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2008/10/31
- 講演で使用するスライドをマイナーバージョンアップし,10月30日作成のものが最新バージョンとなります。「MRSAはなぜ分裂速度が遅いのか?」についてのちょっと本質的な説明を追加しました。
以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますし,新たにダウンロードをご希望の方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
- 残虐シーンがやけに多いホラー映画,《レストストップ デッドアヘッド》について。何だかわかりにくい映画ですが,「実は主人公は○○だった」というネタオチ映画でした。
- 先日の丸亀市医師会での講演会の質疑応答で,二人の形成外科の先生がヒステリックに「保存的治療より植皮が優れている。同じ治るならVACの方がいい。ソフラチュールは痛くない」とまくし立て,聞く耳持たず状態だった。これまでも同様の「聞く耳持たず」の質問をしてくる医者がいたが,決まって形成外科と皮膚科の医者だった。ああ,また来たな,という感じだった。
そりゃそうだろうな。自分がこれまでしてきたことを根底から否定されたのだから。だから,重箱の隅をつつくような質問をして,自説をまくし立てるのだろう。
だが,こういう先生方は現実の世界が動き出していることを知らないし,もう既に,こういう先生方の治療が患者に否定され始めていることを知らないだけなのだ。
あるところで開業されている泌尿器科クリニックの先生がいて,数年前から湿潤治療を積極的に行っているのだが,彼のクリニックを受診する熱傷患者や外傷患者が増え,それに伴って初診患者が増えているのである。もちろん彼は熱傷治療なんてそれまでしたこともないし,恐らく熱傷治療の教科書も読んだことがないはずだ。それなのに,熱傷患者が増えているのである。
そして,このクリニックに熱傷患者が来るということは,それまで熱傷患者を扱っていた皮膚科や形成外科に患者が行かなくなったということと同じだろう。
これは何を意味するか。市民の間の口コミで「ヤケドをしたらあそこの泌尿器科のクリニックがいいよ。皮膚科に行っちゃ駄目!」という認識が広がり始めているとしか考えられないはずだ。つまり,患者は皮膚科とか泌尿貴科とか熱傷専門医という看板で医者を選ぶのでなく,「痛くないヤケドの治療」をしているかどうかで選んでいるのである。
医療は客商売である。客が来てくれないことには成り立たない業界である。そして,客に選ばれる治療を提供すれば客が増える業界である。客に選ばれなくなった治療は消えるしかないし,客に選ばれない治療しかできない医者は食っていけなくなるだけのことだ。
私が医者になった頃,胃潰瘍は外科医が手術して治す病気だった。恐らくあの頃は,胃潰瘍の手術の名医がいただろうし,胃潰瘍の手術で食っている外科医が沢山いたはずだ。
しかしその後,H2ブロッカーが開発・販売され,胃潰瘍は内科医が内服薬で治す時代になった。胃潰瘍患者で外科で手術してもらおうと考える人はいなくなった。恐らく,胃潰瘍手術で食っていた外科医は困ったはずだ。H2ブロッカーなんて碌でもないものを発明しやがって,と呪ったはずだ。
しかし,患者は手術より薬を飲んで治す治療を選んだ。そして,胃潰瘍を手術する外科医は絶滅して行った。
ある疾患の治療の歴史を見ると,治療担当診療科の変化を伴っていたことがわかる。虫垂炎は19世紀後半までは内科医が治療するものであり,その後,外科医が治療する時代になった。そして今は,内視鏡医が治療する時代になった。その変化に伴い,患者がいなくなって困った内科医,外科医が生まれたはずだ。
2008/10/30
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,香川県丸亀市の川井整形外科クリニック 川井涼平先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 一昨日は丸亀市医師会で講演でした。同医師会の講演会では過去最高となる120名以上の参加者があり(通常の2~3倍とのことです),質疑応答も活発でした。多数お集まりいただき,ありがとうございます。
