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2009/03/31
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,東京都世田谷区の医療法人社団寿恵会 深沢1丁目クリニック 鴨下孝志先生,神奈川県横浜市都筑区の関東訪問診療ネットワーク 横浜北クリニック 堀田浩一先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 「アルギン酸塩被覆材でキズを被覆した翌日,アルギン酸塩が固着していることがあります。こういう場合はどうしたらいいでしょうか」という質問をいただきました。
- メタボな生活習慣が増幅させる「加齢臭」! 臭いに対して過剰反応の側面も
こういう記事を読んでいていつも思うのですが,「加齢臭」という名前(病名)がついた時,それは異常として社会(医学界)に認知されます。つまりそれまでは「当たり前の加齢現象」だったのに,なまじ「加齢臭」という特定の名前がつけられた瞬間,それは治療すべき異常となるのです。
単なる中年太りといわれていた頃は中年太りは,「ちょっと太りすぎですよ。注意しましょうね」程度のものでしたが,メタボリック症候群という「名前」がついた時「治療すべき異常」になり,日本では国を挙げて取り組むべき病気になりました。
「病名がつくと病気として認知される」という現象ですね・・・本当に「病的状態」かどうかは別にして・・・。
- 温暖化に有効?鉄分の投入と藻の増殖
以前紹介したこの本に書かれていた実験です。鉄は遷移元素の中でも特別な性質を持ち,そのため,あらゆる生物が必要とする元素です。一方,栄養塩(無機窒素化合物とリン)が多いのに植物プランクトンが少ない海域があり,これらは海水中の鉄イオンの濃度が低い海域でした。
そこで,「硫酸鉄を海洋に投与すればそれを利用する植物プランクトンが増えるだろう」という考えが生まれ,それを実行してみたらどうなったか,というのがこの記事です。結果はこの記事をお読みいただければわかりますが,植物プランクトンは増えたものの予期した種類のものではなく,それはすぐに動物プランクトンに食い尽くされたようです。
自然は人間の思いどおりに動かないものなのでしょう。
- <北朝鮮ミサイル>「見えたら『ファー』って言う」政府高官
この政府高官,寝ても覚めてもゴルフのことしか頭にないんでしょうね。小学校の通信簿には「よく考えてから話しましょう」と書かれていたんじゃないでしょうか。
それにしても,日本は平和です。
2009/03/30
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,愛知県岡崎市の岡崎共立病院 形成外科 鵜飼潤先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- またもやアンケートです。この熱傷,どうしたらいいでしょうか?
- 一昨日(28日)は京都で講演でした。年度末という人が集まりにくい日時にもかかわらず,110人ほどの人が参加され,質疑応答も活発でした。多数おいでいただき,ありがとうございました。
また,私の講演の前にきよすクリニックの伊藤喜亮先生の講演もありしたが,もともと内科のクリニックなのに,昨年1年間で50人の熱傷患者と150人のトビヒ(伝染性膿痂疹)の患者さんが受診された,という話はとても面白かったです。特に,熱傷の新患が50人受診されたというのはすごいと思います。また,外傷や熱傷で受診された患者さんが,それまで高血圧や糖尿病で他院に通院していたのに,それを機に伊藤先生のクリニックに通うようになるという例もあって,湿潤治療の導入は経営的にもプラスになっているそうです。
講演終了後は15人ほどの人たちと懇親会。ここでもいろいろな話をさせていただきました。そしてさらに二次会に突入。最後はかなりヘロヘロ状態でした。遅くまでお付き合いいただき,ありがとうございました。
この懇親会でも「熱傷治療の知識のない内科医でもかなりの受傷面積の熱傷が問題なく治療できるのであれば,熱傷学会も熱傷センターも不要になるんじゃないか?」と話題になりました。何しろ,熱傷面積の計算の仕方も知らない,2度熱傷と3度熱傷の違いもよくわからない医者でも簡単に熱傷が治せるのですから,そもそも熱傷治療の知識自体が不要なんですね。
こういう話題を振ると,熱傷専門医や形成外科医からは必ず,「全身熱傷は別だろう,全身熱傷は内科医では治せない」と反論・反発をいただきます。こういう反論に対し私は,「では,全身熱傷は一年で何例あるのですか? 一年に数例の全身熱傷は先生方が治療してください。それ以外の熱傷は私たちが治療します。どうぞ,全身熱傷だけ治療してください。そして好きなだけ植皮をしてください」と回答します。
- この講演終了後,大阪大学で「バクテリオファージによる感染症治療研究」を行っている二人の先生とちょっと雑談。結局,バクテリオファージだけ,細菌だけを考えても駄目で,両者のバランスと相互作用を常に考えなければいけないそうです。
また,細菌に対する私の捉え方が的外れなものでなく,細菌学的に正当な考え方だということを教えていただきました。ちょっと嬉しかったです。
- 京都への移動はN700系の「のぞみ」でしたが,AC電源が備えられていて,バッテリー残量を気にせずにパソコンが使えるのはいつもながら便利です。東北新幹線も早くそうなって欲しいです。
ちなみにN700系ののぞみでは無線LANも使えるので,これに対応している無線LANのサービスに申し込もうかと思っています。
- 東海道新幹線のグリーン車に乗って一番の楽しみは,「Wedge」というJR東海編集の雑誌が無料で読めることです。100ページほどの薄い雑誌で,いわゆる「ビジネス系雑誌」ですが,記事はどれも内容が濃く,分析の鋭い記事があるのでとても楽しみにしています(もちろん,駅の書店やキヨスクでも売っていますが)。
4月号では「公務員改革が国を滅ぼす」という特集があり,霞ヶ関の官僚の給料,サービス残業の実態,天下りを根絶すると何が起こるのか・・・といったことについて多面的な分析があり,かなり読み応えがありました。
2009/03/27
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,香川県立中央病院 整形外科 奥田和弘先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- ある意味「すごい」映画,それが《パキスタン・ゾンビ HELL'S GROUND》です。パキスタンで作られた(恐らく)初めての映画であり,パキスタン初のゾンビ映画です。しかも内容は無茶苦茶だし,全然ゾンビ映画じゃないし,まさに「自主制作映画級」の映画です・・・だって,自主制作映画なんだもの。
なんと映画監督は,アイスクリームショップの経営者,つまりずぶの素人なのです。
ううむ,恐るべし,パキスタンのアイスクリーム親父!
