「糖質過剰」症候群~あらゆる病に共通する原因~ (光文社新書)の著者の清水泰行医師が、フェリチン鉄貯蔵説のパラダイムシフトに関して、ブログ「ドクターシミズのひとりごと」にまとめられています。医学界は、フェリチンのパラダイムシフトの時代に入っていると思われます。
2017/10/7フェリチンの疑問がかなり解けた! フェリチンは細胞が死んだときに上昇する! 鉄はやっぱり危険!
内容要約
フェリチンは、血清中では合成されない。細胞からフェリチンが自然に分泌される証拠は見つかっていない。フェリチンは、細胞が破壊されることにより、細胞内から細胞外へ放出され血清中に現れる。
その時、フェリチン内部の鉄は細胞内にほとんど放出され、その放出された鉄イオンは配位結合をしていないため裸であり、有害なフェントン反応を起こしヒドロキシラジカルを生成し、このラジカルが細胞の破壊を増進させる。
つまり、フェリチンは、従来言われてきた、肝臓の貯蔵鉄のマーカーではない、細胞破壊のマーカーである。よって、フェリチン高値は、健康上好ましいものではない、有害である。フェリチン値は低ければ低いほど良い。
フェリチン値は、健康な場合、炎症がない場合(自然な細胞の死と再生サイクルだけの場合)は、鉄の貯蔵量を反映している。フェリチンの最適値は不明であり、個人差がある。炎症がある場合には、フェリチンの値から、貯蔵鉄や鉄不足を判断することは困難である。
論文では、体内鉄の評価指標について、フェリチンではなく、次の指標を推奨しています:
In particular, the "sTfR Index" (the sTfR/log ferritin ratio when both are measured in μg L-1) is now considered to provide an estimate of body iron over a wide range of normal and depleted iron stores,6-9 and again is thus better for discriminating iron deficiency anaemia from the anaemia of chronic disease9,173-175 (cf.ref. 176).
ブログ記事の根拠の論文
https://pubs.rsc.org/en/content/articlehtml/2014/mt/c3mt00347g
DOI: 10.1039/C3MT00347G (Perspective) Metallomics, 2014, 6, 748-773
Serum ferritin is an important inflammatory disease marker, as it is mainly a leakage product from damaged cells
Douglas B. Kell *a and Etheresia Pretorius *b
(備考: Open access)