講演後は同じホテルで立食形式の情報交換会があり,ここでも質問攻め状態でした。さらにそのあと,4人で居酒屋でゆっくりと食事。香川県の地酒,非常に美味でした。遅くまでお付き合いいただき,ありがとうございました。
翌日は,高松空港10:10発のJALで羽田に向かい,モノレール⇒京浜東北線⇒常磐線と乗り継ぎ,午後2時半から通常の外来診療をしました。
- 以前,「MRSAは非耐性ブドウ球菌に比べ,分裂速度が極度に遅く,極めておとなしい細菌である」というデータを紹介しました。同様の現象は,緑膿菌と耐性緑膿菌の間にも認められるし,また,通常の大腸菌と病原性大腸菌の世代時間を比較すると,同様に病原性大腸菌のほうが分裂が遅いのです。
「耐性菌,毒性の強い菌はなぜ分裂が遅くなるのか」という現象をクリアカットに説明したいとずっと考えていたのですが,高松に向かう飛行機の中で一つのアイディアが閃きました。恐らくこれが正解でしょう。実は,糸口となるデータは『ミトコンドリアが進化を決めた』に示されていたのです。なぜ今までこれに気がつかなかったのだろうか・・・簡単なことなのに・・・。頭悪いな>自分
要するに,細菌の生き残り戦略から考えると,耐性能力(=抗生剤分解能力)を持つことは細菌に増殖にきわめて不利に作用します。ただそれだけのことです。
詳しくは光文社新書に書く予定です。それにしても,光文社新書の原稿,どんどん内容が増えていきます。
- 講演で移動する際はモバイル型ノートパソコンとemobileの通信カードが必需品ですが,emobileの弱点は「大きな都市でないと使えない」という点にあります。ちょっと地方に行くと,県庁所在地の一部でしか使えなかったりします(例:秋田市)。
また,地方のホテルではまだ,自由に使えるLAN端子が部屋に配備されていないことも多く(かなりいいホテルでもないことがあります),まして,無線LANアクセスポイントなんて影も形もありません。だから下手をすると,丸一日ネットが使えず,仕事に差し支えます。
そこで登場するのが,b-mobileの通信カードです。速度は遅いですが,これまで講演でいろいろな所を訪れていますが,これが繋がらなかったところは一つもありませんでした。しかも,遅いながらも接続は極めて安定しています。
地方での講演もありますし,秋田の片田舎にある実家に行くこともありますので,当分お世話になりそうです。
- 『ショパンの第3ソナタのフィナーレと巨人の星のテーマの交響的融合』ですが,なかなか練習の時間が取れず,左手の6連符が連続する部分で止まっていました。弾いたことがある方は御存知と思いますが,何箇所か非常に弾きにくい部分があります。しかし,「難しければテンポを落とせばいいじゃん」とか「難しい部分は音を端折って弾いちゃえ」なんていうのは大嫌いです。「楽譜に書かれた音から逃げるな」というのが,私のピアノの先生の教えだからです。
こんなときは,左手の6連符の難しい部分を右手で取り,すべての音を鳴らすしか手段がありません。そういうわけで,ちょっと指使いを工夫してみたらすごく弾き易くなるじゃないですか。今まで難渋していたのが嘘みたいです。腕がなければ頭を使えばいいだけじゃん。
なんでこんな簡単なことに気がつかなかったんだよ>自分
2008/10/28
- 昨日は神奈川県立青野原診療所の三箇山先生が見学に見えられました。
- 超低レベルのゾンビ映画なのに,生意気にも第3作目まで続いている《ミートマーケット》シリーズの3作目,《ミートマーケット 地獄からの脱出》を紹介。監督のブライアン・クレメンス,君の,見返りを求めないゾンビ映画への愛と情熱は美しい・・・方向性が馬鹿だけど・・・。
- 今日は昼過ぎまで外来診療をして,午後2時過ぎの特急電車で上野に向かい,羽田から高松空港に移動し,午後7時から丸亀市医師会で講演です。香川県にお邪魔するのは4年ぶりです。
2008/10/27
- 先週金曜日は仙台オープン病院 登録医秋季勉強会で講演でした。通常の同勉強会は120名前後の参加ということですが,今回は180名を越える方が参加され,質疑応答も非常に活発でした。
