2012/02/29
【10:30】【10:00】
- 先週から熱傷の赤ちゃんが続いていますが,赤ちゃんのお母さんたち全員に「手荒れの治療」も教えています。皆さん,次回診察日までには,手荒れが治りスベスベの手になったと喜ばれています。
もちろん,患者さんのお母さん全員に指導するのは大変だし,手間もかかります。それなのになぜ手間隙かけて教えているかというと,これこそが「病院ができるサービス,医者ができるサービス」だと信じているからです。医療はサービス業だと考えているから,サービス業に徹しているだけです。
よく,患者に「様」をつけて呼んだり職員の接遇教育をしたりしていますが,こんなもの,サービスじゃありません。だって,患者さんはそれを望んでいないからです。「様」をつけて呼んでくれなんて誰も望んでいないのです。同様に,銀行やホテルのような接遇も望んでいません。誰も望んでいないことを一方的によかれと押し付けて,それを「患者サービスだ」と勘違いしているだけです。
サービスとは「提供する側が手間隙をかけ,提供される側が満足する」ことです。患者に「様」をつけて呼ぶことは手間も暇もかからず,呼ばれた方も満足していないのでサービスではないのです。
では,患者サービスとは何か。それは,[早く治すこと],[合併症を起こさずに治すこと],[病院に通院しなくても治せる方法を患者に教えること],[患者が具体的なイメージを持って自分の病気を理解できるよう,専門用語を使わずに適切な比喩を取り混ぜて明快に説明すること],そして[知ってお得な医療情報・健康情報を教えること]です。手荒れの治療指導は最後に当たります。
- 外は結構な雪です。そのため,ちょい暇です。そのため駄文を書いたりしています。
【09:00】
- [プラズマ処置機器 開発ワーキンググループ委員会]で,どうやら私が経済産業省への答申書(?)の一部を書くことになりそうです。中央省庁とか大学から最も遠いところで仕事をしてきた人間としては,何だか妙な気分です。・・・っていうか,私がそういう公的文章を書いていいのか,っていまだに戸惑っています。
- 【「アイスマン」目は茶色=5300年前の男性ミイラ―DNA解読で判明・国際チーム】
アイスマンについての地道な研究が続けられています。アイスマンについての本を以前紹介しましたが,5000年前の男が日頃どんなものを食べ,どういう労働をしていたかがわかって興味深いです。
【06:30】
- ある先生からも糖質制限について。
「糖質制限ダイエット」の話が出ていたので、ちょっと体験談を話させてください。「知り合いの栄養士さんなどからはこてんぱんにけなされました」というのが面白いですね。糖質制限でいいのなら,従来の栄養学に基づいた栄養指導(例:栄養のバランスは[炭水化物4割,脂質2割,タンパク質2割]でなければいけない)が無意味なものになってしまうし,栄養学そのものが根本から崩れちゃいます。
実は私も、過去に二回(2004年と2009年)、このダイエットを行いました。やり方は「アトキンスダイエット」に準拠しています。添付したグラフは体重の推移で、横軸は開始からの日数です。体重が3ヶ月で10Kg以上減少(最大で13Kg落ちました)、その後はほぼ安定しているのがおわかりかと思います。
確かに、このダイエットは劇的に体重が減る上に、一切費用がかかりませんし、他の方も書いておられるように、昼食後の眠気が減るなどの、うれしい身体的変化も多数ありました。ただ、開始当初は激しい口渇や、尿ケトン体強陽性などの、ケトーシス症状が強く出ましたし、寒さに弱くなるなどの副反応が出たのも確かです。また、僕の場合、肝機能も少し悪化したりもしました。
先生もお書きのように、医療者が自分の知識の範囲内でやるのには、なんの問題もないと思いますが、一般の方に積極的に薦めるのは無理があるかなぁと思っています。
僕も、知り合いの栄養士さんなどからはこてんぱんにけなされました(笑)
栄養学が崩れてしまいそうになると,栄養学業界は従来の栄養学を守ろうとします。営巣本能みたいなものです。その結果,「患者の体を守らずに栄養学の教科書を守る」ことになります。
もちろんこれは栄養学,栄養士さんに限ったことではなく,熱傷専門医とか褥瘡専門のWOCナースとか,糖質制限を絶対に認めない糖尿病専門医とか,枚挙にいとまがないですけどね。
- 「金属プレートが露出した下腿骨折症例」のその後です。
- 「蜂窩織炎の治療について教えてください」という質問に回答しました。
- 昨日の[プラズマ処置機器 開発ワーキンググループ委員会]が終わったのは21:00過ぎ。それから東大病院からタクシーで上野駅に向かい,駅に到着したのは21:15過ぎ。常磐線特急発車まであと10分たらず! この時点でまだ夕食は食べていませんが,糖質制限のおかげで空腹感はあまりなし。
キオスクで缶入りウイスキー・ハイボール,茹で枝豆,おつまみチーズセットを買ってあたふたと常磐線に乗り込み,ホッと一息。結局,夕食はこれだけでしたが(石岡に戻っても食べるところがない/アパート近くにコンビニもないため),このくらいの量でも不足という感じはなし。キオスクに並んているサンドイッチやお弁当を手に取ろうという発想すら浮かびませんでした。ちょっと空腹,でもパンやご飯は食べたくないんですね(第一,糖質を食べると眠くなって,絶対に電車を乗り過ごしちゃう!)。恐るべし,糖質制限!
- 昨日の「糖尿病モデルマウスに糖質制限食を与える実験」という話題に対して鋭いツッコミが!
マウスは、もともと人間とは違って、穀類のようなものを主食にしていたようで、そのため通常のエサは炭水化物を主体としたものになっているかと思います。マウスに高脂肪食(裏を返せば、糖質制限食)を与えることで、肥満のインスリン抵抗性のモデルとしたりすることもあります。なので、糖質制限食というのは、マウスにとっては人間の糖質過剰食に相当してしまうのではないでしょうか?[動物実験@糖質制限食]に関しては,たしかにげっ歯類はダメですね。地上の動物で糖質を常食としているのはげっ歯類だけだったと思います(ネズミ類は穀物,一部のコウモリは果実食)。とは言っても,糖質に関しては猫科の動物以外は[本来の食べ物でなくても糖質を好む]そうですから(糖質,恐るべし!),[ネズミ以外で成長が早い動物]で実験すればいいのかな,なんて考えています。
代謝というのは、ヒトと動物では違うようで、そういう意味では、先生方が個人的にやっている糖質制限食の人体実験のデータを集めることで、得られることがマウスの実験よりはるかに大きいものとなると思います。
- 【Googleで「二進法」や「十六進法」を検索すると楽しい結果が表示される】
やるなぁ,Google! Googleのこういう遊び心が大好きです。ちなみに,素数は2進法でも16進法でも素数です。5進法でも19進法でも素数は素数です。だからこそ "prime number" なんですね。
- 【「こんなのインドだけ!」と思う、ぶっ飛んだ写真22枚】
ムチャクチャだけどすさまじくパワフルです。こんな人達には勝てっこありません。
2012/02/28
【13:10】【06:30】
- 昨日から熱傷の新患患者さんが多いです。茨城県内各地,そして東京や千葉からの患者さんです。前医の治療はゲーベンクリーム,シリコンガーゼ,エクスドライ(創面を効率的に乾燥させるため,ムチャクチャ傷が深くなる素敵な治療材料)のオンパレードです。
ちなみにこのエクスドライを使った医者は「これは傷をしっかりと乾燥させるので早く治る」と説明したそうです。見事なアホ医者,おバカ医者ですな。もちろん,患者さん(のご両親)はそれが嘘であることを見抜き,さっさと逃げ出したそうです。
- 今日の夜も経済産業省の[プラズマ処置機器 開発ワーキンググループ委員会]です。スーツ・ネクタイ姿なんでクローゼットの中を見ていたら10年くらい着ていなかったスーツがあるじゃありませんか。もちろん,ウエスト方面の問題からズボンが入らなくなったんですが,試しに着てみたら余裕で穿けるじゃありませんか。こういう体型の変化はほんとうに気持ちいいし,気分がいいですね。それにしてもこのスーツがもう一度着れるとは思ってもいなかったなぁ。ブラボー,糖質制限!
こんな簡単で手軽で確実なダイエット法,私以外の中年男性は知らないままでいて欲しいです。私以外の中年男性はみんなメタボ体型のままで私だけがスマート体系,というのが理想的な状況っすよね。
- イギリスの社会は映画の巨匠ケン・ローチが不法移民問題を鋭く追求する傑作映画,《この自由な世界で》を紹介。極めて重く深い問題を,実に軽やかなサスペンスタッチの映画に仕上げるケン・ローチの手腕には舌を巻きます。
- 次に読んでみようと思っているのがこの本。どうやらガチガチの技術系の本らしく [プログラミングの知識がないとかなり難解] とのことですが,日本語変換のアルゴリズムについて以前から興味があったので思い切ってゲット! 理解できる部分が少しでもあれば御の字でしょうけどね。
- 【エチゼンクラゲは中国・黄海で発生】
あの巨大クラゲは以前から想定されていたように「メイド・イン・チャイナ」でした。ということは,黄海の環境に何かが起きているということでしょう。
- 食品衛生を専門にしている先生からも糖質制限ネタの投稿をいただきました。
ブーム?の糖質制限ですが、私も平日の昼だけ炭水化物を抜く、というかなり消極的ではありますが、糖質制限をここ3週間ほど試しています。他の人に言ってもおそらく全く相手にされないと思うので、今のところ自分だけ楽しんでます。食品衛生を専門にしている先生ならではの鋭い視点です。また「脂質の機能にはエネルギー産生がある」とわかっているのに,なぜか脳みそには 「エネルギー=糖質」 しか浮かばない,というのも面白いですね。
土日は、うどんやパスタなどの炭水化物を3食たべてます。面白いことに、糖質の有無で食後の体の反応が大分ちがってくるのを実感しています。
糖質制限した午後はあまり眠くならない(抜いてるつもりで多少は糖質摂取しているために眠くなることはあるようです)。さらに、昼12時半くらいに昼食をとっても、夜8、9時くらいまではQBBチーズを1Pで十分持つ。8時くらいから30分ほどかけて自転車で10キロ移動しての帰宅で、その後軽く夕食ですが、思ったよりも空腹感は感じません。
それに比較すると朝は炭水化物で手っ取り早く済ませてしまうので、11時くらいにはお腹がグーグーと催促を始めます。炭水化物を3度たべる土日にいたっては、食後すぐに何か食べたいという感触に襲われ、さらに、スキあらば布団やコタツで寝てしまうという感じです。
こんな感じで糖質制限は体の反応をみるだけでもかなり面白いです。そろそろもう少し糖質制限を強めてもいいかな、と思ってます。
知り合いに脂質代謝の研究者がいるので、「脂質の機能」について聞くと三大機能として「細胞膜等、膜の産生」「エネルギー産生」「ホルモン産生」と返ってきます。ここまでは誰に聞いても同じ回答なんですが、なぜか「エネルギー=糖質」という糖質脳からは逃れられないようです。これも面白い発見でした。
脂質代謝異常に関する遺伝子変異は非常に沢山あって研究も盛んということですが、これは裏を返せばそれだけいろんな脂質代謝の経路があって三大機能を維持しようとしているということなんだろうと思います。
また、糖尿病などの研究は血糖値の変動(インスリン分泌等)にばかり注目してますが、そろそろ誰か、「糖尿病のモデルマウスを糖質制限下で飼育したら、糖尿病の原因は糖質だったよ!!」みたいな研究をやればいいのに、と思ってます。多少の遺伝子異常は糖質制限によってカバーできるんじゃないかと考えてます。時間があれば自分でやるところですけどね。
最後に、グーグルで「脂質 機能」と検索しても脂質の三大機能にはたどり着けませんが、英語で「lipid function」と検索するとwikipediaで三大機能に簡単にたどり着けます。このへんにも日本人の糖質脳が垣間見えて楽しめます。
また,「糖尿病モデルマウスを糖質制限食で育てたらどうなるか?」という命題も面白いです。誰か実験しませんか?
- 【ノキア 808 PureView 発表、4100万画素カメラの Symbian 端末(動画)】
かつてのフィーチャーフォンの雄,ノキアがとんでもないスマートフォンを発表! なんと4100万画素! 往年の銀塩フィルムが2400万画素の解像度でしたから,それをあっさり抜き去りました。
それにしても4100万画素って1枚の写真のサイズはいくらになるの? 32GBのSDHCカードで何枚保存できるの? Class10 の SDHC に書きこむのにどのくらい時間がかかるの? もしかしたら書き込み用にキャッシュがかなり必要なんじゃないの? 少なくとも,2GB程度のSDカードでは使いものにならない時代がやってきたことは確かです。
- 【1万2千枚もの「切り絵」を使ったアニメーション作品(動画)】
これは必見! ストップモーション・アニメでここまでやるには,どれほど膨大な手間がかかったのか,想像を絶します。そして作品がこれまた美しいです。
2012/02/27
【16:50】【15:30】
- 工学系の先生からも糖質制限について次のようなメールをいただきました。
本日の更新で糖質制限についてのお叱りを受けた、と報告されてらっしゃいましたが、それに懲りずに今後も糖質制限についてどんどん報告をしていただきたいと思います。霊長類の手指の機能と歯の形態は主食が決定することを見出したのは,アイアイ研究家の島泰三先生です。彼はこれを「口と手連合仮説」と呼んでいて,人類の手の形態(直径3~4センチのものを握るのに最適)と歯の形態(食いちぎるのでなくすり潰すための歯)から,最初期の人類の主食について驚くべき推論をし,その食材(?)が一切加熱なしに食べられ,しかもほぼ完璧な栄養源であることを実証しています。
科学は理論と実験、その再現性が全てです。同じことを他人がやって再現性があるのであれば定義域において理論が正しい(あるいはその可能性が高い)ということです。科学の真理は定説かどうかとかコンセンサスとは一切無関係です。学会のガイドラインに反するとか、WHOもFDAもCDCも認めていないから間違い、なんてのは科学ではありません。
私も初冬より糖質制限をしております。結果、先生が紹介される声と同じくという変化を感じております。(よくない点は、便が硬くなるのと大好物の白米・麺類を節制しなければいけないことくらいでしょうか)
- ベルトが緩くなった
- 体重が6kgへった
- お腹がすかなくなった
- 食後の眠気がなくなった
- 歯垢がつきにくくなった
- 低血糖が改善し、空腹時の手の震えがなくなった
なかでも歯垢がつきにくいというのは生物として特に面白いことだなと感じます。寝る前にプラークテスターを用いて徹底的に歯垢を落とし、その後、の二種類を比べるとチョコレートを食べたほうが明らかに翌朝の歯垢の量が多いです。歯磨きの習慣がなかったであろう遙か太古の人間が、日常的にチョコレートを食べていたら寿命が尽きる前に歯の寿命が尽きて大変なことになっていたでしょうね。
- チョコレートを食べて歯磨きをせずに寝る
- ゆでたまごを食べて歯磨きをせずに寝る
もしかすると歯の生え変わりが人生に一回しか無いことは、血糖値を下げるホルモンがインスリン一つしか備わっていないことと同じく、もともと人間が糖質をそれほど取ってこなかったことの傍証かもしれません。すなわち(当時の)人生の中盤で歯を一度だけ入れ替えれば寿命まで使える、という前提でDNAが構築されているということではないかと思います。
【06:30】
- 東京都の三鷹市で湿潤治療をしている入江先生からも糖質制限についてメールをいただきました。
その後プチプチ糖質制限&ウエイトトレーニングですが(昨年7月より運動開始、プチプチ糖質制限は11月より),体重の減少は年明けから少し足踏み状態ですがまだ減量は続いております ズボンがぶかぶかになり昨日、ユニクロで新しく購入しました。以前は恥ずかしながらウエスト91cmをはいておりましたが、今回は85cmでも少しゆとりがあるくらいでした。いやあ、気持ちがいいですね。面白いことに本当にお腹まわりがすっきりしてきました。まず,自分で面白がって糖質制限をしてみて,患者さんが「そういえば先生,最近すごく痩せましたよね。お腹まわりが全然違ってますけど,何かしているんですか?」と尋ねられたら,「実はね・・・」と教えてあげる,というのがいいと思います。
ちなみに胸囲を測ってみると昨年の7月の時点では104cmでしたが本日は103cmを少し切るくらいであり、それほど減っておりません。体重はぼぼ8kg減りました。どこまでが糖質制限によるものはよくわかりませんが。
糖質制限食は「単に痩せる」というより「いらないお肉(敢えて脂肪とはいいません)」を削ぎ落してくれるような気がします。単なる減量の場合、全身が痩せますが糖質制限はそうでない可能性があるのかなあ?と勝手に思い始めているところです。
先生のおっしゃられるとおり、現在は自分自身で面白がって行なっているのであり患者さんには「こういうやり方もあるよ」と話すこともありますが、まだ積極的に進めているということは無いです(何よりもまだまだ勉強不足なもので)
それにしても,腹囲91センチから85センチというのがすごいです。私の体の感覚では,糖質制限をしていると一番最初に内臓脂肪が落ちて,その次がお腹まわりの皮下脂肪が落ちて・・・というような感じです。
- 生涯,家を持たず,結婚もせず,趣味もなく,娯楽に興じることもなく,1日19時間ただひたすらに数学の問題に取り組み,83歳で亡くなるまで1500編の優れた論文を書いた数学界の伝説の巨人エルデシュの生涯を描く感動作,『放浪の天才数学者エルデシュ』を紹介。こんなすごい人のことを今まで知らなかった自分の不明を恥じるばかりです。
- 【鳥フル致死率は過大評価 H5N1,米研究者が指摘】
CDCもWHOもこれまで「H5N1型の鳥インフルエンザが人間に感染すると致死的である」と繰り返し発表し,警告してきました。それを受けて日本では「白鳥にエサをやってはいけない! 野鳥に近づくのも危険!」と大騒ぎになりました。どうやら,そのもとになったデータが捏造であることが分かりました。
なぜこんなことが起こるのか。なぜ科学者は捏造を続けるのか。理由はこの本を読めばわかります。私なりにまとめると,要するに,研究や実験が職業になった時,そこには捏造する輩が出現するだけのことです。他人の出した研究結果を「統計処理がきちんとしてあるから正しい/一流雑誌に掲載された論文だから正しい」と鵜呑みにする方がおかしいのです。
- 誰しも自分の研究分野は重要なものであって欲しいし,他人からも重要な研究と認識されたい。だから,ちょっと大げさなデータを出してしまう。
- 重要で重大な研究であると政府が認識してくれるほど,多額の予算がつく。だからつい「データを盛る」。
- 「このサイトでなぜ糖質制限についてこれほど取り上げるのでしょうか,まだ定説にもなっていないのは危険です!」という質問というか,お叱りメールをいただいただいた。
なぜ私は糖質制限食を取り上げるのか。それは単純に面白いからだ。糖質を制限しているだけなのに,みるみるメタボお腹がぺったんこになってくるし,体重も減ってくる。中年になって膨らむ一方だった下腹部が平らになり,ズボンが緩くなるのが面白いのだ。しかも,減らすのは糖質だけで肉も魚も好きなだけ食べていいし,お酒だって好きなだけ飲んでいるのだからラクチンである。これで中年太りからおさらばできるならお安いものだ。
しかも,自分の体で実験しているので誰に迷惑をかけているわけでないし,誰かの健康を害するわけでもない。しかも,このサイトを見て[糖質制限人体実験]に挑戦している人間の大半は医者・看護師だから,体調に何か変化があったり健康面でヤバいことが起きたらすぐにわかるはずだし,何より彼らは健康上の危険を察知・回避する能力も持っている。要するに「健康のプロ」が自分の体を実験台に人体実験をしているだけなのだ。
しかも,糖質制限にはそれまでの常識を全面否定する痛快さがある。「栄養の4割は炭水化物」とか,「糖尿病ではカロリー制限するが糖質は4割必要」とか,「脳の栄養は糖質だけだから砂糖をとらないとバカになる」とか,そういう常識が全てひっくり返るのが面白い。それらが[栄養学・糖尿病治療の常識中の常識]だから余計に面白いし痛快だ。[常識をひっくり返されて困惑する側]にいるよりは[常識をひっくり返して困惑させる側]にいた方が,絶対に面白いに決まっている。
同年代のオッサンたちが下腹部肥満のメタボお腹を揺らして歩いている隣で,凹んだお腹で颯爽と歩くほうが格好いいに決まっている。他の中年オッサンたちがメタボ体型のままでいたって私はどうだっていいのである。重要なのは自分の体型だけなんだから。だから私はこれからも糖質制限を続けるつもりだ。だって,元のメタボ体型に戻りたくないもの。
「糖質制限を何年も続けて体調を壊したらどうするのか?」という声もあるが,壊れるのは自分の体調であり他人の体調ではない。個人が個人の意志で自分はどうすべきかを考えているだけのことである。そういう記事を読んで信じるのも信じないのも個人の意志である。
- というわけで,今日も懲りずに糖質制限関連のメールの紹介。最初は昔からお付き合いのある極真空手の黒帯師範。
さてさて,私もなんと「糖質制限」を開始しました。「糖質を制限するとスポーツに必要なスタミナがなくなってしまうだろう」という意見をよくいただきますが,なんと極真空手の黒帯師範は「糖質制限をしてからスタミナ切れがなくなった」そうです。つまり,極真空手の20分間のスパーリングより軽い運動でいいなら,糖質制限をしても大丈夫のようです。
先生もご存知のように,僕は極真空手家@黒帯で,道場生に指導したりで日ごろ稽古してますので運動量は多いです。また趣味もウェイトトレーニングなんで,筋トレもやってます。
で,歳は40台後半になろうとしてますが,試合に勝つために体重を90キロ以上に増やしたく(重量級のわりには私は体重が軽いので 189㎝ 86キロ),ご飯,麺,パンやプロテェインなどの食事量はかなり多かった毎日です。
がぁ,やはり年なんでしょうか,ここ数年お腹が「ぼっこりちゃん」になってしまいました。運動の指導者が,お腹が出てるのはカッコ悪いですし,そんな指導者になってはまずいと思い,皆さまの報告を見させてもらい「糖質制限」開始させていただきました。逆に今は 体重を80キロにするのを目指してます。(動ける重量級)
が,最初はお腹がすいてすいてしょうがなかったです。なにせ今までは朝昼晩はしっかりご飯を食べて,昼の三時にも「うどんかラーメン」をおやつ感覚で食べてましたから。運動量があるので,検診で検査所見は悪くはないのですが,毎年確実に腹囲が育ってました。
糖質制限開始から約15日経ちますが,今は確かにお腹すきませんね,朝はご飯もパンもなし卵とおかずのみ,昼は外食が多いので普通に食べ(大盛りおかわりはやめました),夜も家だったらご飯はなしでおかずのみか,子供が残した米粒をゲットくらいでしょうか。お通じは,下痢がなくなったような。臭いも変わりましたね。
夜は仕事がら出張も多く外食も多いですが,ちょっと気にして,ビールは乾杯のみ,あとは焼酎へシフト。締めの,ラーメンは絶対禁止にしました。
すぐにベルトの穴が1~2個サイズダウンしました,てか 今までが年の割に食べ過ぎなんでしょうね!体調は とてもすぐれています。
空手の稽古の最後に殴り合いのスパーリングが約20分あるんですが,なんと「スタミナ切れがなくなった」ような気がします。
お米大好きの自分が,お米抜きだなんて考えもしなかったですけど,これも夏井い先生のおかげですね! しばらくがんばります。かっこいい中年にならないといけませんから。
- もう一つ,糖質制限関連のメール。
面白そうなので私も2月3日からスーパー糖質制限を始めました。といいましても私この20年来 朝はコーヒー一杯 昼はお弁当 夜は嫁さんのつくったおかずを肴にジントニック。ご飯は(お米)食べないという食生活。つまりお昼のご飯をやめるだけのお気楽制限です。私,実は20年も前から何も知らずにスタンダード糖質セイゲニストだったのです。えーと,年齢は私と同じ54歳で,身長は私のほうが5センチ高く,それなのに体重は私のほうが10キロ多いです。リーバイスの28インチなんて夢の夢です。悔しいです! この54歳のおっさん一人に格好いい真似をされてはたまりません。とりあえず私は,体重60キロ,ジーンズは30インチ楽勝を目指そうと思います。それにしても[スタンダード糖質制限]⇒[スーパー糖質制限]の差は大してないように思っていたのに,これほど違うとは驚きです。
始めたときの身長166センチ,体重54キロ ウエスト76センチちなみに年齢は54歳です。
結果 2月21日時点体重54キロで変わりなしウエスト72センチ マイナス4センチ。今日(2月25日)測ってみると体重53キロ ウエスト70センチ。この調子で行くと来月には60センチ台に突入しそう。今まではいていたチノパンは当然ブカブカ。リーバイスの28インチなんて楽勝です。
昼のご飯をやめただけでこんなことになるとは!スーパーとスタンダードの差に愕然です。
何か,長年親しんできたお米やラーメンが,やばい薬物のような気がしてきました
- 【中国当局,多数の「iPhone ガスコンロ」を押収。立ち消え安全装置の不備で】
アップルマーク+[iPhone表記]付きのガスコンロ! 中国はすごいです。「パチモン作りは彼の国の文化そのもの」ですね。
- 【思った以上に…男女の着ている服を交換してもらった写真いろいろ】
要するに,男にとって男の服装なんてどうでもいいんですよ。女性が何を着ても可愛く見えたり,凛々しく見えたりしているだけなんですよ・・・と,私は勝手に解釈しました。
2012/02/24
【08:30】【06:30】
- 【糖質制限食に関するアンケート】
滋賀県で湿潤治療普及活動に邁進している岡田先生が,勝手にアンケートです。糖質セイゲニストの皆様,よろしければご投票下さい。
- きよすクリニックの伊藤先生からも糖質制限関連メールが。ちなみに伊藤先生は糖尿病が専門です。
便通については,脂肪の摂取が増えること,腸内細菌叢の変化が関係しているかも知れません。なるほど,そういうメカニズムでしたか。確かに腸内細菌の種類は変化しそうですね。
難治性てんかんに対するケトン食は,究極の糖質制限食ですが,便秘になりやすいようです。Q&Aコーナーに,「少し便秘気味になった時は,レタスなどの糖質が少ない野菜を多く使うようにしたり,水分を多めに摂ったりしています。」との記載があります。
私はもともと便通がよいほうでしたが,一時便秘傾向になりました。その後も糖質制限を続けていて,快便に戻りました。
>ところで,最近すごく暑く感じるようになりました。こんな季節ですがちょっと動くと汗がでます。(中略)
> 代謝がものすごく上がったのかななんて話していますが糖質制限の効用でそういうこともありますか?
