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2007/05/31
- 今週見学にいらっしゃった福島先生も,シャンプーを止めて水洗いだけにしているそうですが,「シャンプーをやめてから抜け毛が減り,風呂が詰まらなくなった」とおっしゃられていました。私も同じで,痒みやフケがなくなり,抜け毛も減ったという印象を持っています。
「頭皮はアブラで汚れていて,それがフケや痒みの原因だ。だから,シャンプーでアブラを落とさなければいけない」というのは多分,嘘です。
- 韓国で大ヒット怪獣映画,という割にはつまらなかった《グエムル-漢江の怪物-》について。
2007/05/30
- 「傷の治療センターでの創感染例」を更新。316例中17例に創感染が認められました。1例は絆創膏まけから膿痂疹が発生した幼児,もう1例は手背の皮膚欠損で治療中に発熱があった症例です。
2007/05/29
- 「これだけは知っておきたい小児ケア Q & A」(総合医学社,\3,800)に『外傷について教えてください』が掲載されました。
- 先日,日本褥瘡学会九州地方会が開かれたそうです。その中で,某大学の先生が次のように発言されたそうです。
ラップ療法をするのはよいが,他にいい被覆材や外用剤などいわゆる医療材料があるなかで,わざわざラップを使うことはモラル的にどうなのか。そんな治療ならニセ医者,ニセ看護師にでもできるのではないか。
この形成外科の先生,どなたか存じ上げませんが,みごとに物事の本質を見抜いていらっしゃいます。ただ惜しむらくは,自分が本質を見抜いていることに気がついていないようですが・・・。
「そんな治療ならニセ医者,ニセ看護師にでもできるのではないか」というのはまさしくその通りです。それどころか,少なくとも赤色期に入ってしまえば,ド素人ですら治療(処置)できるのが褥瘡です。
この形成外科の先生に教えてあげたいです。「褥瘡治療なんて(高機能マットレスさえあれば)素人でもできるものです。何も先生のような形成外科の専門医がお手を汚して治療してくださらなくて勝手に治るのです。褥瘡は<治す>ものではなく<治る>ものです」と・・・。
たかが褥瘡ごときに一生懸命になる必要もないような気がします。
「他にいい被覆材や外用剤などいわゆる医療材料があるなかで,わざわざラップを使うことはモラル的にどうなのか」についてですが,日本中の褥瘡患者さんに被覆材を使用するのに,どれだけ莫大な医療費が必要でしょうか。日本中の褥瘡患者さんに例えばポリウレタンフォーム・ドレッシングを2週間使用するとしたら,どれだけになるでしょうか。皆さんも是非計算してみてください。
2007/05/28
- 「いろんな質問,いただいてます」を更新。「脳外科手術後の創離開⇒難治性潰瘍の治療」と「アズノール軟膏について」です。
- 若きプロファイラーたちが次々と犠牲になる傑作スリラー映画,《マインドハンター》について。これは面白かったよ。
- 本日より明日まで,スズキ病院(東京都)の福島先生が見学にいらっしゃいます。
2007/05/25
- 9月23日(日)に臨床獣医学フォーラムで講演することが決まりました。会場はホテルニューオータニです。
- 雑誌『ちいさい・おおきい・つよい・よわい』から原稿依頼をいただき,あわせて見本誌として同誌の第57号が送られてきました。そのなかの「要注意! 野菜ジュース,サプリメントの不健康な話」という文章はちょっと考えさせる内容でした。
まず,野菜ジュースの原料の多くは輸入野菜で,輸送距離が長く,そのため,収穫してから飲まれるまでに日数がかかり,この間に栄養価が低下しています。また,輸入野菜では既にカットされたり冷凍になった状態で輸入されるものもあり,さらに栄養価は下がります。さらに,ポストハーベスト農薬がどれほど使われているか,という問題もあります。自分で野菜を食べるなら,その前に洗えば少なくとも表面についている農薬は落とせる可能性がありますが,ジュースとなってしまうとそれも不可能で,農薬も一緒に飲むしかありません。
「栄養価が下がっているなら,サプリメントでビタミンを取ればいいんじゃないの?」とお考えの人もいると思いますが,サプリメントに含まれるビタミンや栄養素には「天然」「天然型」「合成」の3つがあり,同じものではありません。つまり,果物に含まれるビタミンCとサプリメントや野菜ジュースに添加されたビタミンCは化学的には別物です。合成ビタミンは化学的に活性が高く,さまざまな物質と反応して新しい化合物になりやすいのだそうです。
もちろん,他の資料などとつき合わせて内容を検証する必要はありますが,感覚的には,「手軽に栄養補給ばかりしていると,どこかでしっぺ返しが来ても不思議がないかな」と感じています。
2007/05/24
- 俗悪悪趣味系のホラー映画,《マーダー・ライド・ショー》について。
- 『人体常在菌 共生と病原菌排除能』(牛島 彊,医薬ジャーナル)という本を読んでいます。主に腸内常在菌について詳しく説明している教科書ですが,皮膚常在菌の部分も非常に面白いです。
