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2007/03/30
- 「外傷を湿潤治療している医師」でこれまで札幌外科記念病院で活動していただいた佐藤先生が,同じ札幌市内の小児愛育協会附属愛育病院 整形外科に移動となりました。
4月で病院を移動される先生方も多いと思いますが,もしもよろしければ,移動の連絡をいただけないでしょうか。
また,「外傷を湿潤治療している医師」をみて病院を受診される人は,事前に電話をしてその医師がいるかどうかを確かめてから受診してください。
- 医歯薬出版より出版された単行本『生きる歓び☆アゲイン』に私の書いた文章「傷の治療と入浴,シャワー浴」が掲載されました。
この書籍は,医療における患者の尊厳と生きる喜びとは何かを中心に据えたもので,さまざまな問題が多彩な執筆者から提起されています。目次の部分をPDFファイルにしてみましたので,まずこれをご覧下さい。私もざっと読んでみましたが,どれも面白かったです。
「病院ですが,ふつうにお酒を」とか,「手術の前後はもっと食べさせてくれ」とか,「米国には病人食はなかった」とか,考えてみたら当たり前だけど,今まで見過ごされてきたことが論じられています。
ちなみに私が勤務する相澤病院ですが,一般食堂にはエビスビール(中瓶)が置いてあります。
2007/03/29
- 巨匠(と評価する人もいるらしい)リュック・ベッソンの脳内妄想が暴走しまくる激甘天使映画,《アンジェラ Angel-a》について。
- 最近ずっと取り上げている「頭皮のトラブルとシャンプー」問題ですが,ある皮膚科の先生から「その通りです。頭皮の痒みを訴える患者さんにシャンプーを止めるように指導すると,大体改善します」というメールをいただいています。
そこで気になったのですが,皮膚科の先生たちの間では,このシャンプー問題はどのように扱われているのでしょうか。もしも多数の先生方が「頭皮のトラブルの原因はシャンプーだ」と考えているのであれば,皮膚科学会を挙げてこの問題を追及すべきだと思うのですが,どうでしょうか。
それとも,皮膚科の先生方の大半は,シャンプーは頭皮のトラブルの原因ではない,と考えられているのでしょうか。
もしも,頭皮のトラブルの多くはシャンプーを止めるとなくなる,という現象を多くの皮膚科の先生が経験なさっているのであれば,患者を救うために皮膚科学会が正面から取り上げるべきものだと思います。
2007/03/28
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,茨城県笠間市に6月15日開業予定のにしぼり整形外科 西堀靖広先生にも御参加いただきました。ありがとうございます。
また合わせて,湿潤治療の講演をしている医師にも登録して下さいました。
- シャンプー,洗濯石鹸を使わないという「人体実験」を続けていますが,普通に生活していると油汚れって,そんなにあるものじゃないということがわかりました。つまり,メーカーが宣伝している「皮膚(髪の毛)の汚れを洗い落として・・・」という「汚れ」は実際にはないようです。
洗濯石鹸のCMではよく「泥んこ汚れに○○」と宣伝していて,泥や砂の汚れは洗剤で洗わないと落ちないように思ってしまいますが,砂や泥は油ではありませんし,外で遊んでいて衣服が油で汚れることもありません。つまり,泥んこ汚れを落とすのにカチオン系界面活性剤入り洗剤は不要ということです。
さらに,メーカーが洗剤の特徴として宣伝している「輝く白さ」も「ふんわり柔らか」も「薔薇の香り」も,油汚れを落とすという洗濯石鹸の本来の機能には不要なものです。もちろん,付加価値という言い方もできますが・・・。
シャンプーをしないとシャンプーの香りがなく,それがなんとなく「きれいじゃない」という気を起こさせますが,よく考えると香りの有無はシャンプーという商品の本質的機能(=汚れを落とす)とは無関係なものです。だから「シャンプーの香りが欲しいからシャンプーする」のは本末転倒です。
「髪(頭皮)の汚れを落とす」ためのシャンプーだと信じているからシャンプーしているだけのことで,実は髪の毛の汚れは洗剤を使わないと落ちない汚れではないのではないでしょうか。同様に,人の肌も衣類も,洗剤を使わないといけない汚れがつくような事態は,普通の生活をしている分にはそんなに多いものではないのです。
少なくとも私の頭皮に関する限り,シャンプーを使わずにお湯洗いのみにしてから,フケが本当に少なくなりました。痒みもありません。皆さんも試してみて下さい。もしかすると,シャンプーを使わなくするだけで頭皮のトラブルがなくなるかもしれません。
このあたりのことが一般に知られてしまうと困るから,メーカーは繰り返し,「シャンプーや洗剤でないと落ちない汚れであなたは汚れている」と宣伝(洗脳とも言う)しているんじゃないか,といううがった見方でもできます。
