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2008/11/28
- まさに「新感覚アクション映画」,《アルティメット BANLIEUE 13》を紹介。ご都合主義の展開は気になりますが,冒頭10分間の主人公のしなやかで滑らか,かつ力強い体の動きは息を呑むほど圧倒的です。この部分は下記のYouTubeで見られます。
- 日を追うごとに,実は麻生総理は「政治が好きで,政治家であることも好きだが,政治とは何かも知らなければ,政治家としての能力も欠如している単なるおっさん」であることが露呈してきた。前回の自民党総裁選で彼が選ばれた唯一の理由は「選挙に勝てる顔だから」というものだったが,選挙の顔にもならず,しかも本人は「顔」ではなく「頭脳」だと思い込み,誰にも諮らずに勝手なことを口走っては周りを困らせているだけの「困った総理ちゃん」になってしまった。
おまけに,現在の自民党には「一度は総理になってみたい」人間はいるが,「総理として日本の政治を任せられる」人材が誰一人としていない,という状況なのである。2世,3世議員ばかり,家業としての政治家と言う連中ばかりになり,自民党に「政治」が本当にわかっている議員が払底してしまったのだ。要するに,自民党というシステム自体の制度疲労であり,政治家を育てるという機能を失ってしまったのだ。
2008/11/27
- 「週刊朝日」12月5日号に『傷は乾かさずに治療する』が掲載されました。
- 来年1月24日(土)に大阪市内で講演することが決まりました。会場など詳細については後日追加します。
- 昨日は,「週刊SPA!」の取材がありました。以前にも湿潤治療を取り上げていただいた雑誌ですが,ライターの方が自分で治療を体験してその治療効果を確認し,さらにもう一度取り上げてみたい,ということでの取材でした。
- 昨日報告した下肢熱傷の患者さんですが,予想通り,上皮下が進み,このまま何事もなく治癒しそうです。
何でこれを形成外科医は3度熱傷と診断したんでしょうか? 私には理解できません。まぁ,確かにゲーベンクリームを使い続ければ3度熱傷になったろうけどね。
- オカルト系のサスペンス映画,《サイレントノイズ》について。死者の声が録音テープから聞こえてくる,という設定の映画なんですが,オカルト臭が強すぎて私は楽しめませんでした。そんなもの,単なる雑音だろう・・・ってね。
- 麻生首相:高齢者医療費「何もしない人の分なぜ払う」
うわああ,また,言っちまったよ,おらが首相様。小さいころ,考えて話しましょうね,って教えてくれる人が周囲になかったんだろうね。生まれはいいけど,育った環境が悪かったんだね。
いずれにしても,生活習慣病と生活習慣病でない病気の違いもわかっていないし,生活習慣を正せば誰も病気にかからないと思っているんだろうな。もしかしたら,規則正しい生活をしていれば人間は死なない,なんて思っているのかも・・・。
自民党の皆様は,「総理,頼むから,何もしゃべらんでくれよ。黙ってろ!」と思っているんだろうな。
麻生政権になってから,官房長官の影が薄い・・・と言うか,官房長官の名前,知ってますか? 私は名前が浮かびません。これほど影が薄い官房長官というのも珍しいんじゃないでしょうか。それもこれも,総理が全て独断専行,誰にも相談せずに政策を発表しているからです。だから,麻生さんが口を開くたびに周囲は「それ,聞いてないよ」と右往左往し,「言う前に一言相談しろよ」と舌打ちするしかないのです。
- 以前,北海道限定のお菓子「じゃがポックル」を見つけて送ってくれた方(2008年9月8日の記事をご参照ください)から,旭川空港で新しい姉妹品が売られています,ということで早速お菓子が届きました。。
- じゃがピリカ・・・来年2月までの限定販売らしいです。3色のクルトンのような外見とサイズで,さくさくした歯ごたえが楽しいです。
- いも子とこぶ太郎・・・ホタテ風味のポテトチップスと歯舞昆布(乾燥させたもの)という最強コンビの組み合わせ! これは美味いです。やばいくらい,ビールに合います。
2008/11/26
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,福岡市のおおた整形クリニック 大田博人先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- パラダイムシフトに際しては,「旧パラダイムの専門家だけが変化についてこれず,死ぬまで古いパラダイム(=古い治療)を守り続ける」,という現象が見られますが,まさにそれを証明するような症例(下腿と足背の熱傷の乳児)が受診しました。某病院の形成外科医からは
「治療にはゲーベンクリームを使用している。足背は3度熱傷で植皮が必要と母親に説明したところ,それはおかしいのではないかと抗議を受けた。しかし,植皮をしなければ必ず運動障害が起こるので,植皮が必要である。しかし母親の希望もあり受診させる」
というような内容の紹介状がありました。ま,紹介してよこすだけ良心的だけどね。いずれにしても,この紹介状を読むだけで,この形成外科医が母親(=医療の素人)より「熱傷治療に関する情報収集能力がない」ことが明らかです。
