【08:30】

　「エアウォール」についてのメールです。

　エアウォールですが、ノーマルタイプも全く同じ使い心地です。
　私は粗忽者で怪我が多いのですが、最近はハイドロ救急パッドを傷の大きさに合わせて切り，固定・防水のためエアウォールを貼っています。指先とかハイドロコロイドがはがれやすい場所でも固定できるので非常に便利です。
　固定・防水に使うのであればノーマルタイプのほうが安くていいです。

　紹介した人間としては，一寸嬉しいです．
　UV効果の無い普通のエアウォールも使っていますが，薄い(7ミクロン，世界一薄いそうです)のが良いのでしょうか，とても使いやすく重宝しています．何よりあまり，蒸れないのが良いです．
　UV効果の無いタイプは安価です．色々な場面で使用しています．

【06:00】

　「コールドスプレーによる凍傷」症例を追加。同様症例があと数例ありますので，順次追加していく予定です。

　この数日間，シコシコと作っていたのがこれです。プラスモイストを扱っている店と実際の地図を連動させてみました。ものすごい手間でしたが，やはり完成すると嬉しいです。
　今後，47都道府県バージョンを作るか，医師リストもこの路線で作り直すか，考えているところです。こういう「手間がかかる作業」はきらいじゃないんですよ。

　「経口補水液（ORS）についての疑問」メールをいただきました。

　今回も疑問が発生しましたのでメールいたします。
　先週、扁桃腺の炎症で40度の熱が出ました。お茶を飲もうにも体が拒否する感じで、どんどん状態が悪化しました。
　そこで、子供の発熱用に備蓄していた大塚製薬工場のOS1を飲んでみたところ、すんなり飲むことができました。1日半で1.5L。大変助かりました。絶食に関しては糖質制限の賜物でしょうか、丸2日でも大丈夫でした。
　熱が下がってからふと成分表をみると、炭水化物と糖類が目につきました。Wikipediaで経口補水液(ORS)を検索すると

「脱水症状や下痢の場合大腸で水分吸収などが出来ておらず、さらにイオンの流出も起こることが多い。ところが小腸でナトリウムイオンとブドウ糖が吸収される際、これに伴って水も吸収される仕組み（共輸送系）が発見され、糖と食塩を同時に与えれば、通常使われる大腸ではなく小腸から水分と栄養分を補給できることが分かり、経口補水液として発明された。」

　とされており、糖の摂取は不可欠と受け取れるのですが、

「基本的な考え方として、水1Lに対し食塩9gが生理食塩水（体液と等張）である。細胞外液の脱水、虚血に対しての急速輸液にはこれが用いられる。消化管からの吸収率や速度を向上しつつカロリーの投与を兼ねる目的で糖分を添加しその浸透圧の分塩分を減量し、また、長期投与での純粋水分の蒸散や発汗などに対応して、純水分の割合を増やした物がORSとして使用されることになる。」

　とも記載されており、カロリーの投与を考慮しなければ糖分は必要ない(もしくは減らせる)ようにも受け取れます。
　ORSが必要な時に糖質制限云々はおかしいといわれそうですが、糖質セイゲニストとしては気になってしまいます。
　体調が悪い時に低血糖になるのは絶対に避けたいので、糖質制限に見合う自家製ORSのレシピは作成可能でしょうか。

　「エアウォールUV」関連のメールです。

　先日よりご報告させていただいているエアウォールUVですが、プールなどの際にプラスモイストを固定するためにも使用できます。十分な固定能力を見せてくれるので、アルギン酸カルシウム不織布(当方ではソーブサンを使用)の封入にも便利です。娘が足の親指の爪を剥いでしまったときも助かりました。
　同じ会社からUVカット能力のないタイプも発売されているようですが，どなたかご使用された方はいらっしゃいませんか？

　「糖質制限についての雑感」メールです。

【１】糖質摂取による体重増については思い当たる節があります。
　私は元来どんぶりメシ２杯以上＋おかずという食事をしていたご飯大好き人間でした。しかし、そのあとどんなに水を飲んでも半日は尿が出ず、手足がむくみ頭が重く全身がだるくなり、仕事もままならない症状に悩まされてきました。おそらくインスリンの追加分泌が多い体質なのだと思われます。つまり食べたら食べただけ（糖尿病にならずに）太る体質です。不快症状はインスリンの水分貯留作用によるものと推測されます。糖質制限をしている今はそんな症状は雲散霧消しました。

【２】インスリンは腎臓においてナトリウムの再吸収を促進し、体内に水を貯留する方向に働きます。
　そこで、高血圧の疑問が湧いてきました。食塩と血圧との関係です。それについては、こちらのサイトで語りつくされていました。科学者として中立な立場から食塩とヒトの生理との関係について考察しています。

【３】食塩と血圧の関係については、そもそも論（生理学的事実）として「ほとんど関係ない」と言えるかと思います。
　それは、この論考であきらかです。
　つまり「毎日25キログラム程度の塩分の出し入れを行っている健全な腎臓にとって、通常の生活で摂取する10～20グラムの塩分負荷はまったく問題がないように思える。」です。

【４】血圧が高ければ血管内皮細胞への負荷が高くなるのは確かですが、それはどの程度なのかわかっていません。これまでの動脈硬化など老化に伴う生活習慣病については、糖質中心食を前提に組み立てられてきました。糖質制限食を実行すれば、血糖および脂質系は即座に正常化します。脳や膵臓において老化を促進している高インスリン血症も避けられます。もしかすると、糖質制限食のもとでは、血圧上昇による動脈硬化の危険度はずっと低く見積もられる可能性もあると思えます。

　糖質制限食が一般化すれば、魚を中心に肉は控えめ等、従来の「信仰」の多くも改変を余儀なくされるでしょうね。

　シャンプー・レスについてのメールです。

　だんだん拡がってるようですなw
　　　　　⇒【「シャンプーはハゲる」若者の間でシャンプーを使わない「湯シャン」派激増】

2013/07/30　・・・ [06:00]／ [11:00]／

【11:00】

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　7月30日6:00の折衷案のご投稿ありがとうございます。
　ニュートラルな立場で、『糖質制限／ゼロは日本全体，世界全体に広める人類普遍的価値を持つ革命的な考え方だ』に基づき、先のようなご提案をお考え頂けました事は私としましては大変嬉しく存じます。これにより『糖質摂取、人類の今後のあり方』という事に一人でも多くの方が常に真剣に思考し向き合って下さるようになればと願います。

　最後に、先日かまたみのる氏『八ヶ岳山麓日記』2013年1月28日のブログにて次のような記述を見つけましたのでご報告致します。

農業はしないという。
牛の肉と乳製品、牛の血が主食である。
わずかにとうもろこしのおかゆのようなものを食べているようだ。
野菜は食べるが、基本的には作らないので、ほとんど食べていないみたいだ。
この食事で一日100キロ走れるという。
まさにマサイは肉食系人間だ。

　このマサイ族のグループの身体は糖質摂取がほぼ無し。ヒト本来のエネルギー、3-ヒドロキン酪酸が最大限に活用されている状態ではないでしょうか。故に現在必要と考えられているビタミンCの必要量ほど多量にはこのマサイの人の身体では必要とされず、牛の肉、血に含まれる微量のビタミンCで十分にまかなえられているのではと思いました。私に知識がない故の発想ですので、全く根拠はありませんが・・・。

【06:00】

　「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に，埼玉県朝霞市のあさか台薬局を追加しました。

　「湿潤治療体験記」メールです。

　お礼を言いたくて書いています。
　一ヶ月前にバイクの排気筒で五センチ四方くらいの皮がむける火傷をしてしまい、病院にいくのが嫌だったので（以前火傷でかかったことがあるので），ネットで湿潤療法をみつけ、こちらのサイトを参考に自分でやってみました。
　三週間ですっかりふさがり、今はうっすらとあとが残っていますが薄くなってきています。
　使ったものは、ワセリン、スーパーの透明袋、紙テープです。
　一日二、三回換えるだけで、サイトにあるとおりまったく痛くありませんでした。プラスモイストのようなものが買える店が近くにないので、しょうがなくあるもので始めたのですが、良くなりました。
　身体の治る力ってすごいなあと実感したのと、何でもかんでも病院に行けばいいやと思っていたことを考え直す機会になりました。というのも、自分で治せることもあることを知り、丸投げしてた部分に気がついたからです。
　甘えと信頼は違いますね。

　話がずれてしまいましたけど、湿潤療法のおかげでいろいろ気がつきました。これからも参考にさせていただきます。

　練馬区は東京の北の端なので，埼玉県から来られる患者さんが多いです。そのため，特に埼玉県南部の市町村の位置関係も自然に頭に入ってきましたが，それで気がついたのは「埼玉県にはやたらと市が多い」ということです。実際，調べてみると，愛知県と埼玉県がともに39市からなり，最多のようです。
　気になったので数人の埼玉県民に聞いてみたら，

「経済的に恵まれている市とそうでない市が隣接していたため，平成の大合併で合併を臨んだ市（＝経済的に恵まれていないところ）と合併を望まなかった市（＝経済的に恵まれているところ）の話し合いがつかず，合併が進まなかった」

　とのことでした。事実はどうかは不明ですが，いかにもありそうな話です。

　「こんな記事がありました」というメールです。

　こんな記事を見つけました。

【夏に体重が増加する人は「栄養失調太り」の可能性】

　文章も内容もなんだか意味不明・・・残念としか言いようがないです
　要するに「夏になると糖質の多いものばかり食べて飲むから太るんだよ」というだけのことなのに，栄養学の偉い先生は「栄養のバランスが崩れるから・・・」という方向に無理矢理話をねじ曲げます。だから，訳の分からない文章になります。こういう記事を「アタマが悪い人の書いた文章の見本」と言います。

　「成長期の子どもは糖質摂取を制限すべきか」についてのメールです。

　7/24の

「成長期に糖質制限をすると、身長が伸び悩んでしまう可能性」について、「血糖値がなるべく上下する頻度を多くすればその都度成長ホルモンが分泌され、子供の身体の発育にはプラスに働き」とありますが全く逆で、本来は子供の身体の発育に使われるはずの成長ホルモンがインスリン拮抗ホルモンとして血糖値を下げない為に無駄遣いされているのではないでしょうか。（発育には影響ない程度かもしれませんが）

　副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイドの一種のコルチゾール（=ステロイド系抗炎症薬の有効成分）がインスリン拮抗ホルモンとして血糖値を下げない為に無駄遣いされていることで花粉症やアトピーが引き起こされている場合、糖質制限によって症状が改善するという理屈と同様かと思われます。（「糖質革命」宝島社）
　アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβというタンパク質を分解する酵素とインスリン分解酵素が同じなので、糖質制限によって酵素の無駄遣いがなくなりアルツハイマー予防になるという理屈とも似ています。（2012/9/28　NHKためしてガッテン）

　いずれにせよ、花粉症もアトピーもアルツハイマー病もインスリン追加分泌の弊害という理屈上だけで見れば糖質制限よりも糖質ゼロの方が若干効果が高いと言えますし、継続性や普及性も考えて総合的に見れば糖質制限の方が効果は上かもしれません。

　「糖質ゼロ」についてのメールです。この前に紹介したメールの後半部分になります。
　江部先生も「糖質ゼロ」について、他の糖質制限と比較して治療効果は抜群だが、始めにくいこと・継続しにくいこと・普及しにくいことという難点の方が多いという認識です。
　　　　　⇒【http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2614.html】

　糖質制限／糖質ゼロを広く普及させるには、治療効果だけは抜群の糖質ゼロも江部式に習って、
「プチ糖質ゼロ」（夜だけ糖質5g未満）

「スタンダード糖質ゼロ」（夜と朝が糖質5g未満）

「スーパー糖質ゼロ」（3食とも糖質5g未満）
　という選択肢を「プチ/スタンダード/スーパー糖質制限」と併せて提示してみてはどうでしょうか？
　メリットとしては、食後高血糖だけではなくインスリン追加分泌の弊害も段階的にほぼ確実に抑えられることと，「糖質ZEROの実践者で素人」さんのメールにもあったように、調理法が簡単で初心者でも実践しやすいことです。
　実践者としては、最初は朝食抜きから始めた方がお腹が好きにくくて一番良いとは思いますが、まずは3食しっかり食べるという旧常識に表立っては逆らわずに、「糖質＝摂取量・回数を減らせば減らすほど健康に良いもの」という認識が最優先で世間一般に広がってほしいです。

　6つの選択肢が多すぎれば、江部式＋αとして次の4つがシンプルで良いと思います。
「プチ糖質制限」

「スタンダード糖質制限」

「スーパー糖質制限」（1食の糖質20g以下。美味しく楽しく続けられる！）

「ウルトラ糖質制限」（1食の糖質5g未満、ultra=極端な。改善効果は抜群！）
　以上の選択肢はいずれも1日1食糖質5g未満を理想とする釜池式からは外れますが、

※インスリン追加分泌が起きない糖質量は人によって異なるが1食5g未満が目安。（「糖質ゼロの健康法」釜池豊秋）

　と小さくても良いので常に出典明記しておけば道義的にも問題なく、ここから興味を持ったごく少数がストイックな「釜池式糖質ゼロ」に移行するかもしれません。

　ここまでの議論を踏まえた上で、ニュートラルな立場で好いとこ取りの折衷案のつもりですが、7/8糖質ゼロのメールの方はどう思われますでしょうか？
　現実・現状を踏まえた上での，極めて理知的な提案であり戦略だと思います。

2013/07/29　・・・ [06:00]／ [08:30]／ [12:00]／ [13:00]／

【13:00】

　「エキストラバージンの嘘と真実」についてのメールです。

　「エキストラバージンの嘘と真実」今年の年初に読みました。オリーブの歴史・世界的分布・生産者の苦悩・薬事的効用・等々非常に豊富な内容でかなり読み応えがありました。

　当方、昨年春より認知症予防も兼ねて、なんちゃってケトン食を目指しておりますが、やはり主食であろうスーパー等での市販オリーブオイルに疑問を持っておりました。
　悩ましい課題ではありましたが、この本のおかげですっきりしました。
　きっかけは神楽坂の某フレンチでかなり刺激的なとっても美味しいオリーブオイルを頂いてのことでした。そこのシェフ曰く「本物のエキストラバージン、どうも人気がなくて、安物の方が好まれるようです（笑）」とのことでした。
　もう２０種類ほどのオリーブオイルを試していましたが、銘柄はだいたい落ち着くところに（コスト面も含め）辿りついております。
　日本オリーブオイル　ソムリエ協会というのがあって、ここのサイトは非常に参考になります。

　この本、現在は糖質制限レシピを多数提供なさっている、料理研究家の井原裕子氏のところに渡っております。

　「爪甲剥離とネイリスト」というメールです。

　先程、2日前右第1趾を爪甲剥離された方が来られましたが、ネイリストの指示で何と剥離部と爪甲の間にアロンアルファを注入してしまい、かなりの癒着を呈していたため、当方では処置出来ず湿潤療法に理解有る形成外科医に紹介しました。
　しかしネイリストにも困ったものです。

【12:00】

　「東京区分地図」ネタのメールです。

　本日の「東京区分地図ネタ」ですが、東京住まいの私も「灯台もと暗し」で配列順の意味は知りませんでした。単純に「都会順」または「重要度順」かと思っていて、葛飾住民の私などは「どうせ葛飾は下から2番目の田舎だよ」などと自虐ネタとして使っており、最下位（？）である江戸川区を見下し、優越感に浸っておりました（目○ソ鼻○ソ：笑）。
　まあ、皇居中心からという意味では概ねそんな感じでしょうが・・・

　「エキストラバージンの嘘と真実」についてのメールです。

　いつもホームページの記事を読ませていただいてます。勉強になることがとても多く、実際、数ヶ月前に自転車で転倒した時にできた直径10cmくらいのスリキズを、記事に書かれている方法でサランラップを使って手当てしました。痛みもなく、すぐにきれいに治ったのには驚きました。

　ご紹介されている『エキストラバージンの嘘と真実』という本に関しては、関連記事が日経ビジネスオンラインに掲載されています。「オリーブオイル～食品業界の光と影」というタイトルで、8回連載の詳しい記事です。
　本の出版元が日経BP社で、本の発売日頃からこの連載記事が掲載されていましたので、PRも兼ねているようです。記事の内容も、本書を読む時の参考になるのではないかと思います。

【08:30】

　「読みたい本」がどんどん増え、「読んだけどレビューを書いていない本」も増える一方です。とりあえず、次に読む本は『戦争と飢餓』に決めました。今日、手元に届く予定。

【06:00】

　「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に，東京都中野区の東京中央薬局を追加しました。

　今日は富山県から長谷川先生が見学に見えられます。
　ちなみに8月のお盆のあたりは見学ラッシュ状態です。

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　糖質ZEROの実践者で素人です。糖質ZEROの普及活動で申し訳ありません。
　例えば、スーパー糖質制限食を実践されてる方が、夕食にチキンステーキを食べるとしますよね。この場合、調味料を塩のみとし、一緒に食べる野菜も糖質の少ない物を食べれば、簡単に糖質５グラム以下に抑えられますよ。あっという間に「プチ糖質ZERO食」の完成です。（釜池先生非公認）

　糖質５グラム以下なら食後一時間の血糖値上昇はゼロです。私の場合は本当に血糖値上昇がゼロでした。ゼロどころか、時間の経過や血糖値計測器の誤差もあるのか、食後の血糖値が食前より低くなる場合が度々ありますよ。
　食後一時間後の血糖値が80mg/dl～90mg/dlですね。私の場合は数値を見て喜んでいるだけですけど。

　普及活動になってませんか？　たからどうなんだって話しですね。そんなに難しくないってことが言いたかったんです。
　既にスーパー糖質制限をしている人が糖質ゼロに移行するのは難しくないと思います。これは単にテクニカルな問題であり（例：野菜の種類，調味料の銘柄など），転換ではなく微修正・微調整ですから。
　しかし，このサイトで先週頃から始まっている議論はそういうことではなく，何の疑問も持たずに毎日米の飯を食べ，パンを食べ，スポーツドリンクやジュースを飲んでいる人たちに，どのようにしたら糖質制限を普及させるかなんですよ。スーパー制限の人が糖質ゼロの食事にするのは簡単ですが，米の飯を食べている人がプチ制限にするのはものすごく大変です。

　要するに，糖質制限／糖質ゼロについて，あなたはどう考えているのかです。
1. 糖質制限／ゼロは興味のある人がやればいい個人的健康法であり，興味のない人に広める必要はない。
2. 糖質制限／ゼロは日本全体，世界全体に広める人類普遍的価値を持つ革命的な考え方だ
　このどちらなのか，という立場を明確にしないと議論は成立しません。

　日本全体で糖質ゼロを実践している人が数百人いるとしても（正確な数はわからないので当てずっぽうな数字です），それは限界集落の人口より少ない数であり，それを実践している人間だけの問題です。数千人だったとしても，「日本で一番小さい村」と同じくらいの数です。
　しかし，日本の人口の5％がプチ糖質制限を始めたら，それは社会現象になり，やがて社会を動かし，変えていきます。そして，プチ制限をする人の何割かがスタンダート制限に移行し，スタンダート制限をする人の何割かがスーパー制限になり，その一部が糖質ゼロに移行するでしょう。これが私が想定する未来の姿です。これなら実現可能と思うし，それまで「3食米／パン／ウドン」の人が「夜だけ糖質を食べないプチ制限」に移行すれば，糖質制限の威力はすぐに理解してもらえます。確実に体重が減り，体調が良くなりますから。

　問題は，糖質まみれの食生活をしている大多数の日本人に，糖質摂取を制限することのインセンティブを提示できるかどうかです。つまり，一番困難なのは「スーパー糖質制限から糖質ゼロにする」ことではなく，「糖質摂取が人間の食事の常識だと思っている人たちの常識をひっくり返す」ことです。そして，これこそが最も挑戦しがいのある超難問です。何しろこの国は古来より「瑞穂の国」と名乗り，様々な神事に米が結びついている伝統を文化のベースに据えている国であり（例：天皇家で最も重要な祭事である新嘗祭や大嘗祭は米・稲作と密接に結びついていますよね），「米の関税撤廃」というだけで国論が二分される国です。「稲作農家を守ること」を第一に考える省庁がある国です。

　ちょっと気になる本。ちょっと前からスーパーの食料品コーナーに「エキストラバージンオリーブオイル」が単独コーナーができるくらい並べられています。美容と健康にいいとか，速水もこみちさんがオリーブオイルの化身と化しているとか，いろいろあって売れているし，もちろん糖質制全／糖質ゼロでも欠かせない食材です。
　でも，エキストラでバージンのものが，スーパーの陳列棚狭しと並んでいるのは何となく違和感を感じていたんですが，やはりそうか，という本が出ていました。どなたか，この本をお読みになられましたか？

　上記の「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」を含め，このサイトの「医師リスト」などのさまざまなリストは47都道府県の地図と連動させて県別のリストにリンクし，そこから病院や薬局を表示するという方式にしています。　実は数年前前までは，47都道府県は「文字で」表示していましたが（北海道，青森，岩手・・・という順序），これだと目的の県がどこにあるかがわかりにくく探しにくいことに気が付き，現在の「地図表示」方式にしました。
　これで「都道府県」問題は解決しましたが，次は「市町村表示問題」にぶつかりました。具体的に言えば，市町村をどのような順番で並べるか，という問題です。
　例えば東京都の場合，試行錯誤の結果，区名の「あいうえお順」で23区を並べることにしました。区の名前を探しやすい，というメリットがあるからです。反面，近隣の区を探しにくいというデメリットが生じますが，メリットがデメリットを上回ると考え，現在の配列方式にしました。

　ちなみに，一般的な「東京都区分地図」ではこのような配列になっています。

千代田区，中央区，港区，新宿区，文京区，台東区，墨田区，江東区，品川区，目黒区，大田区，世田谷区，渋谷区，中野区，杉並区，豊島区，北区，荒川区，板橋区，練馬区，足立区，葛飾区，江戸川区

　これは昭和42年（1967年）に自治省が皇居を中心に時計回りにコード番号を振り分け，その順番に並べたものです。これは便利か，と言われるとどうでしょうか。多分，「東京都の地図が直ぐに頭に浮かぶ人」以外には使いものにならない配列でしょう。例えば，荒川区と墨田区は隣り合っているのにリストの上では遠く離れているし，江戸川区と江東区はほとんど離れ離れです。これだったら，23区を北から順番に並べた配列のほうが，また使い物になります。

　一覧性，検索性ともに優れているのは言うまでもなく「地図連動型リスト」ですが，これは作る手間が半端ではなく，余程の時間と気合がないと作れません。でも，見やすさは抜群なんだよね。

2013/07/27　・・・ [07:00]／ [09:00]／

【09:00】

　「塩分について」のメールです。

　高血圧対策ではペア元素のバランスを取ることが重要です。
　　　1）Na：K　　K不足では血圧上昇
　　　2）Ca：Mg　　　Mg不足では筋肉の痙攣、血管攣縮、突然死

　”減塩を指導しながら、熱中症予防に塩を摂れ”という矛盾した生活指導が行われています。”Ca摂取を指導しながら、Ca拮抗剤を処方する”という矛盾した治療も行われています。

　通常の食生活では前者に比べ後者が不足しやすい
　「カルシウムパラドックス」；Ca過剰＋Mg不足→骨からの脱灰＋異所性Ca沈着

　原因1；精製塩(Nacl)の使用とそれを用いた加工食材
　原因2；硬水が多い欧米と違い、日本はMgが少ない軟水

　対策1；精製塩を止め、天然塩を用いる、精製塩を用いた加工食材を摂取しない
　対策2；減塩ではなく、K，Mgを多く含んだ食材を積極的に摂取する
　Mgは天然のCa拮抗剤ーーーマグミット、にがり、ただし過剰摂取では高Mg血症

　「炭水化物は敵ではない」という読売新聞の記事についてのメールです。

　饅頭屋の売り場で働いているのに、「糖質制限ダイエットで１０kgほど減量したの」とか。よく甘い物の誘惑に勝てたものだと思います。

【07:00】

　「炭水化物は敵ではない」という読売新聞の記事についてのメールです。

　読売にこんな記事があがってました。

【炭水化物は敵ではない】

　また、糖質制限叩きかいと思ったら、最初以外は結構ニュートラルな紹介になっています。もー簡単にたたけなくなってきているのかもしれませんね。

　糖質もですけど、塩分も結局適正な摂取量てどのくらいなのか分らないと思いませんか？
　この辺、食料の摂取の適正て一度今の常識をとっぱらって再構築してほしいですね。まず最初に、意味がありそうで全然根拠のないカロリーあたりから＾＾

　別の記事の紹介メール。

下記記事がありました。

【炭水化物制限の方が総カロリー制限より減量効果が大きい。○か×か？】

　「血糖測定」についてのメールです。

　簡易血糖値測定器が販売されており、誰でも簡単に知ることができます。大きめの調剤薬局なら大抵置いてありますし、ネットでも輸入代行で買えます。（海外製が主流です）
　私は糖尿病患者でないので保険は効きませんが…最安1万円前後で本体＆検査チップが50回分くらい買えます。
　スプリングで針を指に打ち込んで絞り出した血液一滴を検査チップで計測します。一回10秒足らずです。簡単極まりないです。
　絶対値は採血位置、機種やチップのロットなどの条件で多少誤差が出ますが、どれだけ上がって下がるかは確実にわかります。
　糖質制限をされている方は、「実際どうなの？」を知るためにも是非持っていた方がいいと思いますけどね…　何を食べたらどうなるかがひとわかりです。

　「2日後に体重が増える」に関するメールです。

　インスリンには、腎臓の尿細管細胞に存在するトランスポーターに作用してNaの再吸収を促進する作用があります。インスリンが減少すればその逆にNaの排泄が促進されます。
　糖質制限開始後の数日でキログラム単位の体重減少が起きる人がいるのは，このことで説明ができるでしょうし、高血圧が改善したり浮腫みがなくなる人がいることも説明がつきます。
　糖質を取るとその逆のことが起きるのでしょう。「2日後に体重が増える」ってことは、腎でのNa再吸収はすぐには止まらず，2日程度続くってことなのではないかと。

2013/07/26　・・・ [06:00]／ [13:30]／

【13:30】

　「糖質を取り過ぎると2日後に体重が増える件」についての素朴な疑問メールです。

　炭水化物と言うくらいだから糖質と水(分子？)は結合しやすいんでしょうかね？　水太り(体内への保水)による体重増かも？
　生化学に詳しい方、教えてください。

【06:00】

　「糖質制限普及戦略」について，「糖質制限メニューを提供する和食料理店」からのメールです。
（１）糖質制限／ゼロを社会に広く普及させたい

　私は（１）の考えです。以前にも少しお話しましたが、はじめは「商売になるかも」と考えました。実際にはそうはうまくいきません。しかし、商売抜きにして「人がより良く生きていける事に繋がる」と思うからです。
　最近、糖質制限を始めた方々の挫折を目の当たりにし、少し落ち込んでいました。私は基本、商人ですので、このくらいでへこたれていられません。糖質制限の普及には戦略が必要というお考えに心から同意します。

　消費は人の行動があって起こるものと教えて頂いておりますので，それに照らしあわせて考えています。消費とはまた違うと思いますが，糖質制限も人の行動という事で・・「人の行動してもらうには」という点でいつも色々考えています。以下は私の落書き帳の一部からです。知識が専門家ではないので曖昧な部分はご容赦願います。

　生物は本能的に、快楽（性・食）を求めると苦痛の回避、という動機づけをされ行動をとると記憶しています。（たしか労力の簡略化も）　そして　苦痛の回避＞快楽　だそうです。（消毒やガーゼをしないって思いっきり苦痛の回避じゃないかなぁと）
「糖質を食べる」＝苦痛の回避

「糖質を食べる」＝快楽を求める
　一般的には、このような認識だと考えています。手強いはずです。一筋縄ではいきません・・・単純に
「糖質を食べる」ことを苦痛と思わせ、

「糖質を食べる」こと以上の快楽
　を提供しなければいけません。そう単純な話では無いですが、難題です。
　また少々古い？マーケティング本をひっくり返していますが，ニーズ・ウォンツを引き上げるというものがあると思います。糖質制限というものは一般人にとって完全に左下に位置していると考えます。
ニーズ（必要性）→差し迫った必要性・・・糖尿病でインスリンを打つことになりそうだ、アトピーがひどくて堪らない、夏までにアノ水着が着たいなど

ウォンツ（欲求性）→抑え切れない欲求…肉が大好き、糖尿病が治る、着られなかったアノ服が着れる、10代の体型に戻れる。などなど
　これらをベースに糖質制限を右上に引き上げるには？ということを考えています。
　もちろんこれは一部で、色々な考え方はあると思います。糖質を控える事による効果・効能の裏付け、理論は必要だと思います。

　夏井先生もおっしゃる現状、毎日普通に生活している人々は糖質の事なんてまったく他人事です。そのような方の「ごはんやお菓子を食べない事で、私がどれだけ得するの？」という問いにしっかり答えられないと絶対に受け入れてもらえないくらいに考えています。
　「ごはんを食べたら大損、パンを食べるなんて●※▲・・」そのくらいに思わせる圧倒的な魅力は無いでしょうか（苦笑）