その後,数人の先生方と2次会,そして3次会へと突入。最後はヘロヘロ状態でした。遅くまでお付き合いいただき,ありがとうございました。
- アンケートに追加。「臨床研修制度について思うこと」です。
- 普段,メインで使っているパソコンは数年前に購入したソニーのVAIO Type Tです。セレロンM 353, メモリ256MBというスペックですから,その古さがわかると思います。しかし,とりあえずネットが利用でき,WordとExcelとPower Pointが使え,動画が見られれば,あとはテキストエディタ(サイト更新はエディタでタグ打ち込みでしているから)が動けばいいや,程度の使い方なのでこれで十分なんですね。
そういうわけで,あとしばらく使おうかなと思っていたら,いつの間にかCドライブの空き容量が1GB以下になっていて,おまけにコントロールパネルの「プログラムの追加と削除」が立ち上がらなくなっているじゃないですか。ネットで解決法が幾つか見つかり試してみたんだけど,まだうまくいきません。これさえ立ち上がれば,不要ソフトを一気に消して空き容量を増やせるんだけど・・・。このままだと,いつ動作が不安定になるかな,という感じです。
というわけで,次はネットブックかな,なんて思っています。スペック的にはこれで十分だからです。唯一の難点はExpressCard/34スロットを装備している機種が少ない点だけです(モバイルのネット接続がこのタイプなもんで)。
- なんて思っていたら,「起動は2秒、ATOK、パンタグラフキー搭載--キングジム、デジタルメモ「ポメラ」発表」なんてニュースが!
要するにテキスト入力だけに特化したガジェットで,ネット接続なんて洒落た機能もなければMP3再生も動画再生もできません。男は黙ってテキスト入力,という見事に割り切ったマシンです。しかし,文字入力,文章作成が仕事なんていう人にはとても魅力的です。なんと言っても,蓋を開けると左右にキーボードが開くなんて,往年の名機種,IBMのバタフライを彷彿とさせ,オールドファンの胸を熱くさせます。
文章の上限が原稿用紙20枚とやや少ないのが難点でしょうか。
2008/10/24
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,兵庫県西宮市の浅井診療所 浅井 靖先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- オカルト風味の宗教映画,《リーピング》を紹介。旧約聖書の「出エジプト記」についての知識がないと,全く理解できない映画でした。
- 今日は昼まで外来診療をして,それから電車,新幹線を乗り継いで仙台に向かい,仙台オープン病院で講演です。
2008/10/23
- 「博士号ってなんだろうか?」をアンケートに追加。
ちなみに私は長いこと大学の医局にいましたが,結局いろいろあって,博士号は取得せずじまいでした。そのため,講演の際の「演者の略歴紹介」で紹介する項目がほとんどないため,いつも呆れられています。こういう時は博士号を取っておけばよかったな,とちょっぴり思ったりします。ま,その時だけですけどね。
皆様はいかがでしょうか。
- 松村宏さんのパロディーはいつ見ても面白い。今週は「エクスカリバーの巻」で,真の勇者にしか引き抜けない伝説の剣,「解散剣」をめぐる勇者たちの冒険が展開されます。最後の「おじいちゃん!」が秀逸です。
- 「プラスモイストP取り扱い薬局」では処方箋なしにいつでもプラスモイストが購入できます。昨日も薬局が追加され,合計18店舗となりました。
なお,「私の薬局でも扱っているぞ」という薬剤師さん,あるいは「近くの薬局でもプラスモイストを売っていたけど,まだリストに載っていないな」という薬局を見つけた方は,お手数をおかけしますが瑞光メディカル(株)までメールでお知らせいただけないでしょうか。
2008/10/22
- 豪華絢爛長大クズ映画,《セブンソード》を見ちゃいました。中国の清朝成立直後を舞台にした剣戟物で,「七人の侍」風の設定なんですが,七人の剣士のうち二人は行きがかり上加わっただけだし,登場人物の設定が途中から変わっちゃうし,作戦も滅茶苦茶だし,なんでこんな映画にしちゃったんでしょうか?