- たばこ、店頭購入が8割に=「タスポ」導入で自販機抜く-財務省調査
タスポ導入で何がどうなったか,ようやくデータが出てきました。それによると
- タスポを取得した人は35%だけ
- 自販機でタバコを購入する人は全体の2割以下に減少(それまでは53%)
- コンビニなどの店頭で購入する人は44%から80%に増加
となっています。これだけでは正確なことはいえませんが,どうやら,タスポを取得した人は愛煙家の1/3だけで,残りの2/3は自販機でなくコンビニでタバコを購入するようになった,ということじゃないでしょうか。タスポに意味があったのかなかったのか,微妙なところです。
- 私は毎日,午前五時半に起床しますが,朝明るくなるのがどんどん早くなっていることを実感しています。五時半でも十分明るく,電灯を点ける必要がなくなりました。ちなみに3ヶ月前の5時半は真っ暗でした。
2009/03/26
- 医師偏在問題 国研究班が提言
厚生労働省は次のように提言しています。「厚生労働省の研究班は、医師が専門の診療科を自由に選べる現状を見直し、診療科ごとに必要な医師の数を割り出して計画的に育てていくべきだとする提言をまとめました」
アンケートです。皆さんはこの問題についてどう思いますか?
私は学生の頃から自分が内科系診療科には不向きだと自覚していて,それで外科系診療科を選びました。「外科は足りているが,小児科と内科で医者が足りない。そちらを選ぶように」と命令されたらどうなっていただろうか,なんて考えてしまった記事です。
ちなみに,このように国が診療科ごとの医師数を決め,医師が自由に診療科を選べない国は結構あるようです。
- 開業医が当直に参加 都立墨東病院 妊婦受け入れ あすから新体制
開業された先生にも病院で当直してもらう,というのは悪くないと思いますが,ここで難しいのは「電子カルテ」でしょうね。電子カルテは使い方を知らないと全く使えない代物です。自分の病院の電子カルテに習熟していても,別の病院の電子カルテで検査を出そうとしたらどこをどうしたらいいのかわからなかった,なんてことはよくあります。しかも相手はコンピュータ様ですから,何か一つ忘れてもオーダーを受け付けてくれませんが,どこを忘れたのか,どうしたらいいのかが判らないのです。
というわけで,「産婦人科のベテランだが,墨東病院の電子カルテを使うのは初めて」という先生が当直する場合は,もう一人医者が当直しないと仕事にならないような気がしますがどうでしょうか。
- 昨日の外来で,数年ぶりに「キズドライ」を傷口に吹きかけた患者さんが受診されました。このインチキ商品,まだ売っているんですね。
- 静岡県知事、辞意表明へ=空港立ち木問題で-午後に記者会見
静岡に空港を作ってどうするつもりなんでしょうね。3月9日の本欄で福島空港について取り上げましたが,それと全く同じです。静岡は新幹線駅が6つもあり,東京からも大阪からも簡単に行ける土地だと思います。だから当然,羽田と大阪空港への乗り入れは不可能です。新幹線で行った方が速いからです。
となると,静岡空港が経営的に成り立つとしたら,「札幌⇔静岡」,あるいは「福岡⇔静岡」が常に満席,という状態を維持するしかないはずです。つまり,静岡から札幌か福岡に行く客が沢山いるか札幌や福岡から静岡に向かう客が多数いることが前提になるはずですが,どうでしょうか。
逆に言えば,「札幌(福岡)に行きたい静岡県人が多数いて,交通手段がなくて困っている」という状況があれば静岡空港は経営的に成り立ちますが,そうでなければ難しいと思います。
2009/03/25
2009/03/24
- これには泣いた! 帆船を舞台にした子供たちの感動的な成長物語映画,それが《白い嵐 White Squall》だ。
- ヤマハ、台湾と英国のピアノ生産子会社を解散
ピアノについてちょっと書きます。
19世紀後半は「博覧会の時代」でした。その博覧会の目玉商品は,ピアノと兵器でした。要するに,ピアノも兵器も最先端技術を披露するのに最適の商品だったのです。
ピアノの生産にはピアノ線を作る技術,外枠(フレーム)を鋳鉄で作る技術,鍵盤を押してピアノ線がハンマーで叩かれるまでの精妙で精緻な仕組みなど,最先端の技術と科学が必要でした。だからこそ,科学が猛烈なスピードで発達した時代である19世紀では,博覧会の目玉商品はピアノだったのです。
同時に,この時代,ピアノは嫁入り道具であり,ピアノが弾けることは貴族の娘にとって「結婚必須アイテム」でした。その結果,ツェルニーやハノンをはじめとする「練習曲集」が量産され,「ピアノ教師」という職業が生まれました。「ピアノが弾ける」ことが上流社会の子女の必修科目だったため,それを教えることで食っていけるようになったのです。
そして,「貴族の娘の花嫁修業」だったピアノ演奏は,やがて「裕福な市民の娘の必須アイテム」として広がっていき,「居間にはピアノがあるもの」というのが常識になっていき,ピアノは広く普及していきます。
楽器としてのピアノの改良競争はやがて,「大きな音を出す」競争になり,当初木製楽器だったピアノは鋼鉄の楽器に生まれ変わります。木製楽器だった頃のピアノはせいぜい,十数人を相手にして聴かせる楽器でしたが(つまり,貴族のサロンが演奏の場),鋼鉄のピアノはコンサートホールの隅々まで音を届ることが可能になりました。
