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「講演を頼まれたがこのホームページの写真を使っていいか」,「ホームページの内容を引用して発表したいが」という問い合わせは不要です。無断で使って下さって結構です。使用の事後承諾も不要です。みんなで勝手に使いましょう。
私が講演で使用しているスライドファイル(PowerPoint, Windowsでのみ動作確認)をダウンロードできるようにしました。ご覧になりたい方はメールでご連絡下さい。
2005/12/30
- 来年4月15日(土)に阪南中央病院が行う地域医師向けの学術講演快で講演することが決まりました。今年6月に一度講演を行った病院です。
来年6月の岡山救急初療研究会ですが,外部からの参加も可能です。問合せ先情報を追加しました。
- 例えば,糖尿病の診断を受けたとする。当然,どこかの病院で治療を受けないと大変なことになる。そこで幾つかの病院を調べていたら,治療費が2割ほど安い病院が見つかった。マスコミに宣伝をしているわけでもないが,電話での対応も親切だ。何で安いのかと聞くと,効き目は同じで少しだけ経済的な治療法を開発したからだと,丁寧に対応してくれる。なるほど,それなら良心的だ,と考え,その病院で治療を受けることになった。
治療を受けてみると,インスリンの注射回数が他の病院より少ないけれど,主治医によるとそれは最新の治療法で,インスリンは従来の半分に減っているが投与法を工夫しているので血糖を下げる効果は同じだ,と説明してくれた。それなら,支払う医療費も安いし,糖尿病の治療効果が同じなら経済的だ。余計な医療費を払わなくてもいいように考えてくれる,良心的な病院じゃないか。いい病院,いい医者を見つけられて幸運だったなと安心していた。
そんなある日,テレビをつけたらその医者が映って,マスコミ取材陣に囲まれている。おまけに,「あの治療法では糖尿病は治りません。放置したら,コロッと死ぬことがあります。とても危険ですよ」と人事のように話しているではないか。びっくり仰天して近くの医院を受診して血糖値を測ってもらったら,まったく下がっていない・・・どころか,以前より上がっているのである。
「耐震強度偽造マンション」って,そういうことでしょう?
さらに明らかになったのは,その病院には「病院経営コンサルタント」会社が絡んでいたらしい。この会社は,いろいろな病院に「安上がりの医療をして儲ける方法」をアドバイスすることで有名になったところらしい。徹底したコスト削減がこの会社の売り文句で,病院経営の神様と呼ばれている。
具体的には,検査回数を少なくしてさも普通に検査をしたかのように請求する技,効かない贋薬と治療薬をすり替える方法,耐久性のない安い人工関節を使って手術費を誤魔化して請求する方法など,実にさまざまな方法を教えてくれる。
医者がそれに従わないと,「もっと安い薬を使え。もっと安い材料を使え。使わなければクビにするぞ」と直接脅すこともあったらしい。挙句の果て,毒物を含んでいる安い薬を使えとも言っていたらしい。
さて問題は,医者や病院の不法医療行為についてはこれを罰する法律があるが,病院経営コンサルタントそのものを規制する法律もなければ,罰則規定もないことである。
2005/12/29
2005/12/28
- 『文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの』(ジャレド・ダイアモンド)の翻訳が出版されました。前作『銃・病原菌・鉄』で人類の文明に見られる地域差,発展の方向性の違いについて鋭く論証していましたが,今度は発達した文明が滅亡した原因について書いたものらしいです。恐らく,知的好奇心を満たしてくれる面白い本になっているはずです。
彼の作品の唯一の欠点は,分厚い上下2巻の本になっていることです。これを持って移動するのはちょっと大変かな? そういうわけで,まだ買うかどうか迷っています。
