「症例相談」についてのメールを幾つかいただきました。感謝いたします。
小児科医です。最近鉄欠乏症がマイブームです。
ご提示の症例うまくいくかどうかわかりませんが、私なら以下のようにします。
セファレキシン(ケフレックス) 50mg/kg で内服(大人だどそんな量無理かもしれません、1500㎎分3でもいいと思います。
同じかもしれませんがズイコウ ODT包帯がムレにくいようです。痒ければリンデロンV軟膏を塗った上でズイコウ ODT包帯で被覆、できれば3日は交換しながら、被覆し続けてください(リンデロンV軟膏は主剤が日光過敏を呈しにくいように考えられるのと添加物が流動パラフィン、白色ワセリンのみなので接触性皮膚炎を起こしにくいと考えています。)
採血はしてみてください
男性は少ないかもしれませんが鉄欠乏状態では湿疹が治りにくい印象を持っています。
末血一般、アルブミン、BUN、ALPを含んだ一般採血
鉄、フェリチン、Mg、葉酸をチェックしてみてください。
フェリチンが50以下なら
フェルムカプセル100㎎ 分1 夕食直後を2-3ヶ月投与して再検してください
パラダイムシフト好きの外科医です。
今朝の手背の皮膚炎の症例ですが、私もブログで度々ふれていますが、慢性上咽頭感染と鉄不足の評価、及び治療はやってみる価値はあると思いました。
喫煙をしていれば、禁煙を指導します。もちろん石鹸は中止してもらいます。
アトピー性皮膚炎は、何か全身の問題があり、皮膚に反映されているのではないかと思っています。
- ズイコウパッドまたはプラスモイストを貼る。
- 徹底的に糖質制限する。
- 界面活性剤の使用を中止する。
以上を粘り強くする。
と湿潤療法をしている医師であれば誰でも思いつく事しか、思い浮かびません。
当院にも、たまに同様の患者さんが受診されます。徐々に良くなってくるのですが、完治するところまで通院された患者さんはおられません。おそらく、思いのほか時間がかかるので、他院へ行ったのだと思います。
今日の症例ですが、ステロイド外用期間はどれくらいなのでしょうか。長期間使用、あるいは離脱によるステロイド皮膚障害の可能性はどうでしょうか。そうであれば、常在菌感染による浸出液漏出が考えられます。
因みに、佐藤健二先生らは抗菌薬投与、10%亜鉛華単軟膏の頓用使用等による健常皮膚の再生を待つ方法を提唱されています。
また、もし組織浮腫を生じる薬剤使用がなされていれば休止も考慮するべきと思います。
自件例でも各種創傷被覆材の使用はかえって増悪をもたらすことがありました。
使用する場合は、粘着性のある被覆材は避け浸出液を吸い取って皮膚表面が少しさらっとしたら除去するように指導しています。たいてい30分から1時間位で湧いてくる液が落ち着くようです。
今朝のアトピー症例について。当院でもしばしば同様の症状を経験しますが、漢方薬TJ-28越婢加朮湯、TJ-15黄連解毒湯が奏功する場合があります。
TJ-28は麻黄、石膏、蒼朮、甘草、大棗、生姜で構成されますが、麻黄+石膏が浸出液を引き込む作用があり、蒼朮が加わることで腫脹も減らすのでジュクジュク湿疹や発赤のある関節炎などに使用されます。甘草+大棗+生姜は麻黄の副作用を軽減する配合です。
TJ-15は黄連、黄ごん、黄柏、山梔子で構成され、どれも熱を鎮め乾燥させる効能があるので上記同様発赤があり浸出液のある皮膚症状に頻用されます。しかしながらとても苦いので患者さんへのフォローが必要です。逆にこの薬が苦もなく飲める場合は、病態に合っていると考えます。
漢方薬はインスタントコーヒーのように加工されているので、通常は熱湯にといて飲むよう指導しますが、本例のように熱がこもる病態では熱湯は逆効果になりかねませんので、一旦湯に溶いてから氷などで冷やして服用する方がいいかも知れません。下痢軟便傾向やそもそも冷えがある場合は常温で。面倒ですが。
また、グルテンフリー・カゼインフリーも速効を示す場合があるので乳製品やパンを常食しているようであれば中止してもらうのも効果的かも知れませんね。少しでもこの患者さんの治療の助けになれば幸いです。
私もアトピーで散々苦しみ、入院するほどの重症でしたが、糖質制限で95%くらい改善しました。
浸出液、辛いですよね。私も全身から浸出液が噴き出していた時期があり、辛さをお察しします。
浸出液対策でよかったのは、亜鉛華軟膏(サトウザルベ)です。リント布に厚く塗って、湿布し、包帯で巻きました。リント布の代わりに、サランラップでも良いかもしれません。
軟膏を分厚く塗るのがポイントかと思います。
ベタベタしますが、落とすときはオリーブオイルでゆるめて拭き取っていました。
もう一つ効果があったのは酸性水です。私の場合、酸性水をスプレーすると楽になりました。
18歳アトピー患者様の件ですが、それこそ糖質制限されてはいかがですか?
ケガしている時に糖質とったら化膿しやすく治りが遅いのは自明
湿潤療法はケガに対するアプローチ、翻ってケガがなければ不必要、しかし糖質制限は良く生きる上で必要
外傷、疾病問わず、基本は糖質制限かと思います
娘の治療体験がお役に立てないかと思いメールを送ります。
添付写真の状態で昨年11月6日に個人クリニックを受診。
長崎県佐世保市の麻生胃腸科外科医院麻生大輔先生に診ていただきました。
そこで教えて頂いたのがラップにステロイド軟膏を薄く塗り、患部に巻く方法です。一日数回ラップを交換しながら抗生剤とアレルギー薬を内服。
滲出液が治まったらラップにワセリン塗布に変更。
その後状態が落ち着いてからはワセリンワックスを続けています。
同時にお菓子や主食を極力控えさせました。今はプチ糖質制限くらいです。
外出時は長袖を着せて日焼け予防をしています。
2015年11月6日 |
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2016年4月12日 |
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写真を拝見する限り、漢方薬の消風散の適応ではないでしょうか。痂皮を伴うほどかゆみが強く浸出液を伴う慢性湿疹が投薬目標です
この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new_2016-05.htm#0521-2