これに「ピアノが弾ける大量の素人」が加わったことで,不特定多数を相手にする演奏会,つまりピアノコンサートが可能になり(それまでの演奏の場は貴族のサロンであり,聴衆は特定少数だった),ピアニストという職業が生まれます(それまでは,自作の曲のオーケストラ曲の指揮をしながら,リズムを取るためにピアノを弾くスタイルが普通だった)。
素人でも演奏できるようになったため,プロとして食っていくためにはとんでもない超絶技巧が必要となり,それが新たな演奏技術の開発競争を生み,華麗で演奏困難なピアノ曲が次々と作られるようになります。
一方,ピアノが弾ける素人たちは「簡単に弾けるが華麗な演奏効果を持つ曲」を求めます。その結果,おびただしい数のピアノ曲が作曲されます。
その頂点にあったのが,あの『乙女の祈り』です。8小節の短いメロディー(と言うより,単なる分散和音)とそれに続く単純な変奏曲ですが,「簡単に弾けるのに難しそうに聞こえ」,さらに結婚を夢見る若い女性の心をくすぐる曲のタイトルともあいまって,この曲は19世紀半ばのヨーロッパで爆発的に売れ,一般書籍を抑えての超ベストセラーになります。
ちなみに『乙女の祈り』はもともと『かなえられた望み』という曲と2曲セットで作曲・販売されたことは有名。もちろん,「結婚を夢見て,その望みがかなえられて素敵な旦那様とゴールイン」というストーリーで作曲されたのですが,なぜか『かなえられた望み』の方は暗い地味な曲です。
この手の話を書くと止まらなくなってしまうので,ここらでやめときましょう。
2009/03/23
- 10月9日(金)に福井県鯖江市の公立丹南病院で講演することが決まりました。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,愛知県一宮市のひのクリニック 日野 篤先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 講演用のスライドをマイナー・バージョンアップしました。最新版は3月20日作成となります。ご覧になりたい方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
なお,以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできます。
- “いくら洗っても”綺麗にならない手【外科医のつぶやき】
このサイトの読者にとっては,これは常識中の常識ですよね。
要するに「細菌のことは知らない,細菌感染についての基礎的知識も知らない。しかし,院内感染対策についてのガイドラインは熟知している」という勉強好き(のお馬鹿さん)医師・看護師が先頭に立つと,こういう愚かな手洗いチェックを始めます。しかも,自分が正しいことを前提にしているから使命感があり,考えを改めたり反省することもありません。こういう連中が暴走すると,まさに,手がつけられません。
勉強嫌い(のお馬鹿さん)が権力を握ると世の中が壊れていきますが,勉強好き(のお馬鹿さん)が権力を手にすると世の中が窮屈になります。
- 夢が実現!? 空飛ぶクルマ、初飛行に成功
皆様,この動画を見ました? すごいです。まさに007の世界です。翼が折りたたまれるギミックにグッときますね。
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西松建設事件でTBSの記者が漆間巌官房副長官に「自民党への波及はあるか」と質問し,それに対して漆間副長官がオフレコの話しとして・・・という報道に対し,政治アナリストの花岡信昭氏が批判した記事が前者,それに対し,読者からさまざまな意見があり,それに対して釈明したのが後者の記事である。日本の記者クラブという存在,報道に対する姿勢,政治記者の特権意識などが浮き彫りになっていて,とても面白い。
花岡氏には悪いが,語るに落ちた,というか,問題点がわかっていないで釈明文を書いたのではないか,とちょっと気の毒になった。
「政治家がオフレコと言ったから,発言の内容にかかわらずオフレコにすべきだ」というのは政治家サイドに立っているからこそ出る発言であり,それはジャーナリストとしての発言ではないと思う。ジャーナリストは政治家の代弁者ではないからだ。むしろ,それを言ったらジャーナリストとしておしまいだと思う。ジャーナリストが「自分は政治家側の人間だ」と思ったその時,ジャーナリストの魂を失ってしまうのではないだろうか。読者が批判しているのはまさにその点なのである。
そのあたりが,花岡氏にはわかっていないようだ。
- 先週末の3連休ですが,ずっと,光文社新書の校正と加筆をしていました。最初の原稿は勢いに任せて書き飛ばしたものなので,あとから読み返すとやたらと繰り返しがあったり,同じことが書いてあったり,無駄なことが書いてあったりと,そのままでは使い物になりません。
本として人様に読んでもらう文章を書くというのは,やはり大変なことです。
- 原稿チェックの合間を縫って読んでいるのが『ガリレオの指』(ピーター・アトキンス,早川書房)です。
ガリレオの指が刺しているもの,それはその後の科学が進むべき方向であり,至高の高みだった。彼は宗教的思考と宗教的常識が支配していた時代に「科学的手法」を導入し,それを完成させた。そして,入念にコントロールされた条件のもとで世界を観察することで,主観を排して客観的な事実が見えてくることを示した。
