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2007/12/31
- 間違いなく今年最後の更新でしょう・・・何しろ大晦日だし・・・。
というわけで,今年最後の映画紹介くらいはまとも作品の紹介にしました。トム・クルーズが殺し屋役に挑戦したちょいと素敵な映画,《コラテラル》です。実は,事件に巻き込まれる男(タクシードライバー)の成長物語です。
- では皆様,良いお年を。
そして,来年2008年もよろしくお願い申し上げます。
- 私が勤務している石岡第一病院では来春の新病院への移転もあり,医師を募集しています。私と一緒に時々傷の治療をしながら自分の専門の診療もしてみたいという方,あるいは茨城県内の病院での勤務を考えていらっしゃる方は,是非,総務の長谷川まで御連絡下さい。
現在開設している診療科は内科,小児科,整形外科のみ(来年春より口腔外科も開設)ですが,その他の診療科の先生でも是非,御応募下さい。
- 2007年10月初めから「外傷を湿潤治療している医師」リストを作り直していますが,2005年3月以前に登録された先生は確認作業ができず,リストから漏れてしまいました。申し訳ありません。
再掲載を御希望なさる方,あるいは新たに掲載を御希望なさる方はお手数をおかけしますが,①名前,②所属病院,診療科(病院勤務の場合),③住所と電話・ファックス番号,④メールアドレス掲載の有無(メールアドレスは暗号化してHTMLの中に埋め込みますので,アドレス収集プログラムにはひっかからないようにしていますが万全ではありません),⑤同じ病院内に湿潤治療をしている医師がいればその人の名前,⑥病院のホームページアドレス,以上を明記してメールでご連絡下さい。
2007/12/30
- 年末恒例(?)のしょうもないネタによる更新。まず最初は,「火曜サスペンス劇場よりサスペンス感がないサスペンス映画」である《パズラー》について。生意気にも続編が作られている模様。
- そういえば,今週号の週刊「モーニング」見開きにに『とりぱん』のシールがおまけについていましたね。嬉しくなって,ノートパソコンにペタペタ張ってみましたが,やはり熱のために剥がれやすいようです(・・・張る前に気がつけよ!)
- 私はこの10年ほど,風邪を弾いたこともなければ,病気で仕事を休んだこともありません。今年の12月,病院の他の医師たちが下痢と腹痛で休んだり,インフルエンザで休んでも,私だけは風邪にかすりもしませんでした。風邪は天下の回り物といいますが,私のところは順回路にすら入っていないようです。
それが,29日夜10時くらいから急に体調が悪くなり,午前1時に腹痛と下痢,その後午前2時にも水様下痢。症状としては同僚の先生方が数週間前に罹患したのと同じです。彼らの場合,1時間ごとの水様下痢が半日ほど続いたそうです。ということは,どう考えても30日の昼頃までこの症状が続くんでしょうか。30日の朝,1年ぶりに北東北の実家に帰ろうと思っていたのですが,この分だと絶望的かもしれません。
そしてベッドに入り,午前3時の下痢を待っていたのですが,なぜかそれでおしまい。体調も良くなっちゃいました。そして,一眠りして午前6時に起きましたとさ。
2007/12/29
2007/12/28
- 「ジャズが弾きたくなったクラシックピアノ弾きのための楽譜ガイド」にちょっぴり追加。本当は譜例とかを入れながら曲の解説を書きたいのですが,さすがにその暇がありません。ちょっと残念です。
- 以前にもこの時期に書いたことがある話題です。1月が受験期に重なるという不合理についてです。
受験期の子供を持った親なら誰でも,試験が続く1月から2月にかけてハラハラ,ドキドキの連続です。1月から2月にかけてはインフルエンザや急性上気道炎の流行期に重なる時期であり,雪などで交通機関が乱れる時期でもあるからです。高校受験,大学受験は全生涯を通じてもかなり大きなイベントです。どの大学に入るか,どの学部に入るかで人生が決まることだってあります。そんな時にインフルエンザにかかったらその年の受験は諦めるしかありません。インフルエンザの流行期に受験が重なった不幸を呪うしかありません。
しかし,冷静になって考えてみると,なぜ受験期が冬になっているのか,なぜわざわざインフルエンザと大雪の時期に受験期が重ならなければいけないのか,という疑問が生じてきます。
なぜ受験が1月から2月なのかといえば,新学期が4月だからです。4月に新入生を入学させるためにはその2ヶ月くらい前に試験をする必要があるからです。
ここで冷静になってみるとわかりますが,世界で4月入学の国ってむしろ少数派で,大多数の国は9月入学です。また,日本でも小学校が4月入学になるのは1892年からであり,帝国大学や旧制高校は1920年まで9月入学だったそうです。
なぜ日本で4月が入学になったのかをいろいろ調べて見ましたが,よく理由がわかりません。どうも,4月入学でなければいけない確たる理由はないような感じです。
であれば,何も受験時期が最悪の冬に重なる4月入学にしなくてもいいのでは,という気がしてきます。
