2011/08/31
【07:50】【06:30】
- 【ボールペンと紅茶のシミを使って描かれていく絵
私は美術系の才能が完全に欠落しているので,こういう絵をシャカシャカ書いている様子をみるだけで尊敬してしてしまいます。おまけにこれは紅茶とボールペンという意表をつく組み合わせ!
- 10月1日(土)にさいたま市で開催される「第9回 湿潤治療に関するセミナー」で講演することが決まりました。
- 12月3日(土)に高松市で開催される「第10回 湿潤治療に関するセミナー」で講演することが決まりました。
- 「ミニエッセイ」をちょっとだけ更新。
- 「オブ・ザ・デッド」というタイトルが付いているのにゾンビが全く登場しない映画,《アイス・オブ・ザ・デッド》を紹介。ツッコミどころ満載です。
- 【マーケットから見る野田内閣下の「円高」と「増税」】
「増税ボーイ」である野田さんという俳優を財務省の書いた脚本通りに動かしたとしたらどういうストーリーが描けるのかという,切れ味鋭い分析記事です。例えば,「菅前首相の最大の功績は何か,それは参院選前に唐突に消費税率引き上げを言い出し,その結果として民主党敗北をもたらし,増税できない体制を作ったこと」と一刀両断。確かに田舎芝居の大根役者でしか経験のない菅さんじゃ,ちょっと大役を与えられて舞い上がっちゃって,舞台でトチっちゃったわけね。
野田さんは菅さんよりは頭がいい役者だから,多分,財務省の書いたシナリオを完璧に理解して,増税のための体制を作ってくれるでしょう(・・・困ったことに)。しかも,この記事でも指摘しているように,財務省は円高に対し根本対策を取るつもりはなく,せいぜい,天下り先を作るための絶好の機会,程度にしか考えていないらしいし・・・。
2011/08/30
【12:00】【06:30】
- 【菅氏は日本政治の犠牲者、首相退陣は能力の問題ではない―SP華字紙】
【米国、ドイツにも感染した日本病=無能な政治指導者と民主主義―中国メディア】
「レコードチャイナ」の記事2本です。前者ではちょっと管さんを持ち上げ過ぎというか,褒めすぎですね。それはご愛嬌としても,この2つの記事は日本,そして民主主義国家の政治システムの問題点を取り上げています。
なぜ日本で短命政権が続くかというと,他の二院制をとっている国に比べ,日本の参議院の力が強すぎて参院の同意を取り付けないと何も決められないのに,ずっと「衆院・参院のねじれ」が続いているからです。いわゆる「頭を尻尾が振り回す」状態です。その結果,「頭」が取り替えられたわけです。
また,二大政党政治が現代民主主義社会に合わなくなっていることも原因です。社会が大きく2つの階層に分かれていた19世紀イギリスとか,「南の民主党,北の共和党」と地域で支持政党が大きく二分されていた19世紀のアメリカであれば二大政党制は理に適っていますが,現代においては国民の利害関係とか必要な政策は細分化され,2つの政党で全ての民意を組み上げることは不可能です。そして,細分化と同時に社会の大枠としての方向性は似通ってきます。しかし,二大政党が競う形を保つためには相違点を打ち出さざるを得ず(相違点がなければ政党が分かれている必要がなくなってしまう),「相違のための相違」を強調せざるを得ません。その結果,「震災からの復興に力を合わせて頑張りましょう」なんて簡単なことすら協力できなくなります。自党の存在意義を示すためには,相違点を示さなければならないからです。これが二大政党制の問題点です。
そして,小選挙区制の問題。ご存知のように小選挙区制を創り上げたのは他ならぬ小沢一郎さんですが,現時点で見ると弊害の方がはるかに大きいです。一つの政党から複数の候補者が立候補する中選挙区制では,政党間と同時に政党内での争いとなり,個々の候補者の資質や能力が問われます。選挙区のために何をしてくれるのか,なんてことが問われるわけます(もちろん,このための弊害も大きいですが)。一方,一つの政党から一人の候補者が選挙区に立候補する小選挙区制では,候補者同士の争いというより政党間の争いとなります。つまり,個々の候補者の資質はあまり問われず,政党と党首が全面に出る選挙となります。その結果として,当選者(=議員)は小粒になります(小泉チルドレンとか小沢チルドレンとか・・・)。より明確に言えば「その政党に公認してもらえば政治家でなくても当選できる」事になります。その結果として政党は「選挙に勝てる党首」しか選べなくなり,選挙結果で頻繁に党首が変わります。
- 12月15日(木)の「第2回 プラズマ医療・健康産業シンポジウム」で講演することが決まりました。「3.11」で中止になったシンポジウムで,今回はその仕切り直しです。
- 宮の森記念病院 外科・消化器科の真崎茂法先生から「皮膚科で3ヶ月間軟膏治療を受けていた低温熱傷症例」という投稿をいただきました。ありがとうございます。
3ヶ月間治らない症例に対し,軟膏を取っ換え引っ換え使い続ける皮膚科の先生の執念は感じ取れますが,その執念が治療結果に結びついていない所が痛いです。
なお,この症例報告は「皮膚科治療の常識・非常識?」シリーズからもリンクしてあります。
- 【Acer のウルトラブックは13.3型・13mm厚の Aspire 3951、9月発売】
以前から噂になっていたAcerのウルトラブックがちょっとだけ姿を現しました。画面は13インチで厚さは13mmというのは合格。重さはできれば1.0kgくらいにして欲しかったですが,これでCPUがCore i7でSSD 128GB以上,それなのにお値段799ドルからとなれば,これは絶対に買いでしょう。しかも今なら円高だし・・・。
- 【ソニーの次の標的がなぜフェイスブックに? 誤解されがちなハッカーたちの行動原則と生態】
謎に包まれた覆面ハッカー集団,アノニマスについての解説記事。どのくらいの人数がいて,どのように運営されているのか,その行動原理は何なのかをわかりやすく解説しています。
- 【野田佳彦氏が逆転勝利できた3つの理由】
田中秀征さんの分析記事。これもわかりやすいです。《彼が小沢一郎氏の支援を得て「小沢氏より小沢的」になろうとしている印象を受けた》というのは言い得て妙です。やはり海江田さんが「2009年のマニフェスト堅持」という誰が考えても「そりゃ無理だろ! 今時そんなことを言っているのは小沢さんぐらいだよ」という政策をぶちあげざるを得なくなった時点で,命運が尽きたのかもしれません。
2011/08/29
【18:00】【15:30】
- 【小沢氏復権にノー、野田氏に流れた「浮動票」】
小沢さんの傀儡政権がいいか,財務省の傀儡政権がいいか,という二者択一の末,新しい民主党党首,そして日本国総理大臣が決まりました。「泣きべそ」万里ちゃんよりはマシな選択かもしれませんが,かなりの確率で「財務省の言いなり首相・財務省の代弁者としての首相」になってしまいそう。官僚受けは最高にいい人選かな?
【06:30】
- 一昨日,神戸で開かれた【外来小児科学会 ワークショップ「熱傷の湿潤療法を学ぼう」】にオブザーバーとして参加しましたが,多くの小児科の先生方から「湿潤治療でこんなにひどいヤケドも外来通院でバシバシ治ってしまいました」と症例を提示していただきました。また,特に問題になるような合併症も起きていないようです。
実際,小児科クリニックをちょっとした外傷やヤケドで受診する患者さんは少なくないと聞きますから,湿潤治療の知識のある小児科の先生方がチャチャッとヤケドを治せるようになると患者さんにとっても福音ですね。もちろん,小児科の先生にとってもメリットがありますしね。
一方で,大学病院や総合病院,熱傷センターから患者さんが逃げ出して,「痛くなくて簡単に治る熱傷治療」を求めてこういう小児科や内科クリニックに逃げ込んでいるのも事実です。
患者にとっては治療結果が全てです。患者さんにとっては熱傷学会も学会ガイドラインも知ったこっちゃないのです。熱傷専門医がガイドライン通りの治療をしていたとしても,全然治らないどころが日々悪化しているのを見たら患者さんは疑問に思うし,疑問に思ったらネットでもっと良い治療はないかと調べる時代です。要するに「患者にとって良い治療=ガイドライン治療」ではないのです。
このあたりのことは熱傷学会内部にいたら絶対に気が付かないはずです。そしてこれは,他の学会(例:日本褥瘡学会)でも同じです。
学会というのはタコ壺みたいなものです。タコ壺の中にいる限り安全だし,タコ壺の中ならお山の大将でいられます。しかし,時代が動いている時,タコ壺だけが時代の潮流に取り残され,タコ壺の中に安住していたらいつの間にか時代遅れになってしまいます。タコ壺の住人がそれに気付くのはタコ壺の外に出た時です。自分が時代に取り残されつつあるということに気が付きたくなければ,タコ壺の蓋を固く閉めて,外に出ないようにするしかありません。
- 11月19日(土)に「NPO法人医桜セミナー」で講演することが決まりました。会場は東京駅八重洲口近くです。
- 「熱傷全治療例の経過」に症例を追加。
- 昨日(28日)に三重県で講演しましたが,出席していた自治医科大学の学生から「消毒薬とか傷の治癒に有害な軟膏についてご自分の体を傷つけて実験していますが,これはラットやマウスを使えば簡単に結果が出ると思いますが?」という質問をいただきました。もちろん,これに対する回答は簡単で
となります。
- 動物は「この軟膏は塗ると痛い」ことを教えてくれない。
- ラットやマウスなどのげっ歯類は皮筋が発達しているため,全層皮膚欠損でも急速に創収縮が起こり,人間の皮膚欠損層の治癒過程と異なる。
- 人間に近い皮膚としては豚がいるが,豚を育てて実験に使うのは大変。
これはこれでいいのですが,回答しながら「なぜげっ歯類と人間の皮膚の構造は異なるのか? なぜ,皮膚の実験動物としては豚くらいしかいないのか?」という問題が背後にあり,この問題が「なぜ犬は風呂で洗われるのを嫌がるのか?」問題に直結することに気が付きました。いずれ,まとまった文章として公開しようと思います。
- 先週金曜日昼から「石岡⇒神戸⇒三重県大台町⇒石岡」と移動し,日曜日の夕方5時半に石岡のアパートに戻りましたが,移動距離もさることながら,移動時間が長かったです。すべてJRと地下鉄と近鉄での移動であり,乗り換えが多かったので(特に,神戸⇒三重県大台町の移動),私が「鉄ちゃん」だったら楽しめただろうなと思います。
その大台町では風光明媚なことで人気のリゾート型ホテル(予約がなかなか取れない人気ホテルだそうです)に一泊しましたが,朝,ちょっと時間があったためホテルの回りを散歩してみました。気がついたのは鳴いている蝉がツクツクホウシとミンミンゼミの二種類だけだったこと。名古屋市内であれほど隆盛を極めているクマゼミの声は全く聞こえませんでした。
- その移動の間に何本か映画を見ましたが,抜群に面白かったのが《ヤング@ハート》。ドキュメンタリー映画なんですが,平均年齢80歳,最高齢92歳からなるコーラスグループが歌うのは,なんとパンクロック! その演奏がすごいのなんのって,最後のコンサートシーンは感涙モノ。ジジババたちがシャウトするロックに涙! しかもこのジジババたちはそれまでロックなんて聞いたことがないのに,6週間の猛練習でロックのリズムを自分のものにしちゃうのです。
現在,レビューを欠いている最中です。
- そういえば,西原理恵子の『毎日かあさん8 いがいが反抗期編』が出版されましたね。私は予約注文していたので,そろそろ届く頃でしょう。
2011/08/26
【06:50】
- ベルギーの若手監督が一生懸命に撮ったSF系サスペンス映画であることはよくわかるのですが,肝心の中身が全然理解できない映画,《ハプニング・ゼロ ~人間消失~》を紹介。もちろん,最後まで見れば全体像は掴めるのですが,この程度のことを知るためにこんな実験をする必要はないよな,という感じです。
- 【「仮定の計算」と釈明 10m超の津波で東電「公表に値するとは考えず」】
この記事が出た時点では,原子力保安院は「そういう仮定の計算があるんだったら,もっと早く知らせてほしかった」と言っているが,これは明らかにおかしい。これはいわば,典型的な後出しジャンケン的な言い草である。
では、東京電力から10メートルを超す津波の危険性あり,という連絡が仮に保安院に入ったとして、保安院はそれでどうしただろうか。10メートル以上という前代未聞の津波の存在を信じて,いつ来るとも知れない津波に備えて福島原発を停止させただろうか?