いずれ写真つきで経過を紹介しようと思いますが,これのどこが3度なんだよ,仮に3度だとしても何でこれに植皮をするんだよ,という程度の熱傷です。深い部分の面積はせいぜい0.5%以下と小さいし,プラスモイストで覆っておけば,10日から15日の間に確実に治りそうですし,恐らく瘢痕拘縮も起こさないでしょう。この熱傷を3度熱傷と診断するなんて,本当の3度熱傷を見たことがないんじゃないでしょうか。
こういう形成外科医にかかるくらいなら,素人がラップで治療したほうが速く確実に治すことができます。現時点では,熱傷治療では熱傷治療の専門医が素人より知識がなく,遅れた治療をしているわけです。
というわけで,(一部の形成外科医を除く)形成外科医と熱傷治療専門医は恐らく,死ぬまでゲーベンクリームにこだわり,消毒と軟膏ガーゼの熱傷治療を守り,消毒で感染を防ぎ続けることでしょうし,次のように言い張り続けるでしょう。
- 消毒して感染を防ぎ,軟膏ガーゼで治療をするのが常識だ。
- 「消毒せず,乾燥させない」なんて熱傷治療は非常識だし間違っているに決まっている。
- 小さな面積でも植皮をするのが正しい治療に決まっている。
- ゲーベンクリームは治療薬と決まっているから治療薬だ。治療薬が熱傷を深くすることはありえない。治療薬だからだ。
- ゲーベンや消毒が痛いというのは間違っている。これらは痛いものであり,痛くても使うのが治療であり,患者はその痛みを我慢するのが常識だ。
医療の素人の方でも,上記の論理のどこが間違っているか,わかりますよね。こういう論理にこだわるのが「旧パラダイムの専門家」なんですね。だから,馬鹿は死ななきゃ治らない,って言っちゃ駄目だよ。
ちなみに,診察室に入ってから泣き通しだった患者さんですが,べっとりついていたゲーベンクリームを洗い流し,白色ワセリンを塗ったプラスモイストを張ってあげたら,診察室を出ることには泣き止んでニコニコ顔になっていました。だから言ったでしょう? 「ゲーベンクリームは痛くてたまらない,しかも傷を深くする」って。
2008/11/25
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,福岡県久留米市のおごう医院 淡河 治先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 先週金曜日は第1回 南西多摩手術手技研究会で講演でした。会場はほぼ満席で多数の先生方、看護師さんたちがお見えになり、質問も多数いただきました。
その後は東京医大耳鼻科や形成外科の先生方と懇親会となり、ここでもいろいろな話をさせていただき、さらにその後2次会に突入。ホテルに戻ったときには日付変更線をはるかに越えていました。遅くまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
そして一日おいて23日(日)は茨城県獣医師会臨床部会で講演。ここでも通常の同会合の参加者の倍以上の人が参加されたそうです。
そして6人の先生方と懇親会。ここでも和気藹々な会話がとても楽しかったです。以前から知り合いの一人の先生が「この治療,本当にすごいんだってば。一度やってみるとわかる。本当にビックリするぞ。唯一の欠点はすぐに治っちゃうから儲けにならないことだな。デモ本当にすごい治療だぞ」と周囲の先生に話されていたのが印象的でした。
- 素材的には悪くないんだけど,低予算のくせに工夫と言うものをしないもんだから無残な駄作になってしまったよ・・・という典型例,《デビルズ・アイランド》について。
- 先週21日のこのコーナーで,皮膚科の治療体系そのものがおかしいのでないか,と書きました。その理由は「皮膚科の知識が全くない医者で治せる皮膚疾患が,皮膚科専門医で治せていない」という現実があるからです。では,どうしたらいいのか。私の考えでは次世代の皮膚科学は次のようにして再構築されるべきです。
- これまでの皮膚科の常識を全て捨て去る。
- あらゆる皮膚疾患を閉鎖療法のみ(プラスモイストやハイドロサイトで被覆し一日一回交換,あるいは白色ワセリンの頻回塗布)で治療してみる。もしもこれで治ったら,その治癒過程を分析し,その疾患の正しい病態像を構築する。
- 上記で治らない場合,それでどのような変化が起きたのか,改善しないのはなぜなのかを,過去の常識に頼らずに分析する。
- その分析を元に,必要な治療を探る。このとき,既存の軟膏の組み合わせで何とかしよう,なんて発想をせずに新たな治療薬で治そうと考える。
- 一方で,軟膏は油脂性基剤を基本にし,クリーム基剤,ローションタイプの薬剤を開発する場合は,基剤によって病状が悪化しないことをまず確認する。悪化する場合はその基剤を廃棄する。
- 薬効成分の有効性は,基剤(白色ワセリン,プラスチベース,精製水)との比較で行う。そして,基剤単独よりも治療効果が確認されたときのみ,それを治療薬として開発する。
2008/11/21
- 皮膚科に何ヶ月通っても湿疹が良くならず,逆に広がって困っている,という患者さんが受診されました。両側下腿の広範な湿疹(接触性皮膚炎でいいのかな?)があり,痒みがひどいとのことでした。
そこで,馬鹿の一つ覚えとばかりにプラスモイストを貼付しました。2日後には痒みは全くなくなり,滲出液もほとんどなくなり,患部はほぼ上皮化していました。