→江部先生の徒然日記に下記の通り記載があります。食事誘発性熱産生(DIT)というそうです。
- http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-1692.html
- http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-1693.html
「たんぱく質のみを摂取したときは摂取エネルギーの約30%,とのことです。
糖質のみの場合は約6%,
脂質のみの場合は約4%,
通常の食事はこれらの混合なので約10%程度になります。」
> 糖質制限食にすると,相対的にたんぱく質の摂取が増えるので暖かく感じるのではないでしょうか?
・・・ではなく,糖質制限食を受け入れることのできる人は,考えが柔軟で心が温かいから!・・・ですね。
- 《糖質制限お試し期間中》さんからのメール。
実は8枚切りの食パンを食べてしまいました! すると直後から血糖値上昇↑感がすごくて汗たらたら・・・
そのうえ2時間もたたないうちに強烈な空腹感に襲われて,会議中におなか鳴りまくりでまいりました。いや~すごい,本当にわかりやすいですね。
また低糖質素材をトマトソースで調理してみたらものすごく甘くて「トマトってこんなにも甘いものだったの?!」ってびっくりです。おもしろいですね。
どうせならスーパー糖質制限を目指してがんばってみようと思ってます。
何しろ最近,抜け毛が増え,髪がとてもパサついて凹んでいたのに突然ツヤツヤ~になって張りが出てきたんですよ!ありえないですよ。減量もしたいけど,私はこっちのほうが嬉しいです。ついでに白髪も減ってくれたりしないかな(笑)
糖質制限はこういう数字では測れない「実感」があるところがスゴイです。
- 「金属プレートが露出した下腿骨折症例」のその後です。なんと,数日前から微熱が続き,患部(皮弁)にも軽度の腫脹が!
- 和歌山県で湿潤治療を以前から行なっている介護老人保健施設「あじさい苑」の小野先生からも糖質制限についてメールをいただきました。
糖質制限食3週目です。体重は2kg減ですが。体脂肪率が26から25,内臓脂肪率が12から11と順調に減少しています。おどろきは腹囲が 90cmから8cmも縮んでいます私はさしずめ,「ノートパソコンを抱えた縄文人」ですね。
完全に主食0で,料理の糖分はラカントで,みりんはやめて糖質0の日本酒を使用しています。添付した写真は今こっている手作りチーズケーキ (ニューヨークスタイル)で糖質はほぼゼロです。チーズケーキだと小さな一切れで半日は持ちます。最初はナッツも40個ぐらい食べていたのが今は10個で満足です。胃がすっかり小さくなってし まったのでしょうか,とにかくおなかがすかないのです。目の前にある甘いものを求めることもなくなりました。
ちなみに,参考にしたチーズケーキのレシピです。底の部分のビスケットは省略し,上白糖はラカントS100gにしました。コーンスターチは,どうしても必要と思い使用しています。コーンスターチは糖質ですので,厳密に言うと糖質0とはいえませんが,糖質0にこだわりすぎて美味しくないのでは楽しくありませんものね。バニラビーンズは手に入らずいれませんでしたが,それでもおいしかったです。
穀物食べず,頭もシャンプーなし,体も最小限の石けん,歯磨き粉なし,まるで定住農耕が始まる前の縄文時代人になったようです。ただ猪狩りや木の 実や貝の採集をせずにすむのが助かりますが。高校生以来切ったことのない腹囲80cmが現実化しそうです。現在82cmです。
それはともかく,糖質制限をしてみて初めてわかったのは,「縄文時代のような食生活をしていても,お腹が空くわけでもないし,低血糖になるわけでもない。普通に動けるし,むしろ頭はクリアになる」と言うことです。
というのは,縄文時代の食の本を読むたびに,「こんなものしか食べられなかったのなら,さぞかしお腹が空いただろうし,空腹でものを考えるどころではなかったろうな」と勝手に思いこんでいたからです。
現代人の食生活を基準にすると「必要エネルギーの4割は炭水化物でなければいけない」となり,炭水化物が食べられなかった縄文時代は低栄養で飢餓状態でなければいけないことになります。しかし,空腹感に常に苛まれているのは縄文人ではなく,糖質食の現代人の方だったんですよ。
これは糖質制限を実際にしてみて,我が身で体験しなければ絶対にわからなかったことですね。
- 【先進国の肥満割合が過去最高に,医療費増大の一因に=OECD】
そんなの,糖質制限するだけで問題解決じゃないの,と糖質セイゲニストは思っちゃいますよね。
- 【赤ワイン研究者が論文ねつ造 「健康にいい」説に水を差す】
このニュース,J-CASTしか報じていないみたいだけど,本当なのでしょうか?
もしも本当だとすると,「猛毒ダイオキシン」や「環境ホルモン」,「マイナスイオン」と同じ,一番最初のインチキ研究・論文に世界中が振り回された,という典型です。
そのカラクリはこの本に詳しく書かれていますが,その根本的な原因は「発表された研究の追試を誰もしていない」点にあります。なぜ誰も追試をしないかというと,追試をしても業績にならないからです。業績として評価されるのはすでにされた実験の追試ではなく,新しい発見について書いた論文だけだからです。だから,どこかの誰かが「ポリフェノールの一種,レスベラトロールに抗酸化作用,抗癌作用あり」という論文を発表すると,それを確かめる実験をする研究者はおらず,研究者は揃って「抗酸化作用・抗癌作用を持つ他のポリフェノール」の研究しかしないのです。これは現代科学界の最大の欠点です。このシステム上の欠点をうまくすり抜けたのがマイナスイオンや環境ホルモンです。一番最初に書かれた論文に対し,「この実験って本当なの?」と追試する研究者がいなくなったために,インチキ研究が排除できなくなったのです。
なぜこうなってしまったかというと,理由は単純で《研究が仕事/論文を発表することが仕事》になったからです。好きな研究生活をして飯が食える時代は科学者にとってはいい時代ですが,飯を食うためには《評価される研究》を剃る必要があり,追試は《評価される研究》ではなくなったため,誰も追試しない時代になってしまっただけです。
- 【新基準値適用で「放射能汚染食品」への不安解消? むしろ高まる消費者の“ゼロリスク”志向がもたらす影】
「年間被曝線量1ミリシーベルト以下」という数字が検証されることもなく,追試されることもなく,いつの間にか独り歩きして,いかにも権威と根拠ある数字のように扱われています。まさにポリフェノールやマイナスイオンと同じ構造です。
以前にも書きましたが,ガンに効く石として有名な「玉川温泉の北投石」は年間46ミリシーベルト,ブラジルの有名な保養地カラバリは年間30ミリシーベルト前後の放射線量です。そういう事実と無関係に,「年間1ミリシーベルト」が独り歩きしています。
そんな根拠もない数字を信じるなんて馬鹿じゃないの,って思うのは馬鹿でしょうか。
- 【シー・シェパードが調査捕鯨船に異臭放つ酪酸】
またぞろ,シー・シェパードが調査捕鯨の邪魔をしているが,もう捕鯨なんて止めるべきである。日本の食文化だとか伝統だとか言い張る人がいるが,もう日本人は鯨を食べなくなっているからだ。調査捕鯨で得られた鯨の肉ですら,日本国内で消費できずに倉庫に山積み状態らしい。仮に捕鯨が再開されたとしても,日本にはその鯨を食べる消費者は存在しないも同然だ。
おまけに,鯨肉は牛肉や豚肉と並べて食べ比べてみると,実は食肉としてはそんなに美味しくないのだ(鯨肉ファンの人には悪いけど)。「珍しい肉」として食べる分にはいいが,少なくとも私にとっては「日常的に食べたい肉」ではない。鯨は所詮はジビエであり,美味しく食べるように品種改良された家畜とは味の点では比べものにならないのである。
要するに,シー・シェパードの妨害を受け,世界の白い目を浴びながら,苦労して鯨を捕ってきたところで,その鯨肉を喜んで食べる日本人はもういないのである。だったら,「捕鯨大国日本」という過去の看板はさっさと捨てるべきだ。意地とメンツで捕鯨を続ける理由はない。
- 【休業宣言?菅原文太 俳優活動控える「納得できるものあれば考える」】
文太さんとは一昨年の9月にニッポン放送のラジオ番組で対談させて頂きましたが,本当に格好良かったです。「これが77歳のじいちゃん? マジ,カッケぇ!」と圧倒されっぱなしでした。
2012/02/23
【15:10】【10:30】
- 糖質制限に関するメールをたてつづけに3通いただきました。
看護師です。文化遺産といえば,奴隷制度だって文化遺産だし魔女狩りだって立派な文化遺産です。もちろん「負の文化遺産」ですけどね。
表題の件,携帯ニュースでちらっと見ましたが,和食となると米も含まれるはずです。糖質制限食を推進している我々としては向かい風のような気がします。バランスの良い食事を摂ることは大切ですが,和食を世界無形遺産には賛成しかねますね!糖質の摂取を控えることで,どれだけ体が軽くなるか,眠気がなくなるか,ウェストが細くなるか,減量できるかなどなど糖質制限食を世界無形遺産に登録したいぐらいです。お役所の方々は,糖質摂取によるグルコーススパイクやケトン体利用などを知らないんですね(当たり前か・・・江部先生の著書を拝読していればべつですが・・・)
ちなみに私も糖質制限をしはじめて2~3週間経ちますが,ウェストが細くなり,減量にも成功しました。3月に検診があるため,検査データが楽しみです。
和食も中華料理もイタリア料理も「澱粉食文化」ですから,いずれ「負の文化遺産」になるかもしれません。その程度に考えればいいのです・・・文化遺産なんて。
27歳と30歳の姉妹で,糖質制限7日目です。二人ともBMIは19~20ですが,糖質制限でスカートがゆるくなる,便秘が治る(今まで我慢していたナッツなどの油をとっているせいかと)などの効果が出ていて,うれしい驚きいっぱいの毎日です。そういえば私も病院では一日中半袖白衣一枚です。他の先生は「最近,医局寒いよね」なんて言っていますが,私は全く気になりません。
ところで,最近すごく暑く感じるようになりました。こんな季節ですがちょっと動くと汗がでます。もともと2人ともエアロビクスが趣味なので運動不足ではないと思うので代謝がものすごく上がったのかななんて話していますが糖質制限の効用でそういうこともありますか?
後期研修医です。少し前から糖質制限を始めたばかりなのですが,少しずつ体重が減ってきている印象です。私は糖質制限前から快便人間でしたが,糖質制限後はウンコの量は減り(食べる量自体が減っているから当たり前か),より形のしっかりしたウンコちゃんになってきました。でも,糖質制限にして便秘気味になる人もいるみたいですね。
食事を続けてみて気づいたのが,便通です。
私は日ごろ便は軟便・泥状便で出てくることが多く,場合によっては回数も頻回になります。自分の中では「過敏性腸症候群だろうけど生活に困るほどではないのでまあいいか」と思い様子を見ていた,そんな状態でした。
それが,糖質制限をし始めてから便が有形になり,回数も減ったように思います。明らかに泥状便が出ることはなくなりました。血糖値の変動が消化管活動に影響を与えているのかもしれませんが,もしかしたら摂取食品内の水分含有量の問題なのかもしれず,私には断言できないのですが,ちょっと気づいた事でしたのでメールしました。
純粋に水分含有量の問題であれば,便秘がちの方が糖質制限を行うとさらにひどくなる,という気がするのですがそんな報告はなさそうなので血糖値の変化が消化管活動に影響を与えているということでもいいかもしれません。
【06:30】
- 昨日,「熱傷学会だけじゃなく 糖尿病学会も馬鹿の集まりと知ってしまいました」というメールを紹介しましたが,早速,糖尿病を専門とするある先生からメールをいただきました。
まさにそのとおり,ナイス! と私も思い,嬉しさのあまりメールしてしまいました(笑)論文は見るが患者は見ない医者,ガイドラインは読むが患者の顔色や体調は読めない医者,検査データは読めるが全身状態が判断できない医者,検査データの治療に気を取られて全身状態の悪化に気が付かない医者・・・。
私の医局(糖尿病・内分泌内科)でも,糖質制限の話題は出ずに,糖尿病関連の研究会ではインクレチンやカーボカウントなどに関する話題ばかりです。お世話になった先生もいるので,糖質制限に目を向けないことは,寂しくもあります。
熱傷学会,糖尿病学会だけでなく,湿潤療法を認めない形成外科医や褥瘡学会ももちろん○○の集まりでしょうし,腎臓学会や透析学会も薬剤メーカーや透析機器メーカーと癒着した利権と名誉に目が眩んだ輩の集まりです。
今年の診療報酬改定で,糖尿病腎症の透析予防指導に保険点数が算定されるようになるようです。
これを知ったある有名な透析病院の院長が「透析患者が減ってしまうから困る」と言ったとか言わないとか・・・。
患者を見ず,患者の声を聞かず,論文ばかり見ていないと教授の座にはいられないのかもしれませんね。
近視眼的,という言葉がありますが,近視眼に視野狭窄を合併している医者が多いです・・・というか,近視眼に視野狭窄を合併するのが専門医によく見られる典型的な症状です。
- なんと25年ぶりに30インチのジーンズがはけました。まだちょっとキツ目ですが,「息を吐けばはけるんだけどなぁ」という感じではありません。それにしても,50代半ばになってジーンズのサイズが小さくなるなんて,2ヶ月前には想像もしていませんでした。ビバ,糖質制限!
- 【HP ENVY 14 Spectre 国内発表,ガラス筐体&高解像度のプレミアム Ultrabook】
HPって,なんでこういう中途半端な製品を出すんでしょうか? 14インチで1600×900ドット,Core i7,メモリ4GB,SDD256GB・・・というあたりは第1世代のAsus Zenbookとほとんど同じスペックです。9時間のバッテリー駆動時間は立派だけど,重さが1.83kgって何を考えているんでしょうか。このスペックだったら,重さは1.3kg台でしょう。
- 【EMOBILE LTE 発表,LTE 対応 Pocket WiFi が3月以降発売】
「国内最速クラス」の下り最大75Mbps,上り最大25Mbps」という圧倒的な速度にため息を付き,「東京23区,千葉市,さいたま市,横浜市,川崎市,名古屋市,京都市,大阪市,堺市,神戸市」という対応エリアを見て,再度ため息をついてしまいます。石岡なんていまだに,道路一本越えるとイーモバイルのPocket WiFiが繋がらなかったりするし,秋田県なんて圏外の面積の方が広くて実家のあたりは完全に圏外です。
- 【本日のトリビア「カメムシは自分のオナラで気絶するって本当?」→試してみた(動画)】
やはり何事も確かめてみないとわかりません。昔からの言い伝えだけど,実は間違っていた・・・なんてことはそこらにゴロゴロしていますから。でも,カメムシの破壊力だけは本物だったようです。
- 【KOUZIRO,29,800円の7型Androidタブレット】
CPUのOMAP 4430はデュアルコアですから,機能的には十分かな? 問題はAndroid Marcketに非対応であることですが,独自マーケットで定番アプリは入手できるはず。KOUJIRO製ならなら安いだけの中華パッドとは比べ物にならない安心感があります。
2012/02/22
【15:00s】【10:30】
- ある先生からのメール。
糖質制限して絶好調です。小顔になってきました。この先生は年に数回は顔を合わせていますが,送られていた写真を見ると顔の横幅が違いますね。事情を知らなければPhotoshopで修正したのかと思っちゃいますよ。
おっしゃるとおり味覚が鋭くなりますね。毎年食べに行っているふぐの店ですが,今年は殆どポン酢を付けずにいただきました。うまかったです。今までポン酢を食っていたのだとよくわかりました。もったいないことをしていました。
湿潤療法と糖質制限の共通点というか,困った点というか,「大学教授が馬鹿」に見えてくる点です。
添付した科学的根拠に基づく糖尿病ガイドライン2010の食事療法の項目で カロリー摂取量,糖質摂取量をグレートAとしながらその根拠が「コンセンサス」!!??
