2011/05/31
【12:40】【07:30】
- 【国会 菅首相、自民党などからの退陣要求に「責任放棄できない」と続投への意欲強調】
みんなが震災復興のために活動しているのに,国会方面だけはお仕事をしていません。こういう状況を見て,こちらも対抗策として(?)おバカな提案をします。このアイディア,悪くないと思うんだけどなぁ・・・。
- 国会議員は「震災・津波復興部」か「政局部」のどちらかに所属しなければいけない。
- 「政局部」はクラブ活動として好きなだけ政争と政権奪取ごっこをしていいが,政治には一切口を出してはいけない。あくまでも活動範囲は政局のみとする。また「政局部」には部費は出さない。
- 「震災・津波復興部」は超党派のクラブ活動であるが,震災からの復興のためのあらゆる権限を持つが,個々の議員はそれぞれ別個に復興のための政策を提案しなければいけない。
- 「震災・津波復興部」の部員は「◯月までにはこういう仕事を完成させる」と期限付きで政策を打ち出し,期限までに達成できれば特別報酬を出し,達成できなければ議員歳費没収とする。
【07:00】
- 【八百長再発防止策の研修会を実施 “老剣士”が講演】
また,相撲協会が無意味なことしてますね。何しろ,偉い人の話を聞かせて八百長防止ということはつまり,「正しいことをしろと教えれば力士は正しいことをする。八百長をするのが恥ずかしいことだと知らなかったから八百長に手を出したのだ」と考えているわけで,精神論で問題解決をしようとしているのです。これで済むなら,剣道の偉い人を呼んでくるまでもなく,力士全員に小学校の道徳の教科書でも配布して勉強会すればいいだけのことじゃないですか。これだから,世の中の人に「相撲協会って頭悪いんじゃないの?」って言われるんだよな。
なぜ八百長をするのかといえば,八百長をしたほうが実利があるからです。だから,八百長なんかしなくてもいいような報酬体系にするとか,番付による収入差を小さくするとか,そういう方向で工夫するのが普通だと思いますよ。
そして,ガチンコ相撲路線を本気で進めるなら,けが人が多くなるため年6場所・1場所15日は維持できなくなります。相撲協会が本気で「八百長許すまじ」とするなら,そこまで踏み込まなければならないはずです。「ガチンコ相撲だけにして,なおかつ年6場所制度を維持」なんて絵に描いた餅ですってば。
- 「外傷を湿潤治療している医師」,「熱傷を湿潤治療している医師」に,千葉市若葉区の小倉台クリニック/福田世一先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 宇部フロンティア大学の2011年度の入学試験国語試験問題に拙書『傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学』 (光文社新書)の一部から出題されました。
大学入試に使われるのはこれで4回目です。文章を書く仕事をしているものとして,ちょっと嬉しいです。
- 昨日は近江八幡市立総合医療センターの長田先生が見学にいらっしゃいました。いろいろな症例をお見せできてよかったです。
- 【アノマロカリスの巨大化石を発見】
古生物界の大スターといえばもちろん,カンブリア紀のアノマロカリスですが,なんと1メートルもの巨体の化石が見つかったそうです。これまで見つかっていた最大のものが60センチですからおよそ1.5倍です。しかも,カンブリア紀でなくオルドビス紀の地層から見つかっていて,従来のアノマロカリス像を大きく変えるかもしれない化石です。
- 【250km走るマラソン大会は,やはり楽しい】
山口県をぐるっと走って回る250kmの道を,一睡もせずに走り続け48時間以内にゴールするという過酷なマラソンに参加した人の感動記事です。走りながら意識が遠のいて転倒したり,半分眠りながらなおも走り続ける姿は本当にすごいです。そしてゴールした時の「長い走りだった。そして楽しかった」という感慨は,まさにこの250kmを自分の足で走り終えた者にしか言えない言葉でしょう。ちなみに,ゴール後のビールは世界一旨かったそうです。