毛嚢から分泌される皮脂をPropionibacterium属菌が分解してオレイン酸,パルミチン酸,ステアリン酸などを作り,それらを栄養源とする P.acnes,S. epidermides,P. ovale などがいてニコチン酸やプロピオン酸を産生し,さらにそれらを栄養源とする細菌群がいて・・・という,相互補完的な生態系を作っています。これらの酸は pH 5.0~5.5と弱酸性であり,上記の細菌群はこの酸性環境で増殖が促進されますが(これより中性に傾くと増殖が抑制される),逆に S. aureus などは増殖が抑制されます。 S. aureus は pH 6.8前後でないと生きていけないからです。
しかし,傷ができると創面から浸出液( pH 7.0前後)が出てくるため,創面の pH は6.8前後となり, Propionibabacterium 属や S. epidermides の増殖が抑制され,一方, S. aureus などの病原性を持つ細菌だけが増殖します。 Propionibacterium が栄養とする酸性物質が滲出液で薄まり,栄養が取れなくなるから当たり前です。
このような理由で,傷口には必ず黄色ブドウ球菌が登場します。抗生物質を投与すればMRSAが出ます。きわめて当然の自然現象であり,病的でもありません。アトピー性皮膚炎の局面に黄色ブドウ球菌(MRSA)が登場するのも当たり前,自然現象です。
このあたりのことを知らずに,院内感染を減らせとか,MRSAは怖いとか,そんな馬鹿な議論をしていても意味がありません。医者はまずこの本を読んでから皮膚難治性潰瘍とか褥瘡とかアトピー性皮膚炎について論じるべきでしょう。
2007/05/23
2007/05/22
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,岡山市の総合病院岡山市立市民病院 整形外科 木浪 陽先生に再登録していただきました。ありがとうございます。
- 主婦の友に原稿一編を送付。あと二つ書けば一応完成かな? それと平行して,さまざまなメールへの回答を書き,研修医を指導し,ホームページの更新をしています。さらに病院関連の宴会があったりします。
そのため,読んだ本の内容をまとめようと思っていても,時間が取れません。これをしないと本が捨てられないため,本が溜まっちゃうんですよ。どうやって時間を作ろうかなぁ。
2007/05/21
- 先週金曜日(18日)は千葉西総合病院での通算4回目となる講演。さすがに4度目となると話す方も「去年も同じ話をしたと思いますが,済みませんねぇ」という感じになってしまいます。終了後は昨年と同じ居酒屋さんで4人の先生方とちょっとお話。遅くまでお付き合いいただき,ありがとうございました。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,宮崎県延岡市の医療法人健寿会 黒木病院 柴田伸弘先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- かなりよくできた犯罪映画なんだけど,推理ものとしては致命的なミスを犯している映画,《ラスト・キングス》について。
- 最近読んだ本で超感動本2冊,【生物と無生物のあいだ】(福岡伸一,講談社現代新書),【時間はどこで生まれるのか】(橋本淳一郎,集英社新書)。どちらも新書としてはかなりハードな本ですが,内容の深さは圧倒的です。しかもこの二冊は全く無関係に書かれた本ですが,どちらも「時間と生命」という根源に異なったアプローチから迫っていて,偶然にしろ,呼応する内容となっているのが興味深いです。
- 講演に使用しているスライドファイルをバージョンアップしました(2007年5月18日バージョン)。とはいっても,新たに出版した本の情報を追加しただけの超マイナーバージョンアップです。以前,ダウンロードしたことがある方は同じアドレスから落とせますし,新たにご覧になりたい方は,本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
- 今日の松本市は,朝の最低気温が6℃,日中の予想最高気温が27℃と,20℃以上の気温差です。体に悪いです。
2007/05/18
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,岡山県津山市の津山中央病院 形成外科 奥山典秀先生,東京都板橋区の板橋中央総合病院 外科 岩田英之先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 今日は昼まで外来診療をして,それから千葉県に向かい,千葉西総合病院で講演です。同院での講演はこれで4度目となり,春の風物詩となりつつあります。春の季語みたいなものですね。
- ごみ溜めから拾ってきたようなゴミ映画,《プラネット・オブ・エイリアン》について。ここのところ,低レベル映画ばかり紹介しているような気がしますが,気にしないで下さい。
2007/05/17
- プラスモイストに滅菌包装の「プラスモイストW」が加わりました。どうしても滅菌でないと安心できない,という方はどうぞお使い下さい。