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」では処方箋なしにいつでもプラスモイストが購入できます。昨日も薬局が追加され,合計17店舗となりました。
なお,「私の薬局でも扱っているぞ」という薬剤師さん,あるいは「近くの薬局でもプラスモイストを売っていたけど,まだリストに載っていないな」という薬局を見つけた方は,お手数をおかけしますが瑞光メディカル(株)までメールでお知らせいただけないでしょうか。
- 『ショパンの第3ソナタのフィナーレと巨人の星のテーマの交響的融合』を練習中ですが,左手6連符が連続する部分の直前までヨタヨタしながら到着。ううむ,弾けるところは弾けるんだけど,弾けないところはなかなか弾けないんだよな・・・ま,当たり前だけど・・・。
2008/10/21
- 「医局制度の功罪」についてのアンケート。
- 久し振りに「日々の診察から」を更新。「だから人を殺しちゃいかんのだ」。
- 「COURRiER Japon」11月号。特集は「新世紀ブラジル」というわけで,まず質問がありました。
次の国の中でGDPが最も大きな国はどれでしょうか?
- ブラジル
- インド
- ロシア
- 韓国
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何となく,ロシアあたりかなと思っていたら,正解はブラジルでした。なぜなんだろうと思って特集記事を読んだら,納得。なるほどね。
ちなみに,上記の4つの国のGDPの順番は ブラジル>ロシア>インド>韓国 の順でした。
- 『ショパンの第3ソナタのフィナーレと巨人の星のテーマの交響的融合』を練習中ですが,ちょっと(?)遅めのテンポですが,半分くらいまで進みました。左手のメロディーをくっきり出すのが難しいです。
2008/10/20
- 単なる「ゲテモノ食本」のように見えて,実は哲学的な深みに達している本,「ゲテ食」大全を紹介。ちょっと古い本ですがすごい本です。
それにしても,この本の著者には「食糧危機」なんて言葉は関係ないんだろうな。
そういえば,以前勤めていた病院で指導した研修医に,冬山単独登山を趣味にし,そちらの方面で名前が知られている人がいましたが,彼は目の前の植物・動物・昆虫を「生で食っても大丈夫,加熱すると食える,煮ても焼いても食えない」の3つに分類しているそうです。極限状態になると「気持ちが悪くて食べられない」なんて甘っちょろいことを言う奴から死ぬからだそうです。久しぶりに彼のことを思い出しました。
- 現在,光文社新書の原稿を書いていて,皮膚常在菌の章を書き進んでいます。ここで「なぜ人間(動物)は皮膚常在菌との共生の道を選んだのか,なぜ,皮膚常在菌との共生をしない動物がいないのか?」という命題について考えています。
なぜか? 恐らく理由は極めて単純。エネルギー効率から考えると,皮膚常在菌を持つ動物と持たない動物に同じ淘汰圧がかかったとき,皮膚常在菌を持たない動物は生存競争に勝てないからです。詳しい謎解きは今後出版されるであろう新刊書で・・・。
そういえば,同じ考えで「なぜピロリ菌は(一部の人間の)胃の常在菌になったのか? なぜ全ての人の胃の常在菌ではないのか?」という謎も解明できますね。一つのことがわかると別のことも突然分かったりします。だから勉強は面白いです。
2008/10/18
- 昨日,『ショパンの第3ソナタのフィナーレと巨人の星のテーマの交響的融合』という曲を紹介しましたが,YouTubeに演奏動画があることを教えていただきました。内田さん,情報ありがとうございます。
弾いてみたい,楽譜を見たいという人は方は,御連絡ください。
2008/10/17
- これぞ,名匠ペドロ・アルモドバルの傑作映画,《ボルベール<帰郷>》を紹介。輝くばかりに美しいペネロペ・クルスをはじめ,誇り高く逞しいラ・マンチャの女性が登場する映画です。