　何はさておき、糖質制限と糖質ゼロ。どちらも素晴らしい事なんですから、そのような生活をしている人々が日々出来る効果的な普及策を考える方が建設的ですよね。
　先日も書いたとおり，糖質制限／糖質ゼロの弱点は「実際にやってみないとメリットがわからない」ことにあります。つまり，糖質制限／糖質ゼロの素晴らしさを前面に出しての宣伝戦略は必然的に失敗に終わります。そういう現実を踏まえて，どう行動するかです。
　逆に言えば，糖質制限に伴うさまざまな良い変化（体重が減る，メタボ腹が凹む，中学生の成績が上がる，子どものニキビが治る，睡眠時無呼吸が治る，二日酔いのない飲酒ライフが楽しめる，ムスコが元気になる etc.....）を前面に押し出す，という普及戦略が浮かびます。しかも，「全て良くなります」と言わずに，「デブからおさらば」，「8月中旬までに3キロ確実に痩せる」，「お子さんのニキビは実は簡単に治るかも」・・・と，それぞれ別個に宣伝し，その実現の手段として「夕食だけでも主食を減らす」ことを付随的に教えちゃう。場合によっては「糖質制限」の語句を隠したっていいです。最終目的が「糖質摂取が減らす食習慣を広めること」であって，糖質制限という言葉を普及させることが目的じゃないからです。

　スペインのピサロはインカ大帝国の国王アタワルパに，「貴方様にはとても敵いません。降伏します。お許し下さい」とオベンチャラ（＝嘘）を言って油断させる，という作戦をたて，アタワルパを捕まえてインカ帝国を制服しました。アタワルパより強力な「弥生時代から続く日本食文化の伝統」と闘う気なら，「実を取るために名を捨てる」，「母屋なんて私にはもったいない，と言いながら庇を借りる」作戦が必要です。キレイ事なんて言っていたらいつまでたっても勝てるわけがありません。
　強大な相手と戦って本気で勝つつもりなら，勝つためのイメージトレーニングを怠ってはいけません。

　ちなみに，ご飯やパン，ウドンの怖さを伝えるのに一番有効なのは，「6枚切りの食パン1枚って，角砂糖14～17個をバリバリ食べているのと同じなんだよ。御茶碗一杯のご飯，素うどん一人前も同じくらいだったかな？」という，角砂糖換算です。角砂糖14個と言われてギョッとしない人はいませんからね。

　「糖質ゼロ」についてのメールです。
　糖質制限・糖質ゼロに関連して…とは言ってもかなり異質な話題ですが、評論家の西部邁氏が憲法のあり方を論じたコラムが先日の電気新聞に載ってました。西部氏はコラム最初の部分で、
憲法は国家の理想を示すものだから非現実的であっても構わない、という考えは間違いだ

憲法を国家の理想に据え置いたままでいると、国家を現実から乖離した形でむりやり「創る」ことになって失敗する

憲法をはじめとする規範は、理想と現実のあいだの平衡を指し示すものであるべきだ
　と主張しています。
　糖質制限も同じだと思います。あるべき状態を完全糖質ゼロに設定しようが、若干の糖質を許容しようが「現代人の食生活が糖質だらけであり、国や関連団体や専門家の殆ど全てがそんな食生活を是認している」という現実から目を逸らすことはできない、と言うことです。

　私は三食全て外食やナカ食です。それでもある程度の糖質制限を半年間行い、その結果メタボ検診対象から離脱できました。
　糖質ゼロでなければ救えない事例があるのは確かでしょう。一方、私が最初に「糖質はゼロにすべきだ、糖質制限は似て非なるもの」という教条に接していたら、メタボから救われることはなかったと思います。理想を高くし過ぎると適用範囲も狭くなります。西部氏の言葉を借りれば「理想と現実のあいだの平衡」が必要なんです。

　もちろん現状を是認せよと言うのではありませんが、目標が何であろうと現実を離れては机上の空論に終わります。もちろん、その人の現実を踏まえた上で糖質ゼロを目指すことを選べるのであれば、何も言うことはありません。
　現在の世の中，医療現場では「傷は消毒，感染予防には消毒」が常識です。ちょっと前までは「消毒をしない」というだけでキ○ガイ扱いでした。「消毒してはいけない」という考えを広めようと考えた場合，「消毒するのが世の常識である」という現実を踏まえた上で，対策を立てる必要がありました。その際に私が用いたのは
1. 消毒の代替手段の提示
2. 消毒による健康被害の実例の提示
3. 消毒した傷と消毒しない傷の比較
　という3つを具体的に示すことでした。重要なのは1番目です。消毒しないと不安，という大多数の医療関係者が安心できる「消毒の代替手段」がないと，「消毒をしない不安」は払拭できないからです。

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　極左が最も忌み嫌い、殲滅を誓うのは極右でなく実は同じ極左であるってやつですね。あらかたほとんど同じ。チョコットだけ違う。そのチョットがどうしても許せない。
　確かに、ゼロ派の方々がセイゲニストに向ける眼差しに似てますね。

　でもねー、一方で糖尿病の患者さんに食べるものの６0％を猛毒（糖質）で賄うことを、推奨するとほざく人がいる訳ですよ。ゼロ派の皆様は先ずそちらの方々にその鋭い矛先を向けてみられては？
　「300グラムの炭水化物を食べている大多数の日本人を無視して，20グラムの糖質に制限しているごくわずかな日本人（＝糖質セイゲニスト）を攻撃して意味があるの？」　という至極まともな指摘です。
　私は以前にも書きましたが，「どうせ喧嘩を売るなら，勝てそうにもないくらい巨大な相手に喧嘩を売ったほうが面白い」と考えます。勝てそうな相手に喧嘩を売るのは面白くないしスリルもありません。日本国民全てと日本糖尿病学会を相手に喧嘩を売るのが「漢」ってもんだぜ。

　この方からの「糖質ゼロ」についての最終報。
　この度は7月8日の投稿に始まる私の長文にお付き合い下さいました事、夏井先生、皆様へお礼申し上げます。また、私の知識不足や確認不足の投稿にはお詫びを申し上げると共にご指摘下さいました事ありがとうございます。
　私がこの度糖質ゼロ(toushitsu-zero)について投稿したのは、糖質制限食を批判する為でも対立する為でもありません。どうかご理解を頂けたらと存じます。しかしながら、私の文章でご不快に感じられた方へは大変申し訳ありませんでした。

　糖質制限食をされている皆様には、糖質を減らした事による恩恵が身体に起こり実感されていると思います。そして、私のように糖質の毒性という事まで思いを巡らせている方も中にはいるのではないか、そのような方へtoushitsu-zeroと言う考え方があることをただ、ただ、『お伝え』したく思いました。
　私は糖質制限食を続けていれば、開始当初の目的以外の所(例えば、体質であろうと改善を諦めてた症状、もしかしたらメンタルな面等)思わぬ所にも、遅かれ早かれ必ず改善の兆しが見えてくるのではないかと、自分自身の思いもよらぬ爪の改善を経験して強く思いました。

　生まれながらに目の見えない方には、見えるということがどういうものかは本当には解りません。糖質摂取による悪影響はないと感じている方でも同じように、ヒト本来の主食から長い事遠ざかり、糖質摂取を常態とした私達にはヒト本来の健康体がどういうものかは本当には解らないのではないでしょうか。そして、両者の決定的な違いは、努力をしても目は見えるようにはなりませんが、ヒト本来の健康体には少しづつでも近づいて行く事が出来ると言う事です。

　私は皆様へ次の事を是非お願いしたいのです。
糖質制限食並びにtoshitsu-zeroに関する様々な投稿がありましたが、私の投稿も含めて『鵜呑み』にはなさらないで、是非ご自身で、ご自分の身体に起きた『事実』を踏まえて糖質摂取という事を今後も考え続けて、思考を止めないで頂きたいのです。(ご投稿下さった方々へは失礼な事を書き申し訳ありません)

思いもよらない改善が皆様の身体に起きた時にはこの度の投稿を思い出して頂き、是非、釜池氏の御著書『糖質ゼロの食事術』『糖質ゼロの健康法』を二冊セットで手にしてみて下さい。

　「糖質を取り過ぎると2日後に体重が増える件」についてのメールです。

　食事の内容が二日後の体重に反映されるとの投稿がありましたが、わたしもそのように感じていました。
　しかしドクター中松がＩＧノーベル賞を受賞したことを思い出し検索したところ、「頭や身体に変化が出るのは食後三日後」とありました。また、一日一食で低糖質食を実践されているように見えます。
　膨大な記録による成果なのでもしかしたら「体重の変化は二日後、体調の変化は三日後」なのかもしれませんね。

　納光弘（おさめ・みつひろ）先生についてのメールです。

　一昨日，先生のHPの中に，納光弘先生の紹介がありました．よくよく，納先生のHPを読んでみると，自分でご研究なさって，やはり糖質制限食が良いと結論づけています．

【患者の立場での糖尿病臨床研究　その１０）　私は糖質制限食を勧る】

　なんだか，味方が増えたような気がします．

　昨日の朝日新聞デジタルに『アルツハイマーは脳の糖尿病説』という記事が掲載されました。会員登録していないと全文は読めませんが，一部を要約するとこんな感じ。
1. 「久山町研究」の九州大の中別府教授が報告
2. 久山町で死亡した人の脳を解剖して研究。
3. インスリンは脳でも作られていて，神経細胞を守る作用を有する。しかし，アルツハイマー患者の脳ではインスリンを作る機能（＝遺伝子）が低下していた
4. これは2型糖尿病の病態に類似している
5. 認知症ではご飯を食べたことを忘れるが，「インスリン生成に関与して食欲を抑える遺伝子」の動きが落ちているためかもしれない
6. 糖尿病患者にアルツハイマーが多いが，久山町研究では，インスリン分泌が正常でも糖の処理に障害のある人がアルツハイマーを発症しやすいことがわかっている。
7. アルツハイマーのアミロイドβが末梢血に出ると，インスリンの効果を抑制している可能性あり

　「糖質摂取と機能性低血糖」についてのメールです。

　私の机がある島の隣の島に座っているオヤジを見て、前に先生のサイトに書いてあった機能性低血糖を思い出しました。

　そのオヤジは11時30分になると早弁を始めます。弁当を食べながらカップラーメンを啜ります。周りでは誰も昼食を食べていない時間なのでカップラーメンを啜る音はかなり目立ちます。50代半ばで毎日カップラーメンを食べていたら、胃か食道が悪るくなると思うんですけどね。
　15時半頃になると今度はお菓子を食べ始めます。早弁といいおやつといい4時間で腹が減るのはきっと機能性低血糖なんだろうなぁと思います。きっと耐え難い空腹感に襲われているんでしょうね。普通だと12時まで待てますから。
　去年一緒に仕事をしていた別のオヤジも11時30分に飯を食っていましたが、こちらは周りを巻き込んで私達も食堂へ行かなければなりませんでした。そのオヤジもやはり夕方前にお菓子を食べていました。
　両方のオヤジ共重度の糖尿病なんでしょうね。どちらも小太りです。

　かく言う私もタバコを辞めた2年前に耐え難い空腹に襲われる事がありました。また2ヶ月前には帰りに電車が新宿に到着すると条件反射のように耐え難い空腹に襲われ、新宿で飯を食べて帰る生活が1ヶ月ほ続きましたが、今は治りました。

　「アサヒのスタイルフリー」についてのメールです。

　ぼんやりTVをみていたのですが、アサヒのスタイルフリーという糖質ゼロの発泡酒のCM、「うまけりゃいい」といいながら出てくる食べ物はきっちり糖質制限食です。なかなかの気合を感じますので、是非みてみてください。
　Webサイトでは低糖質レシピを紹介しています。一週間分の糖質とカロリー計算までしてくれるのですが、「主食？なにそれ？」とでもいわんばかり。（表をどう頑張って埋めてもカロリーが低すぎるな、とは思います）

2013/07/25　・・・ [06:00]／ [08:30]／ [11:00]／

【11:00】

　「糖質を取り過ぎると2日後に体重が増える件」についてのメールです。

　本日（7/25）の記事で、以下のような投稿がありました。

「私は朝１回体重を量っているのですが、糖質取りすぎたなーって２日後に大体体重に反映されます。落ちる方はゆっくりなので、はっきりしませんが＾＾
他のみなさんはそんな事はないでしょうかね？」

　じつは、私もこれに似た実感を持っています。私の場合は、外でお酒（といっても、ワインですが）を飲んだ時です。なるべく糖質オフの摘みを食べるようにしていますが、なかなかそううまくは行かず、結局カラ酒になるか、チーズや唐揚げを少々というパターンが多いですねえ。
　カラ酒に近いと、翌日体重はてきめんに落ちるんですが、翌々日体重がリバウンドしていることが多いですねえ。もちろん、スーパー糖質制限食にしているのですが・・・

　体が「食料が少なかった。大変だ、体内に貯めて置かないとまずいことになる」と判断して、消費量を少なくして、貯蔵に回すのかもしれません。

【08:30】

　プープーテレビの「１分で振り返る」シリーズ。どれもセンスが良く，笑えます。

【06:00】

　「知人の女性が胃がんの方へ」というメールです。

　私もまったく同じ立場で、近しい人ががんの再発告知を受け、穴に落ちるような気持ちになったのが、Ｈ２３年１０月です。私の経験です。

　食欲は、とても心のありように左右されると思うので、その方が気持ちの上で元気回復ができると一番よいですね。でも、食べ方はその人の生き方そのものでもあるから、アドバイスは慎重にされたほうがよいと思います。その人の本音が、「いろいろなアドバイスを受けて、その対応に疲れた」ということだったりしますから。。治療、民間療法、健康食品、「これが効くんだって」と、頼まれもしないのにいろいろ聞かされてつらい、疲れる、善意からだから余計厄介、と思われるということも想像されます。

　私は、糖質制限をしたほうがいいと思いますが、本人が心からそれを理解納得しないと、何も知識のないところから妄信的にできることではないものです。
　低糖質のサプリは、探せませんでした。たとえばビタミン剤でも、食品成分表示では、９割以上は糖質です。（カプセル材や基材が糖質でできているからかな）
　私も、がん再発の人のために、糖質制限食の補助になるサプリはないかと探したのですが、見つけられませんでした。

　それで複数の健康食品会社や薬品会社の相談室に、「糖質ゼロの脂質＆たんぱく質サプリを作ってください」と要望を出したことがあります。
　いろいろ問い合わせてわかったことは、低脂肪や無脂肪のものはたくさんあるのに、「低糖質、無糖質」というカテゴリーは無いし、作ってくれそうもないということです。
　糖尿病やがんには低糖質無糖質食がよい、というのは、大御所のお医者の業界団体（？）では認められていないので、そのサプリをメーカーが作るのは難しいような話でした。残念ですが。

　エネルギー補給に、エクストラヴァージンオリーブ油を調味料のように食事に添加して食してはどうでしょうか。私が糖質制限でよくやる手です。トマトにかけたり、汁物に注いだり。オリーブ油自体が美味だし、血糖上昇を気にしなくていいし、腹持ちがよくなりますよ。

　近しい人は、とても元気です。彼女にはお茶の趣味があり、たまの和菓子もやめていませんが、日々の食事での糖質セーブはしているようです。悪い検査結果は出ていません。
　食事を自分で考えて、自分で選ぶことも、大事かなと思います。元気回復ができますように。

　「知人の女性が胃がんの方へ」というメールです。
　先生のHPか江部先生のブログだったか、情報源は忘れてしまったのですが、糖質制限な流動食が存在することは，以前にどなたかの投稿で知り、少し調べてメモってありましたので、それをこの方へのご参考までに。
　この方のイメージされているものと合うか分かりませんし、他からも同様の情報はたくさん寄せられると思いますが。アボット社の、
プルモケア　蛋白16.8％　脂質54.8％　糖質28.4％　　1.5kcal/ml

グルセルナSR　蛋白質20.0％　脂質32.8％　炭水化物47.2％
　　　　炭水化物（マルトデキストリン、フルクトース、マルチトール、食物繊維）

グルセルナEX　蛋白質16.9％　脂質50.7％　炭水化物32.4％

オキシーパ　蛋白質16.7％　脂質55.1％、糖質28.2％
　このあたりのラインナップになるかと思います。

　「成長期の子どもは糖質摂取を制限すべきか」についてのメールです。

　小児科医です。
　成長ホルモンの件で、すごーく昔にやっていた分泌負荷試験のことを思い出しました。
　で、改めて確認したのですが、使用する薬剤は、アルギニン、クロニジン、Ｌ－ドーパ、グルカゴン、それに低血糖がこわくてあまり使わないけどインスリンでした。グルカゴン負荷もインスリン負荷も低血糖を起こして成長ホルモン分泌を促すものでした。
　ただ、急に太ってきた子供たちのほとんどが、炭水化物の過食がきっかけになることが多いので、食べる順番を指示して、ご飯はデザートねと言ってはいますが。
　「ご飯なデザート」というのはうまい説明ですね。

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　もーどうでもいい「糖質ゼロ」ネタです。
　とうとう「糖質＝＝毒物」みたいですがーーー

　まず、水が人間に必須の物である前提を棚に上げて話をします。
　糖質が、必須でないが効率のいい栄養である事は事実と言っていいと思います。（この場合の効率は主に経済効率になるかなー）　ただ人間の代謝系では大量に取ると悪い面がいっぱい出るだけの話です。
　一方、水だって一般的に１日３リッター以上摂取すると問題がいっぱい出てきます。下手すれば命に係わります。それも急性の物として。

　結局はどちらも、程の問題で、その人が摂取してもいい範囲なら糖質だって問題はないのです。
　それが５ｇ（糖質ゼロなんて恥ずかしくて書けないのが普通の感覚ですよね）なのか、２０ｇなのか４０ｇ（江部先生は非糖尿人でもそのくらいに収めたほうがいいのでは？とかかれています）なのかは人それぞれです。

　それをもう毒物扱いしないといけない状態になるのはもう別の病状を示しているとすら思えてなりません。
　それぞれ、その個人個人で自分に最適な量を自分で判断する問題でしょう。そのためにいろいろな情報提供を行っていけばいいと思います。

　私は朝１回体重を量っているのですが、糖質取りすぎたなーって２日後に大体体重に反映されます。落ちる方はゆっくりなので、はっきりしませんが＾＾
　他のみなさんはそんな事はないでしょうかね？
　年取ると筋肉痛が翌日来るみたいな話みたいに若いと早いとかあるのかな？＾＾

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　糖質ZEROの実践者で、素人です。糖質ZEROですけど、本当に、そんなに難しくないです。夏井先生のサイトで否定的な意見が多くてビックリです。
　野菜のなかでも、特に糖質の少ない、ホウレン草、チンゲンサイ、ニラ、モヤシなどをチョイスすれば、かなりの量食べれます。
　１日１食が理想ですけど、とりあえず、１日３食で、糖質１食５グラム以下ならどうですかね？　私は１日２食が多いです。
　江部先生も、ご自身は１日２食のスーパー糖質制限ではなかったでしょうか？

　ただ今回の話しの始まりは「糖質制限とは別に糖質ZEROという選択肢をもうけて欲しい」みたいなことだったと思います。釜池先生には怒られるかも知れませんが、一般の人から見れば糖質ZEROも糖質制限の１ジャンルと言いますか、糖質制限の一種と思われても仕方ないと思います。
　糖質制限ですらまだまだ普及してるとは言えないのに「私のやってるのは糖質制限ではなく糖質ZEROです。」「糖質制限と一緒にしてもらってはこまりますよ！」なんて一般の人に言えません。
　これぐらいて勘弁して下さい。

　糖質ゼロか糖質制限か，の議論を今後するのであれば，次のどちらの立場で考えているのかを明確にすべき時期だと思います。私は（１）の立場であり，（２）の発想はありません。
　　　　（１）糖質制限／ゼロを社会に広く普及させたい
　　　　（２）糖質制限／ゼロは個人の健康法であり，社会への普及は考えていない

　「糖質を摂取しない食生活」が一般に普及した上で，「糖質摂取量は〇〇グラムまでは許せる」，「それも許せない」と議論するなら話はわかりますが，国民の大多数がたらふく米とパンとウドンを食っている現状で，「糖質ゼロから見たら糖質制限はおかしい」なんて議論をするのはおかしいです。なぜなら，そういう議論をする段階にすら至っていないからです。
　「糖質ゼロ」が理想なら，まず最初に「糖質をちょっと制限」から普及させ，「ちょっと制限」が日本社会に定着したら次の段階として「江部式スタンダード糖質制限」を普及させ，それが定着した後に「ゼロ」・・・という段階を踏むべきだと思いますし，それがまともな戦略ってもんです。
　要するに，「糖質ゼロ」を普及させるならまずきちんとした普及戦略・宣伝戦略を立てるべきです。つまり，「母屋を乗っ取るためにはまず庇を借りる」，「トロイを占領しようと思ったらまず最初に巨大木馬を作る」，「将を射落とすのでなく馬に狙いを定める」という作戦立案がまず必要です。

　「ちょっとだけ糖質制限」すら普及していない現状で，「ゼロか制限か」で喧嘩してもしょうがないし，意味がありません。思い起こせば，30年前の革マル派と反革マル派の対立がこんな感じでした。お互いのごく些細な路線の違いから両派間の殺し合いが始まり，最後は同じ革マル派の内部で殺人が起こり，やがて，学生活動は社会から遊離して自滅していきました。では，漁夫の利を得たのは誰だったのでしょうか？

　「糖質は20グラムなら実質的に安全」，「いや，1グラムでも危険はゼロではない」なんて議論は，日本国民が米もウドンもパンも全く食わなくなってから，好きなだけ議論すればいいです。そういう議論は，米が売れなくなって農林省が潰れるような時代になってからでも遅くないです。そういう時代になったら，飽きるほど議論しましょう。しかし，日本国民のほぼ100％が主食を食べている時代に，糖質摂取下限値を議論をするのはナンセンス，時間の無駄です。
　糖質制限と糖質ゼロがバラバラになって，一番得をするのは日本糖尿病学会であり，農水省じゃないですか？

　もちろん，「個人が行う健康法として糖質制限と糖質ゼロ，どちらが正しいのかという議論をしているだけで，糖質ゼロを社会に普及させる意図はない。理解しているごく一部の人だけの健康で十分だ。他の人は今まで通りに主食を食べて不健康でいい」　という考えの人がいてもいいです。
　しかし，私はそういう考え方はしません。私は，「正しいことなら社会に普及させる／定着させる／新常識にする」ことを目指し，そのための戦略を考えます。

　糖質制限についてのメールです。

　薬剤師、日本抗加齢医学会認定指導士、栄養情報担当者（ＮＲ）とかいう良く分からない専門家？の素晴らしいブログ記事を見つけましたので一応報告しておきます。
　専門家ほど、自分で考える能力が完全に欠落している無知である事が如実に分かる記事であり、余りにも面白過ぎたので報告せずにはいられませんでした。

　今、私の周りには食事の際に炭水化物は食べない、お鮨の具は食べるがお米の部分は残す、などの「低炭水化物ダイエット」を実践している人がかなりいます。
　短期間の低炭水化物ダイエットなら体重は確かに減りますが、長期的に継続する事は種々な疾病の素となります。

　こんなお○カな事を書いていますが、「低炭水化物ダイエット」を実践している人たちはきっとやめる事は無いでしょうから、近い将来この多くの方たちが長期に健康を維持できた結果が出ても、同じ事を言い続けるのでしょうね。念仏の様に…
　こういうお馬鹿な専門家（？）が大手を振ってタワゴトを宣っているのが日本の現実なんですから，「糖質摂取20グラムが是か非か」なんて議論するより先に，こういうお馬鹿をどうやって撲滅するか，こういうアホ専門家の言動に人々が騙されなくするためにはどうしたらいいのかを考えたほうがいいです。その解決法はもちろん，「世の中の常識を変える」です。

　【戦後の世界史に見る領土問題　経済的な成功と領土は無関係】
　軍事ジャーナリストの目から「領土と経済発展」について論じた記事で，非常に興味深い内容となっています。

2013/07/24　・・・ [06:00]／ [08:30]／ [12:00]／

【12:00】

　「知人の女性が胃がんの方へ」というメールです。

　ご参考になればと思い下記をご紹介させて頂きます。

【がんとケトン食：CBN番組】

　エネルギーの補給にはアボカドなど食べやすそうですがどうでしょうか。たんぱく質も治すための『リハビリ』と考え極少量から摂取。
　お辛いと存じますが、何よりも食べることは生きるための基本ですから・・・。

【08:30】

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　釜池氏による糖質制限批判において最も重要な点は

「糖質ゼロではない緩やかな糖質制限では一定かつ大量のインスリンが放出される」

　という実例の提示と思われます。インスリンの弊害については江部先生も度々取り上げておられますが、糖質制限で充分だという意見の方は

「糖質ゼロであれば、基礎分泌の倍以上の追加分泌を避けられる」

　というメリットについてどのようにお考えでしょうか？
　「完全ゼロではなく5g未満という目安」はインスリン放出を起こさない為の食事法としての現実解と思われます。（ケトン食等と比較して実践しやすく、江部式のように食費が倍増しにくい）
　糖尿病学会の主張とは異なりますが、大量のインスリン放出は悪玉であり、3-ヒドロキシ酪酸(いわゆるケトン体)は善玉というのは、江部式と釜池式の両理論において共通の認識です。
　大量のインスリン追加分泌が起きてしまえば、血中の3-ヒドロキシ酪酸も脂肪酸も激減してしまいデメリットばかりです。

　釜池氏の著書を読まずに批判している糖質制限派の方々には想像もつかないとは思いますが、釜池氏は「糖質ゼロ」のメリットだけではなく、その改善効果の限界についても明らかにしています。（糖質制限の限界でもあります）
　長年、内服薬やインスリン注射などの糖尿病治療を続けていると、一日一食5g未満の「糖質ゼロ」を厳格に実践しても高血糖が改善しない体質になることがあるそうです。
　釜池氏は「5g未満で駄目なら完全ゼロだ！」というような浅はかな考え方はせず、タンパク質制限(必要なのでゼロではない)と筋トレを組み合わせた「糖質ゼロ+α」により、糖新生を抑えて解決しています。（高タンパク食不適の腎症患者に対しても有効です）

　ビタミンCについては、釜池式では日常的にブロッコリーなどの緑野菜を二人前ぐらい食べているので全く心配なさそうです。

　ニュートラルな立場で糖質制限も糖質ゼロも色々と取り入れて紹介している「噛むだけダイエット」の渡辺信幸先生の楽しい語り口調が個人的には一番しっくりきます。ネットでも聴ける沖縄のラジオ番組では、てーげーなノリで偶にさらりと過激な主張もされていて面白いです。
　「糖質ゼロ・制限」を知らない人に対して

『糖質ゼロで栄養満点の「肉、卵、チーズ」の三種の神器から先によく噛んでたっぷり食べましょう！』

　という説明の仕方は非常に素晴らしいと思います。ゼロに近い食べるべきものから順に覚えていけば知識は少なくてすみます。

　「山本太郎議員」についてのメールです。

　山本太郎氏の件ですが、こちらのページを見る限り、公職選挙法に違反している可能性大です。
　氏の主義主張云々以前の問題として、当選取消でもおかしくないレベルだと思うのですが。

【06:00】

　幻想的な砂絵，といえばいいのでしょうか，「サンドピクチャー」を買っちゃいました。何とも不思議な魅力にあふれた商品です。

　糖質制限関連の質問メールです。
　糖質制限栄養補助食品につきましてご教示いただければと思いメールいたしました。
　現在知人の女性（60歳）が胃がんの腹膜播種と診断され治療に入りました。非常に厳しい状況と聞いておりますが、通過障害はあまりないものの食欲が全くなく経口の栄養補助食品を利用したいと思います。
　いくつかネットで調べておりますが、炭水化物の含有量が多いものばかりのようで困っております。こちらのHPをご覧の皆様でこの件についてご意見をいただけますと幸いです。
栄養補助食品に低糖質のものがあるのか。

あるいは低糖質はこのような症例に意味がないものか。

栄養補助食品に替わるものが何かあるのか。

食べさせ方などの工夫はあるのか。
　糖質セイゲニストとしてはやはりがんに糖質は与えないというのが基本姿勢かと思っております。

　「成長期の子どもと糖質制限・糖質ゼロ」についてのメールです。

　糖質ゼロに関連して、今朝の方は成長期の子供にも糖質ゼロを行なうのが理想だとのご意見でした。
　以前にも何度か子供に糖質制限はどうなのか？と話題が出ていたと思いますが、私はその時、糖質が身体に悪影響を及ぼすのは中年以降で、代謝の激しい子供には特に糖質制限は必要はない。ただし、やっても特に悪影響はないのでは？と考えてました。

　しかし、気になるデータを見つけてしまいました。以前どなたかが話題に挙げられていた、

納光弘先生による【健常成人２６人の５時間糖負荷試験の驚きの結果】

　このサイトの別のページに、大変興味深いデータがあります。

　その７）【健康成人１７名におけるインスリン拮抗ホルモンの動き】

　この調査では、糖負荷試験を行った時のインスリン推移とインスリンとは逆に血糖値を上げる作用があるグルカゴンや成長ホルモン等の推移を調査してます。このデータで、特に注目したいのは成長ホルモンの動きです。
　糖負荷後、血糖値上昇に伴いインスリンが分泌されその後血糖値が下がりますが、ほとんどのケースで開始時よりも血糖値が低くなっています。これが食後低血糖と呼ばれる現象と考えられますが、そうすると今度は各インスリン拮抗ホルモンが反応し、血糖値を上げようとします。
　中でも、成長ホルモンの動きは特に大きいです。（個人差も大きいですが）　試験前と試験中ピーク値を比較するとだいたい１０倍前後、中には１００倍以上濃度が上昇している人もいます。

　この結果から考えますと、朝昼晩糖質を食べて、さらにおやつも食べて血糖値がなるべく上下する頻度を多くすればその都度成長ホルモンが分泌され、子供の身体の発育にはプラスに働き、逆に、成長期に糖質制限をすると、身長が伸び悩んでしまう可能性があると考えられてしまいます。
　ちなみに睡眠時にどれだけ成長ホルモンが分泌されるのかというデータを探したらこのようなものがありました。
　睡眠時に成長ホルモンが上昇しているのは３～４時間、その他の時間は基本的には最低レベルなようです。
　睡眠時の方が食後の成長ホルモン上昇よりも絶対値は高いようですが、それでも糖質制限を行なって成長ホルモンの分泌が睡眠時の１回だけというのと、三食プラスα糖質を摂取してその都度成長ホルモンが分泌されるのとでは、子供の成長期間を考えると身長にそれなりの差がでてしまう可能性が考えられます。