- この記事を書いている時点で,アクセスカウンタは298万を越えています。このペースで行くと,来週中ごろには300万の大台に乗りそうです。
- ピアノ仲間から教えてもらった爆笑画像。http://www.youtube.com/watch?v=ifKKlhYF53w&mode=related&search=
この画像のどこがおかしいかは,ラフマニノフの「前奏曲嬰ハ短調」を弾いた人しかわからないだろうなぁ。確かに,一番最初にあの楽譜を見たとき,どうやって弾いたらいいんだろう,ってしばらく悩んだもんなぁ。なるほど,それで「ラフマニノフは手がでかい」って訳ね。
リストの「パガニーニの鐘の主題による華麗なブラブーラ」という初期の超難曲にも何箇所か,絶対に弾けない部分があったと思うけど,リストもこうやって弾いていたんだな,きっと。
2007/03/27
- これぞ漢(おとこ)の映画,《メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬》について。
- 昨日から,群馬大学外科の中里先生が見学に見えられています。
- 昨日,コントロールパネルの「プログラムの追加と削除」が起動しない,と書いたところ,早速,解決法を教えていただきました。セーフモードでWindowsを起動して appwiz.cpl を直接起動するという方法です。セーフモードで削除できないファイルが幾つかありましたが,ほとんどはこれで大丈夫でした。おかげさまでCドライブに4GBほど余裕ができました。長田さん,ありがとうございました。
2007/03/26
- 先週金曜日は城南聖医会で講演でした。聖マリアンナ医科大学同門の先生方の集まりで,30人ほどの方が参加されていました。初めて私の話を聞かれたという方が多かったようで,質疑応答,その後の懇親会と多くの質問をいただきました。
その後5人の先生方と「じゃあ,もうちょっと飲みましょう」ということで品川駅周辺に向かったのですが,まだ23時なのに「もう終了です」という居酒屋さんばかりで,行けども行けどもお店が見つかりません。開いているお店も客で一杯で入れません。
何とか居酒屋を見つけてビールを注文した時点で既に23:30を回っていました。遅くまでお付き合いしていただいた先生方,ありがとうございました。
それにしても,品川駅でこれほど酒が飲めないとは,予想だにしていませんでした。
- 7月26日(木)に東京都港区整形外科病診連携の会で講演することが決まりました。
- とんがったノートパソコンを次々に発表しているのがASUSです。ランボルギーニとタイアップした格好いいノートパソコンやら革張りのノートパソコンとか,他のメーカーには絶対にない機種を販売しています。もちろんお値段もランボルギーニ仕様で30万円をはるかに超えたりします。高いです。
そんなASUSがウルトラモバイルモデルとして U1F という機種を最近発表しました。1キロちょうどで長時間バッテリーで,どこをとっても機能的に不足がない小型ノートです。もちろん安くなく27万円前後と高価です。DELLのノートなら2台買えるお値段です。普段行くヨドバシカメラに実機が置いていないため,何とか物欲を押さえています。
と思っていたら,現在使っているのはVAIOなんですが,コントロールパネルの「プログラムの追加と削除」が起動しない(画面そのものが立ち上がらない)ということが数日前に判明しました。通常の使用では,この機能はなくても困らないのですが,不要なソフトを削除しようとしてもできないという状態です。実はCドライブの残りが1GBを切っていて,これ以下になるとWindows自体の動作にも影響が出そうですので,取りあえず,新しいソフトを入れないで様子を見てみようと思っています。
2007/03/23
- 「全米が震撼した」という宣伝の割には,ものすごく小粒な事件を扱ったに過ぎない映画,《ニュースの天才》について。
- 今日は昼まで外来診療をして,それから長野経由で品川に向かい,聖マリアンナ医科大学の同門会で講演です。
- 昨日から山梨県の南部町国保診療所の細川先生が見学に見えられています。
- 「洗濯洗剤は必要ないって,ホント?!」から考えると,もしかしたら洗髪のシャンプーもいらないのではないか,とふと思いつき,取りあえず1週間,シャンプーを使わない水洗いだけの洗髪をしてみました。人体実験ってやつです。
その結果ですが,あぶら汚れで髪の毛が汚れることもなければ,痒みもありません,というか痒みがなくなりました。髪の毛は普通にさらさらで,極めて快調です。不足しているのは「シャンプーの香り」だけです。
ってことは,シャンプーの効果は香り付けだったの?