- 今年も早いもので,あと2ヵ月半で年の瀬を迎えます。年の瀬といえば忘年会・・・というわけで,気の早い人はそろそろ出し物の準備にかかる時期でございましょう。私は普段はピアノを弾いていないので,そろそろ指を動かし始めようかと,昨日から医局においてあるピアノを弾き始めました。
とりあえず,指慣らしにドビュッシーの「前奏曲集」の楽譜を広げ,10年ぶりくらいに『音と香りは夕暮れの大地に漂い』,『西風の見たもの』,『霧』,『ヒースの咲く荒地』などを弾いてみました。まぁ,そこそこ指が覚えているけど,人に聞かせるレベルじゃないな,という感じでしたが。
で,今年の演奏曲目ですが,無謀にも『ショパンの第3ソナタのフィナーレと巨人の星のテーマ曲の交響的融合』にロックオン! ちなみに昨年もちょっと練習した曲ですが,時間切れで物にならなかった作品です。ショパンの「第3ソナタのフィナーレ」より格段に難しい曲なので,あと70日で弾けるかどうかはかなり微妙ですけどね。
ちなみに,私が大昔に書いた解説文はこちら。実際の演奏はこちら。
2008/10/16
- ピーター・ラビットの作者,ビアトリクス・ポターの半生を描いた佳作映画,《ミス・ポター》を紹介。
この映画では触れられていないが,実はポターは偉大な生物学者であり,藻類と細菌の共生関係を最も早い時期に確認した一人なのである。生物学者としても超一流,絵本作家としても超一流,それがポターの真の姿である。
2008/10/15
- 「効果的な術後創感染対策とは何か」を追加。整形外科での人工関節手術,脳外科手術,心臓外科手術など,「術後感染を起こしたくないあらゆる手術」に応用できる方法です。ま,地道な方法ですけどね。
- 日本の医学界(そして多分,世界の医学界)にはエビデンス馬鹿,RCT馬鹿が多くて困る。RCTで証明されていないものは信じない,医学的に正しいということはRCTで証明されたことである,と考える大馬鹿ちゃんである。こういうお馬鹿さんは,次のような命題について考えてみてね。
- 青酸カリで人が死ぬかどうかはRCTを行ったデータがないと信じられない。100人に青酸カリを飲ませ,飲まなかった100人と比較して死ぬかどうかを調べるべきだ。
- クロストリジウム菌によってガス壊疽が起こるかどうかはRCTで証明されなければ信じられない。クロストリジウムを創内に入れた100人と入れなかった100人で調べ,本当にガス壊疽が発症するかどうかという実験をすべきだ。
- 皮膚を切ると血が出るというが,それをRCTで確認した論文がないと信じられない。100人の皮膚を切り,切らなかった100人と比較して統計処理すべきである。
化学や物理や生理学で確認された事実についてはRCTを行う必要はないし,RCTをしても証明できません。このあたりが全然わかっていない大馬鹿ちゃんが多くて困っちゃいます。
- たった今,TBSラジオの「生島ヒロシのおはよう一直線」に出演したばかりです。私,ラジオを持っていないのでどんな感じに放送されたのかわかりませんが,とりあえず「噛まなかった」のでよしとしましょう。
- バイオ燃料の評価が急落 食糧高騰で普及策も見直しへ
“環境派”の信頼喪失? 「第2世代」の普及がカギ
バイオ燃料に対してまともで冷静な論議が多くなってきました。ちなみに,アメリカがトウモロコシによるバイオ燃料を推進したのは,全く普及しない遺伝子組み換えトウモロコシの使い道として車の燃料にしちゃえと目論んだ,というのは有名でしょう。実際,「トウモロコシから作るバイオ燃料で得られるエネルギー量」より「そのトウモロコシを育てるために必要なエネルギー量」の方が多いため,トウモロコシでバイオ燃料を作れば作るほど石油を浪費します。
2008/10/14
- 『解読! アルキメデス写本 羊皮紙から甦った天才数学者』について解説。これぞ痛快冒険物語にして,驚愕の数学書だ。放物線の面積を求めよという命題に対し,「てこの原理」を使って解答するアルキメデスの想像力に脱帽!