これが9月入学なら,受験期は6月から7月がピークとなり,せいぜい梅雨があるくらいで,大規模流行する伝染病も少ないです。沖縄で台風があるくらいでしょうか。なら,9月入学にしちゃえばいいのに・・・。
少なくとも,4月入学は日本の風土気候に合っていないことと思うんだけどね。
2007/12/27
- これまで何度か,ジャズピアノの楽譜について書いてきましたが,まとめて見ました。題して,「ジャズが弾きたくなったクラシックピアノ弾きのための楽譜ガイド」です。
- 最近のUSBメモリの大容量化と価格低下はすごいけど,なんと32GBのSUBメモリが発売され,しかもお値段は27,000円! 私がいつも使っているノートパソコンのハードディスクが40GBだから,ほとんど同じじゃないですか。
2007/12/26
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,宮崎県宮崎市のクリニック草(かや) 田坂裕保先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 以前にもちょっと書いたことがありますが,私が本の感想を書くのは,本を捨てるためです。このサイトの読者の皆さんへの読書ガイドというよりは,自分の備忘録として書いています。だから,オイオイここまで書いちゃったら本を買う必要がないじゃん,というところまで書いたりします。本を売るための爽快分でなく,覚えておくべき内容を記録しておくためなんだから当たり前です。
読んだ本を全てとって置いたら,部屋は本で埋もれてしまいます。ただでさえ狭い部屋ですし,私は図書館を開いているわけでもありませんから,新しい本を買うには古い本を捨てるしかありません。
では,本の価値はどこにあるか。私にとって本は情報を伝える媒体であって,本という物体には価値を感じません。何が書いてあるかだけが重要です。だから,何が書いてあったかを記録したら,もう本は捨ててもいいことになります。あとは,これさえ読めば内容が思い出せる,という文章を作成するだけです。
本の内容を記録して本は捨てる,という方式にしてから10年くらいたちましたが,「あっ,あの本,捨てなきゃよかったな。取っておくんだった」と後悔したことはほとんどありませんし,万一,その本が必要になったらネットの古本屋さんで購入すればいいだけのことです。
少なくとも,「本は読んだけど内容を記録しておく気になれない本」があったら,1年以内にその本を読み返したくなる確率はほぼゼロです。1年以内にゼロであれば10年以内にその本が必要になる確率はほぼ完全にゼロです。その本を必要にする人はいるでしょうが,少なくともその本を読んだ時点での私にとって,書かれている情報は必要ない情報だっただけのことです。
物は捨てて情報のみを残す,ということになりますが,これって昨日紹介した『宇宙を復号する -量子情報理論が解読する,宇宙という驚くべき暗号』の内容に奇妙に符合するのが面白いです。
- 以前紹介したUSBで使える小型GPS「Navi Clip」USBGPS2を移動中の新幹線などで使ってみた感想です。FMV BIBLO LOOX U50WINとの組み合わせで使っていますが,かなり使えるというか,非常にいいです。
付属している地図ソフトSuper Mapple Digitalを起動してNavi Clipを差し込み,GPSを起動するとほぼ10秒くらいで衛星を捕捉し,対応する地図が表示され,その後は連続的に位置を表示していきます。新幹線の場合も,窓のところに置くだけで完璧に時速270キロについてきました。また,トンネルに入って電波が届かなくなっても,トンネルから出るとすぐにまた電波を捉え,GPSとしては結構優秀じゃないかと思います。
唯一の問題は,付属の地図ソフトで地名などの文字が小さく,LOOX Uの「5インチ,1028×600ドット」の液晶ではさすがに辛いことだけですが(・・・老眼だとさらに辛い),通常サイズのノートパソコンでは大丈夫でしょう。
- そういえば,ASUSTeKの低価格小型ノートパソコン Eee PCが来年2月に国内でも発売されることが決まったみたいですね。4万円台と破格のお値段になりそうです。既に海外では発売されていて,台湾や北米では売り出し直後に20万台が売れたそうです。基本的にはリナックスなんですが,もちろんWindows XPもインストール可能。インターネットマシンとしてなら十分なスペックですね。
4GBか8GBのSSDなんでOfficeを入れるのは難しそうですが,SDカードスロットがあるから,ここに8GBのSDカード(5000円台で買える)をいれちゃえばいいし,16GBのUSBメモリにソフトをインストールという手もあるな。
液晶は7インチの800×480ドットか。ってことは,価格を抑えるためにカーナビ用の液晶をそのまま使っているのか。ネットにはちょっと狭いけど,十分に使えるサイズです。
でも,重さが920グラムか。十分に軽いけど,560グラムのFMV BIBLO LOOX U50WINに比べるとちょっと重いな。でも,4万円で買えるのは魅力的です。