それは無理だと思う。こんな不確かな予測を元に原子力発電所を止めるなんて馬鹿な行為は誰もしないと思う。今回はたまたま,10メートル津波が襲ったから「ほら,見たことか」と非難されただけのことで,福島の海岸に10メートルを超す津波が押し寄せると言ったら,[3.11]以前の福島県民の全ては「寝言は寝てから言ってね」と一笑に付したはずだ。
10メートルを超す津波の危険性を想定するのは簡単だ。それこそ,隕石が落ちてきて頭を直撃する危険性だって算出できるし、動物園から逃げたライオンに襲われて死ぬ確率だって出せる。
では、「動物園からライオンが逃げ出す確率はゼロではありません。だから逃げ出したライオンを捕らえる予算を計上すべきです」という提案が県議会に出されたらあなたはどう思うだろうか。バカも休み休み言え、と思わないだろうか。むしろ,「上野動物園のゾウが逃げ出してアメ横を破壊する危険性があるので,ゾウを捕まえる予算を台東区は計上すべきだ」という提案があったら,区民全体が法案成立に反対するはずだ。
要するに,「3.11」以前の日本では,福島の海岸に10メートルを超す津波が押し寄せるなんて限りなくお伽話に近い予測だったと思う。それは原子力保安院にとっても同じだと思う。
後出しジャンケンでいいなら何だって言える。
2011/08/25
【12:00】【08:10】
- 【XHTML1.0とHTML5の違いをスタバのページで紹介】
一応,タグ打ち込みでHTMLファイルを作ってこのサイトを作っていますので,こういう技術系の記事には興味があります。HTML5とXHTML1.0の違いをかなりわかり易く解説した記事です。ブラウザ側がHTML5に対応してきましたのでサイトの作り手側には必要な知識ですね。
とは言っても一方では「ますます,ついていけなくなるよなぁ」というのも正直なところです。何しろ私はHTML1のあたりでHTML言語を覚えてしまい,それ以降は仕事が忙しかったこともあってHTMLのあれよあれよという間の進化には全く置いてけぼり状態なんですね。なにより今時,ファイルの拡張子が "htm" のサイトなんて余りなく,ほとんど "html" と4文字の拡張子のはずです。
というわけで,HTML5になるとプラグインなしでも動画が表示できるようになり,さらに表現力がアップすることになるわけですが,HTML1で記述されたサイトはサポート対象外,なんてことにならないことを願うばかりです(・・・ま,原理的にサポート対象外にはならないと思うけどね)。
- 【ジョブズ辞任でウォール街は戦々恐々!】
突然のジョブズ辞任のニュースを受けて,アップルの株価が一気に下がりました。その後,ある程度持ち直したようですが,アップルは早期に「ジョブズのいないアップル」の姿をユーザーと株主に示す必要があります。これまで,天才的カリスマに率いられて頂点に上り詰めた組織は一様に後継者問題に悩んできましたが,アップルの場合はどうなんでしょうか。しばらくはジョブズが敷いたレールに乗っていけば安泰でしょうが,問題はその次に進むべき方向を誰が指し示すかです。
【06:30】
- 一昨日から,持病の腰痛がちょっぴり再発。動けないほどひどくはありませんが,腰を曲げないと歩けないくらいには痛いです。20年ほど前から数年に一度起こるため,腰痛ベルトは手放せません。明日,明後日と長距離移動が続くので,それまでに治るといいな。
腰痛というのは悪いことばかりじゃなくって,自分が腰痛の時は,何かの痛みで受診した患者さんに「痛いというのは本当に辛いですよね」と,すごく優しくなりますね。
それにしても腰痛ベルトって偉大だな。腰に巻くだけで動けるようになるんだもんな。腰痛になるたびに,腰痛ベルトを発明した人にノーベル賞を贈呈したくなります。
- 【前原氏の代表選出馬、「脱小沢」の真意は? 綱領なき民主党が掲げる“挙党一致”の欺瞞】
「本来、挙党一致とは、党の立党の精神、党綱領の達成のためである。だが、民主党には綱領がない。だから結局、挙党一致とは人事面での公正、公平ということになる」という田中秀征さんの指摘,まさに正論です。要するに民主党とは「何をどうするために作った政党なのか,何をどうしたい人達が集まった政党なのか」がいまだにわからない集団です。政治志向もバラバラなら,財政についての基本的な考えもバラバラです。
- 9月3日(土)に岡山駅前で講演しますが,講演終了後の食事の予定がありません。「その日は暇だから一緒に食事をしてもいいよ」というご奇特な方がいらっしゃったら,ご連絡いただけないでしょうか。
- 「ミニエッセイ」をちょっとだけ更新。
- 「熱傷全治療例の経過」に症例を追加。
- 島田紳助さん問題で,各テレビ局は番組の穴を埋めるために大変なようです。もうこうなったら,「節電のために本日夜8時から9時まで,テレビ放送を中断します。あくまでも節電対策としての措置です」って放送中断しちゃうってのはどうですか?
- 民主党代表選挙ですが,どうにもこうにも盛り下がる一方です。「おおっ,この誰かが日本の政治リーダーになるのか!」という雰囲気はなく,「あ~あ,このうちの一人が自動的に首相になっちゃうわけね。他に選択肢はないんだよね」という感じじゃないかと思います。原因は色々あります。
- 民主党はそもそも主義主張も支持母体も異なる複数政党の集合体のため,共通理念があるわけでない。最初から「数合わせのための集合体」だった。政治的な方向性は最初からバラバラだった。だから,党内がまず最初からまとまっていない。
- 民主党結党の資金をほとんど一人ですべて出した鳩さんがオーナーとして口出しを止めないし,それに誰も文句が言えない。
- 野党の立場で出したマニフェストは与党になったら実現不可能なものばかりだったのに,「マニフェストを守らないと結党の精神が雲霧四散してしまう,国民はマニフェストの実現を期待している」,と言い張っている小沢さんが最大勢力のトップに君臨している。
- 野党だったら能力が発揮できたのにね,というタイプの代議士しかいない。
- 【ありえないことに…フォトショップの加工に失敗した写真】
「やっちまったなぁ」という写真のオンパレード。Photoshop使い始めの頃ってこういう失敗をしちゃうんですよね。
2011/08/24
【09:00】【07:40】
- さらに7:40の記事に付け加えます。「たとえどんぶり勘定の数字だってないよりはマシ」という考えもあると思います。しかし,「ないよりマシ」ということを知った上でその数値を参考にするならいいですが,「数字は数字,数字は厳密なもの」と考えてどんぶり勘定数字を金科玉条のように振り回したり,振り回されるのは間違っています。
【06:30】
- ついさっきアップした記事に関連して「世論調査のサンプル数はどんぶり勘定」という昔書いた記事を取り上げましたが,以前,社会学の専門の先生から「この数式の出典を教えて欲しい」と連絡を頂いたことを思い出しました。その先生も以前から,なぜサンプル数は2,000でいいのかについて疑問を持っていたそうです。
もちろん,統計学的には上記の数式は簡単に導き出せますが,それでも「係数は恣意的であり,厳密な数値ではない」という事実は変わらないはずです。「統計学とはそもそもそういうものだ」という考えもありますけどね。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,山口県下関市の二武整形・リウマチクリニック/二武皇夫先生にも加わって頂きました。ありがとうございます。
- 久方ぶりに「顔面熱傷:全治療例の経過」に症例を追加。
- 【はたして放射能汚染地域は除染すれば住めるのか? 国は避難期間を明示し、移住による生活・コミュニティの再建を】
「ダイアモンド・オンライン」の記事です。このような,放射能の土壌汚染問題,人体への健康被害問題の記事を見ない日はありません。そこでは必ず「▲▲シーベルト検出されているから非常に危険」というようにシーベルト値とともに説明されています。そして,放射能汚染がある地域ではシーベルト値の変動に一喜一憂しています。
しかし,これは極めて非科学的という指摘をいただきました。いつもメールのやりとりをしている福島県在住の生物の先生からです。私も確認作業をしているところですが,彼の指摘はまず間違いないところでしょう。ちょっと引用させて頂きます。シーベルトは極めて恣意的な単位です。シーベルトという単位は,グレイという放射線のエネルギー吸収量の単位に、「これくらいが妥当じゃないか」というICRPなどが決めた係数をかけて出します。以前私は,世論調査のサンプル数はすごくいい加減な式が根拠であることを指摘しましたが,この「世論調査の数式」は厳密なように見えて,実は係数が恣意的で,はっきり言ってどんなサンプル数も導き出せるどんぶり勘定数式なんですね。どうやら,シーベルト値もかなりいい加減などんぶり勘定のようです。少なくとも「1mSvをわずかでも上回ってもいけない」とか「基準値を上回っているからこの牛肉は危険」とかいう議論は成立しないのは確実です。
何か客観的に測定できる係数をかけるなら話はわかるんですが、あくまで人体に対する放射線の影響度を疫学的なデータから「推測される」係数をかけて、物理単位にするわけで,科学的には無茶苦茶恣意的です。ついでに言えば、放射線の種類によっても、新たに修正係数をかけなければなりません。ガンマ線、ベータ線は×1、アルファ線は×20。その20倍にした根拠は「まぁ,20でいいかな」でして,すべてがそんな調子です。こんないいかげんなSI組み立て単位はないです。
もし、ICRPかなんかで「ううん、やっぱりそんなに影響ないみたいだなあ」と将来決議されたら、また係数が変わるんですよ(実際、係数はこの20年くらいで結構変わっている)。で、こんな恣意的な単位を使って、その値の大小で避難を決定したり、許容量を設定だったりしていいものかという疑問が生じるわけです。もちろん元がグレイですから、大雑把な傾向はつかめるとは思うのですが、はっきりいって数マイクロのレベルでどうこう言う単位ではないように思えてきました。
これを動物に例えると,動物ごとに体重と体長は正確な値としてわかります。これが「グレイ」。しかし,体重と体長では「どのくらい危険か」はわかりません。私たちが知りたいのは重さでなく,「どのくらい危険か」だからです。そこで,危険係数という数値を決め,動物ごとに「ライオンは20,ツキノワグマは15,アライグマは5,リスは1」というふうに決めて,体重にその危険係数をかけて「動物の危険度」を出すわけね。これが「シーベルト」。そして,この「危険係数」を専門家と称する方々が話し合いで変更したりするんだけど,なぜその値にしたのかがよくわかりません。
こう考えると,シーベルト値がどのくらいどんぶり勘定かわかりますよね。少なくとも,ガイガーカウンターで毎日測定し,「1上がった,2下がった」と一喜一憂するのは多分ナンセンスです。
果たして,こんな恣意的・政治的に決まった数字を根拠に話を進めていいのか,というのが上記の生物の先生の意見です。ううむ,鋭い!
