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2010/07/30

　11月16日（火）に茨城県県南小児科医会で講演することが決まりました。
　「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に，福岡県糸島市のゆうゆう薬局二丈店，滋賀県大津市のひまわり薬局大津長等店を追加しました。
　韓国製ホラー映画を元にしたハリウッド版リメイク，《ミラーズ》を紹介。前半はかなり怖いですが，後半に謎解きがあっていきなりオカルト映画になってしまい・・・，といういつものパターンに陥ってしまいました。
【空飛ぶクルマ：試験飛行】
　ナショナルジオグラフィックのサイトにこの「空飛ぶクルマ」関連の記事が幾つかありました。ちなみに販売開始は来年後半とのこと。自動車が空を飛び，それが普通に市販されるとはすごい時代になったものです。自動車がそのまま空を飛ぶなんて，ついこの前まではSF映画かアニメのアイテムでしたよね。
【気温35度でシャットダウン？：iPadに集団訴訟】
　35℃を超える屋外で読書するやつがいるの？とか，シャットダウンするだけで壊れたわけじゃないんでしょう？とか，いろいろツッコミが入れられますけど，これぞまさに「何でも訴えとけ」というアメリカンの発想の見本なのかもしれません。
【街なかの宇宙の旅】
　地球がテニスボールの大きさで新宿アルタ前にあるとしたら，小惑星イトカワってどのくらい遠くにあるんだろう，ということで調べてみたのがこの記事。実際にそこまで移動して距離を実感している点が秀逸です。
　地球をテニスボールの大きさだとすると，太陽は750m離れた新宿御苑の入り口にあって直径7m，火星は代々木駅で3センチ，木星は渋谷駅で70cm（ハチ公の大きさと同じ），そして海王星は22キロ離れた東急東横線の菊名駅のあたりでバスケットボールサイズなんだそうです。
　地球の隣の惑星の火星はこのスケールで言えば新宿と代々木の距離に相当しますが，その間に何も無いというのがすごくないですか？要するに，太陽系ってほとんどスカスカ，何も無いようなものなんですよ。

　ちなみに，太陽に一番近い恒星は4.6光年の距離にありますが，上記の縮尺にあてはめるとどのくらいの距離にあるか計算してみましょう。太陽と地球の距離が1億5千万kmで，一方，1光年は約9兆4千6百億kmです。つまり1光年は地球と太陽の距離の6万倍となり，太陽のお隣りの恒星までの距離は地球と太陽の26万倍くらいになります（・・・計算，合っているかなぁ？）。
　上記のスケール（太陽と地球の距離が750メートル）でいうと，［0.75km × 26万＝約20万km］となり，太陽とお隣の恒星の距離は20万kmになるはずです。20万kmといえば，地球と月の距離がおおよそ38万kmですからその約半分になります。
　ということは，太陽を直径7mの球だとすると，もっとも近い恒星でも20万kmも離れているのです。その20万kmの間には恒星は一つもないのです。無茶苦茶，スカスカ状態です。

　実際，太陽を中心とした半径10光年の範囲には恒星は8個あります。これはどのくらいの密度かというと，太陽などの恒星を直径1cmのビー玉にすると，10光年はだいたい太平洋の大きさになります。つまり，太平洋にビー玉が8個があるだけ，というのが私たちの太陽系が所属している天の川銀河の姿なのです（もちろん，銀河中心のバルジでは違っていますが）。おまけに，その8つの恒星には惑星の存在は確認されていません（ちなみに，一番近い「惑星を持っていることが確認された恒星」は60光年離れていたはずです）。　こういうのがわかると，宇宙人なんていないし，いたとしても地球を彼らを見つけることなんてないし，UFOでやってくることなんてありえない，ということがわかりますね・・・残念ですが・・・。
　考えてみたら，10年以上夏休みを取っていません。講演で病院を休みにする以外，休みをとったことがありません。医師一人だけの診療体制でずっと仕事をしてきたのと，状態が毎日変化する外傷患者が相手のため，休むに休めないんですね。5月のゴールデンウィークの時だって，あの患者はどうなっているんだろうと気が気でなかったりします。心配するくらいなら，病院に出て外来をして患者さんを見ている方がよほど精神的に楽です。いわゆるひとつの「貧乏性」ってやつです。
　現在のような「傷の治療主体」の診療を続ける限り，いざとなったら患者さんを入院させられる病院の勤務医であり続けるしかないでしょうし，複数の医師が必要なほど多くの患者が殺到するとも考えられないため，一人勤務体制はこの先も続くことになりそうです。ということは，恐らく退職するまで休暇を取らない生活が続くんでしょう。まぁ，それも人生かな。

2010/07/29

　「外傷を湿潤治療している医師」に，東京都荒川区の荒川生協診療所／菅野哲也先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
　最近，相次いでテレビの取材を受けていますが，今度はテレビ朝日の夕方の情報番組『スーパーJチャンネル』から取材申し込みをいただきました。取材・撮影はこれからですが，8月10日（火）の夕方放送予定とのことです。
　熊本県天草市の宮崎先生から，幻の芋焼酎『がらるっど』を頂きました。これが美味いのなんのって，芋焼酎の概念が変わります。
　オークの樽に寝かせて長期熟成させたとあって，最初に口に含んだ香りはスコッチを彷彿とさせます。その喉越しは柔らかく極めてまろやかです。そして，飲み込んだ後の口の中には甘い残り香があり，それはまさに最高級の芋焼酎の芳香です。濃厚で深い味わいが印象的で，これに似た酒を思いつきません。

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【手を使わずに楽譜をめくるiPadアプリ】
　私がまだピアノサイトを運営していた頃，絶版となったありとあらゆるピアノ楽譜をPDFファイルに変換しようという試みをしていました。現在のGoogleのプロジェクトみたいなものです。そしてその頃から，「ピアノの譜面台を液晶にして楽譜PDFファイルを表示できるようにし，左足で譜めくりできるような機能をピアノのペダルに加えたら，古今東西のあらゆるピアノ楽譜を収めて，しかも譜めくりも楽なピアノが作れるよね」と考えたりしました。
　あの当時（今から8年前）では，これはまだ夢物語でしたが，ついにiPadで現実のものとなりつつあるようです。すごい時代になったものです。とはいっても，iPadの画面はピアノ楽譜には狭すぎます。ピアノ楽譜を表示するためには，A3より大きなサイズの液晶が必要です。そして，指使いなどを書き込めるような機能も必要です。もちろん，手を使わずに譜めくりできる機能も必須です。
　このような機能を全て備えた「液晶譜面台」を持ち，ハードディスクに古今東西の楽譜データを収録したピアノが作られたら，ピアノ演奏家，ピアノ愛好家にとっては夢のようなピアノが実現するはずです。
【サザン・桑田、初期の食道がん告白】
　病気にもっとも似合わない男，サザンの桑田さんが癌！ジャパン・ポップスに全然関心がない私も，このニュースにはちょっとびっくり。そうか，桑田さんも54歳だったのか。1956年生まれですから私とほぼ同じ歳です。ということは，私も癌が見つかっても不思議がないということでしょう。
　私の父親が癌で亡くなったのが68歳。それまであと15年です。
　今週月曜日の日テレ「深イイ話」での放映以後，火傷や治らない傷についてのさまざまな相談メールを頂いています。その大半は「ここをご覧ください，これらの医師に連絡をとってみてください」と返事を書くだけでよいのですが，中にはいろいろ複雑で深刻な内容の相談もあり，返事を書くのに数十分かかることもあります。
　私のメールで長年の悩みが解決するならこんなに嬉しいことはありませんから丁寧に返事を書いていますが，問題はそのために確実に時間が取られてしまうことです。本の執筆をしたくてもその時間がなかなか取れません。
　この治療が一般に普及して普通の治療になれば私への相談メールはなくなるでしょうから，その日まで頑張るしかなさそうです。