2007/12/25
- 「湿潤治療の講演をしている医師」に,兵庫県伊丹市の市立伊丹病院 岡崎 誠先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,愛知県一宮市のさかたこどもクリニック 坂田茂子先生,愛知県日進市の医療法人福友会福友(ふくゆう)病院 形成外科 大西山大先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 講演に使用しているスライドですが,一部手直しをし,最新バージョンは12月22日作成のものとなります。以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますし,新たにダウンロードをご希望の方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
- 実に壮麗な物理学の読み物,『宇宙を復号する -量子情報理論が解読する,宇宙という驚くべき暗号』について。素晴らしい「目ウロコ本」である。
こういう理路整然とした本を読むと心が安らぎます。
- ひょんなことから,歴代の内閣総理大臣の卒業大学を調べていたら,面白いことに気がついた。昔ほど東大などの国立大卒が多く,ある時期から私立大学卒業者ばかりになっているのだ。例えば,岸信介以降だとこうなる。
岸信介 | 東大法 |
池田勇人 | 京大法 |
佐藤榮作 | 東大法 |
田中角榮 | 中央工学校 |
三木武夫 | 明大法 |
福田赳夫 | 東大法 |
大平正芳 | 東京商大 |
鈴木善幸 | 水産講習所 |
中曾根康弘 | 東大法 |
竹下登 | 早大商 |
宇野宗佑 | 神戸商大 |
海部俊樹 | 早大法 |
宮澤喜一 | 東大法 |
細川護熙 | 上智大法 |
羽田孜 | 成城大経 |
村山富市 | 明大政経 |
橋本龍太郎 | 慶大法 |
小渕恵三 | 早大院 |
森喜朗 | 早大商 |
小泉純一郎 | 慶大経 |
安倍晋三 | 成蹊大法 |
福田康夫 | 早大政経 |
つまり,宮澤喜一が最後の東大卒業総理大臣で,それ以後は私立大学のみとなり,しかも,ハイソな大学名が並んでいるのである。昭和の御世なら大学に行っていない人間でも総理大臣になれたが,今は昔である。
なぜこんなことを書くかと言うと,小泉総理あたりから「総理なりたくてなったんじゃないもん。やれっていわれたからやっているだけで,いつ辞めたっていいもんね」という総理大臣が続いているような気がするからである。それがあまりに露骨だったのが安部総理だったたけで,小泉,安部,福田といずれも権力そのものには淡白なんじゃないかという気がする。例えば小泉さん,頭の中にあったのは郵政民有化だけで,それが可決されれば後は野となれ山となれ,民営化選挙で自分が担ぎ出して手足のように使った新人議員に対しても,もうゴミ扱い。権力というオモチャで遊ぶだけ遊んだから,もう飽きちゃった,総理なんて辞めちゃおう・・・アメリカでプレスリーの真似もできたし・・・という感じだった。福田さんを見ても,総理大臣になってこれをやるんだ,という熱意が全く伝わってこないが,それも同じ理由なんじゃないでしょうか。
現在の国会議員のほとんどは2世,3世議員である。多分,当の議員たちにとっても,国会議員になるのは親の作った会社に就職してエスカレーター式に社長になるのと同じかもしれない。だから,苦労して就職(=国会議員になる)したわけでもないし,総理大臣になったとしても苦労してまで続けようという気にもならない。2世,3世議員であるということ自体が自分の仕事になっているのだろう。要するに,家業としての国会議員,家業としての政治家である。
このままいくと,衆議院は貴族院に名称変更してもいいかも。
2007/12/22
- ワセリンを塗っているとあまり寒さを感じないようだ,というメールを北海道の看護師さんからいただきました。そこで私も人体実験。私は病院内では年がら年中,半袖白衣なんですが,右前腕全体にワセリンを塗り,左側には何もせずに屋外(多分,摂氏10度以下)に出てみたら,左前腕はかなり寒いのに,右前腕はちょっと寒いかな,程度で体感温度は全然違っていました。
2007/12/21
- 「褥瘡に栄養管理は不要」の第2弾,「褥瘡治療には栄養管理は必要か-栄養を入れても利用できないのでは-」です。
褥創治療の専門家の先生方からの反論,異論,大歓迎です。
- 来年2月29日(金)に,千葉県野田市のキッコーマン総合病院で講演することが決まりました。
- どの組織からのサイトへのアクセスが多いかを分析してくれるサービス,「なかのひと」を利用して2ヶ月ほどたち,日本国内の多くの大学,医科大学,さまざまなメーカーからのアクセスいただいていることがわかりましたが,通常は全く接点のない公官庁方面からのアクセスも結構あり,面白いです。特許庁,米国海軍,防衛庁,国土交通省,衆議院,農林水産省,文部科学省あたりがそうなんです。それにしても,何でアメリカ海軍なんでしょうか?