2005/12/27
2005/12/25
- Merry Christmas!! というメールを幾つかいただきました。ありがとうございます。・・・・・とは言っても,クリスマスというイベントは,敬虔な仏教徒である私(一部に虚偽情報が含まれています)には無関係ですけどね。
- 『さらば消毒とガーゼ』(春秋社)ですが,明日あたりから書店の店頭に並ぶかな? もしもよろしかったら,立ち読みでもしてみて下さい。
- 『西洋音楽史 「クラシック」の黄昏』(岡田暁生,中公新書)を読んでいますが,これは面白いです。通常,西洋音楽史というと,バッハやヘンデルに始まり,ハイドンとモーツァルトを経由してベートーヴェン,シューベルト・・・という具合に大作曲家(と言われている人たち)と彼らの著名作品の解説で綴られるのが普通ですが,こういう常識を否定することから始めています。
西洋芸術音楽とは何か,それは楽譜の上で設計された音楽である,という定義が私にとっては新鮮でした。
2005/12/24
- 気象庁は当初,今年の冬は暖冬と予報していましたが,ご存じの通り大間違い。早々と「今年の冬は寒いぞ」と暖冬予想を訂正していました。
ところが,今年の冬の大雪と寒さをいち早く予言し,的中させたものがいるのです。カマキリです。長野県で雪が深い地域に住んでいる人によると,今年の秋,カマキリが卵を産み付けた高さが例年よりかなり高い位置だったそうです。
ご存じかもしれませんが,カマキリは秋に卵を草などに産み付けますが,雪が深い年の秋は高い位置に,雪が少ない年の秋は低い位置に産み付けます。雪が深いときに浅い位置に産み付けると,卵,つまり子孫が全滅してしまうので,と解釈されていてそのメカニズムは不明ですが,その年の雪の深さを秋のうちに予想し,卵を生む位置を決定しているらしいのです。この人によると,毎年,カマキリの卵の位置と雪の深さを観察しているけれど,はずれた事はないそうです。
カマキリにとっては,雪の深さを事前に予知できるかどうかは,自分の子孫を残せるかどうかそのものですから,まさに生死をかけて予知しているんでしょう。気象庁は来年から,各地でカマキリの飼育を始めてもいいかもしれません。少なくとも,その地域の積雪量の予想くらいにはなるかもしれません。
2005/12/23
- 2月10日に東京都牛込歯科医師会で講演することが決まりました。
- 大雪のため,各地で大停電。信号が止まったり,銀行のATMが使えなかったりと,被害は深刻らしい。家庭では暖房器具が使えないのが一番困る,というか怖い。現在の暖房器具のほとんどは電気がないた使えないようになっているからだ。オール電化マンションともなると,生活そのものが崩壊するんじゃないだろうか(今,目の前のテレビではオール電化生活がいかに素晴らしいかというコマーシャルを流しているけど・・・)。
それでも夏だったら暖房器具が使えなくても困らないが,今は例年にない寒さが続いている冬のさなかである。先年のニューヨーク大停電では,電気が来ないために暖が取れず,寒さで凍死した高齢者が多かったそうだ。そうならないことを祈るばかりである。
ライフラインの多くは電気が来ていることを前提に組み立てられている。電気が来なかったら,ということを想定していない。こういうシステムが一番脆弱であることに,改めて気づく。代替できるものがないからだ。
「小泉礼賛者しかいない内閣」,「英語教育しかない外国語教育」,「エビデンスがないと正しくないと教える医学教育」などもそういうシステムだと思う。
2005/12/22
- 来年7月7日(金)に福岡県柳川山門医師会で講演を行うことが決まりました。
- 来年2月18日の日本臨床整形外科医会関東ブロック教育研修会の会場が,大正製薬本社ビル・上原記念ホール(東京都豊島区)に変更となりました。
