7/22の更新中の、”「ロックダウンの効果」というメール”として、武漢でのロックダウンの効果の解析結果があることを紹介いただいた中に、
これこれの要素を見逃しているので「ロックダウンは効果がある」はまやかしであり、この論文は誤りであると主張される方があるならば
とあるのは、7/14に公開いただいた「タコ壺化」への反論の中で、
安心だろうと、英仏伊のように安心どころではない状況だろうと、感染対策と称して百害あって一利もない処置に走るのは断固反対!
と書いた私へのメッセージなのかな、と今頃気づきました。
Season7への回答88(4/20公開分)が私の書き込みで、その後半で
中国の数字が全部正確だとは思いませんが(修羅場になったら数えること自体が困難です)、今新規感染者が殆どいないことを、私は疑っていません。しかしそれは「偽りの収束」です。
国内移動制限を少し緩めたただけで感染小爆発、国境封鎖は継続するしかない・・・
「偽りの収束」を維持するために、ロックダウンの継続しか選択肢が無いのが今の中国です。
封じ込め作戦が最高に上手くいって、この状態にしかなりません。
と書いております。「中国は新規感染者を隠している!」の大合唱がまだネット上で続いていた時期と記憶しています。
同じく、Season9への回答64(4/24公開分)の中ほどでは、
カリフォルニアはニューヨークより早く都市封鎖したから感染が抑えられている、とまことしやかに言う人がいますが、そのカリフォルニアでも多数の抗体保持者が発見されています。都市封鎖なぞものともせず、コロナウイルスは急速に人から人にうつっているのです。武漢レベルの都市封鎖でなければ、やるだけ無駄です。(カリフォルニアに重症者が少ない理由は、別にあるのでしょう)
と書きました。武漢ではロックダウンは「成功」した、と当時より考えておりました。
うろ覚えですが、武漢では、国家権力が個人宅の外側から勝手に鍵を付けまくった、のでしたっけ?
そこまでやれば、感染防止として機能するでしょう。だからといって到底支持できる施策ではありません。
そして英仏伊を含む他の大多数の国の「感染対策」は、百害あって一利なし、と当時も今も考えています。
欧州でも死者数や重症患者数が減ってきたのは、重症化しそうな人は大抵かかってしまったから、つまり、集団免疫に近づいてきたから、というのが一番素直な理解だと考えていますが、「欧州同時進行で重症患者が減っているのは、弱毒化の同時進行である」という可能性もあります。
荒川の小児科の先生より
同じ感染力なら、強毒化したウイルスより弱毒化したウイルスの方が、ずっと人の間で広まりやすいことは、考えればわかります。症状の軽い人の方がより行動範囲が広い、歩き回るからです。
と説明いただき、弱毒株の方が選択されやすいのは理解しましたが、これは感染を通じての選択です。
弱毒化が同時進行するには、症状の軽い人の間での感染が同時進行する必要があります。
英仏伊とスウェーデンとで、弱毒化が同時進行したのなら、やはりロックダウンの有無に関わらず同じように感染は続いていた、と理解するのが自然です。(全世界に拡散したウイルスが申し合わせて各地で弱毒化した、という説は、私は認めません)
というわけで、この半年の欧州の状況の推移は、「集団免疫接近」「弱毒化」どちらの仮説からも「欧州レベルのロックダウンなら無意味」ということを示唆することになると考えます。
なお、「集団免疫接近」と「弱毒化」は並立しうることも念のため申し添えておきます。