　よって、子供がよほど酷いアトピーや花粉症などがあって、それの改善の為に糖質制限を行なうのならば良いと思いますが、普通に健康であれば糖質制限をするべきではないと私は考えます。「身長が低くなったのは親のせいだ！」なんて恨まれない為にも、子供への糖質制限は慎重に考えた方が良いと思います。

　又、糖質制限か糖質ゼロかですが、先の血糖値のデータを見ますと、糖負荷を与えた後のインスリンの動きも、ものすごく個人差が大きい事に驚きます。一気大量に出てすぐ下がる人、少量ダラダラ出る人、何度も出す人。その結果血糖値の動きも様々です。
　インスリン拮抗ホルモンの動きも含めて、人間は、糖質摂取の際のブドウ糖の処理や血糖の維持方法に非常に個性があるのだと思います。
　摂取した糖質の処理の上手い下手が、結果的に普通に毎食糖質を食べてても１００歳以上何の問題なく長生きしちゃう人や、３０そこそこで早々に糖尿病になってしまう人、あるいは年齢とともに脂肪はブヨブヨついたけど臓器は全く問題ない人、痩せてるのに高血糖による障害が出る人などの差として現れてくるのだと思います。（他の要素も色々あると思いますが。）

　糖質摂取の身体への影響はものすごく個人差があり、糖質が毒になる人もいるし全く毒にならない人もいる。なので、メタボ、糖尿病、アレルギーや成人病等の改善に糖質制限を行った場合、１食糖質を抜くだけのプチ糖質制限だけで効果が出る人がいたり、厳密に糖質ゼロまでやらないと効果が出ない人がいたりするのではないかと思います。どこまで糖質制限を行なう必要があるかは、人それぞれであって、絶対的な基準を議論してもしょうがないのでは、と思います。

　「糖質は嗜好品である」というのが私の基本的な捉え方です。つまり，タバコ，コーヒー，お茶，お酒，覚せい剤，麻薬などと同類です。嗜好品に対しては社会的に制限がかかるものとそうでないものがありますが，判断基準は「摂取した本人の健康被害の度合い」，「他の人が被る被害の度合い」，「習慣性が強さと離脱の難易度」あたりではないかと思います。大雑把にまとめると次のようになるんじゃないかと思います。

	本人の健康被害の度合い	他人が被る被害	習慣性が強さ（＝離脱の難易度）	社会的規制・制限
コーヒー，お茶	ほとんどない	ない	弱い	なし
アルコール飲料	中程度？	たまにあり	強い	ほとんどない
糖質	大きい	ない	強い	なし
タバコ	大きい	あり	強い	あり
覚せい剤，麻薬	大きい	大きい	極めて強い	あり

　ということは，糖質はアルコール飲料と同じに考えていいのかも・・・。つまり，

健康被害（＝肥満，アトピー，ニキビ，脂漏性皮膚炎，睡眠障害，抑うつ状態，アルツハイマーの症状など）が出ている成人は摂取を制限する
健康被害は出ていないが，中性脂肪などの検査データ異常がある成人は摂取を制限する
症状も検査データ異常もない成人は特に制限は必要ない。
小児については健康被害（＝高度肥満，高度アトピー，難治性のニキビなど）が明らかな場合は糖質摂取制限をするが，成長障害に注意する

　「これでは話にならない」と考える人もいらっしゃると思いますが，このくらいのところから糖質制限の話を始めれば，「それなら糖質をちょっと減らしてみようかな」という人は結構いると思うのです。ちょっと減らしてみればその良さがわかりますから，あとはその人の健康状態に応じてスタンダード制限するもよし，スーパー制限するもよし，糖質ゼロを目指すのもよしです。
　問題は，その「ちょっと減らしてみようかな」と考える人をいかに増やすかです。そのためには，「糖質摂取を減らすことへの第一歩・きっかけ」の敷居をなるべく低くすることしかありません。最初から高くすると，ごく一部の健康マニアしか挑戦しなくなります。その結果，何時まで経っても広まりません。
　コメとウドンが生活の中心になっている日本という国で糖質摂取を減らそうとするなら，最初からそれ相応の戦略が必要になります。禁酒法がなぜ失敗したか，という歴史から学ばなければ「嗜好品問題」には対処できません。

　「成長期の子どもと糖質制限・糖質ゼロ」についてのメールです。
　山本太郎議員の件、彼の背景なども考えると非常に危険を感じます。熱意はあるんでしょうけど。

　さて、昨日の糖質ゼロ推奨記事の件です。
　まあ江部式、釜池式ともに糖質過剰摂取の害を説いているんですからどっちじゃなければダメってことはないと思うんですが、前回も指摘しました子供の成長について簡単に糖質制限を当てはめていいのかどうかは慎重であるべきと思います。
　今日の掲載された部分の建物の不純物の割合云々というたとえの部分は、おおざっぱに言って糖質はエネルギーですから土台をもろくするかどうかは不明じゃないかと思うんですが、まあそれは置いておいて、単に糖質の有無だけで考えてはいけないと思うんですよ。
　糖質過剰摂取で代謝が崩れるのは江部式、釜池式両者とも大きな懸念をもっていると言えるので議論する点ではないと思うんですが、ちょっと考えても母乳には6~7g/100gの糖質が含まれていますので少なくとも成長に糖質が必要なのは明らかだと思います。

　さらに糖質ゼロにした際、
腸内細菌による感染防御などに影響はないのか、

成長ホルモンなどに対して影響はないのか、

カルシウムなどのミネラルの吸収を阻害しないか、

糖たんぱくや糖脂質、複合糖質への影響はないのか、
　などが思い浮かびます。（おそらく大きな影響はないのかとは思いますが全く思いもしないところで関連があったりしますから。）
　江部先生のビタミンCと糖質摂取の事とも関連しますが、糖質を摂る、あるいは制限することでそれに付随する他の栄養素なりの過不足が起きる可能性も考えなければいけないと思います。

　私も12歳と8歳の子供がおり長男は肥満傾向ですが、では糖質ゼロ（あるいは江部式糖質制限）にして良いのか、十分に身体が成長するかどうかは正直おっかなくて試せません。
　現代人が狩猟時代の人類に比べて恵まれた骨格を有するようになったことに糖質摂取量の増加が関与しているとしたら、糖質摂取に神経質になるあまり（現代人における）平均的な成長を得られなかったというのも後悔するんじゃないかと思います。

　おそらく投稿者様もご自分が糖質ゼロで良い効果があったからみなさんにお勧めしたいと言うのはよくわかるんですが、湿潤療法でも同じだったように「有効だからやりましょう」だけでは簡単に普及しません。
　また、3-ヒドロキシ酪酸のくだりも釜池先生の解釈がそうであって（間違いとは言ってません）、では脳細胞はブドウ糖よりどれだけ3-ヒドロキシ酪酸を好むのか、心筋のパフォーマンスがどれだけ上がるのか、活性酸素の発生がどれだけ抑えられるのか、など客観的にお示しいただかないと判断がつきません。
　理論的には魅力的なんですがある程度それを証明する文献やデータは必要かと思います。
　とにかく糖質ゼロじゃなければ得られない効能効果を是非お示しいただきたいと重ねてお願い申し上げます。
　「成長期の子どもは糖質摂取を制限すべきか」という問題は，哺乳類が授乳という子育て法を選択したために派生する問題の一つです。哺乳類は授乳により，陸上生活で発生する様々な難問を解決しましたが，反面，授乳期間終了後の食事をどうするか，という問題をいまだに解決できていないのです。
　この問題は，9月に出版予定の光文社新書の新刊での取り上げていますので，ちょっとヒントだけ提示だけしておきます。
1. 陸生肉食動物の新生児は，肉食で生存できるか
2. 陸生草食動物の新生児は，草食で生存できるか
3. 水生肉食動物の新生児は，肉食で生存できるのはなぜか
4. 哺乳により新生児を育てるメリットは何か
5. 哺乳により新生児を育てるデメリットは何か
6. 哺乳により成体まで育てるメリットは何か，デメリットは何か
7. 哺乳期の乳児の腸管の常在菌の優勢菌種は何か。なぜそれが優勢になるのか。新生児にとってのメリットは？
8. 哺乳類はなぜ，子どもを成体まで母乳で育てないのか。母乳で育てられない理由は何か
9. これらから浮かび上がる「哺乳類の生存戦略」とは何か。

2013/07/23　・・・ [06:00]／ [11:00]／ [12:00]／

【12:00】

　通院中の熱傷患者さんで，当初の予測よりはるかに重症と思われるのが，バイクに乗っていて転倒し，しばらくバイクが起こせずマフラーに下腿が長い時間接触した，という患者さん。初診時から既に全層壊死の状態でしたが，受傷から4週間経つのにまだ壊死組織（白色壊死）が創面に付着していて，中心部の深いところは明らかに脛骨が露出しています。多分，骨膜も壊死していると思われます。
　とりあえず，壊死組織が融解するまで待ち，骨の露出範囲と骨皮質の状態がわかるまでは保存的に見ていくしかないかな・・・と。

　先ほど受診された患者さんはちょっと悲惨。「使っていけない軟膏」のオンパレード治療に，もう笑うしかないです。
　4月中旬にアキレス腱部の靴ずれで近くの皮膚科クリニックを受診し，フシジンレオ軟膏を処方されます。しかし，「しみて痛い」と訴えたところ，それではとカデックス軟膏とアスタットクリームに変更。痛みが更にひどくなり，傷も大きくなります。そこで5月上旬からプロスタンディン軟膏に変更。しかし，傷は全く良くならず。
　そこで5月中旬に東京医大の某医療センター形成外科を紹介され，そこではイソジンゲルを処方。それでも傷が拡大したため，1週間後からゲーベンクリームに変更。それでも改善せず，7月中旬に同じ病院の皮膚科紹介となり，ゲーベンkリーム^(R)＋オルセノン軟膏を処方。もちろん大学病院ですから，下腿の動静脈系疾患は全て検査し，自己免疫疾患も調べたようです。もちろん，どこにも異常なしです。
　そこで患者さんはネットで調べ，私の外来を受診された，というわけです。ちなみに，1週間前から軟膏をすべて止め，プラスモイスト^(R)のみに変更しているそうですが，軟膏をすべてやめてから痛みが軽くなり，楽になってきたそうです。

　先月紹介した「医者の処方したゲーベンクリームの痛みで下肢切断されかかった患者さん」という例もありますので（こちらは昭和大学形成外科），ゲーベンクリームを処方されている患者さんは，足を切断される前に逃げ出したほうがいいようです。

【11:00】

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　糖質ゼロで賑わっていますね。
　交通事故や毒物に例えて、「事故制限」や「毒制限」はおかしいだろう！　目指すなら「事故ゼロ」「毒ゼロ」だろうとの指摘。まあ、言いたいことは判ります。
　でも、我々セイゲニストは、糖質や糖質のもとになる炭水化物が体に害を及ぼすことを理解して摂取しないように頑張っているわけですよ。足りないかもしれないけど。
　なのに、釜池先生や糖質ゼロ派の方々が我々を攻撃するって言うのは理解に苦しみます。

　糖質（炭水化物）＝毒を　毎日６０％は摂取しよう！と提唱している糖尿病学会や厚生労働省にまずは立ち向かうべきなんじゃないでしょうか？
　糖尿病学会が「糖質ゼロで一日一食！」と理解して実践しているのにお前たちセイゲニストはなっておらんと文句を言うのなら真摯に聞けるけど・・・

【06:00】

　「コヨリ状ナイロン糸ドレナージ」の治療例を追加しました。動物咬傷のドレナージに極めて強力です。

　「傷を消毒して欲しい，という患者さんへの説明」を追加しました。

　江部先生との対談本『医療の巨大転換を加速する: 糖質制限食と湿潤療法のインパクト』に関連してですが，糖質制限／湿潤治療を一般の方に説明する際，異なった様相を呈する事に気が付きました。「やってみなくてもメリットが分かる」／「やってみないとメリットがわからない」という違いです。

　湿潤治療は「消毒しない，乾燥させない」ですが，患者さんサイドからすると「消毒しないと化膿するのでは？」という不安はあるものの，消毒しなくていいなら痛みがなくなるわけで，それは歓迎すべき要素です。なぜなら，「消毒は痛い、ガーゼを剥がされるのが痛い」というのはほとんどの人が経験していることだからです。つまり、患者さんサイドからすると「消毒しないし，くっつくガーゼも使わない。乾燥させないから痛みもない」というのはメリットを理解しやすいし，あえて消毒する治療を選ぶメリットはありません。要するに「消毒しないから痛くない」というだけで治療のアドバンテージが理解できます。

　一方の糖質制限ですが，糖質制限のメリットが実感しにくいようで，むしろ主食や甘いものが食べられないデメリットばかり頭に浮かぶようです。いわく，
1. ご飯を食べないと力が出ない。
2. 甘いものを食べないと頭が働かない。
3. ご飯を食べない食事が想像できない。それは食事ではない。
4. 甘いモノが食べることが人生の楽しみ。その楽しみを諦めるなんて！
5. ご飯が要らないといきなり言われても，食事の献立が頭に浮かばない。
6. ご飯を食べない分，お肉をたくさん食べるの？　食費が増えるのは困る。
　炭水化物を食べないと聞いて頭に浮かぶのはネガティブなことばかりです。それどころか，「糖質を摂取しないことによるメリット」が何一つ思い浮かびません。痩せると言われてもにわかに信じがたいし，眠くならないとかアトピーが良くなるとか肌がきれいになるとか言われても，それがどの程度なのか想像も付きません（経験したことがないものを想像できないから当たり前。これは食べたことがない料理の味を想像できないのと同じ）。
　全て「実際に糖質制限すればわかる」ことですが，逆から言えば「糖質制限をしてみないとわからない」のです。糖質制限を全く知らない人に説明する際，これが一番の難物かなと思っています。

　江部先生からも「糖質ゼロ」についてのメールが。

　必須糖質と呼ばれる物質は存在しません。肝臓で糖新生するからです。国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告では、「炭水化物（この場合は糖質とほぼ同義）の理論的な最小必要量はゼロである」と明記されています^（1）。

　しかしながら哺乳類のなかで、ヒトとサルとモルモットだけが、ビタミンCを作れません。従って、食事からビタミンＣを摂取しなくてはなりません。進化の過程の食生活を通して、そのような身体を獲得したと考えられます。
　それでは年間を通して、食べることができるビタミンC源にはどのようなものがあるでしょう。

　チンパンジーと分岐して以降約７００万年間、人類は狩猟・採集を生業としており、日常的な食料は、魚貝類、小動物や動物の肉・内臓・骨・骨髄、野草、野菜、キノコ、海藻、昆虫などです。ときどき食べることができたのは、木の実、種子類、果物、山イモなどの球根類でしょうか。
　上記のなかで、ビタミンＣが豊富なのは、野草、野菜、種子類、果物です。果物は、実りの秋といいますが、実は年間通して旬の物があります。ただ野生種で小さいし、木になる果物は、サルやチンパンジーなどと競合しており、樹上生活者の猿のおこぼれくらいが人類の手に入ったのでしょうが、日常的なビタミンC補充には、足らなかったと思います。
　野イチゴなどが、人類の先祖のほうが手に入れやすかったと思いますが、少量でしょう。野草は年間通して、確実に獲得できるビタミンＣ供給源だった可能性があります。
　せり、つくし、のびる、ふき・ふきのとうなどには、ビタミンCが豊富に含まれています。
　他の野草にもビタミンCはあると思いますし、野草なら年間を通して何か常に摂取することが可能です。種子類のなかでシイ、ギンナン、クリなどにはビタミンCが豊富に含まれています。

　ともあれ、農耕前の人類は野草、果物、種子類から、年間を通してビタミンＣを補充していたのでしょう。
　サルも基本的には、ヒトと同じような食物からビタミンCを摂取していたのだとと思いますが、果物獲得に関してはヒトより有利ですね。

　次はモルモットです。モルモットは完全な草食性動物で、野生では、野草や草の実、穀類などを食べています｡モルモットの場合は、ビタミンＣの供給源は、ほとんど野草だったと考えられます。
　このように考えてくると、ヒトにおいても、野草がビタミンＣ補給には、一番頼りになっていた気がします。

　結論としては、ビタミンCを補充するための食材には、少量ながらも必ず糖質が含まれているということになります。従って、理論的に糖質ゼロでOKでも、人類700万年間の進化の過程で、現実には充分量のビタミンCを得るためには糖質も必然的に摂取していたこととなります。

　ちなみに、生肉・生魚が主食のころのイヌイットは、ビタミンC不足であり、イヌイットの血中ビタミンＣ濃度は、壊血病危険ラインの０．２ｍｇ／ｄｌ未満の場合も多く、歯肉出血が高率に見られたそうです。
　イヌイットの場合は、血中ビタミンC濃度が低値であることは、壊血病と新生児高チロシン血症のリスクを高めていました^（2）。

(1)　Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
　　Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy Consultative Group.
　　Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerstein MK, Jequier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O, Uauy R.

<2>　Neonatal hypertyrosinemia and evidence of deficiency of ascorbic acid in Arctic and subarctic peoples
　　624-626 CMA JOURNAL/OCTOBER 4,1975/VOL.113
　　http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1956727/pdf/canmedaj01544-0034.pdf

　「この方」からの「糖質ゼロ：第5報」。
　私は江部先生、大柳珠美氏のブログや5～6冊のご著書を拝読し一年ほど前より主食を抜く生活を続けて来ました。最初の目的は20年来の花粉症が少しでも軽減されればとの思いからでした。ところが、主食を抜いたその恩恵が思わぬところにすぐ表れました。7月8日の投稿の通りです。意志の弱い私が大好きな小麦製品等の主食を断つ事が出来たのは、乳腺が岩の如く張って痛むということが糖質制限食により殆ど無くなったからだと思います。そしてそれはある意味大変幸運だったと思います。一年ほど月日が流れ更に思わぬ所にその恩恵が表れました。年配の方の爪が厚みを増し変形しているのを見た事があるでしょうか。私の足の爪は親指、人差し指、中指と順を追ってどんどん変形して行きました。祖父母の足の爪に似たその症状を見てましたので、歳をとるといずれそうなるもので、私は早くからそうなりやすい『体質』なのであろうと諦めていました。ところが20年来治る事のなかった爪に変化が現れてきたのです。今では親指は綺麗な一枚の爪に生え変わりました。そして、私は糖質摂取ということについて考えました。まず糖質は必須栄養素ではありません。次に控えれば控える程自分の身体が健康になって行きます。そして自分の爪に起きた変化です。糖質は『採る必要のないもの』から『採るべきものではないのでは？』との疑問に変化していきました。そんな時に『糖質ゼロ』という理論に出会い、私はこの理論に納得出来たのです。

　元ハーバード大学教授ジョージ・ケイヒル博士たちは3-ヒドロキン酪酸(ケトン体)について様々な研究をしてきました。(糖質ゼロの健康法p.85より)
脳細胞はブドウ糖より3-ヒドロキン酪酸を好む

心筋も3-ヒドロキン酪酸を使う方がパフォーマンスは高い

3-ヒドロキン酪酸が使われると活性酸素の発生が少ない
　私はこの記述を読み身体の土台を作らねばならぬ成長期の子供こそ『糖質を摂取するべきではない』と強く感じました。建物の基礎となる土台に不純物の割合が多くなる程その土台は脆くなります。身体を作る成長期の子供にこそ最適な栄養素の摂取が不可欠ではなかろうか。インスリンはブドウ糖を使わせるために、ライバルである3-ヒドロキン酪酸を減らしてしまうそうです。

　また、成長期の子供に『十分なエネルギー源(エネルギーの素であるATP)の確保はどうなるのか』という事ですが、ATPはたとえ糖質がなくても、『脂質』があれば出来ます(詳細は『糖質ゼロの食事術』p.85参照)。
　野生の動物で成長期の子供だからと言って親と異なる餌を食べる動物はいるのでしょうか。自然の一部分であるヒトの子供も同じ筈です。

　先のご投稿で『投稿者様ご自身が糖質制限で効果がなく糖質ゼロで効果があったのならそれを開示ください。』とありました。私自身、正直に申せばまだ完全なtoshitsu-zeroまでは至っておりません。また夫には『糖質制限食』の事さえ納得させることが出来てません。そして、子供には『糖質は摂取すべきではない』と考えながらもお肉を食べてはくれないので欲しがるご飯を与えてしまいます。自分の思いとかけ離れた自分の行いに苦しんでおります。

　【山本太郎氏当選に思う--噛みしめるべき格言「教育のない民主主義は無意味」】
　私はこれまで，山本太郎というのは「放射能についてヒステリックにウソ情報ばかり垂れ流している困ったチャン＠泡沫候補の一人」だと思っていました。だから，当選したと知って驚きました。
　しかも，一度当選してしまえば6年間は参院の国会議員様で，6年間は議員特権と権力を振り回せます。犯罪でも犯さない限り議員を辞めることはありません。これが参議院の怖いところです。

2013/07/22　・・・ [06:00]／ [07:00]／ [12:00]／ [13:00]／

【13:00】

　先日書いた「先頭を走るのも楽じゃない」という駄文へのメール。

　先んじるものの苦しみについて、読み、非常に納得いたしました。旗振りをしていただいているので、後に続いていけるのですものね。湿潤療法について、特に医者に説明するときは、まず、はじめは先生のホームページに書いてあるようにやってみてください、自分のやり方はそのあとで患者さんに合わせて変更していけばいいから、とお話しします。もちろん理論があるから、それもできるわけです。
　他のサイトで、Ｎ教と揶揄されていましたが、やってみれば良さがわかるし、嫌ならやめればいいしなのにと歯がゆく思っていました。なにより患者さんの利益（プラスモイストを買っていただく分、懐は若干いたみますが）になり、医者冥利につきます。ありがとうございます。
　先駆者でもなんでもないけど、予防接種の同時接種でも、これで、患者さんが亡くなったら、心が折れてできなくなると思うことはよくあります。心折れずにがんばっていらっしゃる先生は私の励みです。

　ただ、日常診療の一つ一つ、これって本当に必要なのだろうか？といちいち考えるようになると、診療がとどこおります（笑）。ルーチンワークにしておけば、機械的に動いていけて、時間短縮になるし。
　仕方ないから妥協しつつ、少しずつ変えていきたいと思っています。

【12:00】

　『医療の巨大転換を加速する: 糖質制限食と湿潤療法のインパクト』ですが，アマゾンの書籍部門100位くらいになっています。ご注文いただき，ありがとうございます。販売開始は8月23日です。

【07:00】

　江部先生と私の対談本，『医療の巨大転換を加速する』の予約販売開始！　

【06:00】

　「エアウォールUV」に関するメールです。

　２歳の子供の手背の上皮化後に、エアウォールＵＶを貼っています。北海道旭川大西病院の高橋先生からとても便利な商品が出たと以前診察の時に紹介いただき、それ以来貼っておりますが、むれる様子もなくとても良い商品です。
　保育園通いなため、手の一部を遮光のため何かで覆っていますと、手洗いのときに保育所の先生にも面倒がられることがあったのですが、エアウォールＵＶだと手洗いでも剥がれず、とても薄いので見た目も、貼っているか貼っていないかわからないくらいです。手が使いずらそうな感じも特になさそうです。

　昨日の「日本糖質制限医療推進協会設立パーティー」に参加された方からのメール。

　静岡から参加した歯科医です。
　田舎から一人での参加、という不安もありましたが、江部先生、夏井先生とお会いしてお話しすることができ、また糖質制限で劇的に症状が改善された患者さん、出版社の方、弁護士の方、議員の方など、普段接する機会のあまりない方々とも知り合うことができました。ボタニカのお料理もとても美味しかった。
　同業（歯科医師）の方も５名いらっしゃって、散会後となりのホテルへ移動して親交を深めることもできました。
　想像以上に収穫の多い休日でした！　今後は皆さんと情報交換しつつ、歯科医師の立場から糖質制限医療に取り組んでいきたいと思っております。

　お二人の医療に対する姿勢をうかがって、私の母校の校是である孟子の言葉、「自反而縮雖千萬人吾往矣」を体現なさっている、と強く感じました。

　鳥取から参加した神経内科医です。
　21日は日本糖質制限医療推進協会設立記念パーティーへの御参加、大変お疲れ様でした。今回先生と初めて直接お話しすることができて大変嬉しかったです。本当に有難うございました。

　夏井先生があのタイミングで糖質制限を紹介していなければ、私が糖質制限の事を知るのはおそらく数年先だったでしょうし、あの時の自分の心理状況を思い返せば、数年後は私はこの世にいなかったかもしれませんでした。嘘でも大げさでもなく、私は夏井先生が糖質制限を紹介されたことによって文字通り命を救われたのです。
　しかも先生に「命を救われたと言ってもらえて、サイトを続けていて本当によかったと思った」と言って頂けてとても驚きました。それもそのはず、夏井先生にとって私の投稿はたくさんの投稿の中の一つでしかないのにそんな風に思って頂けていたなんて、本当に涙が出そうでした。

　また先生がいかに患者のことを大事に考えているかということもよくわかりました。
　『患者さんに起こっていることを信じなければ、逆に何を信じるというのか』　まさにその通りだと感じました。実体験は何よりも強し、ですよね。

　そして糖質制限食の効果もさることながら、夏井先生にはものの考え方を教わることができました。すなわち「自分で考える力」です。
　先日の更新履歴で先生は先駆者の苦悩について書かれていて、そのご苦労は並大抵のものではないものであるとお察しします。しかしそれは先生が「自分で考える力」を持ち続けていたからこそ切り開くことができた未開の地であったと思っています。苦難の道でもあり、それは今も続いているものだと思いますが、それによって救われている人間が確実にいるのだということをお伝えしたかったです。

　私は救われた命、そして教えて頂いた「自分で考える力」をこれからも駆使して新しい人生を切り開いていきたいと思います。

　糖質制限についてのメールです。

　看護師です。
　１か月半前から、先生のサイトで糖質制限を知ってから、ええ加減糖質制限で、今日体重見たら、３キロ減ってました。始めて２週間で、体重は変わりませんが、ウエストあたりが痩せてました。ユニフォームのボタンでわかりました。体調は今のところ変わりありません。元来のアレルギー体質や、自己免疫性肝炎（今はデータ正常です）悪化したり、再発しないことを祈っております。

　ところで、病院勤務ですので、ことあるごとに、みんなに聞かれます、例えば「お昼それだけ？」とか「ごはんは？」とか。その都度糖質制限してることを話しています。一人の介護福祉士さんが、興味を持ったようなので、軽く話しました。私はええ加減糖質制限であり、主食を食べない、芋、コーンなども食べないなどです。彼は、さっそく始めたようです。
　しかし、看護師には、体重１２０Kgあるだろうと思われる（以前100Kgの患者さんいたんですがその人より肥えてます。）という人や、糖尿病で血糖降下剤飲んでいる人がいますが、その人たちは、糖質制限に全く興味を示しません。人のことだからいいですが、１２０Kgの彼女は、まったく仕事しませんというか、動けないからできないんです。なんでも椅子に座ってします。私は糖質制限してから、体が心なしか軽いです。よってよく動きます。それで、給料同じなのは納得できません。

　どなたかが、書いてましたが「太る体質」ではなく「太る性格」がやはりあるようです。近い将来、肥満、糖尿病には糖質制限食が当たり前になるように望みます。

　「健康な私が、血糖値日内変動を知ることができたらよいです」というメールです。

　少し前に、どこかの大学の先生が、健常者２０数人の２４時間以上の血糖値の変動を記録したものを、夏井先生は紹介されていましたよね。（ちょっとサイト内を探したのですが、相変わらずのパソコン音痴で見つかりませんでした）　その結果には、健常者であっても個人差があり、とてもダイナミックだったのを覚えています。そんなサンプルモニターの募集があったら、ぜひ私も手を上げて、自分の記録がほしいと思いました。
　家には簡便に血糖値を測る機械はないので、麺を食べるとき「インスリンが出るのだなあ」と思ったり、ブドウ糖加糖液糖入りの飲料を飲むとき「すごい勢いで血糖値が上がるかなあ」と思ったり、想像するだけです。実際にそういう統計が家で簡単に取れればいいのですが、健常者の単なる好奇心に親切はありません。（当たり前か）

　家にタニタの体内組成計が来て、１００ｇ単位の体重、体脂肪率と量、基礎代謝量などなど検診を受けなくても全部まるっとわかるようになったのが、２００４年です。
　水１リットル飲めば、体重は１キロ増え、お手洗いへ行けばその前後で１００ｇ単位で体重は減る。当たり前ですが、そういうことが目に見えてわかってとてもおもしろかったです。（今は慣れましたが）
　松下電工の手首に巻く血圧計が来たのも同じころです。
　あと１０年くらいすれば、どこかのメーカーさんが、簡単に血糖値を誰でも測れる家庭用品を市販し、家電量販店で安売りしてくれているでしょうか？ランニングコストをかけずに、体重計に乗るように血糖値が測れたらいいですね。糖尿病の未然防止に役に立つことでしょう。

　自分の血糖値が、食事とどうリンクして動いていくのか、とっても興味があります。自分はどうなのかを簡単に知ることができないから、想像（妄想）するわけです。
　これが誰でも家で体重計に乗るようにわかったら、ずいぶん違うと思います。「今こんなに血糖値高いわ！よくないな～、ケーキ食べるのやめとこ」ってなると思います。