- 9月7日(金)に北海道苫小牧市で開かれる「第4回 日胆感染対策懇話会学術講演」で講演することが決まりました。
- 【ドクター夏井の外傷治療「裏」マニュアル すぐに役立つHints & Tips】(三輪書店,\2,600)ですが,表紙はこんな感じです。
2007/05/16
2007/05/15
- 拙書【ドクター夏井の外傷治療「裏」マニュアル すぐに役立つHints & Tips】(三輪書店,\2,600)が出版されました。今週中には書店店頭に並ぶはずですので,暇な人は立ち読みでもしてください。
それにしても,「松本市の佐藤さんが作った野沢菜です」みたいなタイトルですね。
- 11月2日(金)に岐阜県獣医師会中濃支部研修会で講演することが決まりました。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,京都市中京区の中村皮ふ科医院 中村えり子先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
2007/05/14
- 講演に使用しているスライドファイルですが,バージョンアップしました(2007年5月11日バージョン)。主な修正点は以下の通りです。
- 治療症例を入れ替え
- プラスモイストV治療例を入れ替え
- 皮膚常在菌の説明の部分を大幅に修正
皮膚常在菌の部分は「傷口が黄色ブドウ球菌のコロニーになる理由」などを,より正確な説明としました。以前,ダウンロードしたことがある方は同じアドレスから落とせますし,新たにご覧になりたい方は,本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
- よくぞつけたり,大風呂敷系大嘘タイトル,と褒めたくなるクズ映画,《合衆国沈没》について。どこが合衆国だよ,どこが沈没だよ! あたしゃ,がっかりだよ!
- そういえば,代替エネルギーとしての世界的に使用が広まっているエタノール燃料ですが,どうもこれも裏事情があるらしいです。エタノールの原料となる植物を育てる肥料を作る段階で石油が必要だからです。
ちなみに,アメリカが推進する「トウモロコシから得られたエタノール」は燃焼によって得られるエネルギーと,トウモロコシを育ててそこからエタノールを作るのに要するエネルギーを比較すると,トントンか生産エネルギーの方が多いらしいです(サトウキビの場合は,〔生産に要するエネルギー〕より〔燃焼によって得られるエネルギー〕が多いらしいです)。つまり,石油を使ってトウモロコシを作ってエタノールを作るより,石油をそのまま使ったほうがより二酸化炭素増加にならないんだとか・・・。
このあたり,正確な数字がないと判断できませんが,ま,いかにもありそうな話です。実際,「トウモロコシからエタノール」にアメリカ政府が莫大な補助金を出しているのは事実ですし,「トウモロコシ業界」が強力なロビー活動をしていることも報道されている事実です。
要するに現状の「トウモロコシエタノール燃料」は,「アメリカはガソリン垂れ流し車生活を変えたくない」ために考え出された嘘っぱちじゃないか,ということなんですね。
このあたり,もうちょっと情報を集めて論じてみようと思います(・・・暇があれば・・・)。
2007/05/11
- 「いろんな質問,いただいてます」を更新。私の術後創感染の予防対策です。CDCのSSI対策よりよほど効果的・現実的な方法だと思いますが,いかがでしょうか。
- 「傷の治療センターでの創感染例」を更新。新たな感染例はなく,210例の治療終了例で感染は12例でした。
- 7月6日(金)に石川県立中央病院で講演することが決まりました。
- 7月21日の福岡での講演ですが,会場が福岡国際ホールに変更となりました。
2007/05/10
2007/05/09
2007/05/08
- 「傷の治療センターでの創感染例」を更新。新たに17例の治癒例が加わりましたが,5月2日以降の新たな感染例はありませんでした。191例12例の感染があり,感染率は6.3%です。
- 5月18日の千葉西総合病院での講演ですが,18:00開始となりました。
10月6日の「第6回日本クリニカルパス学会」での教育講演ですが,会場は札幌市のロイトン札幌です。
- 徳洲新聞,2007年5月7日号に【「消毒とガーゼ」に代わる最新の創傷治療】という講演の紹介記事が掲載されました。
- 見るのが苦痛なほどクダラナイ,オカルト系ヘビパニック映画《スネークトレイン》について。いくら巨大ヘビ映画が好きでも,これは見ないほうがいいよ。
2007/05/07
- これまで「外傷を湿潤治療している医師」に新潟県で登録していただいていた平塚雅英先生が,同じ新発田市内に平塚ファミリークリニックを開業なさったため,登録病院を変更しました。
- 「いろんな質問,いただいてます」を更新。被覆材がない場合の傷の治療,ポケット形成についてです。
- 連休後半もきっちり自宅で仕事をしていて,主婦の友社に原稿4編を送りました。もうちょっとで全ての原稿が完成します。
2007/05/06
- 複雑に張り巡らされた謎解き系サスペンス映画,《ヴァニッシング Rancid》について。ちょっと懲りすぎかな?
