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2006/08/31
- 掲示板の方で日本褥瘡学会にちょっぴり喧嘩を売っています。この学会が一番駄目なのは,「反対意見も含め,広く意見を求めて議論し,その議論を公開しつつ物事を決めていく」という,科学に絶対必要な姿勢を欠如していることです。ところがこの学会は,自分たちに邪魔な治療法(=ラップ療法)の発表は,他の重要なセミナーなどにぶつかるようにプログラムを作成し,会場も離れたところに設定し,人目につかないよう,知られないように腐心しています。要するに,臭いものに蓋,というやつですね。
これが最悪の形で出たのが,今年6月(だったかな?)に甲府で開かれた学会でした。「ラップ療法の是非」を議論するシンポジウムを開いておきながら,当事者の鳥谷部は呼ばず,シンポジスト同士の議論もなく,おまけにフロアからの質問禁止という前代未聞の体たらくでした。一言で言えば,アホ学会です。
要するに,議論をすることを恐れ,議論を公開することすら拒否しているわけで,これでは学会の名前にすら価しません。このような学会に理事とか評議員として名前を連ねている先生方,恥ずかしくないのでしょうか? 科学としての最低限のことをすることすらできていないのは,恥ずかしくないですか?
2006/08/30
- 10月7日の慶應義塾大学での講演ですが,講演開始は17:00となりました。講演会場は同病院内です。部外者の聴講も可能ということですので,よろしければご参加下さい。50席と小さな会場ですので,お早めにおいでいただいたほうがよろしいかもしれません。
- 「クーリエ・ジャポン」9月7日号に【選挙に行けば億万長者になれる?】という面白い記事があった。アリゾナ州に「選挙で投票すると抽選で1名に100万ドルが当たる」という法案が提出されているのだという。法案を提出したのは眼科医である。要するに,アリゾナ州の選挙で投票した有権者のうち,抽選で一人を選び,100万ドルをあげちゃおう,という単純至極な法案である。この100万ドルの資金には,同州の宝くじで当選しているのに引き取られていない余剰金を充てるのだという。
法案提出をした眼科医の言い分も極めて明確。「今の政治はごく小数の投票だけで決められている。それを打ち破るためにはこの方法もいいんじゃないか? 私のアイディアに反対しているのは,少数意見だけで政治を動かしていることで利益を得ている人だけです」というものだ。
もちろん,この法案に対しては反論の方が多い。いわく,「宝くじに当たるかもしれないという理由で選挙に投票すべきではない」,「投票率を上げるためには,投票は市民の義務という教育をすべき」,「選挙をえげつない金儲けの手段にしてはいけない」,「投票の権利は国民が持つ神聖な権利である」・・・などなどである。
これに対して,アリゾナ・リパブリック紙は「投票によって,少なくとも有権者の一人が幸福になるのであれば,それは素晴らしいことではないか。選挙のあとに当選者した政治家だけが億万長者になる,という現在のシステムよりは,数段ましだ」という社説を載せ,支持を表明しているらしい。
ううむ,面白い発想だな。
- 一昨日同様,昨日も本当に忙しかった。昼食の時間以外は,ほとんど診察と治療で暇な時間は全くありません。火曜日って普通は暇なんだけど・・・。
2006/08/29
- 昨日は東京医大の黒木先生が見学に見えられていました。そして,病院見学の筑波大学の学生2名も外来見学していただきましたが,午前も午後も,目が回るような忙しさで十分な説明ができませんでした。すみません。
- 大量のゴキブリがウジャウジャと登場する〔ゴキブリ軍団パニック+巨大昆虫パニック+カルト教団+政府の陰謀〕が交錯する欲張り映画,《ブラック・ビートル》について。映画としての素材は悪くないし,手間も金もかけて作られているのですが,最後のクライマックスがお笑いになっちゃった。
- 現在,8月29日の午前6時6分ですが,アクセスカウンタが2,499,981です。6時半頃,250万アクセスかな?