　「糖質ゼロ」についての発電所技術者の方のメールを受けて，「なぜ食事からの糖質を完全ゼロにできないのか」ということについて，全く別の面から考えてみます。
　答えを先に書くと，「植物は人間の健康のために生きているわけでもないし，人間に食べられるために生きているわけでもない。そういう植物を人間が食べているから糖質はゼロにできない」となります。

　植物は日中，光合成で水と二酸化炭素からブドウ糖を作ります。しかし，夜間になると光合成ができないので，できたブドウ糖を澱粉などの炭水化物に変えて，葉や根に貯蔵し，夜間はそれを使って生きています（なぜブドウ糖を澱粉に変えるかというと，ブドウ糖のままでは細胞内の浸透圧が上がって細胞内に水が入り込むためでしょうね）。また，一部の植物は茎の中に糖や澱粉を貯めています（例：サトウキビ）。要するに，植物体（葉，茎，根）は多かれ少なかれ，澱粉や糖を含むことになります。自力で移動できない植物という生物が，昼と夜のある世界で生きていく上で澱粉貯蔵が絶対に必要だからです。

　また，植物の種にはタンパク質が豊富なもの（例：マメ科植物），脂質が豊富なもの（例：アブラナ科植物，アーモンド，クルミ），炭水化物が豊富なもの（例：コメ，ムギ，トウモロコシ）があります（だから，種は「栄養豊富」です）。これは，種が発芽して葉が出て光合成が始まるまでの間，種の中に含まれる物質が唯一のエネルギー源だからです。だから，大豆の種はタンパク質がぎっしり詰まっているし，ムギの種は澱粉を豊富に含みます。ちなみに，穀物（コメ，ムギ，トウモロコシ）の種は澱粉の塊ですが，発芽する際に澱粉をブドウ糖に分解するためにアミラーゼがあり，発芽すると同時にアミラーゼ活性が高まります。麦芽が甘いのはこのためで，ビール造りに麦芽が使われるのはこのためです。
　しかし，「大豆にはタンパク質が多い」と言ってもタンパク質以外に糖質も脂質も含みます。大豆が発芽して光合成が始まるまでの間を生き抜くためには，タンパク質だけでなく糖質も脂質もある程度必要だからでしょう。枝豆が成熟したものが大豆ですが，枝豆と大豆では糖質の含有量が変化するのもそのためでしょう。

　一方，人間の食べ物といえば動物の体か植物の体です。人間の腸の構造は雑食動物のものであり，初期人類は小動物，昆虫，軟体動物，木の実，木の葉などを食べていたと考えられています。つまり，糖質は少ないけれど全くゼロにはならない食餌内容です。植物体を食べている限り，澱粉は量の多寡はあれ必ず含まれます。
　それは現在の私達も同様で，ビタミンCの摂取には植物体を食べるしかなく，その植物体のどこかには必ず糖質が含まれます。「糖質摂取ゼロにするためには植物体の摂取を止め，ビタミンCを摂取するためにサプリメントを飲む」という本末転倒としか思えない食生活になります。
　私たちは生きていく上で外部から摂取しなければならないのが必須ビタミンであり，その一部は植物体からしか摂取できず，植物体には必然的に糖質が含まれます。つまり，どう足掻いても「糖質完全ゼロ」にはならないのです。

　更に，私達の身の回りにある野菜は全て品種改良されていて，昔の野菜より甘く口当たりが良くなっています。つまり，糖質が多いものに変化しています（特にトマトは毎年のように新品種が作られ，10年くらいで栽培品種が全て入れ替わり，それに伴って糖度は高まっているようです）。これも「糖質完全ゼロ」を目指す上では障害になります。農業生産者は消費者の嗜好を無視するわけにはいかないので，どうしても野菜は糖質含有量が増える傾向があるのでしょう。買ってもらってナンボ，食べてもらってナンボですから当然です。

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　『糖質制限か糖質ゼロか？』の議論は、原発推進と、脱原発の議論とも似ていますね。

『脳の栄養はブドウ糖だけ！　炭水化物は必須！　毎日ごはんを茶碗３杯は食べよう！』

　ご飯は社員食堂の昼ごはん小盛り１杯だけに減らしましたが仕事に差し支えありません。

『原子力発電所が全部止まると、電気が無くなり、江戸時代に戻る！』

　日本に５５基もあった原発が、１年ほど全部止まったのに、江戸時代には戻りませんでした。考えてみれば１９７０年より前は、原発無しで空前の戦後経済復興を成し遂げていました。
　原発が２基＝４％未満しか稼働していなくても、先週の猛暑が乗り切れました。コスト的にも、資源量的にも、メルトダウン爆発しない石炭火力発電所の方が良さそうです。

　原子力発電は、パンや、ご飯などの、穀物食とも似てますね。
　ご飯を食べると、血糖値が上がるので、インシュリンが出て、ブドウ糖を脂肪に変えて蓄えます。原子力発電は、出力調整が出来ないので、電力が余ると、揚水発電で水力に変えて蓄えます。（原子力発電所と同じ容量の、揚水発電所＋負荷（夜間照明・氷蓄熱・深夜温水器など）が必要です。）
　体脂肪は人間の燃料になります。まあ、大量に貯め過ぎて、重くて苦労している人も居ます。
　揚水発電で溜まった水は、冷房需要の多い夏の昼ごろに一気に発電して使います。燃費はかなり悪化します。
　原子力発電所を運転すると、使用済み核燃料も溜まっていきます。死の灰がどんどん溜まって困っています。自民党政府は、使用済み核燃料は資源と考え、再処理してプルトニウムを取り出すと言っています。使用済み核燃料は、再処理され、プルトニウムと死の灰になります。どちらも溜まりすぎて困っているようです。プルトニウムは原爆やプルサーマルMOX燃料に生まれ変わります。

　自民党政府は、高い関税と、補助金で、米を生産する農家を守っています。
　原子力発電も、政府の巨額の補助金で、守られています。
　原子力発電所が、大事故を起こしても、東京電力は、巨額の税金で守られています。

　いろいろな所で取り上げられていますが，『ワカコ酒』は面白いです。26歳女子が居酒屋で一人酒と肴を楽しむというだけの漫画ですが，料理ウンチク漫画でも酒ウンチク漫画でもなく，淡々とした酒呑み漫画です。何より料理が美味そうに描かれていてよろしいです。

　【気球×GoProが高度33km・成層圏からの空撮動画をお届け】
　気球って地表から33kmの高さまで上がれるんだ。すげぇ～！　33kmといえば，エヴェレストの高さの4倍だよ。エヴェレストの4倍まで気球が上がれるんだよ。これってすごくない？　ジェット機の運行高度が10kmだからそれより3倍高いってすごくない？
　地球の大気圏と宇宙空間の境目は学術的には800kmあたりですが，感覚的には100kmくらいまで上がると「ほとんど宇宙」です。100kmといえば，東京から宇都宮位の距離で，車を走らせれば1時間の距離です。つまり，車が垂直の壁を登れたら1時間で「ほとんど宇宙」に行けることになります。そう考えると，案外近いと気もします。
　ちなみに，国際宇宙ステーションの高さは370kmです。370kmというと東京駅から盛岡駅，神戸駅あたりがこの距離に相当します。新幹線なら2時間半の距離です。手元に地球儀があったら，国際宇宙ステーションの高さを実感してみてください。

2013/07/20　・・・ [06:00]／

【08:00】

　「外傷を湿潤治療している医師」，「熱傷を湿潤治療している医師」に，栃木県那須烏山市の那須南病院　外科／瑞木　亨先生を追加しました。

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　火力発電技術者です。
　糖質制限か糖質ゼロかという議論を見ていて、低線量被ばくに関する議論を連想しました。

　釜池理論は「糖質はゼロでなければ何らかの害をもたらす」という仮説に基づいているようですが、裏返せば「糖質の摂取量が減少すれば（他の条件が同じなら）リスクは常に単調減少する」ということで、糖質はゼロであるべきだという主張が得られます。しかし、先日の夏井さんのコメントにあったように、糖質をゼロに近づけようとすればするほどコストは急激に増大します。また、完全にゼロにすることは不可能なので、リスクの低減量が追加投入コストに見合ったところ（＝経済学の言葉では限界効用が限界費用と等しくなる点）で手を打つのが最適な選択肢になります。

　これと同様に、低線量被ばくの影響を評価する際に用いられるLNT仮説は「放射線はゼロでなければ何らかの害をもたらす」と仮定するものであり、低線量被ばくの限度を決める際は、防護による社会的リスクの低減効果と社会的費用を比較考量しています。

　糖質の害が釜池仮説に従っているか否かを検証するには、データがまだまだ不足しているように思います。そうであれば、以前、このウェブで夏井さんが書かれていたように、いま我々にできるのは、自分自身を実験台にしつつ評価は後世に委ねることになるでしょう。

　なお、低線量被ばくの許容線量を決める場合、人が長期間健康に定住しているところで自然放射線が高い場所（世界的にはブラジルのグァラパリやイランのラムサール）の値を現実的な目安として用いられることがあります。この考え方を流用すれば、原始人の食生活を推定して算出した糖質摂取量を、大ざっぱな糖質制限の目安とするのも良いかもしれません。
　極めて科学的・理性的な考えで，私の考え方に極めて近いです。理想解を求める努力は必要ですが，現実社会で生きている限り，現実解しか得られないことのほうが圧倒的に多いです。コストをかければ理想解に近づけるがコストをかけただけのベネフィットの増大が得られない，という場合は現実解で十分です。

　「シャンプーレス・石鹸レスと体臭」についてのメールです。
　私は夏井先生のサイトを見るようになってからシャンプー・石鹸レスを始めたのでもうそろそろ1年です。糖質制限との相乗効果もあると思っていますが、肌や匂いも好調です。飲食業なので抵抗はありましたが・・今では家族みんな元気に楽しくシャンプーレスです。

　私は昨年まで大人ニキビ？に悩まされていました。まずは洗顔フォームレスから入りました。
　はじめの数カ月、顔から白いニョロニョ角栓？が面白いくらい生えてきます。これをいかに耐えるかの戦いでした（自分の目、他人の目）3ヶ月目くらいから気にならなくなり、現在はニキビ吹き出物一切出来ません。
　ちなみに10代の頃、ニキビに本当に悩まされていました。当時はスクラブ入り洗顔フォームが人気で、これまた当たり前のようにスクラブ洗顔をガンガンしていた記憶があります。もう本当に私の青春とお肌を返してください！っていう感じです。

　シャンプー・石鹸レスは調理で油や生モノを扱うので考えましたが、「そういば人間の手って本当に何が付着しても綺麗に落ちるよなぁ」と思いなおし、現在問題はありません。体感ですが
枕の匂いがやさしくなった。

フケが出なくなった。

頭の吹き出物が出来なくなった。

汗の匂いがやわらいだ。

体毛が濃くなった…

知人や同級生に「この年になって」肌が綺麗になったと言われる

　「経口摂取の糖質と糖新生のブドウ糖の違い」についてのメールです。

　私の場合、経口摂取で上昇した血糖値は10分間の自転車漕ぎで約40(180→140)低下しますが、糖新生で上昇した血糖値は同様の運動をした場合でも約15(180→165)低下するだけです。両社で糖輸送体の働き方が違うのではと思います。

　「経口摂取の糖質と糖新生のブドウ糖の違い」についてのメールです。
　「経口摂取のブドウ糖と糖新生で作られるブドウ糖の違い」に参戦します＾＾
そもそも体内で生成するものと食物として取り込むものは経路が違うので比較することがナンセンス（例：コラーゲンを食べたらお肌つるつる？）

大切なのは自身が糖質を取った時にどのほど血糖値が上がるか？　平時のインシュリンと追加分のインシュリンの反応が正常で日ごろから体動かしている人なら結構とっても大丈夫なはず。
　これより、人それぞれ違うその人の適正値、上限値を把握する事が大切でスーパーの１食20gや糖質ゼロなどを鵜呑みにせずに自身の食事バランスを作る事だと思います。

　閑話休題。
　昔からよく「食べた後に寝ると牛になるよ！」て言われましたが（本当に子供時代言われた）、これ考えたら本当に太るには御飯かっ込んで、すぐ寝るのが一番ですよね！　いやー、昔から言い伝えバカにできません。

2013/07/19　・・・ [06:00]／ [08:30]／ [11:00]／ [14:00]／

【14:00】

　「競馬学校も糖質制限」というメールです。

　昨日発売の週刊文春の記事から。
　競馬学校の騎手養成課程では、４４キロの体重制限があり、自己管理が厳しく問われるそうですが、その際、おかずは皆んな同じ、しかし、ご飯の量はなんと各人「粒単位」で決められるそうです。そして、煮干しだけは食べ放題とのこと。
　まさしく、糖質制限そのものですね。
　それにしても、ご飯の量を「粒単位」で決めるとは驚きです。

　「シャンプーレス・石鹸レスと体臭」についてメールです。

　私はシャンプーレスを始めて7年ほどになります。（糖質制限は1年半の病院管理栄養士です。）
　今年小学一年生になった息子は、生まれてからシャンプーレスをしています。特に男の子は夏など首筋にすっぱいにおいがしますが、この子は首筋のにおいはありません。
　私はシャンプーしたつもりぐらいの時間を、指先で頭皮をマッサージしながら良く洗い流します。
　最近、息子は前頭部がにおうことがあるため、お風呂でどう洗うのかを見ていたのですが、頭を下げ後頭部にはシャワーが良くあたり洗っているようですが、前はシャワーをあてていないようにおもいます。私がいるときはよく洗うように気をつけました。しかし、いやなすっぱいにおいではありませんので、匂いフェチの私は、いつも息子の頭をクンクンとかいでしまいます。（笑）

　さらに先日、美容院でパーマと髪を染めた私は、美容師さんに「シャンプーしないでくださいね」といわれたので、「髪を濡らしてはだめなのか、シャンプーが悪いのか」を聞きました。
　すると、「シャンプーです」といわれたので、私はシャンプーレスであることを始めて告白しました。美容師さんはかなり驚いて、頭皮をまじまじとチェックされましたが、匂いもなくきれいだったみたいです。
　今までぜんぜん気がつかなかったと驚いていました。
　美容師さんもお墨付きの頭皮とにおいなしです（笑）

　「シャンプーレス・石鹸レスと体臭」についてのメールです。

　当方３９歳男性で、シャンプー石鹸レス歴５年くらいだと思います。現在、髭剃りのシェービングフォーム以外で界面活性剤らしいものは使用しておりません。
　臭いの件ですが、安心するには他人に評価してもらうことが一番納得できるのではないでしょうか。友人など、他人にお願いし易く、かつ現実的な場面といえば、すれ違い際にどう感じるかを尋ねるのが良いのではないかと。地肌に鼻を近づけて匂いを嗅ぐ場面はそうそうないでしょう。「無香料にしているんだけど、匂い気にならない？」という質問なら、そんなに不審がられないのではないかと思います。一般的な社会生活で匂いが気になる場面は、ある程度近づいた時か、すれ違い際ではないでしょうか。

　シャンプーを止めたからと言って無臭になるわけではありません。それでもなお気になるようでしたら、香水等を付ける方が良いのではないかと思います。
　軽い香水はOKですが、衣服の洗剤やシャンプー等の香料が体臭と混ざった臭いは、個人的には好きではありません。

【11:00】

　「シャンプーレス・石鹸レスと体臭」についてのメールです。

　私もシャンプーと石鹸レス生活3年目の40代関西女子です。
　頭皮湿疹ができたので、シャンプーレスにしました。しばらく脂臭を自分でも感じましたし、親にも指摘されました。その頃は毎日しっかり洗っても髪がべたついていたのですが，半年ほど毎日湯洗い、3日に一度シャンプーとして、いつの間にか「臭う」と言われなくなり、一年経つ前にはシャンプーを週1にしても自分も臭いを感じなくなりました。
　そのころから2日に1回夜湯洗いだけでも髪がべたつかなくなりました。湿疹ができたことで、清潔にしなくてはと毎日シャンプーでごしごし頭皮を洗い過ぎ，過剰に皮脂が出ていたのが、シャンプーレスにすることにより皮脂分泌が正常化したかな？　と思っています。

　銀座の方は元々人間の持っている体臭とおっしゃっておられましたが，私は体臭とは皮膚常在菌によるものではないかと考えます。だから環境や生活習慣によって異なる。
　臭いと言われて、私がしたことは，清潔にしたはずなのに臭うのは、悪玉菌（カビ、悪臭生成する菌）が頭皮に到達し、先にテリトリー確保してしまい、善玉菌（無臭菌？）が負けていると考え、清潔なタオルで髪や体をふき、すぐに髪の毛は乾すこと。
　清潔なタオルとは“洗剤の匂いがぷんぷんする”タオルではなく，“水洗いであっても風を当て、太陽の光で乾かした”日光消毒して滅菌したタオルです。枕やシーツも同様で、朝30分でも太陽さえ出ていれば風を当てています。

　相談者の方は学生で一人暮らしのようですからそのような皮膚に触れる衣服、シーツ類をこまめに太陽にあてられてないのではないでしょうか？（男子とはそこら辺がズボラと思うのは偏見？）
　着る服やズボンを連日着たり…そこで悪玉菌が大宴会していたのであれば、どんなに滅菌してても，ムッシュウ善玉菌はかなわないでしょうから。
　私も忙しいので毎日洗濯できませんが、夜帰ったら着ていた服は掛けて風を通す、洗濯できたらすぐ乾かす、出来れば太陽にあてる、で自分の皮膚にムッシュウ善玉を招き入れることを意識されてはどうでしょうか？

　夏井先生のおかげで本当に毎日、皮膚常在菌達と楽しく元気に暮らしています。汗負けも塩分増量でぴたりと止まりました。塩分がないのに汗分泌するときは塩分の代わりになにか体内からかゆみ成分（ヒスタミン？）が出るのでしょうか？　毎朝トマトやキュウリに塩ですっきりしました。

【08:30】

　読書のための時間が朝夕の地下鉄の中しかないので『数学の想像力』をカメのような足取りでゆっくり読んでいます。今日の朝はようやく「第4章　儀式としての証明」までたどり着きました。ユークリッド原論についての説明なんですが，ユークリッドのように「湿潤治療・創感染」について再構築してみようかな，なんて考えています。つまり，「定義」，「要請（公準）」，「共通概念（公理）」をまず定め，それらを元に「定理」を証明し，「定理」を組み合わせて「個々の治療法」を導き出す，という方式です。
　私の理想は「幾何学のように論理構築された治療」です。

【06:00】

　「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に，新潟市江南区のみずほ調剤薬局を追加しました。

　超巨大サメと超巨大ワニが死闘を繰り広げるモンスター映画，《メガ・シャーク VS クロコザウルス》を紹介。「サメは海水，ワニは淡水なのに，なぜサメとワニが戦えるの？」という疑問に気付かないフリをするのが大人の知恵ってもんです。

　「シャンプーレス・石鹸レスと体臭」についてのメールです。

　私は５年ほど前から、シャンプーレス生活をしております。最初の頃は、頭皮の菌のバランスが整うまでは、油っぽい臭いがしたような気がします。
　臭いにお悩みの大学生の方は、気にしすぎなのでは、とも思うのですが…。
　ただ、私のまわりでは、糖質制限でも質の悪い油・肉を摂ると臭うという人もいるようです。あとは、お酒を飲んだ日は、ワキが臭くなるという人もいます。食生活を見なおしてみるのも、よいのでは、とも思います。

　シャンプーレスの人の頭皮の臭いは、クサイのではなく、単に人間のにおいなのではないのかな、と思います。動物も、クサイとは思わなくても、それなりに獣のにおいはするような気がします。

　ローズマリーのハーブティや出がらしの緑茶で洗髪するという手も、あるかと思います。あとは、日中帽子をかぶり続けて頭皮が蒸れることのないように気をつけるのも手かも知れません。

　私は、以前、銀座でホステスをしておりました。高級店ではないのですが、お店ではまあまあ人気で、No３くらいでしょうか（笑）。お客さんの隣に座りますが、においを指摘されたことはありません。
　銀ホスもシャンプーレス生活をしていることを知っていただきたく、メールしました（笑）。

　ここからは、美容方法です。
　メイクは、界面活性剤のないパウダーを使っていました。メイク落としは、サラダオイルでメイクを浮かせた後、ガッスールなどの泥に油分を吸着させて洗顔をします。その後、ワセリンで保湿して終わりです。
　ヘアは、さすがに美容院でスプレーを使うので石けんが必要となりましたが、美容院でセットした髪を一週間キープしたことがあります。それでも、臭いませんでした。シャンプーレス生活だからこそ、できた技だと思います。
　おじさまたちは、目の前のドレスを着たホステスさんが、まさか一週間も洗髪をしていないとは思っていなかったでしょう。
　美容皮膚科に通いまくっているお姐さんたちに、「美肌だね」とほめられたのも、良い思い出です。

　シャンプーレス生活というと、美容とは無縁の人のすることのように思われますが、そうではないことをお知らせしたくて、メールしました。
　「銀座のホステス」という一文を見て，思わず，「今度，シャンプーレス同士で合コンしませんか？」とメールを出しちゃおうかと思いましたよ・・・って，ここで書いちゃダメだよ。

　閑話休題。恐らく，シャンプーレスにしてからの頭皮の匂いは，その人本来の肌の匂い，生物としての人間の肌が持つ香りなのかもしれません。それを「臭い」と書くか「匂い」と書くかの問題です。前者だと「消さないといけない臭気」になるし，後者だと「その人の体の属性の一つ」になり，身長や体重，眼の色や髪の色と同じです。私は「シャンプーレス生活後の頭皮のにおい」は「匂い」であり，その人が持っている固有の属性だと思います。

　・・・というようなことについて，「銀座No.3ホステスさん＠元」と語り合いたいです・・・って，ここに書いちゃダメだろ。

　「エアウォールUV」などについてのメールです。メールをお寄せいただいたのは当科で治療した低温熱傷の患者さんです。

　エアウォールUVを上皮化してから、毎日貼っております。全くかぶれません、貼っていることを忘れるどころか，どこに貼ったのかわからなくなるレベルです。
　先日家族旅行で遊びに行った先に、足の角質をチマチマ食べるというドクターフィッシュのいる水槽に足をいれる体験をしたのですが，エアウォールUVを貼ったままだった！と思ったのですが，魚たちも気づかなかったようで、何の影響もありませんでした。
　足裏マッサージに行けば、施術にも、パウダーにも全く影響されませんでした。

　傷跡を隠すにも暑い季節ですし、紫外線に気をつけて久しぶりに半ズボンをはける生活ができるとは思いませんでした。

　「糖質ゼロ」についてのメールです。
　釜池氏によれば、
自動車に「速度」は必要ではあるが過剰は事故につながるので「速度制限」は正しい用語

「交通事故」はあってはならずゼロを目指すべきものであるので「交通事故ゼロ」を掲げるならともかく「交通事故制限」なる用語はない

<糖質は不必要であり毒（麻薬）なので「毒制限＝糖質制限」ではなく「毒ゼロ＝糖質ゼロ」を目指すのが正しい/li>
　当然、上記の説明でもまだ釈然としない方も何人もいるとは思いますが、

【健康増進法に基づく栄養表示基準により、糖質・糖類ともに「食品100gもしくは飲料100mLあたり0.5g未満であればゼロ表示」が可能であり、「糖質ゼロ」は実際の食品・飲料中に「完全にゼロ」であることを必ずしも意味しません。】

　釜池式の場合、夜の1食で1日分約1,000gあたりで糖質5g未満ですから、日本の法制度上は問題なく「糖質ゼロ」を名乗ることができます（笑）
　「ゼロ」を名乗るのであれば，せいぜい「1日の糖質は0.1g以下」くらいが上限とありましたが、0.1gであっても100mgと聞けばゼロには程遠く感じますし、ここは難癖つけずに栄養表示基準に従った方が適切かと思われます。

　このレビューにありましたが、釜池式は「糖質ゼロ」よりも「糖質忌避」という方が本質に近いと思います。

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　糖質制限と糖質ゼロの話を、難しい理屈は理解できないまま一応全部目を通しています。糖質ゼロ生活を否定するつもりは全くなく、それができるならそれでいいのでは？？というのが素人の感想です。

　ただ、糖尿病歴２０年の父が糖質制限に出会った時に、従来のカロリー制限の食事療法に対して

「あんなの厳密にみんなできっこない。自分はそれなりにがんばってきたけれど、できずに悪化して何度も入院して指導されている人を何人も見ている。そもそもたくさんの人ができない食事療法じゃあ、意味がない」

　と言っていたのを思い出しました。
　糖質ゼロがどんなにパーフェクトですばらしい方法でも、実行できる人が少数なら、結果的には「効果ゼロ」の人が多くなってしまう気がします。
　ですから糖質制限・・・という枠で、それぞれが自分の実情に合わせてできる範囲でとりあえずやってみる・・・やれそうならもうちょっと上を目指す・・・
　命に関わるような重症な人なら、それだけモチベーションも高いでしょうから、糖質ゼロを目指せばいい・・

　これじゃだめなんですかね？！

　ちなみにわたしが糖質制限を始めたのは、江部先生の理論がすばらしかったからではありません。（ごめんなさい）
　夏井先生が「やってみた。やってみたら体重が減って体調がよくなった」というのをHPで読んだからです。
　しかも紹介された本を読んだら、どうやらHｂA1ｃも下がるらしい。しかも、そんなに難しくなさそうだ！
　そう思えたからです。
　糖質セイゲニストの何割かは、わたしみたいにそんな肩に力が入っていない人たちで、だからこそ続けられて、だからこそ広まった・・・のではないでしょうか・？（実は本屋で江部先生の本を見かけたことがありましたが、「○○を食べれば健康になる」とか「○○でガンが消えた！」みたいなうさんくさい本だと思って手に取りさえしませんでした。）

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　糖質制限か糖質ゼロか、という話題についてです。先日のメールでもふれましたが自分はニュートラルな立場です。どちらが自分にあっているか、また必要か、それは自分でしっかり考えること。そしてその結果は自己責任ということだと思います。江部先生の話を聞くとそのことがよくわかります。どんな事実や相対的な真実であれ、自ら考え、求めたものこそ自分自身の原動力になるのではないでしょうか？　僕の好きな詩に茨木のり子さんのこんな詩があります。

できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくはない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある

　実に糖質制限とはこんな立場かもしれません。

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　最近糖質ゼロについてのご意見も出てきたようなので出来るだけ糖質ゼロ一日一食を2年半実践している立場から思ったことを書いて見ました。お読みいただければ幸甚です。
　　　　⇒【糖質ゼロを目指すVS江部式糖質制限では目指す方向が】

　なお、文中の崇高クリニックのアドレスです。

　「糖質ゼロ」についてのメールです。
　一般人です。
　釜池先生の「糖質ゼロ」について一言言わせていただくと。
　釜池先生の「糖質ゼロ」は
「糖質をどんどん減らすとどうなるか？

食の慣習は惰性なの？あるいは必然なの？
という疑問についての実証試験報告である。ということです。
　糖質制限に対する批判として、「極端な～は勧められない」というのが件の学会の決まり文句ですが。じゃあ実際どうなのよ？　について釜池先生は「極端にやってみた」ということです。
　結果として、釜池先生としては「悪いことは何もなく良い結果ばかりだった」とそれを報告されたということです。

　「物理的にゼロになんか出来ない」というのは単に言葉尻を捉えた揚げ足取りにすぎないと思います。大事なのは「糖質をとことん減らして何か問題あるの？」なのです。
　「あたしは緩いの」とか「私はできない」というのは、個人の好みでしかないかと。

　一日一食についても、「それやったらどうなるの」がまず検討すべきことであり、「出来ない理由」はどうでもいいことです。実際、糖質制限を行うと空腹感が弱くなることは皆さん経験がおありかと。正直、昼は付き合いで食べているのじゃないですか？
　ここまではやれる。という経験知として認識すべきで、信仰したり謗ったりする性格のものではありません。

　釜池先生が江部先生に噛みついたのは、糖質制限の可能性について追い込まず、ほどほどで抑えた点が歯痒かったのではないでしょう。「糖質制限」を唱える諸先生方にも、いろんな妥協と打算があるのだろうと思います。

　「経口摂取の糖質と，糖新生で作られるブドウ糖の違いは？」についてのメールです。

　４０代半ばのサラリーマンです。
　さて、この件の解答ですが、

糖新生の場合は、その時その時に体の必要とするだけの糖質量がリアルタイムに供給されるため、血中糖質量の急激な変動もなく、インスリンの分泌およびそれによる副作用もない（但し糖質の生成が間に合わないということはあるかも）。一方食事経由の糖質は、その時点での体の必要量とは関わりなく入ってくるので、血中糖質量の急激な増減、およびその調整にかかわる副作用を生じる。

　というのはどうでしょう？　聞きかじった知識のつぎはぎと、勝手な推測によるつじつま合わせですが・・・

　「経口摂取の糖質と，糖新生で作られるブドウ糖の違いは？」についてのメールです。

　私の理解です。江部先生の本を頼りに、糖質制限して半年です。

　経口摂取のブドウ糖５０ｇはいちどきに（食事時、おやつ時など）摂り、高血糖になります。糖新生のブドウ糖は、肝臓が活ヤクして作るので、少しずつ時間をかけて５０ｇが血中に入り、一時的な高血糖にならないというメリットがあると思うのです。
　経口摂取のブドウ糖がいちどきに身体にはいると、すい臓は一生懸命にインスリンを出します。それがあまりに長期間続くとくたびれ果てて、すい臓は病気になります。（甘い物の食べすぎで糖尿病、と言われるやつです。）
　一方、糖新生でのブドウ糖では高血糖にならないので、すい臓は最小限のインスリン分泌ですむから、くたびれない＝糖尿病にならずにすむ。すい臓にやさしい。
　肝臓が糖新生をするのは基本的なはたらきなので、負担はかからない。経口摂取でブドウ糖が入ると肝臓は糖新生を休む。なまける。本来の機能を退化させてしまう。
　すい臓が糖がたくさん入ってきたのでたくさんインスリンを分泌するのは、基本的なはたらき方ではない。負担になるはたらき方。くたびれるはたらき方。