- ようやくamazon.comから『とりぱん大図鑑』が届きました。これまで『とりぱん』に登場した様々な野鳥や動物や虫たちの写真が満載で,『とりぱん』ファンにとってはとても嬉しい本です。
- 私は5年以上前から「毎日,朝5:20に起床」生活を続けています。こういう早起き生活を続けていると,日の出の時刻のちょっとした変化が体感できます。今日は夏至からちょうど2ヶ月目にあたりますが,6月下旬は4時ころから明るくなっていたのに,今朝の5:20は部屋の明かりを付けないとノートパソコンのキーボードがちょっと見えにくいかな,という明るさです。恐らく2ヶ月後の5:20は真っ暗でしょう。
その頃,日本の首相は誰なんでしょうか。円高と日本経済はどうなっているのでしょうか。被災地のがれきは少しは片付いているでしょうか。
- 【複数のウイルスに効く新薬開発】
ウイルスにしか存在しないRNA複写酵素(・・・RNAレプリカーゼ?)で作られる2本鎖RNAに結合するタンパク質と,programmed cell deathのスイッチを入れるタンパク質を結合させた新薬・・・という解釈でいいでしょうか? 原理的には非常に面白いですが,唯一,問題があるとすれば,タンパク質なので投与方法が限定されてしまうという点かな?
- 【ソリティアの「あの」クリア画面をリアルに再現したアート】
これはスゴイっすよ。無駄にハイクオリティです。
2011/08/23
【12:30】【09:00】
- 【海江田氏、自身の辞任は撤回 出馬方針変わりなし】
海江田さん,まだ本気で出馬を考えているようです。もしも彼が首相になったら,「ルーピー・ハトヤマ」ならぬ「crybag カイエダ」というあだ名が世界中に広まったりして・・・。
- 【「天下一品」のこってりを超えたい】
Daily Portal Zの実験料理系ライター高瀬さんが,またまたやっちまいました。ポタージュより濃ゆいスープ(・・・というか,これをスープって言っていいんだろうか?)が絡んだ麺が持ち上がりません。
【06:30】
- 【なぜこれほどの尊い命が失われてしまったか 検死医が目の当たりにした“津波遺体”のメッセージ】
あの「3.11」の巨大津波の犠牲者はどのようにして命を奪われたのかを,検視を行った検死医が分析した記事です。非常に重い内容で,読んでいるだけで息苦しくなってきます。
- 「膿痂疹(トビヒ)の治療」について全面的に書き換えました。
- ちょっとスプラッター度は高めだけど,基本的にはよくできたノルウェー製のホラー・コメディー映画,《処刑山 デッドスノウ》を紹介。テンポはいいし,色々なアイデアを詰め込んでいて面白いです。
2011/08/22
【12:00】【07:30】
- 5日前にバイクで転倒し,前身を派手にすりむいたという患者さんが受診。話を聞いたところ,受傷直後に近くの総合病院救急室に運ばれて処置を受けたそうですが,しっかりと消毒されて軟膏ガーゼを貼られたそうな。
で,あまりの痛さにネットを調べたら「すりむいたら湿潤治療が常識です。今時,消毒してガーゼなんて信じられません」という書き込みが多数のため,試しにラップとキズパワーパッドにしてみたら,全然痛くないことに驚かれたそうです。そして,念の為に診て欲しい,ということで受診されましたが,診察してみると前腕,背部,肩,腰部の擦過創ですが,一部深い部分を除いてほとんどきれいに上皮化しています。
それで,湿潤治療の説明をしてプラスモイストの使い方を指導し,帰って頂きましたが,帰りがけに「くっついているガーゼをはがすと激痛だってこと,なんで医者は気が付かないんですかね。わかっていて,患者を痛めつけるためにガーゼを剥がしているとしか思えないっすよ」と話していました。
某病院救急外来の先生方はいつまで「患者に拒否される治療」を続けるつもりなんでしょうかね。「患者に拒否される治療をする」のが治療方針なのかな?
- 【SSDのデータ復旧はHDDよりもはるかに難しい】
CPUが同じでもHDDからSSDに換装すると明らかに起動が速くなります。一度SSDの速さに慣れるとHDDに戻れなくなりますが,実はこんな落とし穴があったんですね。勉強になります。
【06:30】
- 「水」を軸として人類文明を俯瞰してみよう,という面白い視点の本のようです。読んでみようかな?
- 【のんべえが感涙にむせぶ津軽いかのわた焼き】
「食べて応援,東北の美味」シリーズの青森編。今回は六本木ヒルズ近くのお店です。どれも美味しそう!
- 【大連立に思う、合わないと思う相手と協力し合う方法】
大目的をまず設定し,その大目的実現のために必要な手段を考えるだけなんです。現在の日本の大目的は震災からの復興と経済再生。そのために何をするかです。決して「大連立すること」が目的ではありませんし,大連立することを政治の目的にしてはいけません。大目的を達成するための非常に具体的な提案をしている記事です。
- 「皮膚科治療の常識・非常識」シリーズに「診断は華麗なんだけど治療法が単調・・・」を追加。
- 講演用のスライドをさらにマイナーバージョンアップしました。最新版は8月21日作成のものです。ご覧になりたい方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
なお,以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。
延々とバージョンアップを続けている私のスライドを見ると,何やら,延々と増築を続けているサグラダ・ファミリア教会みたいですね。なかなか完成版にたどり着きません。
- 【巨大津波、三陸で6千年に6回か…地層に痕跡】
「マグニチュード(M)9級の巨大地震が1000年に1回の頻度で繰り返し起きていた可能性を示すもので、国や自治体の防災計画の見直しに役立ちそうだ」ということですが,この記事を書いた記者は本気でこう考えているんでしょうか。だって,6000年に6回ということは1000年に1度ですよ。次に起こる可能性があるのは西暦3011年ころの31世紀です(もちろん確率的には,この瞬間に超大型地震が起こるかもしれないけど・・・)。31世紀にそもそも日本という国があるのか,地球に人間は生存しているのか,それすらわからないのに,「西暦3011年に向けて地震と津波の大作を決めましょう」なんて意味がありません。「1000年前に起きた地震を根拠に,1000年間地震対策をしましょう」なんてお伽話ですってば。
- 【円、スイスフラン以外に広がる資金の避難先】
歴史的円高が続いています。こんなにトラブル続きの日本なのに,それでもユーロやドルよりはマシ,ということで買われているんだとか。こうなると,さらに日本の国力が落ちない限り円高が続くでしょうし,輸出産業は打撃を受け,国内産業は空洞化していくしかありません。
「来年の電力需要は今年より低下する。なぜなら,産業空洞化によりそもそも電力を使わなくなるから」という予測が現実のものとなり,めでたく「原発全廃」が可能になります。
2011/08/19
【13:45】【06:30】
- 11時頃,埼玉県のある病院の救急部から広範熱傷患者さんが搬送されて来ました。親御さんが茨城にお住まいとのことで,看病しやすい当院に来られたものです。患者さんの搬送に数人の先生が同行され,処置が終わったあと1時間ほど外来見学をされていきました。先生方の感想です。
- 熱傷の処置があまりに速くてびっくり。自分たちは毎日1時間かけていたのに10分ほどしかかかっていない。
- 処置が簡単でシンプル。これならヤケドの処置も楽でいい。
- 爪を剥がした患者さんもヤケドの患者さんも,受傷翌日なのに全く痛がっていない。話には聞いていたがこれほどまでに痛みを訴えないとは思わなかった。ホームページや本で「痛みのない治療」をしているとは知っていたが,実物はさらに衝撃的。
- 【お金? BOZZ】
「東北への投資はしないほうがいい。既に小沢関係だけで25兆円が動いているから」というのが何とも生々しいです。そう言えば東北新幹線の駅も小沢さんの選挙区の駅舎が一番最初に復旧したという噂だしね。
- 感動的名作映画《オーケストラ!》を紹介。ラストシーンで演奏されるチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲」で号泣!
- 講演用のスライドをマイナーバージョンアップしました。最新版は8月18日作成のものです。今回は「尿素クリームの作用」について全面的に書き換えています。ご覧になりたい方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
なお,以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。
- 「皮膚科治療の常識・非常識」シリーズに「皮膚科の疾患体系はこのままでいいのか」を追加。だって,皮膚科の教科書を見ても,疾患名も症状名もゴチャゴチャなんだもの。
ちなみに学生時代,この教科書の「疾患リスト」を見てとても覚えられないと思い,皮膚科医になるのをさっさと諦めたのは私です。
- 【静岡・天竜川川下り船転覆事故】
私の感覚が世間一般からずれているのかもしれませんが,この天竜川の事故って,何日間もテレビのトップニュースで流すような重大な事故なのでしょうか。もしも天竜川の川下りで連日3人死んでいるなら問題視すべきかもしれませんが,そうではないのです。昨日も書いたように,交通事故の死者は毎日15人,自殺者にいたっては毎日80人以上です。毎日80人の自殺者については全く報道せず,たまたま起きただけの事故については連日報道するというのは,私には理解できません。
もちろん,マスコミ的には自殺者は報道価値がなく,天竜川の事故には報道価値があるのかもしれませんが,「命の価値は万人平等である」という社会通念からすると明らかにバランスを欠いていると思います。
- 【救命胴衣着用を義務付け 国交省指導へ】
「救命胴衣着用義務付け」⇒「救命胴衣着用基準が必要」⇒「国交省の天下り団体を作って基準認定を一元化」・・・ってするつもりかな?