さらに「カーボカウントは米国では広く用いられている方法であるが,いまだにevidenceが不十分であり(「コンセンサス」を根拠としているお前が言うな),我が国では食品交換表という独自のきめ細かい優れた方法もあり」ってなんですか「我が国には米英に無い大和魂がある」とどこが違うのでしょう。
熱傷学会だけじゃなく 糖尿病学会も馬鹿の集まりと知ってしまいました。
【07:30】
- 2月20日のこのコーナーでニューズウィークの「フェイスブックは本当はかなりヤバイんじゃないか」という特集を紹介しました。医局のフェイスブックユーザーの先生もこの記事を読んで,「全然知らない人がなぜか知り合いになっていたりして,ちょっと気味が悪い感じがしていたんだけど,やはりそうか,という感じですね」と話していました。
この問題について岡田斗司夫さんが「これは下着の上着化だ」と説明しています。映画《理由なき反抗》でジェームズ・ディーンがTシャツ姿で登場した時,「下着姿でみっともない」という反発や戸惑いのほうが圧倒的多数だったそうです。下着のシャツは外に見せて着るための衣服ではなかったからです。しかし,次第にジェームズ・ディーンのまねをしてTシャツで歩く人が増え,カラフルなデザインのTシャツが出現して,いつの間にかTシャツは上着と同じ扱いになりました。岡田さんによるとフェイスブックとは「それまで下着だった個人情報を表に出して共有し,上着とする過程」なんだそうです。この比喩は見事です。
要するにザッカーバーグは「服なんか着てないで裸になろうぜ」と考える「情報ヌーディスト」なんですね。服を着ているのが嫌で嫌でたまらない,人間は本来裸で生きるべきなんだ,という考えの持ち主です。そして,裸で暮らすことの快適さと自由さを皆に広めたいし,皆もそうやって裸で生きるべきだと考えているようです。
「自分は裸で暮らすのが好き」という個人がいるのは構わないし,それを他人に広めるのも個人の勝手です。しかし,裸になるのは嫌という人や,他人の裸を見たくないという人にまで「服を脱げ! 裸になれ!」と強要するのは間違いです。裸になりたい人がヌーディストビーチでフルチンで泳ぐのは構わないけど,その格好で歩く姿は私は見たくないし,自分でもフルチン姿で外は歩きたくないです。
普通の「裸主義者」はヌーディストビーチで我慢するんですが,ザッカーバーグは「どうしたら世界中の人間が裸で暮らせるようにできるか」を徹底的に考えたわけです。その答えは「上着を脱いで下着で歩かないといけないというルールがあるけど,すごく便利で快適な町」を作ることにしたのです。下着になれない人は町に入れないけど,下着になるだけで,こんなに便利に暮らせる町なんだと宣伝したのです。下着だけなら裸よりは抵抗がないし,何より町が便利なもんだから,次第に住人が増えていきます。
そして,町長さんはどんどん便利な機能を追加していきますが,そのたびに下着をちょっとずつずらして裸を見せることを要求したんですよ。そうすると,「下着の町」はいつの間にか「裸同然の町」になります。でも町の機能は他の町と比べ物にならないくらい整っているし,住人が増えれば増えるほど便利になる機能が満載です。
もちろん,「裸になるのはいいけど,それで商売なんかしてないですよね」という住民からの疑問は上がりますが,それに対しては町長さんは「みなさんの裸の写真は撮影していないし,それを外に出すこともありません。安心して裸になって下さい」と悦明しています。かくして世界のあちこちに「かつては下着の町,今は裸同然の町」が出現し,ついに住人は8億人を突破したというわけです。
そこで,ニューズウィークの記事に戻ります。これは要するに,町長さんの「皆さんの裸の写真は撮影しないし,それを他の人に見せることもしませんよ」というのが嘘で,実は裸の写真を業者に売って儲けていて,それどころか自宅でのプライベートの様子まで無断で撮影しまくっていて,それを高値で業者に売っていた,ということです。
【06:30】
- 先日,「どんなDVDでも録画できるポータブルプレーヤー Lyumo m44」というガジェットを紹介しましたが,これで作成した動画(mp4ファイル)がスマホ,タブレットでうまく再生できない場合は,"RockPlayer Lite" という無料ソフトをAndroid Marcketからインストールすると正常に再生できるようになります。
- 「糖質制限@お試し期間」さんからのメール。
途中何回か外食で炭水化物をとりましたが基本は糖質を避け,10日くらい経過して,今のところとても体調がよく気分が良いです。体重ははからない主義なのでわかりません(すみません!)が,おそらく今1~2kg減という感じです。チーズとか高カロリーなものもけっこう食べてお酒も飲んでます。糖質制限に対する人々の最初の反応(例:糖質を摂らないと低血糖になる,頭が働かなくなる etc...etc)って,私が一番最初に「傷の消毒」を止めた時の医者の反応と全く同じですね。当時は「消毒をしなかったら傷が治らないだろう」,「消毒しなかったら化膿してしまう」,「消毒するから傷が治るんですよね」,「消毒しないと患者が納得しない。患者は消毒する治療を希望している」という反発のオンパレードでした。消毒と糖質食,本質は同じです。
でも体調の変化で実感があるのは髪の毛。ツヤとハリが出てきましたよ! 毎日触るので結構わかります。あとは,夕方頃の眠くて眠くて・・・という感じが消失しました。
でも!課題もあります。私は毎日家族の食事を作っているので自分が食べるものだけ別に考えるのは大変です。なので,子どもの離乳食を作っていたときのように,糖質制限食と制限なし食を同時に効率的に作れるメニューを考えながら作っています。
昼のお弁当はサーモスのフードコンテナに野菜,肉,豆などのスープを入れています。今の時期,あたたかくボリュームもあり美味しいのでおすすめですよ。
今日,職場でお菓子をすすめられたときに思わずカムアウトしたら,よくがまんできるね!低血糖になるから私は無理・・と何人かに言われました。「糖質をとらないと低血糖になって頭が働かない」とのこと。
糖質を摂っていたときは私もたしかにそんなふうに感じることがままあって,よく甘いものや炭水化物を食べてしゃきっとしていたのですが,今はそういう必要を感じないのであれはなんだったんだろうなぁ・・・と思います。
このお試しがどこまで続くかわかりませんが,絶食ほど難しくなく体質が改善するかもしれないという期待でしばらく続けてみようと思っています。
- 「熱傷を湿潤治療している医師」に,大阪市淀川区のこおりた ひろ整形形成外科クリニック/郡田大宇先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- やたらと気合の入りまくったフランス製のゾンビ映画の傑作,《ザ・ホード 死霊の大群》を紹介。ラストの方で,刑事がゾンビの群れの真ん中に仁王立ちになって中を撃ちまくるシーンなんて,バレエの《ボレロ》のクライマックスを彷彿とさせる格好良さです。おまけに,ヒロイン役が若くもなく美人でもなくナイスバディでもなく,しかも性格が悪いんですよ。
- 【東大9月入学論議はコップの中の嵐 問われるべきは教育の密度だ 】
「東大には入ってみたが,こんな授業内容では世界の大学生に取り残されてしまう。時間の無駄だ」と,入学したばかりの東大からさっさと退学して海外の大学に入学した学生の話がすべてを物語っています。「大学に入ったんだから遊ぶ」という日本の常識は日本@ガラパゴスにしか通用しない「世界から見ると非常識」のようです。
- なんか最近,バッグがデジタルガジェットで重くないですか? ちょっと前は「ノートパソコンとAC電源と携帯電話」だけでしたが,スマートフォンを使うようになってからはこれにスマホ用のAC電源かモバイルバッテリーが加わりました。スマホはあっという間にバッテリー切れになるからです。
そして,タブレットが登場しました。タブレットを使ってみてわかるのは,スマホの4インチの画面でネットを見るのはやはり無理があるよね,ということです。ネットを見るにしても画面を操作するにはもう少し大きい方が便利です。そういう訳で,バッグの中身は「ノートパソコンとスマホとタブレットとモバイルバッテリーとパソコンのACバッテリー」になりました。ノートパソコンの代わりにタブレットを使おうとすると,当然「外付けキーボード」も必要になります。
何だかどんどん,荷物が増えているような気が・・・。
2012/02/21
【14:30】【10:30】
- 広島県呉市で湿潤治療をしていただいている正岡先生からも糖質制限ネタ。
夏井先生のHPで糖質制限について感動し,アマゾンで江部先生の本2冊購入してさらに納得して現在はその布教活動(?)を行っております(^^;)。
体重は74kg→68kg(今朝)で,白衣のズボンブカブカ。
で,最近の食生活で感じたこと(これが本題)
大好きな,ステーキとかチキンなら結構食べれますが,自宅で食べる糖質制限食って,私の場合は豆腐に納豆乗せたものや肉野菜炒め,水炊き(具は鶏肉,白菜,シイタケ,えのき・・・etc)です。ご飯をガツガツ食べていたころがいまだ忘れられないというか,貧乏性っていうか,どうしても満腹感を求めて,それらを食べすぎる傾向にあります。
そして食後にいつも胃もたれや,カルテにしばしば書くNauseaって感覚に襲われます。でガスモチン服用。
つまり,普通に食べれば,胃腸の調子も良好なわけで,これは体が食べ過ぎたら危険!というサインを出してくれているのだと思いました。
【06:30】
- 「私も糖質セイゲニストです」さんからのメールです。
さて,糖質制限食のことを教えていただいてから3か月余りですが,私の「成果」もお知らせします。そうなんですよね。糖質制限食にすると必然的に薄味になります。それまでの食事のメインのご飯とパンはそれだけで食べられないため,どうしても塩味系のおかずが必要になります。だから逆に,ご飯とパンを食べないようにすると塩味の強いおかずも不要になります。
3か月前までBMIは21でしたが,実は超運動不足で隠れ肥満でした。日頃の不摂生ゆえか,10月末にギックリ腰を発症。これはイカンな。運動して体重を落とさねば,と思っていたところに「糖質制限」を知りました。江部医師の本を読みまして,なるほど,これは別物,科学的と。ちょうどギックリ腰で安静に努めていましたので,これなら運動せずに試すことができる,と早速に実行しました。
朝晩のパン,米飯,そして菓子を控えただけで,なんと2か月で体重4kg減,体脂肪4%減,ウエスト4cm減でした。以前は空腹感に負けて昼食前に菓子パンを食べ,夕方も菓子を食べていましたが,今はその過剰な食欲が無くなりました。正常な空腹感です。(以前の異常な空腹感は血糖値の急上昇・急降下の産物だったことがわかりました)
さらには長年悩まされていた胸焼け・胃痛も消えて,H2ブロッカーを飲み忘れても不安にならなくなりました。服用を一日忘れることもあり,これは卒業も近いな,と思っています。
そして,食事の味付けも薄くてすみます。これまでは米飯やパンのためのオカズでしたので必然的に濃いめの味付けでした。
- 昨日,「柿田医院で治療を受けた顔面熱傷の患者さん」の話を紹介しましたが,さらに患者のお母さんの感想が追加されました。お母さんの創意工夫がナイスです。
- 先日,紹介した「超お安いハイドロコロイド被覆材@リーダーハイドロ救急パッド」ですが,ある先生から次のようなメールをいただきました。
リーダーハイドロ救急パッドを入手しました。メーカーにいうと,試供品で10×16cmの一般向けでない大きなものもくれました。というわけで,DPC導入病院はデュオアクティブからリーダーハイドロ救急パッドに切り替えるのがいいかもしれません。お値段が1/8ですから勝負になりません。
デュオアクティブETとほぼ一緒ですね。当院DPCですので,ETやめてこれにすると,大きなコストダウンにつながるかもしれません。10×16cmは,ほんとうに有用です。
近くの開業医の先生もリーダーハイドロ救急パッドを使っているようでした。今までジョンソンアンドジョンソンがいかにふざけた商売をしていたか分かります。
メーカーの人と話をしたのですが,DPCのことをまったく知らないようでした。DPC病院に売りまくったらもうかると思います。
それにしても,10×16cmのハイドロ救急パッドってのは魅力的ですね。
- 「いつもの生物学の先生」から,こんな鋭い指摘が! 大阪の「粉モン文化」についての考察です。
大阪のコナモン文化ですが,自給率14%の小麦に依存している文化(讃岐うどん・ラーメン文化も同じく)ですので,旧連合国(合衆国,カナダ,オーストラリア)と戦争したら,一気に崩壊です。どちらにせよ,これからずっと格安で小麦を日本に売ってくれる保障はありませんので,徐々に衰退していく可能性はあります。これもまた,たかだかここ100年の文化ですから,小麦の自給率が上がらない限り,世代交代で変わりますね,たぶん。大阪の粉モン文化も讃岐うどんも,実は極めて脆弱な基礎の上に成立している食文化なんですね。なぜ小麦粉はこんなに安いのか,を考えてみるのも一興です。「安いのには理由がある」のです。そういう訳で,大阪人と香川人はアメリカやオーストラリアと仲良くした方がいいです。
- 【USB の向きを気にせず挿せる「どっちもハブ」,1720円】
使い慣れたパソコンならUSB端子に向きを覚えていますが,初めてのパソコンで,しかも見えにくい場所に端子がある場合,とりあえず差し込んでみるしかありませんが,これが絶対に向きが違うんですよ。でも,これでようやく,電気のコンセントのようにUSB端子が使える時代がやって来ました。
ついでに言えば,スマホのUSB端子の上下もすごくわかりにくいです。充電しようと思って端子を挿し込もうとしてなかなか入らない,何だ逆じゃないかと・・・ということがこれまで何度あったことか! これも上下を気にせずに差し込めるようにして欲しいです。
- 【有毒カエルの皮膚は甘くて苦い?】
すごいなぁ。実際にカエルの皮膚を舐めてみたんだ。多分,舐めてみて「アレ? なんか甘いぞ。おまけに何だか苦味もある。なぜ?」ということから研究が始まったのかもしれません。そうだとしたら,「我が身を実験台にした科学者たち」に通じる科学者魂です。
また,「カエルの皮膚を剥ぎとってすりつぶし,成分を調べる」という従来からの研究法(=常識=パラダイム)では絶対にわからないことが多いことも教えてくれます。例えば,「人間の皮膚を剥ぎとってすりつぶし,皮膚の成分を調べる」研究からは,皮膚常在菌も皮脂も見つかりません。皮膚全体に対するそれらの質量比があまりに小さいからです。
私は講演の際に「我が身を使った人体実験」を必ず紹介しますが,時々,「それはネズミなどで実験すればいいと思いますが?」と質問を受けます。でも,これは人間で実験するしかないのです。なぜかというと,ネズミは「痛い」と話してくれないし,「どのくらい痛い」かも教えてくれないからです。「ゲーベンクリームを塗ると痛い」ことも「アクトシン軟膏を塗ると飛び上がるくらい痛い」ことも,実際に塗ってみないとわからないのです。
これは「名店と言われるラーメン店のラーメンはほんとうに美味しいのか? どのくらい美味しいのか?」は実際に食べてみないとわからないのと同じです。マウスにラーメンを食べさせても味はわからないでしょう? それと同じですね。
2012/02/20
【16:40】【13:00】
- 今年は例年より寒いせいか湯たんぽによる低温熱傷が多いです。今日は45人くらい外来診察しましたが,そのうち低温熱傷の新患1名,再来5名でした。あと1ヶ月足らずで何人が完治までもっていけるか,ちょっと心配です。
⇒「低温熱傷の治療フローチャート(英語版)」
【07:30】
- 【紙が鍋になるのならなんでも鍋になるんじゃないの】
温泉とかに行くと紙鍋が出てくることがたまにあります。折って水が入る形にした紙を直接火にかける鍋料理ですが,なんとここでは昆布,サランラップ,キャベツ,玉子焼鍋に挑戦しています。その実験精神に感服です。素晴らしい! 原理的にサランラップでお湯が沸かせることはこれでわかりました。
【06:30】
- 以前から何度かメールを紹介させていただいた「歯科@糖質セイゲニスト」先生からさらに追加情報。
当クリニックでも,口腔衛生指導(歯みがき指導)は徹底して行っています。このメールを読んでふと思ったのですが,生まれたばかりの赤ん坊の体に入る栄養分は母乳だけです。糖質は母乳からしか供給されませんが,母乳100グラムに含まれる糖質は6.87グラムとわずかです。
しかし,食べたら磨かなければいけない,磨かないと虫歯や歯周病になる,という一見常識に思えることが,糖質制限食では成立しないのかもしれません。もし,糖質制限食を続けることで口腔内の環境が改善し,歯を磨かなくても歯周病や虫歯を抑制(もしかしたら根絶?)できると立証できたらとても素晴らしいことです。歯科医療の大転換になるかもしれません。
一方,出産後,赤ちゃんの脳は急速に発達しますが,その時にはもちろん,莫大な量のエネルギーを消費します。しかし,母乳には糖質はわずかしか含まれていないのです。つまり,出産直後から1歳までの最も脳が発達する(=グルコース要求量が最も多い)時期なのに,人間はごく少量の糖質しか経口摂取していないのです。この事実からすると,「脳の栄養はグルコースだけだから,糖質を摂らないと頭が働かなる」というのが嘘であることがわかります。
そして,歯が生える頃になると離乳食が始まり,1歳くらいで母乳栄養は終了します。そこで,[人類がふんだんに糖質が摂取できるようになる以前の時代]を考えてみると,もちろん糖質が口の中に入ることはありません。となると,母乳を飲んでいた頃の口腔内常在菌と,その後の離乳食が始まってからの口腔内常在菌はどう変化したのだろうか,という興味が湧いてきますが,恐らく,細菌種の変化は連続的だったはずです。
しかし,[糖質食以後の時代]では,母乳だけの時期と離乳食が始まってからは,口腔内常在菌の種類は一気に変化するはずですし,その細菌種は糖質食以前の時代とはまるで異なったものでしょう。口腔内の環境は糖質食以前と以後では全く異なってしまうからです。
現在,私達を悩ませ,歯医者さんの貴重な収入源となっている「歯周病」は多分,この「糖質食以後の常在菌」にとって住みやすい環境になったために起きたものでしょう。
- ちょっと嬉しいメールをいただきました。
先月末,1歳の我が子が顔面に火傷を負いましたが,湿潤療法でとてもきれいに治すことができました。柿田先生は関東地方で一番早く湿潤治療を取り入れてくれた先生で,私が最も信頼している医師です。柿田先生,グッジョブ!!
火傷を負った当初は,救急で診てもらった大学病院にて治療を受けていましたが,治療方法や事務的対応に不安を感じ,ネットで検索したところ,夏井先生のHP「新しい創傷治療」に行きつきました。
そこで,湿潤療法を行っている病院一覧から柿田医院を受診し,治療していただいたところ,今現在は,赤みが残っている程度で,驚くほどきれいに治すことができました!
