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2006/07/31
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,長崎県長崎市の安中外科医院 安中正和先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 7月29日は長野県臨床衛生検査技師会中信支部で講演を行いました。通常,20~30人程度の参加者との事ですが,恐らく80人ほどの方が参加されていたようです。ご参加いただき,ありがとうございました。
- 男たちが集い,お互いに殴りあう様子を描いた映画,《ファイト・クラブ》について。公開当時,評価は賛否両論に真っ二つにわれ,カルト的支持を得た映画とのことですが,私は見終わった後に圧倒的なカタルシスを感じました。
- 昨日(30日)の昼頃,松本の街を歩いていたら,和太鼓の音が聞こえてきました。太鼓祭り(?)とかいうのをやっていたようです。ちょっと聞いていたのですが,すぐに飽きちゃいました。リズムが単調すぎるんですね。いろいろな和太鼓があるようですが,音楽的にはずっとズンドコズンドコというリズムが延々と続くだけで,リズムが変わるところがありません。音色も単調で,たまに鐘(というのかな?)の音とかも加わるのですがリズムそのものは単調です。
要するにこれは,踊りための伴奏であって,演奏を聞かせるものではないような気がします。最近はビジュアル方面を工夫した和太鼓パフォーマンスもあるようですが,肝心の音楽が単調ではちょっと無理があるような気がします。
どうやら,私の脳味噌は単純なものは好きなんですが,単調なものは好まないようです。
- 『秘密結社の世界史』(海野弘,平凡社新書)を読んでいたら,現代のカルトの特徴として,次の5項目が挙げられていた。
- カリスマ的リーダーがいて,神よりもリーダーが信者をひきつけている。
- 若者をひきつける仕掛けや秘密で入会を誘う。入会したらリーダーへの絶対服従が課せられ,全財産を没収されるといったことは明かされない。
- 入会の儀式は非常に速く,反省するひまを与えない。帰って親に相談したりする余裕を与えない。
- いったん入ると,抜けるのは困難である。脱会しようとすると,精神的,肉体的な処罰を与える。
- 信者から集めた資金の運営は極めて秘密にされる。リーダーはそれを自由に浪費し,ぜいたくに使う。
実に巧妙なシステムである。そしてまた最近,カルト教団とその犠牲者が明らかになったようだが,そのシステムはこの5項目がそっくりそのまま当てはまるようだ。
2006/07/29
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,茨城県常陸大宮市の常陸大宮済生会病院 外科 小島正幸,岡崎洋雄,横山 卓,鈴木章史,関根良介先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 本日は午後2時から,長野県臨床衛生検査技師会中信支部で講演です。とは言っても,会場は相澤病院の隣ですし,講演依頼も病院職員を通じてですから,毎日の仕事の延長みたいな気分です。
- 伝説的クズ映画,クズ映画界の至宝とさえ呼ばれている(一部に嘘表現が混じっています)トンデモ映画,《女子高生チェーンソー》について。何がすごいといって,チェーンソーはほんのちょっと登場するだけで,ストーリーとは全く無関係です。DVDのジャケットには女子高のお姉ちゃんがチェーンソーを振り回している様子が書かれていますが,こういうシーンは全くなし。タイトルも嘘ならジャケットも嘘。アルバトロスはこうじゃなくっちゃいけません。
2006/07/28
- 来年8月5日(日)に仙台市で開かれる日本意識障害学会で講演することが決まりました。ついに1年以上先の予定まで入ってしまいました。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,岩手県盛岡市の川久保病院 外科 小野寺健一先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 朝日新聞のサイトに【傷の回復に電流が関与、早く治す方法できる?】という記事がありました。この記事だけでは詳細は不明ですが,電気泳動だと考えれば,細胞の移動が電流で促進されるのはあっても不思議ではないような気はします。ネイチャー誌に掲載された論文のようですが,お読みになられた方はいらっしゃいますか?