- 『土とは何だろうか?』(久馬一剛,京都大学学術出版会)は本当に面白かった。いずれ,感想文を書いてみようと思っているが,植物を育てることができる土(土壌)とは多様な生物の連鎖によって作られた精妙なシステムなのだ。山を掘り起こして出てきた土に肥料をいくらやっても,植物は安定して育たないらしい。土が土壌であるべき物理的,化学的条件を満たしていないからだ。
砂漠で植物を育てることがなぜ難しいのか,マングローブの林を切り倒した時,どんなに悲劇が起こったか,アフリカで狩猟採取生活から次の段階に進まなかった理由は何なのか・・・など,さまざまな問題に目を開かせてくれる良書である。
2005/12/21
- 常在菌が定着している組織(皮膚や粘膜)の消毒をどう考えたらいいか,ですが,消毒の対象が通過菌なのか常在菌なのかを考えれば,答えが出そうです。
- 皮膚や粘膜に付着している外来菌(通過菌,病原菌)を除去するためには,1回限りの消毒をするのは問題ない(例:執刀前の術野の消毒)。
- 皮膚常在菌のうち,表皮ブドウ球菌が感染を起こすのは末期的日和見感染などかなりまれな状況であることがわかっている。つまり,感染予防のために表皮ブドウ球菌しかいない皮膚(=通過菌がいない)を消毒するのは意味がない。
- 表皮ブドウ球菌が起こす感染は,カテーテル刺入直後のカテーテル熱,関節穿刺直後の化膿性関節炎など,特殊な状況のみである。つまり,感染予防のために皮膚の消毒を繰り返す必要はなく,これらの操作をする直前のみでよい。
- 表皮ブドウ球菌を減少させる(例:頻回の消毒)行為は,皮膚表面に病原菌が定着する原因となる。すなわち,院内感染を助長する。
- 表皮ブドウ球菌などの皮膚常在菌が定着している皮膚(粘膜)では,外来菌(病原菌)が定着することは生物学的に不可能である。病原菌が定着できるのは,医師や看護師が常在菌を除去してくれたときのみであり,医原性である。
- 術野を消毒薬含有ドレープで覆うなら,速やかに消毒効果が消滅し,消毒効果が持続しないものが望ましい(=通過菌を除去し,常在菌叢をできるだけ乱さないため)。
- 通過菌を除去する目的であれば,消毒と物理的洗浄(=水道水洗浄)は同等の効果と考えられる。
- 前記から,人工刺入物(各種カテーテル,骨折固定用のピン,縫合糸,PEG,気管切開など)の刺入部の感染予防としては,消毒と洗浄は同等であることが結論できる。
- 執刀前の手洗いも,手に付着している通過菌を除去するためには有効だが,通過菌が付着していなければ「感染予防」としては無意味である。
- 創周囲の皮膚を繰り返し石鹸で洗うと感染を助長する。垢を落とす程度なら問題ないが,それ以上の洗浄は危険である。
要するに,通過菌の除去のためには1回だけ消毒するか洗浄すればいい,通過菌が除去できたらそれ以後の消毒(洗浄)は無駄でありむしろ危険,ということになります。
2005/12/20
- 今日手元に,私の3冊目の書籍となる『さらば 消毒とガーゼ 〈うるおい治療〉が傷を治す』(春秋社,\1,500)が届きました。amazon.co.jpでも予約販売が始まったようです。
表紙を含め,イラストをお願いしたのは吉澤さんです。「きっとあなたの役に立つ 擦過傷顛末記」のように,最も早い時期にこの治療を実践し,そして宣伝してくださっている方ですが,とてもわかりやすいイラストを作ってくださいました。ありがとうございました。
- 昨日一日だけですが,あいち小児センターの森下先生が外来見学にいらっしゃいました。
2005/12/19
- 私の最初の一般向け書籍が春秋社から発行されます。【さらば消毒とガーゼ 〈うるおい治療〉が傷を治す】(春秋社,1,575円)です。書店に並ぶのは地域により多少異なりますが,年末から年始にかけてとなります。いち早く入手したいという御奇特な方は,下記までメールでお申し込みしてください。
- chumon@shunjusha.co.jp(送付先住所,電話番号,お名前を明記してください)
なお,2006年1月末までは送料無料との事です。
本の中身ですか? とても濃いですよ。書きたい放題,書いていますから・・・。