2006/08/28
- 先週金曜日は札幌市の東苗穂病院で講演でした。病院の多くの職員の方と,周辺の先生方(一番遠くは片道3時間という町から見えられたそうです)30人ほどが参加され,会場はほぼ満員状態でした。講演後の質疑応答も非常に活発でした。お集まりいただき,ありがとうございました。
講演後は病院の先生方とキリンビール園でジンギスカンとビールで宴会。考えてみたら,45歳を過ぎてからこれほど大量のお肉を食べたのはひさしぶりです。もちろん,どのお肉も美味でした。これだから北海道の講演,大好きです。そしてその後,数人の先生方とさらにお寿司屋さんへ。遅くまでおつき合いいただき,ありがとうございました。
- 日曜日の昼のNHKニュースを見ていたら,「献血の血液の中に,採血時に細菌が混入することがあるため,今後は,採血開始直後の血液は使用しないことになりそう」というニュースが流れていました。どうも,輸血に使用した血液中に黄色ブドウ球菌が含まれていて,それで死亡例があったことを受け止めての対処のようです。
もちろん,採血する場合には皮膚は消毒薬でしっかりと消毒してから採血しているわけですから,消毒薬による皮膚の消毒は万全ではない,ということでしょう。このような採血時の細菌混入を100%防ごうと思ったら,採血する部位の皮膚を切開して,脂肪層から血管を刺せば皮膚常在菌の混入はなくなりますが,それでは献血をする人はいなくなります。逆に言えば,皮膚を消毒してから採血する方法を採る限り,細菌混入の危険性はゼロにならないということなのでしょう。そしてそれをゼロにしようと思ったら,皮膚をはぎ取ってから採血するとか,皮膚を切ってから採血するか,いずれかしか方法はなく,どちらも非現実的です。
感染制御とは要はバランスの問題でしょう。
- 一見すると,老刑事が執念で犯人を追い詰めるように思われる映画,《プレッジ》について。基本的にはいい映画なんですが・・・。
2006/08/25
- 今日はこれから松本駅を出発して名古屋に向かい,中部国際空港から札幌に向かい,17:30から東苗穂病院で講演です。北海道では半年ぶりの講演となります。
- クマムシである。くまぇりではない。苦蝮でもなければ,熊蒸しでもない。もちろん,熊殺しでもない。クマムシである。今,クマムシが熱い!
クマムシとは何か。体長1ミリ足らずの生物だが,これが地球上最強の生物なのである。何しろ,150℃にしても零下270℃にしても死なない。真空状態においても高圧状態においても死なない。人間の致死量の1000倍くらいの放射線を浴びせても死なない。120年間水なし状態でも死なない。そんなスーパー生物,それがクマムシだ。
以前から気になっていた生物だが,ついに本が出版された。『クマムシ?! 小さな怪物』(岩波書店)である。これはやはり,買わずばなるまい。
なお,上記の岩波書店のサイトでは,クマムシが歩く様子を見せてくれる。これがなんとも可愛いのである。
2006/08/24
- 「助産雑誌」9月号に投稿論文『外傷の湿潤療法』が掲載されました。
- 太陽系の惑星に関する議論が深まっています。カロンなどを加えて12個に,という先週までの論調から一転して,8月23日現在では,冥王星を惑星からはずして8個にする,という考えの方が優勢とのことです。
今後,この問題がどう決着するかは不明ですが,私は「惑星群から冥王星をはずす」でいいと思っています。理由は,冥王星を惑星として考える根拠が非常に希薄だからです。軌道は大きく傾いているし,海王星より内側を回ったりするし,サイズは月より小さいし,「内惑星(地球や火星)は固体,外惑星(土星から海王星まで)は気体」という法則から外れている・・・と,他の惑星と違いすぎているからです。
最終的には「惑星とは何か」という定義を作ることで決着するでしょうが,観測精度が上がれば従来は見えなかったものが見えてくるわけで,その結果として「やはり冥王星を惑星に入れたのはおかしかったんだよ」となるのは科学としては極めて自然な姿ではないかと思います。
というような,単純に科学的な議論で決着をつければいいのに,「アメリカ人が発見した唯一の惑星をはずすなんて許せない」とかいう反論が,アメリカで上がっているとか。馬鹿だね~。
- 8月30日締め切りの依頼原稿が一つ,8月31日締め切りの原稿が一つ,まだどちらも手つかずで残っています。果たして間に合うでしょうか?