- 【労働者が証言!iPad2工場の実態】
以前から数々の問題が報じられてきた中国の台湾系メーカー「富士康」ですが,まさに「現代版蟹工船・現代版女工哀史」状態です。「高機能で便利なのに値段が高くない」製品はユーザーに取っては福音ですが,そういう製品を大量に作るためには,どこかの誰かが無理をさせられ,ひずみを一手に押し付けられているはずです。そういうカラクリがよくわかる記事です。
- 【Wikileaks】
そういえば,暴露記事で一世を風靡したWikileaksですが,4月24日以来,1ヶ月以上更新がストップしています。風の噂では,余りに独善的で手柄を独占しないと気が済まないアサンジ代表に嫌気がさして,腹心の部下や技術担当者が次々と組織を離れ,サイト更新もままならない状態になったためで,まさにジリ貧状態らしいです。
2011/05/30
【06:30】
- 8月20日(土)に愛媛県で開催される第4回在宅医療連携セミナー in 新居浜で講演することが決まりました。
- 講演用のスライドをマイナーバージョンアップしました。ご覧になりたい方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
なお,以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。
- 『裏側からみた美術史』という本のレビューを追加。いい本です。それにしても,あの神秘的なまでに敬虔・静謐な絵を書いたラ・トゥールが,これほどケチで業突張りな因業ジジイとは知らなかったぞ。
- ある開業医の先生からのメールです。
最近皮膚科医の熱傷治療があまりにも前時代的なことを感じ、積極的に熱傷患者さんも診ております。この気持ち,わかりますね。自分は湿潤治療しているけど,せっかく近くに熱傷治療をしている皮膚科があるなら,あえて自分が出しゃばらずに熱傷はそちらに任せよう・・・と思っていたら,実はその医者の治療といえばゲーベンクリームのオンパレードらしい,とわかったとき,どう行動すべきかです。こういう場合,患者さんには泣いてもらって皮膚科医のメンツを守るか,それとも患者さんを守るか,選択肢は二つです。
ちなみに,(湿潤治療を知らない)皮膚科医の熱傷治療も前近代的ですが,形成外科医の熱傷治療はもっと前近代的です。「形成外科医は手術で熱傷を治す医者だ」と自ら定義してしまったため,あと数日で治りそうな熱傷に対しても,どんどん植皮をしています。
あるいは,皮膚科医がゲーベンで熱傷を深くし,それを形成外科医が植皮する,という互助会的治療分担サークルもあるようです。これで皮膚科医も形成外科医も共存共栄です。不幸になるのは患者さんだけですけどね。
- 【丸岡受刑者が死去=元日本赤軍幹部、医療刑務所で】
60歳ということは,私より6歳年上です。私が大学入学した1978年の東北大学のキャンパスにはまだ学生運動の立て看板が並び,中核派と革マル派の抗争もまだ起きていました。しかしそれは,私を含めた大多数の学生には無関係のものでした。
私の周囲の60歳の人達は現在,平穏無事に暮らしていて,若い頃に学生運動に参加していた話すら聞きません。つまり,丸岡受刑者にしてもそういう平穏な人生を送る選択肢はいくらでもあったはずです。彼はそういう選択肢を知りつつ敢えて目をつむって赤軍派に突っ走ったのか,選択肢があることを知らなかったために突っ走ってしまったのか,どちらだったのでしょうか。
もしも,もう一度人生をやり直せるとしたら,あなたはやはり赤軍派に入りますか,それとも別の人生を選びますか,と丸岡受刑者に聞いてみたいです。
2011/05/27
【12:00】【06:30】
- 【富士通、世界最小のWindows 7ケータイ「F-07C」発表会】
フルスペックの Windows 7 が動いちゃうドコモケータイです。これ,便利かも。iPhone もいいけど,地方都市に行くと電話機として使えないのですよ(病院近くでもつながらないことがあるらしい)。その点,ドコモなら絶対につながるし,災害時にも最強であることは先の大震災でも実証されました。それで、多少モッタリしていても普通に Windows 7 が動くならこれでもいいかなと。