2010/07/28

　昨日も羽田第2空港を利用したのですが，2階にある小さな書店でも，ゲートから入ったところにあった小さな本のコーナーでも，なぜか私の『傷はぜったい消毒するな生態系としての皮膚の科学』 (光文社新書)が5冊くらい並んでいるんですよ。それ以外の光文社新書は全て今月の新刊ばかりだったため，「並んでいて嬉しい」というより，「なんでここにピカピカの新刊書と一緒に並べてもらえるの？」とちょっと不思議な気分でした。もしかして，羽田第2空港でだけ良く売れているとか？
　宴会などの席でよく，テレビ出演ではどのくらいの出演料をもらえるの，という質問をいただきますが，実は全くゼロ，無報酬です。プロダクションに所属していらっしゃる先生ならギャラが出るのでしょうが，私のよう「一般の医者」の場合には出演料は一切出ていないはずです（・・・もちろん，私だけ無料という可能性もあるけど・・・）。ボールペン1本を貰えたらいいほうです。
　長時間の収録でお弁当が出たことはありましたが，そのスタジオへの移動は自腹でしたから，冷静に計算するとマイナスなんですね。もちろん，治療の宣伝をしてもらっているんだから足代くらい自分で出すのは当たり前なんですけど。
　というわけで，福岡のホテルで更新しています。これから福岡空港に向かい，昼までには石岡に戻る予定です。

2010/07/27

　「以前，娘の顔の傷で治療してもらった者ですが，顔の傷がすっかり綺麗になったので写真を送ります。よろしかったら使ってください」という嬉しいメールを頂きました。調べてみると，ある程度まで治ったところで「あとは自宅でデュオアクティブを交換してね。学校を休ませてまで病院に連れてこなくていいよ。何かあったら受診してね」ということで通院終了となった患者さんです。おかげ様できれいに治った状態の写真を入手でき，感激しております。
　患者さんにはいつもいつも助けてもらっています。湿潤治療は医者が提案し，それに納得して支持する患者が互いに協力することで完成しつつある治療です。
　スラッシャー系ホラー映画で何度もリメイクされているのが1978年公開の《ハロウィン》で，その第8回目のリメイクがロブ・ゾンビ監督の《ハロウィン》です。これは「オリジナルを超えるリメイク」と評価の高いホラー映画ですが，ムチャクチャ残虐なのになぜかすごく感動的，という見事な作品になっています。
【PDFをスリム化するソフト3種を比較する】
　既存のPDFファイルのサイズを小さくするソフト3種類（フリーソフト2種類，Adobe Acrobat製品版）を比較するという面白い記事。結果は本家本元のAdobeの圧勝。製造元の強み，ってやつでしょうか。
　正規製品よりフリーソフトの方が圧縮率が高かった，というのなら面白かったんだけどなぁ・・・。
【C60フラーレンを宇宙で発見】
　あやふやな記憶によると，1980年代の宇宙の星間物質の研究で「やけに分子量の大きな炭素分子」が発見されたのが発端だったと思います。それまで炭素分子というと黒鉛とダイアモンドしかなく，それ以外の炭素分子なんてあるわけだないよね，と思われていた時代です。そして，炭素原子60個からなる安定した構造はどれだろうという試行錯誤の結果，なんとサッカーボール構造であることが判明し，その後，その構造を持つ炭素分子が発見されます。これがフラーレンであり，今日のナノテクノロジーの扉を開いたわけです。
　そして今回，フラーレンが実際に宇宙空間で確認されたそうです。ちなみに，この「分子量720の炭素分子（＝フラーレン）」はこれまで宇宙空間で発見された最大の分子のようです。
　なお，C₆₀フラーレンについては，この本をご参照下さい。
【＜大相撲＞「中継すべきだった」…横審で複数委員から声】
　なぜ，大相撲だけ特別扱いにして中継放送すべきなんでしょうか。その根拠が全く理解できません。
　「相撲は国技だから」というのが根拠かもしれませんが，「日本の国技は相撲だ」と言い出したのは相撲業界であり，剣道や柔道や野球などの関係者が集まって相談して決めたものではありません。勝手に「俺達が国技だ」と名乗っただけのことです。要するに，言ったもん勝ちってやつであり，キジが勝手に「俺達が日本を代表する国鳥だ」と宣言し，オオムラサキが勝手に「私たちが日本の国蝶よ」と名乗ったようなものです。根拠は皆無です（ちなみに，キジを国鳥と決めたのは日本鳥学会，オオムラサキを国蝶と決めたのは日本昆虫学会ですね）。
　相撲なんて伝統芸能の一つに過ぎません。特別扱いする必要はないし，相撲業界だけを甘やかす必然性もありません。
【政権〈史・私・四〉観緊急討論　田中秀征×藤原帰一×片山善博×グレン・Ｓ・フクシマ　民主大敗で始まる日本政治の破滅的危機】
　非常に読み応えのある政治と政局に関する討論。
　今日は11：30まで外来診療をして，その後，羽田空港⇒福岡空港と移動し，夜は講演です。明日は朝早く福岡を出発し，午後は普通に外来診療です。先週から今週にかけての移動距離の合計は軽く3,000キロを超えています。

2010/07/26

　講演用のスライドをマイナー・バージョンアップしました。最新版は7月23日作成のものです。ご覧になりたい方は本名，所属を明記してメールでご連絡下さい。
　なお，以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。
　第19回目の「顔面擦過創・挫創：症例写真のお蔵出し」。テーピングによる顔面裂創の患者を追加しました。
　次からは「熱傷症例のお蔵出し」でもやろうかな？
　今回の移動で読んだのが『数学は最善世界の夢を見るか？　ー最小作用の原理から最適化理論へー』（イーヴァル・エクランド，みすず書房）。これは面白かったです。ガリレオの振り子の実験，そして光の反射と屈折の問題から浮き上がる「この世は最短距離を選ぶのではないか」という考えが浮かび，やがてフェルマーとデカルトの論争を経て光の性質が明らかになり，それはモーペルテュイの最小作用の原理に結実し，原題の数学者のポントリヤーギンの最適化理論に進化・深化します。形而上学的な哲学論争を経て「神なき世」での「最禅とは何か，全ての人間にとって善であるという状態は存在するのか」という問いかけに到達する400年の知の格闘の歴史は息を飲むほどスリリングです。
　最初の方にある「オッカムの剃刀」，つまり，余分なものは削ぎ落とせ，という考えですが，これは科学の本質なんですね。要するに，理解できない現象があったからといって安易に新たな法則を導入するな，新たな概念を導入するな，既存の概念（法則）をからその「理解できない現象」を説明せよ，というものなんですが，恐らく今の医学に欠けているのはこの「オッカムの剃刀」なのです。安易に導入された概念がろくに検証もされずにいつの間にか「自明の真理」扱いされるのが医学の一面です。
　実は，昨日は大変でした。神戸での講演が終わり，直ちに新神戸17：45発の「のぞみ」に飛び乗り，東京へ。そして京浜東北線で上野へ。ここまでは順調で上野駅に着いたのが20：45頃。新神戸駅ではまだお腹が空いていなかったため，「上野についてから食べればいいよね」ということでビールと軽いおつまみだけ購入したんですが，この判断が間違っていたことが後々明らかになります。
　上野駅で常磐線に乗り換えようとしてビックリ！止まっているじゃないですか。何でも石岡～水戸区間に落雷があって信号トラブルが起き，復旧の目処がたっていないとのこと。とりあえず，石岡の手前の土浦までは各駅停車の電車が動いているとの情報があり，そちらに乗り込みました。電車が発車したのは21時過ぎでした。そして電車は北千住に到着。ここでまた止まってしまいました。どうやら先の区間で先発の電車が停車しているため，とのこと。そして「あとから来る常磐線快速が先に出発する。また，つくばエクスプレスへの乗換もできる」というアナウンスが。
　要するに，あとから来る常磐線に乗って土浦まで行ってタクシーを捕まえるか，つくばエクスプレスでつくば駅まで行ってタクシーで石岡に向かうか，選択肢は2つしかないということです。距離的には確か，土浦の方が近いはずです。こんな状況で変にセコい発想をしてしまいましたが，常磐線快速に乗ることにしました。これがすごく大変なことになるとも知らずに・・・。
　3番線ホームから1番線ホームに向かったんですが，ホームは大混雑。そしてやってきた電車は既に満員状態。でも，乗らないとどうしようもないため，全員が電車に乗り込みました。すし詰め状態というより押し寿司状態です。しかも，松戸，柏，我孫子と止まるたびに降りる人と同数の新たな乗客が乗り込んでくるため，押し寿司状態のまま電車は千葉県境を超えて茨城に。結局，土浦に到着したのは22：30頃。
　土浦駅に着くと，隣のホームに運転再開を待つ常磐線特急「フレッシュひたち」が止まっていますが，いつ出発できるかは不明とのこと。ここで電車は諦め，タクシーで帰宅することに決めましたが，駅前のタクシー乗り場には15人ほどのタクシー待ちの客の列が。もちろん，タクシーなんて一台もいません。どうやら土浦中のタクシーが客を乗せてあちこちを走っているようです。
　結局，タクシーに乗れたのは23：20頃。自宅に到着したのは30分後でした。タクシーの運転手さんによると，数時間，休みなしに走り回っているということでした。
　というわけで，新神戸から上野まで593kmと上野から石岡までの82kmに全く同じ時間がかかった一日でした。
　ちなみに，この記事は26日の朝5：30に書いています。早起きは年寄りの特技ですから。でも，ちょっと体がダルイです。疲れが全然抜けてません。今日からまた1週間が始まるかと思うと，ちょっぴり（？）憂鬱です。