というわけで,生活がどんどんシンプルになっていきます。次は何を止めようかな?
2007/03/22
- 10月5日~6日に札幌で開催される日本クリニカルパス学会で教育講演を行うことが決まりました。以前にも,全国規模の学会で教育講演をしたことはありますが,私みたいなのが教育講演をしていいのだろうかと思ってしまいます。
- 「手荒れ,主婦手湿疹の治療,クリーム,尿素など」を追加。これまで何度か細切れに書いてきたことですが,まとめてみました。
- そういえば,産婦人科業界を震撼させた「福島県立大野病院事件」ですが,第三回公判の傍聴記があるブログに書かれていますので紹介します。供述調書の内容と公判証言とが食い違っていて,検察側が重箱の隅を突っつくようなことばかり質問しているような印象です。事件の筋書きを先に作っておいて,何が何でもその通りに当てはめようという感じです。
それと「警察調書と検察調書には安易に署名しちゃまずいぞ」ということもわかります。
それにしても,写真という明白な証拠があるのに助産師に2年前の記憶をで絵を描かせて,それを証拠にするなんざ噴飯ものです。それとも検察官ってのは,2年前のことを正確に絵に書ける人種なんでしょうか。要するに,警察・検察側に都合の悪い証拠は認めない,ってことでしょう。
2007/03/21
- 最近,お化粧と肌の問題について考えていますが,「毛穴が開く」という現象って何だ,ということがふと,頭に浮かびました。あれは単なる,皮膚の瘢痕拘縮じゃないのか? ってね。今度出す本の校正をしながら,ちょっと書いてみようかと思っています。
- タイトルを見ただけで買ってしまった本,それが『世界で最も美しい10の科学実験』(ロバート・P・クリース,日経BP社)。冒頭のエラトステネスの「地球の円周の測定」のところだけでしびれてしまいました。面白いなんてものじゃありません。これぞ感動です。科学好きは今すぐ本屋に走れ! そして手に取れ!
2007/03/20
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,新潟県新発田市の新潟県立新発田病院 整形外科 今井教雄先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- クズ映画だとわかってみたクズ映画,《ジュラシック・シティ》。これほどチープな恐竜が21世紀の映画で見られるとは思いませんでした。この映画の監督に,20世紀半ばの怪獣映画の爪の垢を煎じて飲ませてやりたいです。
- 以前から,ブドウ球菌についていろいろ調べているのですが,ブドウ球菌類という細菌はどうも,人間や動物の体(皮膚や粘膜)から検出される細菌らしいのですが,自然界にそこらにいる細菌ではないようなのです。この細菌種の自然界での存在について御存知の方は,御教示いただけないでしょうか。
2007/03/19
- 17日(土)は東北大学整形外科で講演でした。現在は疎遠ですが,やはり出身大学から講演に呼ばれるのは嬉しいものです。会場はほぼ満員で,大学病院時代にお世話になって懐かしい先生たちにお会いすることができました。講演後の質疑応答も非常に活発で,その後の立食の懇親会でも質問責めでした。
さらに会場と同じホテル内で,5人の先生方と二次会へ。整形外科の前教授,現教授,助教授など,よく知っている人たちばかりで楽しく話させていただきました。遅くまでおつき合いいただき,ありがとうございました。
- 『「化粧品は危険だ」と告発するだけでは何も変わらない』を追加。化粧がパラダイムである以上,化粧品だけを告発しても無駄だよ,告発しつつ新パラダイムを提案しなければいけないんだよ,というお話です。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,静岡県掛川市の茗山会 坂本整形外科 坂本裕一郎先生にも御参加いただきました。ありがとうございます。
- 4月19日の顎顔面手術手技研究会での講演の詳細について追加しました。
2007/03/16
- 「若い医師「へき地勤務義務化を」 日医諮問委が提案」なんてニュースがあった。何でも,
報告書には、研修終了後の一定期間内に、へき地や医師不足地域での勤務の義務化を考慮すると盛り込まれている。産科・小児科など、医師が不足する診療科への勤務も想定されているという。
ことらしい。オイオイ,研修終わったばかりの医者にお産を取り上げさせるの? まともに取り上げられると思っているの? 私は絶対に無理だと思う。産科だけ集中的に何年間か修練したというなら話は別だろうが,産科を1ヶ月回りました,お産を3回だけ扱ったことがあります,程度ではどうしようもないと思う。なんでもかんでも,若手医師に押し付けりゃいい,ってもんじゃないだろ!
