　今日は午後7時から「豚皮揚げを食べる会」です。
　なお，8月以降の開催が決まっていません。「私，幹事やりますので開催しましょうよ」という人は勝手に名乗りを上げて，ご連絡下さい。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0627-06:00-1）

　「桂歌丸師匠の腸閉塞」についてのメールです。

　呼吸器内科医です。
　歌丸師匠について、専門的な立場から申します。
　5年以上前から、歌丸師匠は肺気腫（≒COPD≒タバコ病）から気管支炎を悪化させ入院したという記事を見かけます。COPDの急性増悪というやつです。
　これを繰り返すと、どんどん身体機能は低下していきます。元々痩せ型でいらっしゃる上に、COPDのためサルコペニアが進行して筋肉量も低下しているのはテレビを拝見すると明らかなようです。
　やせて褥瘡や上巻膜動脈症候群を来すことの根底には、喫煙によるCOPDがあることは確実です。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0627-06:00-2）

2015/06/26

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0626-06:00-1）

　「桂歌丸師匠の腸閉塞」についてのメールです。

　歌丸さんの件ですが、記事から推測すると上腸間膜動脈症候群ではないでしょうか。もともと痩せている人が、何らかの侵襲などによってさらに痩せると、上腸間膜動脈と腹部大動脈の間に十二指腸がはさまれて、腸閉塞の症状が出ます。
　私のように高齢の重症者を診ていれば時折遭遇する病気ですが、医師全体で言うと、殆ど診たことがない人も多いのではないでしょうか。
　今回も、手術前は普通の食事をされていたのでしょうから、術後にこの状態になったから医師が悪いというのは、酷な気がします。ただ、手術が必要であったのか、という点は疑問が残りますが…。
　早期に回復されることを願っています。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0626-06:00-2）

　ちょっと前から「ノマド（nomad）」とか「ノマドワーキング」という言葉がネットに登場するようになりました。「IT機器を駆使してオフィスだけでなく様々な場所で仕事をする新しいワークスタイル」という意味でして，公共LANが使えるところ（例：スタバなど）でノートパソコンを開いて仕事をし，共有サーバーにデータをアップロードして仕事完了，なんていう仕事の仕方です。
　で，私はその更に一歩先を行っていて（？），「街中，どこでもノマド」を実践中！持ち歩くのはスマホのみです。

◆	以前は，両手タッチタイピングができる小型マシンで文章書きをしていたが，これだと「座らないと仕事ができない」ことに気付いた。
◆	自宅では立って仕事をしているため，自宅同様，立って仕事をすればいいだけのこと。
◆	糖質制限開始以来，スタミナが付き，何時間でも立っていられるようになった。座らないほうが腰も背中も楽！
◆	歩いていて，新しいアイデアが浮かんだら，その場でスマホに入力。長時間立ち止まれるところ（例：駅の片隅など）に到着したら，そのアイデアを敷衍した文章を書き留める。
◆	長時間立っていても疲れないため，人の邪魔にならない小さなスペースがあれば，そこが仕事場になる。人目を気にしなければ，1時間でも2時間でも立ったまま本の原稿書きができる。
◆	スマホの日本語変換（予測変換）はかなり優秀。「使った文字列」を優先して表示する機能も，同じ文字列を繰り返し使うことが多い科学論文では非常に便利。
◆	「スマホは入力マシン」，「ノートパソコンは修正マシン」と使い分ける。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0626-06:00-3）

2015/06/25

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0625-06:00-1）

　先日，幻冬舎の編集者から「光文社新書のあの2冊を書いた著書の先生に是非会ってみたい」とのことで，このお店で食事をしながら四方山話。「自分の書いた本のお手軽コピペ本は絶対に書かない物書きです」と自己紹介したら，「多分，そういう方だろうと思っていました」とのこと。
　そして，頂いた本。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0625-06:00-2）

　「桂歌丸師匠の腸閉塞」についてのメールです。

　あれ？・・・ふと気付いてしまいました。このHPをご覧の糖質セイゲニストの皆さんには分かるはず。

>この日から脂肪を増やすために、鼻から脂肪を注入し始めたという。

　えっ？脂肪を注入しても皮下脂肪にはなりませんが・・・逃げろ～、歌丸さんっ！
　誰か、退院させてあげて～！歌丸さんが、危ない。みんなで助けなきゃ！！！

　歌丸師匠の件ですが、もう他からご指摘があったと思いますが、上腸間膜動脈症候群と思われます。
　急激に痩せた患者さんでは、時折みられる病態で、私の20年余りの循環器内科中心の臨床生活でも、（大した数はこなしていませんが）2例経験があります。
　人間のからだって、立体的に関連しながらうまく機能しているものだなあ、と思うと、腸内の細菌達と共存しつつ栄養を吸収している立体感にもリンクしているような気がしてしまいます。私だけかもしれませんが。

　歌丸師匠のけんですがおそらく上腸間膜症候群の事だと思います。
　　　　⇒Wikipedia
　　　　⇒mymed

　痩せすぎて血管が腸を圧迫して腸閉塞になることはまれですが実際に遭遇することがあります。
　上腸間膜動脈症候群といわれる病態です。上腸間膜動脈は十二指腸の真上を通って小腸に分布します。極度にやせた方は上腸間膜動脈周囲の脂肪（通常クッションの役割をしている）が少ないため十二指腸を圧迫して腸閉塞をきたすことがあります。
　透視を行うと上腸間膜動脈部から先に造影剤が流れません。
　保存的な治療で治ることが多いですが、改善しない場合には圧迫解除の手術が必要な場合があるといわれています。
　私もこれまで数例の経験がありますが、全例保存的に改善しました。

　これは病状と記載から見て上腸間膜動脈症候群（痩せ過ぎでSMAが十二指腸を圧迫することによるイレウス）だと思われます。
　最初の投稿者の手術が悪いような書き方や先生の外科医の都合の悪いいいわけ的書き方をされると外科医（正確には小児外科医）としてあまりに残念でありメールさせていただきました。
　病態は痩せ過ぎによるものですので、治療は太らせること、あるいは手術（十二指腸空腸吻合など）となります。痩せたのへ外科医の管理が悪いと言われればそれまでですが、過剰な痩せ過ぎはKのような病態を引き起こす可能性があることも認識していただきたいと思います。

　私も糖質制限をしている身ですが、個人の病態を考えずにあのような投稿をさせる方がいるのが残念で、ああなると宗教としか言えなくなってしまいかけないのが残念です。

　当医局での雑談では、「上腸間膜症候群」ではないかという話になりました。血管によって十二指腸水平脚の圧迫が起き、閉塞が起こる病気です。
　マスコミの書き方では、わざわざ「十二指腸閉塞」とは書かないでしょうし・・・

　それよりも気になったのが、「脂肪製剤の経鼻注入」の記載です。
　歌丸さん、また元気な姿を笑点で拝見することができるんでしょうか・・・

　歌丸師匠ですが，血管が腸を圧迫とは　上腸間膜動脈症候群ではないでしょうか。症例報告はしませんでしたが，一例だけ（サブ受け持ちでした）経験があります。
　腸閉塞？と言うのとは違うかもしれませんが。

　上腸間膜動脈症候群ではないでしょうか？

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0625-06:00-3）

　「中京病院部長逮捕」についてのメールです。

　　⇒中京病院形成外科部長を逮捕　診療所を不正に開設した疑い

火災や事故などで熱傷を負った患者は、皮膚の移植手術や、運動機能を取り戻すためのリハビリが必要になる。
傷痕によって容貌（ようぼう）が変わってしまう場合もある。容疑者はそんな患者や家族を支援する「熱傷フェニックスの会」の活動もしていた

　中京病院は日本最大の熱傷センターを擁する名古屋の病院ですね。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0625-06:00-4）

2015/06/24

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。全て広範熱傷のその後です。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0624-06:00-1）

　「歌丸さん」についてのメールです。

　歌丸さん、腸閉塞だそうです。術後の合併症ではないでしょうか。麻酔方法が気になります（腰麻、局麻、全麻）。
　老人を寝かしつけると碌なことが起きません。このまま寝たきりになる可能性もありそうですね。
　やはり、誰か手術前に止めてあげる人がいれば・・・残念。

　ところで、痩せすぎで血管が腸を圧迫ってどういうことでしょう？意味不明です。
　　　　　⇒【入院中の桂歌丸、腸閉塞だった…痩せすぎが原因、退院めど立たず】

　体調不良により１４日から神奈川県内の病院に入院している落語家、桂歌丸（７８）の病名が腸閉塞だったことが２２日、分かった。
　関係者によると、痩せすぎているため血管が腸を圧迫していることが原因。歌丸は現在、アメをなめているぐらいで、きちんとした食事ができておらず、この日から脂肪を増やすために、鼻から脂肪を注入し始めたという。退院のめどは、まだ立っていない。
　歌丸は１日に床ずれにあたる背部褥瘡（じょくそう）の手術を受け、９日に退院したが、胃腸の不調で１４日に再入院し、検査を受けていた。

　治療中にトラブルが起きた時，「治療はうまく行ったのですが，患者さんが〇〇だったため，思わぬトラブルが起きました」と説明するのは，医者・医療者の常套手段です。つまり，「自分は悪くない。トラブルの原因は患者自身だ」と言いたいわけですね。今回の歌丸さんの場合，医者は「〇〇＝痩せすぎ」と説明（＝言い訳）したわけです。医者ならこの説明に「変だな」と思いますが，素人やマスコミは騙せます。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0624-06:00-2）

　「マゴットセラピー」についてマミ皮フ科クリニックの岡田先生からのメールです。

　私は湿潤治療に関して夏井先生にいつもお世話になっている古参の不肖の弟子です。
　マゴットセラピーについては主に医師向けに学会での講演、研究会の開催、論文随筆などによって啓蒙活動に細々と努めています。

　なぜ私がこの10年間マゴットセラピーに関わっているかと申しますと、既存治療では足潰瘍が治らない患者さんに対して有効な場合があり、下肢切断救を回避できる可能性が少しでも残されているからです。ただし血流の悪い場合は他の治療と同じように治癒率は低くなり、残念ながらすべての人を救えるわけではありません。その際は血流を良くするための血行再建という治療が最優先となります。血管外科や循環器内科などで行われます。マゴットセラピーをしていいのか適応の判断が必要です。患者さんはみな自分の下肢が残されるか必死なので、治療する側も全力を尽くします（実際に治すのは虫なんですが。）したがってこの治療で収入を得ようとする医師は一人もいないと信じています。

　しかしメールでご指摘の通り一般の方にはきちんとした情報が届いていないのが現状です。マゴットは夏井先生がおっしゃるようにヒルのように気まぐれではありません。私たちに痛みをあまり与えず一生懸命デブリ（壊死組織という腐った部分を除くこと）をして感染を抑えてくれます。生まれたてのマゴットは2ミリ前後の大きさで、小さくてかわいいです（2日後には大きく成長していかにもウジ虫になりますが）。それほど気持ちが悪いものでも恐れるものでもありません。

　お叱りの声をしっかりと受け止め、さらに効果的な周知活動を続けていこうと考えています。きわめて小さな歩みですが、いつか荒野が一面のお花畑になればと願っています。
　どうもありがとうございました。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0624-06:00-3）

2015/06/23

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。いずれも，長期観察例のその後です。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0623-06:00-1）

　11月14日（土）に医療法人社団めぐみ会で湿潤治療の講演を行うことが決まりました。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#）

　東洋経済新報社の編集者から面白そうな新刊が送られてきました。『だれが修復腎移植をつぶすのか　日本移植学会の深い闇』は面白そうです。あと『美貌の格差』もすごいタイトルです。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0623-06:00-2）

　「マゴット（ハエの幼虫）セラピー」についてのメールです。

　昨日（6月22日）の記事の中に、ウジ虫治療の事が書かれていましたね。早速読ませていただきました。ネットや本の情報とはまた違って、とても詳しく書かれており、大変勉強になりました。
　マゴットセラピーは、まだまだ広く一般には知られておらず、知らないままで足を切断せざるをえなくなる事も多いと思います。
　マゴットセラピーに関して、少しだけ愚痴を言わせていただくなら、色々勉強しようと思っても、セミナーなどもあまりなく、施設見学も厳しく、少し残念です。
　立派な文献も大変勉強になりますが、それ以上に、私としてはウジ虫をもう少し身近に感じられる方が、参考になります。
　ウジ虫治療を知らない人に、ウジ虫治療の事をただ話すよりも、「治療に使われるウジ虫を実際に見た。とても小さくて、糸くずみたいで、可愛くて、気持ち悪いとは思わなかった。」と説明する方が、聞き手も興味深そうに聞いてくれる事が多かったですね！

　マゴットセラピーが広く認知され、たくさんの足を救えたらとても素晴らしい事だと思います。
　もう年だから、糖尿病だから、足がなくなっても仕方ない。そんな事はないですよね。
　私には、そんな治療のお役に立ち、足を救う事など出来ません。出来る事は、マゴットセラピーが必要とならない様、丁寧な観察とケアを続けていく事だけです。
　実は，このサイトにマゴットセラピーが登場するのは2004年9月と非常に古く，その後も何度か討論が繰り返されています。このページ（「表面からのデブリ，深部からのデブリ」）の冒頭から各スレッドにリンクしています。
　そして，「デブリの方向が違うんじゃないの？」という感想をまとめたのが上記の「表面からのデブリ，深部からのデブリ」です。
　昔，ヒルを使った切断指再接着の治療で，ヒルの気まぐれさに散々悩まされた形成外科医としては，「生物を使った治療」と聞くとヒルを思い出してしまい，「生き物って面倒臭そう！」と思ってしまいます。「生き物を使った治療」では「見ると聞くでは大違い」という部分がありますから。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0623-06:00-4）