2010/07/23

　もしも突然，視力を失ったら・・・という恐怖を描くサスペンス映画，《ブラインドネス》を紹介。設定自体は面白いのですが，乱暴すぎる展開に興ざめ。日本代表（？）として伊勢谷友介と木村佳乃も出演していますが，伊勢谷さんは熱演でしたが（時々日本語は変だけど），木村佳乃が「何様だよ，こいつ」的な演技でございました。
　昨夜は上野駅隣の「富士そば」に助けられました。昨日，21：10ころに講演が終わり，その後，立食の懇親会でしたが，例によって食事を食べる暇がなく，お寿司を2，3個口に入れただけで食事タイム終了。その後，タクシーで上野駅近くのホテルに向かい，チェックインしたのが23：00ちょっと前。ホテルのレストランは全て閉まっていたため，外に出て上野駅方面へ。いくら空腹と言っても，さすがに焼き鳥などでは重すぎるよな，と思っていたら「富士そば」の看板が目に入りました。そうです，23：00を過ぎたら中高年が食べていいのはお蕎麦だけと決まっているじゃないですか（・・・多分）。というわけで，お蕎麦を堪能しました。「富士そば」，いい仕事してました。
　というわけで，23：15にホテルに戻り，近くのコンビニで買ったキリンの「世界のハイボールシリーズ」なんぞを飲みながらこの文章を書いているところです。0：30までには眠り，明日の朝は例のごとく5：30に起床の予定です。
　というわけで，7月23日はいつもどおりに朝5：30に起床。5年近く朝はこの時間に起きるのを習慣にしているため，前夜に何時に寝ようと5：25ころになると自動的に目が覚めちゃうんですね。便利なんだか不便なんだか・・・。ま，中高年特有の現象で「才能」じゃないですけどね。
　これから常磐線特急に乗って病院に向かいます。今日はフジテレビ『とくダネ！』の一日目の取材です。
【金元死刑囚，田口さん横田さん以外は知らず　家族会会見】
　要するに，「23年前に北朝鮮を離れた金賢姫」は「23年以前の北朝鮮の情報しか知らなかった／自分が知っている情報以外の情報を知らなかった」というだけのことでした。当たり前ですね。つまり，彼女を日本に国賓待遇（？）で招いた意味は何一つなかった・・・と。
　当たり前のことですが，韓国で彼女に「この23年間にあなたが既に明かしている以外の事実・情報を何か知っていますか（隠していますか）？」と質問すればよかったんですよね。それで彼女が「知っています。実は幾つか情報を隠していました」と回答し，それが日本人拉致被害者に関連する情報の場合だけ日本に招けばよかった，ということになりますね。

2010/07/22

　講演用のスライドをバージョンアップしました。いろいろ手を加えていて，最新版は7月21日作成のものです。ご覧になりたい方は本名，所属を明記してメールでご連絡下さい。
　なお，以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。
　第18回目の「顔面擦過創・挫創：症例写真のお蔵出し」。テーピングによる顔面裂創の患者を追加しました。
【おもちゃは楽しい】
　うわぁ，楽しそう！いつかは行ってみたい「東京おもちゃショー」です。お金をポンと渡されて，好きなだけ買っていいよ，って誰か言ってくれないかなぁ。
【文具の最新トレンドはこれ！「第3のインク」「横長ルーズリーフ」「デジタル名刺入れ」】
　でも，大人にとっての本当のおもちゃは文房具ですよね。お金をポンと渡されて，好きなだけ買っていいよ，って誰か言ってくれないかなぁ。
　今日は夜に東京で講演し，懇親会後に上野に移動して宿泊。そして金曜日の朝，8時台の常磐線特急に乗って石岡に向かい，10時から外来開始です。
　そして，土曜日は昼過ぎに神戸に移動。翌日午後に講演をして，終了後に新幹線に飛び乗って新神戸⇒東京⇒上野⇒石岡と移動で，23：00ころにアパートに到着予定です。そして月曜日はもちろん，朝から仕事です。

2010/07/21

　8月4日（水）のフジテレビ『とくダネ！』で1年ぶりに湿潤治療を取り上げていただくことが決まりました。前回とちょっと違った切り口から取り上げてもらえそうです。
　今週金曜日から来週火曜日まで取材が入りますが，依頼原稿の締切日と微妙に重なっていて，おまけに7月後半は講演が集中しているため，ちょっと忙しくなりそうです。
　ベートーヴェンの「第9交響曲」初演をめぐる隠された物語を紡ぎ出す傑作音楽映画，《敬愛なるベートーヴェン》を紹介。邦題は最悪ですが，内容は素晴らしいです。
【起きあがりケータイ，ノキア Kinetic コンセプト】
　多分この技術は携帯電話以外に使い道があるんじゃないでしょうか。胸ポケットやバッグの中の携帯電話じゃ，起き上がれないですから・・・。
　「この技術，何に使えるでしょうか？」と公募するのも悪くないかも。
【スイカ冷蔵カートまるごとたまちゃん】
　一番笑った記事がこれ。スイカを冷やすことにしか多分使い道がないであろうキャスター付き冷蔵庫。「スイカ大で，球形で，冷やさないと美味しくないもの」って，私にはスイカ以外には思いつきません。巨大メロンでも冷やすのかなぁ？
【タイで害虫駆除に寄生バチ】
　タイでキャッサバを栽培するようになり，その後，キャッサバを食草とするコナカイガラムシがタイに入ったもののコナカイガラムシの天敵は一緒に入らなかったためコナカイガラムシがタイのキャッサバに壊滅的被害をもたらしているため，コナカイガラムシの点滴を導入しよう，という計画です。ううむ，うまくいくんでしょうか。こういう「天敵を導入して迷惑外来生物を駆除する」という計画は幾つか実行されたと思いますが，うまくいったのといかなかったのでは，どちらが多いのでしょうか。
　ちなみに，キャッサバには2つの系統があり，1つは南米原産，もう1つは東南アジア原産なんだそうです。
　一昨日，アパートの部屋で「2010年度石岡初ゴキブリ」とご対面。体長3センチくらいの立派なクロゴキブリ君のようでした。問題は，私の部屋には食べ物がほとんど置いてないことです。餓死しないうちに出ていったほうがゴキブリ君の身のためと思われますが，残念ながらゴキブリくんに言葉が通じません。

2010/07/20

　第17回目の「顔面擦過創・挫創：症例写真のお蔵出し」。テーピングによる顔面裂創の患者を追加しました。
　『ロボトミスト　- 3400回ロボトミー手術を行った医師の栄光と失墜 -』（ジャック・エル＝ハイ，ランダムハウス講談社）についての書評を追加。
　医者の鑑とも言うべき誠実で献身的で努力を惜しまぬフリーマン医師が，なぜロボトミー手術という悪魔の所業に邁進してしまったのか，その謎が解き明かされます。多くの医者に読んで欲しい大著です。