- 派手なCGと登場人物の派手な超能力の割には,全然面白くないSFファンタジー,《ファンタスティック・フォー [超能力ユニット] 》について。起きている事件そのものが地味で小さいし,ヒーロー役の影が薄すぎます。映画の最後のシーンになるまで,こいつがヒーロー役だってことに気がつきませんでした。
- 昨日(15日)は医局の送別会で,研修医9名が巣立ちました。彼らが救急外来で治療した外傷(顔面外傷,手指の外傷,熱傷,感染創など)は全て私がフォローしていますが,治療ミス,判断ミスはほとんどなく,外傷治療に関しては全国の研修医のトップクラスでしょう。
ちなみに,4月からは相澤病院の常勤医は130人になるという噂です。
2007/03/15
2007/03/14
- 雑誌「わかさ」5月号に『Q 切り傷は消毒すると治りが悪くなる? A 傷は水道水で洗ってラップで覆うほうが早く治る』が掲載されました。わかりやすいイラスト付きの1ページの記事です。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に以前から北海道で登録していただいている井齋偉矢先生が,日高郡新ひだか町の静仁会静内病院に院長として移られ,こちらの方で治療を継続していただけるとのことです。
- 昨日,「腕に包丁を差して出血が止まらない」という急患が来ました。またどうせ,「心臓に近いところでも縛って」いるんじゃないの,と思っていましたが,前腕遠位橈側に1センチくらいの傷があって,ここからピューピュー出ているのです。
もちろんこういう時は「出血しているところを直接圧迫して患肢挙上。でも圧迫は強すぎるとかえって止まらないから軽く圧迫だよ」と,いつもの通りに圧迫しているのですが,なぜか止まらない。10分しても止まらない。
で,患者さんに「包丁はどちら向きだったの?」と聞いたところ,「指先の方から自分の方に向かう方向」だったことが判明。ってことは,傷より近位の部分に血管損傷があるんじゃん! 傷より2センチくらい近位の部分を押さえたら,程なく止血しました。
やはり,「血管損傷による出血は,血管損傷部位を直接圧迫」しなければ止まりませんね。刃物が垂直に入るとは限らないもんね。勉強になりました。
2007/03/13
- 「化粧はパラダイムだ」を追加。
- 安部内閣は「安部ちゃんのお友達内閣」といわれていますが,今回の「何とか浄水器農水大臣」や「子供を生む機械厚生労働大臣」のような,詐欺師か頭の悪い奴か性格の悪い奴しか友達がいないんでしょうか。安部ちゃん総理,かわいそうです。このような連中しか「お友達」がいないんでしょうか。こんな連中しか,安部ちゃん首相の周りには集まってこないのでしょうか。
安部ちゃん,友達は選んだほうがいいと思うよ。
2007/03/12
- 東京都港区の東京ミッドタウンクリニック(2007年3月30日オープン) 整形外科 寺尾友宏先生,山形県天童市の天童市立天童病院 外科 石田 一先生にも御参加いただきました。ありがとうございます。
- 傑作サスペンス映画,《ミュート・ウィットネス 殺しの撮影現場》について。今から15年以上前の映画ですが,見て損はありません。
ちなみに,今週末の移動で見た映画は《メルキアデス・エストラーダの3度目の埋葬》と《ブルーサヴェージ セカンドインパクト》でした。前者は感動的大傑作。後者はちょっと変なサメ映画。