こういう症例,実はすごく多いのです。こういう症例を見るたびに,もしかしたら,現在の皮膚科の軟膏を基本とした治療体系はどこかおかしいのではないかと感じてしまいます。疾患の病態像分析そのものが間違っている可能性が高いからです。
何が間違っているかというと,治療方法そのものが病状を悪化させたり,病状を修飾しているからです。基剤がクリームだったり高浸透圧の軟膏を治療として患部に塗ればそれだけで病状は悪化しますし,水疱性疾患の患部をガーゼで覆えば患部の乾燥のために病状は悪化します。
しかし,それに気がつかずに治療をしていれば,基剤やガーゼによる悪化は「自然の病状の変化による悪化」に見え,それが「病気の自然経過」に思えてしまいます。これが「治療法による病態の修飾」です。要するにこれは,糖尿病治療薬の中に血糖を上げる成分が含まれているようなもので,その薬を飲ませて血糖が下がらないことを「糖尿病の自然経過」だと勘違いするのと同じです。
なぜこのような現象が起きるかというと,これまでは主剤の薬効の有無だけが注目され,基剤の問題がないがしろにされてきたからです。主剤に薬効があるから治療薬だ,という論理で治療体系が組み立てられてきたからです。
これは次のように考えればよくわかります。「安全性が確認されている食材で作った鍋なら安全か?」という命題です。有害物質が全く検出されない食材(=主剤)をいくら揃えても,それらを煮る水(=基剤)に砒素や有機水銀(=クリームや高浸透圧基剤)が含まれていたら,出来上がった料理は安全ではなく人体に有害なものとなります。
さらにここで面白いのは,私は皮膚科の知識はほとんど持っていない点にあります。何しろ,この患者さんの下腿の所見をなんと表現すればいいのか,何という病気なのかすら知らないのです。しかし,病気のことを一切知らないのに,なぜか治せるし,実際に治っているのです。ということは,少なくともこの患者さんの治療に関しては,これまでの皮膚科の専門知識は全く無効だと言うことになります。つまり,「専門家は診断できるが治療できず,素人医者は診断はできないがなぜか治せる」のです。
まさに,医学における怪奇現象なんですが,なぜこのような怪奇現象が起こるかを説明しようとすれば,皮膚科の病態分析自体がおかしいから,治療体系そのものがおかしいからだと結論付けざるを得ません。もちろん私は,皮膚科の全ての疾患がそうだと言う気もないし,個々の皮膚科の先生を非難しているわけでもありません。現実として,こういう現象が起きているということを言っているだけです。
以前から,皮膚科の治療薬,熱傷の治療薬に新薬が発売されないことを不思議に思っていました。他の分野の治療薬はどんどん新しい薬が発売されているのに,なぜか皮膚科の治療薬だけは数十年前のものが使われていて,新薬と入れ替わることがありません。古くても効果があるから使っているのだ,という解釈もあるでしょうが,私の目には「新薬が開発されないから,薬の新陳代謝が起きていないだけではないか」と映るのです。
どこかで「皮膚科の治療体系はもう完成され,新しいことは何一つ必要ない。これまでの軟膏を使っていれば全て治るのだ」という発想がどこかにあるからではないでしょうか。だから,製薬会社もあえて新薬を開発しないのではないでしょうか。
今ある軟膏類を後生大事に使っていくという道もありますが,恐らくその先には未来も発展もありません。現在の治療以上の治療効果を求めるなら,根本的な発想を変えるしかないのです。要するに「皮膚科とは軟膏で治療する診療科である」という定義すら考え直すべきなのです。
「湿疹は皮膚科の軟膏では治らないけれど,あそこの神経科医院に行くと肌色のシートを張ってくれてすぐに治るよ」という時代になってからでは,もう遅いのですから・・・。
- 「だからこの映画,何なんだよ!」と,観た者が途方にくれること間違いなしという不条理系映画,《HOLE ホール》を紹介。主演の男優さんの鬼気迫る演技は鳥肌物ですが,それ以外はすさまじく退屈な映画でした。
- 「軽さ」際立つ首相発言=失言と軌道修正-与野党が批判
漢字が読めない麻生総理でも,「綸言汗の如」という漢書の言葉はご存知だと思う。「りんげん あせのごとし」と読む。「出た汗が体内に戻らないように,一度口から出れば取り消すことができない」という意味である。議員時代には放言でも失言でも漢字の誤読でも笑って済ませてもらえたが,一国の総理となると放言・失言は命取りになる。そういう基本的なことを教えてくれるブレーンがいないんだろうな,麻生さんには。
いずれにしても,【小泉>安部>福田>麻生】と,総理の言葉がどんどん軽くなっているような気がする。
以前にも書いたけど,2代目,3代目のお坊ちゃまじゃ,駄目なのである。江戸時代の商家だったら潰れている(10月6日の更新記事)のである。
2008/11/20
- 現在,60代男性のフルニエ壊疽 (Fournier's gangrane) ,つまり会陰部から外陰部にかけてのガス壊疽を治療中です。右殿部から陰嚢にかけて広範な膿瘍があり,切開排膿をしました。皮膚の壊死もあり,陰嚢の皮膚はかなり失われ,両側の睾丸が完全露出状態になりました。さあ,どうしましょうか,という状態です。皆様ならどうしますか?