2015/06/22

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#）

　「プラスモイストP取り扱い薬局：滋賀県」に，大津市の「ハーモニー薬局・石山店」，守山市の「ハーモニー薬局守山店」を追加しました。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0622-06:00-2）

　来年2月11日（木）に「千葉県柔道整復師会県民公開講座」で講演する予定です。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0622-06:00-8）

　「ワグナー『ワルキューレの騎行』のピアノソロ用編曲の2回め，タウジッヒ編曲を追加。以前練習したことがありますが，そのたびに「俺はロ短調が嫌いだ」と譜面に毒づいたものです。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0622-06:00-3）

　糖質制限の講演用スライドをバージョンアップしました。最新版は6月20日作成のものです。ご覧になりたい方は本名，所属を明記してメールでご連絡下さい。
　なお，以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0622-06:00-4）

　「市民講座で」というメールです。

　私は地元婦人会とのつきあいで、２～３年に１回くらい、健康増進課の主催する市民健康講座の料理教室に参加しております。（動員がけに協力して）
　予算が限られるからチープで手づくりな「ためしてガッテン」みたいで、保健師、管理栄養士の誠実な仕事振りにはいつも感動します。
　糖質制限生活になってからこのあいだ初めてそこへ参加し、そこはもう別世界に感じ、今までのように勉強になったとは思えませんでした。(見方が変われば世界が変わる)　座学での栄養教育は少しも新しくなっていませんでした。ダメ出ししそうになる気持ちを抑えるのに苦労しました。

　あなたの一日の摂取目安量は、２０単位（１単位＝８０カロリー）で、熱や力のもとになる食品では、炭水化物で１０単位、脂質で１．５単位摂りましょうというお話でした。熱や力のもとになる栄養素は大切だけど、その１０対１．５という割合はどこから出たものなの？　その割合が崩れて致命的なことが起こったというデータがあるの？
　質問はしませんでしたが。

　調理実習はこんなのでした。

◆	コレステロールを抑えるためハンバーグのつなぎの卵に替えて、片栗粉を使う（心の声…タンパク質取れたほうがいいのに）
◆	ドレッシングは油をやめてレモン汁と調味料を使う（…油使ったほうが腹持ちよくなるのに）
◆	コーヒーゼリーには砂糖を入れずに、シロップのみに砂糖を使う(…どこに入れても砂糖は砂糖)
◆	かさが減ってたくさん食べられるように、サラダのキャベツとにんじんはゆでる(…野菜が余って片付けたいときこの手は使えるな)

　こんなに工夫してるのに、なんかずれてて悲しかったです。
　糖質を控えましょうという声は食品のコマーシャルから周知になってきているのに、行政さんだけはいまだ昭和。どのようにこれから変わるのか、市民健康講座には自主参加をしようかなと思ってます。
　頑張れ市役所。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0622-06:00-5）

　「グリセリンローディング？」というメールです。

　水分補給・熱中症予防に「グリセリン水」を飲むという方法が提示されてますね。
　　　　⇒【熱中症対策には「グリセリンローディング」】
　当然ながらサプリメントが有りますね。

　夏井先生がこの記事で仰る体感からすれば、糖質制限（脂肪・タンパク質摂取が増える）、水分補給をすればグリセリンローディングをした様になると思いますが～。
　グリセリン（C₃H₈O₃）って三価のアルコールですよね。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0622-06:00-6）

　「最近の記事です」メール。

　最近の医学研究をご紹介させていただきます。

◆	うじ虫による治療＝「生化学」2014年10月号
◆	糞便微生物移植の臨床応用＝日本医事新報2015年6月20日号

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0622-06:00-7）

　最近の「糖質制限批判記事」。

◆	あなたのダイエット法は大丈夫？　「糖質制限」に潜む危険
◆	流行の“炭水化物抜き”ダイエットは超危険！体臭悪化、かえって肥満、脳や体の機能低下
◆	連載：医学博士大西睦子のそれって本当？食・医療・健康のナゾ　高タンパク質ダイエットって、大丈夫？

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0622-06:00-9）

　「糖質セイゲニストの非常食」というメールです。

　糖質セイゲニストとして、災害発生時の非常食問題を考えておりました。
　結果、「6Pチーズと素煎りアーモンドのローリングストック+ツナ缶」でいこうと決め、現在、イオンの５％オフの20日・30日には6Pチーズと素煎りアーモンドを爆買いしております。
　が、糖尿病の夫も、糖尿病ではないが糖質制限している私も、どちらもギリ普通レベルのボディに天然備蓄（体脂肪）たっぷりなのです。
　で、先日、「榎本孝明30日不食」ニュースを見て、「天然備蓄がある上に、普段の糖質制限でケトン体エネルギーサイクルになってるんだから、非常時も水だけあれば、１週間は十分持つんじゃね？」と判断した次第です。
　2Lのペットボトルの水も、災害時用は長期間保存可能なゆえ高額なので、これも普通のものを買い、ローリングストックしていこうと思っております。
　皆様は非常食をどうされていますか？

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0622-06:00-10）

　今日は大阪の郡田先生が見学に見えられます。これまで何度も顔を合わせていますが，見学に来られるのは初めて。ちなみに昨晩はここで宴会。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0622-06:00-11）

2015/06/20

【06:00】

　「ポークおじさんの豚皮　お肉なんです」に旨塩味，梅味，旨カレー味，ブラックペッパー味が追加されました。現在，旨塩味を食べながらこの文章を書いていますが，気がついたら一袋完食してしまいました。Yahoo!ショッピングから購入できます。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0620-06:00-2）

　「トランス脂肪」についてのメールです。

　19日付のメールのリンク先を拝見しました。特に何かを言うだけの知識も持ち合わせませんが、いくつかの疑問点を感じました。

◆	「つまり、マーガリンやショートニングなどの水素硬化油に、トランス脂肪酸が一脂肪酸として含まれていると考えてください。水素硬化油にはトランス脂肪酸以外に、他にもさまざまな成分が含まれていることを念頭において読み進めてください。」

　とありますが、トランス脂肪酸のみを分離して取り出せるのでしょうか。印象としてはそうではないようなので、厳密ではなくとも表現の問題として、水素硬化油=トランス脂肪酸で代表、としても同じことになる気がします。

◆	マーガリン100gあたり13g、バターには22gのトランス脂肪酸が含まれていると書かれており、これだとバターのほうが含有量が多いことになる

　2番目については、こんなサイトもありました。この表の数値ではマーガリン>バターとなっています。数値自体もどちらが正しいのかわかりませんが、差があります。

　FDAが常に正しいわけではないと思いますが、気になるのは例のTPPなどが締結されるとこの辺りどうなるのでしょうか。アメリカ様に倣え、ということでホルモン過多の肉類がどっと入ってきたり、トヨタのアメリカ人女性役員も無実で、トランス脂肪酸を使用している日本製品は輸出できなくなったり(その時まで日本で禁止になっていなければ、ですが)するのでしょうか。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0620-06:00-1）

【ラーメンズ・片桐仁と妄想工作家・乙幡啓子がオトナ版『できるかな』で本気の工作あそび！】
　Daily Portal Zの人気ライター，乙幡啓子さんといえばあの「ほっケース」です。私はこの記事で乙幡さんのファンになりました。豊かでちょっとぶっ飛んだ発想と，それを現実化する工作技術はすごいです。
　ちなみに，その後，商品化された「ほっケース」，「キンメダイの開き」などの「魚介類の開き」シリーズは全品購入！乙幡さんのサイン本も所有！
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0620-06:00-3）

【ローソン「ゲンコツチーズメンチ」に爆ウマ注意報発令中！数量限定だから売り切れが心配で仕事が手につかないレベル!!】
　自宅近くにはファミマとセブンばかりで，ローソンは歩いて10分とちょっと遠いのですが，この映像を見たら「往復20分散歩」も悪くないかな・・・と。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0620-06:00-4）

2015/06/19

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0619-06:00-1）

　「トランス脂肪」についてのメールです。

　トランス脂肪酸についてですが、こういう見方があります。砂糖や果糖液糖を規制できないのにトランス脂肪酸の規制は素早いのにはわけがあったということかもしれません。
　　　　　⇒【米国がトランス脂肪酸を違法へ！その思惑とは？安心できない理由とは？】

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0619-06:00-2）

　俳優の榎木孝明さんについてのメール。
　今朝のとくダネ！で、榎木孝明さんが３０日間水だけというのをやっているというニュースをやっていましたが（実際には塩飴とかを食べているようですが），「（頭は冴えて）セリフの覚えは逆に良くなった」というようなことを言っていました。
　　　　　⇒【榎木孝明 30日間「不食」完遂へ「自分にはいい」も「マネしないで」】

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0619-06:00-3）

　昨日（18日）はちょっとハードでした。
　17：00まで普通に仕事をして，それから光が丘駅に急いで向かい，大江戸線，西武池袋線，山手線，常磐線を乗り継いで，千葉県の柏厚生総合病院に18：50ころに到着。そして，20：30～21：30まで講演。質疑応答が終わったのが21：50。それから懇親会に5分ほど顔を出して，病院を出発して柏駅へ。そこから常磐線，山手線などを乗り継いで，自宅最寄り駅に到着したのは23：05頃。この時点でまだ夕食を食べていなかったが，それほど空腹でもなかったため，途中のコンビニで糖質オフビールのみ購入し，自宅に到着したのが23：20頃。それからシャワーを浴び，ビールを飲みながらメールチェックをしてこの記事を書いています。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0619-06:00-4）

2015/06/18

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0618-06:00-1）

　「合成界面活性剤の実験を私もしてみました」というメールです。

　自宅に日焼け止めが2つあったので、実験してみました。
　トップバリュのサンブロックミルク（向かって右）とカネボウのALLIE UV MOISTURE GEL（左）ですが，見事にマジックを落としてくれました。すごいなー。
　さすがに肌に悪そうなので捨てることにしました。
　で、代替として「ヘリオケア」という飲む日焼け止めを試してみます。

　「シミ・ソバカスは紫外線で悪化する」というのが世の中の常識らしいですが，この実験結果を見ると紫外線そのものより紫外線対策化粧品のほうが余程肌に悪いんじゃないかと・・・。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0618-06:00-2）

　「トランス脂肪を全面排除へ」というニュースです。

　【トランス脂肪を全面排除へ、2018年までに米FDA】

　2018年までに禁止するそうです。日本はいつ追従するのでしょう。
　欧米の研究者の間では「トランス脂肪酸＝狂った脂肪」と呼ばれています。あるいは「食べられるプラスチック」と。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0618-06:00-3）

　「イタリアでベジタリアン増加中」という情報です。

　日経新聞6月16日夕刊（7面）の記事です。世界は広いです。理由は、順番に

◆	健康のため
◆	動物虐待に反対
◆	環境問題重

　などで、2014年には動物を食べることを拒否する人が人口の7％強の約420万人になったそうです。

　「地中海式ダイエットは、野菜や豆類にオリーブオイル、チーズによる手法なのでこれも菜食料理」であり、パスタも肉類を使わないものも多く、もともとベジタリアン中心の菜食料理の国のうえ、

　「一方、ベジタリアン動物愛護協会のフランコ・リベロ会長によると、『菜食主義は卵やチーズだけをたべるところから始まり、ミルクや卵は動物を搾取しているとする【ビーガン】に進み、採取しても元の植物に影響のない果物だけを食べるのが究極の姿』だそうだ。」

　と続けられています。

　最近では離婚した夫婦が子供に何を食べさせるか裁判沙汰になっているようです。母親が菜食主義で、その子供が土日に父方の祖父母のところで肉やハムをたくさん食べて帰ってくるのを怒ったのがきっかけとか。
　卵やチーズは良いらしいので大きな支障はないのかもしれませんが、果たして肉類なしで体が持つのだろうか、魚類は食べ放題なのか、肉食動物(ライオンや犬猫まで)の権利はどうなる、果物のみってフルクトース、ビタミンと炭水化物で生きるってことなのか、昆虫食はあるのか、とかいろんな疑問がわくところです。
　糖質制限とかMEC食とは異なるベクトルですし、野菜中心だと老けるのが早いとか、ビーガンには大腸がんが多いなどの話もありますが、今後この傾向はどうなって行くのでしょうか。
　青汁やササだけで生きられるように進化するのでしょうか（笑）。

　P.S. 最後の先日お送りした肉のみで1年間生活実験を紹介したサイトがありましたのでアドレスを付記しておきます。

　「人間は本来肉食である」というのは科学，糖質制限は純然たる科学，「植物だけで人間は生きられない」というのは純然たる科学，「動物を食べるのは残酷なので菜食主義で生きていきます」というのはメルヘンの世界の住人。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0618-06:00-4）

2015/06/17

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0617-06:00-1）

【男性が川に飛び込み自殺 → 川の水が死ぬほど臭くて吐きそうになる → 自殺断念 → 救助され命の尊さを知る】
　ねぇねぇ，このニュースっていいニュースなの，悪いニュースなの？
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0617-06:00-2）

　現在，次の「糖質制限本」で「ビタミンCの謎」について書いているところですが，泥縄式に霊長類の進化について勉強しています。おかげで霊長類の分類についてちょっと詳しくなりました。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0617-06:00-3）