子供の火傷の治療経過は,柿田医院のサイトにも載せていただきました。
- 巻き取り式の3個口モバイルタップ,買っちゃいました。とても安価ですが,「コンセントが1個しかないビジネスホテルに宿泊」した時にとても便利です。
- 飛行機や新幹線の中で「ニューズウィーク日本版」をよく読みますが(薄い割に中身が濃く読みごたえのある記事が多いから),2月22日号では「フェイスブックの落とし穴」という特集があり,かなり刺激的な内容となっています。
私は今のところ,「新しいものを覚えるのが面倒だし,覚える時間もないし,使ってなくて困ったこともいない」のでフェイスブックは使っていませんが,仕事や就活で必須という人も多いと思います。その意味では「便利な必携ツール」です。また,「自分の個人情報なんて隠しておくほどの情報じゃないから気にしないよ。タダで便利ならそれでいいの」という人も多いかもしれません。
- フェイスブックの利用料はなぜタダなのか。利用者は現金ではなく,「個人情報」をフェイスブックに売り払い,フェイスブックはそれを広告主に売りつけている。つまり,タダのように見えるだけ。
- フェイスブックの利用者はフェイスブックの顧客ではなく,広告主に売る商品でしかない。
- フェイスブックは個人情報保護に関するルールを次々に変更し,利用者がますます多くの個人情報を暴露しなければならないように仕向けている。つまり,一方的な「料金値上げ」をしているが利用者は気がついていない。
- フェイスブックの「タイムラン」は利用履歴を全て他人に晒す新機能だが,今後,すべての利用者に強制使用するように狙っている。現時点での「タイムラン」では見せたくない履歴を削除することは可能だが,極めて煩雑な手順が必要で,大部分の人が削除を諦めるように設計されているようだ。
- 会員たちがフェイスブックにログインしていない時にも,利用者がどのサイトを訪れているかを追跡していたことを,フェイスブックは昨年9月に認めている。
- ザッカーバーグ自身が記者会見に応じることはなく,常に懇意な2人の記者としか話さない。
- 8億人のユーザーを持ち,個人情報の宝庫であるフェイスブックはウイルス攻撃の格好のターゲットとなる。フェイスブックのユーザー認証システムに弱点があることが確認されていて,実際に侵入されている。
しかし,8億人の個人情報をアメリカの一つの私企業が集めているという事実は,何やら薄気味悪い気がします。フェイスブックの運営がうまくいっている間はまだしも,経営がおかしくなった時には恐らく,集めに集めた個人情報が一気に闇市場に流れることもありえます。
- 【太ってる人はイヤだけどダイエット男はもっと嫌い!? やせたい男性に向けられる女性からの冷たい視線】
この記事,俺のこと書いてない? 実際に糖質制限をしてみるとわかりますが,1ヶ月くらいでウエスト周りがみるみる凹み,体重もいつの間にか数キロ落ちます。おまけに運動もいらないし,カロリーを制限する必要もありません。これって「ダイエットにはいつも挑戦しているけど成功した試しがない」という女性からすると敵同然でしょうね。
おまけに,糖質制限がうまくいくと,味覚と嗜好まで変わってしまい,炭水化物が食べられない,食べたくなくなります。「本当は食べたいのに我慢している」のではなく,「本当に食べたくない」のです。このあたりは,実際にやってみないとわからないかもしれません。
そういう訳で,「糖質セイゲニスト」としては,女子社員に冷たい目で見られる会社に勤めてなくてよかったなぁと思っている次第です。
ちなみに,31インチのジーンズが緩くなってしまいました。これじゃ,新しいのに買い替えなきゃダメじゃないか。困ったなぁ。
- 石岡第一病院での最後の診療日まで1ヶ月を切ってしまいました。(週2回の外来でもいいから)「傷の治療センター」を引き付いてくれる先生を探していますが,なかなか見つかりません。
さて,茨城県石岡市に来てからそろそろ5年になろうとしていますが,思い出してみると講演以外で石岡を出たことはないし,水戸市にも筑波山に行ったこともありません。大洗海岸も見たことがないし,霞ヶ浦も遠くからチラっと見ただけです。名物料理(例:あんこう鍋)も食べてないです。
茨城の前は長野県の松本の病院でしたが,上高地に一度行ったことがある程度で,松本駅周辺しか知らなかったし,名物信州そばも食べたことがありません。
「観光」は老後の楽しみにとっておこうと思います。もちろん,その歳まで生きていれば・・・ですけど。
- 「本当に辞めちゃうんですか?」という質問を,患者さんから毎日いただきます。外来診察の短い時間で説明するのは大変ですが,要するに,「昨日と同じ事をしていたら,昨日と同じ事しかできないし,昨日より先に進めない。昨日していたことより先に進もうとしたら,昨日と別のことをするしかない」ということなんです。昨日と違うことを始めないと,昨日と同じ日常が繰り返されるだけです。
毎日同じ事を繰り返すのは楽だし,安心だし,苦労もありません。しかし,発展もありません。発展させるためには,新しい道に踏み出すしかありません。どの方向に一歩を踏み出すかは,自分で決めるしかありません。
- 【茨城北部で震度5弱 東日本大震災の余震か】
ほんのちょっと前までは,「小さな地震が起きるとそこでプレートに溜まったエネルギーが放出されるため,大きな地震が来ないんですよ」と説明していましたが,「3.11」以後は,「地震が来るとさらに大きな地震の前触れかもしれません。大規模地震に注意して下さい」と,基本ルールが180°変わっちゃいました。
地震予知の専門の先生方や地震学の専門の先生方はこのことについて「3.11を境に,プレートに掛かる力の状態が変化したから」といとも簡単に説明していますが,私は,力学的・物理学的にきちんと説明してもらわないと納得できない質(たち)なんで,この説明に納得できません。
2012/02/17
【11:20】【08:30】
- さらに「2006年9月からほぼ毎日このサイトを見ています」さんから糖質制限について。
昨日(16日)の,「歯科@糖質セイゲニスト」先生からの投稿記事を読んで,長年の疑問の一端が解けたため,うれしくて?メールをしてしまいました。多分,そういう解釈でいいと思います。本を読んでいて「これって本当? なぜなんだろう?」と考えることが大事です。
学生時代,フランクルの『夜と霧』を読んだとき,その中に「この収容所生活では誰もかぜをひかず,歯を磨くことはなかったのに虫歯で苦しむものもいなかった」という記述がありました。
歯を磨かないのに虫歯にならないなんてそんなことがあるのだろうか,とずーっとそのことが心にひっかかっていました。でも,「歯科@糖質セイゲニスト」先生の投稿を読んだら即座に長年の疑問が解けました。収容所の中でフランクルたちの食事は,1日1回か2回,具のほとんどないスープのようなものだけだったそうです。でんぷん質や糖質は皆無だったのだろうと思います。だから虫歯にならなかった,と考えられますよね。勉強になります。
【06:30】
- 「糖質制限にして何か困ったことはないでしょうか?」と質問をいただきましたが,現時点で唯一困っているのは日本酒が飲めなくなったことですね。日本酒の馥郁たる香りは大好きで,最初の一杯は美味しいのですが,そのあとは日本酒の甘ったるさに脳が拒否反応を起こして,もう飲めなくなるんですよ。同様に,レモンサワーなんかも甘過ぎてダメですね。何しろ,プレーンヨーグルトですら甘く感じるのですから・・・。味覚が敏感になったせいか,ちょっとした甘味で十分なんですよ。
現時点で困っているのはそのくらいかなぁ?
- 「金属プレートが露出した下腿骨折症例」についてある整形外科の先生からメールをいただき,それについての私の回答を追加しました。
- 昨日取り上げた「プチ糖質制限デビューの同僚医師」のその後ですが,昨日は朝も昼も「ごく少量のご飯のみ」の食事にしたそうですが,夕方私に「やはり空腹感がありませんね。空腹でないのでおやつを食べる必要性を感じません。どうやら,炭水化物を食べるから,炭水化物が欲しくなって食べていただけだったようです」と話していました。
- 【宇宙の加速膨張,反物質が原因?】
宇宙が膨張していることはあらゆる宇宙の観測で確かめられています。しかも,その膨張速度は一定ではなく,加速度的に増加していることも観測されています。ここまではほぼ揺るぎない事実です。
問題は,物理学における「力」として確認されているのは,重力,電磁気力,強い相互作用,弱い相互作用の4つだけであり,地球サイズ以上の範囲で効いているのは重力のみである点にあります。つまり,宇宙の運動を決めているのは重力(=引力)のみです。つまり,すべての天体は互いの重力で引き合い,やがて凝縮していくはずです。
となると,「宇宙は膨張し,しかも膨張速度は増大している」という観測事実と矛盾してしまいます。
この矛盾を解消するために仮定したのが「暗黒エネルギー」という斥力です。これで「加速度的宇宙の膨張」は説明できますが,問題は「そもそも暗黒エネルギーって何なんだよ」という質問に答えられないことです。「斥力があったら便利なんだよなぁ」ということから仮定された力だからです。
そこで登場したのが今回の記事の「反物質による反重力(=物質との斥力)」です。ちなみに,反物質とは「質量とスピンが物質と同じで,構成する素粒子の電荷が逆」の物質をいい,陽電子(=プラスの電荷を持つ電子)は実際に観測されています。
しかし,これにも問題があります。「物質と反物質が出会うと消滅し,光子が放出される」という物理学の標準理論があるからです。反物質が存在するとしたら,物質と触れ合わない宇宙のどこかしかないからです。そこで,今回の研究は「反物質のゆりかご」として「ローカルボイド」を想定したわけです。
しかし,そのローカルボイドが反物質の集まりだとすると・・・と,新たな矛盾が生じでしまい,それを解消するためには新たな仮定が必要になり,そうなると・・・という事になりそうな気配が漂ってきます。
地球や月や惑星サイズの世界ではニュートンの万有引力で全て説明できました。しかし,太陽系のサイズになると「相対性理論という微調整」が必要となりました。太陽系サイズ,太陽系近傍空間サイズであれば相対性理論はすべてを正確に記述する重力理論です。しかし,銀河系サイズになると相対性理論でも説明できない現象が観測され始め(例:銀河外縁の星の動きが速すぎる),銀河団サイズになると相対性理論では説明のできない「斥力」を考えないといけなくなります。そして,全宇宙サイズになると引力ではなく斥力が支配しているように見えます(これが宇宙の加速度的膨張)。
となると,ニュートンの万有引力の法則が「サイズ限定地域内での法則」だったように,相対性理論も「サイズ限定地域内での重力法則」と考えたほうが手っ取り早くないか・・・という理論も生まれるわけです。
- 【ノストラダムスとは訳が違う地震予測続発で大混乱! 「首都直下4年以内に7割」に翻弄される東京人の今】
記事で紹介されている地震発生の予測値をまとめると次のようになります。「4年で70%」といえばかなりヤバイ気がするけど,「30年で70%」となると30年以内に自分が死ぬ確率はほぼ100%だろうから,多分セーフです。しかも,30年間にわたって「明日にでも起きる」と言われてきた東海地震は一度も起きていないのに,誰も起こると考えていなかった新潟や神戸では大地震が起きています。「ヤバい首都圏から逃げ出そうと考えていますが,どこが安全なの」と言われても,地震学者の誰も答えられないはずです。
- マグニチュード7級の首都直下地震が4年以内に約7割の確率で発生
- マグニチュード7級の首都直下地震が今後4年以内に50%以下
- 首都直下地震が30年以内に70%
- 首都直下地震が5年以内に28%
- マグニチュード8.1前後の東南海地震が30年以内に70%程度
- 8.1前後の択捉島沖が30年以内に60~70%
- マグニチュード8程度の東海地震が30年以内に発生する可能性は88%
私は2度ほど大地震に遭遇しましたが,そこでわかったことです。
- 震度5以下か震度6以上かで運命がわかれる。運命の分かれ道はライフラインが破壊されるか否かだけ。ライフラインが軽微な損傷なら生活は変化しないが,ライフラインがずたずたなら生活が一変する。
- ライフラインで一番最初に困るのは飲水とトイレ。これが3日以内に復旧しないとかなり辛い。
- ライフラインの復旧のスピードを決めるのは,被災地への移動手段が複数確保されているかどうか。だから神戸の復興は早く,三陸の町の復興は遅れた。首都圏だと多分,わりと早く復旧するはず(首都圏への物流が全てストップ,という事態は考えにくい)。
2012/02/16
【06:30】
- 重厚なサスペンス映画にして,大人のためのしっとりした恋愛映画,それが《瞳の奥の秘密》です。実に素晴らしい作品です。
- 【重量級ノート EON17-X 発表。X79 チップセット,デュアルグラフィックカード,3TB RAID など】
高田延彦さんなら,「薄型軽量のノートパソコン? なんじゃそりゃ? パソコンってのは最高の機能を求めるもんだろ! 機能に妥協はないだろ! 男なら1.5キロで重いとか軟弱なことをぬかすんじゃねぇ!」と啖呵を切ってこのノートパソコンを軽々と持って歩くでしょう(・・・多分)。
それはともかく,これって本当に見事なまでのフル装備です。詰め込めるだけ詰め込んでいます。メモリーは32GB,グラフィックカード2枚,HDDは3TB,チップセットはX79と,「妥協」という言葉を知りません。USB端子も3.0のみという潔さですし,筐体の厚さ6センチ弱,重量5.5キロでは「部屋の中を移動するのもちょっと大変」でしょう。
軽薄短小パソコンばかりの時代では,こういう「漢(おとこ)パソコン」はちょっと暑苦しくて汗臭いですが,有無を言わせぬ迫力がありますね・・・軽薄人間の私は欲しくないけど・・・。
- 同じ病院の某先生は以前から糖質制限のことは知っていたのですが,「俺,米の飯が一番好きなんだよ。米の飯を食べないと食事した気にならないんだよね」という理由で敬遠していたそうです。しかし,私のサイトでたびたび取り上げられるのを見て,ついに一念発起し,一昨日の夕方から「プチ制限」を始めてみたそうです。その先生の感想です。
昨夜,ご飯だけ抜いてみたんですよ。初めはお腹が空いて夜寝られないんじゃないかと恐れていたんだけど,それが何ともなくて普通に眠れ,朝もご飯を少なくして昼は全く食べませんでしたが,全然空腹感がないんですね。むしろ,ご飯を腹一杯食べていたときの方が空腹感が強いです。これにはびっくりしました。これなら多分,苦労することなく闘質制限が続けられそうです。「一日三回米の飯」が単なる習慣だったことがよくわかりました。
- 【トマトジュース売れすぎ…脂肪燃焼効果の論文で】
このサイトの読者はこの記事を読んで,「トマトでダイエット? アホかいな。粉モンとおまんまとウドン食うのを止めるだけで3週間で3キロ痩せまっせ! テレビのインチキ情報にダマされるなんてアホでっしゃろ。こんなん,トマトジュース会社とケチャップ会社の陰謀に決まってますがな!」と,ニセ大阪弁でまくし立てたことと思います。
- 「歯科@糖質セイゲニスト」先生からは歯科医師の立場から糖質制限を考えてみた,というメールをいただきました。
現在,多くの歯科医師が行っている医療行為は主に齲蝕によって失われた欠損を歯科材料で修復する・歯周病や齲蝕によって失われた歯牙を義歯等の装置によって補綴する,というものです。若いころは迷いもなく行っていた治療ですが,年を追うごとに疑問を感じるようになりました。まさに「常識あるところに嘘あり」ですね。常識・大前提を疑ってみると,いろいろなものが見えてきます。
修復・補綴も機能を回復するための大切な医療行為だとは思うのですが,所詮リフォームでしかありません。手を加えれば加えるほど歯牙は弱くなり,再治療が必要になります。こんなことをくり返しても歯科医師にとってはいいメシの種ですが患者にとってはいい迷惑です。
カリエスも歯周病も初期の段階では 健全な状態⇔初期齲蝕や軽度歯肉炎 という状態であり,その平衡が保たれていれば歯科疾患は生じません。(カリエスで言えば脱灰⇔再石灰化) その範囲内で口腔環境を維持できていれば良いはずで,そうすれば余計なリフォームを受けることもなく,歯医者なんてかからなくてもよくなります。歯科医師や歯科衛生士の子供たちが虫歯もなく,歯周病に罹患しないのはその知識があり,良好な口腔清掃が日常的に行われているからです。その知識と習慣がないために一般の方は歯科疾患に罹患して歯科医院に通院する羽目になってしまうのです。
ですが,そもそも歯牙がカリエスになる・歯周病になり喪失する,ということ自体,種としては生死に関わる深刻な病態であります。歯を失うということは,野生動物においては死を意味するからです。ホモ・サピエンスが種として存続してきたということは,本来はそういったリスクのない環境において進化してきたはずなのです。
現在の歯科医療界では歯科疾患の病因は口腔細菌であり,感染症であるという認識です。なので上記のパーフェクトペリオなどというインチキ商品が飛ぶように売れたりします。
先生にご教示いただいたように,歯周病菌,齲蝕誘発菌の存在は原因ではなく,結果だと考えております。なんらかの薬剤を用いてそれを排除しようとしてもその菌の生存しやすい環境であるかぎりは菌は生存するし,存在するのは当たり前ですよね。
菌の生存環境について考えると,やはり口腔内の環境についていえば現代人の食習慣に起因するのだろうと思います。………と,ずっと漠然と考えてきましたが,本当の理由が分からずにおりました。
ここ最近の糖質制限食についてのお話によってちょっとその疑問が氷解したように思います。
本来,700万年続いてきた人類の歴史の中で,生死に直結する歯牙の喪失に影響を与えるのは糖質食に他ならないのではないでしょうか。人類は飢えに耐え,種を爆発的に増大するために穀物の大量栽培という方法を得,同時にそれまで存在しなかった疾患(糖尿病や齲蝕や歯周病など)を招いてしまったのだと思います。
現に,歯科疾患の原因とされるプラークの産生は糖質(砂糖やデンプン)が大きく関与しており,糖質制限食においてはかなり抑制されると予想されます。
糖質制限食を推進しておられる江部先生も著書でご指摘なさっておられるように,糖質制限食は歯科疾患を予防するのにも大きな効果が期待できると考えております。
2012/02/15
【16:30】【09:00】
- 暇を見つけては『放浪の天才数学者エルデシュ』を読み耽っています。読んでいるだけで幸福な気分にひたれる稀有の書です。次の一文を読んで泣きました。エルデシュ,あなたは本当にすごい人だ。数学を愛するとはこういうことなんだろう。
エルデシュはハーディからラマヌジャンの話を聞くのが好きだった。エルデシュはその後インドで二回講演をしたが,一度も会ったことがないラマヌジャンの未亡人に講演料を二回とも寄贈した。
【06:30】
- さらに,ある薬剤師さんからも糖質制限ネタ。
病院勤務の薬剤師ですが,精神疾患の研究会に参加したときに糖質制限食が紹介されていました。精神科の間でも糖質制限食は広がっているようです。いわゆる「血糖調節障害(機能性低血糖症)」,食後の血糖の乱高下や持続的低血糖状態がもたらす精神障害です。今まで知られていないだけで,実際はかなり多そうです。
- 私はamazon.comのアフィリエイトをしていて,私のサイト経由で何が売れているのかをチェックできますが,結構,食品とかお酒が売れているんですね。実際,スーパーの安売りくらいの値段で買えるものも結構あります(しかも送料無料!)。となると,アフィリエイトによるアマゾンのポイントで食品とか日常品が買えるってことです。
そこで,朝食用のシリアルとか豆乳とかお酒とかひげ剃りなどを可能な限りアマゾンで購入して届けてもらうようにしてみました。それでわかったのは,これまでいかに無駄なもの,使わないものを買っていたという事実です。スーパーに行くとどうしても余分なものまで買ってしまうんですよ。
というわけで,「いつもの居酒屋さん」での夕食代くらいしか厳禁を使わない生活になっています。生活がどんどんシンプルになっていきます。
- 「金属プレートが露出した下腿骨折症例」ファンの皆様,お待たせいたしました。久しぶりの更新です。肉芽部分がかなり上皮化しました。
- 【生命の始まり,海ではなく陸地だった?】
現在定説である「最初の生命は深海底の熱水活動域(熱水噴出孔)で誕生した」に対し,今回の新説は「陸上の火山性の熱泥泉で最初の生命が誕生した」というものでして,「海水中には蛋白合成に必要なカリウムが少ないが,火山性熱泥泉には豊富だ」というのが根拠となっています。
原著を読んだわけではないのでなんと言えませんが,この説の弱点は,当時の地表に降り注いだ強烈な紫外線を防ぐ手立てがない点にあると思います。つまり,最初の生命体が火山性熱泥泉に誕生したとしても,紫外線ですぐに損傷・分解されてしまい,安定した生態系を作りにくいはずです。
