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2010/11/30
- 来年3月16日(水)に東京の調布市小児科医会研修会で講演することが決まりました。
- 昨日から明日まで,福井県立病院の山下先生,川村先生が見学にいらっしゃっています。
- 殺人現場となった場所の死の痕跡(血痕,肉片,死臭など)を消す仕事をする男が巻き込まれた事件を描くサスペンス映画,《ザ・クリーナー 消された殺人》を紹介。途中までは文句のつけようのない素晴らしい展開だったのに,犯人が明かされてからはオイオイという感じでした。
- 「ミニエッセイ」にちょっとデータを追加。
- mricのメーリングリストに木村先生が,今年から使われている新インフルエンザ治療薬(ラピアクタ,イナビル)の問題点を指摘されていました。いずれも1回投与(前者は点滴,後者は吸入薬)で十分という,ある意味夢のような薬です。しかし,それらによって「インフルエンザの症状が軽くなる・症状がなくなる」ということと,「体内からインフルエンザウイルスが消える」ということは無関係です。
問題は「この薬なら1回で十分なんだよ」と医者に言われると,患者は「1回点滴・吸入したからインフルエンザが治った」と考え,実際,自覚症状もなくなるため会社や学校に行ってしまう点にあります。もちろんその時点では,ウイルスは体内に残っていて体外にまき散らしています。
この通りだとするとかなりヤバそうです。
- 【「生姜で炒めればなんとかなる理論」を検証する】
こういう実験系の記事は好きですね。しかも,普通の食べ物ばかりでなく,ミカン,パイナップルから羊羹まで試してみる徹底ぶり。やはり,どうせやるならここまでやらないと駄目ですね。それにしても生姜の実力,おそるべし!
- 【2つのファイル名をドラッグ&ドロップで入れ替える】
このソフト,とても便利です。私はこのサイトのファイルを数字で管理していますが(何しろファイル数が多いため),例えば,同じフォルダにある "2010-11-29_01.htm" と "2010-11-29_02.htm" のファイル名を入れ替えようとすると,片方をデスクトップなどに退避してリネームし,もう一方をさらにリネーム,という手順になりますが,このソフトなら一発で入れ替えできます。
- 【「マメモ」で書類を出さない仕組みを作る! 習慣付ける!】
「簡単にメモれて,簡単に消せるがデジタルメモの最大のメリット。パソコンと繋げられたらメモを消せなくなってしまう。仕事が終わったらさっさとメモなんか捨てちまえ」という指摘は面白いです。同時にこれは,私の仕事の流儀とも一致します。
値段もこなれてきましたので,私もそろそろ買おうかな・・・と。
- 【なぜ北朝鮮の行動は常識を逸脱するのか? 恐るべき戦略の才を持つ金王朝の“最終目的”】
北朝鮮問題を分かりやすく分析している記事です。
「大陸国家」から「海洋国家」へ変貌しようとしている中国の思惑,「歴史的に独裁国家,独裁者が長続きしたためしはない。だからこそ独裁者は政権維持のために恐るべき戦略家となる」を地で行っている北朝鮮,一方,泥沼化しそうなイラン・アフガニスタン問題に足を取られて北朝鮮に集中できないアメリカ・・・そういう3つの国家の思惑がからみ合っています。問題は,ここに日本が全く絡んでいないというか,蚊帳の外というか,誰も相手にしていない点にあります。
2010/11/29
- 「熱傷:全症例(?)の治療経過 ーその3ー」に症例を追加。
- 新コーナー「ミニエッセイ」を開設・・・といっても,これまで更新記事に書いたミニ記事をまとめたものです。備忘録みたいなものですね。とりあえず,2007年12月分までまとめました。
- amazonで Jeff Hamilton Trio のMP3ファイルを買っちゃいました。MP3ファイルのダウンロードだとアルバム全体で900~1300円! このピアニストの演奏スタイル,好きなんですよ。特にSymbiosisは大好きな一枚。amazonで視聴できます。
- 【「失言」で辞めたあの人なら、砲撃について何と言うだろう
小田嶋さん,ナイス! 「法務大臣なんて二つの決まり文句さえ知っていれば大丈夫」というのは紛れもない事実ですね。文中にあるように,「善処,対策,精査,引き続き検討,十分な議論」という決まり文句を並べると大臣の国会答弁になっちゃいますね。言葉があるだけで,中身はありません。それを柳田さんがバラしちゃったわけだ。
たしかに国会って,見かけ上は議論をしているようだけど,実際には質問書と答弁書を読んでいるだけで,まるっきり議論になってないもんなぁ。議論というより手続きだよね。それなら「2つの決まり文句」で十分です。
- 【紙の電子ペーパーを可能にする発見、使い捨て電子ブックリーダーも】
すごい技術になるかも。ちなみに実用化は早くても3年後とか・・・。実用化が待ち遠しいです。
- 【米韓合同軍事演習で朝鮮半島は一触即発? 「北朝鮮のさらなる急変事態に備えよ」】
韓国は北朝鮮と戦争できない事情があります。戦争したら100%勝ってしまうからです。勝ってしまったら北朝鮮の2000万人が難民化して韓国に押し寄せますから,これは絶対に避けなければいけません。もちろん,中国にとってもしょうもない国であっても北朝鮮は必要です。韓国に併合されたら,米軍と直接対峙することになってしまいますから。
韓国,中国にとってベストの解決策は,北朝鮮が「普通の国の体制」にソフトランディングすることしかないのですが,金一家にとってはそれは絶対に受け入れられないわけです。中国の思惑と北朝鮮の目指しているものが完全に乖離しているため,中国が制御できなくなっている感じです。
どこに解決の隘路があるのか,全く見えてきません。
2010/11/26
- 「コラーゲン鍋を食べると本当にお肌ツルツルになるのでしょうか?」という質問に解答。もちろん,お肌ツルツルにはなりません。
- ボスニア出身の映画監督の巨匠,エミール・クリストリッツァがボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の悲劇をユーモラスに,そして人間の尊厳と誇りを高らかに謳い上げて描く感動的傑作映画,《ライフ・イズ・ミラクル》を紹介。いい映画です。
- そうそう,『とりぱん』の第10巻が出てましたね。今回の表紙はハシブトガラスとハシボソガラスのツーショットです。両者の微妙な違い(=頭の形やクチバシの形)や,羽の色合いの微妙な表情などを柔らかなタッチで描き分けていて,見ていて飽きません。
作者の「とりのなん子」さんは漫画家のアシスタントなどを経て小岩井牧場の従業員(=会社員)になったものの,会社勤めが嫌で嫌でついに出社拒否となり,これでは生きていけないと一念発起して漫画を書き始め,「モーニング」なら自分の作風でも大丈夫じゃないかと新人賞に応募し(このあたりは『とりぱん』第1巻にちょっと書かれています),見事に優勝して今日に至る・・・という漫画家です。もしも世の中に「モーニング」という漫画雑誌がなければ,おそらく『とりぱん』シリーズは世に出なかったはずです。その意味で,雑誌,読者,漫画家の理想的な組み合わせだったかもしれません。