問題はお値段とバッテリーの持ちですね。
- 「植皮術ってどういう手術なの?」シリーズの第8回目,「皮膚移植するときれいになるの?」です。
- 「特攻野郎Aチーム」といえば1980年代後半に人気を博したアメリカ製テレビ映画シリーズですが,それが突如,21世紀のスクリーンに蘇りました・・・ってのが《特攻野郎Aチーム THE MOVIE》です。当時,毎週のように見ていたファン(=私)からするとちょっと(・・・というか,かなり)微妙な映画です。「Aチーム」と無関係のアクション映画としてみればそれなりに面白いんですが・・・。
- 昨日,「皮膚科医と外用剤」の話をかきましたが,私がまだ長野県の病院にいた頃から頻繁にメールのやりとりをしている皮膚科の先生から,こんなメールをいただきました。
私の外来に、ほかの皮膚科で満足しない患者さんがしばしば訪れますが、たいがい、「内服はもらっていない」と言います。かゆみがあって、内服を使用すれば比較的簡単に治まりそうでも、皮膚症状からまず外用剤という選択をするのが皮膚科医の常のようです。(中略)
表皮病変がないものは、ステロイド外用剤は基本的に効かないでしょうから、内服などほかの治療を考えることになります。長引くかゆみは抗ヒスタミン剤の選択以外に良い方法はありませんし、外用剤が絶対的に有効な場面は、それほどないように思っています。
アトピー性皮膚炎でも「飲み薬だけでも続けてみるか?」と話しておく方がよほど治療は継続しますし、そこそこの寛解が長く維持できます。外用剤にこだわるあまり「アトピー性皮膚炎教育入院プログラム」なんてものをつくったりしますが、患者さんからすればやっかいな話でしかないように思ってしまいます。
かゆいから、と、抗ヒスタミン剤を簡単に処方する内科開業医の先生方の方がよほど素直な感覚を持っているような気もしています。
いずれにしても,皮膚科医にとって、痛いところを突かれました。
- 【Kingmax から世界初の64GB microSDXCカード】
しばらく足踏み状態だったmicroSDカードの容量拡張が再開しましたが,もちろん,SDXC規格のものです。その前の規格であるmicroSDHCカードが販売されたのが2007年で,携帯電話やスマートフォンに使われるようになってから爆発的に普及したと記憶していますから,今回も同じ経過をたどるんでしょう。
それにしても,爪よりちっこいカードに64GBものデータが入るようになるとは,つい数年前には想像してなかったです。ちなみに,私が使っているノートパソコンは64GBのSSDだったりします。
2011/05/26
【13:30】【08:00】
- 【女優チョン・ジヒョン、衝撃のすっぴん顔…いったい誰?】
以前から,セレブ女優のすっぴん顔写真のコレクションをしています(その1,その2)。もちろん,「化粧品は肌を老化・劣化させる」という証拠の品としてのコレクションです。
そして今日また衝撃のお宝画像がまた一枚! 9頭身美女,ジヒョンさんです。ちなみに,左側の写真のどちらがジヒョンさんなのかは不明です。
before after
【07:10】
- ちょっと気になるCD,FREDDIE MERCURY TRIBUTE LOVE OF MY LIFEです。ロック界で絶大な人気を誇るピアニストの三柴理さんがクイーンの名曲をピアノソロで演奏したものです。「ボヘミアン・ラプソディー」とか「キラークイーン」とか,ピアノソロでどうやって演奏するんだろうか? ちなみに6月8日発売開始。
【06:30】
- 【「言った、言わない」を繰り返す永田町の懲りない人々】
確かに,小学校のホームルームみたいな「言った,言わない」ばかりしてきたのが菅内閣の歴史ですね。これを足がかりに,人間の記憶はあてになるのか,情報が伝わるとはどういう事なのか,そもそも人間はなぜ「言った,言わない」問題に陥ってしまうのか・・・なんてことが論じられていて,面白いです。