2015/06/16

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0616-06:00-1）

　10月4日（日）の午後，千代田区の神田淡路町のホールで江部先生とのジョイント講演を行います。詳細が決まり次第，情報を追加してきます。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0616-06:00-3）

　糖質制限関連の情報です。

　【血糖値：ＨｂＡ１ｃが低くても高い発症リスク】
　こんな報告を目にしました。短絡的な判断はできないと思いますが・・・。
　HbA1c　が脳梗塞の指標になっていますが、ひょっとして分泌されるインシュリン量が多すぎるのも問題なのでは？　という推論は成り立つかもしれません。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0616-06:00-2）

　「キラキラネーム」についてのメールです。

　キャサリン妃の第二子女児誕生につき、イギリスでは、王室がどのような名前をつけるか、具体名をあげて、予想が繰り広げられたそうです。その当てっこが行われるということは、命名に伝統があり、その選択肢が限られているという保守的、宗教的風土があることが前提です。中国、韓国でも、姓名が厳格な規則の限られた範囲内の自由度しかないのは、西欧と同じであり、その伝統に比べれば、日本の命名の自由度は飛び抜けています。
　それこそ、ネットで調べれば、奈良時代の庶民の名前は実に多彩、多比（たい）、真須（ます）、宇奈伎売（うなぎめ）、塩虫、若虫、虫麻呂、大根売（おおねめ）、麻都売（まつめ）、佐久良（さくら）、真桑（まくわ）、足桙（あしほこ）、多須岐（たすき）、都々弥（つづみ）、金（くがね）、与呂志（よろし）、宿奈売（すくなめ）などの小例をみても、驚いてしまいます。
　江戸時代の事件簿、裁判記録から女性の名をみれば、かよ、よの、とや、　、さん、せき、ふじ、はな、さま、きよ、さく、とみ、ゆき、たつ　など簡明なひらがな二字が特徴的で現在も普通にある名前も多い。
　また秀吉の例の如く、庶民、とくに男子が生涯で何回も名前を変えていることも普通のようです。

　日本人の名前には時代の流行があり、その命名の自由さは世界でも特筆ものであり、キラキラネームもその民族性の平成における現れであり、問題にするに当らない。現代若者の孤独、孤立、キャラモエなどいう分析は極端だという意見も最もと思われるかもしれない。
　けれども、奈良時代から江戸時代までの流行と明治以降の流行とでは、その前提が変質していることに注目しなければ今の問題が見えてこない。

　明治５年の戸籍法で、庶民も苗字を持つことが義務とされ、一旦付けた姓名は原則として改名できないこととなった。
　その背景には、徴税や軍役が村や町単位であるが故に、その共同体に埋没していた庶民を個人として、表に抽出する国家的必要があったから。明治６年に徴兵制が制定され、税金も金納とされた。即ち、徴兵と徴税の個人別把握と管理である。
　その必要は現在もおなじであり、幼名を自由に変えられる制度はその必要からみると、徴税逃れやその他の悪用を誘発するものとして、制度化は困難が予想されます。

　つまり、川越などという村で自然に根を下ろして安心して生活している社会が改名と命名の自由度の前提なのです。
　川越の前橋の太郎さんといえば、みんながその人柄素性を知りつくしている状態です。

　もう一点、コミュニケーション不全は生身の人間との接触が少なく、アニメ、ゲームなどのバーチャル世界に親しんでいるから起こるのではないと思います。その点、みな誤解しているのではないか。今の若者たちに普通にみられるこの症状は、個人的な成育暦が主因ではなく、高度成長以後の社会の変質に主因がある。高度成長以後に誕生した者なら、誰でも、この症状に罹患するしかない。電子機器と接触させず、幼い頃から生身の人間と意識的に交流を経験させても、否応なく例外なくこの不全感を帯びてしまう。
　最大の主因は、子どもたちだけで遊ぶ子どもだけの世界、縄文時代から高度成長まで、連綿として続いていた大人が介入しない生身の子どもたちだけの世界の喪失、これが主因であり、健全な皮膚感覚を阻害し、いまも若者たちを砂粒にし、息がつまる生に追いやっている真の原因だと思われる。キラキラネームの背景には子供の世界の喪失があるのだ。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0616-06:00-4）

【昔ながらの製法で羊皮紙を作り続けるイギリスの人たち】
　羊皮紙，という言葉は知っていますが，これほどの手間と時間と労力をかけて作るものなのですね。最後に美しい羊皮紙が完成するシーンは感動的！
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0616-06:00-5）

2015/06/15

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0615-06:00-1）

　「ワルキューレの騎行」についてのメールを頂きました。

　ワルキューレの騎行のピアノソロ編曲についてのレビューについ目がとまってしまいました。　リンクのYouTube動画は何度も見ております。
　3つの中ではTausigの編曲が好みです。　何といいましょうか、豪華な感じがします。
　Hutcheson編曲の演奏はけっこう古い録音ですけど音源は残っているものなのですね。1922年といえば、レフ・テルミン博士が電子楽器テルミンをレーニンの前で演奏した年と聞いております。　そんな昔の録音が手軽に聴けてしまうのは便利なことですね。

　一つくらい音楽ネタを返信しようと考えましたが、気の利いたものが思い浮かびません。　地元名古屋の隠れた応援歌、「名古屋はええよ！やっとかめ」をリンクします。
　　　　　⇒【名古屋はええよ！やっとかめ - YouTube】

　そういえば。岩田健太郎先生の書籍について話題になっているようですね。
　　　　　　⇒【学会に送ったメール。依頼につき公開で再掲】
　　　　　　⇒【化学療法学会：特定著書の販売禁止…会員医師の本 - 毎日新聞】
　　　　　　⇒【化学療法学会：「著書販売禁止は総会会長の独断」 - 毎日新聞】
　ガキじゃあるまいし、“独断”などとチンケな表現を持ち出すこともあるまい。
　思わぬ波紋に重鎮の先生方は火消しに躍起か。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0615-06:00-2）

　「83歳胸腹部全体の3度熱傷」についてのメールです。

　６／１１治療例のおじいちゃん、やっぱりとてもすごくて、広範囲でも、高齢でも、時間はかかっても、火傷は治るという実例なのだから、お守りのように覚えておきたいと思います。
　一生火傷とは無縁なのがいちばんよいけれど、知っていれば万一があったとき「転ばぬ先の杖」になるから。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0615-06:00-3）

　自宅近くに雰囲気が良くてよく行く小さなワインバルがありますが，昨日行ってみたら，その店主（若い美女！）が

先生，私痩せたでしょう？先生の本の通りにしてみたら簡単に5キロ痩せちゃいました。ウェストも細くなりました。しかも，赤ワインをいくら飲んでも，お肉をいくら食べてもいいので，すごく楽。辛くないです。辛くないから，ずっと続けられます。

と，ちょっと嬉しそうに話してくれました。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0615-06:00-4）

　「キラキラネーム」についてのメールです。

　身近でキラキラネームは未確認かも、と思ったけど、月（るな）ちゃんが今頃10歳くらいかな？　Google日本語入力はそのまま「るな」で変換出来るようです。

　「読めない名前」とありますが、先生はよく名前の読み方を間違えられると仰られていましたね。
　自分の母も少々変わった名前のようで、時々読み方を間違えられます。（当人は気に入っているようですが）　もしかしたらそれらは少数派だったから周りの人間は特に気にしなかった（認識されなかった・ツッコミが広まらなかった）のかもしれません。
　ただ私個人としては、変換出来る名前であっても「読み方がわかりにくい」と思うことがあります。それらは単に普及している（勉強済みである可能性が高い）から「読める」「変換できる」だけで、人名特有の読み方による「初見殺し」自体はいつの時代もあるのではないでしょうか。（キラキラネームとは違いますが、身近だと自身の苗字の読み方の多様性で苦労している同級生がいました。正解はあるようでしたが押しの弱い子だったので、いつまで経っても複数の読みで点呼する教師もいました）
　自分にとって未知のものに出会った時、それが「時代的に新しいもの」であれば「邪道」と罵れて、それが「時代的に古いもの」であれば自分が「不勉強」と罵られるのが『一般常識』という感じがしますね。（ハーヤダヤダ）
　私は、キラキラネームは単なる時代の変化だと思って、呑気に流しています。（ちなみに私の曾祖母は「姫」のつく立派な名前だったのですが、今子供に名付けたりしたらキラキラって言われそうですね^_^;）
　また、『もしも「雲母（きらら）」と名付けるとしたら？』と聞いたら、名付けに関するその人のポイントが分かるかも、などと思っております。

　ネット上でですが、「若者」で「バーチャル世界を楽しんでいる」人がキラキラネームを叩いている場面はたまに見かけます。（私の記憶上では常識的ツッコミばかりで、深く考えた理屈を書かれている方はいなかった気がしますが）
　「常識的な想像力」は何かしらの方法（コミュに限らず）で「学習」することによって身に付くものだと思います。外交が苦手な私（集団を嫌い、バーチャル世界に浸る若輩者の一人）はネットで情報を集めることによって「世の中」を勉強しようとしました。話さずとも誰か（生身の人間）の意見を見て参考にすることが出来ると思ったからです。悪意に触れすぎたのは個人的な失態ですが、中学生くらいの頃は「かわいい名前にしよう！」と妄想していたところを、凝る方向には少し慎重になった方がいいかも、と思い直しました。でも、今時notキラキラだと逆に浮いちゃうかな？（その前に孤独すぎてパートナーがいないのですが）
　勿論、生の交流でしか得られないこと・得にくいこともあるでしょうので、それは13日のメールの方の懸念するところなのかもしれません。

　ちなみに、自分の名前は平凡な名前で（誕生当時ではどうだったのかは知りませんが）、読み方に悩まれることもまずないのですが、「美」の字が入っていることがとても恥ずかしかった時期がありました。（名前負け的なプレッシャーで）　先生のように割り切って頂けるとこちらもラクなのですが。
　幼名の制度は面白そうですね。親からの独立という感じで。自分の場合は片親がクズだったので、感情的には今の名前を捨ててスッキリしたいです。砂粒で結構です。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0615-06:00-5）

【そうめんのカロリーはごはんの1.4倍以上　夏の食事に要注意】
　カロリーじゃなくて糖質の問題。「コメ・コムギ・トウモロコシ・砂糖は全部ダメ！」と覚えるのが一番簡単。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0615-06:00-6）

2015/06/13

【06:00】

　「プラスモイストP取り扱い薬局：島根県」に，隠岐の島町のスイングおき薬局を追加しました。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0613-06:00-2）

【炭水化物の高温調理は要注意！「発がんリスクあり」と欧州当局が注意喚起】
　炭水化物という文字がタイトルに有る記事は，すぐに目に入っちゃいますね・・・内容はともかく。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0613-06:00-1）

　「キラキラネーム」についてのメールです。

　先生の指摘されたように、キラキラネームは地方の町でも普通になっています。親戚兄弟の孫の名も漢字と読み方が私の能力では解読できないのが多いです。英凛でひらりと呼ぶ。人気の大翔も、まさかダイショウではないだろうが、ハルト、なのか、ヒロト、なのか、ヤマト、なのかわからない。美空という名前で、美空ひばりから命名したと思って、ミソラちゃんと呼んだら、ミクですという。
　私たちの時代では、一郎、次郎、弘一、和子、幸子と呼び方に迷うことは殆どなかった。
　キラキラネームの背後にあるのは何なのだろう。
　私は、そこに現代日本の若者たちの置かれた孤独、孤立とバーチャル世界のキャラ萌えを見る。別名、コミュニケーション不全症候という。
　このキラキラネームには若い夫婦の親の影はなく、生まれた赤子の人生もない。つまり過去と未来から切断された夫婦の今だけの萌えの思いがあるだけだ。住民票にはフリナガがつくが、戸籍にはフリナガはつかないことも考えていない。ミソラさんと呼ばれて、そのつどミクですと訂正しなければならない子どもの日常生活への想像力が欠けている。
　ということは、この若い夫婦の命名には、世間の生きた生身の人たちがいない、かれらの交際はメールやラインでの間接的なコミュニケーションしか思いつかないのかもしれない。生で話すよりＩＴ機器でのやりとりのほうが、疲れないという、人間本来のの身体能力が衰弱しているのかもしれない。
　キラキラネームが一般化するということは、人間関係が砂粒のようになってしまい、理解不能な事件が日常と化した、日本社会の衰弱の一つの現われかとも考える。
　近い将来，「自分の名前が読んでもらえない」，「名前が超恥ずかしい」，「フリガナを振っても読めない名前で困っている」，「性別不明の名前で困っている」，「自分の名前の漢字を電話の相手に説明できない」というような人が出現するはずです。その時のために，「親が付けた名前は幼名，元服（成人）以後は自分の名前を自分で決められる」という制度はどうでしょうか。「幼名は牛若丸，元服以後は義経」というふうにちょっと格好いいじゃないですか。そして，その頃になったら両親も「お前が生まれた時は，両親ともに頭のお花畑に蝶々が飛んでいて，冷静に物事を考えられなかった。こんな変な名前をつけて悪かった」と反省しているかもしれないしね。

　私くらいの年齢になると，「名前なんて所詮は生活集団（地域社会，職場，趣味のサークルなど）で他の人と区別するための記号」に過ぎないことがわかります。名前が立派だから立派な仕事をするわけでもないし，名前がユニークだからユニークな発想ができるわけでもありません。仕事や業績とは名前で得られるものでなく，才能とたゆまぬ努力で得られるものです。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0613-06:00-3）

2015/06/12

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0612-06:00-1）

　「糖質制限：変身写真」に眼底写真を追加しました。眼科の先生が我が目を疑った，という写真です。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0612-06:00-5）