- 【驚きの新種環形動物、スキッドワーム】
これ,どう見てもカンブリア紀のハルキゲニアにイカをくっつけたみたい。深海ってすごいなぁ。
2010/11/25
2010/11/24
- 松山のホテルの一室から更新しています。そして,昼前に羽田に到着し,午後は外来です。
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に,東京都港区の薬樹六本木泉ガーデン薬局を追加しました。
- 講演用のスライドに大幅に手を加え,熱傷症例の写真をすべて入れ替えました。最新版は11月22日作成のものです。ご覧になりたい方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
なお,以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。
- 例の「79歳,Ⅲ度,30%熱傷」の爺ちゃんだが,訪問看護師によるとすっかり元気になって一人で歩けるようになったため,一人で外を散歩したがっているとのこと。転んでケガをしないか家族が心配しているんだそうです。まぁ,ケガをするだけ元気になった,と思うしかありませんね。寝たきりじゃ,ケガをすることはありませんから。
- 異国でハメを外して騒いでいる兄ちゃん,姉ちゃんが行方不明になってひどい目にあっているんだってさ,というゴア系ホラー映画,《テラートレイン》を紹介。
2010/11/22
- 「熱傷を湿潤治療している医師」に,岐阜県岐阜市の矢嶋小児科小児循環器クリニック/矢嶋茂裕先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 「熱傷:全症例(?)の治療経過 ーその3ー」に症例を追加。
- 以前から湿潤治療を積極的にしていただいている小児科クリニックの先生(偶然にも上記の矢島先生も小児科医ですが)から次のようなメールを頂きました。
熱した天ぷら油でヤケドを受傷し,某病院形成外科で皮膚移植が必要と言われた子供さんがいて,知り合いの小児科医から当院を紹介され,隣の隣の県から車で2時間かけて当院を受診されました。
ごく普通の小児科医院なのに,なぜか,熱傷センターみたいになっています。
「昔ながらの熱傷治療の知識はないが治療実績はある小児科医のもとに患者が集まる」というのは,これぞ,パラダイムシフト真っ最中という感じがします。
- 『パラドクスだらけの生命 DNA分子から人間社会まで』という本を見つけ,中身も見ずにamazonで注文。私の山勘は「この本は多分面白いよ」と告げています。早く届かないかな。
- 【バージョン・アップ】
松村画伯の手にかかると,あの問題はこういうふうになります。なるほど,バージョンアップしたんだ。
ちなみにこの法務大臣はこれまでさしたる政治的実績はなく,単に輿石さん人脈で大臣になっちゃった人,単なる論功行賞大臣のようです。何しろ,ご本が就任時に自ら「私は法務関係は全く知識も経験もありません」と言っているくらいですから・・・。
自民党政権だったらこういう無知無能大臣でも何とかなりました。官僚が頑張っていたからです。しかし,「政治主導・官僚排除」をうたう民主党政権では無知無能大臣は許されないはずです。菅さん,そのあたりがわかっていないようです。
- 【シャンプー台ないと床屋の新規出店ダメ? 千葉県で条例案】
私のように,シャンプーすると頭が痒くなって抜け毛が増える人間にとっては,シャンプーをしない1000円カットの店しか選択肢がありません。シャンプーをする理髪店には絶対に行きたくありません。というわけで,私は千葉県には住めないようです。
- 【英大衆は王位飛ばし希望?ウィリアム支持過半数】
現在のイギリス女王であるエリザベス二世は1926年4月21日のお生まれです。つまり日本で言えば大正15年生まれですからあと半年で85歳です。いつ・・・となっても不思議ありません。
順当に行けば次はチャールズ皇太子ですが,この人は1948年11月14日生まれで現在62歳です。不謹慎な言い方をすれば王位に就いたとしても在位は長くても20年程度でしょう。しかも,イギリス国教会には「国王が離婚経験者と結婚する事を認めない」という規定があるため,チャールズさんはこれに引っかかってしまうらしいです。しかも,2度目の奥様のカミラさんは1947年生まれでチャールズさんより1歳年上だし,国民の人気はないし・・・と,いいとこなし状態です(もちろん,カミラさん本人は素晴らしい方だと思いますよ・・・会ったことはないけど)。
老舗温泉を差配してきた老女将が高齢のために引退したら,同じくらいの年齢の高齢女将が就任じゃ,客は寄り付きませんよ。やはり,老舗温泉には美人若女将でないとね。
- 【“超キモカッコイイ”昆虫型消しゴムを手作りできる玩具が発売】
私が小学生だったら絶対に親にねだって買ってもらいますね。
2010/11/19
- 「熱傷:全症例(?)の治療経過 ーその3ー」に症例を追加。
- 来週水曜日(11月24日)発売の『日刊ゲンダイ』で湿潤治療が取り上げられる予定です。
- 遺伝子情報が人生を決める近未来の世界を舞台にした傑作SFサスペンス映画,《ガタカ GATTACA》を紹介。非常に多くのことを考えさせる素晴らしい作品だが,低予算映画ゆえの細部の詰めの甘さが残念。
- 熱傷についてふと考えたことがあります。論拠の証拠となる症例写真がないために『熱傷治療“裏”マニュアル(仮題)』に含めることを見送ったことですが,それは「皮膚移植で治療した顔面熱傷患者は皆同じような顔になる。これは治療としては失敗ではないか?」ということです。
この裏返しにある事実は,「Treacher Collins症候群や21-trisomyの患者は患者同士が似ていて,それぞれの親兄弟とは似ていない」というものです。つまり,病気とは個性を奪うものと言えないでしょうか。
逆に言えば,「治療とは病気によって奪われた個性を取り戻すもの」となるはずです。となると,治療とは個性を奪ってはいけないし,没個性化する治療は本質的におかしいとなります。そういう目で皮膚移植を見ると・・・。
- 同じ病院の看護師さんから御礼の言葉をいただきました。「旦那の抜け毛が止まり,髪が増えてきて,しかも加齢臭がなくなった」そうです。もちろん,シャンプーなし・温水洗髪生活にした結果です。何より,汗をかいても頭が臭くならない,枕カバーの臭いがなくなったことがよかったそうです。
- 【蜜とトゲの罠、百年に一度だけ咲く花】
【40万の種子、百年に一度だけ咲く花】
3000メートル以上のアンデスの高地に自生する植物,「アンデスの女王」と呼ばれるプヤ・ライモンディの美しい姿に圧倒されます。栄養不足の不毛の大地で暮らすため,発芽してから花が咲くまでに50~100年かかるそうです。
