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2009/12/30
- 超有名映画のパロディーのごった煮映画,それが《鉄板英雄伝説》です。パロディー映画は決して嫌いじゃないんですが,笑いがしつこすぎてしかも下品すぎます。アメリカ人には受けるんでしょうが,オジサンはちょっとついていけませんでした。
- 勝手に食べ放題
世の中には「2980円食べ放題コース」なんて焼肉屋さんとかがあるわけです。しかし,30代に入ると人間は次第に食べられなくなり,食べ放題といっても値段分食べられるわけがなく,全く元が取れません。
というわけで,Daily Portal Zの「30代男女」たちが立ち上がりました。食べ放題でなくても,好きなだけ食べても30代ならたいした値段にならないんじゃないだろうか・・・と。
そんなおじさん,おばさんたちがケンタッキー,サイゼリヤ,サーティーワン,ミスタードーナツ,冨士そばに立ち向かったのでありました。
2009/12/29
- 3月20日(土)に筑波学園病院で開催される茨城県南西地区透析研究会で講演することが決まりました。
- 日本共産党の雑誌「女性のひろば」2010年2月号に『キズの最新手当法 痛くない,早い,きれいに治る!』が掲載されました。
- 設定そのものは悪くないのに,出来上がった映画は超チープな駄作,それが《アブソロン》だ。21世紀半ば以降の近未来を舞台にしているはずなのに,なぜか街並みは20世紀後半のままだぞ。
- 血糖値で色が変わる糖尿病用コンタクトレンズ
涙のグルコース値が血糖値とともに増加することに着目し,涙のグルコース値で色が変化するナノ粒子を利用したコンタクトレンズが開発されたというニュースです。つまり,目の色(コンタクトレンズの色)を見ると血糖値がわかっちゃうという優れもので,発想が面白いです。
- IMEとして「変態」 開発陣が語るGoogle日本語入力
「あえてゼロベースから開発するという選択をしたのはなぜ?」
「作る自信があったから」
というやりとりが最高に格好いいです。過去のしがらみやら常識を全て捨て,ゼロから設計するととてもすっきりしたシステムが作れる,という良い見本ではないでしょうか。
- 来年にも30%到達か 高齢化率秋田日本一
明日,生まれ故郷の秋田に久しぶりに戻る予定ですが,帰郷するたびに秋田の高齢化率が年々,高まっていることを肌身に感じます。私が生まれ育った田舎町なんて,40年前と町並みが全く変わっていなくて,唯一の変化は潰れた店が増えていることだけです(・・・新しくできた店はないけど・・・)。そして,実家の周辺に「子供がいる家庭」はほとんどありません。年寄り家庭だけが着実に増えています。恐らく,将来的には消滅するんじゃないでしょうか。
- <茨城空港>専用道、開港に間に合わず 進まぬ直通バス計画
来年3月11日開港の茨城空港ですが,国内定期便なし,空港内のレストラン・売店なし,直通バスなし,という状態で開港を迎えることになりそうでして,日本一悲惨な空港になりそうです。私の周囲の茨城県人に尋ねても「一度は見物に行くけど,使う気はない」という人ばかりです。
- 土星とその衛星たちのダンス(動画)
土星,土星の輪,そして土星の衛星の動きと位置関係がよくわかる動画です。ちなみに,記事の中にあった「エンケラドス」とは,土星の衛星の一つで,2005年に土星探査機カッシーニが水蒸気や氷の粒を吹き出している様子を撮影したことから,土星の潮汐力による「熱」があり水があるのなら原核生物(細菌)が発生していてもおかしくない,と話題になった衛星です。
- <強毒鳥インフル>「大流行前ワクチン」一千万人分期限切れ
そういえば,すっかり陰が薄くなったのがN5H1,つまり強毒型鳥ウイルスです。あれほど大騒ぎして,今にも大流行して人類は存亡の危機に立つ,という報道が続いていたのに,今は陰も形もありませんし,H5N1という文字を見ることもありません。
そういえば,WHOは数年ごとに「今度はこのウイルスが大流行して,人類は存亡の危機に!」と宣伝しているような気がします。10年ほど前はエボラ出血熱が大流行するはずで,色々な「エボラもの映画」や「エボラ小説」が世界中で量産されましたが,いつの間にか陰も形もありません。
もちろん,来年早々,今度こそH5N1が大流行する可能性もありますけどね・・・。
- 私は今日の午前中まで通常業務です。可能であれば明日もサイト更新を行い,その後,1月1日の午前中に新年最初の更新を考えています。
2009/12/28
- 「78歳,広範3度熱傷」の12月21日の状態です。部位別の経過はこちら。
- 2011年2月5日(土)に島根院内感染対策研究会で講演することが決まりそうです。
- 「熱傷を湿潤治療している医師」に,静岡県浜松市北区の聖隷三方原病院,救急科/白井知佐子先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 今年最後のお買い物,ASUS Eee Top 2002Tです。自宅で長年使っていたデスクトップパソコン(何しろUSB1.1だぞ!)がついに危なくなってきたためです。最近は8万円以下で買えるデスクトップパソコンが多くて助かります。
- 激安ジーンズの長さを比べる
そうか,ジーンズが短すぎる人っているんだ。ちょっとムッとくるよな。おじさん世代ではね,ジーンズはショップで裾を切ってもらうものなんだよ。そうかい,そうかい。君はそうやって「長いジーンズ」を探しなさい。おじさんは「切らなくてもいいジーンズ」を探すから。
-
偶然(?),最新の日経BPに民主党政権というより鳩山首相個人の資質を問う論文が並びました。前者は主に経済学の立場から鳩山内閣における経済政策の不在を,後者は東アジアの取り巻く政治・経済状況から「東アジア共同体」という鳩山内閣の目玉理念を批判していますが,どちらも的確な批判だと思います。いずれにしても,「友愛さえあれば世界は幸せに統一できる」という甘っちょろい現実認識が,政治家鳩山由紀夫の最大の問題であり,限界と思われます。
- 「角」から見る日本・その3 「日米関係」と「核の傘」をどう選択する?