ロボトミスト
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2010/07/16

　ペンタックスのデジカメ，Optio W90を買っちゃいました。接写1センチのデジタル顕微鏡機能，そこそこ使えます。
　オーストラリアのマングローブの生い茂る河に釣りに行った観光客に突如，巨大ワニが襲いかかる，という実話に基づいた映画，《ブラック・ウォーター》を紹介。CGすら使っていない低予算映画ですが，リアルに怖いです。
【北朝鮮の医療体制「崩壊」，麻酔なし手術が日常化＝人権団体】
　「注射針を消毒することもなく，シーツも定期的に洗濯していないとの証言が寄せられた。また，麻酔なしに切断を伴う手術を行うことも日常的」ということです。まさに，1845年以前の医学水準です。
　ただ，アムネスティの「北朝鮮への支援は，援助国によって政治ゲームに使われるべきではない」という声明はおかしいと思います。このような事態を招いたのは，自国民の生活を省みずに軍備拡張し，援助国に対しても軍事行動する北朝鮮の国家体制であり，金正日体制です。自国民が餓死しても核兵器を作り続ける国に援助なんかできない，というのがまともな考えです。援助しようにも援助したくない国にしたのはほかならぬ北朝鮮であり，非難されるべきは，援助国ではなく北朝鮮当局でしょう。
　この件に関しては，アムネスティの方向性はまるっきり間違っています。
【＜医学系学会＞「利益相反に指針」２割　透明性確保進まず】
　例えば，高脂血症という病気があります。「総コレステロール値が220mg／dl以上」なんて基準があるそうで，この値以上になると高脂血症という病気であることがわかり，内服薬治療が始まります。ということは，「230mg/dl以上」という基準にすると患者は恐らく半減し，「210mg/dl以上」という基準にすると患者数は倍増するはずです。2008年ころまで，世界で最も売れた処方薬は高脂血症治療薬のリピトールで10年間，首位の座を守っていましたが，高脂血症の基準値がもうちょっと高い値に設定されていたら，もしかしたらリピトールは「世界で最も売れている処方薬」ではなかったかもしれません。

　要するに，高脂血症にしろ高血圧にしろ，基準値によって患者数は増えたり減ったりします。これを私は「北斗の拳」と呼んでいます。北斗の拳ではケンシロウに「お前はもう死んでいる」と言われないと相手は自分が既に死んでいることに気が付きませんが，高脂血症では医者に「お前はもう高脂血症だ」と指摘されて初めて，相手は自分が患者だと知るのです。もちろんこれは，他の代謝性疾患にも言えます。ケンシロウの役を「基準値」が果たしているわけです。
　高脂血症の基準値を決めたのは高脂血症の専門家です。当然，高脂血症治療薬の開発に携わった医者もいるし，血中コレステロールの値と心血管疾患の発生について研究したい者もいます。その研究には莫大な資金が必要であり，その金は天から降ってくるわけはないので，誰かから出してもらわなければいけませんが，高脂血症の診断や治療に無関係の人間が金を出すわけはありません。金を出すのはあくまでも「関係者」です。
　そうやって，「高脂血症の基準値を210mg/dlにするか，220mg/dlにするか，230mg/dlにするか」という議論が学会で始まるわけです。値をわずかに低くするほど患者が増え，薬の売上は上がります。医者にとってもメーカーにとってもうれしい話です。
　こういう疾患に対し，利益相反を排除することは本当にできるんでしょうか。

　例えば，肺炎の患者が病院を受診するのは「熱が出て呼吸が苦しい。何とかしてくれ」という場合ですし，骨折の患者は「足を強打して痛くて歩けない。もしかして骨が折れているんじゃないか？」と受診します。そこらを歩いている人に「肺炎の検査をしませんか，骨折かどうか調べませんか？」と声をかけても相手にされません。要するに，外傷にしろ感染症にしろ，病院を受診するかどうかは患者が決めます。ケンシロウ先生の役割はせいぜい，「もしかして骨折してませんか？」という患者の予感に決着をつけることに過ぎません。
　このあたりが，「検査データを見て初めて異常に気がつく」多くの代謝性疾患との違いです。検査を受けに来た人の大半は自分が異常であるとは気がついていないため，ケンシロウ先生に「お前はもう高脂血症だ」と言われて突然患者に変身するわけです。

　このあたりをラーメン店に例えると面白くなるのですが，今日はここまで。
【「モバイルWiMAXって何？」──改めて知ろう，WiMAXの「10のポイント」】
　とてもわかりやすい記事なのですが，サービスエリア内に自分が住んでいる地域がまるっきり含まれていません。だから現時点では，私にとっては「モバイルWiMAXって何？」状態です。買っても使えません。ちなみに東北地方を調べてみたら，県庁所在地を一歩出ると荒涼たる「モバイルWiMAX空白地帯」が広がっています。こういうのを見ると，情報の辺境の地であることがよくわかります。
【クリップで鎖かたびらを作る】
　「ゼムクリップは繋げられる」⇒「繋がるといえば鎖」⇒「鎖といえば鎖かたびら」⇒「なら，クリップで鎖かたびらを作ろう」という「3回転半ムーンサルト的トリプルアクセル風味三段跳び」のような三段論法で作ってみまのがこれ。無意味に完成度は高いのですが，ファンシーなベストにしか見えないのが難点です。それにしても，よく作ったなぁ。

2010/07/15

　「79歳，30％，Ⅲ度熱傷のおじいちゃん」ファンの皆様，お待たせいたしました。昨日，2ヶ月ぶりに受診されました。順調に上皮化が進んでいますし，おじいちゃんも元気です。時系列の経過／部位別の経過

　このおじいちゃんからはいろいろなことを教わりました。いずれも，現在の熱傷治療の常識を否定する知見です。
- 傷があっても感染しない。
- 慢性創であっても "colonization" から "critical colonization" に移行しない。
- 動かしながら治すと瘢痕拘縮は起こらない。
- ゆっくり保存的に治しても瘢痕拘縮は起こらない。
- このくらいの面積の熱傷なら，素人でも治療できる。入院する必要もない。
　熱傷というと，以前から湿潤治療をしている「某内科クリニック」では，今年の上半期だけで熱傷の新患患者が40人訪れたそうです。6ヶ月で熱傷新患が40人って，私の外来より多いじゃないですか！この数字がどれほどすごいかは，熱傷専門医ならわかるはずです。
　しかも，某クリニックと同じ県内の△△大学病院などで「これは皮膚移植をしないと治らない」と宣言された患者が逃げてきて，そのすべてを保存的治療で治しちゃったそうです。
　「大学病院で治らない熱傷が，内科クリニックで治っている」というのは痛快そのものですが，この現実に気がついていないのは，その△△大学病院形成外科だけのようです。まさに「裸の王様」です。
【狙いは夫婦でチビチビ!? グリコが仕掛ける“おつまみパスタ”「タパスタ」】
　これ，食べたことがありますか？これはマジうまいです。実は「タパスタイカスミ味」をつまみにワインを飲みながら書いているのですが，ワインにバッチリです。同じグリコの「チーザ」同様，「ちょっと高くて量が少なくて，でも味はくっきりと際立って個性的で，お酒に絶対に合う」という共通点を持っています。
【飲み放題の先にあるのは「フリー経済」なのか？　「稼ぎ頭が無料」という飲食店の損得勘定を分析すると・・・】
　この記事は面白かったです。
- 「2時間飲み放題1500円コース」で店は何で儲けているのか
- なぜ，飲み放題は「2時間」なのか
- ビール，日本酒，焼酎，ワイン，サワーやカクテル，ソフトドリンクで，店にとって「儲かる飲み物」はどれか
　答えはこの記事にあります。それどころか最近では，「一番儲かる飲み物」をタダ・飲み放題にしている居酒屋があるんだとか。しかもそれで儲けが出ているそうです。
【政治家任せではこの国の迷走は止まらない】
　「参院選挙比例区での民主党への投票は自民党をかなり上回っていた。だから，民主党の敗北は単純な選挙戦術ミス。小沢前幹事長の読みが外れたのが主な原因で，菅首相の消費税増税はせいぜいそれを後押しした程度」という分析は正しいような気がします。自民党の勝利は民主党のオウンゴールによる勝利であって，自民党自らが引き寄せた勝利ではない感じです。また，「どうやって国の借金を返すのか。どうやって財政健全化するのか」についてどの政党もまともな青写真を提示していない点で五十歩百歩です。これは素人目にも明らかです。
　ではどうするか。これも答は二つに一つで「歳入を20兆円増やす」か「歳出を20兆円減らす」のいずれかです。これは個々の家庭の経済レベルでは極めて明快ですし，町内会の経済くらいまではこの方法論で問題解決できます。問題は，対象範囲を大きくしていって市の経済，県の経済，国の経済・・・と拡大していくにつれ，いつの間にか単純な解決がそのまま適応できなくなってしまう点にあります。つまり，「関わってくる人間の数が増えるに従って，単純な問題が単純に解決できなくなる」というわけです。
　なぜこうなってしまうのか。多分ここに「公務員とはそもそもどういう職種なのか」ということが絡んできそうです。そして多分これは「平和時の軍隊をどのように維持するか。平和で仕事のない軍人で構成される軍隊とは国家にとって何なのか」と根は同じような気がします。
　20日締切りの原稿が一つ，31日締切りの原稿が一つ。まぁ，いつも同じような内容を書いているんで過去に書いたものの焼き直しでどうにかなるんですけどね。
　講演用のスライドも手直ししたい部分があるんだけど，なかなか時間が取れません。

