っている。
- 最近,クラシックのピアニストなんだけどジャズも巧みに弾く,という人が少しずつ増えていて,そういう一人がロシアのKonstantin Vilenskyです。彼の演奏を収録したYouTubeの画像がとても面白いです。
- Mozart トルコ行進曲
- ヴォロドスの豪腕アレンジと,ファジル・サイのジャズアレンジの合体路線,という感じなんですが,唖然とするばかりの超絶編曲です。
- 中間の嬰へ短調になってからのアレンジが秀逸です。
- さらにすごいのがコーダの爆演。やはりコンサート・グランドピアノで聴きたいです。
- 熊蜂の飛行
- 「熊蜂の飛行」の超絶ピアノ馬鹿編曲といえば,シフラの編曲というアイガー北壁が聳え立っていますが,それに匹敵する超絶的アレンジ。ジャズ・テイストが効いています。
- 途中でシフラのアレンジが登場するのは御愛嬌。
このほかにもいろいろな演奏動画がYouTubeにアップされていますので,彼の名前で検索してみてください。すごい演奏が見つかりますよ。
- 今日は午前中は普通に外来をして,昼過ぎに石岡を出発し,16:00から神奈川県慶応関連病院外科研究会で講演です。講演後は懇親会があり,終了後にはまた常磐線に乗って23:00に石岡に戻る予定です。結構ハードな一日になりそうです。
- 『ひとみしり道』(べつやくれい,メディアファクトリー)が面白い。もともとは「エッセイコミック劇場」というサイトでの連載なんだけど脱力っぷりがなんともいい味を出しています。彼女の「@nifty:デイリーポータルZ」での記事(最近のはこれ)をまとめた本も面白いです。
2008/06/09
2008/06/06
2008/06/05
- 講演で使用するスライドですが,さらにバージョンアップし,6月4日作成のものが最新バージョンです。以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますし,新たにダウンロードをご希望の方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
ちなみに今回の修正はマイナーチェンジで,「プラスモイスト個人向け販売」情報を追加したものです。
- メキシコを舞台にした大傑作映画,《アモーレス・ぺロス》紹介。バラバラの3つのエピソードが一つの事件で一つにまとまり大きな世界を創っていく様は,息を呑むほど見事です。
2008/06/04
- 「外傷を湿潤治療している医師」に次の先生方にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 神奈川県横浜市のみうらクリニック 三浦 勝先生
- 宮城県仙台市の自衛隊仙台病院 外科/宇都宮勝之,帖地憲太郎,泌尿器科/梅田 俊,整形外科/横部旬哉先生
- プラスモイストPのインターネットでの個人向け販売が始まりました。詳しくはアレルギービズショップをご覧ください。
- これまで幾つかアンケートをとってきたが,これは本来,学会などが主体的に行うべきことじゃないかと思うがどうだろうか。
例えば,日本褥瘡学会が「褥創のDESIGN評価」を提唱しているのであれば,それが実際の褥創治療の現場でどう捉えられているのか,実際に使われているのか,役に立っているのか・・・という調べるのは当然だからだ。
提唱するだけでその評価をしないのは,「高速道路を作ることには熱心だが,その道路が実際に使われているかどうかを調査しない」道路公団と同じだ。ガイドラインにしろ高速道路にしろ,作ったなら使われているかどうか,使い心地はどうかを調べるべきなのだ。
同様に,頭部打撲と頭部2方向レントゲン写真も脳外科学会あたりで行うべきだと思う。今回の回答を見ると,頭部2方向撮影に診断的価値が少ないと考えている人が大多数であり,将来的にはさらに価値がなくなるだろうと考えている人が多いからだ。
だから,脳外科の学会で脳外科医に改めてアンケートを取って専門医の意見をまとめ,その上で,頭部2方向撮影に意味がないという意見が多数であれば「頭部打撲では単純頭部レントゲン写真は不要」と発表すべきだ。そうすれば,日本全国で毎日のように撮影されている「膨大で無駄なレントゲン写真」を廃止できるし,患者にも「学会で無駄だという宣言が出ましたから撮影しません」と説明することができることになる。もちろん,医療費抑制の役に立つことは言うまでもないだろう。
2008/06/03
2008/06/02
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,以下の先生達にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 宮城県仙台市の光ヶ丘スペルマン病院 小児科 柿澤美保先生
- 長崎市の麻生整形外科医院 麻生英一郎先生
- 香川県高松市の高松平和病院 整形外科 中平 旭,真鍋 等先生
- 7月11日に市立田沢湖病院で講演することが決まりました。
- 先週金曜日は仙台循環器懇話会で講演でした。用意された席はほぼ埋まり,この懇話会とは関係のない小児科の先生も結構参加されていたようです。講演終了後,立食形式の情報交換会がありましたが,次々と質問を頂きました。多数ご参加いただき,ありがとうございました。
25年ぶりに大学の同級生と会いましたが,全然変わっていなくてビックリしました。
- 講演で使用するスライドですが,さらにバージョンアップし,6月1日作成のものが最新バージョンです。以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますし,新たにダウンロードをご希望の方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。