- またもジャズピアノのネタですみません。
ジャズピアノを練習するようになって,ペダルをあまり踏まなくなったことに気がつきました。ショパンやドビュッシーではペダルを踏まないと音楽になりませんが,ジャズピアノでは一つ一つの音をくっきりと鳴らす必要があり,ペダルを踏むとジャズにならないんですね(もちろん,ペダルの使用を前提に作られているアレンジも多数あるけどね)。そうなると,ペダルで誤魔化すという得意技(?)が使えず,ペダル無しで練習せざるを得なくなります。
そういう風にしてジャズピアノを練習し,本業(?)のクラシックの曲を弾くと,ペダルをあまり踏まなくても弾ける部分があることに気がつくんですね。例えば,ショパンの嬰ハ短調のワルツ(作品64の2)の右手の早いパッセージが連続する部分。以前は何となくペダルを踏んで弾いていましたが,最近はほとんどペダルを使わずに弾き,ここぞというところでペダルを使う,という弾き方にしていますが,これが結構いいんですね。というか,ペダルを踏まなくても十分に響かせられる部分があることで,かえってペダルの効果が引き立つのです。むしろ以前より,ペダルの使い方が繊細になったくらいで,これは明らかにジャズピアノの効用です。
というわけで,私の場合,ジャズピアノを弾くようになって「ペダルを踏まなければいけない部分」,「ペダルを踏まなくても弾ける・響かせられる部分」を明確に意識して弾き分けるようになりました。クラシックのピアノ曲を弾いていた時はこういうことを明確に意識せずに弾いていたような気がします(だから,下手だったんだってば・・・)。
というようなことを書いていて気がついたのですが,これって,「消毒をしない傷の治療をするようになって初めて,消毒薬の本来の使用目的が見えてくる」のと同じですね。消毒するのが当たり前の時代には何をするにもまず消毒薬を使っていましたが,消毒しないほうが傷が早く治ることがわかると消毒薬の使用のすべてが気になり,これって必要な消毒なのか,という目で見るようになります。
止めてみないと本当に必要かどうかが見えてこない,というのは全てに通じることかもしれません。
2007/12/20
- 「褥瘡に栄養管理は不要」ということを何度かに分けて描いてみようと思います。まず第1回目として「死に至る過程」。以後,投与された栄養の行方,高齢者医療でなく小児医療と教育,という方向に論が進める予定です。
- 私の外来に来たことがある先生はご存知の通り,私の外来では朝から夕方までずっとジャズのピアノトリオを流しています。クリエイティブのMP3プレーヤー(MP3プレーヤーの開発の歴史を最初期から知っているため,MP3プレーヤーをiPodと称するのは絶対に許せませんし,私の美学が許しません)に小型のスピーカーをつないで私の周囲半径1メートルくらいでしか聞こえないような音量で流しているのですが,これが診療のリズムを作っています。
というか,外来診察室にはジャズピアノが絶対に合います。交響曲でもオペラでもなく,演歌でもビッグバンドジャズでもJポップでもなく,ジャズピアノです。
私はもともとクラシック・ピアノ弾きのはしくれで,ベートーヴェン,ショパン,シューマン,ドビュッシーあたりはほぼ全作品を弾いています。そういうこともあって,一時期,クラシックのピアノ曲や弦楽四重奏,室内楽を外来診察室で流してみた時期もありましたが(ちなみに,当時のMP3プレーヤーは現在のポータブルCDプレーヤーよりはるかに大きかった),どれも駄目でした。クラシックの曲は基本的にダイナミックレンジの幅(強弱の幅)が大きく,いきなり大音響になったり,突然聞こえなくなったりして落ち着かないんですね。また,人声が入るとなんだか生々しくて嫌だし,金管も木管も人の声に近くてちょっと合いません。
で,いろいろ試してみて,最終的にジャズピアノトリオに行き着きました。ピアノとドラムとベースの組み合わせはダイナミックレンジの幅は極端ではないし,聴いていて疲れないし,邪魔にもなりません。そして,ピアノに疾走感があって私の外来のテンポに合うんですね。
そういうジャズを流しながら,外来で手術をしていますが,患者さんからは「なんだかジャズバーみたいな雰囲気が落ち着きますよ」なんて言われます。
2007/12/19
- 肝腎のモンスターの造詣が全く駄目なモンスターパニック映画,《ヘル・ファイヤー SEA GHOST》について。設定は悪くないんだから,もうちょっと金をかけて丁寧に作っていたらよかったのに。それなのに,変に凝っているところは懲りまくっているというアンバランスさが変です。
- ジャズ・ピアノネタです。無事,忘年会の余興演奏も終わりましたが,ジャズピアノの楽譜が数冊あり,まだ手をつけていない曲が幾つかあったため,ちょっと弾いてみました。で,『上級 ステージで弾きたいジャズ All The Things You Are』の表題曲,"All The Things You Are" がジャズワルツのアレンジで,しかも弾き応えがありそうなことがわかり,ちょっと練習しています。元曲も好きなんですが,この楽譜のアレンジはかなり手を加えていて面白いです。
2007/12/18
2007/12/17
- 『キズ・ヤケドは消毒してはいけない』(主婦の友,ISBN978-4-07-256225-3 C2047,\1,300)がアマゾンから購入できるようになりました。よかったら買ってね。
- 「いまどこ? 新幹線マップ」というサイトが結構面白いです。新幹線が今どこを走っているかをリアルタイムに表示するサイトですが,こんなに多くの新幹線が走っているのか,2台の「のぞみ」の距離ってこのくらいしか離れていないのか,なんてことが手に取るようにわかるんですよ。それにしても,JRの技術力ってすごいよなぁ,こんなに走っていて事故がおきていないんだもん。
ふと思ったんだけど,これが常に新幹線の車中で見られたら,結構楽しいんじゃないでしょうか。全ての座席に・・・なんて夢みたいなことは言いませんが,列車の前後とかに液晶の日本地図があって,そこに走っている全新幹線と自分が乗っている新幹線がリアルタイムに表示されるって,おもしろいじゃないですか。