次いでにもうひとつ日経BP。「田中角栄から見る現代日本」シリーズの第3回目。
2009/12/26
2009/12/25
- 「78歳,広範3度熱傷」の12月17日の状態です。部位別の経過はこちら。
- 第4回 幕末明治の翻訳は意外に読みやすい ー「独立宣言」を「独立の檄文」と訳した福沢諭吉
天才の自由奔放な意訳は,文法に忠実な秀才の逐語訳よりはるかにわかりやすいことがよくわかります。ただしそのためには,原文の意味を完璧に把握し,なおかつそれを自分の言葉に置き換える能力が必要です。
- モバイル機器をなんでも充電する携帯型『Juice』、日本のノービルから
これ,ちょっと便利かも・・・というか,欲しいです。
- 土星の衛星タイタンで初めて霧を確認
地球からもっとも近い衛星の一つであるタイタンの大気で,こんな不思議な現象が起きているんですね。天文学的には超ご近所なんですが,全く違う世界です。
-
日経BPに偶然(?),花岡信昭氏と田原総一朗氏の評論が掲載されていました。いずれも,鳩山さんではもう政権は持たない,その時,小沢一郎はどう動くのか,という分析です。
結局,鳩山政権の閣僚にしても党の大物にしても,「政権をとるとはどういう事か。政権を取るための戦いとその後の国の運営は別物だ。政治とは現実に向かい合うことであり妥協はつきもの。野党なら正論と理想をいうだけでいいが,与党になったらそれでは国は運営できない」ということがわかっていないんでしょうね。唯一わかっているのは小沢さんとごく一部の人間だけ,というのが現実の民主党の姿でしょう。
本来なら,鳩山さんが勝手なことばかりいう閣僚たちに「お前たち,いつまで野党気分でいるんだ。理想は理想だ。理想に合わせて現実を曲解するな」と一喝すべきなんですが,鳩山さん,そういうキャラじゃないのでしょうね。現実に立ちすくんで,決断をひたすら先送りするだけです。
一方で,鳩山さんへの支持率が50%を割ろうとしているのに,自民党の支持率がぜんぜん上がっていません。むしろ,それまで自民党立候補者を支持してきた団体が次々と自民離れしていて,おまけに自民党から離党する議員も出ています。谷垣さんでは次の選挙で勝てそうにもないのが,誰の目にも明らかだからでしょう。
2009/12/24
- 『傷はぜったい消毒するな』(光文社)の次回の増刷から,帯に「もやしもん」のキャラを使わせていただく許可を石川先生,講談社からいただきました。ありがとうございます。
- 箸にも棒にもかからないエイリアン映画,《クリープゾーン エイリアン・インベージョン》を紹介。ま,見るだけ時間の無駄だな。
- 昨日一日で読了したのが『殉教 ー日本人は何を信仰したか』(山本博文,光文社新書)です。結構面白かったです。
フランシスコ・ザビエルによって伝えられてキリスト教は戦国時代という時代を背景に次第に日本社会に広く広まっていきますが,安土桃山時代から江戸初期にかけて時の権力者(秀吉,家康)はキリスト教に弾圧を加え,その結果として4,000人とも言われるキリシタンが殉教したことは,多くの人が知っているとおりです。しかし,この「4,000人の殉教者」はキリスト教の歴史から見ても極めて特異なものであり,これほど大量の人間が棄教でなく信仰のための死を選んだことはないからです。また,同様にキリスト教が弾圧された中国や朝鮮でもこれほどの殉教者はいなかったのです。
しかも,キリシタン捜索が始まると,自分から積極的に名乗り出る住民が相次ぎ,役人の数が不足するという事態にまで発展しますし,信者の処刑場には「私も信者だ。私も殺してくれ」という信者が殺到したのです。
なぜ彼らはそこまで強固な信仰心を持ってしまったのか,彼らを信仰に駆り立てたのは何だったのか,なぜキリスト教は急速に広まったのか,天草四郎の乱とは何だったのか,そして,この「大殉教の時代」からわずか20年ほどで日本からキリスト教がかき消すようになくなったのはなぜか・・・について,詳細な資料分析からその本質に迫っていきます。
- そして昨日,書店で見つけたのが『太陽系はここまでわかった』(リチャード・コーフィールド,文芸春秋)です。最近,物理系の本としては理論物理や量子重力関係の本ばかり読んでいたため,もうちょっと身近というか,私の程度でも具体的に思い描ける物理世界の本を読んでみたくなり,手に取りました。
私が書店でこの本を手に取って購入を決めたのは,口絵の「土星に向かう途中のカッシーニ宇宙船が撮影した木星とガニメデ」という1枚の写真です。そうか,ガニメデって木星からこのくらい離れて廻っているのか,木星とガニメデってこのくらい大きさが違うのか,と一目でわかります。以前,土星の輪と土星の衛星ってどういう位置関係にあるんだろうかと疑問になり(土星の輪の外を廻っているのか,土星の輪と同じ平面を廻っているのか・・・など,不思議に思いませんか? 私はこれが疑問でした),それを示す具体的な写真がなかなか見つけられず,答えを見つけるのに手間取った経験があったからです。
しかも,文章もよく,翻訳文もこなれていて読みやすいです。冒頭の「太陽」の章をストーンヘンジから始めるなんてうまいなぁ,と唸ってしまいました。読み進めるのが楽しみです。
- 豆腐ようを手作してみた
沖縄の珍味で私が一番好きなのが豆腐ようです。熊本特産の「豆腐のもろみ漬け」と並んで豆腐料理の最高傑作ではないでしょうか。そして,無謀にも,その豆腐よう作りに挑戦した男がいたのです。沖縄の豆腐(島豆腐)の手作りから始まる1年間の苦闘(?)の記録に刮目せよ。
- 「持たざる国」日本が、いま角栄から学べること
1週間前に紹介した論文の続編です。資源を持たない小さな国が,資源を持つ国と互角に渡り合うためには何が必要か,どういう戦略を立てればいいのかを考えた一政治家のグランドデザインに迫っていきます。
- 鳩山首相は「血流停止した亡霊」「15分男」 英紙が政権特集
フィナンシャル・タイムズに《鳩山首相の政策が目まぐるしく変わるため、民主党内では首相の政策は15分しかもたず、「15分男」と揶揄(やゆ)されているというエピソードも紹介》という記事が登場したそうです。「15分男」というのはうまい言い方だけど,問題は日本国内で誰も「鳩山さんって15分男だよね」と言っていないよね。少なくとも,私は聞いたことないぞ。フィナンシャル・タイムズ,いったいどこで取材したんだ? 誰からこの話を聞いたんだ? もしかしたら捏造してないか?
というのは,日本では「短い時間の単位」として「15分」を使うことはほぼ絶対にないからです。現在の日本で共通認識としての「短い時間の単位」では,「ウルトラマンのカラータイマーの3分間」,「カップヌードルが食べられるようになるまでの3分間」しかないと思います(・・・と,強引に言い切っちゃう)。だから,日本のマスコミが鳩山首相のコロコロ変わる言説を揶揄するとしたら「カラータイマー男」とか「3分間男」という表現になるはずですが,「15分男」という表現は日本人は普通思いつかないんじゃないでしょうか(・・・と,強引に結論づけちゃうのだ)。
- 動画:バクテリア、歯車を回すことを学ぶ
体長5ミクロンの枯草菌を使って,380ミクロンの超小型歯車を動かす実験の動画です。確かに歯車は廻っていますが,どういう原理で動かしているのかについては,一切触れられていません。こりゃ,原著を読むしかないかな。それにしても,面白い考えだな。
2009/12/22
- 講演用のスライドをさらにマイナー・バージョンアップしました。最新版は12月20日作成のものとなります。ご覧になりたい方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
なお,以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできます。
- 「熱傷治療マニュアル」みたいな本を書きたいんだけど,という企画を出版社に提案し,ゴーサインがでました。熱傷の症例集であり,新時代の熱傷治療の理論書であり,過去の熱傷治療を一刀両断する内容にしたいな,なんて考えています。乞うご期待!
そういえば,「指尖部損傷」だけをまとめたニッチを狙った本,なんてのも面白いかも。これもそのうち,出版社に提案しようかな。
- インフルエンザ 消えた!?「季節性」 「新型」の勢いにおされ淘汰…
例年なら,そろそろ流行するはずの季節性インフルエンザが患者がほとんど出ていないようです。今後,「新型」の流行が収まった頃に「季節性」の蔓延する可能性はありますが,ウイルスと宿主の相互関係を考える上で,もしかしたら極めて興味深い現象と思われます。
ちなみに,昨日朝のフジテレビ「とくダネ」でキャスターの小倉さんが,今年3月にこの番組に出演いただいたウイルスの専門の先生が,「今後,新型インフルエンザが蔓延することになった場合,従来からの季節性インフルエンザが姿を消すかも知れない」,と予想されました。その放映後,この発言は過激すぎると専門家から批判が相次ぎ,この先生はマスコミに出なくなったようです。しかし,現時点ではこの先生の予想は見事に当たっています。
と,オープニングトークで話していましたね。
- 地球最接近:小惑星『アポフィス』視点の動画