- 25年以上のパソコン使いで,ずっとDOS⇒Windowsマシンを使っています。以前の私ならOSが新しくなるたびに「早くパソコンを買い換えたいなぁ。パソコン,壊れないかなぁ」なんて思っていたものですが,今回のVistaはまだ使っていません。できれば,もうちょっとXPを使っていたいな,と思っています。
理由は面倒だから。OSをバージョンアップすると,周辺機器を動かすドライバも新しくしなければいけないのですが,それが面倒なんですね。おまけに日常的に使っているエディタがVistaで動くかどうか,かなり微妙なんですね。このエディタは5年位前のバージョンなんですが,フリーのマクロで最強のHTMLエディタにしてしまったため,これと同じ環境がVistaで再現できなければ意味がないんですよ。おまけにこのエディタの最新バージョンが使いにくいというか,現在私が使っているものより機能的に劣るんですよ。
もちろん,新しいエディタにしてカスタマイズに没頭すれば,同等のものになるのはわかっているのですが,手に馴染んだ道具と同じで,新しい道具に買い換えてもそれが手に馴染むまでの時間を考えると,すごく面倒なんですよ。第一,カスタマイズする時間がないし・・・。
というわけで,今使っているXPのVAIOが壊れないよう祈りながら使っているのでした。
やはり,歳をとったものよのぉ。
2007/05/05
- B級テイスト満載のモンスター・サバイバル映画なんだけど,とても面白かったの《ピッチブラック》について。
- というわけで50歳の大台に乗ってしまったわけですが,年寄りになって得なこともあるようです。私はJRでの移動が多いのですが,それにぴったりなのが「大人の休日倶楽部」です。かなり安く新幹線に乗れるようになるみたいです。よかった,年寄りになって(・・・ちょっと負け惜しみ)。
2007/05/04
- 「いろんな質問,いただいてます」を更新。ついでにフレーム化しました。
- タイトルを見ただけでパチモンだとばれてしまう映画,《ダ・ヴィンチ トレジャー》について。杜撰なプロット,下手な演技,超低予算,訳のわからない展開というクズ映画のすべての要素を備えた救いようない馬鹿映画。
- 実は今日,5月4日は不肖私の50回目の誕生日です。うわあ,50歳だよ。半世紀だよ。信長の時代なら「人生50年」で,もう立派な晩年だよ。私の父親の死んだ年齢まであと10年ちょっとだよ。どう見ても,死出へのカウントダウンが始まってるよ。
私が若かった頃,周りにいる50歳の人たちは大人としての風格が漂う人ばかりでした。自分もいつかはこういう「大人」になれるんだろうか,と思っていました。
で,その年齢に自分が達したわけですが,まさかこんなに落ち着きない50歳になるとはなぁ~。何しろ,毎週,モーニング,スペリオール,ビックコミックなどの漫画雑誌買ってるもんなぁ。まさか50歳になっても漫画雑誌を読んでいるとは思ってなかったな。
2007/05/03
2007/05/02
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,石川県輪島市の石川勤労者医療協会 輪島診療所 生方 彰先生にも御参加いただきました。ありがとうございます。
- 傑作サスペンス映画,《テープ》について。舞台はモーテルの一室のみ,登場人物は3人のみなのに,3人の研ぎ澄まされたような会話に最後まで高い緊張感を持続し,3人の人となりとこれまでの人生が見事に描写されます。
金もかかっていなければ,風光明媚なロケ地も使わず,有名俳優が登場するわけでなく,恐らく,かなりの低予算で作られたはずです。それでもこんな傑作が作れるというのが嬉しいです。
2007/05/01
- 「外傷を湿潤治療している医師」にこれまで鹿児島市で登録していただいていた池田先生が,同じ鹿児島市内の中江産婦人科に転勤となりました。また,広島県福山市で登録していただいていた八木正人先生が同じ市内の医療法人社団島谷病院に転勤となりました。
さらに,佐賀県唐津市の唐津市加唐島診療所 森園剛樹先生,栃木県小山市の小山整形外科内科クリニック 整形外科 笹原 潤先生にも新たに加わっていただきました。ありがとうございます。
- 「傷の治療センターでの創感染例」を更新。4月当初から134例中10例で創感染が発生しています。熱傷では17例中2例です。
- とてもよくできた映画,《ユージュアル・サスペクツ》について。最後の最後に大どんでん返しがあり,誰しもびっくりするでしょう。