2010/07/14

　雑誌「地域リハビリテーション」の7月号から「いまどきの創傷治療」という6回連載が始まりました。今回は第1回目で『創傷治癒の基礎』です。今回の目玉（？）は「毛穴から再生しつつある皮膚」を説明する写真です。
　「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に，神奈川県川崎市の薬局百合ヶ丘駅前店（⇒地図）を追加しました。
　これを見たら絶対にブラジル観光に行きたくなくなるという拷問系サバイバル系ホラー映画，《ブラッド・パラダイス》を紹介。水中シーンは芸術的なほど美しいのですが，臓器摘出シーンが半端でなく「グロまっしぐら」です。良い子とブラジル旅行を計画している人は見ちゃダメだぞ。
【小惑星ルテティアに「超接写」】
　「別にたいしたことない写真」のようですが，被写体の小惑星ルテティアのサイズ（直径134km），撮影した彗星探査機ロゼッタとルテティアの距離（3162km），そしてロゼッタの速度（秒速15km）だとわかると驚きます。
　まず，ルテティアのサイズですが，直径134kmというと東京都（東西90km，南北28kmくらい）より遥かに大きいです。東京駅から直線距離で伊豆の下田，日光が130kmですから，「東京から伊豆半島全体」が星になって宇宙空間に浮いているわけです。
　探査機ロゼッタと小惑星ルテティアの距離は3162kmですが，これは東京駅から計測すると中国の成都，モンゴルの首都ウランバートルまでの直線距離に相当します。
　さらに，探査機ロゼッタの速度は秒速15kmですから，「東京駅～日光の直線距離なら9秒」という超高速です。時速にすると，54,000km/hrとなります。地球の周径が4万kmですから，40分ほどで地球1周しちゃう，ものすごいスピードです
　というわけでこの写真は，「東京都全体より大きな小惑星」に，「ウランバートルまで近づいた」「東京～日光を9秒で移動する観測機」から撮影した写真なのです。これってすごくないですか？。
【ワード再入門！　行間と文字間隔を思い通りに】
　マイクロソフトが「オフィス」を発表するはるか前からパソコンで文章を作っていた世代にとっては，以前簡単に出来ていた「行間と文字間隔の変更」が，2007ではちょっと（？）わかりにくくなった気がします。
【Windows XPはビジネス用PCでシェア74%，2020年までダウングレード可能に】
　というわけでもないでしょうが，この記事を見て納得。私の周囲（医局）を見回しても，XPが圧倒的に多く，Vistaユーザーと7ユーザーを足してもXPユーザーには全然及びませんが，実はこれが一般的だったようです。実際使ってみても，XPで全然不便ないもんなぁ。
【電柱に巻きつけられる自転車】
　この自転車を盗もうとしたら，電柱を引っこ抜くか，自転車そのものを壊すしか方法がありません。恐らく現時点では「究極の自転車盗難対策」かもしれません。
　こういうぶっ飛んだ発想，大好きです。

2010/07/13

　「外傷を湿潤治療している医師」に，東京都千代田区の 医療法人社団修林会　大手町アビエスクリニック／早田台史先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
　石岡市医師会報No.127に『石岡第一病院傷の治療センターについて』が掲載されました。世界でただ一つの外来をいかにして作ったか，なんて話を書いています。
【10ヶ月かけてマシュマロ作り】
　ええっ，マシュマロって "Marshmallow" という木の根から作るものだったの？ 53年間生きてきて，初めて知りました。これはMarshmallowの木を種から育ててマシュマロを作った男の10ヶ月の記録です。
【ワイヤレスがさらに進化，透明なマウス】
　SF映画の中でしか見たことがない光景が動画で見られます。私が生きているうちに，まさかこんな光景が見られるとは！
【メキシコ湾で新種の魚，原油で危機】
　メキシコ湾内の生物には未発見のものが多数あると言われていて，このヒメグツはその一つでしょう。今回の原油流出事故で多数の「未発見生物」が，発見される前に絶滅すると予想されます。考えてみたら，原生林の開発などで今日も世界のどこかで「未発見生物の絶滅」が起きているわけで，今回の「絶滅危機」が特殊な事件というわけではありませんが，何しろ今回の事故は規模が違います。メキシコ湾の生態系にとって，まさに「地獄の蓋が開いた」ようなものです。
【ひと夏の美人時計】
　本家の「美人時計」もいいけど，この「期間限定・ビール関係・美人時計」もいいです。
【首相の「税」に対する認識の稚拙さで民主が自滅】
【菅首相の消費税発言だけではない，参院選「ありえない敗北」の原因】
【消費税でも普天間でもない民主党敗北の真相　アクターの変化から政治の変化へ――。】
　昨日，各種メディアで雨後の筍のように書かれた「民主党敗北の真相」系記事のうちの3つ。他にもいろいろありました。いわく，
- 消費税を争点にしたから負けた
- 消費税を争点にするのは正しかったが，提示の仕方がまずかったから負けた
- マニフェストどうりの政治をしようとしたから負けた
- マニフェストを無視した政治をしようとしたから負けた
　など，百家争鳴状態です。
　ただ，今回の選挙について言えば，「民主と自民の主張の違いが見えなくなり，それ以外の新しそうな政党に（適当に）投票してみた」という面があったのではないかと思います。

　それは別にしても，職業人としての政治家の劣化がひどいなぁ，というのが正直な感想です。「自民党政権最後の3人の総理」は様々な理由で総理の座から降りましたが，そもそも政治とは何かがわかっていなかったんじゃないの，国家の運営とは何かがわかっていないのに総理に選ばれてしまっただけなんじゃないの，という印象がありました。
　民主党政権になり与党の顔ぶれがかわりましたが，鳩山首相から各大臣まで「頭に浮かんだことを深く考えもせずに喋ってしまう」タイプが揃っていて，結局それが命取りでした。そして，管さんも実は同じタイプのようです。
　末期自民党，民主党政治に共通しているのは「人材の払底」です。なぜ人材が払底したかというと，「普通の人を政治家に変身・変貌させる」ための教育システム（みたいなの）がいつの間にか消失してしまったためではないかと思います。別にそれは難しいものではなく，「まず学級委員をしてみて，それでうまくクラス運営できるようになった人たちから生徒会長を選ぶ」程度のものでいいのですが，自民党も民主党もそういうシステムを持っていないようです。少なくとも私にはそう感じています。
　先日の常磐線特急で後ろに座っていたおじさん同士の話。
「朝青龍がやめてから相撲がつまらなくなったよね」／「本当に強い力士がいないんだからつまらないのはあたりまえだよね」／「品行方正だけど弱い力士より，乱暴者でも強い力士だよ」／「このままだと白鵬は連勝記録を簡単に作っちゃうね」／「つまんないねえ」