その後,治療はただひたすらOpWT(穴あきポリ袋+紙おむつ)で覆うだけ。フィブラストも軟膏も一切使用していません。下痢がひどく,しばしば睾丸がウンコの海に漂う日々が続きましたが,それでもまったく感染することなく経過し,発症から3ヶ月くらいで睾丸の2/3くらいの部分が再生した皮膚で覆われる状態まで回復しました。
いずれ,完治した時点で経過を発表したいと思いますが(場所が場所なんで,写真は無理ですけど),よくここまで回復したとビックリしています。それと,便汚染と創感染はまったく無関係であることもよくわかりました。
- 坐骨結節の褥創について考えてみたこと。
この褥創に対し積極的に手術をしている形成外科医が多いが,それに対しての批判はすでに書いたとおりである。今回はそれとは別に,この褥創の本態について考えてみたわけだ。
坐骨部褥創は脊髄損傷(脊損)の患者さんにだけ発生し,それ以外の人には発生しない。つまり,脊損でない人には坐骨部褥創は発生しないし,脊損でなければ坐骨部褥創を心配する必要はないし,予防する必要もない。
つまり,坐骨部褥創の発生に脊損は必要条件となる。ということは何を意味するか。「脊損と言う障害の一部分症状が坐骨部褥創だ」と言うことになる。要するに,脊損に伴うさまざまなトラブル(=下肢が動かない,下肢の知覚がない)の一つが坐骨部褥創であり,脊損と無関係に発生する坐骨部褥創はないということだ。
だから,脊損が治れば坐骨部褥創は治ることになる。逆に,脊損であれば,いつ坐骨部褥創が発生してもおかしくない。つまり,脊損が回復不能である限り,それに伴う坐骨部褥創は「根治」という状態はないことになる。褥創がない状態はあるが,それはあくまでも「Pre-坐骨部褥創」であることに変わりはない。
さてここで,肺炎球菌による肺炎を考えてみよう。細菌性肺炎にとって咳嗽は一部分症状である。もちろん,「脊損=肺炎球菌」,「坐骨部褥創=咳嗽」というアナロジーが成立する。
細菌性肺炎の治療のターゲットは肺炎球菌であり,抗生剤投与をすれば肺炎は治る。しかし,一部分症状である「咳嗽」にターゲットを定めて咳止め薬をいくら投与しても肺炎は治らない。当たり前である。
だから,細菌性肺炎の治療のターゲットが肺炎球菌であるように,坐骨部褥創の治療のターゲットは本来,脊髄損傷でなければいけないはずだ。しかし,現時点では脊損は治療不能である。そういうわけで,坐骨部褥創の手術はあくまでも対処療法に過ぎない,という位置づけになる。
というわけで,脊損の坐骨部褥創を治療するのは,細菌性肺炎に鎮咳薬だけを投与するのとまったく同じと言う結論になる。
- 「首相 社会常識欠落の医師多い」
恐らく,日本全国の医学系インターネットサイト,ブログ,メーリングリストで引用されまくり,罵倒されまくっているであろう麻生総理大臣の発言です。こんなことを言ったら「社会常識欠落の政治家が多い」って罵倒ネタにされること,何で気がつかないんだろうか。この人,頭はいいかもしれないが言葉が軽い。
漢字が読めないくらいならお笑いで済ませることもできますが,「社会常識が欠落」している人間が国のトップにいるのは困ります。もうちょっと社会常識を勉強されてから総理になられたほうがよかったかと存じます。
それにしても,麻生グループの病院といえば麻生飯塚病院です。私も一度講演で訪れたことがある病院ですが,非常に熱心な先生が多くすばらしい病院でした。同院の先生方,怒りまくっているだろうな。
麻生総理を一言で言えば,「生まれはいいが育ちは悪い」だ,と先週の「モーニング」の漫画にありました。うまい! 漫画好きの麻生総理,お読みになったかな?
- 与野党のトップである麻生さんと小沢さん,なんだかよく似ているのである。ともに,他人の意見を求めず,独断専行で,根回しが嫌いで,ほとんど思いつき(と思われる)で政策を口に出してしまう。その結果,実務を担当する現場から文句が出て,そのため発言が二転三転する。このあたり,お二人はそっくりだ。
2008/11/19
- 昨日は「日経メディカル」の編集の方と面談。「プラクティカル講座」というコーナーで3~4回連載することが決まりました。一番最初の掲載は来年の2月10日発売号になりそうです。
- ジェット・リー(中国出身のアクションスター)のための,ジェット・リーによる,ジェット・リーのための映画,それが《ザ・ワン》だ。何しろ,ジェット・リーがジェット・リーと戦うのだよ・・・ってな映画でございますから・・・。
- Acer Aspire Oneですが,先週の山口での4時間半の新幹線移動にあわせて,大容量バッテリーを購入しました。2時間の映画DivXファイルを連続再生し,その後,音楽を聴きながら文章を書いたりして4時間半休みなく連続使用しましたが,それでも40分以上バッテリー残量が表示されていました。これなら,東京から博多までずっと使っていても大丈夫そうです。
2008/11/18
- 「こんな質問をいただきました」に「高齢寝たきり患者の難治性下腿潰瘍の治療」を追加しました。
- 「こんなの買っちゃった」に「ポメラ」の感想を追加。日常的に文章を書き続けている人には,極めて有用なデジタルがジェットです。
- 「端にも棒にもかからない」級の駄作クズ映画,《リリス》を紹介。何で私,こんなDVDを借りちゃったんだろうか?