本書は,進化論,エントロピー,相対論,量子理論などの10の主要な理論がどのような発想から生み出されたのか,そしてそれはその後の科学に何をもたらしたかを見事に描いているが,何を取り上げるかの基準は,「実りをもたらしたもの」ではなく「光明をもたらしたもの」なのである。「科学に光明をもたらした理論」は科学における最上級の賛辞であろう。
2009/03/19
- 2005年になんでこんなに見所のないクズ映画を作っちゃったの? と誰しも思うであろう駄目映画,《宇宙戦争2008》を紹介。
- 医療アラーム「聞き逃し」多発、救命遅れで死亡30件
記事に出ていた病棟では,「8人の患者が装着し,1日に6000回のアラームが鳴っていた」とあります。1日で6000回と言うと,およそ15秒に1回です。これじゃ,また鳴っている,無駄鳴りよね,と思ってしまい,アラームの意味がありません。
根本問題は,人手不足なんでしょうね。
- いつでもドルを欲しがる米国人
かなり強引な分析だし,最後の結論は説明不足。だけど,「米国はワシントンの米国,ニューヨークの米国,田舎の米国で分けて考えろ」というのは納得。
- 虹色に光るクラゲを発見
新発見のクシクラゲの一種ですが,この写真は美しいです。昨日見たいろいろな画像で最高の一枚です。
- 「股を押さえる」とオシッコ我慢できるってホント!?
昨日見た中で,一番ほのぼのとした記事。「結論はそれだけかい!」とツッコミたくなると思いますが,とりあえずおしっこを我慢したくなったら足踏みするしかないようです。皆様,こういう時は足踏みしましょう。
- 中川昭一氏が激白…あの会見は「意識なくしていた」
今になってあの醜態の真相を告白されてもなぁ・・・。
2009/03/18
2009/03/17
- 2007年のアカデミー賞受賞作品《ノーカントリー NO COUNTRY FOR OLD MEN》について。
- 「陰嚢部のガス壊疽」症例の経過写真(証拠写真)をご覧になられた先生方から,さらに感想が寄せられています。
- 9月半ば頃の状態にて、形成外科ご出身である夏井先生がメッシュグラフトを敢えてされなかったのは、英断としか申し上げようがございません。皮膚科の自分は、夏井先生の弟子と自称しながらも、外陰部のPaget病などで陰嚢にこのような切除後欠損を作った場合、メッシュグラフト再建が常識と存じておりましたが、この症例を拝見して、もしかしてPaget病切除後の陰嚢皮膚欠損に対し、メッシュグラフトを行ってきた「常識」を覆す可能性が出てきたような、勇気が湧いてきました。
- 素朴な疑問なのですが、袋状の陰嚢があれだけ欠損していながら、元通りの形に戻る仕組みってなんなんでしょうね? 瘢痕拘縮するわけでもないですし。袋状にきちんと皮膚が再生されるってすごいですよ。
経過写真をご覧になりたい方は本名,所属病院,職種を明記してメールでご連絡下さい。
なお,「再生した局所の皮膚の状態をもっと詳しく見たい」という皮膚科の先生からのリクエストに答えて,ちょっと解像度の高い写真を追加しています。これまでご覧になられた先生方も,是非もう一度ご覧下さい。
- 電チャリ(@大阪)と「生キャラメル」に通底するもの
商売としては大繁盛なのに,週刊誌などでたたかれ始めたのが「花畑牧場」の経営者,田中義剛氏である。その主力商品である大人気の「花畑牧場の生キャラメル」の偽物事件について,その本質を「商品力よりも高い価格で売られているブツには、パチモンが発生するものだ」と看破したのがこの記事です。
ご存知,「花畑牧場の生キャラメル」は超入手困難で,先週末訪れた新千歳空港でも長蛇の列でした。ホエー豚を使った花畑牧場のレストランでも「ここで食事をすれば,生キャラメルがセットで買えます(・・・セットでなければ買えない?)」なんて呼び込みをしていましたね。とにかくすごい人気です。
生キャラメルの値段は12個入りで850円です。あの小さな生キャラメルが1個70円です。確かに食べると美味しいですが,原価と製造過程がわかってしまうと,かなり高い値段設定であることが判ります。要するに,花畑牧場でしか作れない特殊技術で作られた商品でもないし,1個70円と言う値段で売らなければ儲けが出ない商品でもないのです。
だからこそ,偽物を作って売るメリットが生じるんですね。逆に言えば,経営者の田中さんは商売は上手いけれどやり方が阿漕なんですね。しかも,彼が出演するテレビ番組は「花畑牧場宣伝番組」と化しています。そのあたりの胡散臭さが,そろそろ見えてきたんじゃないでしょうか。
2009/03/16
- 講演用のスライドをバージョンアップしました。ご覧になりたい方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできます。
- 3月14日は北海道のルスツリゾートで開かれた救急整形外傷シンポジウムで講演でした。外傷に特化したシンポジウムなだけに,質疑応答はとても活発で多くの質問を頂きました。また,前夜に開かれた症例検討会(酒を飲みながらの和気藹々とした検討会です)や講演後に行われた症例相談会にも参加させていただき,とても有益な時間をすごしました。