2010/07/12

　「"critical colonization" は虚構・嘘っぱちである」を追加。ちょっと頭を使って考えてみると，"critical colonization" が非常に出来の悪い仮説であることはすぐにわかるはずです。
　「"critical colonization" は実在する」と信じている先生方からの反論，心からお待ち申し上げております。
　参議院選挙では「民主党の負け」が確定だが，そもそも日本に二大政党制は必要なんだろうか。二大政党制とはそもそも，社会が二つの階級（階層）にわかれているとか，国が二つの地域に分かれて争っているとか，そういう社会背景をバックに生まれたんじゃないかと思う。要するに，社会の要請として二つの政党が生まれる必然性があったのではないかと思う。
　ところが，現在の日本ではそのような状況はない。だから，二大政党のマニフェストを見ても，どちらかを選べと言われても困ってしまう。Aという政策では民主党支持，Bという政策では自民党，Cという政策では別の政党，D政策では民主党と自民党が共通・・・という具合に，政策ごとに国民の支持はキメラ状態だと思う。要するに，民主党の政策を全面肯定して民主党に投票する人もいなければ，民主党の政策を全面否定するために自民党候補に投票する人もいない。要するに，個々の政策については「是々非々」という態度の人がほとんどではないかと思う。
　こんなことなら，各項目・各争点ごとに国民投票でもした方がよほど「民意」に叶うんじゃないの，なんて思ってしまうが，直接選挙制を取るカリフォルニア州で何が起きたかを見れば，これもまずいことがわかる。少数意見，少数派の抑圧に選挙制度が使われてしまったからだ。
　要するに，「人口が少なくて，多民族国家でなくて，住民の考え方が均質」なら直接民主制が最も効率がよく，「人口が多く，考え方が雑多だったり多民族国家」な国家では，どんな選挙制度にしても必ず弊害がある，ってことか。「多数決で決めるけど，少数派の意見も尊重」というのは建前としてはありだけど，最初から矛盾しているもんね。
　というわけで，衆参は「ねじれ」があと数年は続くことになります。しかも，現時点では民主党と参院で連立を組もうとしている政党もないようだし，当分の間は「自民党と一致している政策」を大人しく進めるしか方法がないような気がします。
　そういう「政治の嵐」を受けてか，昨夜の茨城は一晩中，猛烈な風が吹きまくっていました・・・って，今も吹いているけど。
　あ～あ，谷亮子さんが当選しちゃった。鬱陶しいなぁ。
　ワールドカップでスペイン初優勝！ということは，ドイツのオーバーハウゼン水族館のタコ「パウル」君の予想がまたもあたったわけだ。私ならパウル君を「スペインの守護神」としてスペインサッカー協会に売っちゃうな。多分，1億でも2億でも買ってくれると思うぞ。
【民主敗北を招いた「マニフェスト選挙」の不実】
　民主党の最大の問題点は「理念がない」ことです。理念がないのに政策だけは並べます。だから，個々のマニフェストを見るともっともなことを主張しているんだけど，それらを総合すると何をどうしたいのかがまるっきり見えなくなります。
　本記事のまとめにあるように，どちらに行っていいかわからなくなったら，基本に立ち返るしかないのである。政治家，政党にとっての基本とは理念であり，選挙に当選することではないのだ。

2010/07/09

　『もやしもん』第9巻（石川雅之，講談社イブニングKC）を買っちゃいました。
　先日紹介した，子供さんの火傷についてのブログが更新されました。途中から湿潤治療に変えてから痛みがなくなり，程なくきれいに治ったことがよくわかります。
　なにはともあれ，よかった，よかった。
　「"critical colonization" という概念は虚構，妄想，嘘っぱちである」について，恐らくほぼ完璧であろうという論証を完成させました・・・"critical colonization" を信じ込んでいる先生方には悪いけど・・・。もうちょっと文章の完成度を高め，来週早々にも公開する予定です。
【世界初，顔の全面的移植に成功　仏の病院】
　この記事を読むと何が何だかよくわかりませんが，こちらの記事を読むと，患者は Neurofibromatosis, つまりレックリングハウゼン病（映画《エレファント・マン》の主人公がこれ）による多発顔面腫瘍の治療のために行われたようです。
　この記事では上眼瞼の涙腺の処理についてちょっと言及していますが，私もこの記事タイトルを読んだ時に一番最初に疑問に思ったのは眼瞼と涙器はどうするのか，鼻涙管の処理はどうするのか（鼻涙管だけ残して，移植顔面に縫合？），眼輪筋と眼瞼挙筋はどうするのかなど・・・などでした。
　いずれにしても，移植した顔面が無事に生着し，顔面として機能し，患者さんが無事に社会に復帰されることを祈るばかりです。
【太陽が遠いのに地球が暑い理由は？】
　この記事を読んで一番びっくりしたのは，「地球が太陽に近づいたり遠ざかったりすることによって季節が生じると考えている人がほとんどだ」という一節です。殆どの人が，「夏は太陽に近いから暑く，冬は太陽から遠いから寒い」と信じているって本当？

2010/07/08

　瑞光メディカルより7月26日，プラスモイストの新製品である「プラスモイストTOP」が発売されます。分かりやすく言えば，「接着面を持つプラスモイストの表面シート」で，紙オムツや生理用ナプキンなどの二次ドレッシング材に接着して使います。つまり，次のような特徴を持つ製品です。
- プラスモイストのシートなので創面に固着しない。浸出液を保持するので創面は乾燥しない。
- 過剰な浸出液はシートを通り抜けて，二次ドレッシング（紙オムツや生理用ナプキン）が吸収する。浸出液の量に応じて二次ドレッシング材を選べば浸出液のコントロールができる。
　プラスモイストは薄くて吸収力がありますが，さすがに滲出液が多すぎる創ではちょっと問題がありました。このプラスモイストTOPでは吸収力は二次ドレッシングで調節できるため，例えば浸出液が少ない場合には薄いペット用シーツに貼りつけ，浸出液が多い場合には厚い紙オムツに貼り付ける，というように細かい使い分けが可能になります。まさに逆転の発想で，私もこれが一つの理想形ではないかと考えています。
　さらに，構造が簡略化できたために大幅に値段が下げられ，250×200ミリ 20枚入りで5,000円と，プラスモイストPの1/4の値段になりました。これなら介護施設や在宅介護でも使用可能ではないでしょうか。
　第二次大戦中のヒトラー暗殺計画を圧倒的な迫力で描いた映画，《ワルキューレ》を紹介。いい作品なんですが，結局はハリウッド映画なんですよ。その点が・・・。
【段ボールで作った複雑な機械】
　無数の歯車が精緻に組み合わさって動く様子は，「工作系男子・理系女子」にはたまらなくそそられるものです。おまけにこの動画の歯車は段ボールで作られているのです。技術と発想に脱帽！
【ドコモ，2011年4月からSIMロック解除の方法を提供へ】
　SIMロックなし，という「世界標準規格」に合わせての動きですが，狙いは「ソフトバンクつぶし」かな？ iPhoneとiPadが最大の売り物であるソフトバンクにとって，SIMロックは命綱ですから・・・。

2010/07/07

　第16回目の「顔面擦過創・挫創：症例写真のお蔵出し」。テーピングによる顔面裂創の患者も追加しました。
　顔面多発裂挫創の若い女性がみえられました。前日の交通事故によるものですが，茨城県の中核病院の一つで縫合処置を受けたらしいですが，その際，「この傷はきれいに治らない。傷跡は必ず残る。ケガをしたのだから諦めろ」と説明を受けたそうです。
　その説明に怒り心頭の患者さんは，治療が終わった待合室で携帯電話でネット検索してすぐに本サイトを見つけ，こんなにきれいに治せる病院が近くにあるのならそちらで治療してもらおう，「この傷はきれいに治らない」という病院では絶対に治療を受けたくない，ということで翌日受診されました。
　もちろん，多発裂挫創ですからすぐにきれいにとはいきませんが，1週間も経てば結構きれいになるし，さらに1ヶ月くらい経てばほとんどの部分はかなり目立たなくなるだろうと確信を持って断言できます。患者さんと親御さんには治療例の写真を見せながら，「傷一つないとはいかないけど，このくらいまでなら治るよ」と説明しましたが，とても安心されたようでした。

　以前も書いたことですが，最近は患者に対する病状説明，治療説明ではまず最初に「治らないことがある」「重篤な合併症が起こる可能性がある」という言葉から始めるのが常識です。万一，患者から訴えられた時のために，前もって「治らない病気（ケガ）であり，合併症が起こって死ぬこともある」と説明しておくわけです。最初から「あなたはこの病気で死ぬことがある」と言っておけば，どんな合併症が起きても患者は最初から死ぬと信じていますから合併症ごときで訴えられることはないだろう，という計算が働いているわけでしょう。
　要するに，医者の保身のためなら，患者が絶望しようと知った事ではない，自分の説明で患者が絶望して自殺しようが自分さえ訴えられなければいい，という考えにたった説明法と言っていいでしょう。