　こんなメールを頂きました。

　私は、しばた整形外科柴田先生に湿潤療法で低温火傷を直していただきました。
　先日、完治した火傷部位を柴田先生に診ていただき、写真を撮影しブログアップしている事をお話した際に、治療のデータになるので『夏井先生に写真をメールしてください。』と言う話になりましたので，突然ですが、メールさせて頂きました。
　湿潤療法は、低治療費で早く治るとても良い治療法なので，もっと多くの病院で治療法がとりいれられると嬉しいです。
　詳しい流れは、以下ブログより見ていただけたら嬉しいです。
　　　　⇒ブログ

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0612-06:00-2）

【マルコメからレトルトパックの「大豆ミート」--“大豆のお肉”でカロリー＆糖質カット！】
　レトルトパックでそのまま使える，というのがいいですね。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0612-06:00-3）

　糖質制限関連の情報です。

　私のクリニックの待合室に（家内の趣味で）「家庭画報」という老舗の婦人雑誌を置いています。その2015年7月号の特集の一つが「“糖質制限”で究極のアンチエイジングを　世にも美味しいダイエット」と言う記事でした。
　こんなマダム向けの雑誌でも“糖質制限”がそれなりに紹介されているのも世の流れだなと思いますが、さらに、この特集の監修をしているのが山田悟氏という「北里研究所病院糖尿病センター長」の肩書きを持つ医師というのがちょっとした驚きでした。
　この先生が提唱しているのは一食20～40グラムの糖質を取っても良いという“ゆるい糖質制限食”らしいですが、それでもこういう糖尿病学会専門医が堂々とアピールしているのが何とも。賢いというか、こういったものに抵抗のあるはずの（糖質大好きの）中年女性にも糖質制限が広まっていけば、従来の治療しているだけの糖尿病専門医の先生方はどうするんでしょうか。
　やはり流れはこちらですね。

書籍版 Kindle版

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0612-06:00-6）

【紫外線に当たってはいけない理由と肉食のススメ！】
　多分，このタレントの方は「UVケア商品のほとんどは，原液のガラスマジックリンと同等の洗浄力を持っている」ことをご存じないらしいです。これらは確かに紫外線はカットしてくれますが，その代礁として猛烈に肌を破壊します（←何しろ，原液の台所洗剤だから）。
　記事の後半部分は悪くないのに，前半がペケでした。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0612-06:00-7）

　子どもが多い外来をしていると多少のキラキラネームやDQNネームくらいでは驚かなりますが，患者のデータベースを作ろうとした時に困るのが，「漢字がなかなか出てこない名前」です。例えば「洸，浬，彪，惺，俐」あたりの漢字は訓読みな何となく分かるんだけど，同じ訓読みの漢字が多くて目指す漢字がなかなか見つからないし，しかも熟語として使われることが滅多にない漢字なので，「熟語で入力して余計な一字消す」という方法が取れません。こうなると手書き入力くらいしか手がなくなります（あるいは，「さんずいの光」をネット検索するとか）。
　ちなみに，私の病院は富士通の電子カルテが入っていて，「名前の読み」で患者検索ができますが，「IDが不明で，名前の漢字はわかっているが読みがわからない」キラキラネーム軍団の前では全く無力です。
　フリガナを振らないと読めない，あるいは，フリガナを振っても読めないキラキラネームでもいいから，せめて熟語として使われる漢字を使って欲しいです。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0612-06:00-4）

2015/06/11

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#）

　「ワグナー『ワルキューレの騎行』のピアノソロ用編曲でブラッサンの編曲を解説。
　このサイトの読者にどれほど需要があるかわからない記事ですが，とりあえず，個人的趣味で突っ走ります。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0611-06:00-4）

　「糖質ゼロのハム・ベーコン」情報です。
　岩手県の花巻の会社が糖質０のハム、ベーコンをだしました。
　　　　　⇒【銀河フーズ】
　こちらでもそれなりに糖質の問題は認識されているようですね。
　しかし、炭水化物が「糖質＋繊維質」だってのはまだまだでしょうけど

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0611-06:00-2）

　「絆創膏型人工皮膚」のニュースについてのメールです。

　「絆創膏型の人工皮膚　やけどの治り早く、傷痕少なく　生物研など開発」(産経新聞)
　「＜やけど治療＞ばんそうこう型人工皮膚で　佐賀大など開発」(毎日新聞)

　実用化は７年後、実験の比較対象は「何もしないマウス」だそうで。
　なぜハイドロコロイド系始め実用化済みの優秀な既存商品との比較が発表されないのかと。
　ケロイド(誤診によるモドキを含む)や、瘢痕拘縮が問題となりやすい広範囲の損傷ほど材料費が高く付くので、ハイドロコロイドと同等かそれ以上に使いにくい材料になるのではないでしょうか？(保険診療の点数が取れるのは2週間まで！とか)
　しかも、実用化されたとしても７年後。その頃に湿潤療法が常識化してしまえば「小さな傷ならハイドロコロイドやプラスモイスト、大きな傷なら穴あきポリ袋と(おむつ等の)ポリマーシートで十分。どうにも医療材料じゃなきゃダメならズイコウパッドとかモイスキンパッドとかで安くて足りる」という状況の中での実用化になるので、さらに出番の来ない被覆材料になると予想します。
　人工皮膚や被覆材としての用途ではなく、人工角膜や人工鼓膜といった再生しにくい細胞の代替品という場面でなら真価を発揮してくれそうです。

　一先ず「ハイドロコロイドや既存の人工真皮より優秀な材料の開発」というのは前向きな研究なので良いと思います。
　ただ、用途に「皮膚移植までの繋ぎ」が含まれるというのは、病理学の専門家のくせに移植しない治療法の模索を諦めているのと同義の発言で、大変バカバカしく感じました。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0611-06:00-3）

　「インスリンとエントロピー」についてのメールです。

　『生物と無生物のあいだ』によると、

成熟したネズミに重窒素で標識されたロイシン（アミノ酸）を含む餌を与えると、アミノ酸よりもさらに小さな分子に分解されて、ロイシンや他のアミノ酸に再構築されて全身のあらゆる組織のタンパク質が入れ替わります。（ネズミの体重は変わらない）

脂肪摂取の実験結果においても、体重が変わらないときも増加しているときも減少しているときでさえも、消化・吸収された脂肪の大部分は体内に蓄積され、驚くべき速さで脂肪組織の中身が入れ替わっていることが確認されています。

　私達の身体を構成するタンパク質と脂肪は、細胞のスクラップ＆ビルドのサイクルから受ける印象よりもずっと早く、絶え間なく連続的に食べたモノと入れ替わっていることになります。

　エントロピー増大則を補完するコンストラクタル法則によると

「有限大の流動系が時の流れの中で存続する（生きる）ためには，その系の配置は，中を通過する流れを良くするように進化しなくてはならない」

ので、一口30回以上噛んで、肉・卵・チーズを主食とする「MEC食」は高脂肪＆高タンパク質＆高必須栄養素＆低炭水化物であり、消化・吸収・再構築の流れを最大化できると考えられます。

　赤血球だけはミトコンドリアを持たずブドウ糖が必須ですが、その他全ての細胞はブドウ糖ではなく3-ヒドロキシ酪酸（いわゆるケトン体）を主のエネルギー源をとした方が効率が良いです。
　糖質は消化・吸収されても身体の再構築には役立ちませんが、インスリンによって体脂肪として蓄えておけば、飢餓時に高ケトンを維持できエネルギー不足にならない為、飢餓が当たり前の人類史においては糖質で太る方が合理的です。

　高炭水化物で動物性食品をあまり食べない集団は平均寿命が40歳以下というデータもありますが、若いうちに何人も子供を産んでしまえばそれでも人口はどんどん増えるし、文化の発展（スクラップ＆ビルド）も早い、というメリットがあるようにも思います。

　「湿潤治療は，人間の体が本来持っているが自然には発揮されない眠っている治癒メカニズムを引き出すために，極めて人工的環境を作り出すこと」であり、自然治癒力ではありませんが、「糖質制限は，人間の体が本来持っているが自然には発揮されない健康長寿を引き出すために，伝統的食文化から極めて外れた食生活を作り出すこと」であるからこそ、どちらも不自然な人類の英知として大変素晴らしいものだと思います。
　細かいところですが，「飢餓が当たり前の人類史においては」は多くの初期人類史の研究書や解説書に常套句のように使われていて，ほぼ無批判に使われていますが，私はこれすら疑っています。どうも欧米の研究者は，無意識のうちに「（ヨーロッパ人ではない）野蛮人は飢餓状態で頭を働かせる余裕はなかったので野蛮なままだった」という思考をしているような気がするからです。欧米至上主義という「無意識的バイアス」です。
　そういうバイアスがかかっていない研究者によると，先史時代のヒト属は，労働することもなく十分な食が得られ，暇を持て余していたようです。
　また，文明の発達の原動力は人口増加であり，人口増加の原動力は食ではなく生活スタイルです。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0611-06:00-5）

2015/06/10

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0610-06:00-1）

　「湿潤治療医師リスト：東京都」をGoogle Mapにしてみました，というメールを頂きました。これは便利かも。
　自宅の近くに湿潤療法をしているクリニックがないかを調べたいと思い、東京だけですがこんなものを作ってみました。公開できるようなクオリティではないのですがこういうのもできますという紹介として・・・。
　　　　　⇒【外傷の湿潤治療をしている医師：東京都】
　こちらからもリンクしておきました。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0610-06:00-2）

　「MALTリンパ腫が糖質制限で寛解」についてのメールです。

　抗がん剤を使用ということで、MALTAリンパ腫とはがんの一種と思えばよいのでしょうか。
　糖質制限によって寛解したとのことですが、その効果は血糖値が下がってインスリンとIGF（Insulin-like Growth Factor)が減少したことによると思います。

　年を重ねるにつれ、遺伝子の変異などが細胞に生じますが、その後の細胞の発達に大きな影響を及ぼすのがこれらの要素であるとされています。
　インスリンは細胞のエネルギーの制御を行い、IGFはその名のごとく細胞の増加を受け持ちます。これらはまた同時に、損傷を受けた細胞が自ら死滅する働きも抑制するとのことで、それらの細胞の周りにインスリンとIGFが豊富にあると、その細胞は増加しやすく、またその過程において悪質化して致命的なものへの変わるとともに、転移してゆくことになります。すなわち、がん化の過程が加速されることになります。

　疫学的にも高インスリン血症の人と、乳がん、前立腺がん、直/大腸がん及び子宮内膜がんの関連があることが認められているそうです。
　食品とがんの関連の観点からすれば、発がん物質の取り込みを避けるなどとよく言われますが、それより炭水化物の摂取により血糖値が上がることの方が影響が大きそうです。

　以上、毎度のGary Taubes（Good Calories、Bad Calories、ANCHOR　Books　212ページ～225ページ)からの受け売りでした。がんとの関連だけではなく、寿命とインスリン及びIGFとの関連も書かれてます。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0610-06:00-3）

　「小麦粉の代替品」というメールです。

　糖質制限スイーツ作りで、小麦粉の変わりに最適なものをご紹介
　それは「プロテイン」

◆	プロテインは、ホエイか大豆プロテインを使用
◆	高タンパク低糖質(私の使っているものは100g当たりタンパク質81g、糖質2g)
◆	粒子が細かくダマになりづらいし仕上がりの歯触り良し、大豆プロテイン使用だと、大豆の風味も加味され良い感じ

　私はプロテイン+ラカントでチーズケーキを焼いておりますが、ケーキを食べて筋肉ムキムキになりそうですよ(笑)

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0610-06:00-4）

　「紀文の糖質0g麺」についてのメールです。

　紀文の糖質0麺ですが、私も冷蔵庫に常備し、週一くらいで頂いております。
　いつ頃からだったかは覚えてませんが、以前のもの(昨年)より美味しくなったように思います。
　昨年までは近所のスーパー(イオン)に無くて、何度となく売り場の担当者へお願いしまして、今は一番良い場所にずらりと並べられるようになりました！
　食べ方ですが、これまでは麺汁で素麺風に食べてましたけど、最近は夏井先生のようにカレー風味で食べてまして、私のお薦めは『ヤマモリのタイカレー(グリーン・レッド)』です。糖質は少し多目ですが、私は0麺1パックとレトルト1パックで2食分としてますので、まあ許せる範囲かなと。
　この0麺を六厘舎のスープと具でつけ麺といきたいところですが、なかなかのコストに一歩踏み出せていません(^_^;)
　是非、糖質0麺を使用したカップラーメンを出して欲しいです。先生監修で是非ともお願いいたします！

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0610-06:00-5）

【国民の健康対策として、砂糖などへの課税強化求める提言書まとめ】
　砂糖にはいくらでも税金をかけてもいいけど，アルコールへの課税はもう増やさないで！
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0610-06:00-6）

2015/06/09

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0609-06:00-1）

　こんなメールを頂きました。

　私はMALTリンパ腫で抗がん剤治療をしていました。あまり効果がなくちょっと小さくなったかと思うとすぐに活発化？して、また抗がん剤という感じでした。
　ところが糖質制限を始めたら寛解し、現在2年半再発はありません。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0609-06:00-7）