　そんなイメージです。
　私は、時々はスウィーツやラーメンを食べます。でも、何も知らなくて、無制限にケーキバイキング！のころを思うと、今はケンコー生活？だと思っています。
　考えなしに高糖質食生活を続けていたのに、糖尿病にもがんにもならない人間の体は、本当にすごい。自己治癒力、復元力、ホメオスタシスてすごい、っていつも思ってます。

　【絶対に買ってはいけないシャンプー】
　私は以前から「資生堂のTSUBAKIで髪が荒れる」と書いて来ましたが，探偵ファイルで桜井えりすちゃん＠巨乳が取り上げてくれました。
　でも，「2本で1万円のシャンプー」を買わされちゃダメだろ！　ツメが甘いぞ，巨乳えりす！

　『数学の想像力』を80ページくらいまで読み進めましたが，江戸時代の算学者，建部賢弘の「円周率を求めるための加速計算」に感動です。「円周率は永遠に計算で答えが出せない数字である」ことを前提に，それまで計算で得られた数字を元に「円周率の極限」に迫ろうとする発想がすごいです。

2013/07/18　・・・ [06:00]／ [10:30]／ [13:00]／

【13:00】

　糖質制限，糖質食についての根本的な質問メールをいただきました。

　糖質の話題になっていつも思うのは、仮に糖質をまったく摂取しなくとも糖新生でカラダの中で糖がつくられるわけで、自分でつくった糖質と口から入れた糖質と何が違うのかがわかりません。
　もし両方の糖質に特に差がないとすれば，仮に糖質ゼロを実践して糖新生で毎日50ｇ作られるなら毎日50ｇの糖質を食べても問題ないことになります。
　そのあたりが解明できればいいのですがどなたかお詳しい方いらっしゃいますでしょうか。

　私も最初の頃にこの疑問にぶつかりました。今では「経口摂取のブドウ糖と糖新生で作られるブドウ糖の違い」については明快に答えられますが，これは9月に出る予定の私の新刊書のネタなんで，もうちょっと隠しておきたいです。9月まで，しばしお待ちを！
　この疑問に対し，皆様ならどうお答えになりますか？

【10:30】

　「シャンプーレス・石鹸レスと体臭」についての質問メールです。

　大学生です。3年前の冬(2010年の2月ごろ)に、受験勉強の息抜きがてら、先生の著書『傷はぜったい消毒するな』を拝読させていただいて以来衝撃を受け、先生のサイトを日々見させていただいております。
　私も去年から名ばかりの糖質制限を始めまして(と言っても、炭酸飲料や余りにも糖分の多いお菓子を控える程度ですが)、ウエストが3cmほどへこみ、体重も3キロほど落ちました。元々細身であり、特にダイエット効果を期待していたわけではなかったのですが、体の変化に日々驚いています。

　さて、先生の著書、サイトでシャンプーやボディソープの類は不要だということを知って以来、ここ3年ほどシャンプーやボディソープは使わないようにしてきたのですが、最近の暑さからか、時折頭皮が臭う気がします。
　学校の同期や友人に聞いても、特に気になるほどではないとのことですが、グーグルなどで検索しますと、シャンプー & ボディーソープ・レスで臭いがひどくなったという人もおり、自らの体臭がやや心配になってきています。
　元々私は乾燥肌気味であり、またそれほど体臭が強いわけではなかったので、そこまで気にすることはないのかもしれませんが、年齢もあり、やや不安になります。ちなみに、親とは離れて一人暮らしをしているので親に聞く、という方法は取れません(帰省しているときは夏でなくなってるので聞く意味がありません)。

　もちろん、先生の理論にケチをつけるつもりは全くないのですが、ではなぜシャンプーレスや石鹸レスで体臭が悪化する人がいるのか疑問に思い、また何らかの方法で自らの体臭を確かめる方法はないか伺いたく、一筆取らせて頂きました。
　腋臭症（ワキガ）の治療を求めて受診される患者さんで，全く臭わない人が結構います。あと，多汗症に伴うエクリン汗腺の汗の臭いをワキガだと思っている人も多いようです。自臭症の患者さんもいるので，自己申告による「自分は体臭がある」という訴えはいろいろな問題は含んでいる気がします。
　シャンプー & ボディーソープ・レス生活をしている皆様はいかがですか？

　「腎不全と糖質制限」についてのメールです。

　今朝の６：００の中で透析患者さんに糖質制限をするのはリンが多くなるので、、、、と書かれています。
　これは透析関係者には現在も過去も当然と思われていることですが、まさに夏井先生が湿潤療法を薦める以前の消毒を当然としていたのと同じ次元で透析に携わるスタッフにとっては常識とされています。

　小生は糖尿病ではありませんが、スーパー糖質制限をしてから良い事を実感しこれを維持透析中の糖尿患者さんに出来るのか、、もちろん、一番にリンのコントロールが可能なのか？、、が心配でした。
　消毒なし・乾かさない、、、と同様で結果は素晴らしいものでした。
　やってもらったらできたのです。　眼からうろこです。リンは他の透析患者さんの変化と変わらないのです。

　インスリンを打たないといけなかった患者さんも少しづつ糖質制限ができるようになるにつれて、血糖値が良くなるのを実感でき、また一般的に透析患者さんは総蛋白・アルブミンが少ないのも改善されます。
　ただ、これは患者さんに食事を誰が提供するのか、、（患者さんを取り巻く環境や経済的理由もあり）　薦めても皆さんができることではありません。また患者さんのやる気とその家族や透析スタッフの根気と指導がなかなか大変です。

　上記の結果がでるのは透析中の自己インスリン注が必要な患者さんには江部先生のプチ、スタンダードでは良い結果を出すのは無理で、糖質ゼロをめざして、、、とは言っても1日３０ｇ以下位が結構難しいです、、、が必要です。
　インスリンから開放された患者さんがたまたまの1人ではなく取り組んだ方は何人も成果ができているのでまぐれで成功している訳ではないでしょう。

【06:00】

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　ユル～い糖質制限者です
　糖質ゼロ盲信の方の掲載長文を一読して、窮屈に感じるのは私だけではないのでは？
　夏井先生や江部先生は、人口の大多数、一般大衆の日常的症状(キズやメタボ)に対し、簡単かつ正しいノウハウを提供されていると思います。
　故に、僅か一部の特殊な病体・体質(重度アトピー・蕎麦アレルギー)を例に、糖質ゼロ(我)こそ究極に正しいと推すのは、一神教的、排他的です。
　一部の病体・体質の方に、極端な治療等(糖質ゼロ)が有用な事もあるでしょうし、そういう方々の苦しみも理解できます。
　ただ、それらはあくまで全体の中の一部であり、民主主義の論理(多数決)でいえば、糖質ゼロはスタンダードにはなりません。
　厳然たる事実から言えば，「糖質を食べているのにアトピーになっていない」人のほうが圧倒的多数です。同様に「蕎麦を日常的に食べているのに蕎麦アレルギーでない」人も圧倒的多数です。逆に言えば，アトピーや蕎麦アレルギーを例に出して「糖質ゼロ」の素晴らしさを説いても誰も耳を傾けません。なぜかというと，糖質を食べているのにアトピーでない人が圧倒的多数を占めていて，この人達は「自分も家族もアトピーでないから糖質ゼロにする必要はない」と考えるからです。この「圧倒的多数」には私も含まれます。

　もう一つ重要な点は，「一日三食，主食をメインに食事をしている」人が日本人の圧倒的多数を占めている，というこれまた厳然たる事実を無視して議論しても無駄だということです。この圧倒的多数を前に，釜池先生が「一日一食，糖質ゼロが正しい食生活だ」と主張されても，「それは変な宗教？」ととらえられるのがオチです（釜池先生には悪いけど）。現実問題として，主食を減らすというだけで家族から反発されている糖質セイゲニストは多いはずです（「練馬と西東京の糖質セイゲニスト医者の会」の宴会では，いつもこの話題になります）。
　主食を抜くことだけでも家庭内ですら普及が難しいのが現実。まして，「一日一食，糖質ゼロ」はさらにハードルが高いのですから，いかに糖質ゼロが科学的に正しくても一般には普及しません。「釜池先生の糖質ゼロ」である限り，提唱者（＝釜池先生）の死とともに「糖質ゼロ」も消えていく可能性が高いです。

　つまり，「一日三食，主食メインの食事」をする人が圧倒的多数で，「糖質をたっぷり食べてもアトピーでない」人が圧倒的多数である，という現実を踏まえて，「糖質を食べないほうがいいんだよ」ということを広めるためには，戦略が必要なんですよ。日本人の圧倒的（？）多数が耳を傾ける「何か」を基本に据え，「糖質摂取を減らすとそれは解決するんだよね」と語りかける戦略が必要です。

　その「何か」とは，「子どものニキビを治したい」，「子供の成績を上げたい」，「メタボ腹をどうにかしたい」，「あと3キロ，体重を減らしたい」，「あと3センチ，ウエストを引き締めたい」・・・です。こういう小さな（？）悩みや願望を抱いている人は多いはずです。だから，これらを前面に立てて戦略を練るべきです。こういうあたりから「糖質を減らしてみる」世界に引き入れるのが恐らくベストの戦略ではないでしょうか。「糖質ゼロ」を紹介するのはその後です。

　ちなみに，「釜池先生の死」と書きましたが，これは「夏井の死」でも「江部先生の死」も同じです。「夏井の湿潤治療」である限り，私の死とともに湿潤治療は忘れられるだろうし，「江部先生の糖質制限」である限り，江部先生が死んだた糖質制限も消えていきます。そうではなくて，「提唱者が死んでもその理論は生き残った」としたいなら，その実現を目指して戦略を立てる必要があるはずです。

　「腎不全と糖質制限」についてのメールです。

　釜池先生の著書は読みました。５gは敷居が高いですね。

【血液検査で血清クレアチニン値が高値で腎障害がある場合（略）、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。糖質制限食は相対的に高タンパク・高脂肪食になるので、腎不全と活動性膵炎には適応とならないのです。】

　という江部先生の主張は糖質制限食によって万が一腎不全が進行した場合、反糖質制限派によって鬼の首を取ったかのように言われる恐れがあり、糖質制限に逆風になるためにやむを得ないかもしれません。
　しかしこの一文があるために、軽度の慢性腎臓病のひとが糖質制限の恩恵を受けることができていないのも事実です。実際、知り合いの先生に江部先生の本を差し上げたところ「残念ながら僕は腎臓が悪いので、糖質制限はできない」といわれました。おそらくCKDステージ２程度で、糖質制限により腎機能の改善が見込めそうだった方だけに残念です。
　せめて、

「腎機能が低下している方は、勝手に糖質制限せずに糖質制限に理解がある医師の元で行ってください。」

　とその著作に書いていただければと思います

　蛋白制限が必要なほど腎不全が進んだ場合もケトン食に光明が見いだせるかもしれません。高度の腎不全は糖質制限の適応にならないが、糖質０あるいはケトン食を調べてみるようにとは、江部先生の立場では書けないでしょうが、

　「腎不全と糖質制限」についてのメールです。

　糖質制限食，議論沸騰ですね．
　一寸だけ心配があります．既に透析を導入している方にも糖質制限をして，高蛋白食でも良いような事を書いている方がいらっしゃいます．しかし，透析患者さんは高リン血症になりやすい(リンが尿から排出出来ない為)ので，高蛋白食を摂取する場合でも，リンの少ない食事にする必要があります．注意が必要と思われます．
　リンについては，頭が痛いです．透析患者さんの血中リン値を下げようとすると，どうしても炭水化物が多くなってしまいます．

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　医療素人ソフト屋です。あまり対した事ではないのですが・・・・
　「糖質ゼロ」について中身を確認してませんので、中身についてどうこうという事は判断してません。
　ただし、「糖質ゼロ」を確認しようという気は全く起こりません。「再生可能エネルギー」と一緒で「糖質ゼロ」と呼称自身のナンセンスな部分でもう見なくていいと思ってしまいます。

　呼び名ではなく「糖質ゼロ」を実際に行うことはかなり無理な事は誰の目にも自明（実際には5g以下らしいですが？）なのにこの呼び名を着けているのはそれだけで信用しようという気が起こりません。
　ちなみに、以前から「糖質制限」も制限でなく、食事のバランスを変えるって常識になった時に本物になるかなーと思います。
　もちろん糖尿病にたいする「糖質制限」は治療法としてもっと厳密に呼ぶようになると思います。
　数学寄りの人間として，私も「糖質ゼロ」という呼び名は釈然としません。「ゼロ」を名乗るのであれば，せいぜい「1日の糖質は0.1g以下」くらいが上限じゃないでしょうか。物理的にゼロにできず，ゼロとは程遠い数字にしかならないことがわかっているなら，ゼロを名付けるべきではないと思います。

　「この方」からの「糖質ゼロ：第4報」。

【4点目・　また江部式の方がEBMに沿っており釜池理論の中には仮説が多い気がします。】
　江部先生は記事を取り上げる際に確かにきちんとエビデンスを提示されてらっしゃいます。しかしながら、2013.5.4のブログを拝見しますと
　　　３）江部康二：低糖質食（糖質制限食carbohydrate restriction）の意義,
　と記述があります。糖質制限食の基本中の基本『糖質＝炭水化物ー食物繊維』であるはずなのに、『carbohydrate＝炭水化物』を『糖質』とされているのは如何なものでしょうか。英語で書かれたエビデンスにcarbohydrateの単語が出て来て『糖質』と解釈されているとしたら、そこから正しい理論を導き出す事は果たして出来るのでしょうか。
　これまでの数多くある臨床研究は『糖質摂取を常態とした人の身体』から得ている結果が殆どではないでしょうか。それ故、釜池先生の理論が仮説になってしまうのは当然の事と思います。糖質摂取が『常態ではない』釜池先生の身体でブドウ糖摂取の結果が『糖質ゼロのレシピ集46ページ』にありますのでご参考までに引用させて頂きます。

『私の身体では、ブドウ糖五グラムで血糖値が30mg/dl上昇し、ケトン体値が40％減少しました。』

　【メキシコの肥満率が米国を超え世界一に、日本は先進国で最低―国連】
　数日前のニュースですが，メキシコの成人の32.8％がBMI30％以上・・・って，どんだけデブが多いんだよ。これはもう「医師を投げたらデブに当たる」状態でしょう。

　たまには，苦労話。

　私は1996年頃からひょんなことから「傷を乾燥させてはいけない」ということを知り，ひょんなことから創傷被覆材（当時は褥瘡治療専用の治療材料と考えられていた）が外傷全般に使えることに気が付き，ひょんなことから「傷は消毒してはいけない」ことに気が付き，あれよあれよという間に「湿潤治療」を提唱してしまった。つまり，いきあたりばったりである。
　心の準備もないまま「新しい治療の提唱者・指導者」みたいになってしまったが，一番辛いのは治療について相談する師匠も，困った症例について紹介する先もないことだ。普通なら大学病院に「傷が治りません。お願いします」という紹介状を書けば，もうその患者の治療で悩むことはなくなるが，私の場合，その手が使えないのだ。だから，原因不明の難治性潰瘍は感染例に対し，一人で延々と悩むしかない。治療についてディスカッションしてくれる同僚もできないし，相談に乗ってくれる先輩医師もいないし，役に立ちそうな文献も教科書もない。
　しかも，大学病院等で「皮膚移植が必要」と言われた熱傷患者が湿潤治療をしている内科や小児科のクリニックを受診することが多くなってきた。その大半は問題なく治っているが，次第に重症例も受診するようになり，内科医・小児科医の範疇を超える処置が必要な患者も増えてくる。すると，こういう患者をどこで誰が治療するのか，という問題に遠からず直面するはずだが，その解決法はいまだに思いつかないままだ。

　こういう「新たな問題」に直面するたびに相談する相手がどこにもいないというのは精神的に辛いなぁ，と思ってしまう。南極点を目指して極寒の地を進んだアムンゼンやスコットほど悲惨じゃないけど，地図もないし先達もいないし，どこに進むか相談する相手もいないという点では，似たようなものかもしれない。
　一番辛いのは，あらゆるトラブルを一人で解決しないといけないことだ。従来治療，常識的治療を否定してしまった以上，全ては自己責任となり，守ってくれるものも守ってくれる人もいない。最初にそれに気がついた時は背筋が凍った。そして，それに気がついてしまってからは，毎日の外来が恐怖の連続だった。

　しかも，湿潤治療を信じて治療を実践してくださっている医者に振りかかるトラブルも私の責任だ。「お前の治療を信じたばかりに，こんなトラブルに見舞われた。どうしてくれるんだ！責任を取ってほしい！」という抗議のメールほど心臓に悪いものはないが，それらに全て回答して，解決法を提示し，抗議メールを寄越した医者全員に納得してもらわなければ湿潤治療の未来はない。繰り返すが，私にはトラブルについてアドバイスを求める同僚も，トラブルが起きた患者の治療をお願いできる先輩医師もいないのである。今だから「あの頃は本当に大変だったよ」と言えるが，よくもまぁ，このストレスに耐えられたものだ。
　未知の治療を一人で始めてしまった医者は皆，こういう恐怖とストレスに耐えながら治療を確立していったのだろうが，いざ自分がその当事者になってみると，大変どころではないのである。

　もしも事前に「この治療を始めたら大変な目に合うよ。不安で眠れない夜が続くよ」と教えてくれる人がいたら，湿潤治療を先鋭化せず，従来治療と妥協した形にして安楽な道を選んだんじゃないだろうか。

2013/07/17　・・・ [06:00]／ [08:30]／ [13:00]／

【13:00】

　「腎不全と糖質制限」についてのメールです。

　最近は「糖質ゼロ」でもりあがっていますね。よい話題だと思うのですが、間違った方向に行かないように、早めにひとこと。
　「糖質ゼロ」を実践されている主婦の方ですが、このかたもご自分の実践されているもの以外は、知識が正確ではないようでして、江部先生は「透析されている腎不全患者」の糖質制限は、否定されていませんよね。当然ながら。
　2012年10月7日（日）のブログなどで、以下のような記載があります。

「高雄病院では、糖尿人で人工透析中の患者さんへの栄養指導も、時に行います。腎不全で、透析はしておられない段階の糖尿人は、低タンパク食が標準であり、相対的に高タンパク食となる糖質制限食は適応となりません。
しかし、既に人工透析中であれば、腎不全でも普通人と同様ていどのタンパク質摂取がOKとなるので、糖質制限食も可能となります。」

　「腎不全と糖質制限」についてのメールです。

　今朝掲載された「腎不全に対する糖質制限」に関してですが、「腎不全」という用語には、透析だけでなく、透析までには至っていない状態（保存期腎不全）も含まれています。透析を必要とする腎不全と保存期腎不全とでは、食事療法（指導内容）が異なっています。
　保存期腎不全の患者さんが透析にならないようにするためには「厳格なタンパク制限が重要」とされており、「相対的に高タンパクになる」糖質制限は控えたほうが賢明だと思われます。すでに透析中の腎不全患者さんは、高タンパクでもかまわないでしょう。

　江部先生は、透析中の患者さんではなく、保存期腎不全の患者さんに対して「糖質制限は適応とならない」とおっしゃっているのだと思います（江部先生のブログを詳細にはfollowしていないので、違っていたらすみません）。

　この方からの第3報。

【3点目・アトピーやその他の疾患についても釜池式じゃないと効果がないというものでもないように思います。】
　次の文章は7月8日の投稿でも書きました、糖質ゼロを通じて出会った方のメールです。

　私もアトピーでした。痒いのは言うまでも無く、背中や太もも裏に、あの忌々しいグチュグチュが身体から出てきて、寝ている間に身体がシーツに貼り付いてしまう。朝起きるたびに、身体の皮がむけて血だらけになる。
　本当に大変でした。toshitsu-zero実践後は、痒みがときたま出ますが（アトピーの名残なのか分かりません）、肌もきれいになり、血が出たり皮がむけたりは一切なくなりました。
　殺してくれ！と絶叫せんばかりに苦しまされたアトピー。そんな体質も、今では感謝してます。
　だって、考えようによっては、アトピー体質は『超高感度toshitsuセンサー』だと思えるからです。
　toshitsuが身体に入ってきたり、toshitsu解毒（排泄）が進まず蓄積したりしたら、すぐ“痒み”という警告発してくれるんですから。他の病気で苦しんでいる皆さんよりも、アトピー患者はtoshitsu-zeroへの移行が楽だと思います。直ぐ分かりますから。

　toshitsu-zeroを『どの程度徹底すべきか？』とありましたが、“アトピーが出ない”が私にとっての最低ラインでしょうか。アトピーが出ている以上、代謝異常の警告が鳴り響いているわけですから、排泄の完全と、食事の量と質（もちろんtoshitsu-zero）は徹底的に気をつけています。

　例えば蕎麦アレルギーの方に『蕎麦の摂取量を制限しましょう』と言う選択肢があるでしょうか。
　アトピー性皮膚炎と糖質の因果関係が現在証明されているわけではありませんが、糖質ゼロを実践してアトピー性皮膚炎の症状が無くなった方がいるのは『事実』です。そうであるならば、多くのアトピー性皮膚炎の方の原因が『糖質摂取』による可能性がある事は否定出来ません。そして、『糖質摂取』による発症であるならば糖質摂取量に関しての選択肢は蕎麦アレルギー同様『ゼロ』以外無いと、素人考えですが私は思うのです。

【08:30】

　昨日，大腿から下腿にかけての広範なヤケドで横浜から受診された3歳の女の子がいるんですが（7月13日受傷，15日まで他院で治療），昨日治療が終わってからいきなり「お腹がすいた」と言い出し，びっくりするくらい夕食を食べたそうです。昨日受診された時は「ヤケドしてからオシッコもウンチも出ていない」と心配されていましたが，ウンチ，オシッコも正常に戻ったそうです。そして何より，それまで歩くどころか自力で動けなかったのに，帰宅してからいきなり歩いたそうです。
　やはり，それまでの「ガーゼと軟膏治療」は体を動かせないくらい痛いんですね。その「発痛物質」である軟膏ガーゼをプラスモイスト^(R)に変えただけで，動いても痛くなくなって歩けるようになり，いきなりお腹が空いていることに気がついちゃう。
　以上，「熱傷の痛みの原因」理論を証明する症例でした。

【06:00】

　「真夏の皮膚のトラブル」についてのメールです。

　私もつい先日、手の指に汗疱が出来ました。
　連日の猛暑の中、エアコンをつけていなかったので、大汗をかいたせいかなと思っています。こちらのサイトで、汗疹の原因は塩分不足かもという記事を読んでいたので、私もそうなのかもと思い、早速味噌汁を作り飲みました。
　そしたらですね、マジックかと思ったんですが、昼食時に飲んだのに、午後から「あれ何か水泡が小さい気がする」と思っていたら、夕方にはしぼんできて、あっという間に治ったんですよ。それまでは3日くらいどんどん膨らんできて、パンパンの汗疱だったのですが。
　元々、薄味が好きで、あんまり醤油とかを後からかけたりしないんです。
　思ったより、私は汗で塩分を失っていたのだと思いました。

　「ティファール社，電気ケトルの蓋を改善」についてメールです。

　とある大型スーパーで旧式のティファールケトルが大量に売られていました。
　新型が出たときから、こうなるとは思っていましたが、今まで以上に旧式のティファールケトルの危険性を伝える必要性を感じました。

　「糖質ゼロ」について昨日紹介したメールの続きです。

　【2点目・釜池先生は江部先生が腎症患者に糖質制限を行わない点が気に食わない模様です。】
　『気に食わない』のではなく患者さんのことを思うからこそ強く『批判』しているのです。

　江部先生はブログ及びご著書で『糖質制限食は相対的に高タンパク・高脂肪食になるので、腎不全と活動性膵炎には適応とならないのです。』と必ず載せてます。しかしながら7月8日の投稿でも書きました通り、私は釜池先生から人工透析中でも『糖質ゼロにすべき。もし心配ならばたんぱく質制限を』と言うアドバイスを頂きました。そして、私は今回夏井先生のホームページを通じて現役のお医者様から『人工透析中の患者さんへ糖質ゼロを指導して何人もの方がインスリン自己注射から解放された』と言う事実を教えて頂き、釜池先生のアドバイスが正しい事を知りました。

　本来真っ先に糖質をゼロにしなくてはならない患者さんが、江部先生の先の文面を読んだらどうでしょうか。これまでに何度となくブログで掲載されてきた文面です。アクセスの多いブログですからこれまでに相当数の腎不全の患者さんやそのご家族が目にして希望を絶たれているかもしれません。

　江部先生は糖尿病患者さんの為に『糖質制限食』の普及に力を注いでこられたはずです。そうであるならば『糖質制限食では不適応ですが、釜池先生の糖質ゼロでインスリン自己注射から解放されます。』と糖質ゼロの選択肢を患者さん達へ伝えるべきではないのでしょうか。

　「糖質ゼロ」に対し，糖質制限メニューを提供する日本料理店からのメールです。

　Toshitsu-zeroと糖質制限、夏井先生のお話はとてもわかり易く、面白く拝見しました。皆様のお話も大変興味深いです。
　私は、糖質ゼロを厳密に実践出来ておりませんが、釜池先生のメーリングリストに入れて頂いております。釜池先生の厳しく激しいともとれるToshitsu-zeroに向き合う姿勢・生活に真実を感じます。にわかですが、釜池先生ファンの一人です（笑）

　比較検討するにあたっては、「糖質ゼロ・制限」を知らない人に向けてということでしょうか。
　江部先生の糖質制限は導入しやすく、これだけ糖質制限という名前を広められた役割は素晴らしいことだと感じています。もちろん糖質制限から入った初心者の私にとって江部先生の糖質制限は書籍含めてわかりやすく大変感謝しています。

　それでもお客さまに糖質制限のお話をさせて頂きますと、「糖質」を全く理解されていない方がほとんどです。米を食べてはいけないというと全力で拒絶してきます。「一日一食」なんて言えば両手で耳を塞ぐ勢いです。そりゃそうですよね。「一日３食しっかり食べましょう！」「米を残すな！」「肉の食べ過ぎはコレステロールが・・」「カロリーを気にしてください」と教えられてきたのですから。
　糖質制限は「糖質とは何ぞや？」と知ってもらうきっかけになると思います。人類の食から考えますと「はじめに糖質ゼロありき」なんでしょうけど、、、

　糖質制限が続かなかった方に色々とお話を伺っています。続かないの一つに猛烈な空腹感があるようです。個人的には、食事回数が少なく、糖質が少ない方が空腹感が少ない・・というような気はします。
　今は、ゆるい糖質制限さえ受け入れられない方の方が多く、私もまして一日一食なんて絶対無理！と思っていた時期もありました。それぞれの生活環境はあると思います。ご病気だったり、ダイエットだったり、ご家族の理解が得られなかったり、夏井先生のおっしゃるようにそれなりに知識も必要だと思います。
　糖質制限がやはり世の中で有名になりつつありますが、糖質ゼロを知ってみて、理解して、実践してみるのも選択の一つだと思っています。なぜならば糖質についてより理解が深まると思うからです。
　自分で考え自分の責任で選択できるって素晴らしいですね！　個人的には糖質をメインのエネルギーとしなくなった脳や身体がどのような働きをしていくのかにとても興味があります。

　「どうして病気でも無いし、太っていないのに節制しているの？」と最近良く言われます。そりゃ初めて糖質制限の話を聞いた時は、「儲かりそうだな」とか思いましたけど…（笑）現実はまったく違っていたり。ご病気で困っている方に糖質制限の話をしたり、パンを焼いたり、そして検査の結果が良くなったなんて言われると少しは誰かの役にも立てたかな・・と日々の仕事とは違う嬉しさを感じたりしています。
　まだまだ道は険しいですが、お店としてはいつか「食べる側も作る側も健康でいられる楽しい飲食店」を目指したいと思っています。

　甘み＝うま味ではないと気付かせてくださった様々な先生方、そして皆様に感謝しています。

　「糖質ゼロ」についてのメールです。先日，メールをお寄せいただいた方からの補足です。
　さて、先日の江部式VS釜池式の件で新たにご投稿もありましたので返信させてください。
　7/8の糖質ゼロを選択肢にとういうご投稿に対してどなたも反応がないようでしたので、私なりに対比した内容の投稿をいたしました。糖質ゼロという提案に対し反応ゼロでは投稿者様もさみしく思うのではと思った次第です。
　投稿者様の「対比するのはきちんと三冊の著書を読んでからにしてほしい」というのであれば、「対比」とはせず一冊読んだ上での「感想」と置き換えますので足りないものがあれば投稿者様が補足をしてくださればいいと思います。

　ところで大前提になると思いますが、糖質制限と言っても実際には絶対的な方法が確立されているわけではありませんし、江部式と釜池式しかないわけでもありません。ちょっと考えても
肝心の糖質の摂取％は？

摂るべき脂質やタンパク質の由来（飽和、不飽和、植物性、動物性、魚油、糖原生、ケト原生など）は？

対象となる疾患は？

対象者の年齢は？

対象者のライフスタイルは？
　など考えなければいけないことはたくさんあります。
　例えば成長期の子供と中高年のDM患者で同じように制限していいのか？　糖質を一日5g以下にして子供が日々活動し、かつ十分現代社会にマッチした身体の成長が得られるのか？
　それこそその人の目的に合わせ、オーダーメイドで試行錯誤していかざるを得ないと思います。
　今まで病気の治療は医師が専門家であり医師の言いつけを守ることが患者に求められることでした。それが今では膨大な情報が誰でも瞬時に手に入るようになり、患者自身が自分の病態や治療方針を考えることが出来ます。自分の病状や環境、ライフスタイルに合わせ自分で選択すればいい事と思います。
　ですから絶対にインスリンの過剰分泌をさけることが必要だと思えば釜池式を選べばいいですし、それを人に薦めたいと思えば薦めればいいですし、薦めてもなかなか分かってもらえなければ自身でどうすればわかってもらえるか考えればいいですし、そこまで制限する必要がないと思えば自身にあった食事法を選択すればいいと思います。