こういう植物を見ていると,人間とは時間の感覚が全く異なる生物なんだろうな,ということがわかります。恐らく,四季の移り変わりとか,一年の経過とか,そういう時間単位はこの「女王」には無縁のものでしょう。人間の時間尺度は通用しません。
だからこそ,10年とか20年というタイムスパンでの環境の変化には極めて弱い生物なのです。
- 最近,書評を書きたくなるような面白い本に出会っていません。目からウロコがボロボロ落ちるような面白本,ご存じの方がいらっしゃったら教えていただけないでしょうか。
- 【実は県民がめったに食べない「各地の特産品」】
1週間前の記事ですが,面白かったのがこれ。私は秋田県生まれですが,しょっつる鍋は一度も食べたことはないし,だまこもちって何,です。きりたんぽも子供の頃は食べてなかったような印象があります。
2010/11/18
- 「熱傷:全症例(?)の治療経過 ーその3ー」に症例を追加。
- ちょっと前から始まったamazonの「mp3ダウンロード」ですが、早速、利用してみました。まず最初に購入したのは私が大好きなジャズピアニストのPeter Beetsの "Chopin Meets The Blues"。Peter Beetsは以前にもショパンの「前奏曲ホ短調 Op.28 No.4」で見事な演奏を聴かせてくれましたが、今回もとても格好いい演奏を披露しています(ちなみに、このアルバムには同じ曲が収録されていますが、全く違ったアレンジです)。「ショパンをちょっとジャズ風に演奏してみました」なんていう軟弱さは微塵もない硬派の演奏です。
特に,ショパンの夜想曲の中で地味目筆頭格の「ヘ短調」(私はこの曲が好きです)を悲愴で力強くアレンジしているあたりに,このピアニストのセンスの良さを感じます。「ワルツ嬰ハ短調」も見事ですし,「マズルカ イ短調 Op.17-4」をこのように料理するとは予想もしてなかったです。
iTunesも悪くないけど、やはりmp3ファイルでダウンロードできるamazonの方が私の好みに合っています。データが汎用フォーマットだからです。私は「男は黙ってテキストファイル!」というのを基本スタンスにしていますから、音楽ファイルも「専用ファイル形式に変換して保存」というのが嫌いなんですね。「男は黙ってmp3」ですよ。
- 【「え、どうしよう」から一転 「イトカワ」サンプル回収の意義と“ドキドキ”】
現場の雰囲気を伝えるいいレポートです。それにしても,よくぞ粒子を見つけたものです。研究者の執念を感じます。
- 【こんにゃくゼリー窒息死訴訟、両親の訴えを棄却】
当然という気がします。窒息事故を起こす食品の中でこんにゃくゼリーはむしろマイナーだからです。こういう訴えを認めたら,コシヒカリを育てた農家や餅をついた人まで責任を問われることになりかねません。
- 【電線にツキノワグマ死体 感電死、かみついたまま】
咬筋の強い熊だったのでしょう。厭世気分からの発作的自殺なのか,地球温暖化による森林環境の荒廃を訴えての抗議の自殺なのか,熊仲間からいじめを受けたための自殺なのか,熊が遺書を書き残していないため原因は不明です。なお,この熊が通っていた学校の関係者はいじめはなかったと発表しています。
- 【ついに恋愛結婚を受け入れた英王室】
ついに,悠久不滅と思われたイギリス王朝にも世俗の波が! どうやら,イギリス王朝史上初の「恋愛結婚によるカップル誕生」です。・・・というわけで図らずも,イギリス王朝は「恋愛」によらない結婚を続けることで維持されていたことがわかるわけですね。
2010/11/17
- 「熱傷:全症例(?)の治療経過 ーその3ー」に症例を追加。
- 鳥谷部先生が分担執筆された本が出版されたようなので,宣伝しときますね。
- 【小児科医による湿潤療法】
ある小児科クリニックの先生が匿名で運営している「熱傷症例のブログ」です。これを見て,熱傷とそれまで無縁の小児科開業医でもここまで治せることを知ってほしいと公開したものだそうです。
- 【「はやぶさ」見事、小惑星の粒子1500個】
科学と神は無縁な存在だと思っていますが,「はやぶさ」のこの成果はまさに神がかり的であり,「科学の神」が降臨したとしか思えません。「いとかわの粒子が一粒でもあったら奇跡」と考えられていたのに,なんと1500個! JAXAすげえよ!
- 【「従来型の携帯電話」をあなたは何と呼ぶ? 「ガラケー」? 「フィーチャー」? 「新幹線」の登場が「在来線」を生んだ】
この記事は面白いです。携帯電話が登場するまで電話といえば黒電話か公衆電話でしたが,携帯電話が普及したとき,それ以前の黒電話や公衆電話を区別して呼ぶ必要があり,それらは「固定電話」と呼ばれるようになりました。
江戸時代の人たちは「江戸時代に生きている俺達ってさぁ」と言っていたわけはなく,江戸時代という名称が付けられたのは恐らく明治時代になってからでしょう。要するに,新しいもの,新しいシステムが普及して新スタンダードになって初めて,それ以前のスタンダードに名前が付けられるわけです。
- 【新鮮な魚よりもおいしい!熟成された魚のお寿司を食べた】
秋田の海沿いの田舎で生まれ育ったため,「刺身はもらってきた魚を自宅で切って食べる安い食べ物」という意識が抜けません(だから,大量に食べたことはあるけど,高級なのは食べたことがない)。そのため,寿司だ刺身だと騒ぐ気分になりませんが,このお寿司だけはマジで食べてみたいです。
- 【尖閣ビデオ流出、守秘義務違反は問題の本質ではない 誰もが「情報素材」を公開できる環境にどう対応するか】
この記事を読んで思ったのですが,IT化って原子力に似てませんか? どちらも人間が創りだしたものでとても便利なのですが,人間が制御しきれていない点で共通しています。
特殊相対性理論の e = mc2という公式から質量とエネルギーが等価であることが明らかになり,原子力エネルギーが「発見」され,原子力発電に結実したわけですが,そこでメルトダウン級の事故が起きれば人類には制御できないし,燃えカスであるプルトニウムの処理という問題も完全に解決されていません。そして地球上には「作ったけど使えない核爆弾」があふれ,超小型核兵器がテロリストの手に渡ったらどうするんだよ,という問題もあります。つまり,原子力の利用はできていても完全に制御できていません。 核エネルギーの利用法はどんどん広がっていますが,それはいわば「技術の一人歩き」状態で,制御する方法はだれも知らないのです。要するに,性善説に立って所有者の良識を待つしか制御方法はありません。
デジタル化技術もこれと同じではないでしょうか。世界がネットで繋がり,地球のどこにでもデータが送れ,誰でもデータが閲覧でき,世界中の人とすぐにでも情報交換ができる世の中になりました。まさに夢のような世界です。反面,一旦流出したデータを制御する方法はないし,盗もうと思えばどんなデータも盗めます。情報を盗もうとする悪意の前でデジタルデータほど脆いものはありません。その意味で,ネット化技術やデジタル化技術を人間は真の意味で制御できないままに利用法だけが独り歩きして勝手に進歩を続けているようなものです。これはまさに,核エネルギーと同じ状態であり,性善説を前提に使用者が良識を持って自制するだろうということを期待して運営されています。