- 本日は都立墨東病院の金山先生が見学に見えられます。
- 先日書いた「化粧は皮膚に悪い?」をさらに敷衍して「化粧をするのはパラダイムである」という文章を書き始めましたが,こちらはさすがに時間切れ。いずれ掲載予定です。
化粧というのは結局自然河川の護岸工事と同じで,見た目はきれいだけど生態系を壊しちゃうんですね。
- 雑誌「小児内科」からの依頼原稿が完成し発送。さらに「主婦の友社」に2編の原稿を追加発送。自分で言うのもなんですが,仕事してます(・・・「いい仕事」かどうかは別にして・・・)。
2007/03/09
- マジで書くことが見つからない映画,《ステルス VS ステルス エグゼクティブコマンド》について。すべてどこかで見た事があるシーンのオンパレードだし,登場人物も類型的だし,ストーリーもワンパターンですので,ご覧になる場合はビールでも飲みながら「オイオイ,何だよこのシーンは」という風に突っ込みながら見てください。。
- 昨日紹介した「洗濯洗剤は必要ないって,ホント?!」ですが,自分でも試して見ました。洗濯洗剤なしで下着やらジーンズを洗ってみましたが,汚れも臭いもほぼ取れています。わずかに汚れかなぁ,というのが残っていますがこれは誤差範囲内でしょう。
逆に言えば,そのわずかな汚れを落とすために毎日あれだけの量の洗濯洗剤を使っていたということです。そのために,日本の全世帯で毎日キャップ数杯の洗剤を使い,それを中和するために飲用できる水が大量に使われていたようです。
石鹸の香りがないので爽やかさという点ではもの足りませんが,違いはそれだけのようです。また,通常量の1/4程度の洗剤を入れれば香りは結構残るようです。
皆様も試してみて下さい。
2007/03/08
- 「化粧品って本当は肌にすごく悪いんじゃないか?」。スッピンのシャロン・ストーンの顔を見たらそう思えてきますよ。
要するに,「皮膚の汚れを洗い流す」,「顔の余分な油を流い落とす」という常識そのものが間違っているのではないでしょうか。皮膚から分泌される脂分は,人間の生存に不可欠な共生生命体,表皮ブドウ球菌の生存に欠かせないものです。
「皮膚の汚れ」という概念自体が狂っているのではないでしょうか。みんな,化粧品業界,美容業界に騙されているだけなんじゃないですか?
- 私が勤務する相澤病院の心臓血管外科では,開心術後の縦隔炎がこの1年半(100例以上の手術)で1例も起きていないそうです。最後に起きた1例も,敗血症を起こしてその最中に胸骨縫合部に膿瘍を作った症例とのことで,純粋な意味での術後縦隔炎となると,恐らく2年間1例も起きていないだろうということです。
私が赴任した時,4例の術後縦隔炎患者がいました。当時,発生率は5%前後だったそうです。それが,ゼロになったのです。まさに「ビフォア・アフター」ですが,変えた点は次の3点のみです。
- 皮膚縫合前の創内消毒を止める。
- 縫合後の消毒を止める。
- 術後の回診時の創消毒を止める。
この3点のみです。これだけで劇的に術後縦隔炎が減らせたのは確かです。
全国の心臓外科医の皆様,開心術後の縦隔炎は発生を限りなくゼロに近づけられます。相澤病院ではそれを達成しています。簡単な手段でゼロにできます。
ということは,CDCのSSI対策よりずっと有効だってことだな。CDCのSSI対策は嘘っぱちなんじゃないか?