ちなみに,現在読んでいるのが『<宗教化>する現代思想』(光文社新書)。哲学と宗教の関係,宗教と哲学双方が陥りやすい論理の罠について鋭く考察しています。
それを読み終えたらその次に手をつけようと思って買ったのが『ピタゴラスの定理 4000年の歴史』(岩波書店)だ。ピタゴラスの定理を軸に古代バビロニアから現代に至る数学の歴史を俯瞰し,400を超えるピタゴラスの定理の証明からフェルマーの最終定理の証明までを書いた本らしいです。面白そう!
- 講演で使用するスライドをマイナーバージョンアップし,10月13日作成のものが最新バージョンとなります。以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますし,新たにダウンロードをご希望の方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
- 一昨日(12日),富山市で開かれた日本最小侵襲整形外科学会で講演をしてきました。1時間とちょっと短めで質疑応答の時間も数分でしたが,それでもいくつかの質問を頂きました。
講演前後に座長の先生方とちょっと話させていただきましたが,楽しかったです。ありがとうございました。
- 10月15日(水)朝5:45のTBSラジオの「生島ヒロシのおはよう一直線」に電話取材の形で私が出演します。ちょっと早い時間ですが,よろしかったらお聴きください。
2008/10/11
- 私が幼い頃,"Made in USA" といえば全世界の憧れの商品だった。何しろその頃,日本で「外車」といえばそれはアメリカ車だったし,そのほかにもアメリカ製の商品が沢山輸入されていた。その頃,アメリカは物を作って海外に売る国だった。
現在,"Made in USA" はどこにもない。"Made in Japan" ,"Made in German" ,"Made in France" ,"Made in Italy" ,"Made in Korea" ,"Made in China" ・・・はあるのに "Made in USA" がない。アメリカは物を作らない国になったからだ。
ではアメリカ人は何をしているのか。他人の金を右から左に動かして金を儲けを得る職業につく人間ばかりになった。優秀な人材ほどそういう職業につくようになった。そして,より巧妙に金を動かして儲けが上がるように,システムはより複雑になっていった。それをアメリカ中の優秀な頭脳が支えた。しかし,あまりにも複雑膨大なシステムになってしまったため,証券がどこでどう繋がって動いているのか,誰も把握できなくなってしまい,制御できなくなった。
そして,システム崩壊の日が近づいているようだ。
2008/10/10
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,熊本県熊本市の桜十字病院 外科 吉村芳弘先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 昨日の「認定医,専門医制度についてどうお考えですか?」というアンケートに絡めてですが,認定医(専門医)という制度でいかにしたらメリットを生み出せるかという問題です。メリットにはもちろん名誉とか称号など入りますが,まあ,一般的には金,経済的メリットです。
例えば,「認定医・専門医の給与は,そうでない医者の給与より高くする」ためには,病院がその給与上昇分に見合った売り上げが得られることが必要です。それは次の二つに限られるはずです。
- 認定医による専門的治療目当てに受診する患者が増える
- 認定医の診療に対する診療報酬を上げてもらう
要するに,患者さんが「認定医の先生の治療は全然違うねぇ」,「認定医の先生が処方する薬は効き目が全然違うよ」と実感するくらい,認定医と非認定医で治癒率に差があるとか,圧倒的に傷が目立たないなどの違いがなければいけません。それがなければ,何もわざわざ認定医を探して治療を受ける必要はなく,近くの病院でいいということになります。認定医とそうでない医師の治療に圧倒的な差さえあれば,「認定医の治療は2倍の診療報酬」は社会的にも受け入れられるでしょうし,病院も認定医を雇い入れることで利益を得ます。認定医を取得することで取得した医者が経済的メリットを受けるためには,これが成立していることが必要と思います。