ふと思ったのですが,もしかしたら,グローバル化経済もこれらを同じではないか,という気がしてきました。グローバル化とは要するに,生産地・生産者と消費者・使用者の距離を離すことです。もちろん技術的には可能です。そして,生産者・作成者が善意と良心を持っていれば安全性も確保されます。性善説を前提にすれば,必ずうまくいくシステムですし,安全性が脅かされることもありません。問題は,性善説が通らない相手が出現した時です。
もちろん,所有者の良識だのみという点では果物ナイフもゴルフクラブも縄跳びの縄も同じで,これらは悪意を持って使えば凶器になりますが,核兵器やIT情報やグローバル経済とは被害が及ぶ範囲がまるで違います。また,ゴルフクラブを凶器に使った個人を特定することは難しくありませんが,デジタル情報を盗んだ人間を特定するのは非常に困難です。これはグローバル経済でトラブルが起きた場合にも言えます。
技術的に可能であればそれをやってみたくなる,それをどんどん推し進めたくなる人間の性ですが,技術的に可能なことがどこに向かっているのかは誰にもわかっていません。
- 【「秘密国家」への道…政府の情報統制着々 民間にも矛先か】
民主党は確か,「情報公開」を看板にしていましたが,菅内閣(仙石内閣?)が考える「公開」とは対象によって使い分けるもののようです。つまり,
- 民主党に都合のいい情報はどんどん公開(例:事業仕分けを一生懸命にしてますよとか)
- 民主党に都合の悪い情報は秘匿(例:アレとかアレとか・・・)
2010/11/16
- 雑誌「地域リハビリテーション 2010年 11月号」に同誌連載中の「いまどきの創傷治療」シリーズ第5回目,『熱傷の治療』が掲載されました。
- タイ製のコメディー・ホラー映画,《パラサイト・デビル》を紹介。一応ホラー映画に分類しときますが,ちょっと古めかしいコメディー映画という感じですね。
- 昨日の午前中,とあるメーカーの開発担当者が外来見学。治療現場を見ないで商品開発できないから,ということでの見学でした。
- 酔いどれイラストレーター(私の本のイラストを書いてくれています)のChimaさんが「ハイボールがあるのにウイスキーが置いてない酒場ってなんなんだよ。ハイボールにレモンを入れるってのは,炊きたてのご飯にレモンをかけるようなもんでウイスキーに対する冒涜だ!」と怒りまくっております。
済みません,この前,ユズ入りのハイボールを飲んじゃいました。どうせ,サントリーの角瓶だし(昔からのウイスキー好きなんでサントリーを馬鹿にしているというか,パチもんウイスキーだろうという先入観を持っています。だって,昔のサントリーって言ったら・・・!),レモンで割ろうがドクダミで割ろうがどうでもいいじゃん,ってなノリで頼んじゃいました。Chimaちゃん,許してつかんさい!
ちなみに今でも,国産ウイスキーはサントリー以外の銘柄です。三つ子の魂百まで,雀百まで踊り忘れず,というやつですね。
- 【爪楊枝は茹でたらツルリと旨い!】
エイプリルフールのネタみたいなタイトルですが,実は本当に食べられます。なぜかというと,韓国の爪楊枝はデンプンで作られているからです。単に食べられることを確認するのでなく,どうせ食べるのなら美味しく食べようとする姿勢がナイスです。
- 【<大相撲九州場所>敗因は心身の「スキ」白鵬、連勝ストップ】
思わず,相撲協会から「相撲界の至宝とも言うべき双葉山の不滅の大記録を破ってはいけない。さっさと負けろ!」と圧力がかかったんじゃないかと勘ぐってしまいました。もちろん,こう言うのを「下衆の勘繰り」と言います。格式のある相撲協会がそんなことをするはずないですからね。
- 【仮にTPPが流れても日本の農業は生き残れない? 「自由貿易のバス」に乗り遅れた政治の機能不全ぶり】
農業従事者の平均年齢は64.2歳であり,70歳以上が4割を占めていて,49歳以下は14%です。つまり,時間の経過とともに平均年齢が上がり,農業人口は経年変化として減少します。現在の日本は農業が農産物への高い関税で維持されていますが,たとえ関税をさらに高く設定したとしても肝心の農業従事者が時間の経過とともに減っていくわけですから意味がないし,効果もありません。
ちなみに,農業組合の収益に占める農産物の販売で得られる収益は微々たるものです。農協の収益の5割は自動車共済や建物共済の運用益が占め,4割は農林中央金庫などの金融部門によるものです。つまり,農協自体が農業生産物をアテにしていないということです。
2010/11/15
- 「熱傷:全症例(?)の治療経過 ーその3ー」に症例を追加。
- この「熱傷全(?)症例」シリーズ」を見た先生から,「これは圧巻です。これを見たら,消毒とゲーベンの医者は恥ずかしくなってきますよね」とメールを頂きました。
もちろん,その通りなのですが,「消毒とゲーベン先生」はそもそも,私のサイトなんて見ていないのです。なぜ見ないかというと,見たくないからです。
私はいろいろな病院で講演をしていますが,その後の懇親会で主催した先生から決まって出るのは「この話を一番聞いて欲しい〇〇科の科長が来てくれなかった」という愚痴です。なぜこういう先生が講演に来ないかというと,そもそもこういう話は聞きたくないし,自分の治療を変えたくないからです。だから,講演を無視すれば話は聞かなくて済むし,自分の治療を変える必要もない・・・ということになります。
私がこの「治療全症例」シリーズを作ったのは,こういう医者の考えを変えるためではなく,患者さん(=一般市民)に事実を知ってもらうためです。そうすれば,「あっ,この症例は私と同じだ。だったら,この治療を受ければ同じように治るはずだ」と考える患者さんが出てくるからです。そして同時に,知識を持った患者さんは「ゲーベン先生,消毒先生」を敬遠するでしょうし,そういう医者にかかって治らずに苦しんでいる知人に「消毒医者だから治らないんだよ」って耳打ちしてくれるはずです。それで救われる熱傷患者が一人でもいればいいのです。そうすればやがて,「イソジン先生,ゲーベン先生」がいくらイソジンとゲーベンで治療をしたくても肝心の患者が受診しなくなります。
要するに,「イソジン先生,ゲーベン先生」の考えを変えるより兵糧攻めにする方が効果的なんですね。
- 一部の人にとても失礼なことを書きますが,なかなか治らない爪周囲炎(炎症を伴う陥入爪)の患者さんに肥満の人が多くないでしょうか? 爪周囲炎は「深爪しない+テーピングとヤスリ」の方法で大体は治るのですが,なかなか治らなかったり,いったん治ってもまた再発する患者さんがいらっしゃいますが,肥満の人にこういう傾向の人が多いのではという印象があります。
歩行するときに第1趾がとても大事なことは皆さんご存知の通りですが,多分,立位・歩行時には全体重が両足の第1趾にかかり,それが「爪の両端に爪郭の組織が食い込む力」として作用するんじゃないかと思っています。