そして何より,乾燥から身を守る手立てがありません。地表に最初の生命体が登場したのはシルル紀初期であり,それ以前には陸上生物の痕跡は見つかっていません。つまり,紫外線と乾燥という環境は生物にとって極めて酷烈だったのです。つまり,火山性熱泥泉に最初の生命体が出現したのであれば,その後の生命体の痕跡がかつての陸地から見つかっていないことが説明できません。
また,この記事では「原始の海水中にはカリウムが少なく」という記述がありますが,これは明らかに誤解で,カリウムが海水中で少ないことはどうでもよく,熱水活動域にカリウムが含まれていれば,それで十分のはずです。生命体にとって海水は「体外環境」でしかなく,生命体は「海水中」で誕生したわけではないからです。
最初の生命体のサイズが現在のバクテリアやアーキアのサイズだとすれば,せいぜい,直径数ミクロンの範囲でカリウムが豊富なら,それ以外の海水中にカリウムが少なくても問題はないはずです。これなら,熱水活動域を生命誕生の場として矛盾はありません。
- またまた面白そうな本発見! タイトルを見ただけで,食指が動きます。
- 毎度,毎度の糖質制限ネタですが,今回はちょっと違った方面からのメールです。
糖質制限盛り上がってきていますね。糖質セイゲニスト,バイオリニストみたいで格好いいです(笑)。日々,患者さんと職員に,江部先生の本などを駆使して糖質制限の効能を洗脳,もとい啓蒙しております。糖質制限の普及の障害となるものは結構あります。ざっと考えても次のようなものが浮かびます。
しかし,炭水化物メインの食事は奥様方にとっても作るのが楽で,腹持ちがいい(ように思えるらしい),便利(うどんの乾麺など保存できますし)っていうのが大きいようで,もちろんそれは問題だと思いますが,やはりこれから啓蒙していく上で奥様方への働きかけも大事だな,でもこれは難しいぞ,と思うわけで。
まあ毎日子育てに奮闘しているのを見ているとあまりそこを強く言えないなあと思ってしまいます。夜もラーメンやうどん,焼きそばが主食,じゃなくて副食で出てくることが多いのです(関西だから特にかな?)。もうちょっと肉や魚メインのおかず作ってよ,って言おうものなら,ならあんたが作りなさいよ,子どもたちが食べてくれるようなもの作るだけでも大変なのよ!,って怒られかねません。
糖質信仰や,カップラーメンなど最高レベルに?精製・簡略化された現代の食事事情と,現代文明の発達,子育て,子どもと親との問題などの関連など,いろいろ考えさせられます。結構厄介なのは後半の3つです。
- コメ農家と農協,農水省
- 管理栄養士と大学の家政科での教育
- 脳は糖質しか栄養にできない,という中途半端な医学知識
- 炭水化物(=主食)の値段の安さ
- 炭水化物の手に入れやすさ
- 食文化・食生活の超保守性
糖質制限って,どうしても食費がかさむんですね。理由は単純明快で,他の食品に比べ,炭水化物(特に小麦粉)は安いんですよ。米も重量とカロリー数と値段で比べるとかなり安いです。だから,「安い値段でお腹いっぱいになって満足感もある」食事を食べようとすると,炭水化物メインしか選択肢がありません(少なくとも日本では)。
テレビの「黄金伝説 1ヶ月1万円生活」を見てもわかりますが,小麦粉をいかにうまく使うかで勝負が決まるケースが多いのは,小麦粉が何より安く,必要カロリーを稼げるからでしょう。
そして,この国の食文化は「大量に炭水化物を食べる」ことを大前提にして組み立てられています。実際,奥様方が夕食の献立を考える時,「主食を食べるための副食」ということを無意識のうちに大前提にしているはずです。いかにして美味しくご飯を食べてもらうか,そのためにどういう味付けのおかずを作って組み合わせたら食欲が増すか,という組み立て方です。
糖質制限はこの「基本プログラム部分」を書き換えろといっているのに等しいです。だから,糖質制限にしようとしても,これまで1000年かけて作られた「和食の献立の基本と知識と工夫」が全く使えません。おまけに,食費がかさむのですから,奥様方にとっては問題山積でしょう。
- 糖質制限ネタでもう一つ。次のようなメールをいただきました。
知り合いで「耳つぼダイエット」なるものをを始めてかなり痩せてきた人がいます。内容を聞くと,主食は半分,耳つぼを刺激して食欲が抑えられる,足りない栄養を特殊なプロテインで補うというものでした。特殊なプロテインがかなりの高額らしいです。糖質制限についての知識があって,それに「耳のツボを刺激して食欲を抑え・・・」という嘘を重ねて高額プロテインを売っているなら詐欺,糖質制限の知識が全くなく,「食欲を抑えるツボを刺激し,不足する分を安価なプロテインで補う」のであれば詐欺ではないでしょうが,この場合は明らかに前者でしょう。
これって糖質制限を利用した悪徳商法ではないでしょうか? 耳つぼを刺激しなくても痩せられたんじゃないかと思いました。
成果があるので,本人は満足しているようです。糖質制限のことを教えてあげたほうがよいかどうか迷っています。
この耳つぼダイエットは確実に体重は減り,しかも健康被害は起きないと思われますから,少なくとも「中国製の痩せ薬で死者が!」よりは多少なりとも良心的かもしれません。
逆に言えば,糖質制限をさせるための理由付けをうまくでっち上げて(例:食欲を抑える頭部のツボを刺激,とか),それにプロテインなどの高額商品を組み合わせれば,「絶対確実に痩せられる夢の新ダイエット法」になります。ただし,糖質制限食の知識が一般化したらこの手は使えませんけどね。
- 【インフルエンザ新薬に落とし穴―ウイルスばらまく服用者】
この危険性は以前から指摘されていました。ウイルス感染症では,症状だけ軽くする現在主流の治療は,ウイルス感染者をさらに増やします。
先日紹介した『迷惑な遺伝子』という本で紹介されていたポール・イーワルドの「病原体の移動手段と病原体の毒力の関係」から考えると,インフルエンザの症状を軽くする内服薬はインフルエンザの毒力を弱める方向の淘汰圧とならず,逆に,飛沫感染という強力な感染様式を持つインフルエンザウイルスでは毒力を増強させる方向に作用する可能性が高いです。
- 【花形事業次々に縮小,携帯で「完敗」 構造改革遅れたNECの前途多難】
「日本のパーソナルコンピュータの歴史とNEC」という観点から,私的感想をまとめてみます。
1980年代から90年代の日本では,「仕事に使えるパソコン」と言えばNECの「98シリーズ」でした。それ以前の時代では,ホビー用の色彩の強いNECのMSX,シャープのMZ-2500,富士通のFM7などがありましたが(さらにマニアックな機種として初代マッキントッシュ,Atari,Amigaなどがあった),1982年に発売された初代のPC-9801以来,「日本語がまともに使えるパソコン⇒日本語が自在に書けるパソコン」として98シリーズは正常進化の道を辿り,他の追随を許さない存在になりました。そして,98シリーズと共に,日本語変換システム(フロント・エンド・プロセッサ)も[単漢字変換⇒単文節変換⇒複文節変換⇒連文節変換]と高機能化し,そのたびに入力は自然でスムーズなものになりました。このあたりは,私のコンピュータ個人史と重なるのでとてもよく覚えています。
この98シリーズの地位は,1987年の「世界初の携帯できるパソコン:東芝J-3100」,1988年の「CD-ROM標準搭載したFM-TOWNS」,1989年の「東芝の初代dynabook」の登場でもゆるぎませんでした。1990年代に入ってパソコン雑誌に「AT互換機」という言葉が頻繁に登場するようになりますが,日本語入力では圧倒的に98が使い勝手がよく,勝負にならなかったと記憶しています。
しかし,1993年にWindows3.1が発売される頃からNECの長期低落が始まります。Windows3.1は日本語表示のための特殊なハードを必要とせず,OSレベルで多言語に最初から対応していたため,日本語に特殊進化して袋小路に入ってしまった98シリーズは所詮「ガラパゴスパソコン」だったのです。
その後,日本のパソコンは「薄型でスタイリッシュで格好いい紫色のソニーのVAIO」,「低価格なのにバンドルソフトが山ほどついてくる富士通」,「踏んでも壊れない頑丈で質実剛健なパナソニックのレッツノート」という具合に棲みわけていきますが,NECはかつての98シリーズの成功の余韻に浸って全方位的商品展開を続け,その結果としてパソコンとしてのオンリーワンな部分がなくなり,「その他大勢」の中に次第に埋没していったのだと思います。
- 【アップル,8インチ級の iPad を開発中】
このニュースを見て,ジョブズが生きていたらなんて言い訳するんだろうか,と思ってしまいました。何しろ2010年10月に「アップルは7インチのiPadを出さないんですか?」という質問を受けて,「7インチ? クズだ!」と一刀両断しましたからね。
そういう「クズ商品」をアップルが出すのであれば,これまたアップルらしいという気がします。アップルはこれまで,新しいジャンルの商品を生み出したことは全くなく(マッキントッシュしかり,iPodしかり,iTuneしかり,iPhoneしかり,iPadしかし),先行販売されていた商品の使い勝手を向上させ,見た目を一新させただけです。他社が苦労して商品開発し,ようやく売れてきた時に,さっとやってきては利益を横取りしていくのがアップルのやり方です。
そういうアップルの歴史からすると,「他社のタブレットがそこそこ売れているなら,ここでアップルが8インチiPadを出せば大儲けじゃん!」と考えるのは自然かもしれません。
もちろん私は,こういうアップルの姿勢がなんか卑怯っぽくて大嫌いですけどね。
- 【うらやましぎる?「スイスの全国民に年6週間の有給休暇を義務付ける法案」に海外の反応は】
こんなことをしてスイスの国家経済は大丈夫なの,と心配してしまいますが,スイスって盤石の輸出産業,盤石の世界規模のメーカーを幾つも持っているんですね。納得!
2012/02/14
【12:00】【08:40】
- 【ごぼうを50時間煮てみた】
「ゴボウと梅干しを40時間煮るとフルーティーになる」という情報のみを手がかりに50時間,ひたすらごぼうを煮続けた高瀬さんは,いつもながらチャレンジ精神に溢れています。それにしても,今回の実験でも変化が突然起こるのは開始から36時間ですから,一番最初に「ごぼうを長時間煮ると甘くなる」ことを発見した人は少なくとも36時間は煮続けたわけです。どういう経緯で一昼夜以上煮続けたのか,そちらの方が気になります。
【06:30】
- 「英語版湿潤治療マニュアル」に「手背全層皮膚欠損」を追加しました。ついでに,左側のカラムをちょっとだけ見やすくしました。
- 先日,今月号の日経メディカルの熱傷治療の記事を紹介しましたが,ある先生から次のようなメールをいただきました。
この記事に出てくる産業医大の安田浩先生は,数年前の日本褥瘡学における「褥瘡のラップ療法」の発表に対し,「様々な医療用の被覆材があるなかで,食品用のラップを創部にあてるなんてそのような治療をしている先生のモラルはどうなっているのですか?」と発言した先生です。多分,安田浩先生は数年前に自分が言ったことをすっかり忘れているんでしょうね。忘れているから,こんな恥知らずな発言ができるのでしょう。健忘症なのか,あるいは認知症が始まっているのかもしれません。安田先生がちょっと心配です。
今回の記事では,消毒やゲーベンクリームに対して否定的な見解を示しており,またラップに対してもそこまで絶対悪といったコメントではなく,あのときの発言は何だったんだと何とも微妙な感じです。
ロシアのことわざに「斧は切った木のことを覚えていない。しかし,切られた木は斧のことを忘れない」というのがあります。批判した本人は忘れても,批判された人間はずっと覚えているのです。
- 糖質制限と湿潤治療(特に消毒の否定)は非常に似ています。どちらもそれまでの常識を完全否定する治療であるため,まず最初に拒否反応があり,その後は「それをして何か起きたらどうするんだ」という反応が起こります。そして,実際に有効であることを示しても「理論的にはそうなるんだろうけど,感覚的に受け入れられない」というような拒否反応が起こります。多分,自分が持っている常識,長年慣れ親しんだ常識が否定されるのが嫌で,その常識がずっと常識であって欲しいんでしょうね。
「何か起きたらどうする」という反感・疑問が糖質制限,湿潤治療に対する典型的反応ですが,私なんかは「消毒しないで感染したら抗生剤を内服すればいいじゃん」と単純に考えるんですよ。だって,「何か」は起きるかもしれないし起きないかもしれないからです。また,「何か起きたらどうするんだ」という発想を突き詰めると,「食べ物を食べて食中毒を起こしたらどうするんだ(⇒食べなければ食中毒にならない)」,「外を歩いていて隕石が当たったらどうするんだ(⇒外に出なければ隕石直撃はない)」,「水を飲んでコレラになったらどうするんだ(⇒水を飲まないのが安全)」となるはずです。食べなければ食中毒にはならないし,水を飲まなければコレラの危険性はゼロだし,家から一歩も出ず,誰とも接触しなければインフルエンザにもならないし,交通事故に遭うこともないし,飛行機事故に遭うこともありません。もちろん,これで生きていけるかどうかは疑問ですが・・・・。
私はこういう生き方を否定するつもりはありませんし,そういう人生もありだと思いますが,私は嫌なんですね。第一,常識通りの行動って,なんかツマラナイじゃないですか。常識に反することをやってみて,それで何か不都合が起きたら止めればいいし,逆にいいことが起きたらそれを続けてみればいいだけです。何も難しく考える必要はないと思うのです。
- 【小児科医による湿潤療法】
滋賀県の湿潤治療医,おかだ小児科の岡田先生のブログで糖質制限が取り上げられています。
ちなみに,岡田先生は糖質制限開始から3週間でここまで変化したそうです。スゲェ!
2012年1月20日 2012年2月10日 体重 (kg) 67.4 64.2 体脂肪率(%) 28.0 26.8 総コレステロール(mg/dl) 196 147 HDLコレステロール(mg/dl) 61 50 LDLコレステロール(mg/dl) 130 88 中性脂肪(mg/dl) 67 55 BUN 19.6 23.3 Cre 0.88 0.88 HbA1c 4.9 4.9 eGFR 72.8 71.0
- 茨城県で積極的に湿潤治療をしていただいているにしぼり整形外科の西堀先生も糖質制限を始められたそうです。糖質セイゲニスト,どんどん増えています。
私も糖質制限食を初めて,1か月で3㎏ほどやせました。今までは,時々,10時ごろや16時ごろに低血糖発作様の症状(イライラ,冷汗,めまいなど)が出て,あわててジュースを飲んだりしていたのですが,おなかが空いても低血糖になることはなくなりました。それだけでもありがたいです。
この糖質制限食を少しでも広げようと,facebookで紹介したところ,友人の内科医などから否定的な意見をもらいました。などです。「新しい考えに拒否反応を示す人は,知人の中にもたくさんいるんだなぁ。」と感じました。先生のHPを読んでいる先生方は,すでに「湿潤療法」を受け入れているので,古い考えにとらわれない先生が多いんでしょうね。
- 江戸~戦前まで日本人の摂取熱量はほとんど変わりません。摂取エネルギーに占める炭水化物の割合は今より高いです。しかし,生活習慣病の有病率は今の30分の1以下です。体重が減ることと病気になりにくいことは同義語ではないような気がします。
- 脳は糖分がエネルギー源だぞ。だいじょぶか?
- 糖新生は脂質もタンパクからも原料は供給されますが,問題は酸化ストレスです。
- 静岡市で湿潤治療をしているかもと整形外科の嘉本先生からも糖質制限についてメールをいただきました。
かもと@静岡 糖質セイゲニストです。
元来,食いしん坊,飲んべーの私ですが,開始一か月で5キロ減量です。古いズボンがドンドンがあまり,体も軽くとても快調です。アルコール依存の改善にも有効だと思います。
湿潤療法では,患者さんが救われ,糖質制限では私が救われました。
- 【内閣支持率30%に下落,民主支持急落16%】
最近,やたらと新聞社は世論調査をしては内閣支持率を発表してませんか? 今回のものは読売新聞のものですが,同じ日に産経新聞も内閣支持率を出しているし,その4日前にはフジテレビ,6日前には日本農業新聞,10日前にはJNN・・・という具合です。何かあるたびに,あるいは何もなくても暇があれば世論調査をしている感じです。
もちろん,世論調査をして国民の意識を探ることは重要ですが,もともとの「世論調査のサンプリング数」を算出する数式自体がなんだか訳のわからないシロモノですし(何しろ,「世論調査 サンプリング数」をGoogle検索すると,なんと私のサイトが一番上にヒットする! 世論調査をしているマスコミから「この数式の出典を教えてほしい」と逆に質問される始末だ),この程度のサンプリング数で1%上がった,下がったと報道するのって,本当に意味があるんでしょうか。
それより重要なことは,「それではこれらの報道機関は,政治とはどういうものか,についてどう考えているのか」という問題です。何かあるたびに世論調査をするのですから,その行き着く先は「国民に支持される政策(=人気のある政策)を選ぶべき/国民に支持されない政策はするな」となります。要するに,新政策を提案する前にまず世論調査を行い支持率の高い政策だけ行え,ということになります。世論調査を頻繁に行う社会の行き着く先はそこでしょう。
だったら,国の問題は全て国民投票して決めたらいいんじゃないの,ということになりますよね。原発問題も,震災からの復旧計画も,TPPも国会議員数も,保険料率の問題も,年金問題も,何でもかんでも国民投票にすれば話は単純で,世論調査する必要もなくなります。これが報道機関が考える理想の社会でしょう。そのために彼らは,暇さえあれば世論調査をしているのでしょう。
マスコミの世論調査の発表を見るたびに,こんなことを考えてしまいます。
2012/02/13
【12:30】【09:10】
- 今日の朝,「もしかしたら睡眠障害やうつ病の原因の一つは糖質の過剰摂取が原因かもしれません」と書いたところ,既にそういう本が出ていることを教えて頂きました。仙台市の方からです。ありがとうございます。
『「うつ」は食べ物が原因だった! (青春新書INTELLIGENCE)』という本で,内容はほぼ糖質制限でした。昨秋,冬季うつ症のようになり何か手がかりはないかと書店で手にしたものです。その著者は,ほかにも食事の内容で「うつ状態が治る」という本を書かれています。確かに世の中はゆっくりと糖質制限に向かっているかもしれませんね。ただ,この手の本は書店では,「玄米原理主義」の本や怪しげダイエットなどと並べられていますから,それらと同じに見られてしまうのが痛し痒しです。
また『成功する人は缶コーヒーを飲まない 「すべてがうまく回りだす」黄金の食習慣 (講談社プラスアルファ新書)』など題名にうたっていないが内容は糖質制限という本が多数あり,世の中は糖質制限に向かっていることを実感しました
書店で「糖質制限食コーナー」ができるくらいに普及したらいいですね。
【06:30】
- 浜松市の聖隷三方原病院 白井先生(湿潤治療の弟子です)から,今月号の日経メディカルの記事を教えて頂きました。白井先生,ありがとうございます。
特集のタイトルから,ちょっと期待して読んだのですが...「生暖かく見てあげるべき」という部分に大笑い! 熱傷専門医にとって「深いヤケドは植皮でないと治らない」というのが最後の砦です。ここを明け渡したら落城し,殿様(=専門家)でなくなります。植皮術は飯の種であり,熱傷専門医が専門家であるための必要条件ですから。だから彼らも必死なんです。
まぁ,形成外科医の口から「消毒はダメ,ガーゼもダメ」「ゲーベンも良くない(←感染創を除く,という限定付きですが)」と言わせたことに意義がある,と生暖かく見てあげるべきかもしれません.ただ後半は従来通り,DDB~Ⅲ度熱傷には植皮が必要,専門医へ紹介を,で締めくくられ,片手落ちの記事でした.
症例3は治療前の写真もなく年齢等詳細不明ですが,5ヶ月経っても感染もしてなさそうだし,坐位の写真のようなので患者も元気そうだし,「2週間経っても治らなければ植皮」を否定する立派な根拠になってると思うのですが(笑)...文脈から推測するに植皮されちゃったんでしょうね.やや創面が盛り上がって見える部位があるので,ステロイドを使うか,しばらくドライに持って行くとか,手を替え品を替えすれば上皮化が進みそうに見えますが.
創は日々変化しているのに,「とりあえずソーブサン貼っとけばいいんですよね?」的な丸暗記研修医に手を焼く毎日です.
