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2007/10/31
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,大阪府茨木市の友紘会総合病院 整形外科 木山洋之先生も加わっていただきました。ありがとうございます。
- 10月25日にこのコーナーで報告した熱傷症例ですが,普通に歩いて生活しているそうで,創部も壊死組織がほとんど融解し,肉芽が上がってきました。この分で行くと,来月中には完治しそうです。
- 先日,外来に「お尻のところに傷ができて治らない」という女児が受診しました。聞いてみるとお母さんは毎日,○ロナインH軟膏を一生懸命に塗ってあげていたとのこと。それじゃ絶対に治らないよ。
で,ワセリンを塗ってあげたら速やかに痛みがなくなり,ニコニコして帰っていきました。めでたし,めでたし。
このオ○ナインH軟膏,とてもよく売れている商品ですが,傷に塗るととても痛いです。疑問に思う人は自分の傷にオロ○インH軟膏を塗ってみてください。塗ったことを後悔する事になるはずです。何しろこの軟膏,主剤がクロルヘキシジンという消毒薬,基剤がクリームという最悪の組み合わせですから・・・。
2007/10/30
- 昨日から二日間,東北厚生年金病院の福寿先生が見学に見えられています。
- なんでこんな映画を見ちゃったんだろうか,という映画,《エイリアンvsヴァネッサ・パラディ Atomic Circus》について。原題と邦題,全然違うじゃん!
- 今月の衝動買い。デジタルピアノの「コルグ SP250」です。忘年会でピアノを弾かされそうな雰囲気なので,どうせならうまく弾いてやろうと練習用に衝動買いしちゃいました。
- 長所:
- 5万円そこそこでお手軽値段(私は\51,000で入手)。
- 安いけど88鍵
- キータッチは値段の割には悪くない。
- 強弱や表情がつけられる。
- 付属のダンパーペダルの感度が結構本格的。
- キーボードと台を分離でき,机にキーボードだけを置いて弾く事もできる。コタツの上にも置けるぞ・・・格好悪いけど・・・。
- 譜面台標準装備。
- 短所:
- 鍵盤部分だけで19キロと重い。
- キータッチが悪くない,とは言っても,クラビノーバよりは悪い。
- 「死体が2つくらい入っているんですか?」というくらいパッケージがでかい。
- ピアノ椅子が別売。
キータッチなどについては売り場で実際に触ってみて判断してください。「昔ピアノを弾いたことがあってちょっと練習でもするか,と思っているけど,本物ピアノを買うほど金もないし置くスペースもない。そこそこキータッチがよくて88鍵が揃っていて安いのがあったらいいなぁ」なんて言う人には悪くない気がします。
ちなみに,昨日は「ホロヴィッツ編曲 星条旗よ永遠なれ」をちょっと弾いてみました。忘年会まで1ヶ月ありますから,最初の2ページだけでも弾けるようになりたいものですが,さて,どうなりますか。それと,「ショパンの第3ソナタのフィナーレと,巨人の星の交響的融合」あたりも練習するかな・・・ま,弾けないだろうけど。
2007/10/29
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,宮城県富谷町のコミュニティクリニック上桜木 小児科 柿澤秀行先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 先週金曜日は愛知県厚生連昭和病院で講演でした。330人ほどの方が参加され,多数の質問をいただきました。ご参加いただき,ありがとうございます。
ちょっと残念だったのは,懇親会も情報交換会もなかったことです。食事の場も準備していないのはさすがにまずいということで,急遽2人の先生方と近くの居酒屋さんでミニ懇親会。遅くまでお付き合いいただき,ありがとうございます。でも,もっと多くの先生方と生で話したかったです。名刺交換もできなかったし・・・。色々な先生方との交流が講演をする目的でもありますしね。
- 時々発作的に書いている著作権ネタ,「コピーする・しないと,著作権に対する意識は別物」。マンガ雑誌をコピーする人はいないのに,医学書をコピーする人がいるのはなぜ? マンガの読者は著作権法を守り,医学書の読者は著作権を知らないからなのか?