　今年の2月に「高崎市のあすなろクリニックは素晴らしかったです」という患者さんからのメールを紹介しましたが，あすなろクリニックの山田先生からのメールです。
　あすなろクリニックの山田です。
　つい先日、東京から群馬へ引っ越してきた方が、”ネットでものすごくよいと評判なので、あすなろクリニックへ来院しました”といっておられました。診療所の評価サイトはいくつかありますが、どこをみてもそれらしいものがないので、？？？って思っていました。
　そうこうしているうちに別の患者さんが、”先生の評判が載っていますよ。新しい創傷治療のサイトですよ、これ！”って印刷してもってきてくれました。夏井先生が掲載してくれたんですね。2月の更新だったものを今頃気がついており、大変失礼しました。そして、ありがとうございました。

　そうなんです、両下肢Ⅱa～一部Ⅲ度？の熱傷患児が群馬大学救急部からこちらへ紹介されてきました。そちらでやっていた治療が20年以上昔のやり方だったので、湿潤療法へ切り替えて、淡々と処置を継続しました。湿潤療法を始めて10年以上たちますので、このようなケースでも異物混入や壊死組織などがなければ治癒すると確診がありましたし、開業して7年、スタッフも湿潤療法が最高の治療であるとわかってもらえていますので、お母さんも安心だったのでしょう。喜ばしいことです。現在は上皮化したところの色もほとんど火傷していないところとわからないくらいになっています。一部Ⅲ度だったと思われるところがわずかに瘢痕になっていますので、アンテベートで抑制中です。大学病院では、傷が落ち着いたら皮膚移植をしないとだめだといわれたそうですが、まったく不要な状態です。消毒、乾燥させる治療（治療とよべるのかどうかもわかりませんが）ならそうかもしれませんが。

　医療に限らず、昔は正しいと思っていたことも時代とともに、新たな発見があり、そちらへシフトしていくことで、世の中はハッピーになっていきます。でも、なぜかわからないけど、創傷治療は昔のまんま、同じ治療が続いていますね。教授になると頭が固くなって、新たなことが受け入れられないのでしょうか？そして、スタッフも洗脳されてしまうのでしょうか？

　それでも、湿潤治療の未来は明るいと思っております。夏井先生のサイトをみている多くの患者さんがいること、群馬県でも少しずつ湿潤治療を始めている医療機関があること、などなどです。私も医師会理事になったので、その立場を利用して、時期を見て、プライマリケア医向けの講演でもしようと思っております。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0609-06:00-2）

　福岡市南区で湿潤治療をしている堺整形外科医院福岡スポーツクリニックの堺研二先生が，整形外科の立場から糖質制限の本を出版されました。湿潤治療と出会い，私のサイトを通じて糖質制限と出会い，そして整形外科疾患と肥満の関係から治療として糖質制限を患者さんに進めるようになった経緯が非常に手際よくまとめられていて，糖質制限についてもわかりやすく解説しています。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0609-06:00-3）

【肥満は親の経済格差に影響されると日本医科大学が発表】
　世界的に「途上国での肥満・糖尿病増加」が問題になっていますし，先進国でも肥満と糖尿病は「貧困層の健康問題」として認識されています。原因はもちろん，値段が安く手っ取り早く空腹を満たすものとしては炭水化物しか買えず，値段が安くて手っ取り早く喉の渇きを潤す飲み物は異性化糖たっぷりの炭酸飲料しか売っていないからです。どうやら日本もその例外ではなくなってきたようです。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0609-06:00-4）

　最近購入した「マイナー系ジャズトリオ」。

◆	Avishai Cohen Trio
◆	Dag Arnesen
◆	Fabio Giachino Trio
◆	Jean Kapsa
◆	Thomas Enhco

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0609-06:00-5）

【食後の眠気は炭水化物のせい。避けるには、一緒に食べるものを選ぶこと】
　この記事について昨日書きましたが，大急ぎで書いた文章だったため，内容が稚拙でした。もう一度書き直します。

　この記事の中で，次の部分が気になりました。

　食べたあと割とすぐに、多量の糖類が一気に吸収されてしまいます。その結果、血糖値がかなり高くなります（これは糖尿病の人だと、特に問題になります）。膵臓は多量のインスリンを使って体内のほかの細胞（脂肪、筋肉、肝臓など）に指令を出し、糖類をすぐに吸収させ、血流中から取り除こうとします。時に、この反応が過剰になり、血糖値が低くなりすぎることがあります。時に、この反応が過剰になり、血糖値が低くなりすぎることがあります。その結果、食後少しして「昼下がりのスランプ」が訪れます。そうなると、疲れて不機嫌になったり、空腹を感じたりしがちです。これは「炭水化物による眠気」（carb coma）とも呼ばれています。

　どうも，この記事で説明されている「食後の眠気」と，糖質セイゲニストが感じている「糖質を食べていた頃の食後の眠気／糖質制限することでなくなった食後の眠気」は別物ではないかと思います。
　後者の「食後の眠気」は食べた直後に襲ってきます。まったりとした，というか，引きずり込まれるような，というか，甘美な，というか，そういう感じの誘うような眠気です。恐らくこれは食後の急激な血糖上昇に伴うもので，高血糖が脳の報酬中枢に直接作用していると思われます。
　一方，この記事で説明しているのは「食後低血糖」による眠気であり，「疲れて不機嫌」と表現されていて，食後高血糖による甘美で幸福な眠気とは別物の「不愉快な眠気」のようです。理論的に考えると，これが発生するのはインスリンの作用で血糖が降下する「食後2～3時間」，つまり「おやつの時間」に一致するはずです。
　では，どちらの方が実数として多いのかというと，これは絶対に前者でしょう。昼過ぎの医局のソファーで寝ているのは「食べた直後の居眠り」ばかりで，午後3時に居眠りしている滅多に医者はいません。「うちの子どもは食べたあとすぐに寝てしまい，勉強しない」なんてのもほとんど「前者の眠気」に負けた結果でしょう。要するに「腹の皮が突っ張れば目の皮が弛む」のです。
　そして，糖質制限では「前者の眠気」がなくなり，食後に居眠りしないために勉強や仕事の効率が上がり，「やればできる子」が「本当にできる子」に変身します。しかも，糖質制限では必然的に「後者の眠気」もなくなります。
　つまり，ターゲットとすべきは「後者の眠気」ではなく「前者の眠気」ではないかと思います。「やればできる子のはずなんだけど，できないのよねぇ」の主犯は「前者の眠気」だからです。食べて寝ちゃうから「やればできる子のはずなのに・・・」なのです。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0609-06:00-6）

【NHK『花燃ゆ』　吉田松陰と桂小五郎が共演しない理由とは】
　イケメンだけ揃えれば視聴率アップだよね，と始まった大河ドラマですが，イケメンだけ揃えると逆に気苦労ばかり増えるようです。これでは大河ドラマなんだか小川ドラマなんだかドブ川ドラマなんだか，微妙なところです。
　ちなみに，ネットで検索するとこの『花燃ゆ』は「ヒロインがおにぎりを握ってばかりいるドラマ」なんだそうです。ということは，ヒロインがおにぎりでなく，今，大ブーム中のおにぎらずを作るように設定を変更すれば視聴率がアップするかも。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0609-06:00-8）

【インドの熱波がどれだけ暑いのか…フライパンと卵で実感できる写真】
　これは「目玉焼き」とは言わないよね・・・って，ツッコんじゃダメだぞ。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0609-06:00-9）

【鳥取県養護学校の看護師一斉辞職問題、元日本海テレビアナの福浜議員が厳しい追及】
　この記事が正しい内容で，私が看護師だったら，こんな学校には絶対に応募しないな。看護師募集中の病院は他にいくらでもありますからね。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0609-06:00-10）

2015/06/08

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#）

　「湿潤治療：沖縄県」に那覇市のおもろまちメディカルセンター　整形外科／奥田和弘先生を追加しました。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0608-06:00-3）

【年金情報流出　防衛情報も標的か　同種ウイルス　ほか３００カ所にも】
　当初，「年金機構の職員に届いたのはメールタイトルや文面が極めて巧妙に仕組まれたものだった」と報じられていましたが，どうやら「.exe」の添付ファイルを無邪気にクリックしたアホの仕業だった模様。
　どのくらいアホかというと，深夜の歌舞伎町で「2,000円ポッキリの良心的なお店です。きれいな娘も揃っています」というチャラいお兄さんにノコノコ着いて行って薄暗い店に入るくらいアホ。怪しげな日本語が書かれている通販サイトでヴィトンのバッグやロレックスを買うくらいアホ。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0608-06:00-2）

　糖質制限をした整形外科の先生からのメールです。

　また、私事ですが糖質制限も2012年1月ごろから実施しており、どうせやるならとスーパー制限から開始し、最初の1か月で体重5.5kg減、半年で9kg減でその後しばらく維持され、1年経過頃から再び減少し、開始時約70kg→現在57kg前後です。現在は軽度の制限としておりますが体重、体型ともkeepし、大学生のころの体型で生活しております。飲み会などでいろいろお酒や食事を十分摂取しても体重増加は一時的で数日中には元に戻っています。大学生のころから朝食を食べない生活に慣れていたせいか、現在も朝はお茶のみです。

　体重減少が一時期停滞する経過や、血液データの正常化などは他の皆様の報告とほぼ同様と思われます。違いと言えば便の量が少なくなったことや、以前はほぼ決まった時間にお通じがあったのが、時間が不規則になったことでしょうか。

　2012年3月に受けた某専門医試験の面接の際に面接官には写真と顔の感じが違うようですけど、ご本人さんですよね？写真よりもだいぶお痩せになられていますけど、体調は大丈夫ですかと聞かれた程です。旧勤務先では私が痩せていくのを目の当たりにして糖質制限を開始したDrも数名いました。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0608-06:00-4）

　先日紹介した「紀文の糖質0g麺」ですが，加熱せずに「いなばのタイカレー」シリーズでつけ麺風に食べると美味しいです。このタイカレー・シリーズは一般のレトルトカレーと異なり，糖質が非常に少ないものが多いです。
　あと，「たらこマヨネーズ」でつけ麺風，というのもありかも。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0608-06:00-5）

　7月18日（土）の「豚皮揚げを食べる会 in 埼玉」ですが，募集人数が定員に達しましたので受付はこれにて終了！

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0608-06:00-6）

　三鷹市で湿潤治療をしているいりえ内科クリニックの入江先生からの雑感メール。
　先日、大腿部熱傷の患者さんが来院されました
　最初、〇〇クリニックで治療を受け朝晩、石鹸とお湯で洗いゲンタシン軟膏塗布、抗生剤内服などで治療中とのことでした。２週間程経ったところ「治療経過が思わしくないので植皮が望ましい。某大学病院を紹介する」と言われて納得できず、ネットで検索して当院受診。
　診察したところ、上皮がぺろんと向けたⅡ度熱傷ですが、既に治りかけており感染の兆候もありません。なんでこれで植皮？と思ったのですが前医の意見では「私はこのような症例をたくさん見てきた。感染を起こしかけているので放っておくと死んでしまうかもしれない」と半分脅かされたそうです。
　当院では内服薬などはすべて中止として単にお湯で洗ってプラスモイストで処置。現在順調に回復中です。

　それにしても、どうみても楽勝？な熱傷になんでこのような対応をするのであろうとつくづく不思議です
　聞いてみると、その先生はまだ若そうな先生。そのような年代の先生でもまだこんなことをやっているんだと妙に感心？してしまいました。個人的にはこの年代の開業医ならば、まだ新しい情報を得ようとイロイロ情報収集しており、当然湿潤療法の知識もあるのではと勝手に思ってしまうのですが、どうもそうではないらしいですね
　湿潤療法を知らないのか？それとも今までやってきたことが最善であると思い込んでいるのでしょうか？
　いずれにせよ若い先生がこんなんじゃあ困るなあと思った次第です。

　こういう症例を見ていると従来の治療？方法は「治療」ではなく逆に悪化させているのではなかろうかと思ってしまいます
　例えば100年前でまだ植皮なんてなかったころは、この程度の熱傷患者に対して「消毒して油紙をあてて包帯を巻く」ようなをやっていたような気がしますが（根拠なし）、それはそれで痛くて痕は残ったかもしれませんが、それなりに治癒したことでしょう。それに対し、こんなレベルで「植皮」など行われたら「手間がかかる。お金もかかる。痕も残る」ということになります。これって果たして医療といえるのでしょうか？いっその事なにもしないほうが良いのではないかとさえ思ってしまいます。

　これを糖質制限などに当てはめると

　糖質制限を実行すると多くの糖尿病患者さんは（治癒はしませんが）改善し、内服薬なども減らせることが多い。逆に従来の糖質タップリの食事指導では逆に悪化する可能性もある。

　認知症のコウノメソッドに従い認知症患者に多く投与されている某薬剤は中止すると劇的に改善することが多々見られる。これは某薬剤が症状を悪化させているとしか思えません。

　こうしたことを考えていくと他の領域においても現在「一般的に知られている治療法」が実は「トンデモ治療法」であるというものがあるかもしれないと思う日々です
　湿潤療法、糖質制限、コウノメソッドなどは「画期的な治療法」というより、従来の「誤った治療法」を指摘し、「本来あるべき治療指針」を示したものではなかろうかと考えています
　「若いのに新しい治療法を学ばない医者がいるのはなぜ？」という疑問は「若い人は勉強熱心。年寄りは勉強しない」と考えるから生じます。人は若いから勉強するのでなく，勉強したい脳味噌の持ち主だから勉強するのです。年齢は関係ありません。
　これは「2：6：2」の法則です。
　「頭の2」は新しいもの好きで新奇なものが大好きで，常識が否定されるのはもっと大好き。新しい情報に触れると「それって面白そう」とすぐに飛びつきます。要するに尻軽人間です。現在，湿潤治療をしている医者はこのグループです。「医者全体」の2割，「30歳の医者全体」の2割，「形成外科医全体」の2割，「女性医師全体」の2割・・・と考えると分かりやすいです。
　一方，「しっぽの2」は新しいものには常に懐疑的・否定的感情が先立ち，警戒心が強く，常識が否定されたり，自分の考えが否定されることに堪えられません。当然，新しい治療は頭から否定してかかります。
　この医者の「２：６：２」の割合は当分替わりません。変わるのは，模様見をしていた「6」が「頭の2の方が優勢だ」と判断してそちらに付いた時です。