金曜日の夕方,新千歳空港に到着し,リゾートライナーというバスに乗ってホテルに向かったのですが,このバスで私以外の乗客は全てスキー目的の家族連れやグループばかりで,私一人「浮いて」いました。ホテルに到着してもやはり「浮いて」いました。
ちなみに,温泉にもウインタースポーツにも興味がない私は,空き時間はひたすら原稿を書いていました。
ちなみに,この学会は主催者の先生自らが「リゾート学会」と呼んでいて,来年3月は石垣島で開催されるそうです。
- 「陰嚢部のガス壊疽」症例の経過写真(証拠写真)をご覧になられた先生方から,さらに感想が寄せられています。
- とにかく僕ら外科医は開いた傷を見るとできるだけ要らないところを切除して縫合しようとしますが、糖尿のある方でも閉鎖療法だけであのように「違和感のないような感じで」上皮化するとは驚異的ですね! 勉強になりました。
- 人間の治癒能力に改めて驚かされます。
- すっごいですね。睾丸が丸見えの状態で信じて経過をみるのは勇気がいりますね。患者さんもよろこんであるでしょうね。
- 袋状の皮膚が再生されるのでおどろきました。臀部膿瘍など再感染なく経過した経験はありますので、今後も恐れずに治療していけそうです。治療に長期間の経過が必要で患者さんの理解が必要ですね。
- 想像した以上の衝撃でした。先生の著書を数多く読み、多少理解したつもりではありましたが、ここまで綺麗に治るものとは思いませんでした。便汚染しても感染しない…というのまでは予想していましたが、いわゆる瘢痕様のテカテカした皮膚として再生するのかと思っていた創部が、まさにわからないほどの状態になっていて驚愕です。
- 息の長い管理には忍耐とチームワークも必要で、自然治癒が働く環境を継続的に適切に維持管理する手間がかかるのですね。便との接触においても、その後洗浄すれば感染は必然ではなさそうですね。治療期間8か月ほどと、保存的に待てるかどうか、一つの決断だと思います。
経過写真をご覧になりたい方は本名,所属病院,職種を明記してメールでご連絡下さい。
- ついに登場したWiMAX!その使い勝手はいかに
話題の高速データ通信サービスです(提供はUQ社)。上り10Mbps,下り40Mbpsと,現在主流の3Gの数倍の通信速度が得られ,しかも月額基本料は4480円!
現時点で利用できるのは東京23区と横浜などですが,京阪神と名古屋は今年7月までエリアが広がる予定です。それ以外の地域での展開はまだ不明な点もありますが,1年半後のイーモバイルとの契約が切れた頃までに,使えるようになったら乗り換えるのですが,さてどうなっているでしょうか。
2009/03/13
- 6月15日(月)に北九州市小倉外科会で講演することが決まりました。
- 「陰嚢部のガス壊疽」症例の経過写真(証拠写真)をご覧になられた先生方から,さらに感想が寄せられています。
- 肛門周囲の創の処置は一般的にはいかに便をコンロトロールするかに重点がおかれ,人工肛門造設をしますが,それは全て不要と言うことになりますね。
- ここまで綺麗に治るとは・・・全く驚きました。今後は自信をもって治療していきたいと思います。
経過写真をご覧になりたい方は本名,所属病院,職種を明記してメールでご連絡下さい。
- <ショウジョウバエ>五感のうち「四感」で人と共通点
以前,『昆虫―驚異の微小脳』という本を読んだことがありますが,昆虫の脳はすごいらしいです。針の頭ほどの大きさしかないのに,哺乳類の脳のように3つの部分に分かれた構造をしていて,驚くほど高度の情報処理を行い,的確な行動を指令しているのです。
- それにしても,日が長くなりましたね。
私は毎日,5時半に起床して仕事を始めます。当時の頃の5時半は真っ暗で7時になっても電灯を点けていないと仕事ができない状態でした。それが今日の5時半は既にうっすらと明るくなり,6時半には電灯を消しています。
まだ時々,真冬のような寒さが戻りますが,確実に春は近づいていることを実感しています。
- “検察内クーデター”説も出た西松建設事件
小沢バッシングが吹き荒れていますが,ようやくこのような分析記事も出てきました。「自民党に波及しない」という漆間巌官房副長官のオフレコ発言の真意も,これなら合点がいきます。
2009/03/12
- 【湿潤療法で改善を得られず,大学病院で従来のゲーベンガーゼに戻して傷が治ったという話を聞いたことがありますが,どうでしょうか?】という質問をいただきました。それへの回答です。
- 一昨日の「陰嚢部のガス壊疽」症例の経過写真(証拠写真)をご覧になられた先生方から,さらに感想が寄せられています。
- いやー、驚きました! 糖尿病がベースにある症例には治療に難渋することが多いですが、さらに便による汚染があってもこれほどまでにキレイになるとは思いませんでした。ヒトの持つ自然治癒力の偉大さを改めて知りました。
- 9月から10月の写真ではこれからどうなるんだろうという感じですが、一旦スイッチが入ると上皮化してくるんですね。参考になりました。
- それにしても、今回の症例は(いろいろな意味で)衝撃的な映像でした。
- 感動的な治癒の仕方ですね。便まみれでも大丈夫という貴重な経過をさせていただきました。