　また対比をするにあたり私の知識では対比する資格がなく3年間糖質ゼロを実践していってほしいという部分は意味がわかりません。投稿者様ご自身が糖質制限で効果がなく糖質ゼロで効果があったのならそれを開示ください。糖質ゼロを選択肢として提示させたいと言うのなら有効性を証明するのは私ではありません。ご自身が実践し言いたいことがあればご自身が周知すればいいのではと思います。

　ところで私自身は糖質制限を3年以上続けております。
　HbA1cが9.8（JDS）まで上がり、また動脈硬化による冠血管狭窄の三枝病変があり3年前にステントを入れました。その時今後家族、特にまだ小学生（当時）の子供達に将来迷惑をかけたくないと考え糖質制限を開始しました。とにかく早く血糖値を下げたかったのでかなり厳格に糖質制限を行っています。
　当時単身赴任でしたので朝食は抜き、昼食はチーズやナッツ、夕食は野菜と肉と豆腐のおかずだけという生活が半年続きましたが、その時は釜池式に非常に近い食事法だったと思います。
　その後単身赴任が終了し自宅に戻って少しゆるい制限（と言ってもスーパー糖質制限ですが）を続けていますが、体重や各種検査値をみて食事内容を常に考えています。

　もともと調剤はしておりませんが薬剤師の資格は持っておりますので、学生時代に勉強し書棚にしまってあった「ハーパーの生化学」なども引っ張り出して来て3年間、学生時代よりずっと勉強しています。（糖尿病の治療法に思いをはせるのがある意味楽しみになりました。）
　そのうえで自己判断で釜池式のようにもっと厳格に糖質摂取を抑えた方がいいと思えばそうしますし、緩めても病状に問題がなく生活の質（QOL）が上がるならそうすると思います。

　何しろ人生の目的はHbA1cを4.8に保つことでもグルコーススパイクをゼロにすることでもなく、家族や友人と喜怒哀楽を共にし、あるいは仕事や趣味でも夢を追いかけたり叶えたりするところにあって、そのために食事法はとても大事だけれど人生の目的ではないと思うからです。

　昨日から読み始めたのが『数学の想像力』（加藤文元，筑摩書房）です。冒頭の，「数学と音楽は似ている」と言われるのはなぜか，という文章を数行立ち読みして，購入することを決めました。こういう書き出しの本は例外なく面白い，という経験則を信じたからです。

2013/07/16　・・・ [06:00]／ [08:30]／ [13:00]／ [13:30]／

【13:30】

　「ティッシュペーパーに対するアレルギー」についてのメールです。

　ティッシュペーパーのアレルギーですが、ティッシュはパルプ（セルロース繊維）に、濡れた時にバラバラに解繊せずシート形態を保つ為に，湿潤紙力増強剤という薬剤が添加されていります。この湿潤紙力増強剤は、ポリアミドエポキシ樹脂（PAE樹脂）等が使われているようですが、カチオン性を示すため何らかの皮膚刺激があるのかも知れません。（あくまで推測ですが・・・）
　少なくとも、ティッシュペーパーは、湿潤状態で長時間、皮膚にダイレクトに接触することを想定していない商品ですので、使い方によってはこういった問題が発生してしまうのかも知れませんね。

　今日の午前中の外来は混みました。さすがは3連休の後です。29名の患者さんが受診されましたが，そのうち，熱傷の初診患者さんが4名だったかな？　例によって，近隣の某大学病院からの脱走患者さん（7月13日受傷）がいらっしゃいましたが，大学病院皮膚科での対応の悪さに怒り心頭のご様子でした。話をまとめると次のようになります。

連休中ということもあるのだろうが，毎日治療する医者が違い，しかも説明がバラバラ。ある医者は「2週間くらいで治るかな？」，ある医者は「これは深いから皮膚移植になる」，別の医者は「これは絶対に跡が残る。一生消えない跡が残る」と説明。
毎回ガーゼを剥がす際に出血して傷が深くなっているようにしか見えないので，「最近は傷にくっつかない治療材料があるって聞いたけれど」と質問したら「そんなものはない」と一喝された。
「絶対に跡が残る」といったのは女医だったが，顔の肌荒れがひどく，それを見たら「自分の肌の管理もできない皮膚科の医者にヤケドが治せるわけがない！」と怒鳴ってやろうと思った。

　というわけで，某大学病院の医者の態度が悪すぎるため，私は普通に対応しているだけなのに「すごくいい先生」と思われちゃいます。ありがたいことです。

【13:00】

　「学校保健ニュース」ですが，インタープレス社より「1分単位で個人購入可能です」と連絡が入りました。患者さんへの説明用に外来の待合室などに張っておくといいと思います。

　ニュースの購入は1部単位で可能です。監修の先生の場合は料金（送料込み）は以下の通りです。

○本紙（壁新聞）　150円
○解説　　　　　　　50円

　それ以外の先生からが購入してくださる場合は、注文をしていただく際に、「監修の夏井睦先生からの紹介で」と伝えてくだされば、上記の料金で購入していただくことが可能です。
　注文先は、以下の通りです。

株式会社インタープレス
電話　０３－３５６６－６０００
受付時間　平日９：００～１７：００
インターネットでの問い合わせ

　注文時に、ニュースの名称と号数を伝えてくださると間違いがないと思います。

学校保健ニュース　高校版　No.1619
『傷を消毒せず乾燥させずに治す　うるおい治療』

【08:30】

　今日の朝，出勤途中に今年初めてアブラゼミの声が聞こえました。調べてみると，2011年の東京のアブラゼミ初鳴きは例年より13日早い7月11日だったそうです。
　ちなみに，病院のある光が丘公園ではまだセミの声は聞こえません。

　「ティッシュペーパーに対するアレルギー？」というメールをいただきました。皆様はこのような経験，お持ちですか？　あるいは，ティッシュによるアレルギーについてごぞんじですか？

　先生はティッシュペーパーのアレルギーは聞かれたことがありますか？
　うちの患者で、PEG挿入周囲のただれがありなかなか治らず、PEG漏れもあるし、ティッシュでこよりを作って巻いてたんですが、まったくよくならず、この間リンデロンVにポリ袋切ったもので密閉しました。すると、ただれは見事に消失し（この間はティッシュは使用せず）、みんなで感心したんですが、PEG挿入部から、注入食が漏れるので、ティッシュをY字ガーゼのように切り(6cmX6cm)、皮膚にプロペト（PEG周囲2cmX2cm）を塗ってあてました。
　次の日に、ティッシュの範囲で、発赤や発疹出ていました。今までティッシュでこよりを作りPEGに巻いたけど、ティッシュのアレルギーなら、ジュクジュクは治りませんよね。
　でも、ティッシュのアレルギーなんて聞いたことがないし、ティッシュの何が原因でしょう？

　【参議院選挙が、さりげなく問う、都道府県の存在意義】
　議員定数削減を進めると一票の格差が拡大し，その根本原因は「県」という行政単位である，という指摘です。結局，一票の格差って「県とは何か」に行き着いちゃうんですよ。
　考えてみると，市町村という行政単位は日常で実感できるし，単位としてまとまっている気がしますが，県となると範囲が広すぎて，一つの単位として認識しにくいです。東北各県を見ても，県の南部と北部，山沿いと沿岸では言葉も文化も食物も違っているし，江戸時代の複数の藩を合併して一つの県にした所では，意識の上での対立がいまだにあったりします（例：長野と松本）。同様に，兵庫県のように日本海側と瀬戸内海側では文化が全く違っているような印象です。
　「県という行政単位が必要なのはどういう場合か」という命題について考えてみるのも一興かも。

【06:00】

　『学校保健ニュース　高校版』（No.1619，平成25年6月25日，インタープレス社）に『うるおい治療』が掲載されました。学校の保健室などに張ってある模造紙大の壁新聞で，非常にわかり易い内容となっています。

　茨城県のにしぼり整形外科西堀先生の外来にも「ティファール電気ケトル熱傷」の患者さんが受診されたそうです。詳しくは西堀先生のブログをお読みください。

　練馬区光が丘近辺在住の方にしか価値の無い情報ですが，「リヴィン光が丘調剤薬局」でも「ズイコウハイドロコロイド包帯」の取り扱いが始まったそうです。

　香川県の方（苗字不明。メルアドの一部を絵文字に変えています：pi♦k-.-c♦arm♦kichy@docomo.ne.jp）から，1歳半のお子さんの熱傷（7月9日受傷）について相談メールをいただきましたが，こちらからの返事が届きません。複数のアドレスから出してもことごとくブロックされています。
　そこで，私の回答をここに書きます。一刻も早く，湿潤治療をしている医師を受診した方がいいです。

同様の相談が非常に多いです。下記をまずお読みください。
●http://www.wound-treatment.jp/next/question-3.htm#074
●http://www.wound-treatment.jp/next/question-3.htm#048

ただ，1歳6ヶ月という年齢は微妙です。
●http://www.wound-treatment.jp/next/question-3.htm#114

1歳6ヶ月で，しかも既に1週間経っていますから，後遺障害が全くないというのは難しいかもしれませんが，それでも植皮をされるよりはマシです。

　昨日1日だけで，メールによるヤケドの問い合わせが4件ありました。いずれも「総合病院に入院していて，今週中に植皮の予定です。今からでも湿潤治療に切り替えるべきでしょうか？」という切羽詰まった内容です。
　連休中でも，e-mobile の Pocket WiF iが繋がらない場所（例：私の秋田の実家）には行ってはいけない，ということですね。ちなみに，東京なら地下鉄でもe-mobileは結構繋がりますが，秋田，青森，岩手，山形あたりに行くと，「人がそこそこ住んでいるのにサービスエリア外」の場所がすごく多いです。

　「真夏の皮膚のトラブル」についてのメールをいただきました。

　救急救命士です。
　この殺人的な暑さでも、災害のときは防火着を着て出動します（うちの消防は火事救急関係なく全部やります）。なので、耐熱訓練と申しますか、日中にフル装備で運動します（1時間が限界ですが）。当然バケツでかぶったくらいの汗をかき、体温は38～39℃まで上がります。水分とミネラルの補給はスポーツドリンクでまかなっています。

　この時期の悩みとして、足底から指先までにかけての皮膚がボロボロになり、汗疹でしょうか水泡が無数にでき、強い痒みが起こります。毎年のことであきらめていました。ただ、先生のHPで「汗疹の原因は塩分不足かも」という記事を思い出し、人体実験してみました。
　内容は簡単です。食塩を舐めるだけです。防火着を着てゆっくり20分ランニングをして、休憩毎に小さじ１ぱい（たぶん3gくらい）を直接舐めました。もちろんスポーツドリンクも飲みます。トータルで食塩は約10g、スポーツドリンクは500ｍｌ（＋水道水同量）摂取しました。
　するとどうでしょう、皮膚のボロボロは仕方ないにしても、痒みが全くありません。汗疹もいつもに比べて激減しています。たった1日の事ですが、びっくりです。しばら続けて様子を見てみます。
　今年の猛暑は「スーパープチ糖質制限」と「増塩」で乗り切ってみようと思います。
　塩分摂取不足については，こういう話題もありましたね。

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　7月13日対比メールを頂きましてありがとうございます。5～6点思うところがありましたので5～6回に分けてメールさせて頂きます。

【1点目・対比をするに当たり思うこと】
メールの方は断りはいれてますが、まずは釜池豊秋氏の著書二冊『糖質ゼロの食事術』『糖質ゼロの健康法』(しいて言えば三冊、レシピ集内のコラム)をきちんと読むことが基本ではないでしょうか。糖質ゼロの健康法だけでは糖質ゼロと言う理論に至る説明が詳しくは記されてません。それを把握せずに対比されるのは如何かと思います。
　そして是非、糖質制限食実践と同期間の3年間糖質ゼロを実践した上での対比をお願いしたいです。
　糖質制限食を実践されている方へ伺いたいです。糖質制限食を実践したことのない人が意見する糖質制限食論等を読まれて、なるほど正にその通りと納得出来た事がこれまでにあるでしょうか。糖質制限食を実践したことのない多くの人は実体験がありませんから鵜呑みにする方も多いでしょう。でも実践してるからこそ、その間違いに気が付くことが出来ます。
　江部先生のビジネスパートナーの方のブログ『あらてつの糖質制限な日々』ではよく

『糖質制限食を実践したことのない人に限って否定的な主張をする。自分で実践した事のない者に糖質制限食云々を語る資格は無い』

　という旨の事が書かれてます。
　まさにその通り、糖質ゼロ実践者から言わせてもらえれば全く同じことです。

　糖質ゼロの実践に専門の知識は要りません。基本は未加工の肉・魚・緑野菜を購入し、味付けの基本は塩、胡椒。味の変化にハーブ＆スパイス、ワインビネガー等。卵、チーズok。食品成分表を参考に。加工品には手を出さない等々。スーパー糖質制限食実践において糖質量をチェックするのと大差ないと思います。
　夜の一食のみがダメでしたら朝、昼にゆで卵やチーズ、サラダ等摂取して下さい。夜の一食が基本なのは、糖質ゼロの実践により『空腹感が生じなくなってくる』からです。その理論も本に書かれてありますし、『実践』しないと『体験』は出来ません。

　糖質制限食では最近その恩恵が薄れてきたなと感じているのであれば、気軽に、期限を決めて糖質ゼロに取り組んで見て下さい。その上で、『糖質制限食』なのか『糖質ゼロ』なのかを選択すれば良いだけの話です。
　『糖質制限食』は『糖質ゼロ』と言う山頂への道のりの途中だと考えますので、私は『糖質制限食』を否定してはおりません。

　私は主婦です。主婦の立場からすれば三度の食事の支度から解放され、三回分の食費が一回分で収まるならばこんなにいいことはありません。

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　7/8「糖質ゼロ」のメールの件ですが、長文過ぎたせいもあり、釜池氏の著書2冊を読んだ上で『糖質制限食』と並んで『糖質ゼロ(toshitsu-zero)』も選択肢の一つとしてホームページで紹介して欲しい、という当初の依頼の主旨が忘れられているのではないでしょうか。
　たかが一例、されど一例の報告メールでもあるので、実践できるかはともかく著書を1冊も読まないままに糖質ゼロの紹介ページは必要なしという結論にこのまま至ってしまうのであれば、糖質制限食を実践もせずに端から否定する守旧派と変わりません。

　毎食後の血糖値変動を抑えることだけでみれば、糖質ゼロに近づけば近づくほど得られる結果のコストパフォーマンスは悪くなりますが、釜池氏が正しいのであれば、少量の糖質摂取によってインスリン放出の第一相が一定かつ大量に起こるので、江部式ではインスリン過剰分泌の弊害は全く抑えられないことになるので得られる結果は大きく違います。

「スーパー糖質制限ならばインスリン追加分泌はせいぜい平常時の2倍程度」というのが正しくても、裏を返せば「平常時の2倍ものインスリン追加分泌が毎食後起きる」とも言えます。

　釜池式は糖質ゼロだけでなく一日夜の1食のみを推奨しているので、インスリンの過剰分泌が起きる糖質摂取量をつい超えてしまったとしても、一日3食の緩やかな糖質制限よりは頻度が少ない分、3倍の結果が得られます。（食べる楽しみは1/3ですが）
　江部式に限らず糖質制限は食費が倍近く上がってしまうのが欠点かと思いますが、ブログで以前公開されていた釜池氏自身の食事内容であれば、夜の1食ということもあり満腹になるまで食べたとしてもそれほど食費が高くはなりにくいです。（お腹が空きにくいのでカロリー＆必須栄養素不足には要注意ですが）
　釜池氏の著書である「糖質ゼロの食事術」と「糖質ゼロの健康法」の2冊は名著と思いますが、正直なところ「糖質ゼロのレシピ集」は釜池氏の食事日誌と違ってあまり参考になりませんでした。
　いきなりゼロは難しくても、スーパー糖質制限を一年以上実践できている人であれば、新たに膨大な知識を仕入れる必要はなく気軽に釜池式を試せると思います。食べてOK食品の選択肢が少し減るだけで、調理方法もシンプルなものが多いですから。

　釜池氏が聞いたら激怒されるかもしれませんが、一般に2型糖尿病患者は健常者の3倍以上血糖値が上がりやすいということから、「糖尿病でなければ糖質5gの3倍である15g（食後の血糖値上昇15mg/dL）程度ではインスリン追加分泌が起きない」と私は勝手に考えて、昼は糖質ゼロで量も少なめの弁当、夜はインスリン追加分泌が起きないと思って糖質10～15gのスーパー糖質制限を続けています。（江部先生と同じく朝は食べない一日2食です）
　試行錯誤した上で、食費は糖質制限を始める前とほぼ同じに落ち着きました。

　糖質制限で充分な効果が得られない医原病人や腎機能低下により糖質制限適応外の人を救う為、思考停止せずニュートラルな立場で自分の頭で考え続ける為にも『糖質ゼロ』という選択肢の提示は必要だと思います。

　p.s.
　江部先生は「糖質ゼロ」という用語は使いにくいでしょうから、美味しく楽しく「スーパーケトン食」とでもいうような新概念＆美味しいレシピで真っ向勝負してほしいところです。いくら素晴らしい理論でも一般に広まらなければ意味がないですし、旧くて新しい概念について提唱者は誰でも良いから普及させた者勝ちとも思います。

　「釜池先生の糖質ゼロ」についてのメールです。

　釜池式の糖質制限は「一食あたりの糖質を5gまで」であって、「一日の糖質量が5g」ではありません（『糖質ゼロの健康法』p.7）。
　ただ、釜池式だと食事は一日一食を提唱しているので、結果的には一日5gにはなるのですが。とはいえ、朝食は抜きにするにしろ、昼食は「できるだけ少なく。チーズやゆで卵などを」（同 p.5）、と言っているので、二食だとすると一日トータルでは8gぐらいにはなるのかなと思います。

　以前，ちょっと紹介した漫画が『めしばな刑事タチバナ』です。B級料理についてのウンチクが満載の楽しい作品で，私は3巻まで読んでいましたが，それ以降は買いそびれていました。
　それが，Kindleストアを覗いていたらすでにKindle本になっているじゃないですか。しかも，すぐにネタ切れになるんじゃないの，という当初の予想を大きく裏切って，内容はさらにパワーアップしていてようです。もう嬉しくって，4巻から9巻までまとめ買いしちゃいましたよ。

　【カメの甲羅なんと肋骨　謎の多い生き残り戦略、解明へ】
　私も一応「生物進化マニア」の端くれなので，爬虫類の進化についてもそこそこの知識はありますが，爬虫類の進化と分類については実は謎が多いのです。
　すごく大雑把に説明すると，3億5千万年前のペンシルバニア紀に誕生した有羊膜類が側爬虫類（カメ類）と双弓類（ワニ類，恐竜，鳥類，有鱗類）に分化する系統と，単弓類に分化する系統に分かれます。単弓類はその後，獣弓類，キノドン類に分化しますが，ペルム紀大絶滅（2億5千万年前）でキノドン類，獣弓類のほとんどは死滅し，一部のキノドン類と側爬虫類と双弓類は生き残ります。このキノドン類の生き残りが三畳紀末に哺乳形類に分化し，ジュラ紀末期には哺乳形類から哺乳類が生まれます。
　今回の研究で，カメ類の甲羅は「肋骨が背側に伸び，皮膚を貫いて表面に露出し，拡張癒合した」ことが明らかにされましたが，このような例は他の爬虫類には見られないもので，もちろん，獣弓類にもキノドン類にも類例はなかったと記憶しています。なぜこのような方向に甲羅を進化させたんでしょうか。

　ちなみに，3億年前くらいに始まるペルム紀は大気中の酸素分圧が上昇した時期であり，陸上動物は爆発的に増えた時期です。しかし，当時は赤道地域にすべての大陸が集まって「超大陸パンゲア」を形成していた時期であり，生物多様性に乏しく（つまり，動物の数は多いが種類は少なかった），これがペルム紀第絶滅の遠因だったと考えられます。
　そして，ペルム紀末に突然，大気の酸素分圧が低下し，気温は急上昇します（現在の地球の平均気温より20℃以上高かった）。原因はどうやら，パンゲア全域で火山活動が活発になったことと，海底のメタンハイドレートが一気に気化したためではないかと考えられています。このため，世界全域で海水の嫌気性化が起こます。その結果，水中・地表の全生物の96％が絶滅したと考えられています。
　このようなペルム紀末の環境激変をみると，なぜカメ類と双弓類が生き残れたのか，むしろ不思議なくらいです。

2013/07/16　・・・ [06:00]／

【17:00】

　香川県の方（苗字不明。メルアドの一部を絵文字に変えています：pi♦k-.-c♦arm♦kichy@docomo.ne.jp）から，1歳半のお子さんの熱傷（7月9日受傷）について相談メールをいただきましたが，こちらからの返事が届きません。複数のアドレスから出してもことごとくブロックされています。
　そこで，私の回答をここに書きます。一刻も早く，湿潤治療をしている医師を受診した方がいいです。

同様の相談が非常に多いです。下記をまずお読みください。
●http://www.wound-treatment.jp/next/question-3.htm#074
●http://www.wound-treatment.jp/next/question-3.htm#048

ただ，1歳6ヶ月という年齢は微妙です。
●http://www.wound-treatment.jp/next/question-3.htm#114

1歳6ヶ月で，しかも既に1週間経っていますから，後遺障害が全くないというのは難しいかもしれませんが，それでも植皮をされるよりはマシです。

2013/07/14　・・・ [08:30]／

【08:30】

　「糖質ゼロか糖質制限か」についてもうちょっと続けます。
　糖質の摂取量を減らすのは簡単ですが，摂取量をゼロに近づけようとすればするほど，それは困難になります。
　標高100メートルの山と600メートルの山では登山の難易度はほとんど変わりませんが，7100メートルと7600メートルでは困難さは桁違いです。
　テストで60点平均の人がちょっと勉強すれば80点になりますが，95点平均の生徒が97点平均に成績を上げるのはすごく大変だし，98点平均にするのはとてつもない努力が必要になります。
　100メートルを18秒で走る人が2秒タイムを縮めるのは簡単ですが，9秒9から9秒8に0.1秒縮める困難であり，しばしば不可能です。
　つまり，麓から中腹まで登るのは簡単だけれども，頂上／頂点に近づくほど登ることは困難になり，しかも多大な努力をしても，得られる結果の違いはごく小さいものです。

　糖質摂取も同じです。一日3回ご飯を食べて炭水化物として300gを摂取している人が摂取量を150gに減らすのは簡単で，ご飯の量をいつもの半分に減らすだけです。しかし，100gから50gに減らすのは知識が必要となり，20gから10gにするのは極めて大変です。どんな食物（食材）にどれだけ糖質が含まれているかという膨大な知識が必要になり，調味料とか隠し味のわずかな砂糖にまで気を配らないといけなくなります。
　そして，糖質ゼロに近づけば近づくほど，糖質を減らしたことによって得られる変化は微小になります。8810メートルの山と8820メートルの山の高さの違いは麓から見てもよくわからないし，98点平均から99点平均に成績が上がってもその違いは第三者からはわかりません。要するに，努力に対して得られるモノは頂点に近づくほど小さくなり，頂点に到達した所で無限小になり（つまり，努力を無限に増やしても，得られる結果に違いはない），コストパフォーマンスは悪くなります。

　「糖質ゼロか糖質制限か」についてのメールです。

　釜池先生と江部先生、僕はニュートラルな立場です。だってそもそもそうでしょう？　自分の頭で考える、それが基本じゃないですか?　どっちにしろ自分で決めればいいことですよね。教祖なんぞ愚の骨頂です。それを事大主義っていうんでしょ。
　特定の個人を教祖に祭りあげるのは愚の骨頂である，というのは正論ですが，「なぜ新しい理論の提唱者は教祖として祭り上げられる傾向があるのか？」というふうに裏側から考えるのも面白いです。
　理由は簡単で，科学の新理論の提唱者は考えに考え抜いてから自分の理論を発表するからです。過去の常識とは反するが，科学的に考えると絶対に正しい，過去の常識に科学的根拠はない，という確信が得られてから発表するからです。だから，良心的な科学者が提唱する新理論は大抵正しいです。

　その理論が正しくて，しかも驚天動地の結果が得られて，更に応用範囲が極めて広いのを知ると，第三者からみると新理論の提唱者は天才に見えます。だから，教祖として祭り上げられ，彼の話す言葉は神の言葉のように奉られます。しかも，提唱者の言葉は大体において正しいし，未知の現象を予告したり，未知の現象が起きてもきちんと説明できたりしますから，もうこれは「神」なんですよ。「神を信じるのは愚かである」というのも正しいけれど，「神を見ちゃったからには信じるしかない」というのも正しいのです。
　しかも，新理論の提唱者の言うことはほとんど正しいので，「彼が言うことだから正しいはずだ」と考える人がいるのも当たり前です。それはもちろん，一面からみると「思考停止」なんですが，別の面からみると「正しい結論に最も手っ取り早く到達する」ことができるわけで，経済的には見合うことになります。

　でも，提唱者本人は「教祖になろう。天才だと思われたい」と考えているわけじゃないんですね。周りが勝手に教祖様と呼んでいるだけです。新理論の提唱者本人は，そのあたりのギャップに密かに悩んでいたりするのです。

2013/07/13　・・・ [07:30]／

【07:30】

　「糖質ゼロ」に関連して，釜池先生と江部先生の対比，というメールです。
　先日，釜池豊秋先生の糖質ゼロも紹介してほしい旨の投稿がありました。
　そこで釜池式がどのようなものか、私も改めて江部先生（スーパー糖質制限）と釜池先生の違いについてまとめてみました。私自身は江部先生のHPから3年前に糖質制限を開始していますので、釜池式についての知識は「糖質ゼロの健康法」を一回読んだのとWEBから断片的に得た情報のみです。

　両先生ともグルコーススパイクやインスリンの弊害については共通した認識を持たれているようです。もともと江部先生の師匠ともいうべき方が釜池先生ですから当たり前でしょうが。
　過去に2chなどでも話題になりました両氏の論争ですが、
炭水化物と糖質の違い

タンパク質、脂質の血糖上昇について
　この2点については結論が出ているようです。（言葉の解釈の違いや以前は脂質、たんぱく質も血糖に変換されると言われていたこと。）
　決定的に違うのは
釜池式：糖質を一日5g以下に抑えればグルコーススパイクも起きずインスリンの過剰分泌（AIR：急性インスリン応答）も無い。（江部式ではインスリンの過剰分泌は起きる。）

江部式：スーパー糖質制限ならばインスリン追加分泌はせいぜい平常時の2倍程度でグルコーススパイクやインスリンの過剰分泌は抑えられる。
　というところでしょうか。釜池式では絶対にAIRを抑えると言うのに対し江部式はその許容範囲が広いようです。（また、釜池先生は江部先生が腎症患者に糖質制限を行わない点が気に食わない模様です。）

　従来のカロリー制限と比較すればスーパー糖質制限も格段に厳しく糖質を制限していますが釜池式はさらにストイックであり、理論的にはインスリンの弊害を完全に断ち切れるように思います。
　しかしながらスーパー糖質制限と釜池式で臨床上差が出るかどうかの検証は出来ておりませんし、アトピーやその他の疾患についても釜池式じゃないと効果がないというものでもないように思います。
　また江部式の方がEBMに沿っており釜池理論の中には仮説が多い気がします。

　やや釜池式に対して否定的なニュアンスになりますが、やはり釜池先生は攻撃的というかカルト的というか、ちょっと私には受け入れにくいキャラクターですのでその分は考慮してくださいませ。
　私（夏井）は生活面ではズボラな方が好きなので，江部先生の「まぁ，できる範囲から糖質を減らしてみたらええやないか」という肩の力を抜いたユルユルの方式が性に合っています。「糖質に関してはゼロか1か，どちらかしかないのだ！」というストイックな路線だとついて行けません。ご飯やラーメン，うどんやパン，お菓子は口に入れたくないけど，トンカツや唐揚げは（衣が糖質だけど）食べたいからです。だって，ご飯やうどんは美味しくないけど，トンカツと唐揚げは美味しいんだもの。

　これをバッハの音楽で言うと，「バッハの音楽は『フーガの技法』しか認めない。他は聴いてはいけない」というのが釜池先生，「最初は気軽に聴ける『G線上のアリア』とか『トッカータとフーガ』から聴いてごらん」というのが江部先生です。
　確かに，バッハの最高傑作は『フーガの技法』であり，さんざんバッハを聴いて最後に到達するのがこの曲集ですが，これは「聴く音楽」としてはそれほど楽しくもないし面白くもありません。だから，最初にこの曲を聴かされたらほとんどの人はバッハ嫌いになっちゃいます。同様に，クラシック初心者に「何かショパンの曲でいい曲を教えて」と言われて「ショパンといえばこの曲しかない」と『幻想ポロネーズ』をいきなり聴かせたら，「何だかわからない。こんな難しいのがショパンなの？だったら聞かなくてもいいや」と後ずさりしてしまうと思うのです。