2006/08/23
- 絆創膏まけ(絆創膏かぶれ)で苦労なさっている方も多いと思いますが,うちの外来では皮膚が弱くて絆創膏を張るのがためらわれる患者さんには,冷湿布を幅1センチくらいに細く切って,それを絆創膏替わりに使っています。もちろん,湿布薬でも駄目な人は駄目ですが,少なくとも,通常の絆創膏よりはかなり皮膚損傷が少ないです。
- 正統派ホラー映画,《蝋人形の館》について。気合を入れて作られていて,なかなか面白いです。
ちなみに,お騒がせアホ・セレブとして有名なパリス・ヒルトンも出演しています。彼女,演技は下手ですが,なぜか途中のストリップシーンだけはお上手です。「親が金持ちなら,どんな馬鹿でもセレブって呼ぶの?」という根本的疑問を抱かせるいいキャラのお姉ちゃんですね。
2006/08/22
- 昨日から青森県の石川先生が見学に見えられています。なぜか,ピアノの話で盛り上がったりしています。
- 最近,飲み会で受けた話。
- 「先生,今度の演奏会で私自身が作曲した曲を弾きたいんですが,よろしいでしょうか?」
- 「その曲は以前,弾いている人がいるかね?」
- 「いいえ,いません。私が先週完成させた曲だからです。誰もまだ弾いていない新しい曲です。」
- 「他の人が弾いていない曲なんて,エビデンスがないじゃないか。エビデンスがない曲を演奏することは許されない。」
- 「このお酒,うまいでしょう? 誰も知らない酒なんですよ。でもうまいんですよ。先生,どうですか? この味わい,先生ならどう表現なさるでしょうか?」
- 「この酒の味わいかね? 以前のこの酒についての評価はどうなのかね?」
- 「評価ですか? 探してみましたが見つかりません。だからこそ,まぼろしの酒なんですよ。でもこの味わい,銘酒に負けていないと思いますが,いかがでしょうか?」
- 「以前の鑑定家の評価がないのか? それじゃ駄目だな。この酒がうまいかどうかを評価するためには,昔の鑑定家の評価が必要だよ。エビデンスがないじゃないか。」
もちろんこれ,ジョークですよ。「EBMに基づいた治療ガイドライン」なんてお馬鹿本(このタイトルがなぜお馬鹿なのか,ご存知ですよね?)と同様,ジョークですよ。
2006/08/21
- 「湿潤治療の講演を行っている医師」に,木村 敦先生(岐阜県瑞穂市,みずほクリニック)も加わっていただきました。ありがとうございます。
- 先週土曜日(19日)は長崎県保険医協会で講演でした。会場には150人ほどの方が参加され,質疑応答も活発でした。参加された方々に感謝いたします。
講演後は二人の先生と夕食。ここでもいろいろな話をさせていただきました。かなり熱く議論する場面もあり,私にとっても有意義でした。遅くまでお付き合いいただき,ありがとうございました。
- 「もっともっと,クズ映画を紹介してほしい」というごく一部のファンの方からの声援に応えるべく,悲惨なほどくだらないクズ映画,《キラー・アイ ~悪魔の巨大眼球モンスター~》を紹介しちゃいましょう。突拍子もない設定,無茶苦茶すぎる展開,しょぼ過ぎるモンスター,意味がない裸シーン,とってつけたような無理やりな結末・・・という,クズ映画に必須のあらゆる要素を満遍なく備えています。クズ映画ファン必見でしょう。
- このような端にも棒にも引っかからない映画とともに,まともなDVDも見たりします。最近,集中的に見ているのが《人間は何を食べてきたか》全8巻です(現在,第2巻の途中まで見ています)。これは,1985年から1994年にかけてNHK 教育テレビで放送されたドキュメンタリーをまとめたものですが,毎回,一つの基本的食べ物(食材)に焦点を当て,その歴史的変遷を遡り,より根源に迫ろうとする力作です。
「肉」を取り上げる第1回では,ドイツにおいて肉は,他に食べる物がない冬の時期に命を繋ぐための飢餓食であり,血の一滴も無駄にしない解体の様子と,それを最大限に活用したハム,ソーセージ作りの様子が克明に記録されています。豚を解体する姿からは,豚は神からの贈り物だ,という祈りのようなものが感じられます。また,来る日も来る日も,同じものを食べ続ける質素な食事風景は恐らく,数千年前から変わっていないものかもしれません。
2006/08/19
- 今日はこれから松本を発ち,名古屋の中部国際空港経由で長崎空港に向かい,16:00から長崎県保険医協会で講演です。3週間ぶりの講演となりますが,なんだか「久々」という感じです。