それにしても「丸暗記研修医」,「マニュアル医者」も困りものですね。「治療の標準化とは,どんな患者にも十把一絡げに同じ処置を延々とすることだ」と思い込んでいる医者もいますよね。頭で考えるのが本当に苦手なんでしょう。白井先生,日々ご苦労さまです。
- 「医療は素人」さんからも糖質制限のメールをいただきました。
私も,1月半ばよりプチ糖質制限をしています。目に見えておなか周りのたるみが減ってきています。ラーメン好き&ビール党なので,とにかくセットメニュー(ラーメンにチャーハン等)はキッパリやめて,炭水化物は1日1食を心がけ,肉類や野菜,汁物を中心に満腹するように心がけています。確かに,日本の庶民に「一日三食」の習慣が広まったのは江戸時代の明暦の頃で,明暦の大火からの復興で突貫工事で住宅を建てなければならず,重労働に耐えるために朝食と夕食の二食に昼食を付加しました。
糖質制限と炭水化物食について,私の思うところを少々。
自転車が趣味で1日300キロを走破したこともあります。それだけ走ろうと思うと,糖質をとにかく補給しなければ体を動かし続けることはできません。プロのロードレース選手でツール・ド・フランスなどのステージレースともなると1日6,000から7,000キロカロリーを毎日消費・補給し続けるそうです。朝は大量のパスタやはちみつをぶっかけたライスなどを食べ,もちろん走行中もはちみつやジャムを詰め込んだパンを食べたり,エナジージェルやコーラを飲んだり・・・胃袋の強さが勝負の強さとも言われているくらいです。
ただし,「引退後の自転車選手」も結構ヒドイもんです。9割型ブクブクの当時の面影ナッシングな方ばかりです。
と,ここで思ったのが,産業革命以前は多くの人達が今より糖質を取っても肉体労働で常に消費できる環境にあったんじゃないかなということです。
これを見ると「重労働=大量の炭水化物」となりますが,実はこれは成立しません。北極圏のイヌイットは一切炭水化物を取らずに生活しているからです。
一方,日本の南極観測隊の食事は1日4000カロリー以上で,レシピを見ていると脂肪と共に大量の炭水化物をとっているようです。その結果,別人のように太って帰国する隊員も多いとのです。
南極越冬基地は常に摂氏20℃を保つ快適環境であり,イヌイットはそれより遙かに寒い住環境ですから,4000カロリー以上が必要なはずなのに,彼らは糖質を一切取っていないのです。
これから考えると,「重労働には大量の炭水化物が必要」というのも単なる慣習・伝承・言い伝えではないかと思われます。要するに,「腹いっぱい飯を食ったから働ける/腹いっぱい飯を食ったからロードレースに耐えられる」という思い込みですね。
もしもほんとうに炭水化物が必要だったら,そもそもイヌイットはあの動くだけで大量のエネルギーを必要とする極寒の地で生存できるはずがありません。
- そういえば,今回の診療報酬改定で何故か,分層植皮術の保険点数が上がりました。ここの274ページにありますが,200cm2(=10×20cm)の植皮術が20,150点から25,820点と1.28倍,100~200cm2にいたっては6,660点から9,000点と1.35倍の大盤振る舞いです。この200cm2の25,820点という点数がどのくらい高いかは,他のベージの骨折手術や心臓外科手術の点数と比べてみると一目瞭然です。
ちなみに,分層植皮なんてすごく簡単な手術ですから,医学部学生だって10分も練習すればできちゃいます。要するに絵に描いたような超お手軽手術ですから,どう考えてもこの点数は過大評価です。
いずれにしても,大学病院や総合病院の熱傷先生たちは,これ幸いと「すぐにでも皮膚移植しないと治りません。すぐに手術しないと感染症で死にます」と脅して手術を勧めることになりそうです。
というわけで,こういう医者から身を守るためには,市民側(=患者側)に情報を発信して,熱傷なんて手術しなくても治る,というのを市民の常識にし,手術して熱傷を治す医者から逃げ出すようにするのが一番ではないかと考えています。いくら医者が植皮をしたくても,患者がそれを拒否すれば手も足も出ません。
- 次に読んでみようかと思っている本は『放浪の天才数学者エルデシュ』です。10年ほど前にハードカバーで出た本ですが,買おうか買うまいか迷っているうちに店頭から姿を消してしまいました。それがこのほど文庫として再登場したので,このチャンスを逃してなるものかとゲットしました。
- 糖質制限について,以前にもメールをいただいた「農家の嫁」さんから,糖質オフのおやつについて教えて頂きました。ありがとうございます。
糖質制限食のメニューを考える事はまず,砂糖を使わなくなるので,通常,煮物などに使っている食材も,「砂糖なしで,どんな味付けにしようか?」と考える,新しい発想のきっかけにもなっています。(失敗もありますが・・・)なんちゃってお好み焼き,美味しそうです。
糖質抜きのメニューで我が家で,子供達が大好きなのは「なんちゃってお好み焼き」です。具はキャベツ・肉などお好み焼きの材料ですが生地に山芋や,小麦粉を使わず,卵だけにしてオープンオムレツにするのです。ソース・マヨネーズ・鰹節がかかってしまえばすっかりお好み焼きです。これは,もたれなくていいです。
ソースには砂糖がたくさん入っているので本当はNGなんでしょうけれど,糖質制限をしている方ならソースを少なくしても十分に味が楽しめると思うのでたまにボリュームのあるものが食べたい時には使えるかな?なんて思います。
小学生の息子は給食をちゃんと食べても3時にはハラペコで帰ってきます。給食では,ごはん・パンを「しっかり」食べてるからなのかな~と思います。
- 宮の森記念病院 外科の真崎先生(湿潤治療のエキスパートの一人)からも糖質制限ネタが。先生も「糖質セイゲニスト」デビューとのこと。
自分も最近,糖質制限をしはじめて,明らかに体調が良くその効果を実感しているところです。
当院には脳卒中を患われて経管栄養を行っている患者さんが多くおられ,その中には糖尿病でインスリン治療を要する患者さんも多くおられます。
経管栄養でインスリン治療を要する患者さんに対する経腸栄養剤として非常に有用なのがアボットジャパンのグルセルナ-Exです。グルセルナは1缶250ml(250Kcal)で栄養組成は脂質50.7%,炭水化物32.4%,蛋白質16.9%で,まさに糖質制限食です。実際,グルセルナの使用によりインスリン治療から離脱できた患者さんも数多くおられます。
今後,糖質制限の有用性がどんどん示されていけば,経腸栄養剤も糖質制限の製品にシフトしていくのかもしれませんね。
- 広島市で湿潤治療をしている伊藤内科医院 伊藤欣朗先生からも糖質制限について。
私も先生のサイトを見てから糖質制限を始めました。新しい医療が見えてきたようです。私の血液のデータをご報告します。「糖質セイゲニスト」の輪が広がっています。糖質制限すると「脂質もカロリー数も制限していないのに,中性脂肪と体重だけが減少する」という見事な実例ですね。脂質摂取量は増えているのに血清脂質プロファイルは改善しています(やせたから当然なのでしょうが)。ちなみに4キロの減量は10ヶ月かかってカロリー制限で,5キロの減量は糖質制限で2ヶ月かかっています。
体重 (kg) 中性脂肪 (mg/dl) HDLコレステロール (mg/dl) LDLコレステロール (mg/dl) 空腹時血糖 (mg/dl) 2011年1月13日 69 120 39 158 93 2012年2月 4日 60 66 44 137 97
体調については,先生が書かれておられることに全く同感です。疲れにくくなって,一日にできる仕事量が増えました。
以前,睡眠障害が糖質制限だけで治った,というメールを紹介しましたが,もしかしたら睡眠障害やうつ病の原因の一つは糖質の過剰摂取が原因かもしれませんね。
- 先週,NPO法人「NPO法人ガンの患者学研究所」から取材を受けましたが,ある方からこの研究所ですすめる食事療法に対して,これはおかしいのではないかというツッコミが入っています。
家族がガンですので「ガンの・・・」会員です。「ガンの・・」が薦めるガンを克服するためには玄米菜食は絶対必要条件なのです。玄米と野菜だけしか食べませんし,イモ類はおやつ代わりです。でもでも本当に疑問だったのです。ガンの栄養はブドウ糖だから砂糖類は一切ダメなのは理解できていましたが,それならどうして玄米の炭水化物がいいのだろうかと,本当に疑問だったのです。鋭い! 私もこの「研究所」のサイトにある玄米食について読みましたが,絶対におかしいですし,論理矛盾しています。「砂糖の糖質はガンの栄養になるが,玄米や芋の糖質は栄養にならない」なんて絶対にありえないことです。グルコースはグルコースであって,その由来(砂糖,玄米,イモ類)は無関係であり,どれも同じグルコースです。
糖質制限編でその疑問は解けましたが,それなら玄米もダメってことです。イモもダメとしなければおかしいのです。
要するに,この研究所が推奨する玄米食は,単なる玄米信仰,玄米教と呼ぶべきで,科学とは無縁の信仰の世界と考えるべきでしょう。
取材は受けましたが,取材元の主張がおかしければきっちりと批判するのが私の基本的スタンスですので,悪しからず。
- 上述の「玄米信仰」にかぎらず,書店を見ると「昔ながらの食事が一番。古来からの日本伝統的な食事を食べていれば病気知らず」という本が多数並んでいますが,糖質制限に目覚めてしまうと,これらは所詮は似非科学であることがわかります。書店で立ち読みしただけで幾つもおかしな点を見つけられます。
- 「昔の食事に帰れ」といっているが,いつの時代に戻ればいいのか,その時代に戻せばいいという根拠は何かが全く書かれていない。要するに,昭和30年代の食事に戻すのか,明治元年に戻すのか,江戸時代に戻すのか,平安時代に戻すのか,縄文時代に戻せばいいのか,そのへんの考察が一切書かれていない。
- 「糖質は脳の唯一の栄養だからしっかり取りましょう」とどれにも書いてあるが,これは糖質を一切取っていない民族(例:イヌイット)がしっかりと脳みそを使って高度な文明社会を築いている事実を説明できない。イヌイットに失礼である。
同様に縄文時代にも糖質はほとんど限られたものしかなかったが,それにもかかわらず高度な文明を築いたし,おそらく頭の回転は私達と縄文人では差がないはずである。縄文人に失礼である。
要するに,生物の体では脂質からの糖新生が起きていて,糖質を食べなくても糖質が脳に送られている事実を知らないのであろう。不勉強である。- そもそも,「古代の食事が人間にとって最善の食事である」ことが証明されていない。この論法でいけば,「竪穴式住居が人間に最も適した住居である」とだって言えるはずだし,「角髪(みずら)が日本人男性にとって最高の髪型である」,「弥生時代の農耕生活が日本人にとって最善の生活様式である」,「日本人の寿命は縄文時代の25歳前後が理想である」ということにもなってしまう。要するに,「昔の食事が一番」というのはこの程度の主張なのである。
- 【オーストリアの売春宿,ホームレスを無料で泊めるサービスを開始】
氷河期のように寒いウィーンでちょっといい話です。皆で協力しあって生き延びましょう。
- 【「お返し番付」「思わせぶりチョコ」が職場で横行! 男女とも面倒臭がるバレンタインのブービートラップ】
チョコレート業界の活性化策が見事に当たったのがバレンタインデーですが,昔と違ってこの歳になると「貰うのは嬉しいけど,貰ったあとが困る」ものです。チョコレートなんてまず絶対に食べないからです。しかも時代は「糖質制限」ですからね。昔は「着てもらえぬセーター」というのがありましたが,「食べてもらえぬチョコレート」というのもあるのですよ。
要するに,「バレンタインデーにはチョコレートを送って女性から男性に愛の告白」という風習自体が形骸化しているってことです。
- 【インフルエンザ:2シーズンぶり,全道で警報レベル 患者,前週の2倍超 /北海道】
そういえば,私が風邪をひいたのはいつだっただろうか。相澤病院時代に一度だけ,「午後からちょっと体調が悪くなり,帰宅後はお酒を飲む元気もなく,適当に食事をしてあとはベッドに直行」ということはありましたが,それも翌日には普通に戻りましたから,多分10年以上,風邪もインフルエンザとも無縁の生活です。今シーズンもそうあって欲しいものです。
2012/02/10
【16:30】【11:00】
- ある薬剤師さんから糖質制限に関連してメールをいただきました。とても示唆に富む内容なので,一部紹介させて頂きます。
私も糖質制限をしています。最初,ごはんの量を半分に減らすことから始めましたが,思ったより違和感はなく,数日で空腹感も感じなくなりました。本格的に導入して6週間で体重が7キロ減りました。味覚も大幅に変わり,豆乳やプレーンヨーグルトが甘く感じられ,逆に野菜ジュースは甘すぎるように感じてきました。米を食べるのがむしろ苦痛なくらいです。鋭いですねぇ。さらに,「香川県は “うどん県” を名乗っていますが,これは香川県民は糖尿病予備軍と宣言しているようなものです。実際,香川県は糖尿病罹患率全国1位,野菜摂取量は全国最低,1日あたりの歩数は男性は全国37位,女性は39位です」ともありました。確かに「うどん県@香川」では糖質制限は普及しにくいでしょうね。
江部先生の本を読んで感じたことがあります。
人類は数百万年間,脂肪を燃やしてエネルギー源としていました。これはまさに火力発電です。そして数千年前より農耕が始まって米,麦,芋,とうもろこし,砂糖をエネルギー源として利用できるようになります。脂肪より簡単に安く大量に手に入るので,人類にとっては夢のエネルギー源であり,まさに原子力発電です。そのおかげで人類は数を増やし,行動範囲が広がりました。
このとき人体は,「脂質(=原子力発電)で十分なエネルギーが得られるなら,効率の悪い脂肪(=火力発電)は使わなくてもいい」と考えたのでしょう。これは「低コストでエネルギーが得られる原子力をメインに据え,コストの掛かる火力発電は減らすした」日本の電気事業を思い出させます。
そして,人体は大量に入ってくる糖質を最初に使い,消費し切れない分は脂肪として大量に溜め込みました。これはたまる一方の原子力発電の廃棄物です。
そして人体に糖尿病が発症するように,原発事故が起きました。まさに合併症でボロボロの重度糖尿病です。
現在の糖尿病食は糖質60%,蛋白20%,脂質20%で低カロリーが基本ですが,糖質制限を実践してみた後では「何じゃ,こりゃ?」です。最も必要なこと(=糖質を制限すること)をしないその場しのぎの治療のように思われます。これも,その場しのぎの対応をして根本的な解決策が出せない現在の福島原発のように思われます。
【07:30】
- おかだ小児科医院の岡田先生からの糖質制限ネタ。
今回先生が糖質制限をされていることをHPに書いていただいたことに大変感謝しています。このまま糖質を食べ続けていたら,恐ろしいことになっていたと思います。
糖質制限なんてことは全く知らなかったですし,ましてや普通「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」なんていう題名の本は全くトンデモ本と思い,手に取りません。
先生が実践されたお陰で知ることが出来ました。昨日から『主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!』を読み始めています。
「先生痩せた?」と聞かれると待ってましたとばかり糖質制限についてひとしきり語ってしまいます。
しかし時のパラダイムに反する真実はトンデモに見えるんですよね。「傷は絶対消毒するな」然り,「それでも地球は回っている」然り 面白いもんですね。
【06:30】
- 【4年以内にM7級70%試算,精度低い】
「4年以内に70%は精度が低いけど,30年以内の70%は精度が高い」というのがお国の調査委員会の見解だそうですが,目くそ鼻くそ,五十歩百歩の議論じゃないでしょうか。地震発生確率を算出する数式自体の精度に問題があるからです。
地震予知とは要するに「過去を分析して未来を予測する」という学問であり,この発想は古代の占星術と全く同じです。この方法論が有効なのは「対象とする自然現象が頻繁に起きている」,「その現象の再現性が極めて高い」,「その現象が発生するメカニズムがほとんど解明されている」場合だけだと思いますが,地震はどの条件も満たしていません。
もちろん,過去の自民党政権,民主党政権のデータを分析すれば「野田政権が2012年の年末まで続く可能性は〇〇%」という予測は数字で出せますが,これに科学的根拠がないことは明らかです。要するに,地震予測ってこの程度の精度じゃないかと思います。
- 【正恩氏は若く偉大な指導者,10代で人工衛星打ち上げを指揮と称賛】
ロケットの原理を発明したのも正恩様,アポロ11号を打ち上げたのも正恩様,進化論を最初に唱えたのも正恩様,光電効果を発見したのも正恩様,熱力学の第一法則・第二法則を発見したのも正恩様,DNAを発見したのも正恩様,液晶テレビを最初に作ったのも正恩様,冠位十二階を制定したのも正恩様,万葉集を編纂したのも正恩様,旧約聖書を書いたのも正恩様,カレワラを書いたのも正恩様,フーガの技法を作曲したのも正恩様,最後の晩餐を描いたのも正恩様,ヨセフもペテロもムハマンドもブッダも正恩様,ですね。
- 爪根脱臼+末節骨骨折のシーネの作り方を追加しました。熱可塑性プラスティックで簡単にフィット感抜群のシーネが作れます。
- 【プレミアム・ウルトラブック HP Envy 14 Spectre が米国で発売,日本でも登場予定】
スペック表を見たら,ちょっとがっかり。14インチなのに解像度が1366x768ドットで重量は1.8kg!! 重量,間違ってませんか? この液晶サイズで「プレミアム」なら1600×900ドットでしょう。
2012/02/09
【16:30】【12:00】
- ちょっと嬉しいメールをいただきました。
おととしの夏から,今までなかった陥入爪(足の親指)を経験し,近くの外科で麻酔なく,ひょうそ処置みたいなものをくり返してきていたものです。お役に立ててよかったです。
もうくり返すのでなんとかならないか,とダメもとで調べていたら,そちらに爪をやすりで削り,テーピングという記載があり,試してみたところ,やすりをしただけなのに痛みが軽減されました。
歩くのがほんとに楽で楽で・・・本当にありがとうございました。感謝申し上げます。
私のこの通院→麻酔なくする処置(冷え性の私が汗が出るほど痛い)→しばらくして生えてきてまた爪の周りのどこかが痛む→通院へ,ってなんだったのかなあと思いました。対処療法で根治ではなかったことに気付かず・・・
【06:30】
- 今日はこれから,NPO法人「NPO法人ガンの患者学研究所」の取材です。
- 「ステロイド軟膏を希望してくる患者さんにどう対応したらいいでしょうか?」という質問への回答です。
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に,大阪府八尾市のカイセイ薬局 八尾店を追加しました。
- 【ヨーロッパが凍ってる…大寒波で氷漬けになってしまった写真26枚】
日本の大雪も凄いですが,ヨーロッパの寒さも半端ないようです。記事にもありますが,ここ数年,夏には史上空前の酷暑と大雨・大洪水,冬には記録的な大雪と大寒波,そして別の地域では記録的な大干魃と少雨という具合です。もうこうなると,地球が温暖化しているのか寒冷化しているのか,乾燥化しているのか雨が多すぎるのか,訳がわかりません。寒くなると一気に極寒になり,熱くなると一気に酷暑に転じ,雨が降ると一気に大洪水になり,降らないとなると記録的な旱魃です。「程よい気候]がなくなり,気候が両極端を行き来している感じがします。
2012/02/08
【13:30】【09:40】
- 以前,同じ病院で仕事をしたことがある先生からこんなメールが。創傷治療のサイトなんだか糖質制限のサイトなんだか,訳がわからなくなってきました。
http://www.lifehacker.jp/2011/12/111212-sugar.htmlちなみにこの先生,ちょっとメタボ体型でしたから,「ズボンぶかぶか」とはかなりの大変身ではないかと思われます。実物を見てみたいです。
糖分の摂取はなるべく控えた方が健康的で,どうしても摂るならタンパク質と一緒にどうぞ,って話です。
ちなみに,私も感化されて始めてみました。1ヶ月で-4kg・筋肉量は+1kg・ズボンぶかぶかです。(笑)
その後,「ジーンズが40インチ⇒36インチになり,最近は36も緩いです]と連絡がありました。
- ついでに「医療は素人]さんから,歯磨きについてこんなメールが。
そもそもシャンプーと一緒で歯磨き粉はむしろ使わないほうがいい場合が多いです。だって,歯を削る効果あっても虫歯の元には対して効果ないですから。
http://www.yamadashika.jp/prevent06.html#04
唯一意味があるのはフッ素入りで磨いた後にフッ素を塗布するためぐらいです。これも・・・考えれば当たり前ですけどね・・・
【06:30】
- 昨夜の経済産業省のワーキンググループが夜8時に終わり,そこから上野駅まで行って常磐線で戻ったわけですが,夕食を全く食べていなかったし,石岡まで1時間かかるため,上野駅の中の立ち食いそば屋さんで「ワカメそばに春菊天をトッピング」を食べたわけですよ。糖質制限じゃないけど,電車が出るまで20分しかないのでここで食べるしかないし,「野菜(みたいなの)が多そうなメニュー」はこれしかないわけですね。
で,8時間ぶりに口にした食べ物であるお蕎麦は美味しかったのですが,半分くらいまでお蕎麦を食べたらもう箸が進まないのです。ワカメと春菊天を食べちゃったら,もうお蕎麦はいいや,という感じなんですね。
炭水化物を食べると急速に血糖が上がりますが,糖質制限食に体が慣れてしまうと,その「血糖急上昇」を感知すると「食欲のスイッチ」が切れちゃうみたいです。
だから,「最初になるべくご飯を食べない」ような食べ方を自然にしてしまいます。体質が変わる,ってこういうことなんでしょうね。
- アルバトロスが「エアポート」シリーズとして配給しているものの一つ,《エアポート トルネード・チェイサー》を紹介。「エアポート」シリーズを銘打っていますが,フライとシーンは最初と最後だけで,あとはグダグダと進行するラブ・ロマンスです。
- 次なる読書ターゲットは『チェンジング・ブルー―気候変動の謎に迫る』です。なんとなく面白そうです。
- 以前から,「シャンプーレスの温水洗髪にするとフケ・カユミ・抜け毛が減る」こととか,「洗濯洗剤は使っても使わなくても同じ」とか,日常的に何気なく使われている界面活性剤の問題について取り上げていますが,ネットを見ていたら,「ずっと口内炎に悩まされていたが,歯磨き粉を界面活性剤入りから入っていないものに変えてみたら口内炎が治った」という記述を幾つか見つけました。界面活性剤の機能を考えると,「界面活性剤入り歯磨きによる口内炎」はいかにもありそうな話です。
それにしても,「傷を石鹸で必ずゴシゴシ洗わせるアライグマ医者」なんて問題もあり,界面活性剤に対する信仰心と愛着は人類のDNAにこびりついているかの如く強大にして強力です。「とりあえずビールと枝豆」,「とりあえず消毒」みたいなもので,「とりあえず界面活性剤」なんですね。
ちなみに,界面活性剤性口内炎のおそれがある人は,こんなものがあるみたいです。
- 昨日は東大病院で行われた「プラズマ応用技術分野 プラズマ処置機器開発ワーキンググループ委員会」に委員として参加しました。出席者は東京大学,大阪大学,慶応大学などの教授,准教授,経済産業省の方で,大学とも経産省とも関係ないのは私だけでした。ちなみに,ジャケットとネクタイ姿で参加して正解でした。
- そういえば,昨日は中国関係のオモシロ(?)ニュースがたくさんありましたね。
- 【これでは異国情緒などかけらもない!モルディブで中国人観光客が激増】
- 中国人は13億人ですから,世界の5~6人に1人は中国人です。しかも群れで行動します。だから,モルディブのどこに行っても中国人ばかりです。モルディブにとってはムクドリの襲来みたいなものでしょう。
- 【体重7040グラムの巨大赤ちゃんが誕生!中国新記録か】
- 両親ともに平均的体型で健康にも問題がなく,生まれた赤ちゃんも健康・・・というあたりがなんか嘘くさいけど・・・。
- 【サファリパークでバスがトラに襲われ立ち往生=乗客27名,恐怖の20分間を過ごす】
- 防御設備のないバス,車のタイヤまで食べようとする腹ペコのトラ,携帯は圏外で職員は食事のために不在・・・とツッコミどころが多すぎてコメントが書けません。
- 【中国フォックスコン従業員に聞く,アップル下請け工場の実態】
- 女工哀史,蟹工船の世界ですね。あなたのiPhone, iPadの動きが時々変になるのは,それを組み立てた労働者の怨念がこもっているからかもしれません。
- 【女性アンドロイド「ジェミノイドF」,新宿タカシマヤで活動中】
新宿タカシマヤ2階のウェルカムゾーンで2月14日までお仕事をしているそうです。ちなみに新宿タカシマヤへは自宅から歩いていけますので,これは見に行かねば!