- 10月20日に報告した症例の26日の写真です。中心部をのぞき,周辺部は完全に上皮化しています。中心部はやや過剰肉芽の状態のため,ステロイド軟膏塗布を始めたとのことでした。
2007/10/26
2007/10/25
- 「大腿骨断端が壊死組織に露出したのに骨髄炎は起きなかった!」という症例を報告。これまで多数の整形外科の先生方にこの写真を見ていただきましたが,一様にびっくりされます。これで骨髄炎がおきないとしたら・・・。
- ちょっとしたTips。
脂漏性角化症というのがありますよね。皮膚の老化現象みたいなもので,盛り上がった黒いいぼです。それ自体は悪いものではありませんが盛り上がっているために衣服などに引っかかり,そのたびに出血することがあり,切除が必要なことが多いと思います。小さな場合は切除して縫縮すればいいのですが,ちょっと大きかったり,肩甲部のように皮膚の緊張が強い場所では縫縮に難渋することがあります。
こういう場合は,局所麻酔下に脂漏性角化症の黒いいぼをごく浅く引っ掻く程度に切除し(病変部は皮膚の浅い創のみで深部にはないから),アルギン酸塩で被覆します。その後はプラスモイストかデュオアクティブなどで覆っておけば,数日で治癒します。
- 群馬県高崎市から熱傷の患者さんが受診されました。相澤病院時代,なかなか治らない足の傷を治療したことがある患者さんで,湿潤治療の知識は十分に持っています。それで,まだ私が相澤病院にいると思い込んで,わざわざ高崎から松本に行ったものの私はいないし,救急外来で治療を受けたら消毒されてソフラチュールで治療をされたので,こんな馬鹿な治療を受けにわざわざ高崎から来たのでないと憤慨して帰ってこられたそうです。そして,自分でハイドロコロイドを購入して治療し,石岡第一病院に私がいることを探し当てて受診されたものです。
「いきなり消毒してソフラチュールなんで,びっくりしました。駄目な病院になったんですね」と言っていました。素人だと思ってでたらめな治療をしちゃ駄目だってことです。いずれにしても,患者が望む治療を提供できないようでは患者さんが困ります。
- 昨日報告した熱傷の患者さん,翌日受診された時は普通に歩いてこられました。某メディカルセンターで治療を受けていたときは,毎日毎日,治療のたびに痛みが強くなって歩けなくなり,心配でならなかったそうです。今となっては笑い話です。
ちなみに,後は自宅でプラスモイストを交換するだけなので,週1回の通院になりました。
2007/10/24
- 雑誌,「小児看護11月号」に依頼原稿『日常的に起こる軽度外傷の治療』が掲載されました。
一昨日も,ちょっと可哀想な熱傷患者さんが受診されました。10月2日,熱したてんぷら油で足背熱傷を受傷された高齢者です。某メディカルセンターで治療を受けていたようです。当科受診時は車椅子で受診されました。
当初,ワセリンを主体にした局所治療を受けていたようですが,途中からゲーベンクリーム主体の治療に切り替わり,その頃から患部の痛みが強くなって歩けなくなり,当科の治療を知っていた家族が当科に連れてこられました。軟膏ガーゼが創面を覆い,ガーゼが創面に固着していたため,ガーゼを剥がすまで大変でした。どうやら,いまだに19世紀の熱傷治療をしているようです。
そして創の状態ですが,周辺部は既に上皮化していましたが,中心部は白色の壊死組織が覆っていて,どう見てもゲーベン性3度熱傷であり,ゲーベンによる疼痛と思われます。
患部をよく洗ってゲーベンを完全に落とし,プラスモイストを貼付して帰宅してもらいましたが,翌日には痛みがなくなり,自分の足で歩いて受診されました。とても楽になったと感謝されました。
最先端治療をしている某メディカルセンターの一角で,患者家族が不審に感じる治療をしていてどうするんだ,という気がします。19世紀の熱傷治療に固執する某メディカルセンターの立場もわかるけど,このままじゃ,「熱傷治療を知っている素人」に馬鹿にされちゃうよ。
この症例からもわかるとおり,ゲーベンクリームで熱傷治療をすると創部痛が出現します。もちろん,この痛みはゲーベンの使用を止めると治まるのですが,ゲーベンを熱傷に好んで使っているお医者様は,「熱傷創が深くなって感染の恐れがあるからゲーベンを使用した。傷が痛くなったのは深くなって感染したからだ」と考えるため,ゲーベンによる痛みだとは全く気がつきません。そしてどんどんゲーベンを塗りたくります。連日ゲーベンを使うもんだから,傷はどんどん深くなり,痛みは治まりません。こういうのを医原性疼痛,ゲーベン性疼痛といいます。恐ろしいと思いませんか。
もしも,熱傷センターや大学病院などで熱傷治療を受けていて,白い軟膏をつけられ,痛みがひどい場合は,その痛みの原因は主治医です。主治医を替えなければその痛みは続きますが,「熱傷だから痛いのは当たり前」と考えているような馬鹿医者は死ぬまでそういう治療を続けます。だから,患者がそういう医者を避けるしかありません。
こういう場合はさっさと医者を替えましょう。大学病院,熱傷センターが現在,最も旧式で危ない熱傷治療をしています。建物は21世紀でも,中でしている熱傷治療は19世紀です。自分の身を守るためには,19世紀治療を自分で避けるしかありません。
いずれ,症例写真付きで報告しますが,この2ヶ月くらいで「10日くらい前に下腿打撲」⇒「腫れていたけど放置」⇒「10日目頃,突然発赤と疼痛」という症例が数例ありました。もちろん,打撲による下腿血腫に感染したものです。
ここで重要なのは,どの症例も下腿に傷がないという点です。つまり,血腫さえできていれば,表面に傷があろうとなかろうと,(恐らく)血行性に細菌が侵入すれば感染が成立する,ということです。逆に言えば,「表面に傷があって血腫もある場合,傷の消毒をいくら厳密にしても,傷を滅菌物で覆っても,傷の治療をいくらしても,創感染は防げない」ということを,これらの症例は証明しています。
2007/10/23
- 12月8日(土)の午後の早い時間に仙台市で開かれる地域医療振興協会宮城県支部で講演することが決まりました。この日は同じ仙台市で開かれる日本皮膚科学会宮城地方会でも講演しますので,ちょっと忙しいです。
- 12月9日の佐賀県保険医協会での講演ですが,参加問い合わせ先情報を追加しました。