問題は台風10号です。これを書いている時点でようやく福岡県を抜け,会場に出た模様です。
2006/08/18
- 現在読んでいるのが,『地中生命の驚異―秘められた自然誌―』(デヴィッド・W. ウォルフ,日経BP)です。地中の微生物を中心とした共生関係,地中数千メートルの岩石中に見出された生命圏,植物の生存を支える菌ネットワーク,プレーリードッグをベースにした生命連鎖の見事さ(しかし19世紀以降のアメリカではプレーリードッグを農業の大敵として徹底的に大量駆除したため,この生態系は危機に瀕しているらしい)などが描かれている。
大体は以前から知っている内容だったが,古細菌が従来から知られている原核生物とも原生動物とも違い,植物や動物とも違っている完全に独立した生物界であることを証明したカール・ウーズを紹介した章は圧倒的だった。彼はもともと物理学を学び,他の生物学の研究者とはほとんど交流がなかったため,それまで誰も考えなかった「生物間でリボソームRNAの配列を比較し,それぞれの相互関係を探る」という研究手法を思いついた。もちろん現在では,生命進化や分類では欠かせない手法となっているが,当時は「生物学を知らない物理屋が何を言っている」と無視され続けていたのだ。
とんでもない発想と技法は専門家からは生まれにくいこと,専門家であればあるほどその分野の変化についていけないこと,変化があっても認めたがらないことがよく描かれていた。
2006/08/17
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,愛知県名古屋市の中部ろうさい病院 形成外科 加藤友紀先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 上記の加藤先生が,患者さんへの説明動画を作られ,日東メディカルのサイトでダウンロードできるようになっています。患者さんへの説明用にご利用下さい。
- 「弁慶の泣き所には泣かされます」を追加。この部分の外傷は,見た目以上に深部損傷がひどく,それを見逃すと血腫形成から遅発性に創感染を起こすことが少なくありません。
- 隔月刊誌「タベダス」2006年8月号で【ラップ療法は誰のものか!?】という特集が組まれていました。当事者(患者・家族介護者)の立場から見た褥瘡治療,という視点でまとめられていて,「ラップ療法は当事者のものだ!」と結論付け,この治療への全面的支持を表明しています。素晴らしい雑誌です。
なお,同誌は上記サイトから購入できるようです。
2006/08/16
- 9月2日の東海大学整形外科同門会での講演ですが,どなたでも参加できるそうです。ご興味をお持ちの方はどうぞご参加下さい。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,香川県さぬき市のさぬき市民病院 外科 藤原理朗先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 格好いい映画のつもりで作ったんだろうけど,ツッコミどころ満載でギャグ映画としか思えない《トランスポーター》について。細かく見ていくと,いくらでも矛盾点,無茶な点が見つかるという,それはそれは楽しい映画です。
2006/08/15
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,兵庫県洲本市の松島医院 松島 進先生,神奈川県川崎市のおばた小児クリニック 小幡俊彦先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
2006/08/11
- 松本市内に無料配布されている「市民タイムス」に,『湿潤療法で傷治す』という取材記事が掲載されました。
- 執筆中の「救急外来のための外傷治療マニュアル」(仮題)ですが,昨日から「弁慶の泣き所の裂挫創は要注意」という項目に着手しました。この部位は見た目より深部の損傷がひどく,大したことがないと思って縫合するととんでもない目に遭います。なぜそういう事態になるのかを実例を挙げて説明し,トラブル防止策について書いてみようと思っています。
- どうやら,Johnson & Johnson の「バンドエイド クイックヘルプ」が販売終了になるみたいです。唯一の市販されているアルギン酸塩被覆材なんで,ちょっと残念。同社の「バンドエイド キズパワーパッド」は快進撃を続けているようなので,販売の仕方の問題なんじゃないでしょうか?