- 忘年会用に練習している『ショパンの第3ソナタのフィナーレと巨人の星のテーマの交響的融合』ですが,ほぼ,通して弾けるようになりました。中年後期オヤジでも頑張れば何とかなるものです。数箇所,指が滑りがちになる場所がありますし,テンポももうちょっと速く弾きたいし,メロディーがきれいに出せない箇所も残っていますので,さらに練習を続けようと思っています。弾けなかった曲が弾けるようになるのは,何歳になっても楽しいものです。
この曲のおかげで,長らく錆び付いていた私の指がゆっくりと蘇りつつあります。十数年ぶりにドビュッシーの『花火』を弾いてみましたが,結構弾けることに自分でびっくりしていました。この曲の作曲者,東●大学病院内科の近藤先生に感謝,感謝です。
2008/11/17
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,青森県青森市のあおもり協立病院 内科 坂戸慶一郎先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 『<宗教化>する現代思想』(仲正昌樹,光文社新書)の感想です。これは面白い本です。
- 昨日は山口県国保地域医療学会で講演でした。いつもの会合より広い範囲から集まり、参加者も多かったそうです。多数お集まりいただき、ありがとうございました。講演後に質疑応答の時間が取れなかったのが心残りです。
そしてその前夜はお二方の先生他と一緒に会食。山口といえばフグというわけで、フグちり鍋とフグのヒレ酒を心行くまで堪能させていただきました。地酒もおいしかったです。遅くまでおつきあいいただき、ありがとうございました。
そういえば、今回の移動は新幹線で東京から新山口まで片道4時間半乗っていましたが、ちょうど座席の下にAC電源がある座席(往復ともに6号車の6E)だったため,充電切れを気にせずパソコンで映画が鑑賞できました。
東北新幹線にもこういう車両が欲しいです。
ちなみに,昨日は講演終了後に石岡に戻ってきましたが,18:13東京着の新幹線を降り,上野18:30発の常磐線に乗れました。ちょっと危なかったです。
- 週に一回はどこかのホテルに泊まっているが、ホテルの朝食というやつがちょっと苦手である。新聞もテレビもないからだ。実は私、一人で食事をしているときには活字か映像がないと食べられない人なのである。「ホテル最上階からの眺めを楽しみながらの食事」が好きな人もいるだろうが、私はどんな美しい風景でも数分で飽きてしまうため、風景しか見るものがないと手持ちぶさたになってしまう。
でも、手元に新聞やマンガ雑誌、週刊誌があったらもう大丈夫。とにかく、下らない情報でもいいから、食べている際も何か情報に触れていないと食べた気がしないのである。だから、ラーメンでも食べるか、なんて時はまずコンビニに立ち寄って週刊誌をを購入し、という手順が必要になってしまう。何か読んでないと食べられないのだからしょうがないのである。多分、貧乏性なんだろうな。だから、高級ホテルのレストランで一人で食事、なんてのが一番困るんだ。こういうところには新聞もマンガ雑誌も置いてないし、テレビもないからね。
だから,バーのカウンターに一人で座ってお酒を飲むのも実はちょっと苦手である。情報が何もなくて飽きちゃうからだ。それよりは,ファミレスみたいなところで漫画の本でも飲みながら酎ハイでも飲んでいるほうがずっとお酒がおいしいんだよ。
そして,「バーの一人酒」以上に苦手なのが,「隣に女の子が座ってくれる」お店である。あ~あ,やっぱり貧乏症だな。
2008/11/14
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,うめだDMクリニック 梅田芳彦先生,東京都青梅市の青梅市立総合病院 神経内科 原 健先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 先日,「彫刻刀で陥入爪,爪下血腫を治療」という工夫を紹介しましたが,さらに読者の方から次のようなメールをいただきました。
私は自分の陥入爪を,女性がネイルケアに使う「貝印・甘皮リッパー抗菌」という商品で治療しています。三角刀に似ていますが、小さくて取り回しがよく、狙ったところがしっかり削れます。また、先が丸いので誤って怪我をする心配が少ないように思います。
ということだそうです。これも男には思いつかない発想ですね。情報,ありがとうございました。
- 傑作サスペンス映画,《ゾディアック》を紹介。これは本当に面白いです。よくできた映画です。150分があっという間に過ぎました。
- 明日は午前10時過ぎに石岡駅を出発し,新幹線で新山口駅に移動。そして,16日(日)の午前中に講演,その後また新幹線で東京に戻る予定です。片道6時間,1,113キロの移動です。
宿泊予定の湯田温泉のホテルはどうやらLANが設置されていないようですが,e-mobileのエリアには入っているため,ネットは使えそうです。よかった!