　しかし，患者さんは違います。入江先生を受診された患者さんのように，「手術されるのは嫌」，「入院なんてできないよ」，「もっと良い治療はないの？」と考えるからです。医者は治療を変える必要性を感じなくても，患者さんは治療法を変える切実な状態に置かれているからです。
　今までなら，そういう疑問を感じても調べる手立てはなかったので諦めていたのですが，今ではスマホでググれます。そして様々な情報を引き出せます。そして湿潤治療に出会い，いりえ内科クリニックを受診するわけです。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0608-06:00-8）

2015/06/06

【06:00】

　にしぼり整形外科の西堀先生からのメールです。

　ご紹介いただいた患者さんですが，ハイドロコロイドの治療で無事治りましたのでご報告させていただきます。
　詳しくは私のブログをご参照ください。
　　　　　⇒【指が生えた】

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0606-06:00-1）

　先日，紀文食品の「糖質0g麺」担当者と面談する機会があり，それ以来，「糖質0g麺」を何度か食べていますが，これはお世辞抜きに美味しいです。特に，温めずに食べた時の食感はかなり「普通の麺」っぽくて，ちょっと感心しました。こんにゃくとおからからこれだけの食感の麺を作れる技術力には脱帽です。濃厚系つけ麺有名店のつゆを取り寄せて，この「糖質0g麺」を食べたくなりました。

　で，「糖質0g麺」を食べた後に気が付いたのですが，「胃袋に食べ物が入っている・溜まっているなぁ」感（もしかしたらこれが胃もたれ感？）が数時間も続くんですよ。肉や魚を食べた後にはこういう感じはないので，まさしく「胃袋での消化時間」の違いなんでしょう。糖質制限を始めてから4年近く経ち，「胃袋に残る食べ物（＝米・コムギ・トウモロコシ）」を食べなくなって，久しく忘れていた感覚です。
　逆に言うと，コメやパンやジャガイモを食べていた頃は，日常的に「胃袋にものが入っている・溜まっている」状態でありながら，それを異常とは感じずに生きていたことがわかります。当時はそれが普通だと思っていたから，意識することすらなかったのでしょう。糖質制限をして「胃もたれゼロ」生活を体験して初めて，それまでずっと胃もたれだったことがわかります。
　言い方を変えると，糖質制限生活では「胃袋」の存在は意識に上ることはありませんが，「胃にもたれるモノ」を食べると「体に胃袋がある」ことを強烈に意識する，となります。どうやら，満腹とも満足とも異なる身体感覚です。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0606-06:00-2）

【外国人「日本で2週間過ごしたら、5kgも太った理由がこれさ！」…海外の反応】
　これだけ甘いモノを食べ，その他にも麺類を食べまくったようですから，よく5kg増程度で済んだな，と思いますね。まさしく，デブ製造食！
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0606-06:00-3）

2015/06/05

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#）

　「うつ病は脳の炎症」というメールです。

　こんなブログがありましたのでご連絡します。
　　　　　⇒【日本や世界や宇宙の動向】
　うつ病は精神病ではなく炎症に対するアレルギー反応だそうです。
　ブログの内容はさておき、糖質を絶つことで鬱が改善する話もうなずけました。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0605-06:00-2）

　「ネズミとスズメのアミラーゼ」についてのメールです。
　これは視点を変えて見るのがよいと思うのです。
　糖質ではなく、アミノ酸摂取の面から見ると、どうなのか？　野生のげっ歯類が穀実から必要量のタンパク質を摂取すると、当然糖質過剰になるので、デンプンが難消化性であれば好都合だと思われます。

　数日前から「アミノ酸セミナー」岸　恭一監修、工業調査会2003年を再読してます。この本の第2章　生命とアミノ酸　（高橋迪雄　執筆）から抜書です。

【１　ゲノム、タンパク質、アミノ酸】
…非必須アミノ酸には自身で合成することが必要な機能が存在していることが予想される。…《非必須アミノ酸は【非必須】でないという・・・》

…三大栄養素がこのような関係にあるので、炭水化物あるいは脂肪だけを食べて生きていくことはできないが、タンパク質だけを食べて生きていくことは可能である…

…グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシンなど神経伝達物質として働いている〈必須〉アミノ酸は血液－脳関門を通過しないことが知られているが、食事後にはこれらのアミノ酸の血液濃度が大きく変動する場面もあるので、このような変化に中枢神経機能が直接影響されないためにはきわめて合理的なしくみである。…

【２　ヒトの食性】
…「生物としての」と文明人を決定的に分けているのは、後者が自身の食物を自給する農業の枠組みを持っていることである。１万年前にこの枠組みが成立することが、取りも直さず文明の発祥を意味するのだが、これを契機に、ヒトは本来の「肉食」から、見かけ上「草食」に食性を移行させた…

…初期の哺乳類は植物の「養分」を取り込むインターフェースの役割を「虫」に担ってもらった…

…草食動物はバクテリアというインターフェースを導入する戦略を採用した…

…同じ草食動物でも、ウシが１年に数千kgものミルクを生産できるのに対して、ウマは草原を疾駆して盛んに草を食べ続けなくてはならないのは、バクテリアがせっかく作ったタンパク質を利用できないからである…

…ヒトにはこのような草食動物としての本質的な側面が完全に欠落している。…したがってヒトは生物学的には草食動物ではない。…

【３　食文化とアミノ酸】
…約一万年前にヒトは農業を始め、主に植物の種子（穀物）を食べることにより「草食」まがいの食生活が導入される。

…穀物由来のタンパク質は、一般的にヒトあるいは高等動物がひつようとする必須アミノ酸の組成と大きく異なっている。

…　小麦は必須アミノ酸の一つであるリジン含有量が極端に低く、トウモロコシでは　…　必須アミノ酸のスレオニン含量が著しく低い

成人では約2kgのウドンを摂取すると計算上リジンの必要量に達するが、この場合はどうしても余分な栄養、つまりリジン以外のアミノ酸と炭水化物の過剰摂取が起きる。人々には、日々余分に摂取したエネルギーを何らかのかたちで捨てる必要が生じる

…ラットでは一晩に6km以上をほとんど絶え間なく走り続けるようなことが観察される。草の実、穀物をもっぱら食べている野生の齧歯類が相対的にリジン不足になることは容易に想定できるので、この激しい夜間の走行行動は、上に述べた麦作地帯の人々の生き方と同じように、過剰エネルギーの放散のための手段としても有効に機能している

…ヒトの食生活の変遷ー草食と肉食のはざまで

…コメの必須アミノ酸バランス……麦に比べて明らかに不足度が低い……ジャガイモに比べれば劣っている。

…50～60年前までの日本では、子供でも茶碗3杯のご飯を食べ、「子どもは風の子」という掛け声のもと、寒空の下でも終日外で遊んでいた。過食により制限アミノ酸の摂取を確保し、過食に伴って摂取した過剰エネルギーを放散させるというパラダイムが成り立っていた

…穀物に不足する必須アミノ酸は、家畜の飼料の栄養価を上げるという観点で、盛んに畜産業では利用されている。ここで言う家畜はブタ、ニワトリなどの反芻胃を持たない家畜である。反芻胃を持つウシなどは、嫌気性バクテリアの発酵のお陰で、必須アミノ酸は結果としては必須ではないことは前に述べた…

…～現在の先進国では、過剰エネルギー放散の手だてが決定的にかけている。～〈穀物を〉過食したヒトは肥満に悩み、肥満を避けたヒトは必須アミノ酸の摂取が不足するという大きな問題を抱え～

　私はこの30ページほどのエッセイで本質的なことは言い尽くされていると思いますし、「一升飯」のゆえんまでがわかったような気がします。また、アミノ酸代謝という位相から見ると糖質制限の必然性がよりクッキリするようです。
　御著書「炭水化物が人類を滅ぼす」がグルコース代謝の面から述べられていますので、アミノ酸も併せて考えてみました。糖質制限においてタンパク質・脂質まで減らして栄養失調になるような勘違いを避けるためにも大事なことだと思っています。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0605-06:00-3）

2015/06/04

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0604-06:00-1）

　湿潤治療についての質問メールです。

　いつも先生のHPを参考に湿潤療法を行っております。
　大病院なら皮膚移植されそうなお尻全般二度深部くらいの火傷もうっすらと色素沈着を残すのみとなったことには感動しました。

　以前にもこのような症例が話題に上っていたら申し訳ないのですが、湿潤療法で火傷を治したあと、一見順調に治癒したように見えて受傷部に血腫ができることはあるのでしょうか？
　はじめは瘢痕硬縮だと思い放っておいたのですが、真円であることふれるとぷにぷにし内容物が動くことから思い切って穿刺したところ大量の血液が出て来ました。
　そして、血液が出きったあとは盛り上がりはぺっちゃんこになりました。特に感染などは起こしていませんでした。膨れている間も痛みもありませんでした。その後、傷口はキズパワーパッドで覆っております。

　先生の症例を見せていただきましたが見当たらないようなのでメールさせていただきました。

　これは打撲や摩擦による「血疱」で珍しくありません。
　低温熱傷のように深い皮膚欠損は正常皮膚でなく，瘢痕組織で上皮化しますが，瘢痕組織は皮膚より構造的に弱いらしく，打撲や摩擦によりびらんを作ったり水疱を作ったりします。水疱がちょっと深い部分にできると中に血液がたまり，これが血疱となります。
　治療は「血疱膜にちょっと穴を開けて血液を出し，プラスモイストを当てて軽く圧迫する」だけでいいです。
　というわけで，深い皮膚欠損やヤケドでは上皮化が完了した後もしばらく，打撲や摩擦が加わらないように保護することをおすすめします。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0604-06:00-3）

　今日は都内の羽木先生が，今週月曜日に続き2度目の見学に見えられる予定です。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0604-06:00-4）

　「家畜には穀物飼料を与えて育てるけど，穀物の主成分はβデンプンで，動物のアミラーゼ（＝αアミラーゼ）では分解できないはず。それなのに，家畜が丸々と育つのはなぜなんだろう？」と疑問に思っていましたが，漫画『農民貴族』を読んでいたら一発で解決。そうか，サイレージの中で発酵させるのか。乳酸を始めとする様々な細菌のおかげで，トウモロコシは分解されてブドウ糖や麦芽糖，ギ酸やプロピオン酸になり，それを動物に与えていたのか。
　　　　　⇒【トウモロコシサイレージにおける乳酸菌の役割】
　他にも，加熱圧ぺんしてデンプンをアルファ化したりしているようです。

　となると，次なる疑問はネズミとスズメのアミラーゼです。以前，「自然界で穀物の種実を主食とする生物は小型のネズミ，小型の鳥，一部の昆虫だけ」というのを読んだことがあるのですが，これらの動物のアミラーゼはαアミラーゼではなくβアミラーゼなんでしょうか？
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0604-06:00-5）

2015/06/03

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。これで1300例！
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0603-06:00-1）

　湿潤治療の講演用スライドをバージョンアップしました。最新版は6月2日作成のものです。ご覧になりたい方は本名，所属を明記してメールでご連絡下さい。
　なお，以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0603-06:00-6）

　落語の歌丸さん情報です。
　歌丸さんが褥瘡で手術・・・・だそうです。フラップかな？　だれか止めてあげて！
　　　　　⇒【桂歌丸、背部褥瘡の手術で入院『笑点』欠席など影響なし】

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0603-06:00-2）

　先月の「人体実験しました」メールのその後です。
　先月「人体実験しました」メールを送った北海道の主婦です。その後の汗疱の経過を報告するため、再度メールします。

　結論から言います！
　「私の汗疱（と思われる発疹）には　塩が確かに効きました！！」
　疱は塩分不足じゃないか？と先生にメールしてくれた４４歳の方、目からうろこの情報をホームページに記載してくれてる先生、本当に感謝です～！！
　あのメールを送信した時点ではまだ痒みが時々出ていたんですが，その後みるみるうちにかゆみが治まり、手のポツポツが消えて、最終的に、かきむしった傷も完治致しました。今ではもうツルッツルの皮膚になってます♪

　痒みが治まるまでは段階がありまして、

最初（メール送信前）塩を舐めてから→数時間かゆみが治まり、3時間程度でまた痒くなる（この辺りで先生にメール送信）→また塩を指につけて舐める→徐々にかゆみが再発する時間の間隔が長くなる→新しく出来ていた水泡が消え去る→全く痒みはなくなる

　こんな感じでした。
　少なくとも私の汗疱は塩不足から来ていたんだ、と自信を持って言えます！！
　父親にこの事を話したところ，「確かにその話には納得だ」と。
　父は造園師なのですが、彼も夏の暑い時に手のひらに水泡が出来るそうなんです。（痒みはないそうですが。）　熱中症にならないよう、水分をたくさん摂っている状態ですから水分が汗になりたいのに塩分不足で・・・というのに納得出来ますよね。