- 映画,《ビヨンド・ザ・リミット》 について。鬼畜系というか,犯罪スレスレの拷問・虐殺・残虐映画です。スプラッターだろうがホラーだろうが笑って見ている私でも,見るのが苦痛な映画でした。ちなみに映画監督はドイツの若手ですが,彼の映画はどれもこれも,上映中止になっているようです。そりゃ,当たり前だろうな,という感じですね。
ところが,画像そのものは感動的に美しいのです。特に,最後の地獄のシーンは想像力の限りを尽くしていて,残虐の極みでありながら,極限的な凄絶な美を生み出しています。これだけは見る価値があります。
おまけに,格闘シーンがこれまた素晴らしいです。下手なカンフー映画を凌ぐ迫力です。
要するに,並はずれた映像的センスを持っている犯罪者予備軍が作った映画,といったところでしょうか。
2006/08/10
- 講演会関連情報を更新しました。
- 9月15日の小樽での講演会の会場,問い合わせ先情報を追加しました。
- 9月29日の成城内科での講演会の会場の情報を追加しました。
- 10月13日の盛岡市医師会での講演会の問い合わせ先情報を追加しました。
2006/08/09
- いつものように,熱湯による足背熱傷の患者さんが受診されました。とても痛がっていらっしゃいます。自宅で20分以上水道で冷やし続けたそうですが,冷やすのを止めると痛みがぶり返したそうです。
で,いつものようにプラスチベースを薄く塗った食品包装用ラップで覆ってあげたら,その瞬間,痛みが和らぎ,とても感謝されました。ま,この治療をやっている先生方には日常茶飯事の,特に珍しい光景ではないと思いますが,これが当たり前です。
これまでも何度も書きましたが,熱傷で痛いというのはおかしいです。痛い思いをしている火傷の患者さんはどんどん主治医に文句を言いましょう。先生の治療はおかしくありませんか,と,私は痛くない治療を希望する,と・・・。
- ある大学の微生物学の教授から,「とても興味深いサイトですが,ヨードホル(イソジンなど)とヨードホルムを混同して書いてある部分があります。修正が必要です」というご指摘をいただきました。
そういうわけで,泥縄的にヨードホルム(トリハロメタンの一種)について勉強しています。いずれ,「ヨードホルム・ガーゼ」の項目を修正しようと思っていますが,少々,お待ち下さい。
このような,間違いのご指摘,非常に助かりますし,ありがたいです。
- デブお姉ちゃんが相撲をする映画,《恋はハッケヨイ!》について。基本的には夫婦愛をうたった映画ですが,相撲のことも日本のことも全く知らずに,そのあたりを超テキトーに作っています。でもって,熱血路線を狙っていたりします。要するに,基本路線が間違っている映画としか思えません。
2006/08/08
- 10月21日に兵庫県淡路島の淡路労災保険部会で講演することが決まりました。
- 10月20日の島根県立中央病院での講演の詳細,参加問い合わせ先が決まりましたので,情報を追加しました。
- 昨日より,大阪の村井先生が見学に見えられています。
2006/08/07
- 常に,「医学とは無関係の科学書」を読むようにしていますが,今回見つけたのは『宇宙がわかる17の方程式 -現代物理学入門-』(サンダー・バイス,青土社)です。ニュートンの運動方程式と万有引力の法則から始まり,ローレンツ力,マックスウェル方程式,ボルツマン方程式(気体分子運動),ナヴィエ・ストークス方程式(流体力学)などから超ひも理論までの宇宙の基本的物理現象を説明する方程式を網羅した本。これを読んだからといってこれらが理解できるとは思えませんが,頭がこれ以上固くしないための予防効果くらいはあるでしょう。
この本と一緒に見つけたのが『驚異の微生物 -からだの中の不思議な住人たち-』という本。薄い本ですがDVD付きで3,000円と衝動買いするにはちょっとためらう値段でした。
内容は皮膚常在菌,呼吸器常在菌,腸内常在菌の世界を説明したもので,豊富な顕微鏡写真で非常に判りやすく説明してあります。文字は少ないし,ひらがなが多く難しい漢字にはフリガナも振ってあったので小中学生辺りを狙った本なのでしょうか?
内容は知っていることばかりでしたが,DVDの内容が気になります。皮膚常在菌などのきれいな写真や動画があったら買ってもいいのですが・・・。ご覧になった方がいらっしゃったら,是非,ご一報下さい。
- 一頭の馬とそれをめぐる人間たちの復活の映画《シービスケット》について。途中から涙をこらえるのが難しくなり,最後のレースのシーンではついに泣きました。素晴らしい感動作です。
- テレビを見ていたら「手についたバイキンをしっかり除去」という手洗い石鹸のコマーシャルが流れていました。でも,これっておかしくないですか? 手についているのはバイキン(病原菌)でしょうか?