　しかし，私はこういう考え方が大嫌いです。患者の不安を取り除くことが医者の仕事であり，不安を取り除くことが治療の第一歩だと思っているからです。だから私は怪我人やヤケドの人が受診されたら，まず最初に「これは○日くらいで治ります。傷跡もそんなに目立たなくなります。安心してください」という言葉で治療を始めます。
【カメムシはパクチーの代わりになるか】
　Daily Portal Zの「奇食番長」といえば歌手として舞台にも立つ「ほそいあや」さん。パクチー大好きあやさんは「パクチーの匂いはカメムシの匂い。なら，カメムシはパクチーの匂い。なら，私食べられるかも」という3段論法（？）でカメムシを煮て食してしまいました。なんとなんと，パクチーより深い味わいなんだとか。
　カメムシがいっぱい浮いているフォーを物ともせずに食べるほそいさん，あんたはすごい！人間も食べ物も，見た目で判断しちゃいけないのですね。
【日本という国に首相は必要なのか？】
　昨日読んだいろいろな記事で一番インパクトがあったタイトルがこれ。わずか全角16文字の中に主張のすべてが盛り込まれています。
　「日本国の首相は日本のトップであり，首相は国の方針を決めている」と考えると，首相がコロコロ変わる日本の政治は未熟で，信用おける国ではない，となります。政治的リーダーが国を率いていくというモデルで考えると，日本はすぐにでも壊滅していて不思議ありません。
　しかし，現実はそうではないようです（少なくとも現時点では）。となると，「政治リーダーが国を率いなければ国家運営はうまくいかない」という大前提を否定してみると，そもそも日本は政治リーダーを決めなくてもうまく運営できているし，リーダーが決断しなければ何事も進まない国でもない，と逆転します。
【小沢氏の公約修正批判，共感広がらず…読売調査】
　できもしない公約をマニフェストに並べたこと自体が問題なのに，「マニフェストで政権を取ったのだからマニフェストをすべて実現すべき」という小沢さんの主張は誰も相手にしていない，というだけのことでしょう。
　ちなみに，このデータを分析した大学教授の「「小沢氏の公約違反批判などは，民主党内の意思統一に対する有権者の不安を増幅させているのではないか」とう分析は，完全に的はずれという気がします。
【干ばつで水不足が深刻化，パキスタン】
　これまで何度か，「21世紀は水戦争の時代になる」と書いてきましたが，パキスタン全土が容易ならざる状況に陥りそうな気配です。パキスタンの地下水と川の水源はヒマラヤ山脈の氷河ですが，これが近年，どんどん縮小していることが一因のようです。
　遠回りなようでも，土壌を回復して植生を回復し，降った雨を土壌が保持するシステムを再構築するしかないような気がします。
【水に浸しても動作する電源タップ Wet Circuits ，ピンセット突き刺しデモ】
　防水・感電防止・過熱防止・トラッキング火災防止の安全設計をうたった電源タップのデモ動画ですが，なんとも凄まじいです。「2時間以上は水没させないでね」という自信満々の注意もすごいですが，なんといっても見所は，通電したままピンセットをタップに刺しちゃうシーン！見ている方が緊張します。
【「子ども手当」は脱官僚の試金石】
　民主党の「子ども手当」に対する逆風が吹き荒れていますが，反対しているのは官僚ではないのか，という記事です。見方を変えるとこうなるという，見本のような記事です。
　確かに，オリジナルの「子ども手当」は現金支給ですから，官僚が権限を振るう余地はないし旨みもありません。天下り先も作れません。「現金で支給すると親がパチンコに使うだけで意味がない。教育クーポンとか保育所を作ったりする方がいい」という現在主流の意見も，見方を変えれば「これなら厚生労働相の官僚が権限を握れるため，好き勝手でき，官僚に都合がいい」，という面が見えてくるわけですね。
　前述の「日本という国に首相は必要ない？」の「答え」の一つが見えてきます。
　今日は七夕ですが，東北人にとって七夕といえば8月初めの「仙台七夕の頃」と遺伝子に組み込まれています。大体，7月7日では梅雨の真っ最中なんで，天の川なんて見えないじゃないですか。

　なんて書いていて気が付きました。私は生まれてこの方，「天の川」を自分の目で見たことがありません。少なくとも，大人になってからは一度も見ていないです。夜に山奥に行って夜空を見上げたことがないからですね。みなさん，最近，天の川を見ましたか？

2010/07/06

　良くも悪くもフランス映画，という感じの《いずれ絶望という名の闇》を紹介。もうちょっとシンプルな作りにした方が良かった気がします。
【今年の台風，まだ１個インド洋の高海水温原因か】
　そういえば，先日沖縄に行ったとき，地元の方が「ここ数年間，沖縄本島を直撃する台風がないような気がする。台風は全部，奄美の方にそれていますね」と話していました。そしてなぜか沖縄では，台風上陸の減少と時を合わせるようにして，熱帯のスコールのような降雨が増えたんだとか。
　ちなみに，今年の気候のパターンは，「タイ米騒動」の冷夏・凶作の1993年に酷似しているんだとか。
【機器同士が邪魔しない，変形する電源タップ】
　USB端子と電源タップは，増やしても増やしても，いつの間にか足りなくなります。電源タップの場合，ACアダプタの形とサイズがまちまちで，増やした分の電源タップがすべて使えるわけでないからです。
　というわけで，この商品の出番です。機能的にもいいですが，形態も美しいです。ちなみに私は，こんな電源タップを使っています。
【ラノベの「表現流用」でまた絶版　「作家として最もやってはいけない行為」】
　デジタル書籍が一般的になり，「文章を書くこと」と「それが本として流通すること」の垣根が極めて低くなったら，こういう「表現流用」は今後ますます増えるんでしょうね。
　従来の出版形態だと，出版社の目にとまらない限り本は出せず，「文章を書く⇒出版する」の間には膨大な数の「垣根」がありましたが，その「垣根」が低くなれば誰でも「本の書き手」になれるために「本の書き手」が増え，出版物（＝デジタル書籍）が増加します。一方，内容をチェックする「プロの編集者」の数はすぐに増えませんから，必然的にチェックは甘くなります。
　同時に，「とりあえず出版して売れるだけ売り，表現流用が見つかったら絶版にする」という姿勢の出版社が増えていくと予想されます。デジタル書籍として出版することで手一杯で内容のチェックをする時間も人材もないからです。別の言い方をすれば，「読者にチェックを丸投げ」ということになります。

　な～んてことを書いていて，「これって医学や科学ではもうあたりまえだよ」ということに気が付きました。詳しくはこの本をお読みいただきたいのですが，この本では，科学の分野全体で「文献重視，文献量重視の風潮は必然的に，科学雑誌，医学雑誌を増やし，さらにこれが論文氾濫にさらに拍車をかける」というように説明しています。一方で「科学論文，医学論文の99％は引用されない（＝まともに読まれていない）」という現実があります。つまり，日々量産される論文は「書き手の実績」になるのみで，「科学の発達にはほとんど全く関与していない」ということです。
　当然，論文の内容チェックは甘くなっていきます。論文の書き手ばかりが増えて，内容をチェックするプロの編集者は増えていないからです。誰もが引用する有名論文では内容はチェックされますが，読まれもしない論文の場合，「読み手によるチェック」はありません。つまり，盗用しようがウソを書こうがやりたい放題，の世界になっていきます。「科学論文の99％は引用されない」からです。

　というわけで，上述の本の解説にも書きましたが，英語の医学論文を1年間で10編書くのなんて簡単です。それこそ素人にもできます。日本国内の〇〇大学医学雑誌に掲載された英文論文（＝その大学内でも誰も読んでいない）のタイトルと著者名を変え，本文にもちょっと手を加え，国内の▲▲大学医学雑誌に投稿しちゃうのです。もちろん，海外の超マイナー雑誌でも構いません。そういう超マイナー雑誌では査読も内容チェックもしていないからです。超マイナー雑誌の論文に手を加えて国内の◆◆大学医学雑誌に投稿してもいいでしょう。国内の「●●大学医学雑誌」はインターネット検索で内容が調べられませんから，盗用がバレる可能性は限りなくゼロです。まして，「重箱の隅を爪楊枝でほじくる」ような実験についての論文の場合，そもそもその分野に興味を持っている研究者自体が極めて少ないため，そういう分野の論文を狙えばバレる可能性はほぼないはずです。