2008/11/13
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,静岡県磐田市のあんざいクリニック 安齊 正興先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 久しぶりにアンケート。「周囲の医師たちの湿潤治療の認知度」です。
- 11月13日は「茨城県民の日」で,どうやら公立学校はほとんど休校になるらしいです。秋田県生まれの私は「県民の日? 何じゃそりゃ?」という感じなんですが,調べてみると,群馬県の日(10月28日)や埼玉県民の日(11月14日),千葉県民の日(6月15日),東京都民の日(10月1日)にはそれぞれの公立学校が休校になるらしいです。知らなかったなぁ。
- いつもの居酒屋でのマスターとの会話。
- 定額給付金の問題なんですが,要するにこれで人気を取って解散選挙にもっていこうという意図がミエミエなんですよね。
- なるほど,「金をばらまいて票を買収しよう」という選挙違反を首相官邸主導でやっているわけだ。
- 一人の立候補者がこれをやったら犯罪だけど,政府ぐるみでやると犯罪に見えなくなる,というトリックなんですが,不況からの脱出という大義名分で誤魔化しているんでしょう。2兆円で票が買え,政権が維持できるんだったら安いもんですよ。
- でも,世論調査ではこの給付金に対し,不支持が多いよね。
- 国民も馬鹿じゃないです。貰えるものなら貰っておくけど,それで投票はしないよ,と考えてますよ,みんな。
- 多分麻生さんは,12月中に給付して人気を取り,1月投票という政治日程を考えているんだろうけど,これはどう?
- 時間が足りなすぎますね。本来なら金券を配る方式がいいのでしょうが,金券を印刷する時間はありません。銀行口座に振り込むといっても振り込み手数料の問題もあるし,経済浮揚効果は薄くなります。現金手渡しが簡単でしょうが,路上強盗が増えるんじゃないでしょうか・・・何しろ不況でおまけに年末ですから。いずれにしても,全国規模でやるのですから,半年くらいの準備期間は必要だと思いますよ。でないと,窓口になる市町村は大混乱でしょう。
- まさに,大金持ちのお坊ちゃまがよく考えもせず,行き当たりばったりで提案した政策なんだろうね。
- これは要するに,赤字続きの会社で,「社長を支持してくれ」とボーナスを出すようなものです。社員がほしいのはボーナスじゃないんですよ。
- そりゃ,そうだな。ボーナスよりは,経営を安定させてほしいよな。ちなみに,銀行振り込み方式になりそうだけど,これって景気浮揚に役立つと思う?
- 無理でしょうね。だって,気がつかないうちに銀行講座に18,000円振り込まれたとして,その18,000円だけおろして使おう,とは思いませんから。だから,景気浮揚効果はおそらくゼロでしょう。もしもこれが金券だったら,取っておいても単に紙くずになるだけですからとりあえず使うしかありません。これなら経済が動きます。
- 大体,今回の財源の2兆円だって元はといえば,俺たちが払った税金だもんな。要するに,「今月だけ税金を18,000円安くしますよ」というのと同じなんだ。
というところで,もうちょっと酒税を払うから,日本酒,もう1本,冷でお願いね。
以上,物知りマスターと酔っ払い客の雑談でした。
- 話題の「ポメラ」が手元に届きました。作りはしっかりしているし,かなり使えそうです。もう数日使ってみてから,感想を書こうかと思いますが,私のように「いつでもどこでも文章を作りたい」という人間には最適のツールじゃないかと思います。ちなみに,定価は27,000円ですが,19,000~20,000円台で得られていて,「楽天」では売り切れのお店が多いようです。
2008/11/12
- 「医療の素人・単なるサッカーファン」という方から「私,彫刻刀で爪下血腫と陥入爪を治しています」というメールをいただきましたので,その驚きの方法を公開します。プロにはこういう発想は絶対にできないという方法です。実にすばらしいです。
こういう常識を超えた発想に出会うとうれしくなります。
- 昨日は集中出版社の取材がありました。病院経営者のための医学雑誌,「MediCon.」を出版している会社です。
- 医局の私の周囲半径3メートルくらいで静かな感動の波紋を広げている漫画,それが『深夜食堂』です。ビッグコミックで連載中ですが,作者の異色の経歴(CMディレクターをしながら40歳で漫画家としてデビュー),独特の画風とあいまって,大人にしかわからない燻し銀のような深みを醸し出しています。
2008/11/11
- 昨日から本日昼まで兵庫県立粒子線医療センターの丹羽先生ほか3名見学に見えられています。遠くからご苦労様です。
- 講演で使用するスライドをマイナーバージョンアップし,11月7日作成のものが最新バージョンとなります。
以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますし,新たにダウンロードをご希望の方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
- 10年以上前の映画ですが,丹念に作り上げたプロットの見事さが今でも新鮮な傑作ホラー,《スクリーム》を紹介。
- ●麻生首相、法律による所得制限しない方針 定額給付金
以前から言葉の軽い人だなと思っていた麻生さんだが,これほど軽いとは・・・と唖然としたのが,今回の「定額給付金」だ。何しろ,口を開くたびに異なることをしゃべるのである。多分この人は,思ったままを適当にしゃべっているだけじゃないだろうか。少なくとも「定額給付金」については,深く考えた上での提案ではなかったと思う。だから,閣僚から「それでは少ない」,「高額所得者まで配るのはおかしい」,「所得の制限をどうやって決めるのか」・・・という指摘が閣内から上がり,そのたびに発言を修正している。閣内不一致の典型であり,内閣を統括する内閣総理大臣という役職が機能していないことを示している。