- またまたショッキング画像有難うございました。ショッキングというのはこの治癒力です。まさにamazingですね。
- 「普通はウンコでは感染しないよ」と言っても、なかなか信じてもらえないんですが、こう言う症例を見てもらえば一目瞭然ですね。Testisも一緒に壊死して落ちてしまうのかと思いましたが、上皮化するのですね。驚きました。
経過写真をご覧になりたい方は本名,所属病院,職種を明記してメールでご連絡下さい。
- グーグル書籍DB化 国内作家に戸惑い
考えてみるとわかりますが,本屋で立ち読みを全面禁止すると本は売れなくなります。中身がわからないものは買いようがないからです。立ち読みして中身がわかり,値段がその内容に見合うものと判断したからこそ,購入に踏み切れます。
「この作家が大好き! この作家の本ならどれも面白い」というのなら中身を見ずに買えますが,それ以外はまず中身をじっくり吟味することが必要です。
今回のグーグルによる「書籍データベース化」は「立ち読み」と同じだと思います。
2009/03/11
- 昨日の「陰嚢部のガス壊疽」症例の経過写真(証拠写真)を見られた先生方から次のようなご感想が寄せられています。
- 感動です!
- 「上皮化に時間がかかる⇒瘢痕拘縮」でないことを再確認した。
- 以前経験した同様の症例では除睾術とペニス切断を行った。そういう手術をしなくても治ることを早く知っていれば,しなくてよい手術だったと思う。
- 再生した陰嚢皮膚があまりにきれいで自然な質感なのにビックリ。
- 湿潤療法を始めてから,かなりのものが保存的に治るという実感は得てはいましたが, こんなにひどい症例でも保存的に治るのだということがわかり,勇気をもらいました。
- とりあえず局所の感染症状と敗血症さえコントロールできていたら,あとは乾燥を防ぐだけで治ることを再確認した。
- 便で傷が汚れても感染しないことがよくわかった。便汚染と言う概念自体を問い直す必要がありそうです。
- 驚きの経過です。これが治る治療法ならどんな感染創でも治ると思います。
経過をご覧になりたい方は本名,所属病院,職種を明記してメールでご連絡下さい。
- 《ブラッディ・マリー》という映画を紹介。アメリカの都市伝説を基にしたものですが,絵に書いたような低予算B級映画です。出来がすごく悪いです。
- 昨夜,いつもの居酒屋さんでマスターと話をしていて,「政治家として活動するための資格試験が必要ではないか」ということで意見が一致した。親が政治家だったと言う理由だけで,政治的能力がない人間が政治家になるのはおかしいし,何より,国民の迷惑だからだ。
経済,歴史などに関する一般常識に加え,日本語以外の外国語の初歩的会話能力(国会議員なんだから当たり前でしょう)なんかの試験があり,これに合格しない限り政治家にはなれないようにするのだ。そして,政治家として守らなければ義務,してはいけないことを明記しておいて,それに違反したらその時点で有無を言わさず免職にしますよ,というのをルールとして明文化しておく。
公務員になるにも警察官になるにも裁判官になるにも医者になるにも気象予報士になるにも資格試験は必要です。政治家はそれらとは比べ物にならないくらい大きな権力と金を扱う仕事ですから,資格制度にするのが当然じゃないかと思うのだ。ま,政治家の皆様は嫌がるでしょうが・・・。
2009/03/10
2009/03/09
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,福岡県北九州市の医療法人さいとうクリニック 斎藤猛彦先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 日経メディカル3月号に投稿論文『擦過傷をきれいに早く治す』が掲載されました。
- 以前にも取り上げたことのある漫画が『深夜食堂』です。つい買いそびれていた第3巻をようやく買いました。やはりいいです。
是非手にとって見てください。そしてあなたは「あさりの酒蒸し」に泣きます。
- 私は単身赴任中で,石岡ではアパート暮らしです。そのため,家具はなるべく買わない,持たない,という主義です。どうせいつかは引っ越すんだし,その時,邪魔になるだけだからです。
ちなみにテレビは7インチの小型テレビで,コタツの上に置いて見ています。AVOXというメーカーのもので,2年前に買ったときのお値段は6000円くらいでした。もちろん,地上波デジタル放送には対応していません。2011年7月24日にアナログ放送が終わってこのテレビが使えなくなることは知っていますが,それまで使えればいいかな,その後はワンセグが見られればそれでいいかな,テレビがなくても何とかなるかな・・・と。
要するに私にとってテレビは「音がないと寂しいから付けている」程度のものだからです。ないと困るのは地震速報が見られないことくらいでしょうか。
そういえば新聞も取っていません。新聞は私にとって「あったら便利だけど,なくても別に困らない」ものだからです。捨てるのも面倒だしね。生活がシンプルになってくると,「あると便利だけどなくても困らない」物が結構あったことに改めて気がつきます。
- 「アイデアあれば世界変えられる」ユヌス氏、神戸で講演