- 7月1日(金)に沖縄の南部徳洲会病院で講演することが決まりました。同院での講演は沖縄に夏を開始を告げる風物詩になりそうです。
- 9月16日(金)に静岡県清水町の岡村記念病院で講演することが決まりました。
- 「蜂刺症,ムカデ咬傷の治療について教えて!」という質問に回答しました。
- 先日,教えていただいた日本皮膚科学会雑誌に掲載された九州大学皮膚科学教室の論文をゲットしました。読んでみると非常に面白いです。まず,治療方針としては
患部の処置は微温湯による石鹸洗浄のみで消毒なし,フィブラストスプレーを散布してワセリン(炎症が強い場合はエキザルベ)を塗布したあと,穴あきポリエチレンビニールで覆い,ガーゼでその上を覆う。感染症状を認める場合にはゲーベン,カデックス,ユーパスタを使うが使用は最小限に止める。という,大学病院では考えられない内容となっていて,フィブラストとエキザルベと石鹸洗浄を見なかったフリをすれば,極めて真っ当な治療となっています。まず何より,「傷を消毒して感染を予防し」という常套句がなく,「穴あきポリエチレンビニール」という非医療材料を使用していると明記している点にビックリします。というか,皮膚科学会雑誌の査読者はなぜ,「医療材料でないものを患者の治療に使うのはいかがなものか」と論文を突っ返さなかったのでしょうか。そちらのほうが不思議です。
しかも,考察の中でwet dressing法による有害事象は特に観察されなかった。(中略)Ⅲ度熱傷と診断された例がDDBであった可能性は否定できない。 (Ⅲ度熱傷は保存的に上皮化しないと言われていたが)Ⅲ度熱傷は周囲から徐々に上皮化が見られた。従来は,消毒薬や抗菌外用剤を大量に使用するガーゼドレッシングを行っていたため,時に治療中に熱傷深度が深くなっていた可能性があると考えられた。と,「従来の熱傷治療は間違っていたのではないか」と明確に言及しています。このあたりも,九州大学皮膚科学教室が日本熱傷学会治療ガイドラインに対して疑義を呈しているわけで,従来の「大学医局発の論文」としては異例のものではないかと思います。
ちなみにこの論文によると,SDBは1週間前後で全例が完全上皮化し,DDBと判断された症例は12例中11例が3週間で90%以上上皮化し,外科的処置を要した症例は2例のみだったそうです。
九州大学皮膚科学教室にアドバイスですが,石鹸洗浄をやめて微温湯洗浄だけにすれば,さらに患者さんに喜ばれると思います。界面活性剤って傷に付くと結構痛いんですよ。
- ある先生からのメールの一部です。
有名病院の皮膚科を見学したりしましたが,皮膚科専門医は「皮膚の症状をつぶさに観察し,知識と経験と生検を駆使して正しい診断を得る」ことに熱意を持っている先生が多いです。しかし,熱傷治療や潰瘍治療に熱意を持っていないように見えます。熱傷や潰瘍のように「見れば判るもの」には燃えないのかもしれません。「診断に燃えるが,治療に燃えない」というのはどうしてかというと,そもそも治療手段が少ないからではないでしょうか。
皮膚科は内科か外科かというと「内科」です。古来からの分類で言えば「内科は薬で病気を治す医学」,「外科は手術で治す医学」であり,皮膚科は「皮膚の病気を薬で治す医学」,すなわち,皮膚に特化した内科です。そして,「皮膚の薬」とは伝統的に外用剤ですから,「皮膚科とは皮膚の病気を外用剤で治す医学」となります。
しかし,外用剤は大ざっぱに言えばステロイド系か非ステロイド系かの二つしかありません。後は,基剤の違いとステロイドの強さの違いだけ。だから,治療を工夫することが難しくなります。その裏返しとして,診断に熱中するんじゃないでしょうか(・・・このあたり,神経内科にも通じるものがあるような気が・・・)。
ちなみに,「皮膚科とは外用剤で皮膚疾患を治すもの」という定義自体が治療する医者の手を縛っている面があるような気がします。治療をしていてその外用剤が効かない場合,別の外用剤を処方する先生が多いです。つまり,どこかに効く外用剤・外用剤の組み合わせがあるはずだ,と発想します。しかし,外用剤自体を止めてみる,という発想がなかなか浮かばないようです。「外用剤を使わない皮膚科医は,皮膚科医なのか?」というアイデンティティに関わる問題になるからじゃないかと思います。