- 【eden TAB 仮予約受付開始】
以前から気になっていた7インチタブレットがこれ。機能的には全く遜色ないのに,他のタブレットの半額近いお値段! 当初,今年1月から販売開始の予定でしたが2月にずれ込み,これはポシャったかなと思っていましたが,どうやら無事に発売される模様です。
- 【<ギリシャ>官民労組が24時間スト】
以前にも書いたけど,ギリシャは働かなくても富を手にすることができる国です。国全体が「古代ギリシャの遺跡」だし,風光明媚なエーゲ海もあります。努力しなくても世界中から観光客がやってきてお金を落としてくれます。努力なんてしなくてもいいのです。先人の遺産で食っていける国です。だから,「労働者の4人に1人が公務員」なんてお馬鹿なシステムでもやってこれたのです。
今さら「国民は働け!」といわれたって,そりゃあ無理だって。あくせく働かないことを美徳にしてきた国なんだから・・・。
2012/02/07
【15:10】【09:00】
- ひのクリニックの日野先生から糖質制限に関してメールをいただきました。
僕も糖質制限をして随分体調が良くなったので,一般にも広く認知されるといいなと思っています。患者さんにも結構指導しているのですが,なかに糖質制限で却って不調になる方がみえます。勉強してみると,これはどうもタンパク質代謝に問題がある方に起きるみたいで,その仕組みは糖新生障害にあるようです。「農林水産省からクレーム」という笑っちゃいました。国民の健康よりコメ農家(の票)の方が大事なのが農林省なんでしょう。
糖質に依存した食生活を送ってきた人は,糖代謝で大量にビタミンB群が消費され,糖新生に不可欠なビタミンB6も不足してしまうため,急に糖質制限をすると糖新生が行われず低血糖を起こすようです。これが不調の原因と思われます。さらに低血糖になって糖新生が行われないと自律神経系を介して血糖を上げようとするため,交感神経過緊張状態に陥ってしまうと言うオマケまで付きます。
イライラや不眠やしびれや冷えを訴えて病院に行って,デパスを処方された患者さんが実は単なる低血糖症で,食事を見直しただけで改善してしまったという笑えない話もあります。
またビタミンB6は脳内の神経伝達物質生成にも不可欠ですので,抑鬱などの精神症状の原因にもなり得ます。糖質過多の食生活は生活習慣病のみならず自律神経の調節異常や精神症状も呈するのですから,大問題ですよね。
今後きっと一般の方にも広まっていくとは思いますが,タンパク質代謝の評価をしっかりしないと,誤った情報で混乱が起こるかも知れません。僕はきっと起こるだろうと思っています。「効く人には効くけどね。」みたいな民間療法的な評価で終わってしまってはもったいないほど効果がある治療法なので,患者さんには採血でタンパク質代謝の評価をしてからお勧めするようにしています。タンパク質代謝が悪い人にはビタミンB6を豊富に含む豚肉などをしっかり摂ってもらうことも併せて指導しています。
ちなみに糖質制限に積極的に取り組み,講演活動などで啓蒙されている先生に農林水産省からクレームがつくことがあるそうです。アタマ悪いですね。(笑)
先生は不当な言いがかりには慣れている(?)と思われますが,どうぞお気を付け下さい。
先生の記事をよんで,つい嬉しくなって思うことをつらつらと書いてしまいました。
【06:30】
- 「英語版湿潤治療マニュアル」に「前腕熱傷」を追加しました。
- 瑞光メディカルから新製品「プラスモイストTOP-P」が発売されました。個別包装されたプラスモイストTOPですが,個別包装のために少々割高ですが,門前薬局や院内売店などでバラして小分け販売する時に便利かもしれません。
キズは消毒しない,ガーゼもいらない!話題の湿潤療法に最適な保護材プラスモイスト TOP-P
価格:8,400円(税込,送料別)
- 【哺乳類,大型化に2400万世代】
陸上動物の場合,「表面積は体長の2乗に比例して増大し,体積(=重量)は3乗に比例して増大する」という数学が直接的に作用するため,重量をちょっと重くなるとそれを支える骨を太くしなければならず,骨が太くなるとそれを動かす筋肉も太くする必要があります。しかし,重量は「長さの3乗に比例」,骨と筋肉の断面積は「長さの2乗に比例」ですから,単純にサイズだけ大きくしても重量を支えられません。つまり,骨の場合には骨皮質の構造とか,骨皮質と骨髄の比率などを根本から作り変えるしかないし,筋肉の場合には単位体積あたりの収縮力を変えるとか運動様式そのものを変えるとか,血管に分布する血管の密度も変える必要が出てきます。巨大化することにメリットがあっても,簡単に巨大化できるわけではないのです。
逆に,体のサイズを小さくする場合には,「長さの2乗に比例」と「3乗に比例」の差はどんどん小さくなりますから,縮小化は単純なミニチュア化でもなんとかなります。
ふと思ったのですが,体重が1トンを超える現生陸上生物はそれほど多くありません。せいぜい10~20種くらいじゃないでしょうか。一方,体重100グラム以下の陸上生物はげっ歯類だけでも2000種ほどいたと思います。つまり,小さなサイズほど多様性に満ち,巨大サイズの生物に多様性はありません。これは,現在の地球の陸地環境では,巨大化することで得られるメリットよりデメリットが大きく,小型化することのデメリットよりメリットが方が大きいからでしょう。
そういえば,体重が30~50kgは哺乳類としてはかなり特殊な生き方をするものばかりです。木の実を食べようとしても体が重くて梢の木の実は取れないし,100kg超サイズの草食動物のように長大な消化管にセルロース分解菌を住まわせる余裕もありません。もう少し小さければ,あるいは,もう少し大きければ工夫のしようもあるんだけどなぁ,というのがこのサイズの哺乳類です。もちろん,ホモ・サピエンスもこのサイズの生物です。
- 今日(7日)は18:00から経済産業省関連の「プラズマ応用技術分野 プラズマ処置機器開発ワーキンググループ委員会」があり(会場は東京大学内),委員として出席します。中央省庁絡みの仕事なんてしたことがないので,どんな格好でいけばいいのか,皆目見当がつきません。ちなみに,東京大学に足を踏み入れるのはこれで2回目,という田舎者です。会場に迷わずに行けるかどうか,かなり心配です。
- 【Google,世界の大問題を解決する Solve for X をまもなく公開 (動画)】
Googleは実現不可能な大風呂敷を広げ,それを着実に実現させてきた企業です。ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが「世界中のネット情報をサーバーに保存すればあらゆる情報を瞬時に引き出せる」と考えた当時,それは実現不可能な絵空事でした。世界中の図書館の本をコピーしちゃえばいいんだよ,と構想を発表した時も「そんなの無理だよ。実現不可能だよ」と思われました。「世界中の街角を撮影して保存すれば,部屋にいながらにして世界中を旅できるよね」というプロジェクトもそうでした。
そして今回もまた大風呂敷を広げました。何だかワクワクします。
2012/02/06
【13:00】【06:30】
- 本日も隣県から下腿潰瘍の患者さんが受診されました。1年前から色々な皮膚科に通っても治らず,現在は近くの病院のWOCナースが診ているようです。
で,患部を診せてもらったらアクアセルAG(WOCナースさんは皆さん,この製品が大好き!)が貼付されているのですが,表面はガーゼ直貼りなんで乾いて創面に固着し,剥がすのがちょっと大変でした。WOCナースさんは商品についてはよくご存知なんですが,正しい使い方についても学んで下さいね。
- 本日も近隣の市から下腿低温熱傷の患者さんが受診されました。近くの皮膚科で治療を受けていますが,「これは皮膚移植以外に治療法はない。石岡第一病院では皮膚移植ができないからダメだ。だから石岡へは紹介状は書かない。大人しく〇〇病院に行け!」と言われたそうです。もちろん患者さんはその皮膚科を出たら速攻で石岡に向かったとさ。
「皮膚科の先生は簡単に皮膚移植の手術だ,と言いますが,手術を受ける側のことを全然考えていません」と憤慨なさっていました。
- 【娘と大阪】
「でんぷんとでんぷんの上にでんぷん。大阪の人間にヨウ素液をかけたら全員紫になる」というサイバラ師匠の突っ込み,ナイス!
- 先日ちょっと紹介した『迷惑な進化 ー病気の遺伝子はどこから来たのか』についてのレビューを追加。
- 先日(2月3日)の本コーナーで「爪が剥がれた傷を石鹸でゴシゴシ洗い,患者が痛がったらお前は頭がオカシイと精神安定愛を処方したバカ医者」のことを書きましたが,こんなメールをいただきました。
爪が剥がれ患部を石鹸で洗われ,痛がったら「到がりすぎ」だと精神安定剤を処方されたという方の件を拝見してメールを送らせていただきます。3年前の出来事です。力づくで押さえて膿瘍切開,なんて1850年代以前の話か,戦時下のアフガニスタンとか医薬品不足の北朝鮮の話かと思っていたら,21世紀の日本にもあるんですね。ペアン先生,コッヘル先生の末裔なんでしょうか。一度,その病院に見学に行ってみたいです。19世紀の医療現場が21世紀に見られるなんて,滅多にありませんからね。
まず,診察した医者(外科の〇〇医師)は患部を見るなり,「こんな症状は年間1.2例しか見たことない」と言いました。私が乳腺炎の切開をうけた時に「医師は局部麻酔をうつ」とは言ったものの麻酔は全く利かないまま,腕を動かすだけで激痛の走る乳腺炎の胸をメスで切られ膿みを力づくで押し出され拷問のような激痛をうける処置でした。
あまりの痛みに悲鳴をあげ暴れ,医師看護師男女4人に両手両足を抑えられての外来での処置です。
意識が戻った時には腕に点滴をされていて「あまり暴れるから点滴で精神安定剤を入れたから」と言われました。
それにしても,「乳腺炎は一年間で1例しか見ない珍しい病気だ」と患者に説明する外科医って大丈夫なんでしょうか。この犠牲者があとで助産婦さんに「乳腺炎ってそんなに珍しい奇病なんですか?」と訊ねたら大笑いされたそうです。
ちなみに,あらゆる膿瘍は「痛みなしに切開」可能ですし,そうすべきです。きちんと皮内注射すればどんな膿瘍でも痛みはありません。逆に言えば,皮内注射という基本手技すらできない未熟な医者が,そこらにいるということです。
というわけで,もしも粉瘤・乳腺炎で切開を勧められたら,医者に「先生はきちんと局所麻酔ができますか? 局所麻酔をして痛くなく切開してくれますか? もしもできないのであれば,こちらで医者を探します」と宣言するしかないです。それが嫌なら「麻酔なしの切開」を甘んじるしかありません。「化膿しているから局所麻酔は効かない」という医者は,間違いなく局所麻酔の基礎知識が欠落している医者です。そういう医者からはさっさと逃げ出した方がよろしいかと・・・。
ちなみにこれは神●○県のYK市にある病院で,地元民は「▼▲病院でなく死人病院」と噂しているそうです。自分の健康を守るためには,この病院の外科は受診しないほうがいいかもしれません。
- 【アメリカ人「中国語の発音ヤバイ,ありえない」】
こういうのを見ると,「同音異義語の宝庫(?)」である日本語で意思疎通ができていることが奇跡のように思えてきます。まぁ,音節数が多ければ偉い,ってわけじゃないけどね。
- 【ブルーホールで微生物のコロニーを発見】
なぜこれがニュースになるのか意味不明です。要するに,硫黄還元菌を中心とした生態系があったというだけで,これは海底の熱水活動域ならどこにもある生態系で,世界中で見つかっています。熱水噴出孔との違いは単に,硫黄の供給システムの違いです。なぜこれがニュース扱いになるんでしょうか?
- 【シリア非難決議で拒否権 露,利益圏に「介入」許さず 欧米との関係悪化へ】
国連安全保障理事会の常任理事国といっても,所詮は1945年8月時点での戦勝国がそう決めただけなんだよな,ということがこういう時によくわかります。ロシアにとって重要なのは冬でも凍らないシリアの港と,兵器売却先としてのシリアの存続だけです。
- 【「4年以内に70パーセントの確率で起こる」という問題をどう解釈するか 】
香山リカ先生が「4年以内に70%」という数字を精神科医という立場から考察していますが,「降水確率70%なら傘を持って出るか?」という例を出し,「降水確率70%も微妙な数字」と書いているのはおかしいと思います。降水確率70%というのは「ほぼ間違いなく雨が降り」「70%という降水確率は毎回当たる」ことを皆が知っているからです。それは24時間というタイムスパンであれば,気象庁が発表する気圧と雲の動きの予想がほぼその通りになるからです。逆に言えば,東大地震研究所は天気図の予測と同じくらいの精度で「地震発生70%」と予想しているのか,という問題があるのです。このあたりをすっ飛ばして,降雨確率70%と比較するのは科学的に間違っていると思います。
というわけで,東大地震研究所はまず最初に,「この数値の正確さはどのくらいか」という情報とセットに「4年以内に70%」という数字を発表すべきではないかと思います。その理由は,発表した側は暗黙の了解として「本当は序数なんだけど,基数で表示している」場合があるからです(例:日本褥瘡学会のDESIGN・・・とは言っても,褥瘡学会はDESIGNが序数であることすら気がついていないけど・・・)。ヤマ勘ですが私は,今回の「4年」も「70%」も多分に「基数の皮をかぶった序数」ではないかとにらんでいます。
2012/02/03
【14:30】【13:10】
- 気軽に食べられる糖質制限食について「冬の秋田には帰りたくない」さんからのメールです。
私は朝グリーンスムージーを1L以上つくり,午後までそれでもたせます。果物とキャベツやブロッコリーなどの甘くなる野菜以外の葉物,水菜,小松菜,ホウレンソウなどをミキサーにかけたものです。はちみつ,サプリ,プロテインなどはいれません。おなかすきません
あと,美容にいいと聞いて毎日酒カスを100gほどおやつにそのままたべていますが,これがとても腹もちがいいです。カロリーはけっこうあるのですが満腹になります。これで夕食までもたせて,夜は早めで白米はやめて野菜中心のおかずを作ってたべて,10kgほどやせて今は普通体です
【11:00】
- 【iPhoneは,ソフトバンクとauのどっちがいいの?山手線で実際に比べてみたら,驚愕の結果に…!】
ヤラセじゃないの,というくらい圧倒的な差が! 私はiPhoneユーザーでもSBユーザーでもありませんが,医局の同僚の先生はiPhoneについて「電話が繋がらないこと以外はすごく満足!」と言っていました。
【10:30】
- おかだ小児科医院の岡田先生(熱傷の湿潤治療のエキスパート!)からの糖質制限ネタ。
糖質制限2週間になりました。相変わらず調子よく,以前にあったおやつを欲しがるような空腹感は全く見られまあせん。これは,糖質制限に付き合っている家内も同じです。「血糖が急激に下がる時に空腹感を感じる」という説明,すごく納得です。
ところで,糖質制限すると空腹を感じないことについて愚考してみました。
おやつの時間の午前10時,午後3時というのは食後から2時間半~3時間経過した頃です。血糖が食後2時間でピークに達し,急激に下がってくる時間に合致しています。つまり,血糖が低いことではなく急激に血糖が下がることで空腹を感じるのではないでしょうか。
ニコチン中毒患者(所謂愛煙家)でも同じ現象が見られます。ニコチンの血中濃度が下がることにイライラしてきます。彼らは,タバコを吸わないといらいらすると言いますが,吸わない人間はイライラしません。ニコチン依存症であるだけです。
糖質制限してみると,今まで糖質依存症であったことがよくわかります。
また,たまに食べる甘いものがとっても甘く美味しく感じます。人類にとって貴重なものだったのでしょう。旨いが甘いと同じ語源だそうですが納得です。
- 「奈良市の鍼灸師」さんからも糖質制限ネタのメールをいただきました。
糖質制限食を私の患者さんにアドバイスしたところ,ヘモグロビンA1cが7からなんと5.8に1ヶ月足らずで降下しました。主治医が余りに下がり過ぎたので,少し慌てたみたいですが,本人はいたって健康,月一回の軽登山をこなしてますし,ふらつきなどの症状もありません。なんと,内科医が6年かかって治せなかった糖尿病を鍼灸師さんが1ヶ月で治しちゃいました。つまり,医者でなくても糖尿病が治せる,ってこと?!
6年以上,ヘモグロビンA1cが6.5以下に下がることがなかったのが一ヶ月で1.2も糖質制限食で下がりました。でも厳密で神経質な実行をされたのではありません。おせち料理もお餅も食べたみたいです。できるだけ休膵日(造語)を作られたからだと思います。
【06:30】
- 昨日,雨戸に右示指を挟んで爪が剥がれた,という患者さんが受診されました。受傷直後に中核病院の救急外来を受診したそうですが,なんとも凄まじい治療を受けたそうで,あまりの痛さにこんな病院で治療は受けたくないと憤慨してネットを検索し,当科を受診されたのだそうです。患者さんの話をまとめると次のようになります。
この「傷は石鹸ごしごしバカ」がこの病院にかぎらず,なぜか全国的にはびこっています。石鹸(=界面活性剤)で傷を洗ったら痛いのは当たり前だと思うのですが,そういうことを知らない医者はやはりおバカさんじゃないかと思います。
- 石鹸で創部をゴシゴシ洗えと命じられ,医者に爪の剥がれた患部を石鹸でゴシゴシと洗われた。
- あまりの痛さに「痛い!」と悲鳴をあげた。
- 医者は「お前は痛がりすぎ,騒ぎすぎだ。そんなに痛いはずがない」と言い,精神安定剤を処方。創部はガーゼで覆うのみ。
それにもましてこの医者がおバカさんなのは,傷を痛がっている患者に対し精神安定剤を処方していること。これは医者としては救いようのないおバカさんでしょう。この医者が研修医だとすると,「痛がる患者には精神安定剤を処方しろ」と教えている指導医がこの病院にいるとしか思えません。
というわけで,研修医の皆さん,傷は石鹸で洗ったらダメ! 傷を痛がる患者に精神安定剤を処方するのもダメだよ。
- 毎度毎度の糖質制限ネタです。先日紹介した『物語 食の文化 - 美味い話,味な知識 』の「甘み」の説明で「どの民族でも最も好まれる味。動物でもネコ科などを除き多くの動物が甘い味を好む」とあります。確かにいろんな動物は砂糖の甘味を好みます。
しかし,自然界の動物が砂糖にありつけるかというと,そういうことはまず絶対にありません。これは20万年前に誕生したホモ・サピエンスも同様です。つまり,砂糖が自然に入手できない物質である以上,それが動物やホモ・サピエンスの生存に必要な物質ではないことがわかります。そういう,自然界にほとんど存在しない物質なのに,多くの動物が好むというのはどういうことなんでしょうか。
これはもしかしたら「ネコにマタタビ」と同じではないかと私は思います。ネコにかぎらず,あらゆるネコ科の同物はマタタビで恍惚状態になります。これはマタタビの葉や実に含まれる揮発性物質のマタタビ酸に対する反応で,ネコ科の動物はマタタビ酸を嗅ぐと興奮が治まるためとのことです。実際にライオンがマタタビで恍惚状態になる様子は,ネットで動画検索すると多数見つかります。
では,ネコが大好物のマタタビを食べて栄養にできるかというとそういうことはなく,マタタビだけ与えられたネコは餓死します。それどころか,ネコに大量にマタタビを食べさせると呼吸困難になり,死亡するようです。つまりネコにとってマタタビは毒物として作用するわけです。
この状態が「人間(動物)に砂糖」と同じではないかと思うのです(・・・全くの根拠レスですが)。つまり,甘いものを口にした時の恍惚感は栄養と無関係な感覚で,ネコがマタタビ酸を嗅いだ時の恍惚感と同じではあいかと思うのです。そして,恍惚状態で脳が麻痺しちゃうから,糖質をたっぷり取ると眠くなるんじゃないかと・・・。
そういえば,マタタビには常習性がなく,効果の持続も5~10分程度で消えるが(要するに,ネコがマタタビに飽きる),時間が経つとまたマタタビ大好き状態になりますが,砂糖の場合には「甘みに対する習慣性・依存性」があるんじゃないかと思います。また,糖質を取り過ぎると糖尿病で死ぬ,というあたりもマタタビに似ているかも・・・。
- 「既にリタイアしたかつての凄腕スパイが危機が迫る。その時,かつてのライバル・スパイたちが彼の呼びかけに応じて集まり,強大な敵に立ち向かうのであった」というコメディータッチのサスペンス映画,《RED/レッド》のレビューを追加。これはマジで面白かったです。
- 実際に糖質制限をしてみた人が必ず言うのは「体重はあまり減らなくてもお腹周りだけはすぐに凹む」,「食後に眠くならない」,そして「軽い空腹感のみでお腹がすごく空いたという感覚がない」ことです。これだけは,実際にやってみると解る,としか言いようがありません。「糖質制限ビフォー & アフター」では体調がまるで違うというか,大げさに言えば「体の中身がそっくり入れ替わった」という感じです。
そこでふと思いついたのは,「神経組織は外胚葉由来」,「神経組織のエネルギー源はグルコースかケトン体のみ」,「糖質制限をすると眠くならない」という3つの事実を組み合わせると,なにやら壮大な物語が作れそうな気がするのです。
原初の多細胞生物(=無胚葉生物)から最初の二胚葉生物が分化し,その過程で最初の神経系(=刺胞動物の分散神経系)が外胚葉から作られた,というのが私の仮説ですが(多分,間違っていないと思う),原初の海に糖質はありませんから,原始神経細胞は他の体細胞同様,脂肪酸をエネルギー源として使っていたはずです。しかし,脂肪酸を利用すると神経伝達物質の撹乱が起きてしまい,それを防ぐために脂肪酸ではなくケトン体と使うようになり,脂肪酸から神経組織を守るために神経細胞を取り囲む毛細血管に BBB (Blood Brain Barier) を作った・・・という事ではないかと思うのです。つまり,神経系は「ケトン体か,糖新生でできるグルコースだけ」を利用するを大前提としているはずです。
一方,糖質制限をすると体調が良くなる,食べた後に眠くならない,空腹感がない(逆に,糖質を食べていると食後に眠くなり,しかも空腹感が強い)という純然たる事実から考えると,「糖質そのものでは都合が悪く,脂質から作られた糖質でなければいけない」ということになります。その理由は多分,この原始神経系の誕生と進化のどこかに答えがあるはずです。
・・・と,ここまでは考えているのですが,ここから先に進めないんですね。なぜ進めないかというと,生化学の基礎を実はよく知らないからです。やはり,生化学の基礎から勉強し直すしかないかなぁ?