- 私は腕時計に関しての好みや執着がありません。時計は時刻を教えてくれる機械ですから,数千円程度のものを適当に買っては使っています。第一,高級時計を買うほどの金もないし・・・。
そんな中で一つだけ気に入っている時計があります。地球時計wn-2 です。Think the Earthという活動から生まれた腕時計なんですが,絶対に腕時計には見えないし,時刻が読めるようになるまでにちょっと時間がかかります。要するに,正確な時間をぱっと知りたい,なんて時には役立ちません。
この時計を腕にはめて時々のぞくと,地球って回っているんだな,地球ってこんな風に見えるんだな,というのがリアルに感じられて,なにやら壮大な気分に浸れます。これはそういう腕時計です。
ドーム型になっていて中心に北極を中心とした北半球が見えます。この地球が24時間かかってゆっくり回り,それで日本の位置から現在日本が何時かがわかるようになっています。同時に,例えばロサンゼルスは今何時頃なのか,モスクワはどうなのか,夜の地域はどこなのかがすぐにわかります。だから,「今ニューヨーク出張中で日本の自宅に電話したいんだけど,日本って今何時だっけ?」なんてときは瞬時に日本の時刻がわかります。しかも,日本はこれから明るくなる頃なんだな,と極めてリアルなんですよ。
でも,この時計の真価はここからです。腕を伸ばしたときに見える腕時計の地球は,月に降り立って見える地球の大きさと同じサイズになるように設計されているのです。先日,月探査衛星「かぐや」が見事な地球の映像を送ってきましたが,それが腕を伸ばせば見えるのです。暗黒の宇宙の中にぽっかり浮かぶ青い地球の様子が目に浮かんできます。宇宙に浮かぶたった一つの宝石,それが地球だということがとても身近に感じられます。
「正確な時刻がすぐにわからない時計」であり,使い勝手がよくないのに値段も安くありません(私が購入したのはこの前のバージョンなんで,値段はちょっと安かったけど)。でも,私にとってはとても大切な時計です。
ちなみに,玩具っぽい,安っぽい部分は皆無でしっかりと作られていて(時計部分はセイコーで作っていたんだったかな?),おまけに,周りのチタンの部分,そして中央のドームの部分にはかなり使っている割にはほとんどキズもついていません。そういう意味でも満足しています。
2007/12/14
- 私の6冊目の著書,『キズ・ヤケドは消毒してはいけない』(主婦の友,12月17日発売予定,ISBN978-4-07-256225-3 C2047,\1,300)が手元に届きました。自分の顔の似顔絵を本の表紙で見るのは笑っちゃうよな。しかも似てるし・・・。Chimaさん,ナイス!
ようやくYahoo!ブックスの「今後の発売予定」のコーナーに書名が載るようになりましたが,まだ予約などはできないようです。
- 今月10日のこのコーナーで,熱傷治療薬について書きましたが,その補筆です。私は熱傷治療用軟膏の新薬開発の是非を言っているのでなく,熱傷治療に使われている軟膏は論理的に選択されているのかということを言いたいのです。
例えば,アズノール軟膏は熱傷治療によく使われますが,なぜアズノール(御存知,カモミール -カミツレとも言う- の成分です)でなければいけないのか,ゲーベンクリームのようなクリーム基剤の塗り薬をそもそも創面に使っていいのか,というあたりを問題にして欲しいのです。このあたりは,ゲンタシン軟膏,イソジンゲル,エキザルべなどに対しても同様で,「そもそもなぜこの軟膏が必要なのか」を問い直して欲しいのです。その際は「昔から使っているから」という論理を持ち出すべきではないと言っているのです。
「熱傷治療用として厚生省が認可している軟膏だから,熱傷治療に使ってよい」という考えから熱傷治療軟膏を選択している先生もいらっしゃるかもしれませんが,厚生省が認可したものだから安全という論理が正しければ薬害エイズ,薬害肝炎も起きていないはずです。
そして,そもそも熱傷の病態に関する分析自体が,大昔からの伝承的分析を引きずってます。だから,治療も非論理的になるし,使われる治療薬も同様です。
だからこそ,従来からの熱傷治療をすべて捨て去り,とりあえずワセリンとラップだけという最もシンプルなものにして,そこから病態分析を新たに行い,治療理論を新たに構築し,何か問題が起きたらその新理論に基づいて問題解決の道を探る,というのが医学本来の姿だと思うのです。
- さあ,今日は病院全体の忘年会。余興としてピアノを披露することに決めてから,医局に置いたピアノで毎日1時間前後練習をしていました。なんとか,ホロヴィッツ編曲『星条旗よ永遠なれ』を最後まで弾けるようになり,ヨタヨタしながらもまとまりました。問題は本番で弾けるかどうかですけどね。
それ以外はジャズナンバーばかり並べようと思っていますが,ラテン・ジャズ風にアレンジした『Night and Day』が気に入っています。急速なパッセージが連続するアドリブ部分がすごく格好いいんですよ。この部分は弾けば弾くほど指に馴染んでくる感じで,何度繰り返して弾いても飽きないです。
そういうわけで,私のように「クラシックのピアノ曲はかなり弾けて,ちょっとジャズも弾いてみたいんだけど,あまり簡単なのは弾きたくない」というあたりの人にお勧めのジャズの楽譜をちょっと紹介します。アレンジャー自身の演奏を収録したCD入りの楽譜が結構あり,「ピアノは弾けるジャズ初心者」にはいいと思います。あと,ジャズの楽譜全般に言えることですが,変音記号(シャープ,フラット,ナチュラルなど)の漏れが多いので,演奏を収めたCDはとても便利です。
- 『ハイ・クラス・ジャズ・ピアノ スタンダード名曲集』
- 上述の「Night and Days」が含まれています。
- そのほかにも,「A列車で行こう」もかなり本格的で難しいです。
- 編曲者自身の演奏のCDがあり,とても参考になります。その意味で,一押しの曲集。
- 『上級 ステージで弾きたいジャズ』