「地表からわずか2万9500キロメートルの上空を通過」って,かなり近い距離です。地球の直径はおよそ1万km強ですから,この小惑星は地球の半径の6倍の高さをかすめていくことになります。また,月までの距離がおよそ38万kmですからその1/10以下ということになり,天文学的には「ニアミス」状態と言えます。
- 暗黒物質の初検出に成功か
最近,ダークマター(暗黒物質)の存在に疑義的な本を読んでいるので,この発表についても「眉に唾をつけて読む」ことになります。
ダークマターとはそもそも,銀河団の辺縁にある銀河の速度が予測値より速すぎる,銀河の外縁部分の回転速度が予測値より速すぎる,という厳然たる観測事実を説明するために作られた概念です。銀河団(銀河)の観測から得られた銀河団(銀河)の質量と,それをもとにニュートンの万有引力の理論,アインシュタインの一般相対性理論から計算して得られる銀河(恒星)の回転速度が2倍以上違っていたのです。つまり,ニュートン=アインシュタインの理論が正しいとすると,銀河団外側の銀河や,銀河外側の恒星の回転速度が速すぎるため,それらは重力に打ち勝って飛び出してしまい,銀河団も銀河も現在のような形を保てないはずです。
この矛盾を説明するために,「銀河中心にはまだ観測されていない謎の物質(ダークマター)があるはずだ」という説が唱えられ,その質量は,全宇宙の物質とエネルギーの3割を占めているとされています(残り7割は「観測されていないエネルギー「ダークエネルギー」です)。実際,ダークマターを想定すると,ニュートン=アインシュタインの重力理論は破綻しません。つまり,従来からの重力理論を守ろうとするなら「宇宙の物質/エネルギーの96%は,未だ観測されていない物質とエネルギーで満たされ,観測されているものは4%に過ぎない」と想定するしかありません。
しかし,「観測されない」とは,既存の物質,素粒子と相互作用しない,ということを意味します。相互作用していれば,それは観測に引っかかるからです。
果たして,そんなに都合のよい物質があるのか,ということが問題になります。
というわけで,「ダークマターというわけのわからんものを導入してまで重力理論を守るのは不自然。観測データに合うように重力理論の方を変えたらいいじゃないか」という考えが以前から提案されています。私も,どうもこちらの考えの方がしっくりきます。「理論と観測データが乖離しているなら,理論を建て増ししてツギハギするより,全く新しい理論を構築した方が手っ取り早いし,美しい理論が作れる」からです。
- あなたの机の上が“工場”になる時代 三次元プリンター普及が変える日本のモノづくり
先週号の週刊アスキーでも取り上げられていた「三次元プリンター」です。こんなのが手元にあったら,何か作ってみたくなりますね。
- サンタクロースと失われた30年
このタイトルのつけ方,うまいなぁ! もちろん,内容もいいです。1980年代から90年代の「狂乱クリスマス」を知っていると,より面白いです。そうか,あの頃の「クリスマス狂騒曲」ってそういうことだったのか。
2009/12/21
- 来年6月28日(月)に日本美容外科学会で講演することが決まりました。
- 「78歳,広範3度熱傷」の12月14日の状態です。創面からの浸出液の量も400g/dayと目に見えて減っています。部位別の経過はこちら。
- 2009年の新語十選 ~新語で記憶を上書きする残酷さ
今年1年間,さまざまな言葉が流行しましたが,2009年を代表する(であろう)言葉が10個選ばれています。それらの底流に流れているものは何かを分析する内容ですが,2007年を代表する新語10個のなかですでに死語と化しているものがあることに驚きます。
- 出版界に「龍馬」特需 100冊超す関連本、雑誌も創刊
日本人は坂本龍馬が大好きです。「尊敬する歴史上の人物」というアンケートを取ると,ここ30年間,常に龍馬と信長が1位と2位を争っています。しかしその前の時代のアンケートでは「豊臣家康,徳川家康」が常にトップでしたから,「竜馬と信長が好き」というのはつい最近始まったブームということになります。そのブームを作ったのは作家の司馬遼太郎さんでした。
司馬遼太郎は自身の戦争体験から反天皇主義の立場を取り,天皇に反対した人物,天皇と距離を置いた人物を高く評価し,彼らが歴史を動かした立役者であるという論を展開しました。それにもっとも好都合な人間が龍馬(=天皇を無視)であり信長(=天皇を利用)だであり,彼らを持ち上げる歴史小説を書いたわけです(『織田信長 最後の茶会 -「本能寺の変」前日に何が起きたか-』)。
しかし,幕末の研究者の間では坂本龍馬の評価は決して高くありませんし,彼の行動にはさまざまな疑問が提出されています。ほとんど犯罪スレスレの行動で金をせしめていたことも証明されているようです(それを証明した本を以前読んだことがあるんだけど,署名が思い出せません)。
「坂本龍馬が好きな人が沢山いるんだな」と考えるより,「なぜ坂本龍馬なんだろうか? それはいつからなんだろうか?」と考えと色々なものが見えてくる,ということでしょう。
- 『2円で刑務所,5億で執行猶予』(浜井浩一,光文社新書)を読み終えました。「少年犯罪は増えていない。増えているのは高齢者犯罪」,「割れ窓理論が効果があったことは証明されていない」,「外国人犯罪は増えていない」・・・といったことを詳細なデータをあげて証明していきます。さらに,社会から犯罪者を隔離してもそれは再犯抑止には効果がないことを説明し,それに対して,どうすればいいのかを提言しています。
2009/12/18
- 「78歳,広範3度熱傷」の12月11日の状態です。部位別はこちら。
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に,徳島県美馬市の井川薬局を追加しました。
- 《ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習》という長いタイトルの映画を紹介。この映画,マジでヤバいっす。この映画に(騙されて)善意で出演したばかりに,人生がメチャクチャにされた人がいるという,ある意味伝説的な怪作映画です。
- 無理を承知の訳し方 ーなぜ公式通りに訳すと意味不明の文章になるのか
このシリーズ,本当に面白いです。英語は関係代名詞などでどんどん後ろに長くなっていく言語で,日本語とは基本構造が違います。だから,英語を日本語に翻訳する際に「後ろから訳す」という解決法が誕生したわけです。それはそれでよかったのですが,一方で,訳がわからない翻訳文を氾濫させることにもなりました。その問題点を見事に指摘しているのがこの解説文です。
ちなみに,「論理的な内容を伝える文章」を日本語で書くのは結構大変です。例えば,「この現象は2時間にわたって観察された。“時間”というのは太陽の動きで規定される最小単位を“日”とし,それを24等分した時間の長さを“1時間”と定めたものである」という二つの文章(主となる文章と,その一部を説明する付帯的文章)を一つにまとめようとすると,わかります。英語だと付帯的部分を関係代名詞などに押し込められるので,論理構造を維持した文章にするのは簡単なんですが,日本語だとどうしても,主語と述語の間に付帯的部分を入れるしかなくなり,論理的構造が明確な文章にするのが難しいのです。
私はこのサイトの文章では,付帯的・説明的文節は括弧の中に入れ,しかも文字サイズを小さくして「これは説明的な部分ね」と明示することで対処していますが,それでもまだなお,意味が通りにくい部分がたくさんあります。このあたりが,「物書き」としての私の限界なんでしょうね。
- 「水戦争」の危機に直面するインド ー都市への人口集中に給水体制が追いつかず
以前から水の問題を何度か取り上げています。水の惑星と言われる地球ですが,飲める水(=淡水)はそのうちのわずか0.5%でしかなく,また,アメリカやオーストラリアなどの大穀倉地帯を支えている地下水の水位が低下しています。降った雨が地下水になるまでに1,000年くらいかかると言われていますので,地下水はやがて枯渇します。それが何を意味するかです。
インドは急速に工業化が進み,都市への人口流入も急激に進んでいるようですから,「水戦争」「水争奪戦」状態のようです。
また,今や世界経済の牽引役にまでなろうとしている中国ですが,ここでも「水」の問題は次第に深刻化しているようです。近い将来,中国発展のネックは「水問題」になるような気がします。
- 鳩山民主の迷走ぶり、実は計算済みか
なるほど,こういう見方もできるかな? ちょっと,穿ち過ぎ(うがちすぎ)という気もするけどね。
- 新発見の埋葬布、トリノ聖骸布は不利に
普通なら「2000年前,つまり紀元50年頃に作られた布の一部が発見された」というだけのニュースなんですが,「キリスト教文明」国ではこれを「トリノの聖骸布」という枕詞をつけて報じることになります。神様とイエスの実在を前提に作り上げられた文明だからでしょうね。「トリノの聖骸布」は放射性炭素年代測定で13世紀に作られたものであると断定されているんだけど,どうしてもこのボロ布をイエス様とワンセットで考えたがる人たちもいるんですね。イエス,と聞くと冷静な判断ができなくなる人たちなんでしょう。
それにしても,このナショナルジオグラフィックの文章,ちょっと変です。文章の真ん中辺りに「第一に」とあるのに,その後に「第2,第3」がありません。だから,「キリスト時代の墓でも珍しい特徴」が幾つあるのか不明です。「特徴」が一つなら「第一に」という言葉を使うべきではないと思いますね。