- 本日のDaily Portal Zの「洗濯洗剤は必要ないって,ホント?!」という記事はすごいぞ。まさに驚愕の実験結果です。要するに,かなりの量のラー油の汚れ以外は,水だけでも汚れが落ち,洗剤を使った場合と差がありません。しかも,実験方法もしっかりしていて,きちんとした科学実験になっています。
- 「うるおい治療」をマスコミで紹介してもらう場合,ほとんど「自然治癒力」という言葉とセットで説説明されていますが,これが痛し痒しです。ま,確かに「自然に治ってしまう」のだから自然治癒力でもいいんだけど,インチキ・サプリメント,インチキ栄養食品に限って「自然治癒力を増強」とかインチキな宣伝しているからです。
こういうのと同一視されちゃうのもなぁ。ううむ,どうしようかなぁ。
2007/03/07
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,岡山県真庭市の医療法人敬和会 近藤病院 近藤秀則先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 昨日まで山梨の巨摩共立病院,芹沢先生が見学に見えられていました。「私の病院の処置にしても褥創処置にしても,随分無駄なことをしていたことがわかりました」とおっしゃられておりました。
- 小さいマシン好きの私の心を激しく揺さぶっているのが,イー・モバイル(株)の "EM・ONE" です。3.6Mbpsという高速通信と,基本性能の高さに惹かれました。とはいっても,現時点ではこの高速通信の対象となっているのは東京都内とその周辺,大阪,名古屋だけで,松本で購入しても意味がないので比較的冷静に見ていました。
ところが,先週末に名古屋のビックカメラで触ってみて,マシンとしての性能の高さと,細部までしっかりと作られている完成度の高さに,一挙に物欲モードのスイッチが入ってしまいました。
ううむ,欲しいなぁ。でも,東京と大阪と名古屋でしか使えないのか。でも,東京と大阪と名古屋だったら,毎週,どこかには行っているよな。でも,東京・大阪・名古屋にいるのはせいぜい一晩だけだよ。でも,欲しいなぁ。でも,買っても使えないんだよなぁ。そうです。買っても使えないけど,欲しいというマシンです。
イー・モバイル様。是非,全国の県庁所在地で高速通信を可能にしてください。できたら,利用可能地域に松本も加えてください。そうしたら,私は速攻で買います。絶対に買います。
2007/03/06
- 時々,「本が売れて印税生活ですね」なんていわれますが,医学書で印税生活は絶対に不可能です。今回はそれを論証しちゃいます。世の中,そんなに甘くございません。
2007/03/05
- 3月3日は岡山県で講演でした。この日は他にも医者の会合が幾つか重なっていたとのことで,「人が集まるかなぁ?」と心配だったそうですが,200人をはるかに超える人に来ていただきました。ありがとうございます。時間の関係で質疑応答に時間がかけられず,それがちょっと心残りでした。
終了後は,まだ4時半だというのに5人の先生方と懇親会へ。色々な話をしているうちに「それじゃ,ピアノが弾けるところがあるから行ってみよう」と言うことになり,よせばいいのに下手なピアノを弾いちゃいました(もちろん,酔っぱらっていて下手と言うこともあるけど,酔ってなくても十分に下手です)。無理矢理,下手ピアノを聞かされたほかのお客さん,ごめんなさい。
そしてさらに二次会,三次会と続き,午後4時半から一体何時間飲んでいたんだろう,というあたりでおひらきになりました。遅くまでおつき合いいただき,ありがとうございました。
- 「在宅床ずれ12万人、43%が重症化…学会推計」というニュースがありましたね。褥瘡と言ったって所詮は「高齢で寝たきり」という状態の一部分症状に過ぎません。なぜ,部分症状一つだけを取り上げるんでしょうか。褥瘡だけ治療したって,高齢で寝たきりという状態に変わりはないわけで,褥瘡だけ切り離して論じるのはナンセンスです。
ま,褥瘡だけ切り離そうというのが日本褥瘡学会の基本理念なんですが,「在宅で褥瘡が重症化」という調査結果からこの学会は,どういう方針を打ち出そうとするんでしょうか。そっちの方が気になります。
- 戦争とは何か,個人と国家とは何かを鋭く,そして気高く描き出す傑作,《戦場のアリア》について。
- 小泉政権を現時点で思い返すと,結局,規制緩和,官から民へという言葉に集約できると思う。その基本方針を煎じ詰めると,「リスクは個人で背負ってね。うまみは企業と国がもらうからね」というのが正体だったとわかる。