- 「星に願いを」がいいです。後半,ジャズワルツになり,次第に盛り上がって分厚い和音が連続。ここはクラシックピアニストらしく,派手な技巧でさらにアレンジすると面白いです。
- 「イパネマの娘」。超有名なボサノバですが,とても洒落た感じにアレンジしてあります。ただ,楽譜はとても単純なのに,リズムを取るのはかなり大変。この曲に限らず,クラシックピアノ弾きにとってボサノバは結構難しいと思いました。
- 『ジャズ・スタンダード』(秋谷えりこ編曲)
- 「サマータイム」。ご存知,ガーシュウィンのナンバー。後半,4ビートになってからが面白いし弾き応えがあります。
- 「テイク・ファイブ」。ご存知,5拍子の有名な曲。これも洒落たアレンジで弾いていて楽しいです。
- 「いつか王子様が」。ジャズワルツのアレンジですが,中間で速いパッセージが連続する部分がありここが聞かせどころなのですが,規則性を持たない音型を覚えるまでが一苦労。それだけに弾き栄えはします。
- 『上級 ジャズ ベスト・ヒット10』
- 「枯葉」。超有名なシャンソン。オーソドックスなジャズアレンジで和声もあまりいじっていないため,最初にジャズを弾くのに最適かもしれません。結構面白いです。
- 「ワルツ・フォー・デビィ」。ビル・エバンス作曲のワルツ。後半の4拍子になる部分が格好いいよ。
2007/12/13
2007/12/12
- 昨日のこのコーナーで「熱傷治療に積み重なっている古くからの滓」ということを書きましたが,さらにちょっと追加。
講演後の質疑応答で皮膚科や形成外科の先生から必ず出されるのが「広範囲熱傷をどう治療するか」という問題です。私は正直に,ここ数年間で治療しているのはせいぜい30%くらいまでで,それ以上の範囲のものは治療する機会がなかったのでよくわからない,経験がないことは話せない,と解答するのですが,するとその先生方はまるで鬼の首でも取ったみたいに「現在80%の熱傷を治療している」とか「60%を超えた場合には先生の説明のとおりの反応をするのか」というように反論があります。
御もっともなご意見なんですが,冷静に考えるとわかりますが,恐らく全熱傷患者の99%は5%以下の面積で,それらの大多数は1度から2度の浅い熱傷じゃないでしょうか(熱傷症例全体の統計を調べたわけではありませんが・・・)。
それ以上の面積のものは大学病院の救急室,熱傷センターに集められるため,それらで熱傷治療をしている先生方は,世の中の熱傷患者は広範囲熱傷だけ,と勘違いされているのではないでしょうか。だから,小範囲の熱傷なんて存在しないのも同然だし,広範囲熱傷を治療するのが熱傷専門医だと考えるし,広範囲熱傷を治療することが熱傷治療だと思ってしまう。
でも,私は正直に言うと,広範囲熱傷なんて私の手に余るし,最善の治療法を追求しようにもその手段がない(広範囲熱傷を治療する機会がないから治療法の工夫する機会もない)わけです。だから,広範囲熱傷なんてどうだっていいと考えています。広範囲熱傷以外の患者,つまり,全熱傷患者の99%が救えたらそれでいいかな,と思っています。99%が救えたらそれでいいじゃん,残りの1%にも満たない広範囲熱傷が救えなくてもそれは仕方ないじゃん,99%の熱傷患者が痛みから解放されたらそれで大満足なんですよ。
一般市民に「お湯でやけどしたらとりあえず冷やして,そのあとはラップにワセリンを塗ってあてると,痛みがなくなるんだよ」という知識が普及したら,それで満足なんですよ。広範囲熱傷患者さんは熱傷センターや大学病院で従来どおりの治療を受け,痛みにのたうち回っているかもしれないけど,それは諦めてもらうしかない,と・・・。
とは言っても,広範囲熱傷についてちょっと。
広範囲熱傷の正確な統計を見たわけでありませんが,広範囲のやけどの受傷原因は熱湯によるものでしょう。熱いお風呂に慌てて飛び込んでしまったとか,シャワーを浴びようとしたら熱湯が出てきたとかです。だから,広範囲といってもその大部分は2度の浅い熱傷でしょう。最初から2度の深い熱傷になるためには,高温の熱源にある時間以上接し続けていることが絶対条件になりますから,それが広範囲に及ぶという常態は実はあまりないはずです。広範囲の「2度の深い熱傷~3度熱傷」は火災現場で炎に包まれたとか,ガソリンをかぶっての自殺とか,非日常的な状況下ではないかと思います。
だったら,とりあえずラップで覆って痛みをとってあげるだけでも全身状態の悪化はある程度食い止められるのではないでしょうか。痛みを放置すると,さまざまなケミカルメディエータの放出が続き,それがさらに全身状態を悪化させ,それがさらなるメディエータの放出を引き起こし・・・という連鎖に入り込んでしまうからです。なら,痛みをとってあげたら,と思うのです。要するに,その広範囲熱傷患者さんの状態悪化の原因の一つは痛みなんだから,まずその痛みをとってあげようよ,というわけです。だって,痛みをとるのは簡単なんだから・・・。
逆に,痛みをとる処置をしないで,全身状態が悪化するのはある意味,当たり前ではないかと思うのです。
というわけで,現時点では広範囲熱傷はどうでもいいから,まず私の身の回りにいる軽症熱傷患者を救ってあげるだけで満足です。それで大部分の熱傷患者さんが救われるからです。
そして,現在,大学病院や熱傷センターで熱傷治療を牛耳っている医者(多分,私と同年齢でしょう)が死亡するか引退し,「熱傷ってラップとワセリンで痛みがなくなるんだよね」ということを最初から知っている若い世代がそれらの施設のトップに立った時にようやく,広範囲熱傷の新時代の治療への模索が始まるんじゃないかと思います。多分その頃には私も死ぬか引退していると思いますけどね。
- ネットの上海問屋のサイトを見ていたら,なんと16GB,333倍速のコンパクトフラッシュが2万円弱で売られているじゃないですか。これまでも16GBのコンパクトフラッシュはあったけど,最高でも266倍速で書込スピードがちょっと,ということがありましたが,これなら大丈夫かな? 物欲が! 物欲が!