　湿潤治療もそうですが、この汗疱にしても「体が出してるＳＯＳを　しっかり受け止めて解決できた証拠だなー」と実感してます。
　傷口を乾燥させている時の「痛み」や、塩分不足から来る「痒み」って、つまり「体の悲鳴」ですよね。体は痛みや痒みで、自分自身に変調をアピールしてると思うんです。
　そこを的確に処置出来ると、

（湿潤治療で→）痛みは和らぎ、（塩摂取で→）痒みは治まり万事解決～♪♪

　難しいようで、単純明快です♪♪
　汗疱が発生した当初は、

「ネットで見たビオチンを買おうか…でもビオチンだけじゃダメでビタミンCもミヤリサンいるらしいし…」

　なーんて悩んでいましたが、先生のホームページを見てよかったです！　湿潤治療も塩分摂取も、お財布に優しい～！！
　同じように汗疱に苦しんでる方がいれば、試しに塩をペロっとしてみて欲しいです。どこの家庭にもあるものですし、試して損はありません！！

　これからも積極的に人体実験して行きます♪　また何かあればメールしますね。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0603-06:00-7）

　なんと，あの「本の雑誌」の幻の第1号から第10号までが復刊されているじゃないですか。

　今から30数年前の1982年，私は秋田駅から歩いて5分くらいの小さな書店（あぶみ書房とかいう名前だった）で一冊の雑誌に出会った。「本の雑誌」という味も素っ気もないタイトルの小さな薄い雑誌だった。目次を見ても執筆者は全く知らない人ばかりだ。だが，妙に味があって上手いんだか下手なんだかわからない表紙の絵（ちなみに，この絵を書いたのはウマヘタ絵の元祖である沢野ひとしだった）に惹かれ，買ってみることにした。
　だが，内容は信じられないくらい面白く，しかも密度が濃いのである。本に対する惜しみない愛がぎっしりと詰まっていて，中でも，椎名誠の「斜め45°の視点から内角低めギリギリを抉る」ような文章の爽快さは格別だった。この文章の書き手はただ者ではないと直感したが，後にこの文章の書き手は，押しも押されぬベストセラー作家になった。
　すぐにでも第27号が読みたいのに，なぜかこれがなかなか出版されない。待てど暮らせど書店に並ばない。後で知ったことだが，実はこの「本の雑誌」は出版が遅れることで有名な（？）出版社だった。隔月刊雑誌なのに1年間で3冊しか出版されなかった年もあったくらいだ。椎名誠の初の単行本『もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵 (角川文庫)』に至っては，まる1年，出版が遅れたのである（原因はイラスト係の沢野ひとしの逃亡であったことが，後に明かされた）。

　そして，「本の雑誌」のバックナンバー探しが始まった。新号が出ない以上，バックナンバーを探すしかないからだ。書店や古書店を片っ端から回っては「本の雑誌」のバックナンバーを探し，見つけたら購入する生活が始まった。そして何とか，第11号から第25号までを本棚に揃えることができた。どれも何度読み返したかわからない。それはまさしく，私の宝物だった。その圧倒的な面白さは，何度読み返しても新鮮で，色褪せることはなかった。
　しかし1982年の時点では，どこを探しても第10号以前の号は見つからなかった。後に知ることになるが，第1号（1976年創刊）は500部しか刷らず，それをリアカーに積んだりバッグに入れたりして，東京都内の書店数店に直接持ち込んで売ってもらっていたのだ。その後もこの方式での売り込みが続き，それらが「本の雑誌の幻の10号」になった（ちなみに，第11号は間違って多く作ってしまったため，バックナンバーの売れ残りが書店に並んでいた）。今回復刊されたのは，まさにこの10冊である。

　最初の「本の雑誌」を作ったのは椎名誠，目黒考二（後に書評家となる），沢野ひとし（後にイラストレーター・絵本作家になる），木村晋介（後に有名な弁護士になる）の4人だが，30号くらいまでの執筆者がこれまたすごいのだ。かけ出し時代の嵐山光三郎，中島梓，亀和田武，小林信彦，平岡正明，花田紀凱，鏡明，荒木経惟，佐野洋子，群ようこといった錚々たる「後の大作家」たちが名前を連ねているのである。

　椎名誠は私の文章の師匠の一人である（残りの二人は開高健と東海林さだお）。インターネットでピアノ曲の解説を書き始めた頃，曲の魅力を伝えるためにさまざまな文体を試したが，重厚で悲劇的な曲では開高健ばりのうねるように畳み掛ける文体を模倣し，軽快な曲では椎名誠の独特のリズム感を真似たり，東海林さだおの意表をつく比喩を模写したりした（このあたりは，読む人が読めばわかると思う）。今考えてみると，あの（伝説の）ピアノサイトは，私にとっていわば「文体の実験場」だった。

　その後，「本の雑誌」は20年近く，毎号買っていたが，「幻の最初の10冊」は幻のままだった。そして今，この10冊が突如として復刊された。この機会を逃したら，おそらく一生，入手することはないだろう。自分の文体のルーツを確認するために，この10冊を買おうと思う。そして，いつの間にか「文章を書く側」に立っている自分の原点を確かめようと思う。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0603-06:00-5）

2015/06/02

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0602-06:00-1）

　「熱傷湿潤治療：福井県」に，坂井市のつちだ小児科／土田晋也先生を追加しました。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0602-06:00-3）

　昨日，都内の羽木先生が見学に見えられていました。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0602-06:00-2）

　「20年間，牛肉だけ」についてのメールです。

　20年間という期間は相当なものですね。塩なしで肉のみを食べるというのは単調に過ぎ、個人的には耐えられないと思います。
　残念なのは、インタビュー記事が、心無いコメントが殺到したがゆえに削除されたというくだりです。湿潤治療や糖質制限への反応に通ずるところがある気がします。
　いずこも同じ、なのかもしれません。話を少し大きくすれば、大地町へ殺到するとかいう反イルカ漁のFAXにも共通するような「正義」の振りかざしがあるように思えます。

　例によってのGary　Taubesですが、肉のみで野菜や果物を摂取しないイヌイットの食事に触発された二人の探検家（StefanssonとAnderson)が行った実験の記述がありました（Good Calories, Bad Calories 320～326ページ）。なんと1928年に行われています。栄養学者、人類学者や医者も参加して、1年間を肉のみで生活したとのことです。
　結論を言えば、この食事で何の問題もなく、二人とも体重が若干減り、Stefanssonの血圧が140/80が120/80へ降下、Andersonは105/70で変化なし。予想されたビタミンやミネラルの欠乏症（たとえば壊血病）なども皆無、腎臓病の兆候もなかったそうです。

　これの実験に関してはレポートや本も出版されているので必要に応じて参照可能です（いずれもTaubes による。Lieb,C.W.1929 "The Effects on Human Beings of a Twelve Months' Exclusive Meat Diet-Based on Intensive Studies on Two Arctic Explorers Living Under Average Conditions in a New York Climate." JAMA July-Dec.:96:20-22、本:Stefasson,V.,1946,Not By Bread Alone,New York:Macmillan)。
　325ページ以降には、ビタミンCに関する記述があり、スターチや精製炭水化物の摂取で血糖値が上がると、ビタミンCが体外へ放出されやすくなるばかりでなく、細胞への取り込みも阻害されること（グルコースとビタミンCの構造が似ているため）が示唆されています。2型糖尿病患者の場合、ビタミンCのレベルは普通の人の約３割減、メタボリックシンドロームの場合でも相当な程度下がるそうです。
　言い換えると、ビタミンC不足は、野菜や果物が不足する故ではなく、炭水化物が存在する故で、あらたな文明病かもしれないということになるそうです。
　私も3年以上，果物は全く摂取していません。「果物を食べていないから，ビタミンCの多い野菜を食べよう」と考えたこともなければ，サプリメントで補ったりもしていません。恐らく私のビタミンC摂取量はゼロではないもののそれに近いと思います。
　そういう食生活を3年以上続けているのに，壊血病は発症していませんし，過去15年間，風邪をひいたこともありません。
　以前紹介した『壊血病』という本によると，壊血病患者が大量に発生したのは，大航海時代初期の船乗りと，19世紀末のヨーロッパとアメリカの裕福な家庭の乳児で，後者は母乳ではなく瓶入りのコンデンスミルクを与えることが流行したそうです。また，野生のモルモット（人間同様，ビタミンCを体内合成できない）はビタミンCは食事から摂取していないのに壊血病は発生していませんが，穀物主体の飼料を与えると壊血病が発生するそうです。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0602-06:00-4）

2015/06/01

【06:00】

　［練馬光が丘病院での治療例］を更新。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0601-06:00-1）

　「湿潤治療：東京都」，「熱傷湿潤治療：東京都」，「糖質制限で糖尿病治療：東京都」に芝浦スリーワンクリニック／望月吉彦先生を追加しました。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0601-06:00-2）

　「糖質制限メニューのある飲食店：兵庫県」に，宍粟市の但馬牛レストラン　トッポ・ジージヨを追加しました。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0601-06:00-3）

　「20年間，牛肉だけ」というニュースです。

　ちょっと面白い記事を見つけたので・・
　　　　　⇒【20年間「水と牛肉だけ」の家族！】
　炭水化物を抜く食生活に批判的な人々に対して、ジョーさんは「まずは試してみてほしい」と訴える。

　家計を圧迫している・・というのがちょっと笑えましたが・・（笑）

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0601-06:00-4）

　「インスリンとエントロピー」についてのメールです。なお，左記のリンクからこの話題に関する投稿がまとめて読めるようにしておきました。

　細胞膜こそが生命の本質ではないかと思っています。

地球史上、１度だけ｢マックスウェルの悪魔｣が存在した。
彼は、エントロピー増大則を破り、｢混沌｣から｢膜｣によって｢分離｣を行った。このとき、秩序=生命が誕生した。(きっと、物理的必然性があったはずでしょう。地球と太陽の絶妙な距離感を背景に、原始地球が冷える過程で、地球からの放熱エネルギーと太陽からの入射エネルギーが平衡状態に達しようとしたとき、何かが起こった...熱の移動が一瞬止まった?　その時マックスウェルの悪魔が登場した? 妄想で、申し訳ありません。)

　周囲環境と自己とを分離できることが、秩序の始まりであり、命の始まりだと思います。分離できなければ、単なる有機物であり、エントロピー増大則にて必ず崩壊します。

　言い換えると、細胞膜を壊すようものは秩序を乱すものであり、命を終わらせるようなものです。

　界面活性剤しかり、消毒剤しかり、酸化ストレスを与える糖質しかりです。そうなんです。湿潤療法も糖質制限も、生命=秩序を守る治療であり、命の本質をついている治療なんです。だから、よく｢効く｣んです。
　これに、気がついてから、俄然医学が面白くなってきました。医学=総合生命科学なんだと。

　正直、いままで何度医者を辞めたいと思ったことか。感謝されることより、圧倒的に責められることが多く、努力しても報われない徒労感でいっぱいでした。
　そううち、難病の潰瘍性大腸炎にもなってしまい、もう死んでもいいかとまで思い詰めていたとき、夏井先生のサイトに出会いました。
　最初読んだときの衝撃は今でも忘れられません。頭の中を銃弾が貫通したかのような衝撃でした。そして、あらゆる価値観の逆転が起こり始め、現在に至っています。病気の方も、おかげさまで緩解状態です。
　今は、医者になって良かったと思っています。
　例えぼくがダメ医者だとしても、湿潤療法や糖質制限を認められない医者より、数百倍優れていると思えるからです。
　毎日、感謝の気持ちを持ちながら、先生のサイトを見続けています。ありがとうございます。

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0601-06:00-5）

　雲田はるこの漫画『昭和元禄落語心中』は面白いです。私は第1巻Kindle版の表紙を見て「ジャケ買い」しましたが，あまりの面白さに第7巻まで一気に大人買い！第2巻の途中から長々と回想シーンになり，それが第5巻まで続きますが，これが第1巻に見事に繋がるのです。見事な構成力です。そして，画力も圧倒的！落語「死神」のシーンなんて背筋がゾクゾクするほどです。
　落語の漫画といえば「どうらく息子」も面白いですが，「陽のどうらく息子，陰の昭和元禄落語心中」という感じです。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0601-06:00-6）

【世界中が踊らされた「チョコレートダイエットは効果的」論文――実は釣り　世の中そんなに甘くなかった……】
　こういうニュースを読むと，いつもダイオキシン騒動を思い出します。
　「ダイオキシンは猛毒／強力な発がん物質」という研究が報道されて大騒ぎになり，一時，日本各地で焚火も野焼きも火を燃やす神事も中止になったりしました。焼き魚の焦げを食べると癌になる，というのもそこから出た話だったかな？
　ところがその後，ダイオキシンの毒性／発がん性を示す動物実験のデータが人間にそのまま当てはまらないことがわかったのです。マウスとモルモットとヒトでは，ダイオキシンの毒性に対する耐性は8000倍くらい違い，マウスに対しては猛毒だけど，ヒトには大した毒性がない，というわけです。
　ところが，マスコミは「実はダイオキシンはそれほど危険ではなかった」という報道はほとんど取り上げません。マスコミ的には「危険である」という不安を煽る情報は商売になるけど，「実は危険ではなかった」という情報はあえて報道するまでもない，と判断が働くかららしいです。その結果，「ダイオキシンは危険」という情報だけが社会に残り，これがいまだに「社会の常識」のままです。
　これから考えると，「チョコレートダイエットは効果的」というのはマスコミ的にもお菓子業界からしてもオイシイ情報ですが，「チョコレートダイエットの実験は嘘だった」というのは「あえて報道したくない」情報になるはずです。