逆に言えば,「心臓の手術なら心臓外科医であって,外科や整形外科に行っても駄目だよ」,「目の具合が悪かったら眼科医に行かなければいけない。近くの小児科の先生に相談しても意味がないよ」,あるいは「法律の問題なら弁護士さんに行かなければ駄目。医者に相談しても意味がないよ」というくらいの違いが,認定医と非認定医の間に必要だということです。
日本の場合,問題は,認定医と非認定医といっても同じ診療科の医者同士である点にあります。つまりどちらもその分野のエキスパートです。だから,その差は必然的に小さくなります。同じ形成外科医なら,認定医をまだ取得していない医者と既に取得している医者での治療成績の差は恐らく誤差範囲でしょう。もちろん,形成外科医が見ると両者には差がある場合もありますが,一般の人の目にはわからないくらい微妙な差ではないでしょうか。医者に限らず,プロという種族はごく微妙な差をかぎ分ける能力が発達しているからです。針小棒大化能力といってもいいでしょう。
患者さんがその違いにいくら金を支払うか,ということであり,その金額が,患者側から見た「認定医の価値」です。これがなければ,「認定医を取得・維持する努力に見合う金銭的評価をして欲しい」といっても,それは財政的基盤のない願望に過ぎません。だから本来は「学会に所属している医者のうち,他の医者を圧倒する技量と知識を持った者に認定医の称号を与え,それを学会が保障する」という制度であるべきだったのです。
しかし現実の日本における認定医の認定はそうでなく,一定の年限,学会費を払ってさえいれば,申請すればほぼ全員が取得できます。だから,医師国家試験や司法試験などの資格試験と違い,むしろ,華道や茶道の師範に近いことがわかります。
本来なら,医学界が認定医・専門医制度の前にすべきことがあるはずです。美容外科を学んでいなくても美容外科の看板が出せ,外科を専門に学んだわけでなくても外科と看板が出せる現行の制度です。世の中にインチキ美容外科が跋扈しているのは,医者なら誰でも美容外科と言う看板が出せるのです。
つまり,形成外科学会がまずしなければいけないのは,インチキ美容外科が美容外科の看板を出せないようにすることではないでしょうか。何よりそれが,患者の利益につながるはずです。
- 物悲しくて切ないホラー映画,《ザ・ダーク》について。ホラー映画としてはあまり怖くありませんが,むしろ,普通の上質の映画です。
2008/10/09
- 「認定医,専門医制度についてどうお考えですか?」というアンケートを追加。
現在,新書の原稿を書いているのですが,そこで「学会とは何か?」というあたりを書いているうちに認定医制度の問題にぶち当たり,「認定医とは誰にメリットのある制度なのだろうか?」という疑問で立ち往生しています。
ちなみに私は日本形成外科学会の専門医であり,学会の専門医認定試験問題作成委員を2期6年間努めた経験があります。
しかし,専門医になって何一つメリットはありませんでした。柔道の石井選手ではありませんが「屁の突っ張り」にもなっていません。だから,手間・暇・金をかけて専門医の資格を維持するメリットも見出せません。
「専門医が縫合した場合は創縫合処置料を2倍にする」という制度を作れば専門医と病院に直接のメリットとなりますが,縫合する前に「私は専門医なので縫合の値段が高くなります」と説明が必要になり,「それなら別の医者に変わってくれ!」と言われそうです。あるいは,「専門医のみ学会参加費がちょっと安くなる」なんてのも考えましたが,これは学会が絶対にしないだろうし,「専門医でなければ傷を縫っていけない」という制度にするのも無理です。専門医であるメリットがあるシステムがなかなか思いつかないのです。皆様,いかがでしょうか?