2007/12/11
- 「CDCの術後創感染対策」シリーズ第3弾,「術後創感染とは独立病態ではない」を追加。
- 昨日から二日連続で,自治医科大学の鈴木先生が外来見学に見えられています。
- 私の通算6冊目,一般向け書籍としては2冊目となる『キズ・ヤケドは消毒してはいけない -「うるおい治療」のすすめ-』(主婦の友社,\1,300)が12月17日より発売開始となります。スタイリッシュでちょっぴり毒を含んだ素敵な4コマ漫画を沢山描いてくれたイラストレーターのChimaさん,編集の平野さん,そして私の3人の共通点は酒飲み(酒豪と表現する人もいますが,こういうのを誇張表現っていうんだよ・・・多分・・・)という一点でして,いわば3人の酔っ払いが作った本と言えなくもありませんが,内容の面白さにはちょっと自信があったりして・・・。来週早々に書店にも並ぶ予定ですので,よかったら立ち読みでもしてください。
- ちなみに,雑誌「旅の手帖」1月号に上記のChimaさんが描いた箱根イラストルポが掲載されています。全国の書店に並んでいますので,よろしかったらお手にとってご覧下さい。
- 薬害肝炎についての福田首相の答弁,最悪でしたね。国会答弁での彼は,役人の書いた答弁を棒読みするだけで,要するに,この問題についてリーダーシップを取るつもりもなければ,そもそもこの問題について考えてすらいないということを明言したようなものです。
2007/12/10
- 先週は怒涛のような週末でした。まず金曜日の夕方は大阪府立急性期・総合医療センターで講演。そして土曜日昼に仙台市に移動し,午後3時から地域医療振興協会宮城県支部で,そして午後7時からは日本皮膚科学会宮城地方会 第340回例会で講演でした。
それぞれ多数の方にご参加いただき,ありがとうございました。
- 上記の講演でいろいろな質問をいただいたのですが,そこで思ったのは,「熱傷治療には古くからの滓(おり)が積み重なっている部分が放置されていて,処置法や軟膏の選択が正しいかどうかがわかりにくくなっているのではないか」ということでした。
これは高血圧の治療あたりと比べると一目瞭然です。高血圧の場合には,塩分を控えろ,あたりから始まり,薬剤は利尿剤やらβブロッカーやらカルシウム拮抗剤やらを使っていると思いますが,なぜその薬を使うのか,その薬剤はどういう風に作用するのか,なぜその薬剤が効くのかは論理が明白です。これは高脂血症の薬,痛風の薬についても同じです。原因があって結果(=病気)があって,その原因に対する対処法としての薬剤投与,という手順を踏んでいるため,論理が明白なんですね。
ところが熱傷治療の場合,古くからの伝承的治療が残っている部分があり(例:軟膏の選択・・・そういえば,皮膚科学会宮城地方会で「ゲーベンクリームは絶対に必要です」とまくし立ててきた女医さんがいましたね),それを長年行ってきて体に馴染んでいるため,必要なものかどうかの判断しにくくなっているのですね。こういう部分が熱傷治療にはかなりあるため,新しい治療を提唱しようにもその古い「滓」が邪魔をする,という構図ではないかと思います。
だから,現在の熱傷治療の論理をベースにして新しい治療法を模索するのは不可能なんですよ。新しい方法を構築しようとしても,古い「滓」が顔を出してしゃしゃり出てくるからです。
では,どうしたらいいのか。私は,これまでの熱傷治療の論理をすべて捨て去り,「とりあえず最もシンプルな治療法をベースにしてそれのみを行い,それで何かトラブルがあったら古い時代の軟膏や薬剤でなく,病態から考えた新しい治療薬や治療法を加えていく」という方法しかないと思っています。つまり,これ以上シンプルにできないという基底状態をまず作り,そこから出発するわけです。
また,このときに必要なのは「創感染が起きたからゲーベンクリームを使ってみよう」とか「アズノール軟膏はどうだ」というような古い「滓」を持ち出さないことです。それを許すと,「ソフラチュールも使っていいのでは」,「シリコンガーゼもいいはず」なんてなってしまい,結局,古い時代の熱傷治療の逆戻りになります。基底状態に付け加えるべきは,新しい治療法であり,論理的に考えて新たに開発した薬剤でなければいけないのです。
熱傷治療についてこのように提案をしているつもりなのですが,どうも熱傷専門家の先生には通じていないようで残念です。
- これを書いていて思いついたのですが,高血圧の治療薬や抗生剤はどんどん新しい薬が開発・発売されているのに,熱傷治療用軟膏は古くからの薬が多く生き残っています。効果があるから生き残っているのか,長年使っている先生が愛用しているから生き残っているのか,新しい薬剤が開発できないから生き残っているのか,一体どれなんでしょうか。
- かなり面白いファンタジックホラー映画,《スリーピー・ホロウ SLEEPY HOLLOW 》について。監督はティム・バートン。
2007/12/07