2009/12/17
- 熊本県で湿潤治療を行っている病院の一つが桜十字病院ですが,12月15日付の熊本日日新聞で紹介されたそうです。
- ひょんなことから,大量の「バッハのピアノ編曲」の楽譜をいただきました。楽譜が欲しい方はメールでご連絡下さい。全てさしあげます。
- 茨城空港、国内線ゼロのまま開港へ
国内線ゼロの状態で空港を開業してどうするんだろう,って他人ごとながら心配になります。しかも,県が運営する空港ターミナルビルも1億円の赤字になることが確実のため,「空港利用者」から使用料を聴取することも計画しているようです。常識的に考えると,「空港使用料」を聴取されてまでソウルに行きたい茨城県人はいないと思いますけどねぇ。
- 大人のための理科教育で、一億総理系化を! ー創造の源泉は「アキバ・イノベーション・カフェ」にある
それって無理なんじゃないの,という提案が並びますが,よく考えると理にかなっているものばかりで,手詰まり状態に陥りつつある日本経済を立て直すには,このくらい大胆な発想をしなければいけないよな,という気になってきます。
というわけで,経済の素人がタワゴトを書きます。
大雑把に言うと,日本は資源がなくて食料も自給できていない国です。ということは,海外から資源と食料を買ってくる以外には資源と食料を入手する手段はありません。そして,買ってきた食料を食べながら買ってきた資源を加工し,それを海外でそれを売り,得た利益でまた食料と資源を買い込み,働いた人に給料を払い,・・・というサイクルを回すことでしか,経済を維持・成長できないはずです(・・・多分)。
景気回復のために内需拡大といいますが,これは大雑把に言えば「右手に持っている金(物)を左手に持ち替える」ことに過ぎませんから,いずれ経済は縮小してくるはずです(・・・多分)。
となると,多分,いかに海外で高く買ってもらえる工業製品(農業産物でもいいけど)を作れるかが鍵となるはずです。一番いいのは,「タダ同然の資源」を高価だけどよく売れる商品に化けさせることです。そのためには,高度な技術を持つ人,ぶっ飛んだ発想ができる人が必要です。そのためには・・・ということで,上述の評論につながるわけです。
2009/12/16
- 先日紹介したマンガ版『キズの正しい治療法 湿潤療法』(インタープレス,40ページ,525円)ですが,表紙はこんな感じです。入手方法はこちらをご参照ください。
- ホラー系SF映画というかSF系ホラー映画というか,映画作りの焦点がいまいちぼやけているエイリアン映画,《地球外生命体捕獲》を紹介。ま,見るまでもないというか,見る人はいないだろうなというか,見ない方がいいよ,という映画でございました。
- わたしたちが「こうなった」のはなぜ? ~「角」の視点から学ぶニッポン現代史
現在の日本の政治はなぜこういう事態を迎えているのか,どのような経緯があって今日の状況に至ったのかを,田中角栄という政治家が成し遂げようとしたグランドデザインをもとに説明する対談であり,彼がこの国をどのように変えていきたいのか,という具体的なビジョンを持っていたことがわかります。そしてそれは,現在の日本の与野党を含めての政治に何が欠けているのか,という問い掛けにもなります。
- 首相、辺野古以外を模索 移設先決定に数カ月
さんざん時間をかけて出した結論が「日本政府は結論を出さないという結論に達した」というのですから,オイオイ,やっぱりそうかよ,という感じです。アメリカにも沖縄にも社民党へもリップサービスと八方美人の笑顔を振りまいておきながら,いよいよ決断しなければいけない状況まで決断を先延ばしておきながらまだなお解決策を考えず,いよいよ切羽詰ったら「決断しないということを決断しました」と発表することを決断するのですから,情けない限りです。
鳩山首相に欠けているのは,この米軍基地問題についての自身の明確な政治姿勢の表明です。
一方,「沖縄以外への米軍移転」を強行に主張する社民党の福島さんにしても,では米軍をどこにおくのか,という問題については解決策を示していません。これでは何も言っていないのと同じで,野党時代ならこういう言動は許されますが,政権与党ではこういう姿勢はペケでしょう。
- 国家戦略が欠落した鳩山政権の環境政策 コペンハーゲンで大国の戦略を目にして考えたこと
「二酸化炭素排出を25%削減する」と派手にブチあげたはいいけど,その背景となる国家戦略がなくて思いつきでしゃべっているだけじゃないの,それじゃ海千山千の他の国と渡り合えないよ,という至極もっともな評論。「国はあっても外交なし」,「内政も思いつきなら外交も場当たり的」ってことでしょう。
- 人力モバイルUSB充電器 YoGen
紐を引っ張るとUSB充電機器に充電できるよ,という新製品です。いつどんな時にも携帯電話が使えないと困る,YouTubeが見られないと不安だ,という人にはよろしいかも。お値段は40ドルということですから,居酒屋さん1回分ですね。2本のプロモビデオが傑作!
- 一般市民による心肺蘇生で生存率向上-消防庁統計
生存率が向上することがはっきりと数字で示されました。要するに,「専門家を増やすことにより救命率を向上させる」のではなく,「素人にできることは素人にしてもらい,それで救命率を向上させる」方が効率がいい,ということじゃないでしょうか。
ここで「AEDは専門知識を持った専門家が扱うもの。素人が触ったりできないように法律を整備し,1年間の講習を受けた人にだけ使用許可証を出すようにしよう」・・・なんて方向に持っていっちゃいけないのです。方向性としては,初めてAEDを使った人でも間違いなく簡単に作動するAEDを開発する方向が正しいと思います。
ここでどうしても思い出すのは,日本褥瘡学会の「褥瘡は専門医,認定看護師が治療するもの」という方針です。OpWTで素人でも処置できる褥瘡なのに,治療現場から素人を締め出すことに汲々としています。やはり,こういうアホ学会,潰すしかないなと思ってしまいます。
2009/12/15
- 「78歳,広範3度熱傷」の12月7日の状態です。部位別はこちら。
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に,大阪市北区の共栄薬局中津店を追加しました。
- 肉のうま味が分からない?=「主食は竹」の一因か-パンダのゲノム解析・中国など
この解説記事では,「肉の消化酵素の遺伝子がそろっている一方で、植物の繊維の主成分セルロースを消化するのに必要な遺伝子がなく、腸内の微生物群に依存していると考えられる」
と説明していますが,肉食動物が草食動物になるのは実はとてつもなく大変なことです。
まず,哺乳類はおろか,節足動物まで含めてもセルロースを自力で分解できる動物はいません。セルロースを分解できる地球上の生物は大雑把に言えば細菌のみです。だから,セルロース分解細菌との共生なしに植物を栄養源にできる動物はいないのです。植物を栄養とするためには,加熱などの物理作用や特殊な薬剤での化学作用でセルロースを分解する必要があり,それができなければ,セルロース分解細菌の助けを借りるしかありません。
一方,セルロース分解細菌はどこでも生存できる細菌ではなく,生存に最適の物理的・化学的環境とエネルギー源が必要です。だから,「これまで肉食だったけど,明日からは草食」とはいきません。腸管粘膜の状態などがセルロース分解細菌の生存と増殖とセルロース分解に最適の状態になっている必要があります。
ましてパンダは,竹という特殊な植物に適応した食性を持つ動物です。竹を食べる動物がほとんどいないのは,竹は若葉にアルカロイド系の毒を持つ植物であるためらしいです(このあたりはうろ覚えの知識なんで間違っている可能性がありますが)。このため,例えば霊長類で竹を主食ととしているのはキツネザルの3種類くらいです。
また,肉食に最適の消化管(=タンパク分解酵素を分泌する消化管)と,草食に最適の消化管(=セルロース分解細菌が生存するのに最適な消化管)では,消化管の基本構造を変える必要があり,気が遠くなるような膨大な作業が必要です。
このように考えると,本来肉食であったパンダが竹を主食とできるまでに,どれほど膨大な時間が必要だったかがわかります。「肉がなかったら竹をお食べ」というわけにはいかないはずです。
- こんなの買っちゃいました。ちょっと貧乏臭いけどさ。
- ショウジョウバエもアルコール依存症に
あ~あ,この記事がみんなに知られたら,酒飲みは「お前,ショウジョウバエかよ」,って言われちゃうよ。困ったなぁ。
- 国会議員の数、98.4%がノー
「探偵ファイル」のBOZZが最近,国会議員の数について積極的に書いています。「県の垣根をとっぱらって,500万人で一つの県にする。そして,人口100万で国会議員1人を選出する」と提案しています。他国の人口と国会議員の数から考えると,このくらいの議員数で国会は運営できるはずです。
しかし悲しいことに,これは机上の空論です。県民意識,総論賛成各論反対,ってやつがあるからです。「わが県は」という意識がある限り,私たちはムダに多い議員先生たちに高額報酬を払い続けるのでしょう。
- スキャンダルは虎の肥やしになるか?