- 【火傷そして湿潤療法】
昨年9月はじめにⅢ度熱傷を受傷され,主治医から皮膚移植が必要と言われて私にメールで相談されてきた方のブログです。近くの湿潤治療をしている先生を紹介したところ,保存的に上皮化が得られたそうです。
2011/05/25
【17:30】【06:30】
- 【電力問題についての三つの誤解 電気料金を値上げするのが合理的かつ効率的】
「電力業界は業者に供給義務があり,価格設定も自由ではない特殊な業界である」,「電力は普通のサービスとは違うものだ」という常識を疑うことから始め,電気料金を上げるのが電力使用を規制するより合理的である,という結論に達しています。一般的にはこの考えは袋叩き状態ですが,何だかこっちのほうがまともな気がしてきます。なにより「正直者が馬鹿を見ない」のがいいです。もちろん逆進性という問題はありますが,これは十分に対処できますしね。
- 11月16日(水)に東京の府中市小児科医会で講演することが決まりました。元々は3月16日に企画されていた講演ですが,[3.11] の大震災で中止になっていたものです。
- 「植皮術ってどういう手術なの?」シリーズの第7回目,「移植する皮膚はどこから取るのか」です。
- 【デル XPS 15z発表。15.6インチノートで世界最薄級,9万9980円から】
Dell の「超薄型ノートパソコン」というと,どうしてもあの "Adamo XPS" を思い出してしまいます。Adamo も「確かに薄いんだけど,その割にやたらと重い」ものでしたが,今回の XPS もその「伝統」をしっかりと引き継いでいます。もちろん,アメリカンな人々には「2.5kgだって? チョー軽いじゃん。しかもバッテリー駆動8時間。ワオ! これで楽々モバイルだぜ」かもしれませんが・・・。
2011/05/24
【07:00】【06:30】
- ある先生から,皮膚科学会雑誌の最新号(Vol.121,No.6,2011)に九州大学の「九州大学病院における小児熱傷35例の集計」という論文が掲載されているが,その一節にビックリした,とメールをいただきました。なんと
従来は,消毒薬や抗菌外用剤を大量に使用するガーゼドレッシングを行っていたため,時に治療中に熱傷深度が深くなっていた可能性もあると考えられた。と,考察に書かれているそうです。旧帝大の雄,九州大学でもこんな論文を書けるようになったのですね。
- 「ザ・バンド,グレイトフル・デッド,ジャニス・ジョプリンが勢ぞろいした幻のライブ映像満載のDVD」という文字を見て興奮した人にとっては神の如き映画,それが《フェスティバル・エクスプレス》です。かつてこれらのロックに胸を震わせた世代は絶対に見たほうがいいです。
- 恐らく,今一番面白い食べ物漫画が『めしばな刑事タチバナ』です。立花刑事がいろいろなB級の食べ物についての薀蓄を熱い思いと共に語りまくる漫画ですが,「名代富士そば」のカレーかつ丼の奇跡的ウマさを語る冒頭の一編に始まり,サッポロ一番の味噌ラーメン派と塩ラーメン派の原理主義的抗争の歴史とか,両者に割って入る「しょうゆ味ならチャルメラだろ」派との熱い論争とか,日本そばの歴史から見た「梅もと」と「小諸そば」と「吉そば」などの「立ち食いそばチェーン系列」の立ち位置の違いとか,どれもこれも本当に面白く,そして美味そうです。これを読むとすぐに立ち食いそばや袋入りラーメンが食べたくなること必定! しかも,「ゆで太郎」のもりそば大盛りのテイクアウトを肴に自宅で「酔鯨大吟醸」を飲むなんていう大技(小技?),すぐにでもやってみたいです。
- 【Eee Pad Transformer は6月発売,5万9800円。キーボードドックで16時間駆動】
これはちょっと欲しいかも。画面の解像度も高いし,合体させた状態でも重くないし,しかも丸一日AC電源なしで使えます。値段も手頃なんで触ってみてよかったら衝動買いしちゃいそうです。
逆に,絶対に欲しくないな,と思ったのはこちら。3キロもあるタッチブックって・・・?