2006/07/27
- モンド系ホラー映画,《フレッシュ フォー ザ ビースト》について。ま,要するに,クズ映画って奴ですね。日本語吹き替えが異様に下手です。「セリフ棒読み」という言葉はこの映画のためにあります。
- 昨日から明日にかけて,東京の佐々木先生が見学に見えられています。
- 今(27日早朝),テレビを見ていたら「熊本で人食いバクテリアによる死者が発生! ビブリオの一種が傷に入ったものらしい」というニュースが流れています。どうやらこのビブリオは,通に海水にいる細菌のようですが,海水のNaCl濃度が1%くらいになると活発に分裂を始める細菌らしく,この大雨で海水(通常はNaCl濃度は3%くらい)が薄まり,それで増えたのではないか,と報道されていました。要するに,かなり特殊な条件下で発生したもののようです。
多分,この細菌は,河川が海に流れ込む汽水のようなごく限られた環境で細々と生きている細菌で,塩分濃度がちょっと上がるとすぐに「生きているが培養できない状態 Viable But NonCulturable」になってしまうのでしょう。
2006/07/26
- プテラノドンの卵が火山活動に伴って孵化し,人間を襲ってくるという映画,《プテラノドン》について。画面は安っぽくありませんが,ストーリーが雑です。そういうのが気にならなければ,暇つぶしくらいにはいいでしょう。
- ちょっと地味に,「掲示板過去ログ スレ一覧」を更新。作業量は膨大ですが,そう見えないところが悲しいです。
2006/07/25
- 昨日から本日にかけて,東和病院の黒岩先生,小笠原村診療所の堀家先生が外来見学に見えられています。ご苦労様です。
- 海洋SF映画の傑作《アビス》・・・の安っぽいコピー映画,《ディープ・ショック》について。
2006/07/24
- アカデミー賞受賞作品,感動のヒューマンドラマ,《ビューティフル・マインド》について。良質で感動的な素晴らしい映画という評価が一般的ですが,数学者を主人公にしている意味が見えてこない点が,私には不満でした。
- この週末は日本外科学会感染症学会雑誌からの依頼原稿を書くのに終始しました。
- そして,移動の間にちょっと読んでいるのが,『秘密結社の世界史』(海野弘,平凡社新書)。ピタゴラス教団(結社),死海文書,カタリ派,テンプル騎士団,薔薇十字団などから,KKK,ナチス,マフィア,カルト教団にいたるさまざまな秘密結社を時代の変遷を軸に説明しています。
まだ真ん中くらいまでしか読んでいませんが,ヨーロッパ近代の社会に広まった薔薇十字団の秘密と秘儀への興味が,グーテンベルグの活版印刷と関連があった,という説明は面白かったです。要するに,誰も知らない秘密は秘密ではなく,世間に広く「そこに秘密があるらしい」と知れ渡ってこそ秘密である,ということです。実際,印刷技術の普及に足並みをそろえ,薔薇十字団についての研究書がどんどん出版され,噂話を憶測でまとめただけの本がたくさん出版されたとか。しかし,ひとたび薔薇十字団に入ろうと思って関係者を自称する人物に接触を図ると,なぜか蜃気楼の如く手がかりが消えてしまったそうです。
噂ばかりで実体がない,という意味では人面犬,ツチノコ,UFOみたいなものでしょうか?
実態がよくわからないからこそ,薔薇十字団にはそれまでにありとあらゆる秘密教団が結び付けられ,薔薇十字団はアダムが作ったとか,キリストは結婚していてその息子が薔薇十字団に関連があったとか,,ありとあらゆるデマの温床になったとか・・・。
- 時間があったらやって見たいなぁ,といつも思っているのが,ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番 第1楽章」のピアノソロ用編曲。まだピアノをよく弾いていた頃は,ピアノ2台用の楽譜を見ながら遊びでピアノパートとオケパートを同時に弾いたりしていましたが,これを最後までやってみたいなぁ,と・・・。
Lloidさんというアマチュアのピアノ愛好家(以前メル友でした)がソロ用に編曲(それも全楽章)して,彼自身が演奏したMIDIファイルを持っています。素晴らしい出来なんですが,彼自身も楽譜にしていないようです。
でも,一人でこのコンチェルトを弾いてみたいんですが,どこにも楽譜がないなら,自分で作っちゃうしかないか,という感じなんですね。アイディアは長年温めていますし・・・。
問題は唯一,時間がないことです。
2006/07/22
- 「掲示板過去ログ:スレッド一覧」というのを作ってみました。まだ,最近のものしかまとめていませんが,ま,ないよりはましでしょう。
- 久し振りに,講演のない週末です。
2006/07/21
- 大雨の影響で,松本が「準:陸の孤島」と化しています。特に諏訪湖周辺の被害がひどいようです。私は通常,JRで移動しますが,新宿に向かう「特急あずさ」も名古屋に向かう「特急しなの」も止まったままで,復旧の目処が立っていない模様です。現時点では,松本から脱出するためには,長野に向かい,そこから新幹線で東京に移動するしか手段がありません。
ちなみに,昨晩からずっと雨が降り続いています。被害がこれ以上広がらないように祈るばかりです。
- 本格的クズ映画,《クリムゾン・アイランド》について。邪悪な心を封じ込められた土人形,ピニャータがアホ学生を殺しまくる,というお馬鹿映画です。
2006/07/20
- 「動物パニック」+「感染症パニック」という欲張り映画の《ホットゾーン》について。ま,見るだけ時間の無駄ですけどね。
2006/07/19