そのうち,飛行機での「酸素マスク装着訓練,救命胴衣に息を吹き込んで膨らます訓練」も義務化されるんじゃないですか? 「救命胴衣を実際に膨らます訓練をしない乗客がいたら,飛行機は離陸させません」なんてことになるかもね。鬱陶しいなぁ。
- 【Yahoo! Phone 正式発表】
ベースはソフトバンクのAndroidケータイで,Yahoo! のさまざまなサービスに簡単にアクセスできるようになっているようです。
私は,G-mailが影も形もなかった2003年からYahoo Mailを使っていて,それ以来,Yahoo Mailをメインで使っています。当然,ブラウザを起動したときに最初に表示するページは My Yahoo! ですし,スケジュールも全てこれで管理しています。
というわけで私の場合,Yahoo! Phoneってのも悪く無いかもしれません。
2011/08/18
【06:30】
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に,青森県弘前市のこずえ薬局 若葉店を追加しました。
- 「皮膚科治療の常識・非常識」シリーズに「尿素クリームは保湿剤でなく乾燥剤」を追加。これまで何度も取り上げてきた話題ですが,ここでまとめてみました。
- 「週刊アスキー」の樋口真嗣さんのエッセイに「10年前にMacで作ったファイルが,Macで読めなかった。当時のMacで定番中の定番ソフト,クラリスワークスで作ったファイルだ。アップルがクラリスを買収して取り込んだソフトなのに,いつの間にかサポート対象外になっていた」とありました。アップルの自社製品のはずなのに,わずか10年で自分で作ったデータが読み込めなくなったわけです。
例えて言えば,このサイトの最初期の記事(2001年10月)が2011年に突然読めなくなったようなものです。OSのバージョンアップ,ソフトのバージョンアップにはこういう問題が常につきまといます。
私はパソコンを使い始めて30年近く経ちます。その間,「昔作ったデータが読めない!」問題は嫌というほど経験しました。98時代のワープロソフトで作った文章も dBase III で作ったデータベースももう読めません。フロッピーディスクやZIPやMOに入れたデータも,ディスクドライブが手に入らなくなった時点で読めなくなりました。記憶媒体(メディア)は手元にあっても,ドライブがなければメディアのデータは読めなくなり,メディアはゴミとなります。
私はテキストファイルしか信じていません。だから,残しておきたい文書データ,データベースのデータはテキストファイル(データベースの場合はCSV形式)で保存しています。この30年間,変わらずに読めたデータはテキストファイルしかなかったし,搭載メモリの上限に達しない限り,テキストファイルの形ならどんなに巨大なデータでも読み出せるし,読み出すテクニックを持っているからです。ゴルゴ13が最新型のライフルに目もくれずに昔ながらの変形アーマライトに信頼を寄せるように,私はテキストファイルを信頼しています。
- 先日ちょっと取り上げた『物語 食の文化 - 美味い話、味な知識』 (中公新書)ですが,ようやく最初のほうを読み始めましたが,予想以上に面白いです。何しろ,人類600万年の「食の歴史」を通観しようというのですからすごいです。
何より,どのページを開いても私が知らないことがたくさん書いてあって,「ここ,ちょっとメモしておこう」というような知識が満載で嬉しくなります。しかも350ページで上下二段組み,細かい文字がびっしりと詰まっていますから,コストパフォーマンス抜群です。
本の冒頭,麦やイネ科の植物と人類の関わりの歴史が説明されていますが,これを読んでいてふと思ったのは,「原産地以外に持ち込まれた麦も稲は外来生物だった」ということです。例えば麦はメソポタミア地方に原種があり,その中で「実が熟しても穂が落ちない」変異が見つかり,それを品種改良して現在の小麦や大麦,ライ麦になり,世界各地に伝えられたわけですが,当初のヨーロッパやアジアにとっては,それらは人間が持ち込んだ外来生物に過ぎず,持ち込まれた麦によって絶滅した植物も多数あったはずです。植物の世界は「陣取り合戦」だからです。
- 【QUEENが好きでたまらない赤ちゃんがフレディ・マーキュリーになりきる(動画)】
テレビ業界では「子供と動物には勝てない」という言葉がありますが,この赤ちゃんの可愛さにはオッサン,オバサンは絶対に勝てません。
2011/08/17
【08:10】【06:30】
- 【風評に惑わされるな! 「食品添加物は危険」のウソ】
「食品添加物はたとえ微量でも有害。食品添加物は一切口に入れたくない」というヒステリックな態度を突き詰めれば,「食品添加物を口に入れるくらいなら,食中毒で死んだほうがマシ!」になっちゃいます。「健康になれるなら死んでも構わない」という考え方ですね。
これは放射能も同じですね。陸前高田でみんなが生活しているのに,その陸前高田にある松を燃やすと健康被害だ,放射能で死ぬ,と騒いだどっかの人たちとか・・・。
放射能も食品添加物も他のありとあらゆる生命の危険(交通事故にあう,地震・洪水に遭遇する,スズメバチに刺される,実は隣人が覚醒剤中毒だ・・・など)の一つに過ぎません。人間の死因は癌だけではないし,癌の原因は放射能だけでもないし食品添加物だけでもありません。放射能も食品添加物もその他大勢の中のごく一部に過ぎません。だから,放射能だけ騒いでも,食品添加物だけヒステリックに拒絶しても意味がありません。
- そういえば,この国の自殺者は年間3万人です。つまり,地方都市が毎年1つずつ消えていっているようなものであり,交通事故の死者の5倍以上です。この3万人という数字は正常でしょうか,異常でしょうか?
放射能で30年後に癌になる確率より,いつの間にか年間3万人の中に自分が入ってしまう確率の方がはるかに高いはずです。年間3万人という数字を見て,自分とは無関係な3万人の死と考えない方がいいです。
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に,横浜市金沢区のあおば薬局富岡を追加しました。
- 「やはり,ホラー映画のヒロインは美少女巨乳系じゃないとダメなんだよね」ということを改めて思い知らされたホラー映画,《ソロウ・クリーク 残酷死霊谷》を紹介。要するに,そういう映画でございます。
- 「ミニエッセイ」をちょっとだけ更新。
- 【手の甲をタッチパネル化する腕時計】
こういう,他に類例のない発想が大好きです。
2011/08/16
【10:00】【06:30】
- 【世界のどの場所でどのくらい核爆発が起きたのかビジュアル化した映像(動画)】
私が子供の頃(1960年代),「雨に当たるとハゲになる」と言われていましたが,それはこういうわけだったのですね。1950年代後半から60年代にかけて,世界中で恐ろしいほどの数の核実験が行われ,しかもそのほとんどが大気圏での実験でした。ということは,子供の頃の私らはどれほどの放射能混じりの雨を浴び,放射能混じりの食べ物と飲み水を飲んだのでしょうか。当時は「今日の放射線量は〇〇ベクレル」なんて報道されることはなかったけど,結構な量を浴びていたんだろうな。
ま,それでもこの歳まで生きてこられて,ハゲにもなっていないのだから,よしとするしかありませんな。
- 中野京子の『怖い絵 泣く女篇』についてのレビューを追加。外科の歴史の勉強にもなるすごい本です。
- 昨晩,いつものように居酒屋さんで夕食を食べてアパートに帰ろうとしたら,空が変に赤いのです。おかしいなぁ,と思いながら歩いて行くとどんどん空は赤くなり,煙がモクモク上がっています。すると「火事,火事! 電話,電話!」と騒いでいる人がいて,ようやく遠くから消防車のサイレンが聞こえてきます。なんと,自宅アパートから50メートルほど離れた家屋での火事でした。
実は私,医学部学生の時にアパートが火事になって焼け出され(もちろん,火元は私の部屋じゃないぞ),近くにあった医学部学生寮(今はなき「昭和舎」)に難民として受け入れてもらった経験があります。あの時の火事の記憶が一瞬,フラッシュバックしました。
30数年前の午前4時頃,外で騒ぐ声がして目が覚めました。すると,窓の外が真っ赤です。パジャマ姿で外に出ると同じアパートの斜め2階の部屋から火が吹き出しています。もうパニックです。
しかし,パニックになりながらもなぜか頭の一部は冷静になり,「この格好で同級生に見られたら恥ずかしいぞ。部屋に戻って普段着に着替え,財布とキャッシュカードを持ち出そう」と考えたんですね。で,着替えをして財布とか持ち出し,外に出ると消防車がやってきて放水開始! あとは呆然として消火作業を見守るだけでした。ふと気がつくと,隣に同級生が立っていて,「大変だな。住む所がないんなら学生寮に来いよ。俺が何とかするから」と声をかけてくれました。
ちなみに,私の部屋には延焼しませんでしたが,消火の放水で水浸しになり,しかも部屋全体に焦げ臭いにおいが染み付いて,とても住めるものではありません。火事は鎮火しても,そのあとの臭いがひどい事をこの時学びました。
人間,50年以上生きているといろんなことを経験するもんですね。
- 【機能しない政府に政策立案を独占させるな!】
「ダイアモンド・オンライン」の記事。要するに,「政策の実施部隊である政府は実務に忙しいのだから,それに制作を考える仕事をさせるのは無理。政府が使える政策を考えて提案するプロ集団と分離せよ」ということです。
現在の民主党,そしてかつての自民党を見ているとこの提言が至極もっともであることがよくわかります。霞が関は本来,実務部隊のはずなのに,すべての仕事と権限を抱え込んでしまい,そのため全てが中途半端になっています。
以前にも書きましたが,権限と金が付いて回る職業になるためには資格試験を通らなければいけっません。その権限にふさわしい最低限の能力があるかどうかが試験されるわけです。医師国家試験も司法試験も公務員試験も,意味するところは同じだと思います。
しかし,議員と政治家は無資格でなれます。議員になるために最低限必要な知識や技量があるかどうかも問われずに,誰でもなれるのが議員であり,政治家です。これが現在の日本の政治システムの最大の欠点です。議員や政治家は知識も資質もなしになれるような簡単な職業なんでしょうか。
- 【どうすればプロ級の演奏家になれる? 絶対音感の正体とは?】
もう一つ,「ダイアモンド」の記事。これも面白いです。「いかなる分野でもプロになるには1万時間の訓練が必要だ。7歳のときに始めると18歳のときまでには1万時間を訓練に費やすことができるが、35歳で始めると、1万時間の訓練を受けていたら70歳になってしまう」という部分に納得!
私は7歳の時にピアノを始めてすぐに夢中になり,ほぼ毎日,2~3時間ピアノを弾いていました。ということは,年間で1000時間弱ピアノを弾いていたでしょうから,20歳ころには通算1万時間になります。確かにあの頃,ショパンの「エチュード」やラヴェルの「夜のガスパール」をバリバリ弾いていましたが,1万時間も練習したらそのくらい弾けて当然ということだったわけですね。
この人の書いた『響きの科楽』も面白そう。読んでみようかな。
2011/08/15
【06:30】
- 「皮膚科治療の常識・非常識」シリーズに「皮膚潰瘍治療用外用剤の有効性・安全性:将来への提言」を追加。
- 「ミニエッセイ」をちょっとだけ更新。
- 上野駅の本屋さんの店頭で見つけてつい買ってしまったのが『物語 食の文化 - 美味い話、味な知識』 (中公新書)です。新書としてはかなり分厚く,しかも上下2段組で活字がこれまた細かいのです。本好き・活字好きとしては2段組の装丁を見ただけで購入を決定! これから読んでみようと思います。
- 【Firefox 6 完成、ダウンロード可能に。年内にFirefox 9まで到達予定】
最近,Google Chromeに押されてちょっと旗色の悪いFirefoxですが,明日(8月16日)からバージョン6の正式リリースとなります。もちろん私は,速攻でダウンロードする予定。
- 【感激するレベル!「崖の上のポニョ」を外国人たちがアカペラで歌い上げる】
ちょっと聞いてみて!