　ほとんどのメタボ中年は，とりあえず夕食の主食を抜き，ビールと日本酒を焼酎に変えるだけでお腹は凹んできます。血圧も下がり，中性脂肪も下がってきます。つまり，「とりあえずメタボ症候群と中年太りからおさらばしたい」という人は江部先生のプチ制限でなんとかなります。それでもまだ効果が不十分だったら，朝飯から主食を抜くとかすればいいし，それでもまだというなら，それこそ「糖質ゼロ」にトライすればいい。
　でも，最初から「糖質ゼロ以外は認めない」と言われたら，大多数の人は実行できません。現実問題として，糖質を完全にゼロにしつつ，普通の社会生活を送るのは易しいことではないからです。理由は単純で，食べ物のそこかしこに糖質が隠れているからです。
　これは多分，厳格な菜食主義者が日本で「植物以外は絶対にダメ」を実行するのが非常に難しいのと同じでしょう。日本の食事では気が付かないところに動物や魚の成分が隠し味的に使われていますから。

　何事にも「究極のもの，究極の存在」があります。究極を追い求めることでしか手に入れられないものはありますが，同時に，究極のものを手にすることで失うものもあります。例えば，ジャイナ教の不殺傷の教えを突き詰めたら「植物も微生物も細菌も殺してはいけない」となり，人間は直ちに死ななければ不殺傷を実践できません。
　「不殺傷だから細菌すら殺してはいけないはずだ」とストイックに考えれば自分が死ぬしか選択肢がなくなりますが，その選択肢が「幸せ」に通じるかは別問題です。

　多分，食事も同じです。「人間としての幸せと健康の合計値が最大となるところ」は，糖質ゼロとプチ糖質制限の間の何処かにあり，それは人によって違います。「幸せと健康の最大値」が糖質ゼロにしてようやく達成できる人もいれば，お手軽プチ糖質制限が最適という人もいるでしょう。それぞれの人が自分の最適値を探せばいいだけです。

　2013年2月～6月までの「更新履歴」の左側のカラムに「今月の話題」をまとめました。内容別にまとめて配列していますので，過去にどういうことが話題になり，どんな投稿があったかはこれで辿れるはずです。

2013/07/12　・・・ [06:00]／ [08:30]／ [11:30]／

【11:30】

　3連休直前ということで電話での問い合わせが多いです。一番困るのが「熱傷で近くのクリニックで湿潤治療をしてもらっているが，昨夜から発熱している。そのクリニックに連絡したら今日から4連休との事だった。どうしたらいいでしょうか？」という問い合わせです。都外の方で受診されるのも大変そうですが，とりあえず受診してもらうことにしましたが，明日から当科も3連休になりますので，受診してもらってそれで一件落着，ということにもなりません。

　外来診療をしていると，一番困るのが今週末のような3連休です。年末年始の連休やゴールデンウィークも外来診療にとっては鬼門です。何か起こるのはたいてい連休中です。
　私が子供の頃は「休みは日曜日のみ。土曜日の午前中は仕事／学校」でしたが，外来で熱傷・外傷患者さんを治療するにはこのような「週5.5日」のほうがトラブルが少ないかも，なんて考えたりします。
　「あの子は熱が上がっていないだろうか？　あの患者さんは痛みが取れただろうか？」と心配して3連休を過ごすくらいだったら，2日くらい病院に出たほうが気分が楽です。

　ちなみに，日本で国家公務員が完全週休2日になったのは1992年5月1日から，国公立学校が週休2日になったのは2002年度からだそうです（第2土曜日のみ休みになったのは1992年，第2，第4土曜日が休みになったのは1995年から）。

【08:30】

　暑い時期になると，熱傷後肥厚性瘢痕でステロイドテープなどで治療をしている子供の親御さんから，「子供が痒がって剥がしてしまいます。ずっと張っておくいい方法はないでしょうか？」という質問をよくいただきます。
　私の答えはいつも同じです。

　「子供が嫌がるのは不愉快だからです。嫌がるなら張らなくていいです。張っても不愉快でない季節になればまた貼付を再開すればいいだけです。あなたがもし，不愉快に案じているものを強制されたらもっと不愉快になるでしょう？　それと同じです。
　肥厚性瘢痕なんて見栄えだけの問題です。それで死ぬわけじゃないです。放置していけない病気と放置して良い病気に分ければ，後者に入るのが肥厚性瘢痕です。
　何が何でも治さないといけないと目を吊り上げるとトンデモナイ方向に行っちゃって，子供も親も不幸になります。時には肩の力を抜くことも必要です」

【06:00】

　以前から親交のある小林只先生から，先生の新著書『ポケットエコー自由自在』をいただきました。ありがとうございます。

　【南極氷底湖に未知の生物？疑問の声も】
　「厚さ4000メートルの氷の中から多細胞生物のDNA，RNAの断片を発見した」という報告ですが，私も「これって本当かなぁ？」と思いました。地球上で多細胞生物とは真核生物であり，真核生物とはミトコンドリアを持つ生物であり，ミトコンドリアがエネルギーを生み出すためには酸素が絶対的に必要だからです。つまり，多細胞生物で酸素呼吸をしない生物は地球上には存在しません。
　一方，地表から4000メートル下の氷床には酸素は存在しません。だから多細胞生物（＝真核生物）は生存できません。
　記事の中では「1500万年前，南極がまだ温暖だった時期に生息していた多細胞生物が氷の中に取り残され，その環境で適応した」という仮説が書かれていますが，これもありえません。真核生物は原核生物と違って必ず「個体の死」があり（それを司っているのがミトコンドリア），どこかの時点で子孫に遺伝子を伝える必要があるからです。この時に外部から「新たな個体を作るための材料（＝蛋白質や核酸，細胞膜などの構成要素）」を取り込む必要がありますが，4000メートルの厚さの氷床にはそういう物質はありません。そして，新たな個体を作るのに必要なエネルギーも酸素がないので作れません。
　それやこれやで，この発見はガセネタではないかと考えます。今回見つかった遺伝子の破片は，外部からの混入じゃないでしょうか。

2013/07/11　・・・ [06:00]／ [10:30]／

【10:30】

　昨年11月に衣服への引火で体幹～腋窩～上腕にかけて2度～3度熱傷を受傷された患者さんがいて，8ヶ月かけてゆっくりと上皮化させましたが，腋窩部～上腕（ここが一番深かった）の瘢痕拘縮もなく，運動障害も起こさずに治癒しました。やはり，3度熱傷は「動かしながら，ゆっくり時間をかけて」上皮化させるのがベストなようです。

　さて，この患者さんはかなりの肥満体型だったのですが，私のサイトを見て面白半分に糖質制限を春から始め，4ヶ月で 140kg⇒98kg と40キロの減量に成功！　ズボンのベルト穴は20センチ移動したそうです。「酒を飲んでもいいし，肉を食ってもいいのですごく楽だった。何より，体調がすごく良くなったのが嬉しい」とおっしゃられていました。

【06:00】

　「パニック映画の続編に傑作なし」という経験則そのままの駄作映画，《BATS2 蝙蝠地獄》を紹介。内容を盛り込みすぎたため，肝心の「人喰いコウモリ」の印象が希薄になっちゃいました。

　「雑誌 Number Do に糖質制限が」というメールです。

　今さらですが、ナンバーDoという雑誌の最新号（それでも数ヶ月前発行）に，糖質制限を含むダイエット特集が載っています。
　純粋スポーツ系の雑誌で、糖質制限は他のダイエット法を差し置いてトップに載っています。江部先生も登場しています。他の記事をみても、程度の差はあっても多くの人（有名無名問わず）が糖質を制限していることが分かります。
　文春は糖質制限に好意的なのかなあと思います。

　「ADRA2A遺伝子」のレスに対してのお礼メールです。

　早速取り上げていただき、情報までお寄せいただきありがとうございます。
　外部から摂取した糖質による高血糖と、自身の生存本能全開時の身を守るための高血糖とでは血管に与えるダメージは異なると思いたいですね。危機回避のために、タコやトカゲが自分の足や尻尾を犠牲にするようなものでしょうか。(飛躍しすぎですね)
　そういえば以前に釜池先生がご自身のブログで、食餌由来の高血糖は問題であるが、肝由来の高血糖は問題ないと述べておられたような。

　「ポカリスエット」関連のメールです。

　ポカリスエットの話が出ていたのを見て、NHKニュース７で、NHKの女性が熱中症の予防に飲むことを進めていた『経口補水液』のレシピを思い出しました。

500ml の水に、２０gの砂糖と、１．５ｇの塩を入れて、レモンで味を整えたものを冷やして熱中症予防に飲め

　と、紹介していました。（７月６日のニュース７だったと思います。）　『経口補水液』のレシピだそうです。
　私はマグカップのコーヒー２５０ccに、角砂糖２個＝４ｇぐらいの砂糖を入れて飲む甘党の人間ですが、５００ccに砂糖２０ｇ＝角砂糖１０個も入った水は甘ったるくて飲めないと思いました。

　調べてみると、食中毒などで下痢になり、脱水症状になって、大腸で水が吸収出来ない状態の時でも、『経口補水液』なら、小腸で、ブドウ糖と共に水分と塩分が吸収されると書かれていました。

『脱水症状や下痢の場合大腸で水分吸収などが出来ておらず、さらにイオンの流出も起こることが多い。ところが小腸でナトリウムイオンとブドウ糖が吸収される際、これに伴って水も吸収される仕組み（共輸送系）が発見され、糖と食塩を同時に与えれば、通常使われる大腸ではなく小腸から水分と栄養分を補給できることが分かり、経口補水液として発明された。』

　NHKは私の３倍ぐらい甘党の人が揃っているようですね。

2013/07/10　・・・ [06:00]／ [09:30]／ [11:30]／ [12:00]／

【12:00】

　「松島トモ子さんは40年間糖質オフ」というメールです。

　先日、ＴＶで松島トモ子さんの健康法が紹介されていました。
　40年間、1日2食の炭水化物抜きを続けていらっしゃるとの事。40kgの体重をキープ出来るのも、納得ですね。
　そこでまた、？？？のコメント。

「炭水化物を抜くと、筋肉を減らす可能性がある為、果物から糖質を取るように」

　と、労働衛生コンサルタントさん。
　もう、40年続けてらっしゃるので、これが本当なら筋肉がなくなっちゃいますよね！（笑）
　逆に糖質だけたべれば、筋肉が増えるのかしら？（笑）

　「帯状疱疹の痛みがプラスモイスト^(R)貼付でなくなった」という報告です。

　先日、いつもお世話になっているおじさんが帯状疱疹にかかられました。痛みで夜も眠れない為、痛み止めを飲んでみたが効かない。ぜんそくもあり、強い薬は飲めないので、入院して点滴を受けるとの事でした。
　私は、湿疹の痛みだけでも楽になるならばと思い、すぐプライモイストを取り寄せ、先生のHPから治療例をコピーして、おじさんに渡しました。
　翌日、プライモイストを貼ったら、すぐに痛みが軽くなり、ずいぶん楽になったので、どこに売ってあるか教えて欲しいといわれました。結局、入院せずにすんだとの事です。

【11:30】

　「ADRA2A遺伝子」についてのメールです。

　ADRA2Aの話について簡単に調べました。
　ADRA2Aはアドレナリン受容体の一つで、Gタンパク質型の遺伝子です。Gタンパク質なのでおそらく、3つのサブタイプ（2a,2b,2c）が複合体を形成していて、アドレナリンを受け取るとA型が切り離されて（または逆にアドレナリンを受け取ることで複合体を形成し）何かしらの働きを示す。ということなのでしょう。
　マウスの膵臓を用いた実験では、ADRA2A過剰発現時に糖質不耐性になり、一方ADRA2Aノックアウト（ADRA2A遺伝子を持たない）の膵臓はインシュリンの分泌がより多くなるという結果を示すそうです。
　ヒトではSNP（塩基の変異ですね。投稿者さんのGG,GC,CCの話だと思います）によって2型糖尿病のリスクが増え、血糖が増加しやすくなることが確認されています。

　ADRA2A遺伝子は中枢神経系でも広範な働きを示すようで（アドレナリンのシグナル伝達系の一端を担うのだから当然といえばそうですね），この遺伝子を標的にするお薬はなかなか厳しそうなイメージがします。（門外漢のイメージです。）

　ところで、余り糖尿病やヒトの生理学に詳しくないのでお門違いな話になるかもしれませんがふと思ったことを2つ。
　糖尿病の診断には血糖値が用いられているようですが、真に問題とするべきは膵臓のβ細胞の機能不全であり、アドレナリンに高感度な人の場合は別の指針で見なければ正しく病態を観察できないのでは？と思います。（病院の診断を受けるときに全く緊張しない人はいないでしょうから）
　集中したときに血糖が上がる件についての気休め的な意見ですが、アドレナリンが血糖をあげるのは肝臓のグリコーゲンの分解促進と同時にインスリンの分泌を阻害するからであり、アドレナリンでの血糖上昇後の下降が食後高血糖と同じ挙動を示すとは思えないです。（アドレナリンは生命の危機に瀕したときに闘争か逃避を起こさせる働きを持つ神経伝達物質であり、その危機が去った後で食後高血糖のようなダウン状態になるのでしょうか？おそらくゆっくりと平常状態に移行させる機能を持っていると思います。）
　ゆえに、食後高血糖のような血糖値のジェットコースターは起こらないからそこはあまり気にしなくてよさそうに思います（調べてみると面白そうな…）。

　医者でなければ医学生でもないので話半分に。

【09:30】

　「入院患者さんにポカリスエット」というメールです。

　看護師です。毎週○曜日に、患者さんにポカリスウェットを出しています。一人２００ｍｌから１００ｍｌですが、療養は、おやつもでるんです。そしてポカリ、何故でしょう？　ほかの看護師に聞いたら、「本当は毎日、ポカリ出してほしいけど、栄養士が、週１回しか出してくれない。」らしいです。
　私が言いたかったのは、「ポカリが患者に必要？」といううことです。注入食の人にも入れます。注入食の人には、２００mlです。砂糖にしたら１２gかな？注入食はもともと糖質多いですよ。それにポカリです。糖尿病の人にでもですよ。
　ポカリは、高齢者に必要なんですか？　糖分入れるだけですよね、そうしておいてインシュリン打ってます。
　なんだか納得いかないな。
　ポカリスエットについては以前，こんなことも話題にしています。

【ポカリスエットの糖分】

【スポーツドリンクは塩分補給にならない】

【06:00】

　伊豆下田診療所の細井先生が考案された「コヨリ状ナイロン糸ドレナージ法」を紹介。ちょっとした工夫ですが，格段に創内に入れ易くなります。

　「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に，石川県加賀市の中森かいてき山代薬局を追加しました。

　以前，「就寝時の最低気温と起床時血糖値」についてメールをお寄せいただいた方からの追加メールです。
　以前、就寝時の最低気温と起床時血糖値の関連を取り上げていただいた者です。私の場合、以下の2点が気になっております。
夏場の起床時血糖値が冬場と比較して10から15高くなる傾向がある。

仕事中(集中している時限定です。アドレナリン出まくりでしょう、多分。)の血糖値が170から180程度になっている事がある。(食前空腹時です。)
　そこで、思うところがあり遺伝子検査を行ったところ、その内の項目でADRA2A遺伝子に関連するのではと。検査機関の説明文によると、

「この遺伝子はアドレナリンを受け取り、血糖値を上昇させる機能があります。この遺伝子がGC(日本人の39％)、GG型(同53％)の方は血糖値が上がりにくくなるため甘い食べ物の消費が多くなる傾向があると報告されています。」

　とのことでした。
　私はCC 型(同8％)に該当するため、アドレナリンの影響により空腹時でも血糖値が上昇しやすいタイプのようです。糖質制限で食後血糖値はコントロールしても、心穏やかにリタイヤ生活を始めるまでは命を削って仕事をするのかとブルーな気分です。
　この遺伝子をターゲットにした新薬が出来ると良いのですが。(インスリンを搾り出す薬よりましかな。)　ネットでADRA2A遺伝子と血糖値の関係を検索しましたが、ほとんどヒットしませんでした。(英文は理解不能のため日本語限定ですが)
　どなたか情報をお持ちでしょうか。

　こんなメールもいただきました。

　反糖質制限のグループが、「日本糖質制限医療推進協会」設立に会わせたように宣戦布告をはじめたように感じます。
　　　⇒【食の欧米化で大腸がん激増】
　2ページ目に登場する

松生医師も食物繊維の摂取を勧めるが、コメやパンなどの炭水化物を取らずに体重を減らす糖質制限ダイエットについては「食物繊維を多く含む穀類の摂取が減るのでやめた方がいい」と警告する。

　という部分でしょうか。思いっ切り頭が悪いコメントです。というのは，この先生の警告が成り立つのは

穀物以外の食物には食物繊維は含まれていない

穀物には多くの食物繊維が含まれている

　この2条件が同時に成立する場合のみです。でも，食物繊維なんて色んな食物に含まれていて，「穀物より豊富な食物繊維」なら海藻全般とかオカラとかいくらでもあるんですよ。それこそ，青汁を飲んだって食物繊維はタップリ摂れます。

　「オラウータンと肥満」についてのメールです。

　「うどん県の悲哀」を拝読致しましたが、一昨日には、オラウータンが肥満になったという記事もネットで紹介されていました。
　多分、このオラウータンの肥満も、観光客によって炭水化物を多く含んだファーストフードを与えら続けた結果でしょうね・・・。霊長類は、糖質を取り過ぎると肥満になるという、証じゃないでしょうか？
　それで過酷なダイエットとは、哀感が漂います。
　野生のオラウータンが太ったら，まっさきに「オラウータンも木から落ち」ます。たとえ「木から落ち」なくても，野生のオラウータンはオスの体重が50～90kgと大型霊長類ですから，それ以上に太ったら主食である果樹（イチジクやパンノキ，ドリアンなど）の採取に不利になります（果樹の多くは梢の先になるから）。太ったオラウータンが野生で生き延びる確率は恐ろしく低いはずです。
　一方，野生のオラウータンは果実が採取できない季節に適応して，体内に脂肪を溜め込む方向に進化した霊長類ですが，それでも「木から落ちない」程度の肥満のはずです。
　ちなみに，野生のオラウータンの主食はイチジクなどの果実ですが（季節により花や樹皮，昆虫などが加わる），一般に栽培種の果実は野生種に比べ，炭水化物と果糖の含有量が増えていることから考えると，オラウータンは「（栄養価があまり高くないものを）大量に食べて，長大な腸管に生息する腸内細菌が作り出す栄養を吸収」するタイプの生物と思われます。オラウータンは活発に活動するサルではなく，むしろあまり動かない動物です。これも「食物から摂取できるエネルギーが低い」からかもしれません。

2013/07/09　・・・ [06:00]／ [15:30]／

【15:30】

　病院中の褥瘡患者さんを毎週回診していますが，褥瘡を見ていると患者さんの死期が分かるんですね。
　同じ治療（＝OpWT）をしていてそれまで変化がなかったのに，何故か突然肉芽の色が悪くなったり，皮膚が壊死することがあります。主治医の内科の先生に尋ねても全身状態も血液検査所見も変化はない，とのことです。しかし，そういう患者さんは数週間以内に突然，全身状態が一気に悪化するんですね。
　もちろん，褥瘡の悪化なしに全身状態が悪化して・・・という患者さんもいますが，褥瘡が突然悪化したのに全身状態に変化はなかった，という患者さんは少数という印象です。

　褥瘡といえば，先ほど診察した両側坐骨部褥瘡の脊損患者さん（千葉県在住）は形成外科の主治医からカデックス軟膏を処方されていたようですが，家族の方が「この軟膏をつけると肉芽の色が悪くなり，つけるのを止めると肉芽が盛り上がってくるんですよ」と話しておられました。本サイトは隅から隅まで読んでいらっしゃるそうですが，極めて正確に創の状態を観察していることがわかります。少なくとも，バカの一つ覚えでカデックス軟膏を処方して傷の変化も見ない医者よりは，よほど科学的な目を持っています。
　というわけで，「勉強しない専門医は，勉強している素人にバカにされる」時代になったようです。

【06:00】

　「うどん県の悲哀」というタイトルの糖質制限関連のメールをいただきました。

　多くは申しませんが、貴サイトの読者の方なら結論は一つだと思います。
　　　　⇒【県内小４の１７％肝機能異常／生活習慣に課題 | 香川のニュース | 四国新聞社】
　この調査結果を受けて，香川県糖尿病対策検討会は「運動をしろ，野菜を食え，脂肪摂取を減らせ，炭水化物の摂取はカロリーの6割」という提言を出すんだろうなぁ・・・という様子が目に浮かびます。

　「感染症に共通するもの」というメールをいただきました。

　私も、プチ糖質制限してからは眠気が少なくなり快調です。体温も３５度台から３６度台になりました。

　傷と感染の話は、内科でもまったく同じ（応用できます）です。
　よく、副鼻腔炎は、感冒後のdouble attackによる悪化と言われますが、細菌性の肺炎も、中耳炎も扁桃膿瘍も、膀胱炎による膀胱粘膜浮腫からの尿管死腔で腎盂腎炎も、同じです。死腔ができるから、infectionになるのです。
　臨床診断＝解剖×病理変化（時間経過）です。傷と同じで、内科でもなんでも「炎症」を具体的にイメージできることが、最も基本のスキルだと実感しています。
　上気道に炎症がないのに、風邪と診断するから誤診するのです。

　【6年連続で緑藻の大量発生、海上が「草原」に―山東省青島市】
　一種類の生物が大量発生するのはその生物にとって最適な環境になったからです。あくまでも「環境」が先です。「生物が異常になったから大量発生している」のではなく，「環境が異常になったから，その環境に適した生物が大量発生した」と考えるべきです。
　写真にあるように大量の緑藻が繁茂しているということは，その海域（＝環境）に大量の緑藻を支える栄養分があることを意味しています。それに手を付けない限り，緑藻を除去しても意味がありません。

　ちなみに「黄海海域の緑藻は400平方キロメートル」とあります。つまり，20km四方です。東京駅から20キロといえば，西なら三鷹駅，東なら船橋駅，南なら川崎駅，北なら蕨駅が大体20キロです。どれほど広大な面積かがわかります。

2013/07/08　・・・ [06:00]／ [07:00]／ [10:30]／

【10:30】

　「糖質ゼロ」についてのメールです。

　今朝の糖質ゼロの中で透析をしている糖尿病の方の件がありましたが，当院ではインスリンを打っていた患者さんに糖質ゼロをめざしての指導により，インスリン自己注射から開放された方が何人もいますので、そのメールの方にお知らせいただければ何かお役に立てればと思いこれを送らせていただきます。

　また話は変わりますが、以前先生からご紹介いただいた、仙骨部の褥瘡患者さんは娘さんに湿潤療法での治療をしていただいていますが、途中で大腿骨骨折などでの大病院への入院などもあり，入院中のＷＯＣナースの消毒薬使用などの悪化で帰ってきて（娘さんは随分とそういう処置に抵抗はしたそうです），かなり入院前より広がっていました。
　娘さんは湿潤療法が良いのは実感されています。

【07:00】

　先週末の京都への新幹線の車中で読もうと思って，大して期待せずに買ったのがこの本。これが結構面白かったです。金属についての様々な話題，森羅万象について手際よく解説していて，何より，私が知らない知識が満載で嬉しかったです。
　ちなみに私はKindle版を購入しました。

【06:00】

　手掌熱傷（1歳3ヶ月）を追加しました。大阪在住の患者さんで，湿潤治療を求めて東京まで来られ，それ以後は大阪市内のこおりたひろ整形形成外科クリニックで治療しました。

　今日は静岡県の細井先生，兵庫県の門井先生が外来見学に来られる予定です。

　「糖質ゼロ」というメールです。長文なので，一部割愛しています。

　『糖質制限食』の他に『糖質ゼロ(toshitsu-zero)』という選択肢を加えて頂けませんでしょうか。
　一年ほど前に江部先生の糖質制限食を知り、花粉症の軽減にもなると知って軽い気持ちで、主食抜きを始めました。まず、思わぬところで糖質制限食の効果が表れました。母乳育児の私はしばしばお乳が張ることに苦しんでおりましたがそれがなくなりました。また、朝も苦手でしたが、スッキリと起きられるようになってきました。

　たまたまインターネットで釜池豊秋氏の食事日記なるブログを見つけ『糖質ゼロ』と言う理論を知りました。釜池豊秋氏は江部先生が師匠にあたる方とご著書に記されております。そして、その釜池豊秋氏は『糖質ゼロとは糖質制限食とは似て非なるもの』と主張されてました。どういうことかと私は過去の日記から順を追って読み始めました。
　そして、釜池氏へ尋ねました。私の叔父が糖尿病により現在人工透析をしているが、それでも糖質ゼロをしても大丈夫なのかと。返信にはすぐにでも『糖質ゼロにすべき。もし心配ならばたんぱく質制限を』と回答がありました。私は釜池氏の二冊の著書を取り寄せ読み始めました。目から鱗でした。
　釜池氏は糖質はヒトが摂取すべきものではない、故に、『制限する』では無い、ゼロ(数学的ゼロではありません)であるべきだ、と主張されており、私は二冊の本を読み納得出来ました。というのも、朝がスッキリと起きられるようになったかと思ったものの長くは続かなかったからです。釜池氏の著書にあるように、効果が限定的だったからです。
　糖質制限食で糖尿病克服に満足のゆく結果を得られているならばそれはそれで良いと思います。しかしながら、腎機能低下により糖質制限食は行えないと知り失望された方や、その他の効果が限定的だった方に、toshitsu-zeroと言う選択肢があることを知って頂きたいのです。

　toshitu-zeroへこだわる理由は、実は他にもあります。もうすぐ三歳になる息子の事です。（中略）息子はお米や芋類、煎餅等、糖質のものばかりを好みます。スナック菓子やジュース類は今のところは全く食べさせておりません。今は私が食べ物の管理を出来ますが、これから幼稚園、小学校と進めば主食を始め砂糖を使ったおかず等々糖質だらけの食事、おやつ、水分補給と称した清涼飲料水の味を知る事になるでしょう。
　私は今の子供達の将来が心配です。乳幼児の頃から糖質を頻繁に摂取させられるこの子達の身体はいったいどうなってしまうのでしょうか。

　現在釜池氏のブログは更新されておらず、登録制のメール配信となりました。それを通じてtoshitsu-zeroによる他の症状改善を知りました。それはアトピー性皮膚炎です。その方は子供の頃から蕁麻疹とアトピー性皮膚炎の酷い症状に悩まされ続けてきた方です。名だたる病院で治療をされてきたそうですが改善されず、30代で自身でまずは食事改善として玄米食等に代え少し症状が改善されたそうです。そして40代になりtoshitus-zeroを知り実践したところアトピーの症状は改善されたそうです。
　素人考えですが、乳幼児のアトピー性皮膚炎は、母親の摂取した糖質が乳糖という形で子供に摂取されアトピーという症状が出るのでは、母親がtoshitsu-zeroであるならば、アトピーが出ないのではと思いました。
　子供のアトピーがtoshitsu-zeroで改善されるならば、その子が幼稚園、小学校と上がる際、給食のアレルギー除去食としてtoshitsu-zeroと言う選択肢を世間も考えなくてはいけないようになります。そのためには産婦人科医、小児科医、そして、皮膚科医の先生方のご協力が不可欠なのです。

　どうか、まずは釜池豊秋氏の唱えるtoshitsu-zeroの理論を二冊の本を読んで頂けませんでしょうか。そして、可能であるならば糖質制限食と並んでもう一つの選択しとしてtoshitsu-zeroを夏井先生のホームページでもご紹介頂けませんでしょうか。

　【甘い「ハイカーブフード」は脳で中毒反応を引き起こす　ハイカーブフードって？】
　「糖質は嗜好品。だから中毒になる」というのは糖質セイゲニストでは常識ですよね。何をいまさら，という研究結果です。

　【水虫をあなどるな！　命を落とす危険性を医師が指摘】
　これも変な記事。
　水虫で命の危険があるのは「糖尿病やがんなどで免疫力が落ちている人」ですから，常識的には「糖尿病やがんにならなければ危険はないので，糖尿病やがんにならないようにしましょう」となるはずです。「水虫があって，皮膚にビランができ，糖尿病があるとそこから細菌感染が起こり，ついには命が・・・」と説明していますが，「命の危険」をもたらすそもそもの原因は水虫でなく糖尿病です。
　なんでこんなへんてこな記事になるのか，理解できません。

　【トイレのハンドドライヤーで手を乾かすと実は手が細菌だらけに―中国メディア】
　ツッコミどころ満載の記事です。この研究に対し，
- ハンドドライヤーで手を乾かして感染症が起きた例があるのか？
- 検出された細菌のうち，実際に病原性を持っている細菌はどのくらいいたのか？
- 手の細菌数と感染症発症率の間に相関関係はあるのか？
　というあたりは，素人でも考えつくツッコミだと思います。ちなみに「院内感染予防に手洗い励行」に対しても同様のツッコミが可能ですけどね。

　【再稼働は博打でしか議論できんで】
　ヨハネス山城さん，絶好調！

2013/07/06　・・・ [06:00]／

【07:00】

　「糖質制限レストラン」についての情報です。

　北里病院の山田先生お勧めのレストラン，銀座6丁目の交詢社ビル５Ｆの「ラ　トール」へ行って来ました。
　とても美味しいフルコースとワインで2時間以上もあっと言う間で、お店のサービスも素晴らしかったです。そして総糖質量は４０ｇと言う事で、パンも大豆のもっちり感で、トテモ美味しかったです。
　先月行ったボタニカのデイナーも大きな塊りのようなフォアグラに感動しましたが今回のラ　トールでは、トリュフでした。ナント贅沢な、三大珍味残るはキャビア～！！　世界では10億人が飢餓に苦しんでいるというのに、ちょっぴり心が痛みつつ～（＾＾；

　私は糖質制限食1年3ヶ月過ぎ、ＢＭＩは１９％、５１ｋｇで、ややＬＤＬが高めですが、腎臓の問題も今の処はＯｋです。
　女性はどうしてか～？食に頑固で、奨めても全員没です。男性の方が柔軟性があるのかしら～？　3回以上言うと嫌われるので難しいです。そしてクリニックにせっせと通い益々国保に負担を掛け続けています。