- 日刊ゲンダイの7月14日号の『夏レジャーの傷は“潤い療法”で治せ』という記事で治療法が紹介されました。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,山口県下関市のじょうのクリニック 城野憲史先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 松本も昨日以来,ずっと雨が続いています。もともと松本は雨が少ない地域で,私がここで生活するようになって,これほど雨が続いた記憶はありません。市内の川の水位も上がっているようです。
2006/07/18
- 7月14日(金)は東京国際展示場で開かれた国際モダンホスピタルショウで講演でした。広い会場の一角というオープンスペースでの講演のため,通常の講演と勝手が違い(外の騒音が聞こえる,自分の声が聞こえない,聴衆に声が届いているかどうかわからない),最初はとても戸惑いましたが,何とか最後まで話すことができました。用意されて椅子は講演開始時にほぼ埋まっていましたが,次第に立ち寄る人が増え,かなりの人が立ち見で聞かれていたようです。講演の主催者の方によると,今回のホスピタルショウで行われた幾つかの講演で一番の人手だったとのことでした。
多数おいでいただき,ありがとうございました。
- 私がこれまで見てきたさまざまな映画の中で,最も怖かった映画《テキサス・チェーンソー》について。この怖さは尋常ではありません。
私は結構ホラー映画(モンスター,サイコサスペンス,スプラッター・・・)を見ていて,そこらの怖い映画には免疫ができているはずなんですが,この映画だけは途中で何度止めようと思ったか知れません。登場人物の感じる痛みと恐怖がこちらに直接伝わってきます。
ちなみにこの映画は,映画史上最も恐ろしい映画といわれた《悪魔のいけにえ》のリメイク版で,いずれも実際に起きた事件を題材にしたものです。テキサスの田舎には絶対に行きたくないと心底思わせる映画です。
- この連休中にも【外傷治療マニュアル】の執筆を続けていました。何しろ,別の出版社に今年中に執筆に取り掛かれると思いますよ,と約束しちゃったもんで,このスピードでもギリギリじゃないかと思います。
- 掲示板で「熱傷や擦過傷を湿潤治療していると感染することがあるのはなぜか?」という問題について,議論が深まっています。ご興味をお持ちの方はお読み下さい。また,議論に参加してみたいという方はご連絡下さい。
2006/07/14
- 今日はこれから松本を出発して東京国際展示場に向かい,国際モダンホスピタルショウで13:50より講演です。
- 大雑把に見ていれば時間つぶしになるんだけど,真面目に見ていると矛盾点ばかり,という映画,《ブラックファイア》について。ちなみに「巨大スズメバチの大群が町を襲う」という宣伝文がDVDジャケットに書かれていますが,登場するスズメバチは普通サイズです。おいら,巨大スズメバチが見たかったよお~。
- 【外傷治療マニュアル】の執筆,順調に進んでいます。何とか今年中に出版したいものです。
- 『人体 失敗の進化史』(遠藤秀紀,光文社新書)を読んでいますが,面白いですよ。いずれ感想でも書いてみようかな?
2006/07/13
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,埼玉県坂戸市の坂戸西診療所 伊利 元先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。ちなみに先日,見学に見えられた先生です。
- 一昨日,市民向け講座で湿潤治療の講演をしましたが,質問コーナーで「お化粧を落とす際はどういう注意が必要でしょうか?」という質問を受けました。さすがに「想定外」の質問でしたが,そもそも化粧とは肌にとってどういう現象なのか,という風に考えると面白いですね。
〔化粧をしなければいけない〕⇒〔化粧を落とさないといけない〕と考えると,皮膚にとっては化粧そのものは汚れになるでしょうから,それを落とすとしたら界面活性剤が必要になり・・・ということになります。
しかし,冷静になって考えると,化粧というのは文化なんですね。これは要するに,江戸時代の人たちがチョンマゲを結っていたのと同じ。江戸時代の人たちは「なぜ自分たちはチョンマゲを結っているんだろう?」とは思わなかったはずです。チョンマゲを結う文化で暮らしていたからです。だからチョンマゲを結うことに対する疑問は生じません。
ところが,明治維新になり,次第にチョンマゲを結わない人がでてくると,「ところで俺たち,何でチョンマゲを結っていたんだっけ?」という疑問が生じ,チョンマゲを結わなくても生きていけることに気がつき,チョンマゲって面倒なだけで意味がないんじゃないのか,ということになり,やがて誰も結わなくなりました。
多分それと同じで,現在は「女性は化粧をするもの」という文化の真っ只中なんで誰も化粧をすることに疑問を持たないけれど,文化が変わってしまうと「何で今まで,化粧なんて面倒なことをしていたんだっけ?」ということになるかもしれません。
と,ここまで書いて,「傷は消毒」,「カテーテル刺入部はまず消毒」,「手術執刀前にはまず消毒」というのも単なる「文化」ではないかということに気がつきます。なんだかもっともらしい理由付けはされているけれど,本当に消毒が必要かと理論的に問われると,「昔からそう決まっているじゃないか」と答えるしかなくなってしまうからです。
というわけで,「消毒=チョンマゲ」理論の出来上がり!