- 【「すべてのソブリン債務危機の根源を語ろう」】
ギリシャの経済危機以来,ソブリン債務危機という言葉をしばしば目にしますが,それをわかりやすく説明しています。要するに,国家への融資は本来,極めてリスキーであってよほどしっかりした担保をとっておかなければ融資なんて怖くてできないものなんですね。ところが1970年代になり,莫大なオイルマネーを背景にシティバンクが「国家は破綻しない」ことを前提にどんどん貸付合戦を始めちゃったもんだから,その結果として今日のソブリン債務危機が起きてしまった,ということらしいです。
こういう記事を読むたびに,オイルマネーがすべての問題の源じゃないかという気がします。オイルマネーは言ってみれば「棚からぼた餅」ならぬ「掘ったらぼた餅」であり,濡れ手に粟で手に入れた富です。親の遺産で遊んで暮らせるみたいなもので,2億年前の地球の遺産で遊んで暮らしているようなものです。
だから,「オイルマネーの人たち」は基本的に金の有難味がわかっていないのではないか,という気がします。苦労して手に入れた金(例:作物を作って売る。工夫して作ったものを売ってカネを手に入れる)なら有難味がわかるから無駄・無意味なことに使いませんが,「掘ったらぼた餅」で手に入れたオイルマネーだから使い道なんて考えずに使っちゃう。そして「濡れ手に粟」でもっと金を増やそうとする・・・と,そんな気がします。
- 【韓国語の発音を完璧にするためイギリスの女子学生が舌を手術】
多分,舌小帯短縮に対し,Z形成かV-Y Advancement手術をしたんでしょうね。それにしても,君の「韓国ラブ」はすごいです。
2011/08/12
【15:10】【14:50】
- 【無資格の「ボランティア専属医」、日テレ「スッキリ!」にも出演】
この「米田きよし」さんって目立ちたがりやさんだったのかな? 「テレビや新聞に出られて嬉しい!」というタイプ。考えられるパターンとしては次のようなものがありますが,正解はどれでしょうか。
- 自分がニセ医者だという自覚は持っていたが,マスコミに取り上げられるのが嬉しかった。
- 自分がニセ医者だという自覚は持っていたが,正しい治療行為を知っているので大丈夫だと思った。
- 自分がニセ医者だという自覚は持っていたが,みんなから「先生ありがとう」と言われているうちに自分は医者だと思ってしまった。自分はニセ医者だという自覚をいつの間にか忘れてしまった。
- 日本で医者を名乗るのに医師免許が必要だと知らなかった。
【10:40】
- 【医師免許ない男、被災地で治療か…4月から】
日本中の医者が「オイオイ,そりゃなんだよ」とびっくりしたのが,このニセ医者くんが提示した「医師国家資格認定証」とかいうやつ。日本中の医者が「その認定証,俺,持ってないよ。どこに行ったらもらえるの?」と思ったはず。世の中にはいろんな「認定証」がありますからね。
ちなみに,私は勝手に「日本形成外科学会認定医」を返上し,「認定証」を破り捨てましたので,もしも私が「形成外科認定医」を名乗ると「ニセ認定医」となります。
【09:10】
- 前腕の圧挫創で3ヶ月くらい通院してもらっている70代後半の患者さんがいます。軟部組織の壊死がちょっとひどくて難渋しましたが,ついに来週には完治しそうな状態になりました。
もう,病院に来なくていいですよ,と言ったところ,「病院に行くのが楽しみなんですよ。病院に行かなくなったら家の外に出るのが億劫になっちゃってボケちゃわないかな」とのこと。
この方のように一人暮らしの高齢者の場合,病院への通院は家の外に出る強力な動機付けになるんでしょうね。要するに,ちょっとした病気があって定期的に病院に通院するのが健康の秘訣かもしれません。
【06:30】
- 【<首長竜>卵でなく子どもを出産 米チームが化石を分析】
プレシオサウルスが卵胎生であったという証拠が発見された,というニュース。原生の爬虫類ではウミヘビやボアの一種が卵胎生ですし,軟骨魚類の多くも卵胎生,さらにシーラカンスも卵胎生の魚類として有名ですね。
ちなみに卵胎生の面白さについてはこのコーナーで何度か取り上げています。⇒「2009年5月12日」,「2010年9月3日」
- いやはや,昨日18:30から1時間ほど石岡市を襲った豪雨・雷雨は凄まじかったです。シャワーを全開にしたというか盥をひっくり返したというか,そんな感じでした。おまけに雷もひどく,何度か停電しました。ちなみに,この時私はいつもの居酒屋さんのカウンターにいましたが,つもキーホルダーにつけて持ち歩いている携帯型LEDライトで手元を照らしながらビールを飲み続けていました。
- 第2次大戦中のイタリアのある家庭の悲劇と再生を描く佳作映画,《ボローニャの夕暮れ》を紹介。とても丁寧に作られた良心的な作品なのですが,なんだかよくわからない映画なんで,困りながらレビューを書いてみました。
- 【インテル、Ultrabook の技術革新に3億ドルのファンドを設立】
要するに,新型VAIO Z,あるいはVAIO Xの強化バージョンを目指そう,ということのようです。わたし的には,「画面の輝度を下げずに使っても10時間持つバッテリー容量,厚さは15ミリ以下のフルフラット,重さは800グラム以下,128GB以上のSSD,液晶サイズは11.3インチ」というスペックをクリアしてくれればいいかな・・・と。
- 【子どものような文字しか書けない大人が増殖中 米国】
以前,テレビで「アメリカでは筆記体を読めても書けない大人が増えている」というニュースを見たことを思い出しました。その背景には「学校で筆記体を教えなくなった」ことがあるらしいのですが,現在ではさらに加速していて,「字なんて手で書けなくてもいいから,キーボード入力できればいい」というのが常識になりつつあるとか。これを日本で言うと,「書道なんて要らない。きれいなフォントを選んで印刷すればいいだけ」となってしまいますが,旧世代の人間としてはさすがに違和感を覚えます。文字は情報であるが,美しい文字は芸術であり美そのものだと思うからです。それは多分,ヴァイオリンを弾く,ピアノを弾く,彫像を作る,詩を描くのと同じです。
- 昨日の夕方に載せた記事ですが,一部,加筆しました。
【首相“次の政権 与野党協力を”】
菅総理は「多くの国民が望んでいるのは、与野党が力を合わせ、震災からの復旧復興に全力を挙げることだ。与野党が国会で協力して物事を進める形を、大多数の国民が望んでいる」と仰られたようですが,この文章を読む限り,なぜ菅政権下では与野党協力ができなかったのか,という反省はないし,菅政権は震災からの復興に全力を挙げていなかったから次の政権では全力を挙げて欲しい,というふうにしか読めません。
というか,「国民が与野党協力を望んでいる」と解っているなら,なぜお前がそれをしない? わかっていたらやれよ! それとも「菅政権では与野党協力はしなくてよかったが,次の政権の時は与野党協力が必要になる」とでも詭弁を弄するつもりか?
要するに,どこまでも他人事のような演説内容です。この人には「反省」というものがないのです。
2011/08/11
【07:30】【06:30】
- 『とりぱん大図鑑』をつい買いそびれちゃって,見つけたら絶対に買おうと思ってはや数ヶ月。どこでも品切れで買えません。「モーニング」には重刷開始と書かれていたけど,一体どうなっているんでしょうか? 読みたいよぉ!
- 「外傷を湿潤治療している医師」,「熱傷を湿潤治療している医師」に,岩手県葛巻町の国民健康保険葛巻病院 小児科/小西峯生先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 「ミニエッセイ」をちょっとだけ更新。
- 【古代の昆虫、巨大化の謎に新説】
最近読んだ「ナショナル・ジオグラフィック」の記事で一番興味深かったのがこれ。石炭期(3億5900万年~2億9900万年前)に昆虫が巨大化した謎についての新説です。
この時期、羽を広げると1メートルにもなるトンボのメガニュウラなどとんでもないサイズの昆虫がいたことは化石から証明されていますが、なぜそこまで巨大化したのかについては「当時の大気中は酸素濃度は30%と高かったため巨大化した」と説明されていました。要するに、酸素濃度が高ければそれだけATPを効率的に作れ、体も大きくなれた、という説明です。
それに対し、「酸素は多ければいいというわけではなく、高濃度の酸素は生命体にとって毒物だ。その毒から逃れるために体を大きくして単位体積あたりの体表面積の割合を小さくし、結果的に体内の酸素濃度の上昇を防いだ」というのが、この新説の眼目です。
地球上の生命体にとって酸素は矛盾に満ちた分子です。人間は呼吸といえば酸素呼吸しか思いつきませんが、呼吸の本質は「電子の受け渡しでATPを作ること」であり,水素、二酸化炭素、硫黄など様々な分子が呼吸に使われています。酸素と他の分子との違いは、酸素が圧倒的に効率よく大量のATPを作れることです。
しかし、酸素は極めて危険な分子です。容易にスーパーラディカルを作り、それが遺伝子を直接破壊するからです。となると、石炭期の大気の30%を占める酸素は、よほどうまく扱わない限りメリットよりデメリットの方が大きかったかも危険な環境だった可能性もあります。そういう意味で,この新説は非常に魅力的です。
- 【指先サイズで容量128GBのSATA SSD サンディスク iSSD 発表、新規格 μSSD 採用】
何これ!? microSDカードかなと思ってしまいますが,これがなんと128GBのSATA SSDなのです。これを起動ドライブとして搭載したウルトラモバイルノートが作られたらすごいだろうな。
- 【再生エネルギーに頼らない脱原発は可能か?】
この手の記事・分析は非常に多いですが,ここでは「そもそも将来の電力需要は想定したものより縮小する。だから,結果的に脱原発でも間に合ってしまうかも」と結論づけるようです(次回,更に詳細な分析が続く模様ですが)。電力需要が縮小する根拠は次の通り。以上から,電力需要は経産省の計画より小さくなります。確かにこれで「脱原発でも電力不足なし」になりますが・・・。ううむ,日本はどうなるんでしょうか?