- 恐ろしく低レベルの映画,《ウエスト・オブ・ザ・デッド ALL SOULS DAY:DIA DE LOS MUERTOS》について。DVDのジャケットと内容が全然違うという大技が楽しめます。
- 昨日,本日と座間味診療所の臼井先生が見学にいらっしゃっています。
- 講演に使用しているスライドですが,ちょっと手を加え,最新バージョンは「10月18日作成」となっています。前回と同じアドレスからダウンロードできますし,新たにご覧になりたいという方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
- 私,ベストセラーは絶対に読まないんですが,これだけは読んでしまいました。そして,最後のページで泣いてしまいました。『いけちゃんとぼく』(西原理恵子,角川書店)です。最後の数ページが切なすぎます。単独で読んでも泣けてきますが,同じ作者の『毎日かあさん4 出戻り編』と合わせて読むとさらにさらに感動が深まります。
2007/10/22
- ある先生から次のような嬉しいメールをいただきました。
ツール・ド・フランスなどの自転車ロードレースでは,転倒・落車で擦過傷が多く,その業界では湿潤療法が医療界より速く浸透しております。とくに国内のチームはほぼ常識ととらえているようです。ロードレースの解説をしているチームミヤタのの栗村監督は,解説でも湿潤療法の事を説明してくれます。
私は以前,松本にいてここの病院には競輪選手が結構受診してくれましたが,とにかく傷が治らないことには仕事にならないので,ラップだろうがなんだろうがいいものはいい,と積極的に取り入れて宣伝してくれていましたが,自転車ロードレースの世界でもそうなんでしょうね。治ればいい治療,治らなければ悪い治療なのです。
この分で行くと,「傷の治療に関しては大学病院と大病院が一番遅れていて,素人ができる治療もしていないし,治療をしようと個々の医者が思っても実践できない」なんてことになりそうです。組織が大きくなればなるほど保守的な人間の比率が高くなり,全体として保守化する傾向があるからです。
恐らく大学病院や大病院は,社会全体の常識が変わってしまい,「大学病院で火傷の治療を受けると治らないし,しなくてもいい手術されるよ。行っちゃ危ないよ」と言われるようになってから,湿潤治療を取り入れることになるのかな,という思います。
いずれきちんと書きますが,現時点では大学病院の熱傷センターなどが19世紀的熱傷局所治療の牙城となって,治療を固守している比率が高いです。大学病院は最先端の治療をしているのは一般常識としては正しい(ことが多い)のですが,熱傷治療に関しては全く当てはまりません。
もちろん私は,大学病院の医者が悪いといっているのではありません。「組織は巨大になるほど保守化する」というのは,巨大組織が持つ根本的問題点,巨大組織が陥りやすい共通病理であり,個々の医師の意思が通りにくいというだけのことです。
- 今日の午前中に350万アクセス達成の模様です。いつもご覧いただき,ありがとうございます。
2007/10/20
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,熊本市の賀来脳神経外科 賀来隆之先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- さて,10月12日,10月15日と経過を報告している患者さんの10月19日の状態です。
中心の深い部分を除き,ほぼ上皮化していますし,中心の深いところも肉芽で平坦になっています。この部分もおそらく,あと1ヶ月くらいで完治でしょう。瘢痕拘縮もありませんし,普通に歩いているということです。
この患者さんに東京都のTSM病院の形成外科医は「湿潤療法だと上皮化まで6ヶ月かかるし,治ったあとが突っ張るでしょう」と説明していましたが,どう見ても治癒までにあと6ヶ月かかりそうにありませんし,瘢痕拘縮も起こりそうにありません。このお医者様の説明の根拠ってどこにあるんでしょうか。まさかこのお医者様,適当な根拠で患者さんに「手術しなければ治りません。手術しましょう」と手術を勧めているわけじゃないですよね。
2007/10/19
- 映画,《アイデンティティー》を紹介。これは手放し大絶賛。90分映画ですが,ラスト20分を切ってもシリアルキラー物なのか,ホラー映画なのか,オカルト映画なのか,それすらわからないのです。そして最後の10分になってはじめて全体像がわかり,ラスト5分で真犯人がわかり,そしてさらにラストの大どんでん返し! 見事に騙されました。
2007/10/18
- 11月24日の兵庫県豊岡市での「第13回糖尿病クラブ」での講演の詳細が決まりました。会場は「じばさん但馬」です。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,以前から登録していただいていた方,数十名を復活。
- 昨日,埼玉県の某病院で治療を受けていた下腿熱傷患者さんが当科を受診されました。傷は既に上皮化していましたが,左下腿外側から足関節にかけての肥厚性瘢痕と足関節部の軽度の瘢痕拘縮を認めました。しかし足関節の運動障害はなく,経過観察としました。どういう治療を受けていたかを訊ねたところ,「エルタシン軟膏(=ゲンタシン軟膏)とトレックスガーゼ,その上をガーゼで覆う」という治療だったようです。
以前なら,「熱傷による肥厚性瘢痕と瘢痕拘縮,ふーん,それって当たり前じゃん」と考えていたところですが,「当たり前」じゃないんですよ。なぜって,過去5年間で,熱傷で肥厚性瘢痕と瘢痕拘縮をきたしたのは,乳児の手掌熱傷のみで,それ以外の熱傷患者さんで肥厚性瘢痕や瘢痕拘縮が発生した症例はほとんどないからです。「熱傷の湿潤治療」に完全移行してからは,肥厚性瘢痕そのものがほとんど発生していません。
湿潤治療では早期に上皮化するということもありますが,面積が広い3度熱傷で保存的治療した症例で上皮化に半年以上要した場合(これはいずれ,写真つきで当サイトで公開します)でも,瘢痕拘縮も肥厚性瘢痕も起きていないのです。これは明らかに,従来の熱傷の教科書に書かれている事実に反しています。つまり,目の前の症例が正しいとしたら,間違っているのは熱傷治療の教科書です。