　ちなみに，現時点でのダイオキシン（約210種類の芳香族化合物質の総称）についての正しい知識としては，①全てのダイオキシンに毒性があるわけではない，②ごく一部のダイオキシンは高い毒性があるがそれらは通常の自然環境には存在せず化学工場か研究室にしかない，③少なくとも焚火や野焼きで発生するダイオキシンには毒性も発がん性もない，となるようです。

　また，「チョコレートダイエットに効果あり」報道を見てもう一つ思い出したのは「マイナスイオン」です。マイナスイオンもナノイーもプラズマクラスターも全てインチキ。これらから出ているのは単なる「ちょっぴりマイナスに帯電した細かい水滴」です。化学的に考えると，マイナスイオンが単独で発生する通常ではないことです。
　「マイナスイオンの健康に対する効果」を説明するパンフレットや文章は無数にありますが，それらの参考文献を手繰っていくと一つの論文にたどり着くそうです。つまり，その他は全て孫引き引用。そして，マイナスイオン関連商品のパンフレットでは，その最初の論文のデータを根拠に「マイナスイオンは体にいい」と説明するんですね。ところが，その最初の論文自体がインチキだったのです。つまり，マイナスイオンを謳った商品（扇風機，空気清浄機，ヘアドライヤーなど）も全てインチキ（科学的にインチキであろうと，これらの商品は新たな需要を掘り起こし，内需拡大に役立ち，GDPを増大させたわけですから，その意味では極めて素晴らしい商品といえるかも）。
　ここで面白いのは，「孫引き引用が繰り返されると，誰も最初の論文を読まない／確かめない」という現象が起こることです。
　今回のチョコレートダイエットはこの発表が元になっています。つまり，この発表しか根拠がないのですが，一旦，マスコミで「チョコレートダイエットは効果的」と報道され，ネットで繰り返し取り上げられ，チョコレート業界が宣伝文句に使いはじめると，「チョコレートダイエットが効果的であるとする発表は一つしかない」ことに誰も気が付かなくなります。「マスコミでもネットでもダイエット効果があると行っているから効果があるはず」としか考えません。
　今回は，その発表元が「実はあの発表はウソぴょん」と言ってくれたからインチキだとわかりましたが，チョコレートで一儲けを企む輩が「チョコを売るための嘘データ論文」を流した場合，ヘタをしたら誰も気が付かないかもしれません。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0601-06:00-8）

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0601-06:00-9）

　「インスリンとエントロピー」についてのメールです。

　｢生命誕生地球史から読み解く新しい生命像 (講談社現代新書)｣を読んでいます(まだ読み途中ですが)。
　地球自体は、その誕生以来46億年間、放熱を続けてエントロピーは低下に向かい、このエントロピー低下が原動力になって、高分子有機化合物を生み、生命が誕生し、生物は進化をし続けているといったお話かと思います。

　これをそのまま受けとると、地球構造はますます秩序化に向かい、未来は明るいようにも思えてしまいます。これは、実感とはかけ離れていないでしょうか。いまの世界は混沌としているようにしか見えません。
　あくまで想像ですが、人類誕生し、農耕文明が始まるまでは、地球のエントロピーは低下し続けていたのでしょう。多様な生物が登場し、お互いに依存しながら絶妙なバランスの中で、｢秩序｣形成していたのだと思います。
　しかし、農耕文明が始まった途端、人類が自然を支配しようとし始めた途端、エントロピー増大に動き始めたのではないでしょうか。少なくとも、地球表層では。
　穀物を生産する、家畜を育てることは、エントロピー低下なのでしょうが、それらはひとに食べられ、ひとが死ぬことを考えると、最終的にはすべて熱エネルギーに変わります。つまり、エントロピーは増大します。
　これは、長い時間をかけて、熱エネルギーが移動しているだけのことで、エントロピー低下する系とエントロピー増加する系、両方があるわけですが、熱が移動する以上、全体としては、必ずエントロピーは増大します。
　そして、穀物家畜生産が増えれば増えるほど、エントロピーは増大します。

　また、人類は化石燃料を使い始めました。
　太古の地球大気にあって固定されていた二酸化炭素を、ものすごい勢いで大気中に放出しています。これも、もちろんエントロピー増大です。
　加えて、二酸化炭素の温室効果により、地球から宇宙空間への熱放射が起こりにくくなり、大気圏内でのエントロピー増大になってないでしょうか。異常気象と関連あるのでしょうか。

　さらに、交通手段の発達により、ひとは地球のどこへでも行けるようになりました。国際結婚も加速していくでしょう。極論的には、遺伝子が均質化に向かっていくことになります。｢分離｣から｢混合｣への変化ですから、これもエントロピー増大です。

　こうして考えると、地球内部ではエントロピー低下し続けているとしても、地球表層ではエントロピー増大しているようにしか思えません。言い換えれば、｢秩序崩壊｣に向かっているということです。

　これから、エントロピーが低下するようなことがあるとすれば、現在地球を支配しているヒトより、巨大化あるいは特殊化した生物種が誕生し、ヒトにとって変わるしかないでしょう。これは、｢種の定向進化則｣というと、上記の本に書いてありました。
　おそらく、その前には地球史上6回目の大量絶滅(エントロピー・スパイクとでも呼べそうです)が訪れるでしょう。そして、混沌とした世界から、大量の有機化合物を材料に、新たな｢秩序｣形成、エントロピー低下が始まるのでしょう。

　申し訳ありませんが、ぼくには、恐ろしい未来予測しかでてきません。
　先生が以前よりご指摘している通り、農耕文明は人類にとって最大の災厄だと言わざるを得ないでしょう。でも、農耕文明がなければ、今の自分がいない可能性が高く、複雑な気持ちになります。
　「地球全体の温度が下がって地球は秩序化し，エントロピーが低下した」というのは，あくまでも地球自体の話です。長い目で見れば，地球の中心核からの熱放出（微惑星衝突の際に持ち込まれた運動エネルギーと，ウランやトリウムなどの天然放射性元素の自然崩壊による熱）はやがて停止し，その結果，マントル対流も停止します。この時点で核とマントル，マントルと地殻は次第に融合し，地球構造は単純化していき，地球のエントロピーは増大します。もちろん，地球表面は全て凍結し，酸素を生み出す植物もなくなり，酸素は地表と大気中の還元性物質に結合して化合物となり，その結果として酸素はほとんどなくなります。
　さらに長い話をすると，太陽はあと50億年くらいで赤色巨星になりますが，その前の時点で太陽の光度が上がるため，地球の海は沸騰して蒸発します。そして太陽は膨張を始め，現在の地球の軌道くらいまで膨れ上がると予想されています（火星の軌道まで，という予測もあり）。もちろん，地球は飲み込まれて燃え尽き，エントロピーは最大状態になります。その後太陽は白色矮星になりますが，質量は現在の太陽より小さくなるため，残った惑星（木星や土星）を引きつけておけないでしょう。この時点で太陽系の秩序は崩壊し，エントロピーは最大になります。

　また，「現時点で地球そのもののエントロピーは小さいのに，社会は混沌としている」というのは，全く次元の異なる話です。というか，人間社会について考えるときは，エントロピーは考えに入れないほうがスッキリします。なぜかというと，物理学／熱力学で言う「秩序化」は人間社会の「秩序化」と意味合いが異なるからです。「身分／職業の階層化」と秩序化は違うし，「社会の安定」と秩序化も異なります。

　社会が安定して運営されるのは，社会の構成員の間で一つの価値観が共有されている場合です。小さな集団ほど安定するのはそのためです。
　しかし，異なった価値観を持つ集団が隣に住み始めると，社会は次第に不安定になっていきます。集団同士が遊動生活をしていれば問題ありませんが，定住生活同士の場合には争いが起こり，安定性は失われます。そして，その2つの集団をまとめる「指導者（権力者）」が出現すると，また安定します。穀物栽培は「個人所有」を産み，個人所有は「富」になるので，穀物栽培は必然的に「権力者」を産むことになります。これが繰り返されることで集団は次第に大きくなり，広い地域を支配するようになります。

　人間が基本的に徒歩で移動している場合は，この状態で安定していましたが，ウマを乗りこなす民族が登場したり，大型船で大陸間を移動できる大航海時代になると，長距離移動時代になります。そうなると，異なった価値観を持った連中（たいてい武装している）がいきなり襲ってくるのですから，襲われた方は大混乱します。襲った方のモンゴル帝国はスペイン帝国内部は安定していますが（安定しているからこそ遠くに遠征できる），モンゴルに襲われた東ヨーロッパやスペインに襲われた南米は大混乱に陥ります。
　その延長線上にあるのが帝国主義時代であり，「同じ言葉を喋っている人の集団としての国」という概念（これを発明したのがナポレオン）です。「祖国を守るための戦い」という発想が生まれ，国民国家が誕生するわけです。そして，兵士同士が死に物狂いで戦う国家間戦争時代になります（それ以前の戦争は基本的に領主同士の争いで，兵士たちは基本的に金で雇われていたので，死ぬまで戦うことはしなかった）。その国家間戦争の最後が第二次大戦。

　その後，世界全体は比較的安定した数十年を送りますが，唯一の誤算は「緑の革命」で穀物生産が一気に増えたことと化石燃料使用量が急増したこと。このため，人口が急増し，さらに，土地は荒廃し，地下水は減り，淡水は汚染されました。その結果，世界全体で貧困層が急増します。それ以前だったら，未開耕作地が残っていたため移動すれば何とかなったんですが，もうそういう未開の耕作地は地球のどこにも残っていません。土地がないのに人口が多いのですから，解決策としては他人の土地を奪うしかありません。
　一方で，化石燃料を使いまくって先に金持ちになった先進国と，これから化石燃料を使って豊かになろうと目論んでいる途上国の間の利害関係の対立も深刻化してきます。特に，中東のあたりは「指導者は西洋風の価値観」，「その他の国民はイスラムの価値観」という国（現在のシリア，イスラム革命前のイランはまさにその典型）が多かったので，イスラム原理主義をお題目とする反政府＠武闘派集団が登場するのは，ある意味自然な流れと言えます（雑多な反政府組織をまとめる錦の御旗としては宗教への原点回帰しか選択肢がないから）。

　穀物などの植物栽培とは要するに「土」をいかに使うかです。最初期の農耕は「収穫を増やしたければ耕地を増やせばいい」という単純な原理で動いていて，耕地を増やすのは簡単でした。そこらに「手付かずの原野」が広がっていたからです。最初は人力で耕地を増やしていましたが，その後，ウシが使われるようになり，耕地拡大は一気に容易になりました。
　その後，ギリシャはコムギとオリーブ，ブドウ栽培で富を蓄積し，古代ギリシャ文明が花開きます。しかしその後，「耕せる土地は全て耕してしまった」ために耕地不足になります。ここで登場するのが「鉄製の鋤」です。これにより，より深く土壌を掘り起こせるようになり，耕地不足は一時回避されますが，その後深刻な土壌侵食に見舞われ，ギリシャ農業は破綻し，文明も衰退します。
　その後も，古代文明が起こった土地では「耕地拡大⇒耕地不足⇒土壌侵食」が繰り返され，そのたびに文明の栄枯盛衰が起こります。ただ幸いしたのは，1万年前の農耕開始以後の人口増加率が低かったことです（農耕開始で食料が増えたのに，人口増加率があまり増えなかった理由を説明すると，これまた長くなる）。そのため，基本的に「農地拡大」路線で何とかやってこれました。未開の耕地はいくらでもあったからです。

　しかし，産業革命で一気に人口が増えます（実は，産業革命前夜から人口は漸増していたけどね）。産業革命で「労働者が暮らす巨大都市」と「食料を生産する農地」が分離してしまい，両者をつなぐ流通網が必要になり，産業革命がその流通網を可能にします。ある時期まではそれが均衡を保っていました。
　ところが，人口の増加は指数関数的になる一方，農地の拡大は直線的ですから，いずれ前者が後者を追い越します。そして，ある時点で「農地拡大」は停止します（実際に耕地拡大がストップするのは1990年代）。つまり，「土」は無限にある役に立たないものと思っていたら，実はそれは有限で貴重な資源だったわけです。
　それを解決した（ように見えた）のが1950年代に始まる「緑の革命」。合成窒素肥料と品種改良により収穫量は一気に増え，人類が100億人を越しても大丈夫，なんて予想も出たのはこの頃。
　ところが，1990年代後半から，窒素肥料をいくら投入しても反収が増えない，それどころか減少し始めた，というデータが出てくるようになります。そして同時に，「耕地を増やそうにも，もう未開の原野は残っていない」というデータも公開されるようになります。この時点で，「人口がいくら増えても，農地と肥料を増やせば大丈夫」路線は破綻してしまいました。
　その結果，20世紀の終わり頃から難民問題，内戦，宗派間対立などが頻発するようになります。
（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0601-06:00-5）

　昨日午後，銀座の山野楽器6階でデジタルピアノを30分ほど弾きまくってしまいました。ヤマハのN2，N1，NU1，カワイのCA97，CA17，ローランドの最新のデジタルピアノを試弾しましたが，ヤマハのN2はダントツでタッチが良かったです（アップライトピアノとほぼ同じ値段だけど・・・）。ラヴェルの『道化師の朝の歌』の同音連打もグランドピアノっぽく弾けて気持ちよかったです。
　カワイのデジタルピアノも良かったけど，同じ値段のヤマハの「ハイブリッド」シリーズと弾き比べるとタッチの差は明らか。頑張れ，カワイ！

（この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2015-06.htm#0601-06:00-11）


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