世の中を変えていくのは組織でも政府でも団体でもありません。変えていくのは,世の中を変えていこうとする明確な意識を持った個人です。飛行機を最初に作ったのも個人,テレビを最初に考えたのも個人,パーソナル・コンピュータを作ったのも個人,銀行というシステムを最初に作ったのも個人,株式というシステムを考案したのも個人でした。
- 愛称は「ウルトラマン空港」 利用客減少のピンチ救って
私は日本各地の空港を利用していますが(ちなみに利用したことがあるのは,札幌,釧路,青森,秋田,仙台,羽田,成田,松本,中部国際,関西,大阪,広島,山口,島根,高知,松山,北九州,福岡,熊本,天草,鹿児島,那覇空港),まだ使ったことのない空港の一つが福島空港です。
この福島空港ですが,調べてみると国内線は大阪(伊丹)が3往復,札幌が2往復と便数が少ないのが難点でしょう。便数が少ないと言うことは,機体トラブルが起きた時に代替機がなくなるからです。おまけに福島県の中心都市からちょっと遠いです(リムジンバスで福島駅から75分, 郡山駅から40分)。これでは恐らく,福島から京都に行くなら飛行機より新幹線を乗り継いだ方が早く着ける場合が多いような気がしますし,思い立ったらすぐに出発できます。空港の利便性は飛行機に乗っている時間の短さだけでなく,便数の多さ,空港へのアクセス時間の総合値です。
というわけで,いくらウルトラマンがいても利用者はあまり増えないような気がしますがどうでしょうか。
2009/03/06
- 「数日前に怪我をしたんだけど,知人(家族)からこの治療のことを聞いていたのでラップで治療をしていますが,これでしょうか?」という初診患者さんが結構います。また,市内の小中学校で養護の先生方が父兄に湿潤治療の説明をしたりを治療パンフレットを配ってくれているようです。
- 「褥瘡のラップ療法(OpWT療法)を病院で始めようとしたらWOCナースの反対で始められません。どうしたらいいでしょうか」という質問をいただきました。
- ソニーVAIOではない中国製ネットブック「VAINO」
写真を見て笑ってしまいました。さすが中国! VAIOの感じがよく出ています。SONYがネットブックを作ったら,多分こういう筐体になったんじゃないだろうか,と思わせる仕上がりです。
ちなみにキーボードの右下に見えるのはマイク端子とヘッドホン端子,そしてSDカード・リーダーでしょうか。そしてキーボードの右側には2つのUSB端子とLAN端子らしきもの,そして外部モニターへの出力端子がありますが,左側には端子らしいのが全く見当たりません(画像を見る限りでは)。なぜ左側に何も配置しなかったのでしょうか。ここにUSB端子が一つあってもよかったような気がしますが,まぁ,37,000円だし・・・。
- <ラナウイルス>カエルが大量死 08年秋、国内で初確認
現在,世界的に両生類に深刻な被害を起こしているのがツボカビですが,追い討ちをかけるようにラナウイルスが両生類に広まっているようだ,というニュースです。
両生類は環境の変化を最も受けやすい生物であり,昆虫などの捕食者であり,鳥類などの被捕食者です。そのため,このウイルスが両生類に広まると,生態系全体が重大な影響を受けることが予想されます。
2009/03/05
- 「接着剤つきの被覆材は創面に悪影響を与えないでしょうか?」という質問をいただきました。
- 400年来の謎、月面の発光現象解明へ
こういう現象があったんですね。知りませんでした。月表面で起きていることなんていつでも観測できるだろうと思っていましたが,そうではなかったようです。それにしても,こういう記事を見るとちょっとワクワクします。
- 以前は新しいソフトやハードの使い方を覚えるのが大好きで,それがちっとも苦ではなかった。新しいOSが発表されたらいち早く導入していたし,ソフトのバージョンアップには瞬時をおかずに対応していた。とにかく,コンピュータ業界の変化について行くこと自体が好きだったのだ。バージョンアップで新たに何ができるようになったのか,自分の目で確かめたかったのだ。
それがいつの頃からか変わってきた。できればOSはバージョンアップしたくないし,OSの新機能を使ってみたいとも思わないし,ソフトは今まで使っていたものを使い続けたいし,新しいソフトが便利だと思っても使い方をこれから勉強するのが面倒に思えてきた。
どうせバージョンアップしたところで,自分の脳みそが変わるわけじゃないし,バージョンアップしようが新しいパソコンに買い換えようが,仕事の内容が変わるわけでないし,もっと多くの仕事ができるようにもならないし,仕事のスピードも昔と変わっていないことに気がついてしまったのだ。
これが「歳を取る」ということなのだろう。
- 小沢代表支持を確認=衆院選控え辞任論再燃も-民主執行部
小沢さんという人は私の意識の中では,「田中角栄⇒金丸信⇒小沢一郎」というラインにいる人です。今回の政治資金規正法違反事件ですが,法律的には完全に合法,書類上も合法でしょう。実質的に違法なだけです。そして恐らく,同様のことは多くの自民党議員もしています。
検察がそれら全てを同様に摘発していくのか,一罰百戒でこれでおしまいにするのか,どちらなんでしょうか。
2009/03/04
- 「クエンティン・タランティーノ監督の映画大好き」人間にとっては破天荒な大傑作,「クエンティン・タランティーノって映画監督だっけ?」程度のファンにとっては凄いけどダラダラしすぎ,という映画。さあ,あなたはどちらでしょうか? 《デス・プルーフ》