もしかしたら,現在の熱傷治療の教科書に書かれている「肥厚性瘢痕」や「瘢痕拘縮」は,従来からの旧習的な「消毒して軟膏ガーゼ治療」そのものが発生原因,要するに医原性だったのではないかと思われます。なぜかというと,「湿潤治療で上皮化に数ヶ月かかっても,瘢痕拘縮はほとんどなく,肥厚性瘢痕もなく,1年くらい経過すると傷跡はほとんど残っていないし運動障害もない」という事実があるからです。
- 知人から,手術のために入院することになったと連絡がありました。パソコンが持ち込めないため,連絡は携帯でお願いね,という内容でした。
そこでふと思ったのですが,病院の患者さん用の談話室にネットに繋がったパソコンがあってもいいですよね(そういえば,以前いた病院のロビーにはそういうパソコンがありました)。携帯電話でも連絡は取れますが,職場とデータのやり取りが必要,なんて場合にはやはりパソコンは必要ですし,私みたいにパソコンが生活の一部になっている人も多いと思います。
実現のためには,ホテルのテレビカードみたいな方式にするとか,一人で長時間使えないようにするとか,勝手にソフトをインストールできないようにするなどの工夫は必要でしょうが,いずれも難しいものではありません。スペースも机1個で足ります。
現在,病室のベッドサイドにテレビがない病院はありませんが,恐らく昭和40年頃の病院にはテレビそのものがなかったはずです。これは,テレビが生活に欠かせない道具になってしまったからで,それに病院が対応せざるを得なくなった結果です。
そして時代が移り,今度はパソコンの番じゃないでしょうか。患者さんにとっての病院は生活空間であり,入院前の生活空間にはパソコンがあったはずです。だから,病院はそれに対応すべきです。
2007/10/17
- 「外傷を湿潤治療している医師」が完成しました。過去4年以内に登録した医師に個別に確認作業を行い作成したため,登録数は130名ほどになっていますが,少なくともこれで「リストを見て病院に行ったけど医者がいなかった」という事態はなくなったはずです。
- いやあ,それにしても膨大な作業でした。昨日は朝5時起きでしたが,今日(17日)はなんと,朝4時に起きて仕事をしていました。この作業が気になってしょうがなく,寝ていられなかったのでしょう。「仕事のストレスは仕事をして解消するしかない」という感じでしょうか。
朝4時台のテレビ番組,久しぶりに視聴しました。
- モバイルマシン好きとしては,すごく気になる製品が出ました。HTC Advantage X7501です。SIMカードなしでも無線LANが使えるみたいだし,何より,本体とキーボードが「磁石で着脱式」というギミックがマニア心をくすぐります。
ただ,お値段が12万とちょっとお高いのとキーボードが問題ですね。特にキーボードはサイズ的にはタッチタイピング可能と思われますが,パソコンのキーボードのような「半分ずれて配列」でないため,高速のタッチタイピングは無理なんじゃないのかなあ。ううむ,惜しいなあ。
2007/10/16
- というわけで,「外傷を湿潤治療している医師」リストをゼロから作り始めました。現在,100人ほどのドクターから返事をいただいていて,それをまとめるだけなんですが,やはり膨大な作業です。休み時間も,食事の時間も,夜寝る直前まで仕事をしても,まだまだ30人ほどが終了しただけです。やはり,通常の仕事をしながらこういうことにも手を出すってのは並大抵のことじゃないな,と身にしみて感じています。
これまでは,数字は全て半角で統一するとか,名前の姓と名の間にスペースを入れるかどうかを統一していたのですが,さすがにここまでやっていたら,時間がいくらあっても足りません。このため,新リストは前角と半角が混在して美しくないのですが,記にしないようにしてください。
今日(16日)なんて,仕事(=新リスト作り)が気になって朝5時前に起きて仕事をしています。もちろん,年よりは早起き,ってやつなんですけどね・・・。
- そんなわけで,今日の更新ネタは普段から書き溜めている「映画ネタ」です。今回は,おどろおどろしいタイトルの割に中身は良心的で,家族で安心して見られる洞窟パニック映画,《地獄の変異 The CAVE》について。
2007/10/15
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,広島市のわかばクリニック 内科・外科 佐々木 茂 先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- さて,その「外傷を湿潤治療している医師」ですが,患者さんから「治療を受けようとこのリストを参考に病院に行ったら,そういう医者は現在は勤務していないといわれた」という指摘を時々受けるようになりました。
そこで,このリストを作り直すことにして,登録している医師に直接連絡し,確認作業中です。恐らく今週末には,新しいリストに衣替えすることになると思います。
またこれを機に,自分もこのリストに掲載して欲しいという方がいらっしゃいましたら,お気軽に御連絡下さい。
- 「いろいろな質問をいただいています」を更新。「熱傷水疱の扱い」と「腹膜透析カテーテル刺入部感染の処置」です。
- さて,ここ数日間取り上げている「足背挫創」の患者さんですが(10月12日のこのコーナーをお読み下さい),東京都在住の方だったため柿田医院に紹介しました。創は順調に上皮化しているようです。
そして,患者さんの御両親によると以前治療していたTSM病院の形成外科の主治医は「湿潤療法だと上皮化まで6ヶ月かかるし,治ったあとが突っ張るでしょう」と説明していたそうです。この医者,アホじゃないかと書きましたが,実は超能力を持つ医者だったことが判明しました。どういう超能力かというと,「したことのない治療(=湿潤治療)の予後がわかる」という素晴らしい能力です。これはつまり,食べたことがない料理の味を評論しているのと同じ。こんな素晴らしい能力を持つ医者になりたいものです。
要するに,このTSM病院の形成外科の医者は,湿潤治療のことは何となく知っていて,しかもその効果を不当に貶め,患者にウソの説明をして,しなくていい手術をしようとしていたのです。こんな医者,あなたは許せますか? こんな医者にあなたは治療を受けたいですか?