- 経産省の「需給見通し」は1ドル100~110円で推移していることを前提にしているが,現実はずっと円高である。
- そのため,輸出が減少し,製造業の海外移転が進み,国内生産が減少し,電力を使わなくなる。
- 実質GDP成長率を2%と想定しているが,これがそもそも破綻している。
- 【都会と田舎の星空の違いがハッキリわかる比較画像】
石岡の夜もかなり暗いけど,それでも [7] と [5] の間くらいじゃないかな? 明るい星はいくつか見えますが,[3] とは違います。そういえば,天の川をじかに見たのって,いつが最後だったでしょうか。
2011/08/10
【15:20】【12:00】
- 8月4日のこのコーナーで取り上げた下腿全体の熱傷患者さんですが,今日の診察でほぼ全て上皮化しました。普通に仕事もできているようでよかったです。
「こんなにきれいに治るとは思わなかった。もうケロイドとかにはならないですよね?」というので,「どうしてケロイドになるって思うの?」と聞くと,「一番最初に見てもらった総合病院の医者が,この火傷は絶対にケロイドになり,きれいに治らない,って説明したから」だそうです。そして,自分の足を見て「これだとあと少しで痕も残らず治りますよね。なんであの医者,ケロイドって言ったんでしょうか? 自分の治療なら絶対にケロイドが残るから,という警告だったんでしょうか?」と笑っていました。
ちなみにこの医者様は患者さんに,「この火傷は将来,皮膚がんになる」と断言したそうです。よほど,患者さんを脅すのがお好きなようです。
【11:30】
- 【写真が動く! gifアニメーションコンテスト! 】
gifアニメといえばRS-232で接続していた20世紀末に,超低速接続でも絵を動かせないかと生み出されたテクニックです。要するに一種のパラパラ漫画でして私も一時期,gifアニメ作りに凝ったことがありました。そんな「枯れた技術」を使って,こんなに素晴らしい作品が作れるとは!
【08:10】
- 【「世界初のウェブサイト」:WWW20周年】
世界で第1号のウェブサイトが産声を上げたのは1991年8月6日のことだそうです。もうそんなに経つのかという気もするし,まだ20年しか経っていないのか,という気もします。最初のブラウザ「Mosaic」が発表されたのは1993年ですが,翌年ころから国内のパソコン雑誌は「WEBとは何か,Mosaicで何ができるのか」のような特集を相次いて載せていたと記憶しています。そしてニフティやPC-VANが個人向けのネット接続サービスを始めるのが1994年で,Mosaicの進化系として発表されたNetscape Navigatorが発表され,次第に普及していったと思います(ちなみに,Internet Explolerの発表は1995年)。
私が個人でインターネット接続サービスを利用し始めたのは1995年暮れか96年初めの頃で,当時はリムネットで接続していました。そして,【超絶技巧的ピアノ編曲の世界 ー体育会系ピアニズムの系譜ー】という個人サイトを公開したのが1996年10月で,これが現在の本サイトの前身になります。1996年当時は個人が運営するサイトは存在自体がまだ珍しく,ホームページ作成ソフトは幾つか市販されていましたが使い勝手がはなはだ悪く,ほとんど「使えねぇ」ものばかりでした。
というわけで,ウェブサイトが誕生して20年,私がネットで音楽情報を公開し始めて15年です。考えてみるとずいぶん遠くまで来たものです。
- 【1850年に製氷機を発明した人】
1850年といえばショパンが死去した翌年,シューマンが亡くなる6年前です(・・・私はいつでも,音楽関係に結び付けて時代の雰囲気を感じ取るようにしています)。そんな時代に,患者の治療のために世界最初の製氷機が作った医師の悪戦苦闘の物語ですが,既存の塊氷業界の利害関係で潰され,50代になったばかりで貧困の中で亡くなったそうです。彼のような先人のおかげで,真夏でも冷たいビールが飲めるのです。
- 【おばマ屋敷】
松村画伯の筆,冴えまくっています。いつもながらうまいなぁ。
- 【ロンドンで暴動。リアル修羅の国】
8月7日からロンドンはすごいことになっていますが,その現場からの報告。ノリはほとんどフーリガン!
でも,暴動中でもスコーンを食べながらのティータイムの伝統はしっかりと守っています。これぞジョンブル魂・・・ってか?
【06:30】
- 【被災松、一転受け入れ 京都市、新たに500本取り寄せ】
放射能が全く検出されていない松を「岩手県の松を燃やせば放射能が出て京都市民の健康被害が起こる」という理由で拒絶した京都の冷たく心無い仕打ちを私は一生忘れないでしょう。
- 【首相退陣、月内にも正式表明…3条件整う公算】
条件は全部出揃いましたが,これでもまだごねるのかなぁ? 得意技が「とにかくごね続ける」ことしかない人だもんなぁ。
【民主党代表選の争点は消費税増税 決断を先送りする政治家たちの無責任】
そこで,次は誰かというレースが始まったわけですが,立候補すると目されている人物の政策を見ると,問題先送りと決断先伸ばししか頭にない人ばかりだね,というのがこの記事。与野党問わず,政治の世界から人材が払底しつつあります。
- 「外傷を湿潤治療している医師」,「熱傷を湿潤治療している医師」に,札幌市中央区の土田病院 副院長・外科/平池則雄先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 30代の患者さんが受診されました。7月20日に急性虫垂炎で某病院で手術を受けるも,術後数日で傷から膿が出て傷が開いてしまい,それ以降,[デブリ・創縫合]⇒[再感染・再創離開]⇒[再デブリ・創縫合]⇒[再々感染・再々創離開]・・・となり,3度目だったか4度目の縫合手術を提案されてその病院から逃げ出し,ネットを見て受診された患者さんです。
このような「傷が開いたから再縫合」がなぜ失敗するかについてはすでに説明したとおりです(ちなみにこの説明は2002年に書いたものなので,皮膚常在菌についての間違った記述がありますね)。3度目の正直という言葉はありますが,手術において3度目の正直はありません。2度縫合してもまた傷が開いたら3度縫合してもまた失敗します。失敗した原因を探らずに,小手先の工夫で何とかしようとするから失敗したのです。
こういう外科医にオススメするのは医学書ではなく,「戦争学」の本です。中でも,「失敗した時と同じ作戦を取るな。単なる兵力の増強は,新しい作戦ではない」というのが最も参考になります。
作戦が失敗したのは最初は兵力が足りなかったからかもしれません。しかし,同じ作戦が2度続けて失敗したら,それは戦力の問題でなく「戦術」の問題なのです。だから,戦術をそのままに戦力を増強してもまた同じ失敗を繰り返すのです。
- 「ミニエッセイ」をちょっとだけ更新。
- いつもの居酒屋でマスターと「そういえば,私らが子供の頃って,夏には決まって夕立ちがありましたね」という話になった。そうそう,夏と言えばギラギラの太陽と入道雲,そして夕立ち,これが夏の3点セットでした。夏は夕方になると決まって土砂降りが降り,通り雨みたいにパタッと止んじゃう。それが毎日のようにありましたね。
でもこの10年くらい,夏は何日も雨が降らず,降るのはピンポイント狙撃でもするようなゲリラ豪雨で,降らないところには全然雨が降りません。
ということは,今の子供達に「夕立ち」という言葉は存在しないんじゃないでしょうか。「夏の風物詩」として知識・言葉としては知っているけど見たことも経験したこともない自然現象のはずです。
- 【北大西洋で熱水噴出域を初めて発見】
熱水噴出孔から高濃度の硫化水素が噴出しているチムニーは,これまで太平洋で多数見つかっていますが,今回は北大西洋で初めての発見です。
これまでに知られている熱水噴出孔では硫黄バクテリアを中心とした生態系が作られていて,多数の生物が硫黄バクテリアを体内に共生させてエネルギーを得ていることが確認されています。そしてその中でスター的存在があのチューブワームです。今回の記事では熱水噴出孔付近の具体的な生物種についての記載はありませんが,個人的にはチューブワームがいるかいないかが気になります。巨大な陸地で隔てられた太平洋と大西洋では,深海底の生態系はかなり異なっているだろうと予想されるからです。
ちなみに,これまで太平洋のチューブワームについてはかなり調べられていて,孵化直後のチューブワームは体内に硫黄バクテリアなく,孵化後に硫黄バクテリアを飲み込む形で取り込んでいるだろうと推論されています。ところが,孵化直後のチューブワームが「口」を持つのは孵化後3日までであり,それ以降,口は退化します。つまり,孵化から3日以内に硫黄バクテリアを読み込めなかったチューブワームは熱水噴出孔では生存できないことがわかっているそうです。
2011/08/09
【16:20】【11:20】
- 【100均飲み会】
タイトルが全てを物語っていますが,100円ショップ(100均)で買ってきたお酒とおつまみだけで宴会ができるか,という試みです。すごく楽しそう! それにしても,これだけ多彩で美味しそうなおつまみ類や食べ物が全部100円とは!
ちなみに,16品を購入して3人で宴会していますので,一人あたり500円! 100均,恐るべし!
【10:20】
- 【忘れてしまったWindowsマシンのパスワードを解析する】
転ばぬ先の杖,というわけで,早めに起動・解析ディスクをつくておくべきですね。
ちなみに私は,Windows起動時のパスワード入力をすっ飛ばす設定にしていますので,普段パスワードを入れることはありませんが,ログオフした時などはパスワード入力が必要になり,ちょっとアセッたりします。「起動時のパスワード入力を不要にする」方法は次のとおりです。[ファイル名を指定して実行] ダイアログに "control userpasswords2" と入力。設定画面が開いたら、自動ログオンしたいユーザーを選択し、[ユーザーがこのコンピューターを使うには~] のチェックを外す。[OK] をクリック。自動ログオンの設定画面が開くのでパスワードを入力する。
- 【ペットボトルで育てるトマト、その名も『ペットマト』】
これはちょっと面白そう。でも,自由研究には間に合わないかな?