まぁ,一般的には「痩せる」のが一番大変なんですけどね。
- 【スー・チーさん解放 ミャンマー民主化進展には懐疑論】
アウンサンスーチーさんを見ていると「凛」という感じを思い出します。毅然として凛とした気品に満ちた美しさがある方です。外面的な見た目の美しさなんてものではなく,内側からにじみ出てくる強さと美しさです。
アウンサンスーチーさんは軍事政権側と対話を求めていて,とりあえず軍事政権との全面対決でなく,ゆるやかな民主化への道筋を模索する模様です。彼女の提案に対し軍事政権側がどのように対応するのかは未知数ですが(何しろ,アウンサンスーチーさんを開放しておきながら数日後に身柄拘束,という行動をこれまでしていますから),「軍事政権がいつまでも続いたためしなし」というのは人類の歴史が証明しているはずです。
ちなみに,彼女の名前はアルファベットでは "Aung San Suu Kyi" と表記されますが,ビルマ族には姓という概念はなく,「アウンサン」は父親の名前,「スー」は父方の祖母の名前,「キンチー」は母の名前で,それらの一部をつなげたものだそうです。
- この週末の移動で見た映画は《2012》と《シティ・オン・ファイアー》の二つ。
前者はマヤ暦で予言されている「人類は2012年12月21日で滅亡する」というのを素材にしたCGを使いまくった壮大華麗にして中身は空っぽな超大作パニック映画。監督は《インデペンデンス・デイ》、《デイ・アフター・トゥモロー》を作ったローランド・エメリッヒ・・・といえばどんな作品かは予想がつくと思いますが,予想通りにCGを使った地球崩壊のシーンは凄まじいばかりの迫力。ただ,物語そのものは薄っぺらで空虚でございました。
一方の《シティ・オン・ファイアー》はオーストラリアのテレビ向けに作られた映画ですが,真面目に作られた良心作にして佳作。ちなみに舞台は2012年のオーストラリアで偶然にもエメリッヒの映画と同じだったりします。有名な俳優も出ていないしCGなしなんですが,山火事の映像が大迫力です(これは実際の山火事の様子を撮影した映像を利用したものらしいです)。英雄的行動をする主人公もいなければ,お涙頂戴的な展開もありませんが,「このままではオーストラリアは危機的状況を迎える」という作り手側の危機感がヒシヒシと伝わってきて,その点が《2012》のような「派手なCGを見せることが目的の映画」とは違っています。
2010/11/12
- 「熱傷:全症例(?)の治療経過 ーその2ー」に症例を追加。
- イギリスの炭鉱町に生まれたアマチュア・ブラスバンドの栄光と落日の様子を描く感動的音楽映画,《ブラス!》を紹介。とにかく,演奏場面が素晴らしいです。最後のエルガーの『威風堂々』は涙なしには聞けません。
- 【How to Test Shortsightedness】
この画像,超オモシロ! 近眼の人が裸眼で見るとマリリン・モンローに,メガネをかけるとアインシュタインに見えます。よくもまぁ,こんなことを思いついたもんです。
- 【人はどこまでカタカナになれるか】
「全身を使ってカタカナを書く」というアイデアもすごければ,それを実現するための努力も素晴らしいです。一見の価値あり!
- 【中国漁船・尖閣領海内接触:ビデオ流出 仙谷長官「海保長官重い責任」】
民主党のいう「政治主導」とは「政治職と執行職のトップは責任のあり方が違う」という言葉でもわかるように,現場の人間に責任を押し付けて政治家は責任を取らないよ,ということです。民主党政権になって1年余りになりますが,政治家が責任を取らない,責任を取ったフリをするけどフリだけ,ということが続いています。
海保にすれば,「暴力団まがいの中国漁船(あの漁船,"漁業" をしていましたっけ?)を相手に命の危険も顧みずに頑張っている俺達に責任を押し付けて,自分たちはのうのうと責任逃れかよ」というところでしょう。こんな政治家のもとで仕事なんてしてられないよ,と誰もが思ったときどうなるか,そろそろ民主党の皆さんは考えたほうがよろしいかと・・・。
2010/11/11
- 来年1月14日,京都の高雄病院で講演することが決まりました。
- 12月4日の広島での講演会の後,懇親会を企画しています。お時間のある方はどうぞおいで下さい。
- 「熱傷:全症例(?)の治療経過 ーその2ー」に症例を追加。
- 例の「尖閣ビデオYouTube流出問題」を見ていると色々なことを考えてしまいます。
例えば,手に入れた情報を隠したがる人(組織)と共有したがる人(組織)がいて,考え方が相容れないということです。以前,ピアノ楽譜のコレクションをしていた頃,私は苦労して手に入れた楽譜だから皆にタダで配ろうと考えていましたが,そう考えない(=苦労して手にいれたのだから苦労していない他人には見せたくない)人もいるわけで,衝突することが多々ありました。情報を入手するのにかけた努力に対する対価が欲しいのでしょうね。そして,国とか政府というものは概して後者のタイプです。そういうタイプの人間が政治家になるのか,政治家になると後者タイプに変身するのか,そこらがよくわかりません。
それと,デジタル以前の社会の秘密と,デジタル社会の秘密は全く別物になりました。以前は,情報といえば紙に書かれていましたし,それを見ることができても手で書き写すか,頭で覚えておくしかないため,情報自体を隠すのは簡単でした。しかし,デジタル化された秘密情報を秘密にしておくのは本質的に困難な気がするのです。その秘密情報を記録したUSBメモリなどを金庫に入れて絶対に閲覧しない,というなら話は別ですが,ネットに繋がっているパソコンで閲覧した途端,外部からアクセスできてしまうし,完全無欠のコピーがすぐに作れるからです。これは別の言い方をすると,記録された情報を見るのに特殊なデバイスが不要なもの(=紙に書かれた情報)と,情報を見るのに特殊なデバイスが必要なもの(=デジタル化された情報)の違いとなります。
それと,秘密情報って中身がわかると「案外大したことがないよね」,ということが少なくないのです。幽霊の正体見たり枯れ尾花ってやつです。何を持って「秘密扱い」にするかは,実はとても恣意的だったりして,なんでこんなものを極秘にしていたんだろうと思うものが多いです。多分,今回の「尖閣ビデオ」は隠しておくほどの情報ではないような気がします。
以上,「秘密」についての由無し言でした。
- 【SIMロックなしの3G対応Androidタブレット Camangi FM600】
これ,結構いいかも。300グラム台と軽く,液晶サイズも7インチと程よいサイズです。これなら日常的に持ち歩きたいです。しかもSIMロックフリーですからね。
- 【新種のトカゲ、ベトナムの料理店で発見】
料理を食べている方にとっては美味しいか不味いかだけが問題であって,それが新種のトカゲなのか,図鑑に載っている種類のトカゲなのかなんてどうでもいいことです。単なる食材の一つに過ぎません。新種か新種でないかは,たまたま研究者の目に入ったかどうかの違いなんですね。それにしても,「料理店で発見」というタイトルがナイス!