例のタイガー・ウッズのスキャンダルを小田嶋さんが独自の視点で取り上げています。面白いです。天才とは何,天才に育てられるとはどういうリスクを背負うことなのか,天才児はなぜグレるのか・・・について鋭く分析しています。
2009/12/14
- 「78歳,広範3度熱傷」のドレッシングの小工夫です。これでマンパワーのない在宅でも広範熱傷の治療・処置ができようになるはずです。
- 私が監修したマンガ版『キズの正しい治療法 湿潤療法』(インタープレス)ですが,書店での販売はなくインタープレス社に直接申し込んで購入とのことです。40ページで525円で,非常にわかり易い内容となっております。
- 来年1月11日に仙台市で講演しますが,懇親会はその前日(1月10日)に行います。
- 1月10日(日)18:15~
- 葡萄蔵仙台駅前店(仙台駅徒歩5分)
連休の中日ですが,ご興味をお持ちの方は是非,ご参加ください。
- 外来を「手荒れ,主婦手湿疹,ヒビ,アカギレ」で受診される人が多くなってきましたが,市販されている「ヒビケア軟膏」の評判,最悪ですね。この薬を使ってみたけれど痛くて駄目,全然よくならない,という人だらけです。
テレビではがんがん宣伝を流していますが,どうなんでしょうか。この薬剤の主剤と基剤の構成から考えると効果はないような気がします。
というわけで,久しぶりに「人体実験」をして,自分の体にキズをつけてヒビケアを塗ってみようかと考えているところです。
- 先週,英語の日本語翻訳の問題を取り上げた記事を紹介しましたが,この問題についてちょっと追加。
日本の英語教育が「英文を読む」ことに偏重し,「英語を話す」ことを軽視(というか無視)してきたのはなぜかというと,明治政府が「欧米の優れた文化を取り入れなければ日本は潰れてしまう。そのためには,欧米の文献を読めなければいけない」と考え,「英文を読むこと=英語教育」と決めたかららしいです。この目的のためには,英文法を学ぶことが最重要と考え,文法重視の英語教育が始まったんだとか。
しかし,「英語を学んで欧米人と対等に会話をしよう」とは考えていなかったため,「英語会話教育」はそもそも想定していなかったんですね。「欧米人が書いたものを理解できるようにするのが英語教育の目的」だったからです。
このあたりは「日本人と漢文教育」と同じです。奈良時代から明治中期まで,日本人にとっての「教養」とは「漢文が読めること」でした。優れた中国の文化を取り入れるためには漢文が読めればいい,という構図です。そこで,返り点を漢文に入れることで「漢文を日本語として読む」方法を案出します。ちなみに,菅原道真が最高の文化人,学問の神様と呼ばれたのは,漢文がスラスラ読め,中国人と同レベルの漢詩が作れたからです。
奈良時代から現代まで漢文の読み方は学校で教えますが,「中国語」を教えているわけでないことに気がつきます。中国人と会話することは最初から想定外だったからです。あくまでも,中国人が書いた中国語の文章を「漢文」として読むことだけが目的なんですね。
というわけで,1400年前から日本人と外国語の関係は変わっていないのかもしれません。
- オンキヨー、1,366×768ドット液晶2台の10.1型ノートPC
先日紹介した工人舎のデュアルディスプレイ・ノートパソコンを強化したものらしく,お値段は84,800円より。工人舎のものは一つの画面が1,024×600ドットとネットブック仕様でしたが,こちらの方は1,366×768ドットと広くなっています。やはり,画面縦幅が600ドットだと不便なんですよね。
- 動画:世界初の生体義指ソリューション ProDigits
お値段はまだ500万円と高価ですが,コップがつかめ,文字も書けるようになったというのですから,まさに未来の義肢といえます。
-
ぽめらにあん(ポメラ愛好家)は,ポメラ関係の記事を見ちゃうとすぐに紹介したくなるんですよ。ちなみに昨日,パソコンショップで店頭に並んだばかりの実機に触ってきましたが,液晶画面が広くなり,日本語辞書もバージョンアップされていてすごく使いやすくなっていました。なんとか衝動買いを抑えましたが,猛烈に物欲が沸き上がってきます。
- 土星の「謎の六角形構造」を動画で紹介
土星探査機『カッシーニ』が撮影した,土星の北極の正六角形の渦場構造。土星の大気のジェット気流で作られた物で1980年にボイジャーが発見していますが,30年という長期間,保持されています。木星の大赤斑と並んで,少なくとも地球の大気では起こりえない現象です。
それにしても,不気味なまでに美しい画像ですね。
- まるでウミウシ?上海万博の日本館が「気持ち悪い」と話題
画像はこちら。ううむ・・・この形,なんといったらいいか・・・。
- 医療事故 品川美容外科で手術の女性死亡 警視庁が捜索
脂肪吸引手術ですが,原理的にかなり危険な手術手技です。手術をする側からすると,こんなに危ない手術をよく受けるなぁ,と,患者さんの度胸の良さにびっくりします。少なくとも私はどんなにデブになっても,この手術は絶対にしてもらいません。脂肪吸引をしてもらうくらいなら絶食した方がマシです。
それと,「テレビや週刊誌でガンガン広告を流している美容形成外科はちょっと注意した方がいい」というのは常識ですよね。理由はちょっと考えるとわかります。
- 地球の大気は彗星がもたらした?
従来,「地球の大気は太古の火山活動がもたらした」というのが定説でしたが,それを覆すかもしれない新発見のようです。地球深部に保存されている希ガス(クリプトン,キセノン)の同位体が古い隕石に含まれる希ガスのものと一致したからです。この研究チームは,誕生直後の地球に水とガスを豊富に含んだ彗星が多数衝突することで大気のもとが作られた,というシナリオを考えています。
- 一昨日,宇都宮で講演をしました。宇都宮といえば餃子ですから,翌日(日曜日),石岡に戻る前に宇都宮駅の餃子ロード(って言うんだっけ?)で「12種類の餃子がいっぺんに食べられます」というセットみたいなやつを食べました。もちろん,普通に美味しかったです。
そこでふと考えたのですが,餃子ロードを屋台村のような構造にして,こっちのお店から3個,こっちのお店から4個,という具合にいろんなお店の餃子を「店を移動せずに」楽しめたらもっとよくないですか。滅多に行かない宇都宮なのに,ひとつの店しか楽しめないのはちょっと寂しいです。
2009/12/11
2009/12/10
- 亀井静香さん(国民新党代表)を見ていると,何だかすごく懐かしい感じがしませんか。いわゆるデジャブというやつです。そうそう,昔(1960年代~1990年代)の自民党の政治家ってこういうタイプばかりだったんだよ,懐かしいなぁ・・・という感じです。あの頃の政治家というと,だみ声でうるさくて押しの強いオッサンと爺ちゃんばかりだったな。
ちなみに,1957年生まれの私が最初に「政治家」と認識したのは佐藤栄作であり,次いで田中角栄だったが,あの頃は「ミニ角栄」型の政治家は沢山いたもんさ。でも,いつのまにかそういう政治家は次第に見かけなくなり,「田中角栄型の昭和の政治家」は絶滅危惧種に指定されるまでになっちゃいました。
そんな政治の世界に,「昭和の政治家」が突如として復活したのです。われらが亀井静香さんです。アメ横の魚屋さんばりのだみ声を駆使し,少数意見は尊重されなければいけないという「民主主義の弱点」を巧みに利用し,どう考えても時代遅れの政策をごり押ししようとしている勇姿は,まさに「遅れてきた昭和の政治家」です。
亀井さんの主張といい社民党党首の福島さんの硬直した主張といい,民主主義とは何か,という命題を改めて考えさせられます。
- トンネル掘り5億円盗む ブラジルでサッカー試合中
おそらく数年以内にハリウッドで映画化されるんじゃないかと思われる事件です。というか,この事件のことを聞いて,宣伝文を考えてしまいました。地元サッカーチームの勝利に熱狂するサンパウロの街のあちこちで花火が打ち上げられていた。それに混じってひとつの爆音が響いたがそれに気をとめるものはなかった。しかしそれは,数カ月に及ぶ緻密な計画に基づく大胆な現金強奪事件の幕開けだった。
・・・という感じになるんでしょう。ちなみに,犯人たちが数ヶ月前から穴掘りに使っていた家は「日系ブラジル人のミツイ」と名乗る人の名義で借りられていて,家の壁は指紋を消すためにペンキで塗り替えられ,家の中は掘り起こした土で埋まっていたそうです。また,トンネルは堀りも掘ったり,なんと150メートル! まさに映画です。
- ポメラの新機種「DM20」の「プレミアム」とはなにか?