科学の歴史を振り返ると,「ノーベル賞化学賞をすでに受賞していたのに,アルファー線の研究のために学生たちに混じって数学の勉強を基礎からやり直したラザフォード」という大先輩もいることですし,一から勉強してみるのも悪く無いかなと考えているところです。
- 昨日,このコーナーで書いた「地震予知」に関連して,いつもの「福島の生物学の先生」からのメールです。いつもながら鋭い内容なんで紹介させて頂きます。科学の本質がわかっている人の見方です。
地震の予測の話を新たに聞くたびに「負けに不思議の負けはなし」という松浦静山の言葉が浮かびます。今のところ,ほぼ全試合全敗。で,負けた時の敗因は必ず詳細に語れるという状況です。仮に,勝つことがあってもそれは「勝ちに不思議の勝ちあり」ですかな。ノムさん(前楽天イーグルスの監督)も「負けに不思議の負けなし,勝ちに不思議の勝ちあり」を繰り返し引用していましたね。
ま,要するに,勝つためには「負けなければ」いいのですが,負けの要因はほぼ無限にあるので,「勝っても」その中には,必ず「負けの要因」も多分に含まれていたと考えるべきでしょう。
ということで,負け続けるのは地震研究においては,良い面もあるかもしれない。下手にあたると,驕りが生じるでしょうから。ただ,いいかげん「統計予測」じゃなくて,研究の主軸を「メカニズム」と「防災」にシフトしてほしいですが。
- 【全日本製造業コマ大戦,優勝は「材質:秘密兵器」の由紀精密】
この3分以上回るステンレス削り出しで作られたコマが840円で買えるんだって! 無骨で精密なフォルムに「オッサンの中の男の子の心」がワクワクしちゃいます。
- 【「金正日死去にも淡々とした住民」…金正恩が衝撃】
記事の中に「指導部は,金正日の死去を聞いてショック死した住民が一人もいない,という報告を受けて驚いたという。 1994年の金日成(キム・イルソン)主席の死去当時,ショックで死亡した北朝鮮住民が少なくなかったからだ」とありますが,金日成主席死去でショック死した市民がいた,というのがそもそも誇張だったと考える方がまともではないかと・・・。人間ってそんなことではショック死しませんから。
- 【みんなが利用するあの大手サイトの初期デザインはこんなだった】
私がインターネットを利用し始めたのは1995年の終わり頃,ホームページを作ったのが1996年10月ですから,「1995年のYahoo!」のデザインはなんか見覚えがあります。
ちなみに,このサイトでは「最も初期のインターネット検索サイトは,Yahoo! です」とありますが,Yahoo!の前に検索ってできていたような気がするんですよ。当時はどうやって検索していたんだっけ? Yahoo!で日本語が使えるようになった時,「これまでとは比べものにならないスピードで検索できる!」と感動したことを覚えているからです。
そういえば,当時のYahoo!は,サイトの作成者がYahoo!に「検索対象に入れて下さい」という申請を出し,それが受理されてからYahoo!の検索結果に表示されるシステムでした。私が当時作っていた『超絶技巧的ピアノ編曲の世界』というサイトも,Yahoo!の検索対象になるまで2週間以上かかったと記憶しています。Yahoo!で検索して自分のサイトが表示されたときは嬉しかったですよ。つまり,Yahoo!が受理されないと検索対象にすらならなかったんですね。古き良き時代の思い出です。
2012/02/02
【16:20】【15:00】
- 今年は寒さが厳しいため低温ヤケドが多いです。今年1月1日以来,既に15人の新患患者が受診しています。低温熱傷の病態と完治までに数ヶ月かかることを説明していますが,今の季節だと「桜の咲く頃に治るかどうかだね」という説明になります。すると勘のいい患者さんは「桜といっても上野公園の桜と弘前公園の桜じゃかなり時期が違いますけど,どっちですか?」とツッコミみを入れてくれますから,「どっちかというと弘前寄りかなぁ?」なんてボケつつ答えたりしています。
【06:30】
- 【旅館側「開設以来,雪崩は一度もない」 雪崩想定の安全管理せず】
「昭和7年の温泉開設以来,雪崩がなかった」という状態で,雪崩に対して対策を取っていないのは安全管理上問題・・・とは言えないと思います。これこそ「想定の範囲外」の出来事です。想定できない自然災害が起きたら,人間は必死になって逃げ出すか,諦めるかしかありません。だってそれしかできないんだもの。
逆に,「東海道新幹線が関ヶ原付近で雪のためにダイヤに乱れ」というのは完全に予想の範囲内です。関ヶ原のあたりは雪が降ることがわかっていて実際に降っているんですから,そこに新幹線を通せば雪で止まるのは当たり前です。やはり昔の東海道よろしく,名古屋⇒桑名⇒鈴鹿と通していれば「雪で新幹線不通」はそれほど起きなかったはずです。伴睦ちゃん,本当に余計なことをしてくれたものです。
- 「英語版湿潤治療マニュアル」に「前腕遠位の皮膚全層欠損」を追加しました。また,症例が多くなってきたため,左右2行のフレーム構造にして目次から各項目にジャンプするようにしました。
- ポータブルAVプレーヤーのLyumo M44を紹介。あらゆるタイプのDVDの動画を録画してmp4ファイルに転換しちゃいます。ただし解像度は800×600ドットだけど・・・。本棚に積んである手持ちのDVDをmp4に変換してスマホで見る,なんて時に便利です。
- 【巨大な小惑星エロスが35年ぶりに地球に大接近…将来は衝突する可能性も】
エロスは地球の地殻にある小惑星で2番目に大きなものです。サイズは34×13×11kmですから,東京近辺で言えば「東京駅ー相模原市ー昭島市ー赤羽」で囲まれる面積と同じです。かなりでかいです。こんなのがぶつかったら,かなりヤバイっすね。
- 【原油の大動脈「ホルムズ海峡」封鎖はあるか? 世界を引き裂くイラン核疑惑の帰趨】
イラン核疑惑の本質はどこにあるのか,核保有国とはそもそも何なのか,アメリカは何を考えているのか,アメリカの行動原理は何なのか,そしてホルムズ海峡封鎖は起こりうるのか・・・を極めて解りやすく説明しています。
もしもこの厳冬期にホルムズ海峡が封鎖されて石油輸入が途絶えたら,多数の人間が凍死するんだろうなぁ。いやだなぁ。困るなぁ。
2012/02/01
【16:30】【16:00】
- 「私も糖質制限ネタに参加させて下さい」さんからメールをいただきました。
糖質制限ですが,すぐに江部先生の著書を買い,納得できたので11月末から実行してみました。私は肥満でも持病があるわけでもなく,単に健康と美容上の理由からあと1キロやせたらおへそのまわりのわずかな脂肪がなくなるのではと期待して1日のごはんの量を従来の4分の1くらいに減らしてみました。
食欲は旺盛な方なので肉や魚は今まで以上に食べるようになりましたがそれほど厳密にやっているわけではなく,時には麺類も食べますし,休日には甘いお菓子も食べるという具合でしたが,1か月ですぐに1キロ減りさらに1月中に2キロ減りお腹と腰回りの贅肉がものの見事にこそげたようになくなりました。
11号のパンツが文字通りブカブカになりました。食事のほかにスロトレも継続してはいるもののこんなに即効性のあるダイエットは初めてです。しかも以前は夕方6時近くに耐えがたいほどの空腹感におそわれることがよくあったのですが,今はそれもありません。驚きかつうれしい限りです。あまりにキキメがすごいので誰にも教えてあげたくないです。(笑)
ちなみに私は48歳女性,身長162センチ51キロ→49キロです。骨格がっちり型なのでひょろひょろがりがりには見えないと思っております。
また,ハンドクリームもやめ,入浴時にせっけんで体を洗うのもやめおかげで冬場のかさかさがいっさいなくなりました。保湿は全身ワセリンのみ使用しています。ワックスがけのおかげでかかともつるつるです。
【11:10】
- 本日も,他県の某病院形成外科で皮膚移植を受けた悲惨な子供さんが受診されました。前胸部~腋窩熱傷に左側頭部~後頭部からの分層植皮を受けていますが,なんと移植皮膚に毛髪が生え,頭部の恵皮部には数センチ幅のハゲが3ヶ所も! 手術前に父親が何度も「ハゲにならないか。もしもハゲになるようだったらお尻などから皮膚を取って植皮してほしい」と申し入れたにもかかわらず,某病院の形成外科医は次のように言ったそうです。
この医者は「頭皮からの皮膚移植」を両親に納得させるために「絶対」という言葉を何度も使ったそうです。その結果が,移植皮膚から毛髪が生え,皮膚採取部はハゲです。両親が執刀医に抗議したところ,「頭部が禿げたのは感染が起きたためです。不可抗力です」と開き直ったそうです。ご両親はこの説明に納得できず,他の医者の説明を聞きたいと受診されました。
- 移植した皮膚に家が生えてくることは絶対にない
- 頭部の皮膚を取った所がハゲになることも絶対にない
この医者の「頭部の恵皮部が感染で毛根が壊死し,それで禿げた」とする説明を百歩譲って納得したとしても,それでは胸の移植皮膚の毛はどこから来たのでしょうか。頭皮が化膿したため,頭皮の毛根が胸に移動したとでも言うのでしょうか。
これは間違いなく,頭部から採皮した皮膚に毛根が含まれていて(=間違って厚い皮膚を取ってしまった),そのために胸の移植皮膚からは頭髪が生え,頭皮は禿げたのです。これ以外の可能性はゼロです。この医者のしたことを擁護するお医者様もいらっしゃると思いますが,「なぜ胸の移植皮膚から毛髪が生えているのか」の理由を説明して下さい。素人にもわかる嘘をつく医者ってどうよ,と思います。
私も大昔,頭皮からの植皮をやっていました。毛が生えてくれば傷跡が隠せる,と教科書に書いてあったからです。しかし,実際に手術をした医者ならご存知のように,頭部の恵皮部って時々ハゲになるし,ちょっとでも厚い皮膚だと移植皮膚から毛が生えてきます。これは形成外科医なら誰でも知っているはずです。だから,経験のある形成外科医なら「絶対にハゲになりません」なんてことは言わないはずです。
ちなみにこの医者は,「ハゲを治すためにはハゲを切り取って縫い合わせれば治る」と,さらなる手術を提案したそうですが,どうやっても縫縮ぎりぎりのサイズなんですよ。しかも,1ヶ所を縫縮すれば残り2ヶ所のハゲ(瘢痕)の幅が広がってしまうはずです。この形成外科医はこのあたりをどうお考えなのか,聞いてみたいところです。
ちなみに,この病院の同僚の医者は「縫い合わせるのは無理では・・・」と首をかしげたそうです。
【09:40】
- 【首都圏M7級地震,京大は「5年以内に28%」】
先日,東京大学は「4年以内に70%」と発表したばかりですが,今度は京都大学です。そのうち大阪大学が「6年以内に58.3%」とか発表するのかな?
記事に「余震活動の減り方の計算式や,規模が大きい地震ほど発生頻度が低いという法則を組み合わせて,統計的に求めた」とありますが,ここに最大の問題があるのです。要するにこの考え方は「過去に起きた出来事と同じことが未来にも起こる。未来に起こることは過去の延長線上である。だから過去を分析すれば未来が予測できる」という考えを根底にしていますが,これはおかしいと思います。これじゃまるで,「惑星の過去の動きを分析すれば未来の惑星の動きが予言でき,未来の出来事もわかる」という占星術と同レベルですよ。
地震は破壊現象です。破壊現象は再現性がありません。再現性がないから予測が成り立ちません。破壊現象で唯一再現性があるのは,破壊されるものが同じで,破壊する力が同じ場合のみですが,地震の場合には「破壊されるもの」が過去と同一かどうかもわからないし,「破壊する力」も過去と同じかどうかわかりません。つまり,未来に起こる地震は予測できません。
いずれにしても地震は必ず起こります。ただ,それが今日なのか10年後なのか100年後なのか,どこで起こるのか,どのくらいの規模なのかがわからないだけです。
鐘と手間隙をかけて「予知ごっこ」をしても意味がないと思いますよ。
【09:00】
- 「小腹が空いた時の簡単な糖質制限食」についてメールをいただきました。
はじめまして。以前から,湿潤療法・糖質制限とたくさんの情報で生活しています。ありがとうございます。やけども怪我も自分でなおしてきました。情報,ありがとうございました。
現在,私のお気に入りのメニューは「いりこのチーズ焼き」です。とは言っても,生協で販売されている,いりこの袋に載っていたレシピですが。レンジとクッキングシートがあれば,手軽に作れます。
- クッキングシートに小さめのいりこをのせて,溶けるチーズを上から散らす
- レンジで2分ほど加熱し少し焦げるぐらいまで追加で加熱。
- 冷めて乾燥したら出来上がりです。
また,睡眠障害もあったのですが糖質制限でよくなり,睡眠薬が不要になりました。麺類とご飯が悪かったようです。
ちなみに体重は3カ月で3キロ減。時計のベルトはブカブカになってしまい,きつかったスーツもすっぽり入るようになりました。本当に「脂肪」が落ちているんですね。足が細くなったダイエットは初体験です!
それにしても,睡眠障害まで治っちゃうというのが凄いです。糖質を食べた直後ってすごく眠くなりますが,そのため,夜に眠れなくなっちゃうのかな?
【08:30】
- 「病院でも食べられる糖質制限食」について,ちょっとメールをいただきました。
そういえば,「食べる煮干し」なんてのもいいかもしれませんね。値段も安いし。
- ツナ缶の「ノンオイル」というものがあります。通常の油漬けが200kcal前後あるのが,「ノンオイル」だと60kcalです。小腹が空いたときには手軽に食べられます。でも味ははっきり言って油漬けより落ちます。それと狭い室内だと「ツナ」のにおいが気になることもあり,なによりも「貧乏くさい」のでダメかも知れませんね。
- 私の場合,幸いにもナッツやチーズ,納豆,ヨーグルトが大好きなのでそれで済んでいます。
- カップスープに「ふえるワカメ」が手軽でいいです。ワカメでボリュームも調節できます。
- ちょっと貧乏臭いけど,スルメをかじっています。
【06:30】
- 糖質制限を始めてから3ヶ月になろうとしていますが,気がついたらズボンのベルトが2つ狭くなっていました。おまけにこのベルトはこれ以上穴が開いていないんですよ。困ったなぁ,穴を開けるしかないかなぁ(・・・と困ったフリをしちゃったりして)。
いずれにしても,体重は2キロくらいしか減っていないのに,メタボお腹だけが平らになっていくのは嬉しいっす。イメージとしては「腹部内臓脂肪だけがどんどん分解されて糖に変化し,それをどんどん頭で消費している」という感じですね。
- 『生命はなぜ生まれたのか―地球生物の起源の謎に迫る』という本のレビューを追加しました。素晴らしい本です。
- 昨日のこのコーナーで紹介した「糖質制限に失敗!」という報告をしていただいた内科の先生から追加メールです。
サイトに掲載していただきありがとうございます。活発なご意見をいただけて参考になります。「何か気軽に食べられる糖質制限食があるといいんですが・・・」について,私も色々考えていますが,「カップスープに "ふえるワカメ" を入れて飲む」くらいしか思いついていません。「糖質制限派(グルカッター・・・仮称)」の皆様の「気軽に食べられる糖質制限食」は何ですか? メールで教えてください。
自分の分析では,失敗の原因はカロリー過剰です。江部先生の著書とブログをしっかり読んでから実行しましたので春雨のみならず他の糖質もかなり厳密に避けていましたが,その分カロリーが過剰になっていたと思います。ナッツや鯖の水煮なども活用していましたが,ナッツが好きなものでつい食べ過ぎたのも一因と思います。
元々昨年の今頃なんちゃって糖質制限を始める前から,かなりの低カロリー食にしていました。それでも痩せないため,カロリーは変えずにご飯や麺やお酒をやめたところ半年で8kgやせたわけで,カロリーが同じなら糖質制限したほうが痩せやすいのは実感しました。気が緩んで摂取カロリーが増えてリバウンドし,スーパーにしたらいいかと短絡的に考え昼の春雨もやめて本格的な糖質制限を始め,どうせなら実験をと考えてカロリーの方は制限を緩めたらさらにリバウンドしたという経過でした。
非常に厳格な糖質制限が必要なのは糖尿病患者さんのみで,ダイエット目的ならスタンダード糖質制限で十分なのだろうと思いますが,江部先生もおっしゃっているとおり,1~2割の人はカロリー制限も必須だと思います。
春雨がGIも低いわけではなく糖質制限食としては不可なのは承知していますが,私の場合はカロリー制限をしているという自分への戒めになっているのです。これまでは病院の検食を糖質だけ残してましたが,どうも中途半端で不満が残り夜などに食べ過ぎてしまっていました。久しぶりに昼に春雨を食べたらやはり眠たくなりましたし,3時頃空腹感が襲って来ました。
何か病院でも気軽に食べられる糖質制限食があるといいんですが,売店にもナッツくらいしかなくて困っています。
- 院内で糖質制限に挑戦している人から,「麺類が好きなんで時々ラーメンを食べてしまいます。確かに食べた直後は満腹ですが,その後の空腹感が強いです。でも,ラーメンを食べずに糖質制限食で済ますと満腹感はありませんが,その後の空腹感はあまりありません。あと,糖質制限のほうが食費がかかっちゃうのがちょっと悩みかな?」と言っていました。
糖質を減らしたほうがお腹がすかない,糖質を食べると満腹になるけどすぐに空腹感を覚える・・・というのは私も経験していますが,人間の体って面白いものです。
- 【フォーマルハウトb,惑星ではない?】
太陽系から25光年という「至近距離」にあり,可視光で初めて太陽系外惑星(系外惑星)と確認されたのがフォーマルハウトbですが,どうも雲行きが怪しくなってきて,今回,これって惑星ではないんじゃないの,という観測データが提出された・・・という記事です。
現在の系外惑星の観測はほとんど傍証に過ぎません。系外惑星の実在証明は難しいです。もちろん,存在することは確かなんですけどね。
- 【どういうこと…?海外のオークションで売られる赤ちゃんたち】
私,これはダメっす。リアルすぎて,夜にひとりでに動いていそうで怖いっす。これって私だけ?
- 【県が豪雪対策本部 「平成18年」に匹敵の恐れ】
私は雪国秋田で高校まで暮らし,その後はずっと仙台にいて,今年から東京暮らしとなります。つまり,次第に南下しているわけですが,秋田には絶対に戻りたくありません。冬の秋田の「日の差さない空の暗さと雪」で生活するのは辛すぎるからです。生まれて初めて仙台での冬を過ごした時,何より感動したのは「冬なのに空が明るい。太陽が見える」ことでした。
人が暮らしている以上,道に降った雪はどこかに移動させないと人間が移動できないし,屋根に積もった雪はすぐに降ろさないと家が潰れます。雪かきと雪下ろしがどれほど重労働かは実際にやってみるとわかりますが,それが毎日毎日続くのです。しかも,豪雪地帯ほど住民は減り,高齢化が進んでいます。
「冬の間だけでも住民は中心部のマンションで暮らす」なんてことでも考えない限り,地方自治体は雪対策費用で破綻してしまうんじゃないかと思ってしまいます。「生まれ育った家で暮らしたい」なんて言っていられる状況ではないような気がします。