- 【キッチンやリビングに小物置き場が作れる「ピタッとシート」】
これって結構便利そう。値段も安いし。
2010/11/10
2010/11/09
- 「熱傷:全症例(?)の治療経過 ーその2ー」に症例を追加。
- 「熱傷を湿潤治療している医師」に,長崎県長崎市の麻生整形外科医院/麻生英一郎先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 昨日,埼玉医療センターの小林先生が見学に見えられました。これ以上シンプルにできないであろう単純明快な熱傷治療,患者さんへの説明の仕方など,いろいろお見せすることができてよかったです。
- 久しぶりにネットでスニーカーを購入。先細の形は53歳にはちょっとチャラい気もしましたが,とにかく格好いいしワインレッドの色合いはいいですね。
- 【「時代が1つ変わってしまった」──ネットで既存メディアを飛び越えた「尖閣ビデオ流出」】
これまでの内部告発といえば新聞やテレビに直接情報を流すことでしたが,それらを飛び越えていきなり世界中に告発しちゃう,という時代になったということです。しかも,既存のメディアに告発したところでその内容のまま報道されるかどうかは不明で,自分の意図しない内容に変えられる可能性もあります。それなら無編集の生データを流した方がマシ,という判断になります。
この記事にもありますが,「情報が漏れないように管理する」事自体が不可能です。情報が漏れないことを前提に漏れないように努力するというのがこれまでの社会のタテマエでしたが,情報は必ず漏れることを前提に情報を作成するしかないということです。
誰が情報を漏らしたかを捜査しても恐らく無駄でしょう。ネット社会というのはどこからでも情報が漏れてしまう社会だからです。
このあたりは,医療事故はあってはならないとか,原発事故は起きてはならないものだということを前提にしているのと同じです。医療事故は必ず起こるもの,原発事故はいつか必ず起きることを前提にシステムを組み立てなければ,事故が起きたときに対処できません。事故は起こらない,間違いは起こらない,というのは机上の空論に過ぎません。
いずれにしても,Wikileaksのようなサイトがあり,そして同様のことはハッキングの技術があれば誰にでもできるわけですから,今後は「国家機密」という言葉自体が意味を持たなくなっていくのかもしれません。
- 【太陽光発電、コスト低減の見通しは?】
太陽光発電の問題は結局,「発電するのは簡単だが,作った電気を運ぶのに電線が必要」という問題じゃないかと思います。砂漠一面に太陽光パネルを置けば電力はすぐに作れますが,そこから電気の消費地までは遠く,電気を消費地に運ぶ(届ける)には電線を通すしか手段がありません。当然,この距離が長ければ長いほどエネルギーロスは多くなります。
逆に言えば「大量の電気をコンパクトに貯め,長期保存も可能」な蓄電方法が開発されたら,エネルギー問題は一挙に解決します。
- 【菅外交に厳しい評価 内閣支持率30%割れ目前】
結局,民主党政権への支持率は政策への支持率ではなく,「〇〇でなければどの政党でもいいや,誰でもいいや」という否定形での支持率です。鳩山政権の初期の高支持率は「自民党政権でないから」という理由での支持でしたし,菅政権発足当初の高支持率は「小沢さんでないから」という理由でした。
総選挙がない限り,まだしばらく民主党政権が続くわけですが,少なくとも首相としての管さんの命運は尽きかけようとしている感じです。そうなれば民主党内部での首のすげ替えが行われるでしょうが,首相としての能力と器を持つ議員が見当たりません(個別の問題に対処する能力を持つ人はいるが,全体を見渡せる能力を持っている人がいない,という意味で)。
2010/11/08
- 「細菌数が増えると感染の危険性が高まるのか」という駄文を追加。医学というよりは単なる計算遊びですね。
- 「熱傷:全症例(?)の治療経過 ーその2ー」に症例を追加。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,福岡市早良区のやすだクリニック/安田修先生,徳島県三好市の国民健康保険三好市西祖谷山村診療所/吉岡伸治先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 私はもともと日本形成外科学会の専門医ですが(というか,日本形成外科学会認定医試験問題作成委員を6年間務めていたくらいである),愛媛県での講演で畏れ多くも座長をしてくださった徳島大学の中西教授(=日本形成外科学会理事長)から「こんな熱傷治療をしているなら,形成外科の専門医として認めるわけにいかない」と恫喝され,こんな恫喝教授先生に頭を下げてまで専門医に拘るのは男の沽券に関わる,こんな恫喝教授が牛耳っている学会に学会費を払うくらいなら押し売りの羽毛布団でも買った方がよほどマシだと考え,2008年から学会に年会費を払うのを止め,専門医も返上(専門医の資格維持のためのあれやこれやを止める)することにしました。
これまでは,形成外科専門医の資格を維持するために汲々としていたのですが,専門医を返上してみて初めて,専門医でなくても仕事ができるし,専門医であっても何のメリットもないことがわかり,清々しいくらいです。中西教授に恫喝されなければこういう事に気がつかなかったわけで,感謝しております。
この教授がらみで先日,ある人からこんなメールをいただきました。
中西教授はひどい治療を行っていて、地元でも大変迷惑がられて嫌われています。徳島からいなくなってほしいぐらい。犠牲になった人が多くいて訴えたくても訴えれず困っている人がいっぱいいるんです。
伝聞なので確証はありませんが,もしかしたら,患者まで恫喝しているんでしょうか? せめて,まともな治療をして欲しいものです。
- 【アルコールはヘロインやコカインよりも危険 英研究チームが報告】
「本人の健康被害+他人への被害+家族との衝突」で総合的に判断すると,ヘロインより危険なんだそうです。でも,ヘロインやコカインの場合,第生産地はコロンビアの一部,アフガニスタンに一部,ミャンマーの一部などであり,マフィアなどの資金源になっているという問題を抱えていて,今回の研究ではそういう問題は考慮されていないようです。少なくともアルコールはマフィアの資金源にはなっていません。