液晶サイズが大きくなり,文章サイズの上限が28,000字まで拡張され,しかもフォルダ管理ができるようになりましたから,日常的に文章を書くことを仕事にしている人間にとっては最強の入力ツールといえます。
現在,予約販売中ですが,25,000円ちょっと上くらいの値段のようです。現在2台目のポメラを使用中の私ですが,多分,店頭で実機に触ったら衝動買いしちゃうんだろうな。
- 数枚の「同一番号」中国人民元。これがなんと「本物」鑑定という,「とてつもない闇」の入り口を覗き見た
この記事によると,中国の通貨事情は物凄いことになっているようです。「通貨発行量の20%が偽札」というので,なぜ偽札が多いかというと「本物の紙幣の質が悪すぎるから」というのは言語道断ですが,そういう状況があるために,紙幣の最高額が100元(=1400円)しか作れないんだとか(本当なら1000元紙幣が必要なんだけど,すぐに「本物以上の品質の偽札」が作られちゃうから)。
紙幣・お金とはそもそも何なのか,という命題を改めて考えさせる中国事情でした。
- クリスマスに鼻笛を吹くべき7つの理由
このタイトルを読んだ人100人が100人,鼻笛ってなんだよそれって,と思うはずですが,この記事を読み終わる頃には欲しくなるはずです。うわぁ,楽しそう! 面白そう!これなら吹けそう!
2009/12/09
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,兵庫県芦屋市のにしわき消化器内科・外科クリニック/西脇 学先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 昨日発売された雑誌「イブニング」(講談社,2010年1月1日号)に連載中の『もやしもん』で『傷はぜったい消毒するな』(光文社新書)が引用文献としてちょっと大きく取り上げられています。石川雅之先生,ありがとうございました。
- 1980年代,イスラエル政府はエジプトの渓谷に住む少数民族ファラシャ(モーセのエジプト脱出に従わなかったユダヤ人の子孫と言われている)のイスラエルへの帰還計画を描く感動作,《約束の旅路》を紹介。これはすごい映画です。
- 暗闇50年,ハエ「進化」…1400世代飼育
1400代を経て,ショウジョウバエの生殖行動が変化することにより,通常のハエと交尾しなくなったということです。なんと遺伝子そのものも変化しているようです。
それにしても,なんと息の長い実験でしょうか。飼育実験が始まったのは1954年,つまり私が生まれる前です。それからおそらく,専任教授は3~4人変わっているはずですが,いつ実験結果がわかるともしれない忍耐強い実験を続けてきたことに何より驚きます。
-
グローバル化の本質はどこにあるのかと問う論文が偶然二つ重なりました。どちらも読み応え充分です。
2009/12/08
- 「熱傷を湿潤治療している医師」に,広島県福山市の福山青葉台病院 外科/金子克彦先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,北海道ひだか町の(医)社団 静和会 石井病院 精神科/佐京かつよし先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 講演用のスライドをさらにマイナー・バージョンアップしました。最新版は12月7日作成のものとなります。ご覧になりたい方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
なお,以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできます。
- PsionっぽいXP入りPDA PsiXpda
知っている人は知っている,あの懐かしのPsionが復活(?)しました。とはいっても,自称「PDA」ですがどうやらWindows XPマシンのようで,乾電池駆動時間も余り良くありません。Psionファンが望んでいた「Psionの後継機種」からはちょっと外れているような気がしないでもなかったりして・・・。
ちなみに174 x 84 x 25mmという筐体サイズにフルキーボードですが,横13列の配列から単純計算すると,キーピッチは13ミリとなり,Sigmarionシリーズとほぼ同じではないかと思われます。多分私なら,ブラインドタッチできるでしょう。
- 富士通 LifeBook UH900 世界最小マルチタッチPC
Atom搭載のWindows7対応のLifeBook Uです。筐体サイズが横幅204ミリなので,おそらくキーピッチは15ミリほどで,らくらくタッチタイピング出来るサイズと思われます・・・って,タッチタイピングできるかどうかしか気にしていないの? >自分
- 積極的に煮崩そう
大きな声では言えませんが,煮崩れたジャガイモとカボチャは美味しいです。残ったすき焼きを翌日の朝食べるとすごく美味しいのと似ています。ちょっとビンボ臭いけどさ。
- 100年前に描かれた“超ひきこもり男”の悲劇 -『さかしま』ジョリス・カルル・ユイスマンス著
この本,私も大昔に読もうとして結局途中で挫折しちゃったな。そうか,そういう本だったんだ。
2009/12/07
- 「外傷を湿潤治療している医師」,「熱傷を湿潤治療している医師」に,東京都文京区の山村クリニック/山村 進先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 「78歳,広範3度熱傷」の11月30日の状態です。部位別はこちら。
-
私も速攻で入れてみました。正直,ここまで変換効率・精度がいいとは思っていませんでしたし,無料のベータ版とは思えないほどの完成度です。思考を妨げない快適な変換スピードと精度が快適です。
ちなみに導入時は次の3点が気になっていました。
- ATOKやMS-IMEのユーザー辞書からGoogle IMEに直接辞書登録できない。もちろん,テキスト辞書などに一度書き出しせば一括登録できるのだが,手順的にちょっと面倒。
- ユーザー辞書の上限が1万語と少ない。医学専門用語辞書は通常4万語を超えている。
- 現時点では,句読点変換などの「変換のタイミング」を細かく設定できない。カスタマイズ項目が少なすぎる。
もっとも気になったのは2ですが,使用してみると「瘢痕拘縮,閉塞性動脈硬化,母指,患肢,攝子,壊疽性膿皮症,尺側,撓骨,有頭骨,有鈎骨,指尖部,背側,腹側,レイノー症候群,冷感,熱感,ドレナージ,デブリードマン」などは最初からシステム辞書に入っていて(せいぜい,「撓側」「小指」などを新たに入れる必要があった程度),通常使用での医学用語は新規に辞書登録する必要はそれほどないような印象です。少なくとも,このサイトの更新や依頼原稿の執筆,映画や書籍の評論程度であれば,このβ版で十分です。
とりあえず,Google-IMEをメインに使ってみようかと思っているところですし,3の問題さえ解決できたらMS-IMEを遥かにしのぎ,ATOKを脅かす日本語変換システムになるんじゃないでしょうか。
- 美味しすぎる立ち食いそば巡り
行って食ってみてぇ! という立ち食いそば屋さんが次から次へと登場します。
- 【最終回】最下位も“ものさし”変えればトップランナーになれる -「高知のアイデンティティは坂本龍馬じゃない。日本一の森林だろ」
このシリーズからいろいろなものが見えてくるし,それまで気がつかなかった発想があったことに気がつきます。そして同時に,地の足のついた発想が何にも勝ることを教えてもらいます。
- 「1千円カット」も洗髪設備を,義務化が加速
私はここ数カ月,1,000円カットの理髪店しか利用していません。それで必要十分だからです。洗髪なんてしてもらわない方がありがたいです。むしろ,理髪店で地肌をゴシゴシとシャンプーしてもらうと,翌日,頭が痒くなってフケが増えるので困るんですよね。個人的には,なくなって欲しいのは「3,600円理髪店」の方です。「100円理髪店」,頑張ってください。
- 内閣支持続落59%,「首相指導力ない」急増
国際問題や複数の国が関与する問題(沖縄米軍基地問題はその典型)では相手国の意向や意図を無視するわけにはいかず,どこかで妥協点を見出す必要があります。なぜ米軍は沖縄に駐留しているのか,それは何のためなのか,という分析なしに,沖縄から米軍基地をなくそうと主張しても意味がありません。
最近,オバマ大統領は「アフガニスタンへの30,000人増加派兵」と従来の彼の主張を引っ込め,方向転換しましたが,これは明らかにアメリカの「軍需産業+アメリカ軍」複合体からの圧力でしょう。この複合体が戦争を必要としているのです。