小泉さんの言葉も軽かった。その場しのぎの言い逃れ答弁が多かった。唯一あったのは「言葉の勢い」だった。麻生さんの場合には,勢いもなく,上っ面だけでわかったフリをしていることがミエミエの軽い発言しか聞こえてこない。
それもこれも,麻生さんは本質的に「選挙に勝つための自民党総裁」として選ばれたからだ。自民党,そして麻生さんとしては,〔国民的人気の麻生内閣発足⇒早期解散⇒自民党勝利〕という構図しか考えてこなかったからだ。だから,実は人気がなく,支持もされていないことが明らかになった時,打つ手がなくなってしまったのだろう。
おまけに,総選挙になることだけを考えて任命した閣僚ばかりなので,世界的経済危機だというのにそれに対する動きはのんびりとしていて,危機感は感じられない。
2008/11/10
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,福岡県二丈町の整形外科くどうクリニック 工藤勝司先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- というわけで,Acer Aspire Oneを使い始めて1週間たちますが,特にストレスなく使えています。現在までにインストールしたソフトは次の通りですが,一部のものを除いてフリーソフト,つまり無料ソフトです。
- OpenOffice・・・ご存知,マイクロソフトのオフィスの互換無料ソフト。凝ったことをしなければ,これでWord,Excelは不要になります。
- Microsoft PowerPoint・・・とは言っても,OpenOfficeのプレゼンソフトではアニメーションなどの動きが完全互換ではないため,講演用スライドを作るにはどうしてもこちらが必要になります。
- Wz Editor Ver.6・・・「秀丸エディタ+HTMLマクロ」も使ってみましたが,長年Wzに慣れているため,どうしても違和感があり,結局こちらに落ち着きそうです。現時点ではベストの選択ではありませんが,ベターの選択です。ま,いずれ,HTML作成支援マクロもできることでしょう。
エディタというのはたとえて言えば,日本人にとっての醤油,味噌みたいなものなので,いったんその味に慣れてしまうと,別の商品に乗り換えるのが難しいようです。
- Dさんの長押しIME起動2・・・かなり昔から使っている小技の利いた超便利フリーソフト。キーをちょっと長く押すことで日本語入力(IME)のオン・オフの切り替えができるソフトです。英単語交じりの文章を書くのに手放せない逸品です。
- AVG anti-virus free edition・・・ご存知,無料のウイルス対策ソフト。
- Orchis Launcher・・・デスクトップにアイコンを置かない(ゴミ箱のアイコンすら置きたくない)主義なので,ソフトやファイルに瞬時にアクセスできるランチャーソフトは必須です。このOrchisはランチャーとしての機能はほぼ完璧ではないかと思います。これで「付箋機能」があったら完璧なんだけど・・・。
- FFFTP・・・これも10年以上前から使っているFTPソフトの最新版です。ホームページの更新にはなくてはならないものです。
このAspire Oneはパームレストの部分が結構熱くなります。かといって,市販のパームレストは大きすぎてすぐに外れてしまい,いまいち使いやすくありません。こういう場合は,パソコンショップなどで売っている「耐震用両面粘着ゴム」を代用できます。 Asire Oneの場合,40×40ミリのサイズで一番安いものを購入し(耐震用・・・に使うわけじゃないから),2枚並べてまとめて「未滅菌ロール状粘着フィルム(例:パーミロール)」ど覆うとちょうどよいサイズになります。見栄えは悪いけどね。
2008/11/07
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,曽川医院 曽川慶同先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 「9.11」前夜のアフガニスタンを舞台にした完動のセミドキュメンタリー映画,《カンダハール》を紹介。
- ううむ,困った。Wz Editor Ver.4インストール用のCDが見つからないのだ。このエディタは長年使っていて私の手足の一部みたいになっているのだ。何しろ,その前身のVz Editor,さらにその前身のEz Editorがフリーソフトとして世に出た頃からのユーザーなのである。文章を書くすべての機能をバランスよく持っているし,何より,マクロを組み込むことで強力無比なHTMLエディタに変身するのである。このホームページもこれまで執筆したあらゆる論文,書籍もこのエディタで作ってきたのだ。それが新しいパソコンに組み込めないのだ。
そういうわけで,新しく開発されたWz Editor Ver.6を入れてみました。文章作成のための機能はやはり強力で,使いやすく,その点では満足しているのですが,HTMLエディタとしての機能は「Ver.4+HTMLマクロ」より明らかに劣っていて使いにくいのです。Ver.4で簡単にできていたことができないのはさすがにかなり問題です。しかも,マクロの仕様が一変したため,これまで使えたマクロが一切使えなくなっています。
HTML編集マクロ,どこかにないのかなぁ? Vz Editorの頃だったら,自分でマクロを作っていたんだけど,この歳になって新しいプログラミング言語を覚える時間的余裕はないんだよな。
2008/11/06
2008/11/05
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,千葉県市川市の市川整形外科内科 山元康彰先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 昨日は同じ茨城県内の神立病院の中村先生と二人の看護師さんが見学に見えられました。
