ケアネットに「インスリンが血糖に関係なくがんリスクに関連か~JPHC研究」という記事が掲載されました。
医薬ビジランスセンターの浜六郎理事長の著書『「薬のやめ方」事典: 三五館 (2017/3/19)』p.49には次のように書かれています:
ブドウ糖59gを摂取したときに健康な人の体内から出る(必要な)インスリンの量を100%とすると、糖質59g当たり70%、タンパク質は59g当たり34%です。一方、脂質では、バターで2%、アボカドで4%にすぎません。
糖質は、タンパク質の2倍のインスリンを分泌するので、今回の研究は、糖質が癌のリスクを上げることを示しているようです。
インスリンが血糖に関係なくがんリスクに関連か~JPHC研究
提供元:ケアネット、公開日:2018/09/12
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わが国の大規模前向きコホート研究(JPHC研究)では、がんリスクにおけるインスリンと血糖のそれぞれの影響を明らかにするために、インスリンの代用マーカーである血漿Cペプチド、および安定した血糖マーカーである糖化アルブミン(GA)と、がん全体および部位別のがんリスクとの関連が検討された。ベースラインでアンケートに回答し血液サンプルを提供した3万3,736人のうち、約4,000人にがんが発症した。明らかに糖尿病である被験者を除外し、3,036人のがん症例と3,667人のサブコホートで分析を行った。
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主な結果は以下のとおり。
- 男女全体として、GAで調整後、Cペプチド値の最も高い群は、最も低い群と比べてがん全体(ハザード比[HR]:1.21、95%信頼区間[CI]:1.02~1.42)、結腸がん(1.73、1.20~2.47)、肝臓がん(3.23、1.76~5.91)、腎・腎盂・尿管がん(2.47、1.07~5.69)のリスク増加と有意に関連していた。
- Cペプチドに関連した上記のがんのうち結腸がんと肝臓がんでは、Cペプチド値とは関係なく、GAの増加に関連したがんリスク増加も示した。GAの最も低い群に対する、最も高い群での結腸がんと肝臓がんのHRは、それぞれ1.43(95%CI:1.02~2.00)および2.02(95%CI:1.15~3.55)であった。
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著者らは「血漿インスリン値の検査は、糖尿病を発症していない人においても、がんリスクを評価するうえで妥当なオプションである」としている。