さあこの患者さん,6ヶ月も治療にかかるんでしょうか? ちなみに,10月13日の創の状態です。
2007/10/13
2007/10/12
- 石岡第一病院 傷の治療センターで治療した症例の感染率に新たに18例追加。感染率は0.56%です。
- 先週号の少年マガジン『ゴッドハンド輝』で「指の伝達麻酔で子供を泣かすな」という Tips が紹介されていました。ネタ元は私なんですが,昨日も5歳児を(ほとんど)泣かせずに指の伝達麻酔して爪下血腫の除去とその後のドレナージができました。方法は園畑法で,まずインスリン自己注射用の29~30Gで麻酔し,そのあと26G針で追加するだけです。
実はさらに Tips があります。幼児だからこそ十分に時間をかけて,なぜ爪のところが痛いのか,その痛みはどうしたらなくせるのか,そのためには何が必要かを丁寧に説明し,患者さん(5歳児)から注射の許可を得てから注射をすることです。
ここで重要なのは,「どうせ子供だから」と決して思わないことです。大人の患者さん以上に丁寧に,手を抜かずに説明し,絶対に「子ども扱い」してはいけません。4歳の子供に対し,可能な限りわかりやすく病態を説明し,「君の協力が必要だ。絶対に痛くない治療をするから,君も私たちに協力して欲しい」と子供の自尊心に直接訴えかければ,4歳児でも5歳児でも,驚くほどの自制心を発揮することを私は何度も見てきました(もちろん,最初から暴れたり号泣半狂乱モードに入っている子供は10歳児でも説得は無理だけど)。
幼児だからとなめてかかれば,その態度は患者さんに伝わります。どうせ幼児だからわからないだろうという態度で診察すれば,その雰囲気は患者さんに伝わります。だから,その後の治療がうまくいかなくなります。
さらにもう一つの Tips 。爪下血腫の除去や裂創の縫合をしている間中,休みなく患児に話しかけることです。幼稚園のこと,兄弟のこと,食べ物のこと,テレビ番組のことなど,患児が興味を持っていそうなことを次から次へと話しかけ,何か食いついてきたらそこから話を広げます(実際にこうしていることは,私が治療の基礎を叩き込んだ某病院の2年目研修医は知っているよね)。
なぜ話し続けるか,それは患者さんの不安を少しでもなくすためです。だから当然,幼児とコミュニケーションが取れないといけないし,話題が豊富でなければいけません。テレビ番組やゲームなど,最低でもタイトルと大雑把な内容くらいは知っていることが最低限必要ですし,小児を治療する機会のある医者には必須の知識ではないかと思います。
ま,患者さんの立場に立ち,自分がこの場の患者だったら何が不安か,どうされたいかを考えれば,これくらい誰でも考え付くことですけどね。
- 患者の立場に立つといえば,今週号の少年マガジン,『ゴッドハンド輝』も熱いです。「患者さんと家族にありとあらゆる合併症と不幸な転帰をたどることだけ説明し,患者を不安な気持ちのまま手術を納得させるのっておかしい」,「患者を絶望させてそのままで放置していいのか」と,輝が先輩医師(先輩石?)に痰火を切ります。全ての医師に読んで欲しい内容です。
以前このコーナーで書いた私のエッセイが元ネタとのことですが,このような素晴らしい形にしていただいた山本先生に感謝いたします。
あなたは患者を不安にするムンテラをして治療に臨みますか? それとも,不安を取り除いてから治療に臨みますか? あなたがしているムンテラは患者のためのムンテラですか,それとも自分の保身のためのムンテラですか? あなた自信が患者になったとき,あなたが今,患者にしているようなムンテラで説明されたいですか? あなたが患者だったら,どういう説明を受けたいですか?
メニューに,「これを食べると食中毒を起こすことがあります」「食べると血圧が高くなることがあります」「食べると太ります」「食べても美味しいと感じないことがあります」と書いてあるレストラン,食べたいですか。
今週の『ゴッ輝』が問いかけるのは,そういう問題です。
- 昨日予告した症例です。
久しぶりに形成外科医によるトンデモ治療症例を見てしまいました。患者さんは7歳の女児で10月2日に交通事故で左足背挫創を受傷。東京都立T病院で治療を受けていましたが,深くて自然に治らないと形成外科医が判断し,人工真皮移植術の予定だったようです(手術の説明同意書を拝見させていただきましたが,そこには確かに形成外科医の名前でそのように説明されていました)。
そこで,ご両親が心配になり,インターネットで探しているうちに当サイトに出会い,昨日受診されたものです。そこで診察となりましたが,びっくり仰天!! 上記の形成外科医は目が節穴なんでしょうか,あるいは目が腐っているのでしょうか,あるいは傷を見ていないんでしょうか。この創面を見て「植皮しないと治らない」と判断したのが形成外科医とは,到底信じられません。どうも形成外科の認定医らしんだけど,認定医もたいしたことがないな(私も形成外科学会認定医だけど・・・)。はっきり言って,こういう医者は患者の迷惑です。さっさと引退して欲しいものです。
というわけで,患部の写真です。
初診時の状態。ガーゼで覆われ,その下はソフラチュール。これが見事にべったりとくっついていました。もちろん剥がす際は号泣です。私の外来で子供が泣いたのは久しぶりです。
どうやらこの形成外科先生様は,ソフラチュールをつけると傷にくっつくことも,くっついたソフラチュールを剥がすと痛いことも,それで患者さんに苦痛を与えていることもご存じないようです。医者というよりはサディストか?