- 【ブラックホール,繰り返される終末説】
ナショナルジオグラフィックは昨日,終末説をまとめて解説しています。「惑星直列」,「ヘール・ボップ彗星」,「天体の合」,「ハレー彗星」などなど,キリスト教文明は世界の終末が大好きで,何かあると「世界は終末を迎える! 最後の審判だ! 悔い改めよ!」と騒ぎます。多分,「世界の終末」で飯を食っている人がいつの時代にもいるってことでしょう。
2011/05/23
【10:30】【07:00】
- 【急速に“老いる”中国=青少年人口の急減は未来のリスクに―ユニセフ】,【総人口13億3972万人に,高齢化が加速―中国】
ドイツ紙が「中国は人口政策にとって『最悪のモデル』と手厳しく批判」していますが,ではこの新聞社が考える『最良のモデル』とは何でしょうか? 自然に任せて人口爆発させるのが最善だと考えているのか,それとも子どもは自由に産ませて高齢者を人工的に少なくする方法がベストなのか,それとも他にもっと良い人口政策があるのでしょうか。数学的に考えるなら,人口を今より増やさず,未来の労働人口だけは確保したいとするなら,どこかの世代を人為的に減らすしかないはずです。
【06:30】
- いつもの生物の先生からのメール。今回は放射能と放射能の影響についての良書を紹介してもらいました。こういう情報が一番嬉しいです。
ありがたいことに,ブルーバックス,岩波新書,中公新書,どこも続々と原子力関係・地震災害関係のものが復刊しています。一般に,原子力関係は,チェルノブイリとJCO事故の間くらいに出た新書に良書が多いですが,最近書かれた本は内容は二番煎じというか薄っぺらいというか,十分に吟味されていない本特有の雰囲気が漂っています。
そのなかでオススメなのは『放射線と健康』(舘野之男,岩波新書)です。この本の良いことろは,科学的な視点と同時に,人間社会の中でどのように基準が決められコンセンサスを得てゆくかという事もきちんと書かれている点です。はっきりいって,この一冊を十分に熟読すれば,放射線の人体への影響についてある程度自分で判断できるようになるでしょう。他の類書は,ウソじゃないけど「煽りすぎている」か,自分の説を強引に展開する「楽観しすぎ」かの両極端なものになってるのが現状です。
- 「外傷を湿潤治療している医師」,「熱傷を湿潤治療している医師」に,名古屋市昭和区の杉浦医院/森 亮太先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 「植皮術ってどういう手術なの?」シリーズの第6回目,「皮膚を採取した傷はどうするのか」です。
- 先日ちょっと紹介した《フェルメールの光とラ・トゥールの焔 ─》についてレビューを追加。とは言っても,半分は音楽の話だったりします。
- なにやら面白そうな本2冊発見。次はどっちを先に読もうかな?
- 【意外と知らない「免税店」の仕組みとは】
そうだったのか。秋葉原とかによくある免税店について。
2011/05/20
【07:30】【06:30】
- 【紀伊國屋書店BookWebPlus】
本日(5月20日)からアンドロイド末端向けの電子書籍サービスが始まります。私の書籍もこれに含まれる予定とか。
- 8月28日(日)の三重県へき地医療支援機構で講演することが決まりました。
- 「オムツかぶれの治療」についての質問に回答です。例によって「洗ってワセリンを塗るだけ」というバカの一つ覚えですけど,ほとんどの患者さんが治っているようです。
- 《運命を分けたザイル》,これはすごい映画です。南米の未踏峰初登頂を狙う若き登山家に起きた出来事を描いたセミドキュメンタリー映画なのですが,とにかく,主人公がおかれた状況が余りにも過酷すぎ,これで彼が生きて帰れた事自体が信じられません。
水も食料もなく,片足を骨折するという絶望的な状況でも決して諦めず,生きて帰るために「今できる最善のこと」を少しずつ実行していき,発狂寸前の状態に追い込まれながらもゆっくりと前に進む主人公の姿に圧倒されます。
- 【アマゾン Kindle版電子書籍の販売冊数,紙本の全種合計を上回る】
ついに来る日が来た,という感じもします。ただ,アメリカと日本の出版事情というか本屋さん事情はちょっと違っているようです。
- 日本では文庫本や新書が多いが,アメリカではハードカバーの書籍が主流。
- 日本ではよほどの田舎でなければ駅前に本屋やコンビニがあって気軽に本が買えるが,アメリカはそうでない。
2011/05/19
【11:30】【07:00】
- 【ノック式加圧機構ペンから固形インクの蛍光マーカーまで ビジネス向け筆記具のトレンド】
筆記用具フェチ,文房具フェチにはたまらない記事です。
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に,横浜市都筑区の見花山薬局を追加しました。
- 「植皮術ってどういう手術なの?」シリーズの第5回目,「移植した皮膚はどのように生着するのか」です。
- 熱傷治療をするにはまず熱傷面積を算定することから始める。これが熱傷治療の「常識」である。だが,熱傷面積を知ることは本当に熱傷治療に必要なのだろうか?