- 「この名前,全然読めないよ」という名前の子どもが多すぎて(というか,いかに読めない名前をつけるかという競争を親どうしがしているみたいです),近頃ではちょっとやそっとでは驚かなくなりましたが,以前,見学に来た先生から,「ララ桜桃(ららさくらんぼ) 」ちゃんという名前の赤ちゃんを受け持ったことがあったと聞いたときには呆然としてしまいました(ちなみに,「ララ桜桃」が名前で,これに高橋とか鈴木という苗字が付きます)。こうなったら,「ポポ檬果(ぽぽまんごう)」とか「ルル甜瓜(るるめろん)」なんて子どもが出現するのも時間の問題かもしれません。
まぁ,こういう名前は読もうと思えば読めるんですが,ネットを見ていると「無知な親が間違った知識でつけた読めない名前」というのがたくさんあってびっくりします。例えて言えば「日本」と書いて「ちゅうごく」と読ませたり,「馬」とかいて「しか」と読ませるような感じで,悲惨な名前がいくつも見つかります。特に宇宙関係がすごいです。
- 「木星」と書いて「びいなす」ちゃん ⇒ヴィーナスは金星,木星はジュピターです
- 「明星」と書いて「じゅぴた」ちゃん ⇒明星は金星です
- 「宇宙」とかいて「あーす」ちゃん ⇒Earthは地球,宇宙はCosmos
「木星(びいなす)」ちゃんが友達から「お前の父ちゃんと母ちゃん,木星をヴィーナスと思っている馬鹿!」と虐められるんだろうなぁ・・・と思うと,胸が痛みます。
- 【ドカベン香川氏、太宰府市議選出馬へ】
ドカベン香川くん,この記事を読んだのかな? まぁ,「ヤワラちゃん国会議員 vs ドカベン市議会議員」ではどっちもどっちですけどね。
2010/11/05
- 「熱傷:全症例(?)の治療経過 ーその2ー」に症例を追加。
- 昨日ちょっと書いた「テラジアパスタ先生」から逃げてきたヤケド(腹部前面,両下肢,前腕)の赤ちゃん,すっかり元気になりました。お母さんによると「普段より食欲があるみたいで,よく食べています」ということでした。
- 【子供の医者のかかり方 しからず、楽しいことで意思高める】
私の外来を見学したことがある先生方はご存知と思いますが,乳幼児,幼児の患者さんに対しては次のような方針を実践しています。
- 初対面の3歳児と20秒で仲良くなれるように話術を磨く。初対面の子供としばらく雑談してから診察開始。。
- 2歳半以上の患者さんなら本人から直接アナムネを取る。親と話さない。
- アナムネ聴取で親に話を聞くのは,時間的前後関係などの事実を確認するときだけ。
- 絆創膏を剥がしたり,包帯を外す際,患児に「傷を診てもいい?」と訊ね,許可を得てから処置を開始する。2歳以上の患児では本人の許可なしに治療を始めない。
- なるべく痛くない治療ができるように常に工夫を怠らない。
- 患者さんが泣いたまま診察室から出るのは医者の恥。泣いて入ってきた子どもでも必ず笑顔で診察室から帰す。
ケガやヤケドの子供が母親に,「今日も病院に行きたい」とダダをこねる外来を作ればいいだけのことであり,それは実は難しいことではありません。見学に来ていただければ,本当に簡単なことだとわかっていただけると思います。ちなみに,「外来にオモチャを置く」なんてのはほとんど効果はありません。オモチャを見ただけで医者に心を許す子供なんていません。
そういえば松本の病院にいた時,市内で開業している小児科の先生が見学にいらっしゃったことがありましたが,帰られる時に「3歳児から直接アナムネを取るなんて見たことも聞いたこともない。それに一番驚いた」とおっしゃられていたことをお思い出します。
- 【山口茨城県議が引退へ=「県政界のドン」、在職14期】
この方が茨城県議会議員に初当選したのは1955年,つまり,私が生まれる前です。つまり,私が片言の日本語をようやく話し始めた頃に2期目の当選を果たしたことになります。すごいですね。
- 【アノマロカリス、実は軟弱者だった?】
5億4千万年前のカンブリア紀の海に君臨していた1メートルを越す最大の捕食者,というのが従来のアノマロカリス像でしたが,正反対だったのではないかという新しい研究結果です。これまで,三葉虫をバリバリと食っていたと考えられていた放射状の口はどうやらそれほど強靭なものではなく,せいぜい蠕虫類くらいしか食べられなかったのではないか,ということです。これが正しいとすると,アノマロカリスはホオジロザメでなくジンベイザメだったということになります。
2010/11/04
- 「熱傷:全症例(?)の治療経過 ーその2ー」に症例を追加。
- 「サンコー Restman」を買っちゃいました。これはすごく便利です。もっと早く買っておけばよかったです。
- 深夜の地下鉄を舞台にしたサバイバル系ホラー映画,《11:46 "END OF THE LINE"》を紹介。結構マジに怖いです。
- またまた,某病院皮膚科からヤケドの赤ちゃんが逃げてこられました。「ヤケドといえばテラジアパスタ」というバカの一つ覚え治療をしている皮膚科です。テラジアパスタ付きソフラチュールを剥がすだけで大泣きされましたが,プラスモイストで被覆してしばらくしたら泣き止み,食欲も出てきたようでパンをパクパク完食したそうです。お母さんも安心されたようで,よかったです。
ちなみに,その「テラジアパスタ医者」はご両親にヤケドの状態について全く説明していなかったようです。せめて,患者さんへの説明くらいしとけよ。
- 【スーザン・ボイルさん「私は婚活中」と結婚をあきらめず!】
もしかしたら,世界で最も有名な未婚女性の一人じゃないでしょうか。これでもしも旦那様まで射止めたら,本当のシンデレラストーリーですね。なにはともあれ,頑張って下さい。
- 【坊や良い子だ 抱き枕】
Daily Portal Zの工作番長,乙幡さんが「日本昔ばなし」のオープニングアニメを現実化しました。なんと全長3.7m! しかも,無意味に完成度が高いです。
2010/11/02
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に,鳥取市の鳥取県立中央病院 売店を追加しました。鳥取県内で最初の取扱店となります。
- 昨日から二日間,神戸労災病院の山崎先生が見学にみえられています。「手の外科」の専門家ということで,マニアックな話で盛り上がってしまいました。
ちなみに,11月の月曜日は見学ラッシュとなっています。