いずれにしても,沖縄基地問題について閣内・政府内での意見統一もできないようでは,アメリカと交渉なんてできっこありません。鳩山さん,そして小沢さんに欠けているのは調整能力・交渉能力です。野党なら自分たちの理想を一方的に掲げるだけでよかったのえすが,政権政党になってしまった時,そういう方法論は通用しないのです。そういう意味で,この問題に関する鳩山首相の最大のミスは,最初に「理想」を口にしてしまい,あたかもそれを唱えれば相手(アメリカ)もそれを受け入れてくれると錯覚させてしまったことです。まさに「綸言汗の如し(りんげん あせのごとし) 」の見本となってしまいました。
2009/12/04
- 先日紹介した『感染症は実在しない―構造構成的感染症学』(岩田健太郎,北大路書房)についての書評を追加。
- 講演用のスライドを久方ぶりにマイナー・バージョンアップしました。最新版は12月3日作成のものとなります。ご覧になりたい方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
なお,以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできます。
- これも先日紹介した本,『重力の再発見 -アインシュタインの相対論を超えて』(J.W.モファット,早川書房)を少しずつ読み始めています。まだ最初の100ページほどしか読んでいないのですが,その中で「1905年のアインシュタインの特殊相対性理論についての論文では,参考文献・引用文献は一つも挙げられていなかった」という一節があり,思わず「カッケー! すげぇ!」と叫んでしまいました。引用文献や参考にした文献が一つもない科学論文でありながら,その正しさを万人が認めたのです。他人の考えを引用して自分の考えの正しさを証明する,というセコさ,安易さが微塵もないことの凄さと清々しさに感動します。
この一節に出会えただけで,この本を読んでよかったと思いました。
ちなみに,こんなことを書くと,「それはアインシュタインという天才だから許されることだ。ほかの人間が引用文献なしの論文を書いてもacceptされるわけがない」と反論する人がいると思いますが,それは完全な的外れです。何しろ1905年のアインシュタインはベルンの特許局に勤める26歳の公務員であり,大学にも研究室にも所属していなかったのです(ちなみに彼は,大学時代の指導教官からは大学に残らないほうがいい,研究者にはならない方がいいと言われ,特許局に職を求めたんだとか)。
そういう,無名の青年が引用文献なしの論文を専門雑誌に投稿したのです。その心意気,自尊心,確固たる信念,何事にも怯まぬ闘争心に圧倒されます。
- 古典の翻訳を読んで理解できなかったとすれば… アダム・スミスの『国富論』を例に考えてみる
岩波文庫の2002年版の「国富論」の一説を取り上げ,「日本語として各単語の意味はわかるんだけど,文章となるとさっぱり意味がわからない」古典が少なくないのはなぜかと追求するシリーズのようです。
確かにこの訳文じゃ,何が書いてあるのか私には全然理解できないけど,原文の方は主語・述語,修飾的分節の関係が明快なので,単語の意味さえわかれば訳文よりは単純明快ですね。これなら私にも理解できます。
- 「生命の基本サブルーチン」を解析
小型の細菌である肺炎マイコプラズマを用いて,遺伝子間の相互作用を調べた実験のようです。その結果,今まで想定されていた以上に複雑なプロセス制御が起きていて,直線状のゲノム配列でなく,ゲノムの3次元的配列が遺伝子間の相互作用に重要な働きをしていることが分かった,というのが記事の内容です。
- 「学習」と「科学」,来春休刊 部数最盛期の10分の1
いつも夕食を食べている居酒屋のマスター(私とほぼ同年代)と,「確か,学校で配布してましたよね?」,「マスターも科学だった?」,「もちろん,科学でしたね。学習と科学じゃ,付録の面白さが全然違ってましたもの」,「そうそう,顕微鏡みたいなやつとか望遠鏡みたいなやつとか,生き物飼育セットとか,付録を開けるたびにワクワクしたよね」・・・ってな話で,しばし盛り上がりました。
一つの時代が終わりを告げ,老兵は姿を消していくのかもしれません。
- 鹿児島・阿久根市長:今度は「医療が生き残らせている」ブログ 障害者団体など反発
言いたいことはわかるんだけど,この市長さんに欠けているのは,「自分の子供が障害者だったらどうだろうか。自分が事故や病気で障害者になった時,同じことが言えるのか?」という視点です。欠けているのは思慮と想像力ではないでしょうか。
- 入院患者の27% 高血圧症が持病
高血圧にしても糖尿病にしても,自覚症状が出るのは病状が進行して末期になってからです。それまでは自覚症状はありません。病院で血液検査をして,「あなたは高血圧(糖尿病)だ」と医者に指摘されてはじめて,自分が病気だと気付くだけです。
このあたりは,「北斗の拳」と同じで,ケンシロウと戦った相手は,ケンシロウに「お前はもう死んでいる」と言われるまで,自分が死んでいることに気がつきません。それと同様,「お前はもう糖尿病だ」,「お前はもう高血圧だ」とケンシロウ先生に指摘されない限り,本人には気がつきようがないのが糖尿病であり高血圧だ,ということになりそうです。
ということは,高血圧や高血糖の基準値(=人為的恣意的線引き)をちょっと下げると「高血圧患者」は倍増し,基準値を上げると患者は半減することになります。これが商売に直結すると,すごくおいしい商売になるわけです。例えば,世界で一番売れている処方薬と言えばリピトールですが,これはもちろん「高脂血症の患者が増えた」というこことなんですが,見かたを変えると,ケンシロウ先生が「お前はもう高脂血症だ」と指摘してくれたからリピトールを飲まなければいけなくなった,ということにもなります。ということは,高脂血症の基準が140ng/dlでなく150だったら,そんなに売れなかったはずです。
上述の『感染症は実在しない―構造構成的感染症学』はこういうところにも切り込んでほしかったですね。
- 電子申請の休止・縮小は「壮大なゼロ」のはじまりか
電子申請システムってやつ,使ってみるとわかりますが,全然使えません。電子申請のくせに必要な書類を役所に貰いに行かなければいけないとか,捜査がすごく面倒くさくて使いにくいとか,そんなところが原因です。何よりユーザーインターフェースが最悪で,ユーザーのことを全く考えていない電子申請システムばかりなんだとか・・・。
- 世の中,Twitterばやりというか,Twitterをやらないなんて信じられな~い,と言われる時代になりましたが,私は時代に取り残されていて,いまだに「Twitterって何」状態です。思い起こせば,mixi全盛期にも多くの人から「面白いから先生もやってみようよ。便利だよ」と誘われましたが,こちらの方も未体験のままです。
電子メールが使えなくなってTwitterだけになったら必要上乗り換えるんでしょうが・・・。
2009/12/03
- 「78歳,広範3度熱傷」の11月26日の状態です。部位別はこちら。
- やたらと大仰でおどろおどろしく,伏線を張りまくった挙句に明かされる事件の真相がやけにこじんまりしたサスペンス映画,《メモリー ~殺戮のビジョン~》を紹介。大御所俳優を二人登場させたもんだから,この二人のうちどちらかが犯人だなとわかってしまいます。
- 知人から『創傷ドレッシングの歴史』(W.J.ビショップ,時空出版)という本が出ているよと教えていただいたのがこの本。一昨日,医局に届き,昨日の午後の外来の合間に読み終えました。なぜそんなに早く読み終えられたかというと,目次や索引まで含めても110ページ足らずの本だからです。これで2400円はちょっと高いな。
どういう内容かというと,古代エジプトから20世紀中ごろくらいまでの傷の治療方法とそれに使われた治療材料(=ドレッシング)の歴史を俯瞰したものです。こういう古代から中世,近代にかけての傷の治療法の歴史については『ドレッシング』(へるす出版・・・私も一部執筆しています)にもまとめられていましたが,さらにそれを詳しく解説したものとなっています。どのパピルスに書かれていた情報なのか,誰がその方法を提唱したのか,何が正しい情報なのかがよくわかりますし,歴史の中に消えていった医者が多数登場し,興味深いものがあります。
また個人的には,「消毒」という言葉がなぜ使われるようになったのかがわかったのは収穫でした。要するに,19世紀半ばまで「病気の原因はミアスマ(=毒気のある大気)である」という学説があり,その「毒」を消す,というのがそもそもの発端だったらしいです。
傷の治療の歴史について書く際に参考にしようと購入しましたが,そうでない医療関係者にとっては,ちょっとマニアックすぎる内容かもしれません。医学の歴史に興味を持っている人にのみオススメ!