もちろん,手には病原菌が付いているかもしれません。しかし,手についている細菌の圧倒的・絶対多数は皮膚常在菌であって,病原菌は通過菌に過ぎません。要するにこれは「手についている細菌はバイキン(=病原菌)だけ。手についたバイキンをそのままにすると病気になってしまう」という「常識」からきたものです。しかしこれは,19世紀的常識,パスツール的な常識であって,現在の生物学では否定されています。
多分,この「手のバイキン」の考えの延長線上にあるのが,「手術前には徹底的に手洗い,ブラッシングをして手のバイキンを除去しよう」という考えでしょう。要するに,言い伝え,伝承の類です。だから,術前の手洗いの是非については,CDCガイドラインも出るたびに混乱してきたのでしょう。迷信の基づいて研究するから,当たり前です。
- 長野県に住民票を移して3年半になりますが,今回の長野県知事選挙で初めて選挙権を行使しました。もちろん,田中康夫候補に一票を投じるためです。しかし残念ながら,今回は落選のようです(6日,夜10時現在)。
私が行動者としての田中康夫に注目したのは,阪神大震災のボランティア活動のときからです。あの時彼は,被災者の目線に立った実にユニークな援助活動を考案し,その先頭に立っていました。当時,私は雑誌「噂の真相」を定期購入していましたが,この雑誌の彼のコーナー(「ペログリ日記」)には,彼が何を見て,どう考え,どう行動したかが詳細に書かれていました。免許取得から長らくペーパードライバーだった彼が,物を運ぶために原付バイクを知人から借りて乗る練習をし,それで物資を運んだという話が載っていました。そこで彼が運んだものがこれまたユニークで,実に役立ったそうです。こんなに柔軟な考えができる人がいるんだと,感動した覚えがあります。田中さんに対する私の評価はこのときに決まり,それ以後,揺らいでいません。
3年ほど前,長野新幹線「あさま」で田中知事と同じ車両に乗り合わせたことがあります。長野駅に降り立ったとき,軽く会釈するのが精一杯でした。今それを懐かしく思い出しています。
2006/08/04
- 久々に「実際の治療例」を更新です。 創外固定ピン感染にZNCを使用した症例,尾道市立市民病院の木浪先生からの投稿です。創外固定器に限らず,ワイヤーやカテーテル刺入部感染症例に応用できそうです。
この症例から,従来「創感染・術後創感染」とされてきたものにはさまざまな原因のものが混在していて,それらが一緒くたに「術後創感染」とまとめられていたことが判ります。原因も病態も違っているものを「術後創感染」という一つのカテゴリーで捉え,対策をとっているのが現在の医学です。だから,術後創感染の対策はどれもこれも,焦点がぼやけた総花的なものになってしまい,それをいくら厳密に実践したとしても,創感染はほとんど減らないはずです。これはCDCの「SSI対策」の指針でも同様です。
術後創感染(SSI)対策には次のような思考が必要なはずです。
- 感染起炎菌は内因菌なのか,外来菌なのか
- 感染起炎菌はいったいどこから来るのか
- 環境(病室,手術室)からか
- 医師・看護師の手などからか
- 血行性(菌血症)
- 術後創感染にはどのようなパターンがあるのか
- 感染起炎菌はどこで増殖したのか
たとえば,感染起炎菌が内因菌(常在菌)の場合,予防対策としての「環境の清浄化,医師・看護師の手洗い励行,清潔操作の徹底」をしても意味がないし,壊死先行型・創離開先行型の場合には手術操作を徹底的に見直すことから始めなければ術後創感染は減りません。
2006/08/03
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,東京都小笠原村の小笠原村診療所 堀家英之先生,そして愛知県犬山市の犬山中央病院 整形外科 柴田康一先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 大感動映画なのか,大茶番劇映画なのかちょっと微妙な作品,《キャスト・アウェイ》について。ちなみに,主演:トム・ハンクス,監督:ロバート・ゼメキスという「フォレスト・ガンプ」コンビの作品です。
2006/08/02
- 大阪臨床整形外科医会会報第32号に投稿文,『新しい創傷治療』が掲載されました。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,静岡市の静岡徳洲会病院 外科 高坂佳宏,河内順先生,そして大分市の坂本整形形成外科 坂本善二先生にもご参加いただきました。感謝します。
- ジャズ・ピアニストの名手ミシェル・カミーロ(Michel Camillo)とフラメンコギターの巨匠トマティート (Tomatito)のジョイントCDといえば『Spain』というCDがありますが,たまたま立ち寄ったCDショップで『Spain Again』というCDを見つけ,迷わず購入! 前作同様,情念あふれる熱い演奏が繰り広げられていて,とても楽しめました。この方面の音楽が好きで,まだこのCDをご存じない方にはお勧めです。
2006/08/01
- 10月7日(土)に慶応義塾大学病院で講演することが決まりました。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,神奈川県川崎市の片倉病院 副院長 光野貫一先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 『人体 失敗の進化史』(遠藤英紀,光文社新書)について。これもなかなか面白かったです。人間を見ているだけでは気がつかない,さまざまな人体の問題を進化論的な視点から取り上げています。
- マルホ整形外科セミナー 第177集に『創処置の最前線』が掲載されました。