【07:15】
- 【人気シェフ、炊き出しで腕を振るう】
いい記事です。「料理人は誇りを持ってもいいのですが、プライドを持ってはいけません。プライドを持ちますと、人の話を聞かなくなるからです」という言葉は深く,すべての職業に通じるものでしょう。医者とか看護師とか・・・。
【06:50】
- 「ミニエッセイ」をちょっとだけ更新。
- 10代半ば頃から40年間,ずっとジーンズを履いてきましたが,一番多く買ったのはボブソンだったかもしれません。そんなボブソンが「3.11」の影響などもあって営業不振となり,会社更生法を申請したのが今年5月のことでした。そうか,あのボブソンも潰れちゃったんだ。
そんなニュースも忘れかけた頃,楽天でボブソンのソフトジーンズを発見。これって本物だよね,と思いつつ注文! 買ってよかったです。あの懐かしいボブソンの感触そのままで,作りもしっかりしています。数百円で買える某PBジーンズとは雲泥の差。股上が深めなのも好みです。
私は31インチ(・・・小デブと呼んでくれ!)を買いましたが,長さもピッタリでした。もう2本くらい,買っとくかな。
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価格:2,500円(税込、送料別)
- 「皮膚科治療の常識・非常識」シリーズに「薬効と治療効果は一致しない」を追加。
- 昨日は新潟市のくらしま内科クリニック院長 倉島先生が見学にいらっしゃいました。なんと,半年前まで湿潤治療のことも私の名前も知らなかったそうですが,ひょんなことから私のサイトを知ることになり,「生きているうちに一度この目で湿潤治療を見なければ!」と思い立って見学に来られたそうです。多種多彩な患者さんをお見せすることができて本当によかったです。
- 【水不足は脱塩技術で解決できるか?】
以前からこのコーナーで何度か「水問題」を取り上げていますが,「真水がないのなら,海の水を真水にして飲めばいいじゃないの」計画の難しさを取り上げているのがこの記事です。特に最後の「脱塩プラントから排出される高濃度塩水の処理」は原発の廃棄物と同じで,根本的な解決法が見つからない可能性が高いと思います。
ちなみに,こういうのを読むといつも思い出すのが「世界中の大気や海を球状にして地球と比べるとこんな感じ」という記事です。広大無辺に見える太平洋などの大海原の水(=地球上の水の99%以上を占める)を集めると,たったこれだけにしかならないのです。つまり,地球上の全ての海水を淡水化できたとしても,得られる水はこれが上限です。その事実に慄然とします。
2011/08/08
【17:30】【06:30】
- 夏休みに入ってから患者さんが多いですが,今日も朝から夕方までで60人! しかも1/3以上が新患! 外来見学にいらっしゃった先生がいましたが,雑談をする暇もありませんでした。
- 【地獄のような光景…ゴミに埋もれてしまった世界遺産ナポリ】
ゴミ処理場の不足等の原因から,ナポリがとんでもないことになっています。まさに地獄絵図です。
- 8月27日の神戸での外来小児外科学会にちょっと顔を出しますが,前夜(8月26日),懇親会を開催します。参加ご希望の方は8月24日までにメールでお申し込み下さい。なお,一般の方も参加可能です。
- 《プロレスで流血専門のレスラーは、「ゆで卵の薄皮を傷口に貼って傷口を治す」と聞いたことがありますが,どうなんでしょうか?》という質問に回答しました。
- 近くの本屋さんでたまたま見つけて買ってみたのが『地図だけが知っている日本100年の変貌』です。2009年に出版された本ですが,これが結構拾い物。全国47都道府県でそれぞれ1つの地域に着目し,そこがどのように変化してきたかを地図で示しているのですが,とても面白いです。明治神宮が畑のどまんなかにいきなり作られた様子,京都の伏見の南にあった巨大な池が忽然と姿を消した様子,市町村合併によらず15年で4倍の面積を獲得した浦安の様子など,どこを開いても話題満載。何より,昔の地図と現在の地図の表示位置と縮尺をしっかり揃えてあるので,変化は一目瞭然です。ちなみに茨城県で取り上げられていたは「畑に忽然と出現した未来都市」の変遷でした。「ブラタモリ」が好きな人には絶対オススメ!
- 【各地で猛暑 激しい雨や落雷も】
以前にも書きましたが,脱原発も原発なき社会も結構ですが,原発を停止させるのは10月からでよかったと思います。なんでこんな猛暑の真っ最中に原発を止めちゃったのかなぁ。猛暑が過ぎてからゆっくりと停止させてもよかったと思うよ。
- 【ブームに沸く日本の新幹線に死角はないか? 中国の高速鉄道事故が暗示する「不透明な未来」】
新幹線は高度成長期を支え国の反映を支えたバックボーンの一つですが,今後の日本は人口が減少し,高い経済成長も望めなくなります。そうなると,高度な技術が注ぎ込まれた新幹線は維持費だけかかるが,それに見合った経済効果をもたらさない設備となります。かつては「新幹線駅ができれば経済が活性化する」という期待がありましたが,東北新幹線や秋田新幹線,山形新幹線の現状を見るとそれが幻だったことがわかります。
となると,海外に新幹線を売り込もうということになりますが・・・というのがこの記事の内容。
2011/08/05
【15:10】【12:00】
- 【Q&A:ビル・ゲイツ、世界のエネルギー危機について語る】
さすがはビル・ゲイツ,という内容です。人類文明におけるエネルギーの本質,原子力発電の問題点,バイオ燃料の問題点,太陽光発電の問題点などを理路整然と説いていて,一読の価値があります。
【07:00】
- 【山形の夏の味、だしを作ろう】
夏の山形のソウルフードといえば「だし」です。冷奴にかけたり,冷たい蕎麦に載せたり,ソーメンに載せたりして食べますが,さっぱりしてとても美味しいです。
【06:30】
- 【吸血コウモリに血管を感知するセンサー】
このセンサーがあったら,点滴を入れたり採血するのがすごく簡単なんだろうな,って思っちゃいますね。何しろ,血管のある場所が最初から解っているわけですから。
ちなみに,第3段落に「顔面神経」とありますが,これは三叉神経か眼窩下神経の間違いじゃないでしょうか。
- 【子猫が拳法使いのような身のこなしで鏡の自分と戦う】
【森からやってきたクマの子供たちが犬と出会った、そして相撲を取った】
きゃ,きゃわいい! クマって本当に相撲をとるんだ!
- 夏休みに入り,県外から受診される患者さんが増えてきました。昨日も「片道3時間かけて来ました」という患者さんが受診されましたが,治療自体は2分で終わるし,治療法についての説明もせいぜい2分で終了します。何しろこの治療は,素人にだってできる簡単な治療ですから,2分以上することがないのです。そんな簡単な2分間の治療のために,往復6時間かけて受診される患者さんを見ると,申し訳ないです。「スミマセン! こんな簡単な治療を受けるためにわざわざ遠くから来てもらって・・・」といつも謝ってばかりです。
私のサイトには,私と同じような治療をしている医師の一覧がありますのでそちらを受診されてもいいですし,近くに医者がいない場合でも電話かメールでご相談いただければ大概の問題が解決します。何もわざわざ,茨城の田舎までおいでいただくほどのことはありません。
繰り返しになりますが,湿潤治療は治療効果は圧倒的ですが,治療自体は素人でもできる簡単なものです。
- 《検屍官 アイ・オブ・ザ・デッド》という映画を紹介。オカルト系ホラー系サスペンス映画ですが,やけに印象が薄くて,ストーリーを思い出すだけでも大変でした。まぁ,そういう映画です。ちなみに《オブ・ザ・デッド》という邦題がつけられていますが,ゾンビ映画ではありません。
- 【子ども手当廃止、批判相次ぐ=鳩山氏「理念失う危機」―民主】
この期に及んでも,ルーピー鳩山さんは子ども手当に未練タラタラです。「マニフェストが素晴らしかったから政権交代が起きた」といまだに考えているようです。
民主党が政権についてもう2年も経過したのだから,子ども手当を含めたマニフェスト全体について民主党はそろそろ総括すべきではないかと思います。例えば,子ども手当は次のどれなんでしょうか。
- 政策としては正しく施行すべきだったのに,景気が悪く予算が足りなかったから実行できなかった。政策としては正しかったが,民主党が政権を取った時期が悪かっただけ。
- 政策としては現実味に乏しく机上の空論だった。最初から無理があった。
- 政策としては現実味に乏しく机上の空論だった。しかし,理想としては正しいので頑張って実現させるべきだ。
- 民主党マニフェストについて以前にも書いたことですが,政権交代当初の民主党の面々は,「総選挙で民主党に投票した人は,民主党のマニフェストの全項目を支持し,マニフェストを実現してほしくて投票したのだ」と思っていたようです。鳩山さんなんかはいまだにそう考えているようです。
しかし,民主党に投票した人間の間でも,個々のマニフェストについては賛否両論です。マニフェストの各項目は玉石混交だからです。すぐにでも実現できそうなものから,自民党に対抗するために作った財源の裏付けを欠いたマニフェストまで乱雑に並んでいました。しかし,選挙ではその各項目に対して賛成・反対を表明することはできないのです。政党に対して投票するしかないので,十把一絡げにマニフェスト全部を肯定するか否定するかの二者択一しかありません。このマニフェストには賛成だがこっちのマニフェストは反対,という意思表明はできないのです。
どうもそのあたりが,民主党の皆さんにはわかっていないようです。
2011/08/04
【07:30】【06:30】
- 【ポストイット35万枚と5ヶ月の期間をかけて製作した壮大なアニメーション】
これはマジ,すごいです。感動!
- 【首相の賞味期限はなぜ1年か 安定政権阻む「制度」と「人材」の壁】
私は以前から,政治の分野だけで人材払底が起きている,政治家を養成するシステムがなくなったことが根本問題,と書いてきましたが,この記事でも同様の指摘をしています。なぜ首相が1年しか持たないのか。理由は「参院に強大な権力を持たせすぎたこと」であり,小選挙区制であると明確に論じています。
本文中の「街頭での辻立ちやテレビで正論を吐くことで、政治家としての務めを果たしていると誤解している議員は少なくない」という指摘は痛烈です。政治家としての実務能力に求められるのは別物です。求められるのは経営能力・調整能力です。要するに,会社社長や病院長の能力と同じです。
例えば,菅さんが病院長だったらその病院はどうなるかと考えると,思いつきで見聞きしたばかりの新治療に手を出して医療事故を起こすとか,怪しげな経営コンサルタントに引っかかってしまうとか,そういう悪い予想しか想像できません。
問題は「菅さんに辞めてもらった後に誰を院長にするか」と考えた時,「新病院長」の顔が民主党内で思い浮かばないことです。院長に据えたらすぐに病院を潰しそうな顔ぶればかりです。
- 「皮膚科治療の常識・非常識」シリーズに「有害な基剤」を追加。
- 昨日また,ある病院の皮膚科から熱傷患者さんが逃げてきました。この病院からは毎週,数人の患者さんが逃げてきますが,今週はすでに3人目です。
今回の患者さんはその病院での治療に怒り心頭で,「若い医者が何の説明もなしにいきなり水ぶくれの皮と取るんですよ。何かするんだったら説明するのが常識でしょう? 患者を人間扱いしていません。その後,軟膏ガーゼを当てるんだけど,それがすごく痛くて,居ても立ってもいられないくらい痛い。痛みで唸っていたら家族が,その病院じゃダメだ,全然痛くない治療をしている病院がある,って教えてくれて・・・」と憤慨していました。
まぁ,毎度毎度,こういう話を患者さんから聞かされますが,気になったのはこの皮膚科の若い医者(研修医?)がどういう思いで治療をしているんだろうか,ということです。
私は全国各地で研修医たちと話す機会がありますが,湿潤治療を知らない研修医はほとんどなく,全く知らないという研修医はごく稀です。ということは,上記の「若いお医者さん」も同じでしょう。湿潤治療について全く知らないという確率は極めて低いはずです。
しかも,大学の同級生たちと連絡を取りあう機会もあるでしょうが,その際,「そっちの病院はまだ軟膏ガーゼで熱傷治療しているの? こっちは湿潤治療だけど,簡単に治るし痛みもないし,処置も簡単だよ。お前もやってみればいいのに」なんてやり取りだってあるはずです。そんな時,彼の心境はいかばかりだろうと思うのです。同じ研修医なのに,自分だけ取り残されているような寂しさは感じていないのでしょうか? そして翌日,受診予定の患者がいきなり来なくなったことをどう思っているのでしょうか?