　そう言えば、山田先生のお話で、北里病院内のレストランに糖質制限食メニュー始めたら大好評で、それだけ直ぐ売り切れると言う事でした。

　糖質制限についてのメールです。

　いつもの情報源で失礼します。
　【Taylor & Francis Online :: SUGAR-FAT SEESAW: A SYSTEMATIC REVIEW OF THE EVIDENCE - Critical Reviews in Food Science and Nutrition -】

　タンパク質を増やせばいいのにと思っています(腎障害なければ)

2013/07/05　・・・ [06:00]／ [08:30]／ [10:00]／ [11:00]／

【11:00】

　「赤身肉を食べ過ぎると2型糖尿病の発症リスクが上昇する」に対するメールです。

　まだ原文はサマリーしか見ていませんが（本体購入１９ドルとかみると躊躇してしまう、このケチさ），この論文はあくまで赤身肉でのことを論じているのであり、「糖質制限」を批判しているわけではないようです
　赤身肉に関してはドクターカルビンチョ先生がコメントを出しているので、それを見ると面白いかと思います

　きちんと調べたわけではありませんが、もしかすると魚肉でもマグロの赤身をたくさん食べると糖尿病のリスクが増すかもしれませんね（あくまで想像です）
　一番の問題はリンク先の日本語解説のうさんくささです。ここでは「脂肪悪玉説」を前提に話を進めています。おまけに「焦げ目」はよくないとどんどん論説が飛躍しています
　このような解説を読むと原文の趣旨が損なわれていること多いような気がしてなりませんね

【10:00】

　勢いで，今年4月と5月の更新履歴も左側カラムに「今月の話題」を作りました。

【08:30】

　「WOCナース問題」に関連するメールです。

　昨日のメール内容について、どうかな・・・と感じたことについて送ります。

「・・・それから、今の看護学科の学生が使っている教科書には、湿潤療法はもう常識のように書かれていますね。そういう勉強をして医療現場に出た時、医師が消毒バリバリの人だったら、本当に混乱するでしょうね….長女には、医療の現状も話し、もちろん夏井先生の著書も読ませています。」

　うちの子供の看護大学でも、当院の新人研修時にも、導尿を行う際、イソジン消毒３個使って行うことなど、当たり前に指導を受けています。
　「導尿時は陰洗してから行う」で良いと思いますが、現実、看護教育や現場の中で湿潤療法はもう常識・・・というのは、まだまだ違うように思います。

【06:00】

　三鷹市医師会の雑誌「三鷹醫人往来」 平成25年7月1日号に『新しい創傷治療』が掲載されました。

　「ティファール，電気ケトルの蓋を改善」についてのメールです。

　グループセブジャパン社の商品開発部の人も、きっとこのサイトを見ていたのでしょう。ティファールケトルを少しでも改良する気があってよかった、よかった。
　このサイトや、中日新聞の報道、これではいけないと思ってそれぞれに動いたサイレントマジョリティーのちからでしょう、きっと。

　間違ったかなと思ったら、修正することって、大事ですよね。論語の「君子は豹変する」は、悪口じゃなくて「君子は過ちだと知れば、すぐに改め、前に移る」ということで、間違ったと気づいたときどうするか？に対する孔子さんのありがたい教え。
　公にしろワタクシにしろ、この心がけは、とっても大事だと思います。
　商品開発は一朝一夕にできないから、グ社さんも、地下で尽力してくれていたのかな？　改良する気があるのが分かって、よかったよかった、です。

　メーカー名は挙がってなかったものの、ケトルの転倒湯こぼれは国民生活センターも問題視していたので、メーカーが対応するのは当然ですが、ティファールの「パラダイム・シフト」は評価して良いと思います。
　ただ、リコールではないので、既に使っている人は今後も注意が必要です。
　なお、パラダイム・シフトするための「過ちに気付いたら反省して正す」というのは、先々月話題になった「サンクコスト」の意味を正しく理解すれば自然にできますね！
　今回はあくまで「安全に配慮した新製品が出た」というだけで，世の中には「危険な旧タイプのティファール電気ケトル」が溢れています。だから，「ティファール電気ケトルは危険な商品だ」という警告を今後も出し続けていく必要があります。

　「エアウォールUV」，糖質制限についてのメールです。

　エアウォールUV NO.50については、先生がご紹介された当日に注文しました。
　1週間ほどで到着し、翌日より毎日娘たちの処置に使用しております。一言でいうなら「最高」です。ちょうど“あせも”や“とびひ”が治まってきたときでしたので、ジャストタイミングでした。
　肝心の使用感ですが、今までのフィルム剤(一般人が買える範疇ですのでたかが知れていますが)より一段薄く、そしてしっかりと張り付きます。
　娘の手首の関節部分とひざ裏に使用していますが、風呂上りに貼ったフィルムを翌日の風呂入れ時に剥がすために見つけるのが困難なほどです。貼っていると知っていて目を凝らせば、所詮はフィルムなので若干のテカリでわかりますが、意識しないとわかりません。
　欲を言えば、もっと幅が広いものがあると固定用としていいかなと。他の被覆材の固定用に使用したことはありませんのでここは未知数ですが。

　スーパー糖質制限して1年たちますが、178cm110kgをずっとキープしています。最初の3ヶ月で10kg減った後は全く変化なしです。血液検査の数値や、体の感覚は絶好調なのですが、まさかこの体重が私のベスト体重とは思えません。代謝異常とかを疑うべきなのでしょうか。

共和　エアウォールUV　NO．25
価格：870円（税込、送料別）

共和　エアウォールUV　NO．50
価格：1,580円（税込、送料別）

　【ヒトｉＰＳ細胞で肝臓作製　マウス移植、生存率大幅向上　横浜市大、世界初】
　【肝硬変で移植、２割が再び飲酒…誓約書書いても】
　昨日，たまたま「肝移植」というキーワードの2つのニュースがありました。後者のニュースは「アルコール性肝硬変で肝移植を受けた患者の2割以上が飲酒を再開し，その7割は肝機能以上があった」というものです。「肝移植を受けた患者の7割以上は飲酒していないのだから肝移植には意味がある」とも言えるし，「酒の飲み過ぎで肝臓がやられた患者にとって，肝移植は再び酒が飲めるようになる手術である」ということもできます。
　現在の肝移植に使う肝臓は「人様から頂いた肝臓」ですが，iPS細胞から人工的にミニ肝臓が作れるようになって肝移植が行われるようになったら，「肝移植後の飲酒率」はさらに上昇するような気がします。
　少なくとも，もしも私が［アルコール性肝硬変］⇒［iPS細胞由来の肝移植］を受ける羽目になったら，術後は「飲酒群」に入ってしまう気がします。手術で酒が飲めるようになったのに飲まないで我慢を続けられる自信はないからです（意志の弱さには絶対の自信あり！）。

　昨日，プロコフィエフの第7ソナタのフィナーレの練習開始について書きました。この曲は10代の終わりから20代の始めころまでよく弾いていた曲ですが，さすがに56歳ともなると指の動きは若い頃と比べるべくもないし，練習時間は碌に取れないし，毎日練習できるわけでもないしと，悪条件が重なっています。昔は3時間でも4時間でもぶっ続けにピアノを弾いていたものですが，今では30分弾くと疲労困憊です。
　そういう悪条件下でこの難曲を弾きこなそうとすると，一音一音，指使いを工夫して負担をなるべく減らすしかないし，丁寧に一小節ずつ進むしかありません。

　考えてみると，若い頃の私は初見演奏がすごく得意で，余程込み入った曲でなければ初見で弾けました。しかし，初見で何となくそこそこ弾けてしまうため，細部を磨きあげて完成度を高めたり，音色やペダリングを工夫するなどの努力は怠ってしまうタイプでした。要するに「リストを初見で弾くのは得意だけど，モーツァルトを丹念に練習するのは嫌い」というタイプですね。
　そして現在，若いころ初見で「何となくそれっぽく」弾いていた曲を，「丹念にちまちまと一音ずつ練習する」ようになったわけです。そういう練習をしてみると，なぜ若いころの私が「そこそこピアノが弾けて，そこらの音大生より上手かったけど，それ以上にはなれなかった」理由がわかりました。「初見でそこそこ弾けてしまうため，その曲をさらに練習するのに飽きて，別の新しい曲に挑戦」していたからです。そのため，「そこそこ弾ける曲」はたくさんあるけど，「きちんと弾ける曲」がなかったのです。
　プロコフィエフを練習していて，歳を取らないとわからないことがあることを学びました。歳を取るのも悪くないものです。

2013/07/04　・・・ [06:00]／ [11:30]／

【11:30】

　「6月の更新履歴」にも左カラムに「今月の話題」をまとめました。

　ついに「ティファール電気ケトル」が「倒れても蓋が開かないように改善」されたようです。

【06:00】

　チアリーダーという言葉が映画タイトルになっているホラー映画はクズ映画である，というホラー映画界の鉄板の法則がありますが，今回の 《チアリーダー・マサカー》はまさにその典型例。やたらと込み入ったストーリーなんですが，それを映像で説明できる才能のない映画監督なので，オッパイで誤魔化しました，という映画ですね。

　「WOCナース」関連のメールです。

　更新履歴で、WOCナースになるための費用が200万円と書かれていましたが、今長女が通っている私立大学の看護学科は年間200万円弱かかります。卒業までに800万円弱かかるのです!!
　教科書や参考書等の代金を含めると800万円越えるかも知れません。
　夏井先生に愚痴っても仕方ないですが、看護師になるにも結構お金かかるのをお知らせしたくてメールしました。(国公立の大学ならそんなことはないのでしょうが….)

　それから、今の看護学科の学生が使っている教科書には、湿潤療法はもう常識のように書かれていますね。そういう勉強をして医療現場に出た時、医師が消毒バリバリの人だったら、本当に混乱するでしょうね….
　長女には、医療の現状も話し、もちろん夏井先生の著書も読ませています。

　「パラダイム・シフト」についてのメールです。

　昨日は　朝から　いい勉強になりました。
　間違いに気が付いたら　反省して　正せばいいだけなんですね。ここ１ヶ月　気が晴れない原因が　わかりました。素直に　反省すると　なんて　気持いいのでしょう。

　先日，ピアニストの山口雅敏さんと宴会したんですが（彼との出会いについてはこちらを），その時，「派手で実はあまり難しくない曲」という話題になり，山口さんは「プロコフィエフの第7ソナタのフィナーレはピッタリじゃないですか？　夏井さん，昔弾いたことがあるんでしょう？　なら，多分弾けますよ」とアドバイスしてくれたため，35年ぶりくらいにプロコフィエフの楽譜を書い，練習してみました。
　たしかにムチャクチャ難しくはないですが，やはりきちんと弾くのは大変そうです。とりあえず，1ページ目から指使いを楽譜に書き込みながらのんびり練習してみようと思っています。
　ちなみにどんな曲かというとこんな感じ　⇒⇒【YouTube】

2013/07/03　・・・ [06:00]／ [07:00]／ <[12:00]／

【12:00】

　「下腿骨折後プレート露出例」についてのメールです。

　そういえばどうなったのかなと思っていましたプレート露出症例。
　消毒もせず、お風呂もそのまま、治療といえばOpWTだけ・・・先生はこれを「ずさんな治療」と謙遜されていますが、ずさんどころか湿潤治療がいかに傷のことや人体の再生力、感染のメカニズムを考えられているのかがよくわかりました。
　それに比べると、「とりあえず臭いものには蓋」ともいえる植皮・皮弁手術の治療こそ、本当の「ずさんな治療」だと思います。

【07:00】

　「昨夜のクローズアップ現代」についてのメールです。

　昨晩のクローズアップ現代では腰痛が紹介されました。
　「腰痛持ち、2800万人時代」「痛みの治療もどんどん今までの常識が変化してきている。」ということで紹介されたのが

アメリカ・腰痛との闘い・社会的損失を減らせということで、シアトルのワシントンリハビリテーションセンターで行われている、職場復帰のためのプログラム，腰痛をただしく認知するために、精神科医などの講義が行われている。
加えてリハビリでは仕事復帰したあとに行われる動作を繰り返す訓練を通じて恐怖を克服する。（あとは立位の仕事が困難な患者には、プログラミングなどのスキルを学んでもらうとか）
費用は１３０万円！プログラムの費用は3ヶ月で回収でき？、効果のない治療に比べると投資効果は大きい。

　ということでしたが、映像に写る参加者のほとんどが、肥満なんです（まさにピザデブ！）
　おまえら、まず糖質制限やってみろ、と思わず画面に向かって叫んでおりました。

【06:00】

　「下腿骨折後プレート露出例」の1年7ヶ月後の写真を追加しました。1年7ヶ月間，「水道水で洗って穴あきゴミ袋で覆うだけ。抗生剤投与なし。清潔操作なし。滅菌物の使用なし」でしたが，一度も骨髄炎も蜂窩織炎も起こすことなく経過し，あとは今年秋のプレート抜去を待っている状態です。
　これでも感染も骨髄炎も起きないって，ちょっとすごくない？

　「パラダイム・シフト」についてのメールです。

　神戸大学の岩田健太郎先生のHPです。過ちに気付いた際の正しい行動を知性という言葉を使い分かりやすく説明しています。

　私は介護福祉士として働いていますが、間違えを指摘されると逆ギレする看護師を多く見ます。
　過換気症候群にペーパーバック。ショックに下肢挙上。

　医学の進歩は早いのに，何十年も前に習った事だけが正しいとなぜ思い込めるのか？　不思議でしたが、ようやく理解出来ました。

　「WOCナース問題」についてのメールです。

　私も自分の病院で褥創委員をしながら、日々不満とともにいて、先生のHPで同様な思いの方の意見を目にすると、嬉しいです。
　以前、WOCナースを目指しましたが、その費用、かかる時間とともに負担で、無理で断念しました。学会の言いなりの意見を持ったふりをしてWOCナースになり、「でも真実は違うのよ」と現場で、肩書き（？）をかざして　ケア内容に口を出していくという考え、結構真剣でした・・・

　今まで見てきた、東京や近辺のいくつかの病院では、彼女たちの立場は様々でした。
　WOCとしてがメインで、病院内や関連施設を回る場合、普段は病棟でフリー業務をし、各部署のラウンドや、呼ばれたらそちら優先の場合、　WOCナースとして、複数の病院でパートをする場合、等・・・、小さい病院では、近隣病院のWOCナースが定期指導に来ていました。
　でも、WOCナースでも、柔軟な見解の方もいます。鳥谷部先生とラッパー（＝「褥瘡のラップ療法」信奉者）仲間のお食事会にお邪魔させていただき「WOCなのにラッパー」の方々にお会いして、違う流れを感じました。

　私は、「改めて病院のガイドラインを作る」ということで委員になり、夏井先生が使用フリーにしてくださってるパワポなども使用してみましたが、結局学会のガイドラインを元にすることになりました。しかも、「条件付きでラップ療法OK」となった事を主張すると、新参者の私の知らぬ間に、　「学会の推奨度2以上」、という条件も加えられています！
　しがない組織の一員としては「業務命令」をある程度　守りつつ、うま～く正しい湿潤療法を、少しづつでも盛り込んでいけないか、思案中です。科学的な思考が苦手でも、患者さんのため、という褥創以外のケアでは、私なんかよりも、素晴らしい働きをされてる方のほうが多いので、なんとかそこをつついていきたいのです。
　プラスモイスト（トップが好き）や、モイスキンパッド、ラップを使い、自分の病棟だけは、無駄な皮膚科コンサルは減り、最初に先生にメールした頃はゼロだった理解者が増えつつあります。やはり資料や、口下手な私の説明よりも、「なんか早く治る」を目の当たりにするのが一番みたいです。
　私も「WOCなのにラッパー」という看護師さんを数名知っていますが，全国で1800人くらいいるWOCナースの間では極めて少数だと思います。
　ちなみに，WOCナースになるには半年間（でしたっけ？）学校（？）に通い（この間，病院は休職），お金もトータルで100万～200万円ほどかかるようです。WOCナースになるのは大変なんですよ。
　もしも医者の世界で「専門医になるためには，半年間，仕事を休んで学校に通い，しかも200万円用意しないといけない」となったら，専門医を目指す人っているんでしょうか？　恐らくほとんどの医者は，「200万円もかかるなら専門医にならなくていいや」と考えると思いますが（専門医の試験は数万円の受験料のみですからね），看護師さんは200万円準備してまでもWOCナースを目指すのです。医者の目からするとちょっと異常な世界ですが，看護師さんの間ではこれが普通なんでしょうか？

　そういえば，WOCナースについてググっていたら，「日本ET/WOC協会 -協会案内-」のサイトが「このサイトはコンピュータに損害を与える可能性があります」と表示されるんことに気がつきました。そして，アドレスをコピペして開こうとするとこんな素敵な警告画面が表示されます。理由は不明ですが，Googleは日本WOC協会を攻撃的サイトとして認定しているようです。

2013/07/02　・・・ [06:00]／ [08:30]／ [11:30]／

【11:00】

　「WOCナース問題」について獣医さんからのメール。

　今日の看護師さんのメールや普段から見聞きする医師の方の意見などを見ていると、なんでみなさん方向転換ができないのかなあと不思議になります。
　簡単で安くて早く良くなるやり方が目の前に実例としてたくさんあるのに、（目に入らないわけありませんよね）それに目をつぶって、耳をふさいで、患者さんの不利益になる方にあくまで固執するって犯罪ですよね。
　私なんかポリシー無いから、先生のサイトを山本先生から紹介されて自分でちょっと実験してみて、これは本物と思ったら次の日から実践しました。患者さんにも今までと１８０度違いますよーって平気で言っちゃいます。
　あくまでも固執するって、ある意味邪悪な宗教ですよね。新しい古いではなく、正しいか間違っているか。消毒に関してのこと一つとっても（細菌殺すけど細胞も殺す）、説明すれば素人でもわかることです。
　洗脳されていると言えばそれまでですが、医療従事者はあくまで科学に身をおく人間です。
　それを忘れたなら即刻辞めるべきです。患者さんが被害をこうむるのですから。
　そんな事言っても届かないか、立場悪くなると病院辞めちゃうんだから。

【08:30】

　「WOCナース問題」についてのメールです。

　私の病院は、民間の個人病院なのでWOCナースはいませんが、褥瘡委員会というのがあって、私の病棟の主任がなってましたが、彼女の独壇場でした。　褥瘡には、ゲーベンとメロリンがあたりまえ。それ以外は認めません、
　ところがそれでよくなるどころか、だんだんポケットも大きくなり、肉芽の色も悪くなってきました。
　そこで、主任は、介護士たちの、体位変換のやり方が悪い、（背抜きをちゃんとできてない）２時間おきに必ず、体位変換してないからだといって、介護士さんたちは、夜の仮眠もできません。
　しかし、褥瘡委員のあなたが、高いマトレスを購入したのは、介護士の負担を軽減するためではなかったの？　じゃあなんで、あんな高いマットを買ったの？　それも面倒くさいぐらい「この人にはこのマット、この人にはこれ」と３種類も。介護士の負担を減らして、褥瘡予防するためと思っていたけど。

　ところが、この後急展開がありました、朝の引き継ぎの後、私が本当に簡単な質問したんです「最近の湿潤療法は、どんなですか？　何か、安価でよい方法あります？」と。そしたら、「成人の全身麻酔のオペで、弾性ストッキングをはかせると、踵に水泡ができる、そのような時は、使いますね」と、ナース一同凍りました。私は、療養で使えるようなと聞いたのに、その答え？みたいな。
　その画２週間で、彼女は病院辞めました。みんなの前で、答えられない質問されて、恥をかかされたというのが、理由だとききました。今は、私が、褥瘡委員です。　さあ、どうしましょう！

　それと余談ですか、私は、３０年間、日本看護協会に入ってましたが、辞めました。あほらしくなりました。看護連盟という、政治団体（自民党応援団体です）にも最初はほぼ強制的に入らされました。
　なんで，WOCナースという面倒なものを日本看護協会が作っちゃったかについては，以前頂いたこのメールに詳しいです（2011/12/20の午前6時半の記事））。

【06:00】

　先日，ちょっと紹介した 『鉄条網の歴史』という本のレビューを追加。鉄条網というかなり地味な「モノ」をメインに据えて，これほど内容が豊富で圧倒的な情報量にあふれている本が書けたことに驚嘆します。

　今日から3日間，静岡県の岡本先生が見学にいらっしゃる予定です。

　「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に，山口県周南市のニック調剤薬局新南陽店を追加しました。

　以前から何度か取り上げている「WOCナース問題」についての質問メールをいただきました。皆様の病院ではいかがでしょうか？

　最近ＷＯＣナースの認定試験を受た看護師がいます。先生のサイトで噂は知っていましたが、とてもやっかいですね。ユーパスタ、アクトシン大好きです。授業で習った方法以外の方法を間違った方法と認識し，すでに洗脳されています。
　私はズイコウパッド導入をを検討していますが，ＷＯＣナースは消毒入りの軟膏大好きなので困ります。［臭いがする＝感染している］と勘違いしています。

　このＷＯＣナースは世間一般では医師とどう関係していくのが常識なのでしょうか？
　WOCナースのステイタスは高いのでしょうか？

　【インドの格安航空会社ゴーエア、燃料節約のため女性を積極採用】
　【体重別運賃のサモア航空、「ＸＬ」サイズの座席を導入】
　「飛行機と体重」というくくりでまとめられるニュースが2つありました。理論的に考えると，「燃料節約のために（体重の軽い）女性を」というインド方式より，「デブ乗客に運賃加算」のサモア方式のほうがリーズナブルですね。体重60キロを基準にすると，それより20キロ以上軽い女性は少ないけど，20キロ以上重いデブはざらにいますからね。
　いずれにしても，デブとは無縁の糖質セイゲニストは鼻で笑っちゃうニュースです。

2013/07/01　・・・ [06:00]／ [17:00]／

【17:00】

　今日の外来は忙しかったです。昼に30分くらい休んだだけで，あとはずっと外来で診察していた感じです。外来患者がようやく終了し，あとは病棟の往診だけです。

【06:00】

　「ティファール熱傷」に更に1例追加。19例中の18番目の症例です。
　気になったので過去の症例をちょっと調べてみましたが，石岡第一病院時代にも3人くらい「電気ポットが倒れてヤケド」という症例がありました。通常の電気ポット（特に日本製）は倒れてもお湯が出ないようになっているので，これらもティファールだった可能性があります。「もしかしたらティファールじゃないの？」と聞いておくべきでした。

　「創傷ケアセンターでは湿潤治療をしているのでしょうか？」という質問に対し回答しました。全国の様々な病院に創傷ケアセンターがありますが，ミレニア社の目的は「アメリカの創傷治療と外傷治療の普及」であって，消毒もガーゼもゲーベンクリームも使いまくっているようです（複数の創傷ケアセンターから当科に逃げてこられた患者さんからの伝聞情報ですが）。

　「釣り針」に関するメールです。

　日直をしていたら、釣り針が右手母指に刺さった方が受診されました。先生のHPにあった記事を思い出し、動画を確認後に実践してみました（針が突き抜けてない状態でした）。
　初めてだったので不安でしたが、えいやっ！と思いっきり糸を引っ張ったら簡単に抜けました。これで経験値が１つアップです！どうもありがとうございました。

　ともあれ、なんでこれで抜けるのかを知りたいので、論文を頂戴したく思います。どうぞよろしくお願いいたします。
　というわけで，元論文を公開します。もう15年前の論文ですから，公開して医学界の公共・共有財産として扱ってもいい時期ではないかと勝手に判断しました。
　　　　⇒⇒⇒【ヒトの体に刺さった釣り針は糸で抜く】

　先週，ちょっとこのコーナーで紹介したゲーベンによる疼痛に対し足切断を勧められていた患者さんですが，紹介先の河合医院の河合先生から「28日来院いたしました。痛みが減って喜んでいました」とメールをいただきました。やはり，痛みの原因はゲーベンで間違いないようです。
　ということは，この患者さんは「医者が治療に使用したゲーベンで疼痛が生じ，ゲーベンを使い続けていたから疼痛が治まらず，疼痛を取るためには足を切断するしかないと説明された」ということになります。今回はたまたま，患者さんの家族がインターネットで治療法について検索したから助かったようなものの，そうでなかったら今頃，足は切断されていたはずです。恐ろしいっすね。

　「ゲーベンクリームの添付文書」についてのメールです。

　日本褥瘡学会東北地方会での秋大皮膚科梅林准教授の論文及び講演がありました。
　軽症熱傷にゲーベンを塗ると添付文書違反とのことです。重症熱傷で「定期的に浸透圧を測定」していなければ、これもアウトです

軽傷熱傷をゲーベンで痛めつけると、添付文書違反＝犯罪、暴行、傷害事件です。
痛みを感じさせたらそれだけで犯罪です。
保護者に刑事告発を呼び掛けてはいかがでしょう。民事より手っ取り早いです。
メーカーを通じて、全国の医療機関に「警告書」を出してもらう、もありですね。

　重症熱傷＋ゲーベン＋「定期的に浸透圧を測定していない」

これで死亡したら、因果関係を争うことなく民事、刑事とも負けです。業務上過失致死罪。医師免許も危ないです。

　ゲーベンクリームについてはすでに議論がありましたが、あらためて添付文書を確認しました（⇒⇒【添付文書】）。

【禁忌】（次の患者には使用しないこと）

本剤の成分又はサルファ剤に対し過敏症の既往歴のある患者

新生児〔高ビリルビン血症を起こすおそれがある．（

低出生体重児〔高ビリルビン血症を起こすおそれがある．〕

軽症熱傷（「重要な基本的注意」の項参照）

2 . 重要な基本的注意

軽症熱傷に使用すると，疼痛がみられるので使用しないこと

　ということは，上記の「ゲーベンによる疼痛に対し足切断を勧められていた患者さん」は昭和大学〇〇病院形成外科を刑事告発できます。「ゲーベンを塗ったら痛い」と患者さんが訴えた時点で直ちにゲーベン使用を止めなければいけない，と添付文書にありますから。

　先週末，沖縄の南部徳洲会病院で7年連続の講演をしてきましたが，金曜日の午後4時に那覇空港に到着し，土曜日の朝10時に那覇空港を出発するというスケジュールで，沖縄滞在時間は18時間弱でした。旅行とか観光目的ではないのでこんなものです。

　土曜日の朝に沖縄の家庭料理のお店で病院の事務の方と朝食に「ゆし豆腐」や「ナーベラー（へちま）と豆腐の煮物」を食べたんですが，このナーベラーが美味しいんだけどすごく甘いのです。実は案内してくれた病院の事務の方も糖質制限をしているんですが，「こんなに甘い味付けだったんですね。初めて気が付きました」と話していて，彼が食べているすき焼きも味見させてもらいましたが，こちらもかなり甘めの味付けでした。
　せっかくなんでナーベラーを全部食べたんですが，飛行機の機内で胃のあたりがむかつくというか，二日酔いから頭痛を除去して胃腸症状だけになったような症状が出現し，それが羽田に到着してもまだ治まらず，午後2時過ぎになってようやく落ち着きました。糖質，恐るべし！
　「糖質制限をすると深酒しても二日酔いにならない」ことは毎日（？）体験していますが，やはり二日酔いの症状は酒によるものではなく糖質が主犯ですね。

　糖質制限関連のメールです。

【肉を食べると2型糖尿病リスクが上昇　15万人を長期調査】
牛肉や豚肉など赤身肉を食べ過ぎると、2型糖尿病の発症リスクが上昇することが、米国の約15万人を対象とした調査研究で判明した。研究者は「肉を食べすぎると、糖尿病の危険性が増します」と注意を呼びかけている。

　研究者の名は「アンパン（An Pan　シンガポール国立大学助教授）」です。この方が「糖質制限食」を受け入れることは生涯無いだろう・・・

　「ティファール・フライパン熱傷」についてのメールです。

　TVの料理番組で揚げ物をするときいつも思っていたのですが，揚げ鍋の柄を奥にしないのですよ。調理台から身体の方へでています（料理研究家が1人の特定の番組です　好きなので録画してます）。普通はひっかけないように奥にすると思います。
　去年娘が大きな柄のレースの（ひっかかりそうな）七分そでの先がひろがっている）カーディガンを愛用していたときも，『それ着て彼氏のとこでこじゃれた一品でもつくるとかになったときは脱ぎなね…人を待たせてたりすると余計ひっかけたりするから』と言っておきました

　台所は本当にいろいろな事故がありますね。20年近く？前に柄の取れるフライパンの本当に出はじめに飛びついて買って，姑が調理中に柄がはずれた事がありました。主人と姑にものすごい冷たい目でみられました。新しもの好きがこんな物買ってと……。
　油じゃなくて本当によかったです。会社に苦情とかもおもいつかなかった。

　糖質制限関連の情報メールです。

　糖質制限が楽しめるレストランですが、今回は広島県は福山市で発見しました。

●福山　ニューキャッスルホテル
　現状、ふすまパンのみの販売ですが、この調子でいくと、そのうち「糖質制限メニュー」もすぐに出てくるのは？と期待しています
●低糖質レストラン飛天楼
　住宅地にある中華屋ですご主人が一人で頑張っているようで、麺類や低糖質パン、ロールケーキの通販もしています。
　084-983-3502

　地方都市からも、糖質制限情報がどんどん発信されると良いなと考えています
　　　　⇒【糖質制限.JP】

　鳥谷部師匠が1週間のネパール滞在から無事に帰国されたようです。

　動画公開しております。youtubeで shun1953　を検索してください。リンク公開OKです。
　（使用した）英語のスライドも希望者に提供します。
　というわけで，鳥谷部先生の英語版のスライドをご覧になりたい方は，鳥谷部先生にメールしてください。