そして,いよいよ問題の患部の写真。
このどこが「保存的に治らない」傷なんでしょうか。どう見ても浅い皮膚欠損創で真皮は保たれています。ほんの少し全層壊死かなという部分はありますが,そういう部分は1センチもありません。というか,創の半分くらいは上皮化が始まっているじゃないか。
オイオイ,真皮が保たれている傷に,人工真皮移植だと? 真皮がある傷に人工真皮を移しちゃうの? はぁ? 馬鹿も休み休み言え,ってんだ。真皮がある創に人工真皮移植って,怪我をしていない皮膚を切って縫うのと同じだぞ。アホちゃうか?
このお医者様,同じような「真皮のある創に人工真皮移植手術」みたいなトンデモ手術を以前からしていたことが十分考えられます。とんでもない医者です。
ちなみにこの患者さん,ワセリンを塗布したプラスモイストで創面を覆いましたが,翌日(11日)受診されたときには,洗っても痛くなくなり,かなりの部分が上皮化していました。T病院を脱出してよかったね。
この症例,昨日の段階(11日)でこのコーナーで取り上げるというのは,かなりリスキーな試みでした。だって,初診時の診察だけで,その後どうなるかわからないからです。もちろん,こういう傷は速やかに治癒するという絶対的な自信があって昨日取り上げたわけですが,それだって例外はあるわけですからね。
こういう状態で医者から「治らないから手術が必要」と言われている患者さん,それは無駄な手術,しなくていい手術ですから,とりあえず私にメールで御相談下さい。
2007/10/11
- 11月17日の地域医療外科系連合会(さいたま市)ですが,外部の方の参加も可能ですので,問い合わせ先情報を追加しました。
来年3月7日の埼玉県整形外科・勤務医部会(さいたま市)での講演への参加問い合わせ先情報を追加しました。
- 講演のスライドの「90分バージョン」ですが,さらに手を加え,カテーテル感染についての科学的考察をちょっと加えました。前回と同じアドレスからダウンロードできますし,新たにご覧になりたいという方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
- 時々,他の病院でとんでもない治療を受け,当科外来に逃げてくる患者さんがいらっしゃいますが,昨日もとても可哀想な患者さんが来院されました。
7歳の女児で,10月2日受傷の交通事故による足背挫創。東京都の総合病院,T病院で治療を受けていて,このままでは治らないということで人工真皮移植術を形成外科医より勧められ,御両親がインターネットで検索し,当サイトを発見して受診されたということです。
で,傷を見てびっくり。オイオイ,真皮が保たれているたいしたことない皮膚欠損創じゃないか。もう半分くらいで上皮化が始まっているし,深いところも小指の爪くらいの範囲だけ。
どんな腐った目玉でも,これが皮膚全層欠損でないことはわかると思うんだけど,その形成外科のお医者様にはこれが全層皮膚欠損に見えるらしいです。なんで真皮の保たれている創に人工真皮を移植するんだ? おら,意味がわからねえだよ。
真皮がある創に人工真皮移植って,怪我をしていない皮膚を切って縫うのと同じですよ。アホちゃうか?
というわけで,後日,この「人工真皮移植される予定だった,真皮が保たれている挫創」写真を公開しようと思います。
2007/10/10
- 11月17日(土)の地域医療外科系連合会ですが,会場は「さいたま医療センター」です。また,11月30日(金)の芝歯科医師会での講演ですが,会場は「港区港勤労福祉会館」です。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,大阪市都島区の医療法人気象会 東朋病院 外科 大越香江先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 講演に使用しているスライドファイルですが,さらに更新しました。今度は10月6日バージョンです(クリニカルパス学会で使用したもの)。ダウンロードのアドレスは前回と同じですし,新たにご覧になりたいという方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
- 正統派ゴシック幽霊屋敷映画,《アザーズ》について。とてもよくできた映画だし,ラストの大どんでん返しは見事です。ただし,ストーリーというかネタは有名な「あの映画」と全く同じです。いかにも「あの映画」の二番煎じ,パクリに見えてしまいますが,実はこちらのほうが製作も発表も早いのです。非常にそんな役回りをしている不幸な映画です。
というわけで,「あの映画」をまだ見ていない人のみ見てください。驚愕のラストが楽しめるはずです。
2007/10/09
- 「素人でもできる陥入爪(爪周囲炎)の治療」を追加。テーピングの方法がわからない,ヤスリをかける範囲はどこなの,という声が多かったため,図解してみました。絵が下手,っていうなよ。
- 先週土曜日(10月6日)は札幌での第8回日本クリニカルパス学会で教育講演をしてきました。会場(恐らく400人くらい収容?)は満員状態で,後ろで立って聞いていらっしゃる方も多数いらっしゃいました。多数御参加いただき,ありがとうございます。時間の関係上,フロアからの質問は数件でしたが,終了後も多くの方から質問が続き,関心を持っていただいたようです。
それにしても,全国規模の学会で教育講演するようになるとは,私も随分遠くまで来たものです。
そう言えば,講演で「CDCはあてにならない,そのまま鵜呑みにしてはいけない」というようなことを話しましたが,一瞬,会場がどよめきました。「CDCを批判するなんて信じられない!」という否定のどよめきだったのか,「やはりそうか。何となく私もそう感じていますよ」という賛同のどよめきだったのか,どちらだったんでしょうか。