- 怒涛のスピードで光文社新書の原稿校正をしています。他にも2つほど,雑誌からの依頼原稿があって締め切りが近づいています。1日24時間じゃ足りません。時間が欲しいです。
- 関東地方全域でも昨夜からずっと雪・・・ですが,外を見ても道路に積もっているわけでなく,雪国生まれの人間としては「これじゃ雪とは言わないな」という程度です。
2009/03/03
- ホラー風味の強いサスペンス映画,《モーテル》を紹介。ジワジワと迫ってくるような怖さを持つ作品です。ちなみにヒロイン役はケイト・ベッキンセイル。
- かんぽの宿売却問題は大疑獄事件の一端である
この問題を疑獄事件であると看破している記事です。要するに,法律を作った連中がその法律を利用して金儲けをしようとするのはルール違反なのです。
- 透明な頭をもつ深海魚デメニギス
巨大エイを発見、世界最大の淡水魚か
たまたま見つけた生物系のニュース2つ。
最初のニュースからは,深海にはまだまだ未知の生物がいるんだろうな,ということがわかります。それにしても,頭部が透明であるメリットはどこにあるんでしょうか。太陽光が届かない深海で光といえば,発光バクテリアを内部に共生させた生物の放つ光くらいしかないはずです。そういう世界で,頭部だけ透明にするという戦略をなぜ選んだのか,ちょっと思いつきません。
そして巨大エイ! これはマジ,でかいです。こういう巨大生物が生きられるだけの環境というのは,どれほど豊かな生物圏なんでしょうか。
2009/03/02
- 昨日(3月1日)は鹿児島市で開かれた第11回日本在宅医学会にシンポジストとして参加。久し振りに鳥谷部先生に会いました。元気そうで何よりでした。
前夜の懇親会場で偶然に大学の同級生と25年ぶりに再会。「お前,明日のシンポのシンポジストなんだって? そういう仕事をしているんだ」という感じで,局所的にちょっと盛り上がりました。
- このシンポジウム用に新たに作成したスライドファイル(20分バージョン)をご覧になりたい方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできます。
- というわけで,休みなしに月曜日の朝に突入しています。ちょっと疲れている感じです。
- 生活習慣病とメタボ腹「関連強くない」…厚労省研究班
以前から「これって嘘っぽいよな」と思っていたメタボリック症候群の診断基準でしたが,化けの皮が剥がれたという感じです。
どこが一番嘘っぽいかというと,内臓脂肪型の肥満は危ないよ,というのはいいとしても,それを「腹囲」で評価しようとしたたからです。これは要するに,肺炎の重症度を「痰の色」で評価しよう,血糖値を直接測定するのは面倒だから肌の色で評価できないか,というのと同じで,本質的議論を避けた指標でしかありません。
ちなみに,日本人のための「メタボリック症候群の診断基準」が5つもあるって,ご存知でした? 診断基準が5つもある症候群って何?
- 週末の移動の飛行機の中でずっと読んでいたのが,月刊誌『COURRiER』3月号です。中で一番興味を持ったのが,「”産まない”という選択で世界の未来はこう変わる」という特集記事でした。世界各国の人口動態と,その国で何が起きているかについての詳細なレポートで,非常に読み応えがありました。
出生率によってヨーロッパは4つの地域に分けられます。しかし,それぞれの国で取った対策は似ているのに,背景となる文化の違いから出生率増加に向かった国と,増加に向かわなかったりするし,「家族のつながりを大切にする」文化や伝統の強い国ほど出生率が低くなる傾向があったりと,一筋縄では解決しないことがわかります。
つまり,他国でうまく行った少子化政策を日本に持ち込んでも奏功しないだろうということが示唆されます。
さらに,人口減少が避けられない現実である以上,それを前提にした社会作りをしようという取り組んでいる地域もあるし,経済成長を善とすることそのものが間違っているのでは,と提言する研究者もいるようです。まさに百家争鳴という感じです。
ちなみに,1970年代,人口爆発の恐怖が連日語られていました。発展途上国でどんどん人口が増え,このままだと21世紀の早い時期に世界の人口は100億に達し,食糧生産が追いつかず,世界は深刻な飢餓に襲われる,という記事がいろいろな雑誌で報じられていました。
しかし,21世紀には入り,人口増加は続いていますが増加率は減少しています。発展途上国を含め,世界中で「地方(田舎)から都会へ」の人口流入が起こり,都市型ライフスタイルで暮らす人々の間で出生率が急激に減少しているからです。ちなみに,1972年の出生率は世界平均で6.0でしたが,21世紀初頭には2.9にまで減少しています。
- 財政のしわ寄せここまで…100歳急増でお祝いの銀杯縮小
というわけで世界中で次第に少子化が進んでいますが,日本で深刻なのはそれと同時に高齢化が猛烈なスピードで進んでいることです。1963年に100歳以上は150人足らずでしたが,今年は2万人を超える模様です。現実の変化に制度がついて行けなくなった,ということでしょう。
制度は人間が作ったものです。だから,現実が変わったら,それに応じて制度を変えるのも人間の役目です。