- また,三輪書店からの【創傷治療の常識非常識 Part 2】ですが,こちらも12月暮れに完成し,書店に並ぶのは1月10日前後になります(・・・多分)。
- 来年4月28日(金)に高崎医師会で講演することが決まりました。
- 12月15日(木)は富山県耳鼻咽喉科臨床研究会で講演でした。富山県で2回目の講演です。耳鼻科以外の診療科の先生も参加されたとのことで,会場の後ろでは補助椅子も出されていて,通常の同会の参加者よりかなり多かったそうです。また,質疑応答も活発でした。講演後は立食の情報交換会。ここでも質問責め状態でした。ご参加いただき,ありがとうございます。
その後,5人ほどの先生方とお寿司屋さんに移動して懇親会。いろいろと話をさせていただきました。
その富山県を含め北陸は12月としては異例の大雪で,富山も14日はすごい雪だったそうです(15日は朝から晴れていたため,ほどの雪はほとんど融けていた)。
私は〔松本→長野→高崎→越後湯沢→富山〕と移動しましたが,実はこれが正解でした。〔松本→名古屋→米原→金沢→富山〕という金沢回りルートはこの日,大雪のために終日運休していたからです。16日(土)の朝に富山を出発しましたが,越後湯沢行きの電車は15分ほど遅れただけで,特に問題なく移動できました。
2005/12/15
- 今日は昼前まで外来で診察をして,それから富山に向かい,講演となります。新幹線で越後湯沢までは間違いなく行けそうですが,そこから先は在来線なので,さて,どうなりますか。
- 私が講演で使用しているスライドファイル(PowerPoint, Windowsでのみ動作確認)の最新バージョン(2005年11月22日作成)をダウンロードできるようにしました。ご覧になりたいと言う方はwound_treatment@yahoo.co.jpにご連絡下さい。
- 『土とは何だろうか?』(久馬一剛,京都大学学術出版会)という本を発見。今回の移動の車中で読んでみようと思っています。土とはそもそもどういうものなのか,何が含まれているのか,どういう生物が生きているのか,土壌が劣化するとはどういう現象なのか,砂漠化とは何なのか,などについて書かれている本のようです。
2005/12/14
- 来年9月2日(土)に東海大学整形外科の同門会で講演することが決まりました。なんと,来年9月まで講演予定が入ってしまいました。
- これまで「外傷を湿潤治療・・・」に姫路市循環器病センターで活動していただいていた中村先生が,同じ兵庫県内の明石はくほう会病院に移動されたので,病院名を修正しておきました。
- 日本列島のあちこちで大雪です。私は明日,富山で講演ですが,もちろん,大雪のようです。明日は長野にまず出て,長野新幹線と新潟新幹線を乗り継いで越後湯沢に行き,そこから特急電車で富山に向かう予定ですが,今のところ,JRダイヤの乱れは出ていないようです。「雪は降っているけど,JRは大丈夫だよ」状態が続くよう,お祈りをしています。
2005/12/13
- 接触・排泄ケア総合情報誌「タベダス tabedas」の2005年12号に「褥創のラップ療法」の特集が組まれていて,私も『だれでも簡単にできる簡便なラップ療法を国民全体に普及させよう』という一文を載せております。
もちろん,鳥谷部御大の文章も載せられておりますが,そのほかにも李先生,冨岡先生,武内先生,松尾先生,兼古先生,水原先生など,掲示板の常連であり,湿潤治療の最先端で活動されている先生方のほとんどが一堂に会するという豪華絢爛(?)な特集号となっています。褥瘡に湿潤治療について興味を持っていらっしゃる方なら,この一冊を買っておいて損はないと思います。
2005/12/12
- 来年1月23日(月)に横浜南共済病院で講演することが決まりました。来年は1月中旬から講演ラッシュとなります。