熱傷面積がわからないといけない理由について,大学病院時代には次のように教えられた(・・・と記憶している)。いかにも正しそうに思える理由だが,これってどうなんだろうか。熱傷治療に輸液が必要でなくなったり,広範囲熱傷と非広範囲熱傷を分ける理由がなくなれば,そもそも熱傷面積なんて知る必要がなくなってしまうのだ。実際,熱傷面積なんて知らなくても治療できているしなぁ・・・。
- 輸液量は熱傷面積で決まるので熱傷面積を知る必要がある
- あとで症例をまとめて研究する際,患者の年令や性別と共に熱傷面積がデータとして必要
- 広範囲熱傷かどうかを判定するために必要
「熱傷面積は熱傷治療の重要な指標」というのもなんだかパラダイム臭いのである。
- 最近,美術史関連の本を読むことが多いですが,今読んでいるのが『裏側からみた美術史』 (日経プレミアシリーズ)です。美術史をちょっと裏側からみるとこんなに面白いんですよ,という薀蓄満載の面白い本です。
大体は軽い話題が多いのですが,第19章の「戦争と美術」で取り上げられている藤田嗣治の戦争画『サイパン島同胞臣節を全うす』のあまりの迫力に圧倒されました。これがあの藤田嗣治なのか・・・と。
第二次大戦中,多くの画家達は軍部の要請で戦争画を描いて糊口をしのいだことは有名ですが,終戦後,GHQの追求を恐れた日本美術界は一方的に藤田嗣治に戦争責任を負わせて非難し,自分たちの戦争協力を「なかったこと」にしました。
また,秋田県生まれの私にとって,藤田嗣治は平野美術館の『秋田の行事』の画家です。「世界一大きな絵」として有名ですが,無駄に大きいだけで絵としては駄作に過ぎません。だから私はこれまで,「藤田嗣治はどうでもいい二流の画家」と思っていました。
しかし,『サイパン島同胞臣節を全うす』は余りに衝撃的で,息を飲みました。これは,サイパン島玉砕の最後の光景を描いたものですが,文庫本の小さな絵からも尋常ならざる迫力が伝わってきます。ここには,追い詰められてもなお抵抗するもの,絶望するもの,他者を気遣うもの,他者を守ろうとするものたちの姿が克明に描かれています。
これはただならぬ絵であり,そもそも「戦争賛美画」でもなければ「戦意高揚画」でもありません。これはまさしく「戦争の惨禍」であり,これに匹敵する絵画はゴヤの『1808年5月3日』くらいしか思い浮かびません。私にとってはピカソの『ゲルニカ』よりはるかに衝撃的です。
2011/05/18
【06:30】
- 今日紹介するゾンビ映画はセルビア製の《ゾーン・オブ・ザ・デッド》です。主人公を演じるケン・フォーリーは最初の「ロメロ・ゾンビ」に出演している俳優さんですが,その時のセリフのパロディーやら,その他のゾンビ映画からの本歌取りやらアイデア満載で,ゾンビ映画ファンなら最期まで楽しめるはずです。
- 「週刊アスキー」巻末の岡田斗司夫さんのエッセイ,『ま,金ならあるし』が面白い。今週は,一世を風靡した彼の「レコーディング・ダイエット」関連本がまたたくまに売れなくなった,という話だが,岡田さんはここで「楽で簡単でカネがかかるダイエット法がメーカーにとって重要で,効果はあるが,金はかからないレコーディング・ダイエット法は業界の厄介者だった」と看破している。岡田さん,わかってますね。
・・・ってことは,「金もかからず手間もかからず,治療効果は抜群!」なんて治療法があったら,業界にとっては厄介者なんだな。
- 【「天国も死後の世界もない」,英物理学者ホーキング氏が断言】
非キリスト教文明の人間にとっては多分,「天国も死後の世界もない,神も悪魔も実在しないなんて当たり前じゃん。それは人間の頭が考え出した架空のものですよ。本気で実在を信じている方がおかしいよ」というのが常識だと思うのですが,キリスト教の皆様にとっては「天国も死後の世界もない」という考えを表明することは,とんでもなく大変らしいのです。何しろ,「神はいる。天国に行きたければ神に祈れ」と教えることで飯を食っている連中が沢山いて,そういう連中が文明の根底を作っちゃったのがキリスト教文明です。この根底を否定されると失業しちゃうのです。