2008/10/08
- ノーベル物理学賞:益川教授ら日本人3氏に授与
理論物理の世界で「次のノーベル賞は彼らじゃないか?」と毎年のように下馬評に名前が上がっていた方々です。ちなみに受賞理由は「対象性の破れ」を予見し,発見したことです。
というわけで,次のような本がちょっと売れるかも・・・。「お前さ,対象性って何か,知ってる?」と薀蓄を披露したい人は早めに読んでおいたほうがいいかもしれません。ちなみに,私はブルーバックスはちょっと前に読みました。内容はハードでしたが面白かったよ。
ちなみに受賞者の一人は海外旅行をしたことがなくパスポートも持っていないので,ノーベル賞取っちゃったからパスポートを作らなけりゃいけないのか,そりゃ面倒だな,と思っていらっしゃるそうです。こういうのも格好いいな。
- 単なるアホ馬鹿ホラー映画かと思って見始めたら,実は面白かったのが《ホスピタル》。
2008/10/07
- アンケートを追加。「抗生剤内服+プラスモイスト貼付でのトビヒ(膿痂疹)治療の有効性はどのくらいでしょうか?」です。実際に治療をしてみての印象をお答えいただけたら幸いです。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,東京都中野区の能戸クリニック 能戸保光先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 昨日は,兵庫県西宮市の浅井診療所 浅井先生が見学に見えられました。
- 通勤路のど真ん中に大きなネズミの死体が転がっていたのは10日ほど前だった。どうやら車に轢かれて死んだらしく,ぺしゃんこの状態だった。車がすれ違えないくらい狭い道のアスファルトの上の死体は土に返ることはなく,その後何度か車に轢かれて,毎日,新たな内臓を撒き散らしながらゆっくりと腐敗していくしかなかった。
これが都会だったらどうなるか。恐らく,数日でネズミの死体は跡形なく消えているはずだ。都会の偉大なるスカベンジャー,ハシブトガラスが始末してくれるからだ。
しかし,ここ石岡ではこのネズミの死体が10日以上,原型をとどめている。なぜか。それは,カラスが少ないからではないかと考えている。実際,他の都市に比べて石岡市街でカラスの姿を見ることはとても少ないような印象がある。農村平野地帯の石岡とはいえ,このような平野は通常,ハシボソガラスの天下のはずだ。これまで,カラス天国とも言うべき都会で暮らしてきたから,この「カラス不在」はとても不思議である。
2008/10/06
2008/10/03
- 一昨日(10月1日)は国立病院機構熊本医療センターで講演でした。会場は満員で近隣の開業医の先生も多数参加されていました。また,質問も多数いただきました。
その後,3人の先生方と懇親会へ。楽しかったです。遅くまでお付き合いいただき,ありがとうございました。
というわけで,昨日は朝9時45分に熊本空港を出発して羽田に向かい,東京モノレール⇒京浜東北線⇒常磐線と乗り継いで,午後2時半からの外来をしました。 外来をしながら,ついさっきまで熊本にいたんだよな,とちょっと不思議な感じでした。
さすがに夜は疲労困憊で,すぐに寝ちゃいました。
- まだ確定ではありませんが,来年1月18日(日)に同じ茨城県内の筑波メディカルセンターで開かれる小児救急医療の研究会で講演することになりそうです。
- 肩の凝らないコメディー映画,《ナッシング・トゥ・ルーズ》について。暇つぶしに最適でした。
2008/10/01
- 「この症例,あなたならどうしますか?」シリーズ第2弾,下腿の難治性潰瘍です。「穴あきポリ袋+紙オムツ」で肉芽の色はよくなったのですが,なぜかそのあと,創収縮が進まなかった症例です。
- 今日は11時半まで外来診療をして,石岡駅12:13発の電車に飛び乗り,上野⇒浜松町⇒羽田空港⇒熊本空港と移動して,熊本医療センターで講演です。
問題は台風15号です。予報によると海上を進み,夕方は四国沖なので,この通りだと熊本にたどり着けそうです。この時期の講演はいつもハラハラの連続です。