- 肉牛・野菜セシウム汚染問題だが,基準値を超える値だ,○○シーベルトだ,と報道するのは意味がないような気がする。具体的にどのくらい危ないのか,という情報がないからだ。
例えば「この牛肉を毎日1キロ,10年間食べ続けた場合のガン発生率は,1日10本のタバコを10年間吸ったガン発生率より低いです」とか,「この腐葉土で育てた野菜を毎日1キロ,10年間食べ続けた場合の死亡率は,毎日お酒1合を10年間のみ続けた場合の死亡率と同じ」とか,そういう風に伝えるなら意味がある。放射能がゼロにできないことが明らかになった以上,それがどの程度危険なのかが必要な情報だからだ。
その牛肉を食べたらすぐに死ぬのか死なないのか,ガンができるのかできないのか,できるとしたら何年後なのか,それはどのくらいの確率なのか,そういう情報が必要だと思う。
人間の死因が放射能だけだったら放射能の数値に一喜一憂するのは意味があるし,ガン発生の原因が放射能だけだったら放射能だけを遠ざけることに意味がある。しかし,人間の死因は放射能だけでないし,放射能だけが発ガン性を持つわけでもない。放射能は一つの原因にすぎないのだ。
だから,放射能を100%シャットアウトしたとしても人間はガンになるし,癌にならなくても他の原因で死ぬことがある。他に多くの死因があり,多くの発ガン性物質があるからだ。
- 日本語に英単語を交えて書くことがあります。例えば,「遺伝の本質は DNA であり・・・」なんていう文章です。こういう場合,日本語入力の最中でも [Shift]キーを押しながら入力すると半角入力になって "DNA" となることは皆様ご存知のとおりです。
ところが時々, [Shift]キーを押しているのに"DNA"と全角入力になってしまうことがないでしょうか。私は,それまで半角英文字で入力できていたのに何かの拍子に全角英文字入力となってしまい,「Shiftで半角入力」に戻せなくて困ったことがあります。同様のトラブル(?)をネットで調べてみても対処法が見つけられません。
そしたら,偶然,解決法を見つけてしまいました。
- [Shift]でDNAと全角入力になっちゃった。
- 直ちにスペースキーの右側の[変換]キーを押す
- 変換候補が表示されるので半角の「DNA」を選択する。
これだけでした。
2011/08/03
【07:45】【06:50】
- 【街行く人を認識し,ソーシャルメディアからプライバシを引き出す研究】
実験的に可能ということは,数年以内に実現するということです。顔認識のソフトの機能が向上すれば,監視カメラに写った人間の氏素性,個人情報,政治的信条など,Facebookやその他のSNSに入れた情報はすべて引き出せるということです。そうなったら「素顔で歩くのは危険」,「外を歩くときは変装が必要」となりますね。
Facebookは確かに便利だし,どんなものにも光と影,メリットとデメリットがあります。また,技術はどんどん独り歩きして時に暴走するのも世の常です。その暴走が次世代の「便利」を作るわけですが,それが新たな「不便(例:変装しないとおちおち外も歩けない)」を生んだりします。問題は「便利」が必ずしも「幸福」と結びつかない点にあります。
- 11月18日(金)に国立病院機構静岡医療センターで講演することが決まりました。
- 「皮膚科治療の常識・非常識」シリーズに「外用剤の基剤の問題点」を追加。
- 先日,ちょっと紹介した『地震の癖 ーいつ,どこで起こって,どこを通るのか?』についてのレビューを追加。
2011/08/02
【15:30】【06:30】
- 【アインシュタイン伝記本回収 機械翻訳使いひどい訳になった?】
この本,読みたくないですか? 物理学者マックス・ボルンの名前を「最大限にする」なんて,「めちゃイケ名物・抜き打ちテスト」級の超絶的翻訳ですよ。「この文章を読んで,元の英文を類推せよ」なんて問題も作れますね。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,東京都世田谷区のいとう整形外科/伊藤邦成,蔵本理枝子先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- アメリカンドリームを夢見て米国に渡った二人のイタリア移民の兄弟が,一発逆転を狙って乾坤一擲,驚愕のイタリア料理を作る・・・という映画,《リストランテの夜》を紹介。とてもいい映画です。そして何より,伝説のイタリア伝統料理「ティンパーノ」が圧倒的に美味しそうです。
- 『めしばな刑事タチバナ』第2巻発売! いやぁ,こちらも第1巻に負けず劣らず,むちゃくちゃ面白いです。
テレビコマーシャルすらしていないのに,袋入り生焼きそばで35年以上にわたってトップセラー商品である「マルちゃん焼きそば3袋パック」の秘密とか,牛丼三国志(「魏」の吉野家,「呉」のすき家,「蜀」の松屋)にみる興亡の歴史とか,あまりにディープで詳細・精緻なデータ分析には感動を覚えます。この漫画,スゴすぎます。
それにしても,「はなまるうどん」,たい焼きの「一口茶屋」,回転寿司の「海鮮三崎港」の共通点なんて,全然気が付かなかったよ。
- 【国が破綻するどころか,むしろ再建がスムーズに? ソブリン危機で恐怖が一人歩きした「デフォルト」の真実】
1週間ほど前からよく耳にする言葉が「デフォルト」ですが,この記事を読んでようやくデフォルトの意味がわかりました。なるほど,10年ほど前のアルゼンチンとか韓国はまさにデフォルトだったんですね。
- 【「なでしこ」に国民栄誉賞=2日に発表―政府】
「なでしこ」が国民栄誉賞を授与されるのは当たり前だけど,菅さんがそれを授与するのだけはいや,というのが大多数の意見じゃないかと思います。「広く国民に敬愛され,社会に明るい希望を与える業績があり」というのが国民栄誉賞ですが,それを授与するのが「国民から全く敬愛されずに広くウザったがられ,社会を暗くすることしかせず,業績はほとんど皆無」というお方では・・・。
2011/08/01
【14:00】【08:00】
- 【<中国高速鉄道事故>次官「埋めていない」 証言と食い違い】
世界中から失笑を買いまくっている鉄道省次官様のお言葉ですが,ちょっと言葉足らずだったようですので,勝手ながら補足させて頂きます。多分,発言の真意は次のどれかでしょう。
- 穴を掘ったら電車が勝手に飛び込んだだけだ。電車は事故を起こしたことを恥に思い,日本で言う「穴があったら入りたい」心境だったと思われる。我々はそれを止めたが,穴に入りたいという電車の意思が固かった。
- 「埋める」というのは車体の上に土をかぶせて見えない状態にすることだ。今回の場合は車体の一部が露出しているので「埋める」ではない。
- 君たちが「うめたか?」と質問したから,私は梅太氏なる人物のことと思い,覚えがなかったので「梅太?」と答えたのだ。「埋めた」とは言っていない。
- 私は「(犠牲者の中に)梅手(なる人物は)いない」と言っただけ。「埋めていない」とは言っていない。
- 私は名古屋弁で「うみゃぁていかんわ」と言っただけで,「埋めて遺憾」とは言っていない。
【06:30】
- 【上村愛子さんも購入! 隠れた“名産品”岩手のおばあちゃんのニット】
「美味しく食べて東北支援」シリーズの9回目。ショップは東銀座駅近くです。個人的におすすめは銀河高原ビール!
- 【鉄道事故は中国経済の縮図】
要するに,信号機もなく,車道と歩道の間にガードレールもない狭い道路を,ブレーキは壊れているけれど時速350キロ出せる車が突っ走ったようなものですね。
前にも書きましたが,ライト兄弟は「飛行機が飛ぶのは簡単だ。難しいのは空中での姿勢制御と安全な着陸だ」と考え,風洞実験を繰り返したそうです。一方,彼らのライバルたちは「飛び立つためには強大なエンジンが必要」と考え,エンジンの開発ばかりしていたそうです。結局,先陣争いで勝利を収めたのは,徹底した安全飛行,安全着陸にこだわったライト兄弟でした。
- 「皮膚科治療の常識・非常識」シリーズに「外用剤の有効性は本当に確かめたのか?」を追加。なんだか,どんどんヤバイことを書いているような気がします。
- この週末で一気に読んだのが『地震の癖──いつ,どこで起こって,どこを通るのか?』 (講談社+α新書) (講談社プラスアルファ新書)です。書かれていることが正しいかどうかは別にして,とても面白い本です。これが正しいとすれば,まさにパラダイムシフトです。
出版されたのは2009年ですが,マントルトモグラフィから得られた膨大なデータと元に,従来からの「マントル対流によるプレートの移動によって地震が起きる」という常識,つまりプレート・テクトニクスを全面否定しています。おいおい,大丈夫か? と言いたくなりますが,その根拠として次のようなものが挙げられています。では,何が地震を起こしているのか。それは地球の外核(6,000℃の液体鉄でできている層で,個体鉄の内核を取り囲んでいる)からマントル層に噴き上げている2本のスーパープリュームであり,それによって地殻下にもたらされる熱エネルギーです。スーパープリュームの存在は1990年ころから確認されていて,その熱エネルギーがどのような経路で伝わるのかも詳細にわかっています。そして,日本を含む環太平洋地域,黄河中流域,イタリアからトルコに至る地域の地下50kmが高温域となっていて,地震多発地域と見事に一致していますし,なぜこの地域の地下だけが高温なのかも明快に説明されています。
- そもそもマントルでは従来理論のような対流は起きていない。
- マントル対流が起きていると仮定しても,マントルとプレートの摩擦力だけではプレートは動かないことは物理的に証明されている。
- 太平洋プレートとユーラシアプレートは接近しているように見えるが,実は時計回りに回転しているだけ(これは観測データから証明されているらしい)。
- プレート境界で地震が起きているのは事実だが,中国の黄河中流域(例:2008年の四川大地震)のようにプレート境界から数千キロ離れたところで地震が多発している理由を説明できない。
- そもそも,大陸移動説自体に無理がある。
現在,レビューを書いている最中です。しばし,待たれい!
- 【地球のトロヤ群小惑星,初めて見つかる】
記事を読むとラグランジュ点のL3にあるという解釈でいいのかな?
- 【薬で若返る高齢アカゲザルの脳】
8月29日付の「ナショナルジオグラフィック」の記事です。詳しいことは記事を読めばわかりますが,記事中の「年をとって物忘れしやすくなったら,薬を飲むのでなくメモを書くだけでいいのでは?」というツッコミが好きです。
いずれにしても,最近の研究を見ると年をとっても体が老化しないように,老化しても記憶力が衰えないように・・・という方向に進んでいます。老化しない年寄りばかりの社会って本当に幸せな社会なんだろうか,若者にとっては「歳も取らない,老化もしない老人」ばかりウジャウジャいる社会は生きづらくないだろうか,なんて思ってしまいます。多分,私がまだ本当に「老化」していないから,そういうふうに考えるのかもしれません。