2006/07/12
- 8月25日の東苗穂病院での講演の問い合わせ先情報を追加しました。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,埼玉県越谷市の山口整形外科 山口秀行先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 「湿潤治療の講演をしている医師」に福岡県八女市の川崎病院 形成外科 古賀美穂先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 動物パニック映画《BATS 蝙蝠地獄》について。暇つぶしにはいいですよ。
2006/07/11
- 東京保険医新聞,2006年6月5日号に『新しい創傷治療④』が掲載されました。
- 8月25日に札幌の東苗穂病院で講演することが決まりました。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に福岡県朝倉市の甘木朝倉医師会立朝倉病院 外科 辻 義明,原 靖先生,静岡県浜松市の聖隷三方原病院 救命救急センター 白井知佐子先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
2006/07/10
- 7月7日は福岡県の柳川山門医師会で講演でした。会場は通常の同会の講演会の倍という70人ほどの方々が参加されて一杯でした。その後,立食形式の懇親会がありましたが,次々と質問を頂きました。その後さらに,5人ほどの先生と同じホテル内の和食レストランで二次会。ここでもいろいろな話をさせていただきました。ありがとうございました。
さて,7日(金)は朝10時半過ぎに松本を出発して名古屋に向かい,中部国際空港から福岡に向かう予定でしたが,出発の10分ほど前になり,いきなり「飛行機の整備不良により欠航となります!」とのアナウンスが!! 結局,1時間遅れで飛行機が出て,福岡空港に17:00過ぎに到着。タクシーで会場に到着したのは,講演開始の20分ほど前でした。
柳川といえば川下りが有名ですが,金曜日は講演開始直前に到着し,翌日8時半にホテルを出発したため,船着場の脇をタクシーで通ったのが唯一の観光でした。
ちなみに今週末の総移動距離は2,840キロでした。
- クローン技術でドラゴンが現代に蘇るという,ちょっと考えるとそりゃあ無理だろう,という映画,《ドラゴン・ファイター 炎獣降臨》について。
映画の内容があまりにお馬鹿なんで,生物学的にドラゴン(背中に羽が生えていて火を吹くを爬虫類)について考察してみました。ここでも鍵になるのは恐らく,メタン生成菌との共生です。
- 考えてみたら,最近6~7年間,全く夏休みをとっていません。ゴールデンウィークと年末年始をカレンダー通りに休んでいるだけです。特にここ数年は,5月から9月まで研修医の教育をしないといけないため,休みを取るわけにいかない,という状況です。
これに毎週末ごとに1,000~2,000キロの大移動があり,原稿依頼と執筆が重なるため,そろそろ体力的に辛くなってきました。
2006/07/07
- 感動的な大著,『生と死の自然史 ‐進化を統べる酸素‐』について。生命の根源に迫る名著です。
- 今日は午前中に1時間くらい外来をして,それから松本駅に向かい,名古屋の中部国際空港から福岡に向かい,柳川山門医師会で講演です。
- 昨日,統計学の基礎中の基礎,標準偏差についての素朴な(=無知な)疑問を書いた。あまりに拙稚な表現だったため,ちょっと書き直してみた。
まず基本的な知識として,標準偏差の計算式は次のようになる。
- 〔偏差〕=〔測定値〕-〔平均値〕
- 〔偏差平方和〕=〔偏差〕2の合計
- 〔標準偏差〕=〔偏差平方和〕を〔データ数〕で割り,その平方根を取ったもの
私がわからないのは,偏差の2乗を取ってその数を足す,というところだ。これは偏差(平均値からどれだけ離れているか)が大きければ大きいほど影響が大きくなる。2乗にするから当たり前である。
標準偏差を算定する場合には,この2乗にした値を合計してデータの数で割るわけだが,純粋に数学的に考えると,二次元データと一次元データをごっちゃに扱っているだけのように思えるのだ。2乗したデータは足したり引いたりせずに,そのまま平行根を取るべきである。あるいは,足したり割ったりするのはいいとして,その平方根を取ったとしてももともとの変異の大きさを表す指標としては適切なものではないような気がする。