- これまで「外傷を湿潤治療・・・」に鹿児島県の田上病院で登録していただいていいた山畑仁志先生ですが,勤務先が同じ鹿児島県内の県立北薩病院 脳神経外科に移られました。
- 「外傷を湿潤治療・・・」に,徳島県の医療法人松風会 江藤病院 内科 日下至弘先生,千葉県の津田沼中央総合病院 先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 12月9日(金)は同じ長野県内の諏訪中央病院で講演でした。会場はほぼ満席で,後ろの方では補助椅子が並べられていました。講演後の質問も多数頂きました。ご参加いただき,ありがとうございます。
ちなみに,諏訪中央病院までは松本駅からJRで30分ほどで,17:00直前の「あずさ」に乗って同院に向かい,2時間の講演が終わった後にまたタクシーに飛び乗って「あずさ」に乗って松本に戻りました。松本に到着したのは21:00でした。
- EBM (Evidence-Based-Medicine) についての批判をずっと書いている。EBMは全能でもなければ万能でもない。EBMとは要するに商品テストである。既に製品化された商品の比較をしているのに過ぎない。要するに,「医学版 暮らしの手帳」である。
このため,EBMを100年続けても,新しい治療は一つも生まれない。EBMの根本発想が後ろ向きなのだから,それが限界である。だから,EBMオンリーになったとき,医学は進歩を止めてしまう。EBMしか認めないと言うのは,医学の自殺行為である。
いろいろなところで講演すると,EBM信者と思われる先生からの,「この講演で示された新しい考えが正しいかどうかは,エビデンスがあるかどうかで判断する必要があると思います」なんて発言が必ずある。どうやらこういう先生方は,「新しい発想にエビデンスはない」と言うことが理解できないようだ。「新しい考えにエビデンスがあるかどうか」という言葉自体が矛盾していることに,なぜ気がつかないのだろうか。
エビデンスなんて所詮は論文である。投稿したのは半年以上前だろうし,実験をしたのはさらにその数ヶ月前だ。新しい考えが1年前の論文に書かれていたら,それは「新しい考え」ではなく二番煎じである。
要するに現在はEBMバブルなのである。恐らく,あと20年もしたら,「昔は何かあるとエビデンスは?,エビデンスは? って,バカみたいだったね」と笑い話になっていてほしいと思っている。でなければ,医学の進歩は止まってしまう。
2005/12/09
2005/12/08
- 昨日から,筑豊労災病院の奈田先生ご夫妻が見学にみえられています。福岡と松本の気温差にびっくりなさったようです。
2005/12/07
- 久しぶりに「読書日記」を更新。『プリオン説はほんとうか? -タンパク質病原体説をめぐるミステリー-』(福岡伸一,講談社ブルーバックス)です。ノーベル賞受賞者,ひいてはノーベル賞選考委員に喧嘩を売っている本です。
これまで,「異常型プリオン=病原体」を説明する本を何冊か読んでいますが,そのたびに「何か,変だな」という違和感を感じていました。それが何なのか,これではっきりしました。
- アクセスカウンタ,190万突破。ということは,来年1月早々に200万アクセスを達成できそうです。「200万,踏んじゃった」イベントとして何かしたいのですが,何がいいでしょうか。アイディアを出していただけたらと思います。
2005/12/06
- 「外傷の湿潤治療を行っている医師」に,徳島県の亀井病院泌尿器科 濱尾 巧,中西良一,中鉢龍徳先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 三輪書店の2冊目の本の最終校正が終了し,序文もなんとか完成・・・と思っていたら,息つくまもなく春秋社の本の最終校正作業に突入。昨日は夕食を食べに行った居酒屋さんのカウンターでも,ゲラ刷りを広げてずっと校正作業をしていました。明日(7日)までに完成したら年内中の出版ができそうです。今日の夜は医局の忘年会なのですが,どうしようかな?