2010/07/05

　「外傷を湿潤治療している医師」に，島根県西ノ島町の隠岐島前病院　外科／白石吉彦，白石裕子先生，愛知県一宮市の中西クリニック／中西英和先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
　野球といえば素振りが付き物，素振りといえば「手のひらのマメ」が付き物です。プロ野球の中日ドラゴンズから「なにかいい方法はないだろうか」と相談を受けた瑞光メディカルが開発（？）したのが「プラスモイスト・ビンゴカードカット」です。トレーナーの方からは「選手たちの間ではすごく好評です」と連絡が入っているようです。
　「民主党事業仕分けと内臓脂肪」というしょうもないエッセイを追加。
【靴ひもの結び方】
　普段，スニーカーしか履かないのでこの「靴ひものかけ方，結び方」は参考になりました。
【高齢化社会を突き進む中国　2人の80代老人が相次いで餓死した事件の波紋】
　以前から指摘されていましたが，中国は一人っ子政策が何とか奏功して人口を12億6千万人に押さえ込みましたが，その反動として急激な高齢化に突入しています。「平均寿命が58年間で40歳近く伸び，一人っ子政策で子どもが減った」結果，「中国全土で60歳以上の5割が独居」ということですから，ただごとではありません。
　世界を牽引する中国経済ですが，それは長く続かないのでは，という分析が最近相次いで発表されています。
【マイクロソフト，電池の向きを無視できる技術 InstaLoadを発表】
　従来の電池がそのまま使え，しかも，プラスとマイナスの向きを気にする必要がない，という技術です。これはマジ，すぐにでも欲しいです。老眼にとって，電池のプラスとマイナスの表示って細かくて読みにくいからです。
【途上国の手洗い普及に企業が協力】
　「病気を防ぐために手を洗う」という習慣を普及させようとして，P & Gなどの企業が協力することを決めた，というような記事です。
　まことに結構な趣旨なのですが，「セッケン手洗いを普及させよう」となるとちょっと問題ではないかと思います。セッケンは洗い落とす必要があるからです。洗い落とさないと手の皮膚が荒れ，逆に食中毒の原因になる黄色ブドウ球菌などの病原菌が増えるからです。
　しかも，発展途上国の多くは「飲水の不足」という爆弾を抱えています。「手を水で洗う」以前に，「飲み水を確保する」ことすら困難な人が5億人を超えているのが現状です。
　今後必要なのは，「洗い落とす水が不要で，しかも外来菌やウイルスを効率的に除去できる」商品を開発することでしょう。

2010/07/02

　「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に，広島県廿日市市の阿品調剤薬局を追加しました。
　第15回目の「顔面擦過創・挫創：症例写真のお蔵出し」。ちなみに今回から，HTMLのリストタグにちょっと手を加え，症例の番号を降順にしてみました。だからなんだ，と言われればそれまでですけどね・・・。
【系外惑星を直接撮影した初の画像を確認】
　どうやら，写真の中心に輝く星が恒星 "1RXS 1609" で，その上の小さな点が今回見つかった惑星のようです。
　この写真だけ見ると惑星は恒星よりうんと小さくて，かなり近くを廻っているように見えますが，実はこの惑星は木星（もちろん，太陽系最大の惑星）の8倍の質量で，この惑星と主星（恒星）の間の距離は，太陽と冥王星の距離の9倍の遠さです。要するに「太陽系のサイズの常識」がまるっきり通用しない感じです。
【ファイアーフォックスの赤ちゃん誕生】
　私はブラウザはFirefoxを使っていますが，恥ずかしながら，この記事を読んで初めて「Firefox＝レッサーパンダ」だとわかりました。知らないことが多すぎて情けなくなります。
【中国製ブブゼラがスタジアムから消える？　メイドインチャイナを襲う人民元高，労働争議，技術停滞の三重苦】
　この記事と，ちょっと前の【従業員自殺対策　富士康１０月に再賃上げ　台湾電子メーカー】という記事をあわせて読むと，「世界の工場」として輸出絶好調の中国経済が実は磐石ではなさそうな面が見えてきます。
　これまでの中国の生産業は「他のどこよりも人件費が安く，大量の労働省が動員でき，短期間に大量に安価な商品を作れる」ことで成長してきました。その背景には，低賃金＋長時間労働でも文句も言わずに働く労働者が必要です。しかし，富士康の変化を見てもわかるように，中国でも「低賃金では嫌だ，労働環境を改善せよ」という要求が強まっています。
　その結果，すでに幾つかの企業は中国から離れて，より人件費の安いバングラデシュなどに移転しています。要するに，低価格競争（＝低人件費競争）で中国はすでにひとり勝ち状態ではなくなりつつあるわけです。

2010/07/01

　9月3日（金）に北海道の石狩市医師会で講演することが決まりました。
　「ちいさい・おおきい・よわい・つよい No.76」に『すり傷・切り傷・やけど』が掲載されました。
　「子供の肌の困りごと」という特集ですが，水いぼ，とびひ，アトピー性皮膚炎，おむつかぶれ，あせも，アタマジラミなどの記事もあります。
　2007年に突如出現した西部劇映画の大傑作，《3時10分，決断のとき "3:10 to Yuma"》を紹介。これは泣きます。
　息子にも馬鹿にされる冴えない中年男が家族のために意地を貫き，無様に，不器用に，そして熱く行動します。町中を敵に回し，銃弾が雨あられと降り注ぐ中，義足で疾走する中年オヤジ，そんな彼に不思議な友情を覚える銀行強盗の姿に，男なら涙せよ！
【ゾウのような足取りだったT・レックス】
　様々なサイズの動物から得られた「神経信号の基本的な制限速度は体のサイズに関係なく秒速55メートル程度である」という事実から，「神経束の神経細胞の数と神経信号の伝達速度はトレードオフの関係にある」ということがわかり，「ゾウは体の動きが遅くて神経が敏感か，体の動きが速くて神経が鈍感かのどちらか」しか選択肢がないことが説明されています。要するに，ゾウがネズミのように素早く動くためには，直径30メートルの神経が必要になるんだとか。こういうトレードオフは生物界では普遍的に見られる現象です。
　いずれにしても，このような，物理学・生理学を根底にした推論は非常に面白く，スリリングです。これぞ科学の醍醐味です。
【37ドルで買えるネットブック】
　おお，懐かしのWindows CE！しかもCPUは懐かしのARMじゃないですか。RAMが128MBということは，あの往年の名器 Sigmarion IIIより多いじゃないですか。しかも，複数のUSB端子とSDカードリーダーまで搭載。それで，そこらの医学書より安いんだぜ。話のネタに買っとく？
　ちなみに，「驚きのハードディスク容量(2GB)」といってもピンと来ないかもしれませんが，「薄型ノートパソコンといえばVAIO」と鮮烈にデビューした名機，PCG-505（いわゆる初代VAIO，1997年発売）のHDDは1GBで，2GBになったのは1998年に発売されたPCG-505Xからです。わずか10年前，パソコンは1GBのHDDにWindowsのシステム全てとソフトとデータが入っていたのですよ。まさにパソコン今昔物語です。
【年収150万円一家　毎日のこんだて】
　「1食3人分で50円～100円」という料理が並んでいますが，なぜか美味しそうです。手を抜いていないからでしょうね。
【デジタル名刺ホルダー「ピットレック」，キングジムから】
　昨日紹介したキングジムの新商品のちょっと詳細な記事。いろいろ見えてきましたが，現時点で不明（不安）な点は次のようなものでしょうか。
- OCRで誤認識したデータをどうやって修正するの？
- データ保存形式は？まさか独自形式じゃないよね。
- リチウムイオン電池らしいけど，バッテリーは交換できるの？多分できないよね。
　それにしてもキングジムは，ポメラのような「絶対にかぶらない」デジタル・ガジェットの隙間を見つけるのがうまいです。あれもこれも，ではなく，これしかできない，という機能の割り切り方もナイスです。
【本当に美味い「食べるラー油」はどれだ？】
　超人気で売り切れ続出，入荷見込みすらたっていないのが「食べるラー油」です。当然，食べ比べ記事はネットにゴマンとあります。珍しくもなんともありません。しかし，元祖実験系（？）のこのサイトで「食べ比べ」だけで終わるわけがありません。「至高の食べるラー油」を求めて自作し，ついに究極の「食べるラー油」を完成させます。
【「アレを勝手にこう呼んでいる」】
　もう一つ，Daily Portal Zの記事。「ユンソナ」，「しまじろう」，「グドゥングドゥン」，「しユかむらさき」，「紫陽花の間」など，すべてに由来があります・・・他には通じない由来だけど・・・。どれも味わい深いです。