もう一つの軸のグローバル化というのも,「世界中に商品を売り込めるから都合がいい」というのは企業だけで,労働者には「この賃金で不満ならやめてもらっていいよ。もっと安い賃金で働く連中は中国に沢山いるんだ。むしろ君に辞めてもらったほうが私らには都合がいいんだけどな」ということになっただけだ。ここでも「リスクは個人が背負い,うまみは企業が吸い取る」という図式が見て取れる。
2007/03/03
- 雑誌「Progress in Medicine」からの依頼原稿『新しい創傷治療』が掲載されました。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,兵庫県赤穂市の大嶋皮膚科医院 院長 西谷茂樹先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 今日は朝10時前に松本駅を出発して名古屋経由で岡山に向かい,岡山県医師会 主治医意見書研修会・在宅がん終末期医療実地研修会で講演の予定です。
この時期の西日本での講演では,衣服をどうするかで迷ってしまいます。松本を出るときはコートを着ていないと寒いし,講演地は20℃近かったりするからです。
- 先日のカゼッラの『パバーヌ』が思いのほか好評でしたが,「フォーレの夜想曲第13番の解説を譜例付きで読みたい」というメールをいただきましたので,図に乗ってこちらも譜例付きで復活させました。もちろん,文章にはちょっと(?)手を入れました。ま,余技ということで大目に見てください。
- 昨日も,3編の原稿を主婦の友社に送付。
2007/03/02
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,東京都小金井市の下河辺整形外科クリニック 整形外科 下河辺 仁先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 4月7日の札幌市耳鼻咽喉科医会での講演の詳細について追加しました。北海道医師会の方ならどなたでも参加できるそうです。
- お化粧をばっちり決めているときはビックリするほどの美人なんだけど,お化粧を落とすとまるで別人という女性,いますよね。お化粧ってのはすごいなぁ,と感嘆するのですが,こういう人のすっぴんの皮膚を見ていると,すごく荒れているのが判ります。おそらく,皮膚の荒れを隠すためにもバッチリとメークしているのでしょうが,どう考えても,化粧品自体,あるいは化粧という行為自体が皮膚を荒廃させている原因にしか思えないんですよ。
こういうお化粧が上手な人って,若い頃からお化粧をしてきたはずです。だから,若い頃から肌が荒れてしまい,それを隠すために日常的にお化粧が必要になり,それがさらに・・・という悪循環になっているんじゃないでしょうか。
「肌によい化粧品」とか「肌に潤いを与える化粧品」というのは本当にあるんでしょうか。クリームに含まれる界面活性剤って,本当は皮膚を守っている皮脂を溶かして奪っているだけじゃないでしょうか。
- ここ1週間くらい,夕食を食べながら(飲みながら)本の原稿を書き(原稿用紙にして6枚くらいかな?),翌日それを印刷して読み直し,ある程度校正しては出版社に送る,という生活をしています。
- 訳がわからない映画の代表格といえば,《ステイ stay》。何度か見直してようやく映画の真相がわかる,という仕掛けがしてありますが,その真相ってのがしょぼくて,哀しくなります。
2007/03/01
- 6月21日(木)に大阪市立総合医療センター 糖尿病勉強会で講演することが決まりました。なぜか,今年の6月は大阪での講演が続きます。
- 講演に使用しているスライドにさらに手を加えました。小児の顔面裂創をテーピングで治療している症例の写真を別のものに差し替え,さらに,スライドの一部の順番を変更しました。以前ダウンロードされた方は同じところからダウンロードできますので,ご自由にどうぞ。
新たにスライドファイルを見たいという方は,メールでご連絡下さい。
- 主婦の友社から一般向けの書籍を出すことが決まり,執筆に着手しました。
なお,今年4月頃までに研修医向けの「外傷治療マニュアル」を出版する予定で,こちらは校正作業中です。
- オイオイ,このタイトルはないだろう,という映画,《クライモリ》について。映画を借りてみるまで,ラテン語だと思ってました。それなのに・・・。
- 鳥谷部先生から「なんで形成外科の先生って褥瘡を手術したがるの?」と質問されました。私はもともと形成外科医で現在は保存的治療にウエイトと置いているため,褥瘡を見ると手術したがる心理がよくわかります。なかなか面白いテーマなんで,そのうちまとめて書いてみようかな,と思います(・・・時間ないけどさ)。
一言で言えば,「なぜ手術をするのか。そこに傷があるから」ですし,「手術で治すことが善」という教育を受けてきたからです。