さらに,平均値から離れた数ほど標準偏差に及ぼす影響が大きいという根本的な問題は避けられないはずだ。この問題を回避するために,極端なデータをあらかじめ除去して計算するという解決法があるらしいが,どの範囲で除去すべきなのかというのが問題になるし(例:両端5%のデータは計算に入れない,としたとしても,その5%の根拠は何?),平均から大きく離れた実験データが実は問題解決の鍵だった,という可能性を消去してしまうことになる。
ということは,上記の標準偏差の計算法は,対象とする集団が正規分布しているということを前提にしているのではないか,という疑問が生じるがどうだろうか。たかだか1万人とか10万人程度の集団のデータは本当に正規分布しているのだろうか。「正規分布していることにしないと統計が使えないから,正規分布しているはず」という考えもあるんだろうけど・・・。
あーあ,また無知なことを書いちまった。
2006/07/06
2006/07/05
- 何が起きているか,なぜそうなったか,そもそもこの映画って何だったの? という謎が謎のまま終わってしまうクズ・ホラー映画,《吸血家族》について。
2006/07/04
- 9月29日(金)に世田谷区の成城内科で講演することが決まりました。
- 昨日から本日まで,埼玉県の伊利先生が見学にいらっしゃっています。
- 見たら必ず後悔する巨大動物パニック映画,《アラクニア》について。情けないほどギクシャクと動くモンスター,ご都合主義の展開,無駄色気,魅力的な登場人物ゼロと,あらゆるクズ映画の要素を備えている素敵な作品です。
2006/07/03
- 「外傷を湿潤治療している医師」に以前から登録していただいている星川浩一先生が岩手医科大学第1外科に移動となりました。
- 先週土曜日は京都実地医科の会で講演でした。通常の同会での講演会の倍となる70名近い方が参加されました。質疑応答も非常に活発でした。その後,もう一つ講演があったあと,同じホテル内で懇親会。ここでもいろいろな先生方に声をかけていただきました。ありがとうございました。
その後,協賛メーカーの人とお寿司屋さんに(懇親会であまり食べられなかったため)。お寿司,非常に美味でした。
- 名作映画,感動映画として名高い《海の上のピアニスト》について。ストーリーについての考察は一切書かず,ひたすら主人公が演奏した曲についてのちょっと書いてみました。
- 先週末の移動の車中で『生と死の自然史 -進化を統べる酸素-』(ニック・レーン,東海大学出版会)をようやく読み終えました。B5判で本文だけで500ページを超えるという大著であり,内容は非常に濃い本で,圧倒的な読後感に酔いしれています。いずれ,本の感想を書いてみようと思いますが,果たして内容をまとめられるか心配です。
その中で印象的な文章がありましたので,まずこれだけ引用させていただきます。私が常日頃感じていることを,実にうまく表現しています。
科学は帰納法によってはうまくゆかない。何らかのパターンや事実を見出すことを期待して雑多なデータを山と集めても無駄だ。仮説と反証事実が必要なのだ。今日,医科学研究は,当然はらうべき考慮もはらわずにおびただしいデータの山を集めて,過度に実証的に成り果てるという幣に陥っている。老化や病気に関する何百もの常軌を逸した説の間には,厄介なギャップがある。それらが筋の通ったデータによって支持されていることは滅多になく,性急に突進する医学研究は,より幅広い背景の中で新たな発見を説明する時間をほとんど見出せていない。(中略)この過剰な健康管理時代にあって,我々は,医科学研究が正しい方向へ導いてくれるのだろうかと問う必要がある。
2006/07/01
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,長崎市の長崎市立市民病院 整形外科 麻生英一郎先生にも登録していただきました。ありがとうございます。
- 今日は10時過ぎに松本を出発して名古屋経由で京都に向かい,京都実地医科の会で講演をする予定です。
- 三輪書店から出版予定の本の原稿書きを急ピッチで進めています。昨日は顔面骨骨折の診断のコツ,なんてのを書いてみました。