2005/12/05
- 来年3月3日(金)に岩手県立胆沢病院で講演することが決まりました。
- 「外傷の湿潤治療を行っている医師」に,北海道の西岡第一病院 整形外科 谷雅彦,小畠昌規,中野和彦,井上篤志先生,札幌スポーツクリニック 整形外科 山村俊昭,瀧内敏朗先生,兵庫県の協和会協立病院 外科 小串伊知郎先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 12月2日は千葉県の亀田総合病院(恐らく,日本で一番有名な病院の一つでしょう)で講演。予想を超える方々にご参加いただき(80人の予想に100人以上),立ち見の人もかなりいらっしゃったようです。質疑応答の時間が十分にとれなかったのがちょっと残念でした。
講演後は同院内のレストランで懇親会。若い先生中心に10人ほどの先生方といろいろな話をさせていただきました。
宿泊したのは鴨川館という温泉が有名なとても立派なホテル。とはいっても,懇親会終了後に部屋に戻ったら11時頃で既に酔っぱらい状態のまま寝てしまいましたし,翌朝も朝7時過ぎに出発でしたから,温泉に入る機会はありませんでした。恐らく,このホテルに宿泊した客で温泉に入らなかったのは,私一人でしょう。
- 掲示板の方で,消毒原理主義者の先生たちがメーリングリストで繰り広げている「やはり,注射の前の皮膚の消毒は必要だ」という議論が紹介されていました。私の考えは既に書き込んでいますが,反論にもなっていないレベルの低さで,気の毒になるくらい。
こういう消毒原理主義者は大体,CDC原理主義者でもありますが,彼らは自分で実験することもせず,思考実験することもせず,ひたすら過去のの文献を探しては「消毒が必要だろう」と繰り返すばかり。
自分で考えるという行為を放棄してしまうと,こうなっちゃうんだろうな。やはり,脳味噌は生きているうちに使わなきゃ駄目だな。
2005/12/02
- 今日は11時に松本を出発し,千葉県の亀田総合病院で講演です。鴨川シーワールド近くの,とても有名な病院ですが,東京駅から2時間かかります。
- 現在,三輪書店から出版予定の『創傷治療の常識非常識 Part 2』の2回目の校正作業中で,あわせて「序文」を書いている最中ですが,いつもこの序文とかまえがきを書くのに難渋します。でも,序文を書いているつもりで,中身はどうしても「あとがき」風になっちゃうんですね。今まで4冊の本の序文を書きましたが,どれも難産でした。
2005/12/01
- 「湿潤治療の講演をしている医師」に,兵庫県の中村 守先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 11月28日のこのコーナーでLancetの論文を紹介しましたが,最近のLancetにさらに痛快な文章が載っていたと,高知県の宮本先生に教えていただきました。ありがとうございます(The Lancet 2005; 366:122)。
まず表紙からしてすごい。"If everything has to be double-blinded, randomised, and evidence-based, where does that leave new ideas?" つまり,「二重盲検しないといけない,RCTしないといけない,EBMが全てだったら,新しい考えってどこから出てくるんだよ?」ですぜ。よくぞ書いてくれました。その通りです。
で,本文です。上記の文章はここに登場します。
Could evidence-based medicine be a danger to progress?
John Wu
In this 100th year of celebration of Albert Einstein, I have been thinking about his papers on theoretical physics, done purely by deduction, and how they changed our view of the world. His way of thinking is in sharp contrast to that of evidence-based medicine, which has become almost a dogma in some medical circles.
Yet if everything has to be double-blinded, randomised, and evidence-based, where does that leave new ideas? I do worry that if evidence-based medicine becomes the dominant thinking, it could impede advances in medicine.
- 今,暇を見つけては「EBMは医師・看護師を幼児化する」という文章を書いています。反発される方も多いかと思いますが・・・。