- 「現代の生ける伝説,ネルソン・マンデラは祖国を一つにまとめ上げるために南アフリカ代表チームのキャプテンに密かにある言葉を伝えた。そして,その言葉は南アフリカ主催の1995年ラグビー・ワールドカップで信じられない奇跡を生み出した」という感動映画,《インビクタス/負けざる者たち》を紹介。最後のニュージーランドのオールブラックスとの試合シーンは凄まじい迫力です。
- 【エベレスト山頂が3G圏内に。テレビ電話も対応】
チョモランマ登頂に成功した人は是非,山頂でもYouTubeが見られるかどうか確認してください。
- 【Logitechから電池不要のワイヤレスソーラーキーボードK750】
今までこういう商品がなかったことが不思議なくらいです。Bluetooth対応のソーラーマウスなんてのがあったらすぐに欲しいです。
- 【アマゾン、全品無料配送を正式サービスに】
全品無料配送をしてもまだ利益が出るって,どういうこと? こういうニュースを見ると,自分が経済音痴であることがよくわかります。ちなみに,本屋がない石岡ではアマゾンが唯一の本屋さんです。
- 【UMA“チュパカブラ”の正体とは?】
チュパカブラはUMA界では地味めの怪物ですが,その正体は〇〇じゃないの,という「正体見たり枯れ尾花」的な謎解き記事です。なるほどね。これなら頻繁に目撃されてもおかしくないな。しかも,かなり話題になったエロティック・ホラー映画《スピーシーズ 種の起源》とからめてチュパカブラの姿を推察するところは面白いですね。
ちなみに,チュパカブラが登場する映画としては《チュパカブラ》や《チュパカブラ・プロジェクト》,《デビルズタイド》がありますが,どれも「箸にも棒にも引っかからない出来の悪いB級映画」とのことですので,そのうち見てみようと思っております・・・どんだけひどい映画なのか確認するために・・・。
2010/11/01
- 「熱傷:全症例(?)の治療経過 ーその2ー」に症例を追加。
- 講演用のスライドをマイナー・バージョンアップしました。最新版は10月31日作成のものです。ご覧になりたい方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
なお,以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。
- 「学会の際,発表スライドのカメラ・ビデオ撮影を禁じている先生が多いですが,なぜ先生は発表スライドの撮影どころか,スライド希望の人にPowerPointファイルを渡しているのですか?」と質問をいただきました。
もっともな質問ですが,もしも私のスライドを使って「実は私はこんな治療をしていて,これは私が世界で最初に始めたんです」と言い出す人が登場したとしても,何しろスライドファイルは皆が持っているわけですから,彼の発表を見た人はすぐに「オイオイ,それは違うんじゃないの。それはパクリでしょう?」ってわかっちゃうわけです。
- 【薬殺剤は「メード・イン・アメリカ」に限る】
先週末の記事の一つですが,最高にブラックなニュースです。ご存知のように,死刑執行数世界第5位の死刑大国アメリカでは,「苦痛が少なく人道的」という理由で麻酔薬のチオペンタールを使っているようです。ところが最近,"Made in USA" でない第3世界で作られたチオペンタールが死刑に使われているんじゃないか,そんなのを使われたら意識が残るために「人道的死刑」ではないんじゃないか,という意見が上がっているんだとか。
「人道的に死刑にする」という文章を見ると,「生きているエビを茹でるのはエビに苦痛を与える非人道的料理法だ。エビの意識を奪い,意識がなくなってから茹でなければ人道的ではない」という議論を思い出してしまいました。
でも,「人道的死刑」って,なんか変な言葉だな。それと,殺した側を「人道的」に扱うのを百歩譲って認めたとしても,殺された側は決して「人道的に殺された」わけじゃないんだよね。
ちなみに,記事中の「カントリー音楽やウェスタン音楽、さらに国民の肥満度にかけては、アメリカの右に出る国はない」というのもブラックでナイスです。さらに言えば,アメリカン・フットボールにかけてもアメリカの右に出る国はないですね。
- 【日本の野球には「窓が足りないんじゃないですか?」】
英語では家畜のことを "livestock" って言うんですね(ちなみに "dead stock" といえば農機具のこと)。それにしても "livestock" ですか。「生きている貯蔵品」という感じで,「とりあえず今は生きているだけの食べ物」という感じなのかもしれません。それじゃ,「クジラやイルカを殺すのは可哀想で,豚や牛は可哀想じゃないんですか? どちらも同じ動物でしょう?」という論理が通じないわけですね。牛や豚は "animal" だけど「生きている貯蔵品」だから殺すのは当然,一方,クジラやイルカは "animal" だけど「生きている貯蔵品」じゃないから殺しちゃ駄目,という論理なんでしょう。どうりであの連中と話が通じないわけだ。
ちなみに,漢字の「畜」の字はもともと「栄養分をたくわえて作物をやしない育てる黒い土のこと」の意味だそうです。
- 【身ぶり手ぶりでテレビ操作OK アルプス電気が新技術】
私だったら3Dテレビよりこっちのテレビのほうが欲しいな。
- 講演で行った仙台駅で見つけたコネタ。
新幹線ホームに降り立って改札口に向かうエスカレーターでは東京と同じ「左に並び,右を空ける」でしたが,仙台駅の中のエスカレーターはなぜか大阪方式の「右に並び,左を空ける」と東京方式が混在していました。理由は不明ですが,どうやら,エスカレーターの一番先頭になった人が右側か左側のどちらかに立っているかでその後の並び方が決まっているようでした。つまり,大阪や東京のように「エスカレーターではどちらか一方を急ぐ人のために空けておく」というのがまだ社会通念となっていないためのようです(少なくとも仙台駅構内では)。
- ちなみに,先週ずっと続いていた「e-mobileが繋がらないよ」現象ですが,先週金曜日の夜,上野に向かう常磐線で実験してみたら,石岡から脱出して土浦に入ると何事も無く繋がっていて,速度も普通でした。
そして,日曜日の夜,こちらに戻ってきて再度接続したら,なんとか繋がるようになっていました。とは言っても,突然切れたりするんですが,とりあえず使えています。
- いよいよ,『熱傷治療“裏”マニュアル(仮題)』の校正作業に突入です。どうやら200ページを超える大著になりそうです。症例が多すぎたかな?