その前日は,北海道がんセンターの先生2名など計6人で宴会。ワインを飲みながらのイタリアン料理を食べながら,楽しく話させていただきました。その後2人の先生と「北海道に来たからには是非お寿司を食べていただかないと・・・」ということでお寿司屋さんに直行。さすがに美味でした。遅くまでお付き合い頂き,ありがとうございました。
- 本日(9日)は社会保険浜松病院の横井先生が外来見学に見えられます。
- 私の生涯の師であるリチャード・ストールマンの講演が今週あることを教えていただきました。FSIJ:リチャード M. ストールマン講演会です。仕事があるために行けないのが残念です。せめて会場の片隅からでも,生の声が聴きたいです。
- 先日,FMV-U8240 (LOOX U50WIN) の専用革ケースを買った話を書きましたが,こういう超小型マシンって本体の機能が削られているため,スタンダードタイプのノートパソコンと違っていろいろな付属品を常時持ち歩かなければいけないんですよ。この機種の場合,最低限,次のようなものが必要です。
- マウス(スタイラスペンはあるけど,文章をコピー&ペーストするにはマウスの操作性には及ばないから)
- LAN接続アダプタ(本体にはLAN端子がないから)
- USBハブ(本体にはUSB端子が1つしかないから)
- USBメモリ(現在は16GBのものを使用)
最低限,これらを本体と持ち歩かないと仕事になりません。さらに旅行時(移動時)には次のものが加わります。
- 通信用PHSカード(b-mobile one:通信速度は遅いけど,日本国内の町だったらどこでも安定して繋がるから)
- 延長LANケーブル(LAN端子はあるけどケーブルがないホテルもあるから)
- 予備バッテリー
- AC電源からの充電器とコード
もちろん,各々は持ち運びに便利な小型の物を選んでそろえているのですが,一緒になると結構なボリュームですし,何よりバラバラに持ち歩いているとなくしそうです。
というわけで,ケースはないかと物色していてついに見つけました。【arrasa_ras(アラサ・ラス)シリーズ トライアングルケース RAS2008N】という三角柱状のペンケースです。これだと底面の横幅が広いため,携帯型のレーザーマウス(コードレス,横幅5センチちょっと)がすっぽり入るんですよ。もちろん,その他の付属品も予備バッテリーも一緒に収納可能(もちろん,充電器とコードは別だけど)です。
唯一の不満点は素材がポリ塩化ビニルである点です。これはこれでいいのですが,私,革フェチなんですよ。同じサイズで革製だったら最高なんだけどなぁ。
ちなみに現在使っているマウスはエレコムのM-D13URシリーズという形が変わるワイヤレス・レーザーマウスなんですが,これまで使ってきたポータブルマウスでは一番使いやすい気がします。普段は平たい形をしていて運びやすく,使用時には後ろのほうを半回転させると凸型になって手にフィットする,というギミックがあり,可搬性と使いやすさを追求したものとの事。確かに使いやすいです。
以前,コード巻取り型の超小型マウスを使っていましたが,コードが折れ曲がって断線しちゃいました。
2007/10/05
2007/10/04
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,大阪市鶴見区の緑かなざわ整形外科 金澤淳則 先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 昨日(10月3日)発売の少年マガジン連載中の『ゴッドハンド輝』に「痛くない指の麻酔」が紹介されています。研修医の指導にどうぞ。
ちなみに,来週号の『ゴッ輝』にも小ネタが紹介される予定です。
2007/10/03
2007/10/02
- ベビーブック11月号(小学館)に「すりむき傷への対処法は?」が掲載されました。
- 石岡第一病院 傷の治療センターで治療した症例の感染率に28例追加。新たな創感染例なし。
- 褥創学会に所属も参加もしていないのですが,最近の褥創学会ってどういうのが話題なんでしょうか。というのは,褥創治療ってあるところまで行ってしまうと,することがなくなってしまうものだと思うからです。
以前,山形県の病院に勤務していたとき,山形創傷ケア研究会を立ち上げ,主に褥創を中心に年に2回,研究会を開催していたのですが,5回目,6回目と進むにつれて話題探しが大変だったという記憶があります。当時(もう6年位前になるかな?),「消毒しない,乾燥させない」ということすらあまり知られていなかった時代ですから,最初の数回はこれをテーマにして,あとは予防とか除圧ベッドとか栄養とかを組み合わせたり,会員にアンケートをとってその結果を報告したりと,何とかなりましたが,それ以降は新しいテーマがなかなか思いつかず,何度か同じネタを使い回しして急場をしのいだものでした。
ま,こういう「あるところまで行っちゃうと,それ以上することがなくなる学会」というのは他にもありますよね。○○学会とか▲▲学会とか・・・。
- 最近,片身離さずに使っているFMV-U8240 (LOOX U50WIN) ですが,注文していたバッテリーがようやく到着しました。これで本体のバッテリーと合わせると7時間使えますので,長い時間,電気のコンセントがない場所にいても安心です。
もちろん,オプションの大容量バッテリーもありますが,そういうのって大体は大きく後方に出っ張るために不恰好になり,スタイリッシュな超小型マシンというメリットが死んでしまうため,使いたくないんですよ。また,持った時のバランスも悪くなります(以前,sigmarion3 に大容量バッテリーを装着したところ,あまりに持ちにくく,不恰好になったため,結局使わなくなった経験があります)。この機種に限らず,ノートパソコンは標準バッテリー込みで使いやすく,見栄えがよくなるように設計されているため,大容量バッテリーにすると格好悪いなります。超小型マシンは格好良くなきゃ駄目ですよ。
- 以前,『非線形科学』 (蔵本由紀,集英社新書)を読み始めました,と書きましたが,恥ずかしながら残念ながら,半分ほどで挫折してしまいました。本を途中で挫折するのは久し振りです。以前から,ちょっと興味のあった分野だけに残念です。