- 「こんな質問いただきました」に「会陰切開とその後の縫合は必要?」を追加しました。
- 昨日このコーナーで,熱傷治療について「専門医でなければ治療できない外傷から,専門医でなくても治療できる外傷へ」という変化が起こるはずだと書きましたが,このような変化は社会普遍の現象と言えます。
例えば,昔は桁の多い計算の結果を早く出そうとしたらソロバンしか方法がありませんでした。しかしソロバンで計算ができるようになるまでにはかなりの修練が必要ですし,誰でも簡単に速く計算できる手段ではありませんでした(実際私は,小学校の頃習った覚えがありますが,最後まで習得できずじまいでした)。
しかし,電卓の出現で桁の多い数の計算は,誰でも瞬時にできるようになりましたし,電卓での計算法を学ぶ必要もありません。数字が読めて四則演算の記号さえわかれば幼稚園児でも答えが出せます。同時に,ソロバンを習う人の数も激減しました。難しくて複雑な方法より,簡単でシンプルな方法が選ばれるのは当然だからです。
文字が読めない人が多い社会なら,文字が読めるだけで商売になります。しかし,教育が一般的なものになり,誰でも文字が読めるようになると,文字を読むことで商売にしていた人は失業します。だから,文字を読んで商売にしていた人にとって,義務教育は商売敵ということになりますし,失業の直接の原因はまさに義務教育化だったことになります。
しかし,社会全体から見れば,失業者を生むかもしれないけれど,皆が文字を読める社会になったほうがはるかにメリットがあります。
同様に,熱傷専門医だけが熱傷を治療できる世の中より,内科医でも精神科医でもとりあえず治療ができて簡単に治せる方法が普及した世の中のほうがいいに決まっています。
こういう簡単な原理がわからないのが熱傷治療の専門家と大学の形成外科です。なぜわからないかは,皆様,わかりますよね。
2008/11/04
- 11月1日は第21回青森県総合医学術集会で講演(青森市),そして翌日は下北半島の大間町に移動してむつ下北地区地域医療研究会で講演でした。いずれも用意された席は満席で質疑応答も活発でした。多数ご参加いただきありがとうございました。
講演後はお約束の懇親会ということで,青森市と大間町で地酒のお魚,堪能させていただきました。特に,青森では数年ぶりにフジツボを食べましたが,大粒で美味でしたし,その他のお刺身なども美味しかったです。
翌日は「マグロのメッカ」大間町。もちろん懇親会はおすし屋さんで,いきなりのマグロ! 下北半島の北端までやってきた甲斐がありました。脱帽です。
というわけで,先週は金曜日,土曜日,日曜日と3日連続で講演⇒懇親会⇒移動⇒講演⇒・・・の連続でした。こうなると,食事はどうしても宴会食か駅弁になり,高蛋白食が連続します。若い頃はこういう食事は嬉しいのですが,さすがに年寄りには辛いです。
私はいつもは朝食は食べないのですが,さすがに3日の朝,ホテルで目を覚ましたときに体が「生野菜食いてぇ! 根菜とか芋とかも食いてぇ!」状態になっていて,レストランの朝食バイキングでトマトと生野菜ばかり山盛りに取り,魚介類には目もくれず,野菜ばかりパクついておりました。
野菜を食べると落ち着くというのは,年寄りになった証拠ですな。
- 講演で使用するスライドをマイナーバージョンアップし,11月01日作成のものが最新バージョンとなります。
以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますし,新たにダウンロードをご希望の方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
- 主演のリチャード・ギアがムチャクチャな行動する勘違い映画,《消えた天使》について。善意で突っ走るギア君,危ないです。
- 各地での講演後の質疑応答で熱傷治療(と植皮),褥創治療について,立場の違いが完全に考え方が異なっていることがわかります。
例えば,熱傷治療と植皮については専門医とそれ以外の医者は次のように考えています。
- 熱傷専門医(=形成外科医,熱傷学会所属医)
- 熱傷治療には特殊な専門知識と特殊な治療手技が必要であり,専門家でなければ治療できるわけがない。
- 植皮をしなくても治るというが,植皮をすれば治るのだから植皮術は必要な治療手技である。
- 非熱傷専門医(=内科医,小児科医,形成外科医以外の外科医)
- 熱傷については全く知らないが,ラップとワセリンで治るなら治療してみよう。それで治るなら患者も増えるし・・・。
- 植皮をしてもしなくても治るなら,植皮しないで治したほうがいい。
これは褥創治療の専門家を任ずる医師と看護師(WOCナース)にも見られます。彼らは「褥創治療には特殊な知識が必要で,その特殊な知識を持っているものにしか治療できないものである」と考え,「ゴミ袋さえあれば,素人でも褥創治療ができる」と説明すると猛反発します。恐らく彼らは,「褥創は特別な病気」だと思い,褥創治療は心臓外科手術や内視鏡手術と同レベルに難しいものだと信じているのでしょう。
ある病気が専門家でなくても治療できるものとなったとき,誰が一番困るか。もちろん専門家です。では,誰が喜ぶか。もちろん,専門家以外の人間全てです。これは要するに,触診と打診と聴診だけで肺炎を診断するには名人芸と特殊能力が必要だったが,レントゲンの登場で駆け出しの医者でも看護師でも診断できるようになったのと同じです。
2008/11/01
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,東京都小平市の西野整形外科 河合 大先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 昨日は地元石岡市医師会で講演でした。会場は超満員状態で,講演後も多数の質問をいただきました。多数お集まりいただき,ありがとうございました。
- 長距離狙撃を得意にするスナイパーが活躍する爽快なアクション映画,《ザ・シューター 極大射程》