2007/12/06
- 「CDCのSSI(術後創感染)対策は無効ではないか?」というシリーズでちょっと書こうと思っています。まずは第1回目。2回目以降で,CDCガイドラインに意味がないという根拠となる症例の提示などを考えています。
- 極めてハードな内容を持つ数学読み物,『メタマス! ―オメガをめぐる数学の冒険』について。悔しくなるほど難しくて,しかも理解できないことが悔しいという本です。こんな本がすらすら理解できたら,どれほど面白いんだろうか。
- 毎日,外来の仕事が始まる前にワセリン・ゴシゴシをして手を保護してから仕事を始めています。この方法,手荒れを防ぐのにもっとも強力な方法なんですが,一つだけ困ったことがあります。手を洗ったあと,水滴が手や指についているのに気がつかず,カルテを水で濡らしてしまうことです。ワセリンの被膜のために手が濡れているという感覚がなくなっちゃうんですね。ま,それだけ強力なバリアで手を守ってくれているという証拠でしょうが・・・。
2007/12/05
- 「ヘパリン生食ロックの是非を物理学的に考察」という駄文を追加。こう考えるとすっきりするんだけど・・・。
- 今年は例年より早くインフルエンザの流行が始まったようですが,私は昨年までインフルエンザの予防注射をしていませんでしたが,過去10年で,「ちょっと風邪気味で体調が悪いな」ということは数回ありましたが,仕事を休むほどの風邪もひいていなければ,インフルエンザにも罹患していません。まさに「馬鹿は風邪をひかない」という生きた見本かもしれません。
それにしても,ここ10年ほど,食事は外食ばかりでほぼ毎日飲酒し,月曜~金曜は仕事をして週末は講演などで移動,という不健康の見本みたいな生活しかしていませんが,結構病気をしないもので,10年間,外来を休んだことがありません。まぁ,そのうち,ツケがたまって突然死,なんてパターンなのかもしれませんね。
2007/12/04
- 「湿潤治療の講演を行っている医師」に長崎市立市民病院 外科 大久保 仁先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 講演に使用しているスライドをさらに修正・追加。今度は12月3日バージョンです。以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますし,新たにダウンロードをご希望の方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
- シャンプー・洗髪問題にさらに追加です。この回答を書いているうちに,シャンプー問題の本質が見えてきました。要するに,シャンプーを売り,使わせることで誰が利益を得ているか,ということです。
- 今年読んだ本の中で最も内容がハードで難解だった書,『メタマス!―オメガをめぐる数学の冒険』 (グレゴリー・チャイティン,白揚社)の感想を執筆しています。内容が豊富で面白い部分もかなりあるのですが,中心部分が何しろ超難解です。その面白さをどうやって表現するか,苦闘中です。多分,今週か来週には本サイトに追加できると思います。
なお,次なる読書のターゲットにロックオン。『宇宙をプログラムする宇宙 -いかにして「計算する宇宙」は複雑な世界を創ったか?-』(セス・ロイド,早川書房)です。量子コンピュータの第一人者が宇宙の本質に迫る書だとか。
最初の方をパラパラ眺めていたら,面白い一節がありました。古代バビロニア人が考案した「ゼロ」の概念が商取引の容易さと透明性を革命的に向上させた,という部分です。エンロンの連中が帳簿をローマ数字で粉飾決算をしていれば誰もそのインチキに気がつかなかっただろう,という説明には笑ってしまいました。確かに,ローマ数字(I=1,X=10,C=100,M=1000)だと "MMVII" が幾つなのかもすぐにはわからないし,計算式を書いてもどこが間違っているかわかんないもんなぁ。
- お笑い界には「流行語大賞を取ったりノミネートされると,その翌年は人気が低迷・凋落する」というジンクスがあるそうだ。「だっちゅうの」のパイレーツ,「ゲッツ!」のやダンディ坂野,そして「なんでだろう?」のテツandトモなんてのがその実例だとか。小島よしおさん,複雑な気分だろうな。
- デジタルガジェット好き,超小型メモリストレージ好き人間がグラっと来たニュースが,一気に値下げされた24GB,56GBのUSBメモリです。なんと24GBで2万円台前半ですぜ。24GBだとこれまで撮りためた症例写真が全て余裕で入り,しかも名刺ケース代のサイズです。56GBは6万円前半とまだ手が出ない値段ですが,もうちょっと安くなったら衝動買いしそうです。
この手の商品は,もうちょっと安くなったら買おう,と思って待っているうちに市場から消えちゃった,なんてことが良くあるので,購入タイミングが難しいです。
2007/12/03