言い訳をすると,あまり面白くないというか,わかりやすくなかったからです。数式を使わずに非線形科学をわかりやすく解説,という帯の宣伝文で購入した本で,確かに数式は使われていませんが,次々と新しい用語や概念が提示され,おまけに数学的な説明もなく単に文章で説明されているため,かえって理解し難くなったようです。
文体も教科書そのままといった感じで,要するに「非線形科学の教科書から数式だけを取り除いた本」なんですよ。大学の専門課程向けの教科書としてはこれはありと思いますが,一般向けの新書としてはどうかなと思います。編集者がチェックしなかったのでしょうか。
数学書が難しく感じられるのは数式があるからでなく,それが現実の社会や自然とどう繋がっているのかがわかりにくいからです。数学の教科書がわかりにくいのは,そのあたりのことは自明というか,敢えて説明するまでもないよね,というスタンスで書いているからです。だから逆に,そのあたりのところをわかりやすく説明するだけで「目からウロコ」になり,かなりの読者はついてこれるようになります。
そのあたりのことを考えず,単に数式を抜けばわかりやすくなる,と考えるのはとんでもない誤りです。
難しいことを難しく書くのは実はとても簡単です。そんなのは誰でもできます。同様に,易しいことを難しく書くのも簡単です。難しいのは,難しいことを平易に説明することです。
さらに,この本について申し添えれば,読み手にワクワク感もドキドキ感も抱かせないというのが,新書としては弱点だと思いました。特定専門分野について書かれている新書を手に取る読者とはどういう人たちでしょうか。恐らく,自分が知らない分野について知的好奇心を持っている素人であり,読書によって知的好奇心,つまり,ワクワク感やドキドキ感を感じたいと思っている人です。だから,その本から一箇所でもワクワクする興奮が得られれば,それをエネルギー源として読み進めることができます。そのあたりがわかっていない新書を読み続けるのが難しいのは,読み続けるエネルギーが本から得られないからです。
恐らくこれは,著者の問題というよりは編集者の責任でしょう。
- というわけで,本屋さんで次なる読書ターゲットを物色していて,これはと思う本に遭遇しました。『メタマス!―オメガをめぐる数学の冒険』(グレゴリー・チャイティン,白揚社)です。次のようなまえがきの一部を読んだだけで,ワクワクしてきました。
科学は冒険だ。他人の研究成果を勉強するために何年も費やし,複雑な学問体系を学んだ後でないと貢献できないという学問手法を私は信じない。私は,全く新しい方向に大またで踏み込むことのほうが好きだ。
まだ50ページしか読んでいませんが,読書の愉悦に浸っています。
2007/10/01
- 調剤(門前)薬局,院内売店向の「プラスモイストP」が発売となりました。なお,一般の市中薬局での販売開始ではありませんので,ご注意ください。
- 講演で使用しているスライドファイルをさらに更新しました。9月30日バージョンが最新で,今回から,60分バージョンと90分バージョンにしました。通常使用しているのは90分バージョンです。
以前ダウンロードしたことがある人は同じアドレスからダウンロードできますので,ご自由にお使いください。新たにダウンロードをご希望の方は,本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
- 「自転車に乗っていて転落し,肘を擦りむいたため,湿潤治療をしてみました」というメールをいただきましたので紹介します。見事な治療データとなっていて,感心しました。
素人の方がこれほど理解しているんですから,プロたる医者はもっと勉強しろと,といいたくなりますね。消毒大好きお医者様,そのうち患者に馬鹿にされちゃうよ。「先生,いつまで19世紀の治療をしているんですか?」ってね。
- 10月1日といえば,当サイトの誕生日です。2001年10月1日に独立したサイトとして産声を上げましたから今日で6歳です。ピアノサイトの頃から考えると,インターネットサイトを作り始めて10年目かな。10年間,ほぼ毎日更新しているのですから,よく続いているな,と思います。
ちなみに,当サイトを「ブログ」だと思っていらっしゃる方が多くなりましたが,それは間違っています。「インターネットサイト」=「ブログ」ではないからです。ブログはインターネットサイトの一部分を指す用語であり,いわば部分集合です。「トンボ全体」をインターネットサイトとすると,ブログは「オニヤンマ」に過ぎません。
ブログは要するに,メーカーが提供する簡易型日記サイトサービスのことで,当サイトはこういうサービスを利用していませんので,ブログではありません。インターネットで情報を伝える個人・法人が作っているものは「ウェブサイト」あるいは「インターネットサイト」と呼ぶのが正しく,ブログはその中の一部分です。ブログサービスは非常に簡単にウェブサイトを作れるのが利点ですが,どれも似たり寄ったりの外見になり,各ページ間の関係を論理的に組み立てにくいのが欠点です。
ちなみに「ホームページ」というのは正確には,そのウェブサイトの開始ページのことを言いますので,「ホームページサイト」=「ウェブサイト(インターネットサイト)」ではありません。インターネットが普及するにつれて,ホームページという用語の誤用も広まりましたね。
というわけで当サイトの場合,ブログが世の中に登場するはるか昔(?)から作っています。ブログサービス利用も一時考えたのですが,ブログでは論理的な大規模サイトを作れないサービスだと気がつき,利用していません。そんなわけで,「傷の消毒をしないブログでは・・・」というのは間違った使い方なんですよ。
- 「凛とした」「毅然とした」という言葉を最も感じさせるのが,ミャンマーのアウン・サン・スーチーさんです。本当の美しさとは何かを私たちに教えてくれます。