- 事業仕分けを見て思ったのだが,「予算」というのも不思議なシステムである。
普通なら「病気になったのでこのくらい金が必要です」と請求するはずなのに,「来年はこういう病気になる予定なので,このくらいの医療費を予算として要求します」というシステムだからだ。こういうシステムでは必然的に「来年は大した病気にならないだろう」と考えるのではなく,「大病にかかるかもしれない,大怪我をするかもしれない」と過剰に請求することになるのは人間の性(さが)だろう。
要するに,「必要とされる額より多め」の請求をするのが常識となり,貰えるなら請求しないのはバカ,予算額を使いきらないのはもっとバカ,となるはずだ。そして何より,予算を請求した時点ではその請求額が適正なものか過剰なものなのかは請求した本人を含め,誰にもわからないと言う問題点がある(未来は予測できないもんね)。それが適正だったか過剰だったかは,翌年にならないとわからないのであり,わかった時点ではすべての予算は使われているのである。これが毎年繰り返されるわけだ。
もちろん,会社とか自治体とか国家のレベルになると「未来予測型予算請求」でないとうまく運営できなくなるからなんだろうけど,「今,この料理が食べたいから注文しよう」ではなく,「来年食べたくなるであろう料理はこれなので,前もって注文しとくね」というシステムは,本当に最善のシステムなのだろうかって,ちょっぴり疑問に感じたりして・・・。
- はみ出す手荷物,許しません 国内線,サイズ規制始まる
100席以上の機体なら3辺の合計が115センチ以下(55×40×25cm以内),100席未満の場合は3辺合計100センチ以内(45×35×20cm以内)となります。恐らく,多くのキャスター付きキャリングバッグが引っ掛かるんじゃないでしょうか。
私も飛行機を利用することが多いため,普段使っている2つのボストンバッグのサイズを測ってみましたが,大きい方のLaticoのバッグ(48×23×23cm)でも100席以上の機体なら持ち込み可能と分かりました。よかった,よかった。
- 食糧自給率7500%で世界の飢餓を救おう! -本気で考える未来の海上都市「アクアポリス」
2050年には人口が90億人に達し,耕地面積から単純計算すると60億人分の食料が不足します。それなら日本がその不足分を作ってあげ,食料自給率7500%を目指せば簡単じゃん,しかも,海没国家も救えちゃうしね,という壮大な計画です。最初は単なる法螺話かと思って読んでいると,実はそうでなかったりします。
誰もやっていなければ自分がやればいい,巨大なビジョンを心に持つことは自由,初めから万全の計画なんてないんだからとりあえずやってみたら・・・というスタンス,私は好きです。
- Acer,Chrome OS採用のネットブックを発売へ
そのうち商品化されるんでしょうね,程度に思っていたChrome OSネットブックですが,1年後に発売される見込みのようです。ネットに繋がっていなければ使い道のないただの箱,というネットブックですが(なにしろ,ネットに繋がっていることを前提に設計されたOSですから),そこらへんはどうなるのかな,と気になります。
2009/12/02
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,三重県伊勢市の山崎外科内科/山崎学先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 「78歳,広範3度熱傷」を部位別に並べてほしい,というリクエストを頂きましたので,早速作ってみました。「78歳,広範3度熱傷の部位別経過」はこちらです。作業量は膨大でしたが,やはり部位別になっていると経過がわかりやすいですね。苦労した甲斐がありました。
- 来週12月8日発売の漫画雑誌「イブニング」の『もやしもん』で「常在菌,皮膚,化粧」が話題として取り上げられますが,参考文献として『傷はぜったい消毒するな』を紹介したいと講談社から連絡を頂きました。石川雅之先生,ありがとうございます。
- 茨城空港,売店なしで開港? 1日1往復「赤字必至」
私の病院のある石岡市の隣にあるのが小美玉市で,そこに来年3月に開港するのが茨城空港ですが,なんと売店なし,飲食店なしの開港になりそうです。何しろ現時点で決まっているのはソウル便が一日一往復のみですから,売店を開くのは自殺行為です。恐らく自販機を並べることになるんでしょうが,自販機にしてもランニングコストにペイするかどうか・・・。
「年間30万人が利用しなければ売店・飲食店は赤字になる」と試算されていますが,これって単純計算で「1日当たり822人」ということになります。つまり,ソウルと茨城を往復する400人乗りの飛行機が毎日満席で,しかも利用者全員が売店と飲食店を利用しない限り達成できない数字ですから,いかに現実離れしているものかわかります。。
なお,茨城県は「1日1往復のソウル便で年間77,000人の利用」を見込んでいますが,これだって「1日210人の利用」ですから,かなり無理な数字じゃないかと思いますね。
- ドバイ・ショック。そして過剰投資と覇権国 -仮説としての20世紀に対する「21世紀感」
過去400年間の覇権国(国際政治の主役)がどのように変遷してきたかという分析をもとに,21世紀の国際社会の全体像を見渡している論文です。個人的にこういう分析が好きなんで,紹介しちゃいます。
- ハリウッドとSUSHI(寿司) ~こんなの,寿司じゃねぇ?
日本固有の食べ物である「寿司」なのに,日本人抜きに「Sushi」の世界的デファクタント・スタンダードが作られてようとしているよ,という記事です。かつて,日本柔道界を抜きにして世界柔道界が「Judo」のデファクタント・スタンダードが作られていったのと同じ経緯をたどっています。
要するに,このままでいったら「Sushi」は世界共通の食べ物として普及したのに,それは本家本元の「寿司」とは似ても似つかないものとなり,日本に来た観光客は「そんな変な寿司でなく,Sushiを食べたい」と言いだすようになるはずです。
- レコ大にEXILEら!優秀作品賞など決定
「レコード」を聴いたことがない世代って,どの年齢層以下なんだろうか。多分,「レコード大賞」という言葉を聞いて「レコード」の意味がわかっていない世代っているはずだよね。
CDとLPレコードについてちょっと調べてみると,CDがSonyとPhilipsから開発されたのが1981年,CDのシェアがLPレコードを上回ったのが1986年,1988年になるとCD:LP=9:1となり,ほぼこの年にLPレコードは市場から姿を徐々に消していったようです。つまり,昭和の終焉に期を合わせるようにLPレコードは消えていったわけでして,1988年ころに10歳だった人より下の世代は,LPレコードを見る機会がほとんどなかったはずです。
というわけで,「レコード大賞」という名称を,「カセットテープ大賞」,「MD大賞」,「フロッピーディスク大賞」,「Zipドライブ大賞」,「98大賞」,「MS-DOS大賞」,「CPM大賞」,「TK-80大賞」,「真空管大賞」・・・と置き換えてみるとちょっと面白いです。
2009/12/01
- レンブラントの名画「夜警」に隠された秘密を解きほぐそうとする映画,《レンブラントの夜警》を紹介。名匠グリーナウェイ監督の作品ですが,彼の意欲が先走ってしまい,観客を置き去りにしてしまった感があります。画像的には圧倒的に見事なんですが・・・。
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「ハッカーグループによるデータ盗難,そしてそれで明らかになった科学者たちの地球温暖化をめぐるデータ捏造」という小説や映画顔負けの事件と,それに対する日本の研究者の考えです。「ハッキングされて困るようなデータを隠していることこそ,科学者としてあるまじき態度」という指摘はある意味,本質を射ていると思うし,長い時間をかけてゆっくりと変化し,おまけに年ごとの変動幅の広いデータをどう読むかについては,恣意的判断が加わってしまうのはしょうがないところでしょう。
問題は,そういうデータ解析から導き出された「地球温暖化」という概念が巨額のマネーが動く「金儲けのネタ,投機の対象」になってしまったことです。
- 宋文洲です。北京で生活始めました
経済成長一人勝ち状態の中国ですが,その実態はどうなのか,というレポートが始まりました。この人のレポートはどれも素晴らしく,以前から注目してきました。
- シュモクザメの立体視覚は人間並み
シュモクザメ,つまり"Hammer Head Shark" の視覚についての研究です。優れた立体視の能力を持っていることがわかりましたが,それを導き出した研究のデザインが面白いです。
しかし,その優れた立体視能力を持ったために「視野の死角」が生じてしまい,目の前の物は見えなくなった,というのが何やら示唆的です。イソップさんがこれを知っていたら童話のネタにしたと思いますね。
- B級よりもD級グルメ…初の丼サミット,来年金沢で
B級グルメが大流行ですが,私が長年暮らしている宮城県のB級丼と言えば「油麩丼」にとどめを刺します。カツ丼のカツの代わりに宮城県の「油麩」を使ったものですが,カツ丼よりはるかにうまいと私は思っています。
Daily Portal Zの食べ物ライターの高瀬さんが肉じゃがに肉の代わりに入れただけなのに,「この肉じゃが,何者だ!」と大感激,大激賞していることからも実力がうかがえます。
- 今,取り寄せ中の本が『重力の再発見』という本です。スーパーストリング理論によらない次世代の「量子重力理論」を俯瞰した本らしいです。本屋さんの店頭でぱらぱらページをめくり,これは絶対の読むべき本じゃないだろうかと直感しamazonに注文! 問題は読んで理解できるかだけどね。