パラダイムとかパラダイムシフトについて考えるとき,3大一神教こそが史上最強のパラダイムであることに気が付きます。パラダイムに過ぎないことは明らかなのに,いまだにパラダイムシフトが起きていません。「ホーキング博士が天国を否定」というのがニュースになるということ自体が非キリスト教文明からみると「お笑い」なのですが,「それってお笑いっすよね」を禁句にすることでキリスト教文明が成立しています。
- さて,今回の東京電力と政府の「メルトダウン隠し」ですが,結果論かもしれませんが,3月15日か16日に「メルトダウンが起きている!」と報道されなくてよかったと思っています。
もしも3月15日に報道されたら,東北全域,関東全域がパニック状態になり,西日本に逃げようとする人で収拾がつかなくなっていたはずです。なぜかというと,3月15日の時点でメルトダウンについて正確な知識を持っている人はほとんどいなかったからです(少なくとも私はあの時点では「メルトダウン=チャイナ・シンドローム」という知識しかありませんでした)。3月15日に突然「メルトダウン」という言葉が報道されたら,「メルトダウンでは関東全体も危ない。すぐに逃げ出さないと大量の放射能を浴びて被曝死する」というデマがあっという間に広まり,絶対にパニック状態だったと想像されます。
3月15日の石岡といえば,ようやく病院に電気が復旧したものの,まだ水道は復活していませんでした。ガソリンは手に入らず,コンビニは開いているものの食品棚は空っぽでした。しかもあの頃は日本全体で食品買いだめ,電池買いだめ,ガソリン買いだめが起きていて,心理的に非常に不安な時期でした。そういう時に,「メルトダウンに対しては打つ手が無い。メルトダウンでは福島は全滅,関東全域で人が住めなくなる」という話がマスコミとネットに流れたら何が起こるか,想像したくもありません。
良くも悪くも「放射能慣れ・原発事故慣れ」してしまった5月中旬だからこそ,メルトダウンという言葉が出てきてもパニックは起きていないのではないかと思います。東京電力と政府が「すべての情報を公開します。メルトダウンです」と3月15日に発表していたら,被災地の人間は間違いなく,心が折れていたでしょう。
- 泉昌之さんの漫画って好きですか? 私はあの大傑作『かっこいいスキヤキ』で大ファンになり,それ以後,彼の作品を見るとつい読んでしまいます。今回手に取ったのは『食の軍師』です。いやぁ,最高にくだらなくて最高に面白いです。いつもながら,食べ物へのこだわり方が半端じゃありません。軍師がいい味出してます。
2011/05/17
【08:20】【07:45】
- 【1号機と「メルトダウン」】/【科学者の日記110516 福島原発1号機】
あの武田邦彦先生のブログ。現時点で何がどうなっているのか,最も正確に説明している気がします(・・・あくまでも私見ですけどね)。要するに,メルトダウンしたからと言ってそれでさらなる爆発が起きるわけでもないし,大量の放射線が放出される可能性もなさそうです。
それと同時に,これまでさんざん不安を煽ってきた「反原発サイドの人たち」による解説記事が「本当のメルトダウン後」はめっきり少なくなったような気がします(・・・もちろん,私が目にしていないだけかもしれませんが)。穿った見方をすると,本当のメルトダウンが起きてしまったら,それ以上不安を煽る材料が無くなってしまったのではないかと・・・。
【07:00】
- 【富士通からキーボード内蔵 Windowsタブレット LIFEBOOK TH40】
いまだにiPadを持っていない私ですが,四六時中,何がしかに文章を書いている人間なので,コンピュータは思考をまとめて文章を作るための道具なんですね。だから,たとえiPadやAndroidのスレートPCを買ったとしても,外付けキーボードも一緒に持ち運ぶことになります。それなら最初からキーボードが内蔵されていた方が便利だよね,と考えてしまい,スレートPCコーナーを素通りすることになります。
- 【ソニーの個人情報大量流出事件が暗示する「真の教訓」 クラウド・システムが持つ“二律背反”というアキレス腱】
何でもかんでもクラウド化して業務を効率化しよう,今時クラウドにしていないなんてシンジラレナ~イ,というのが現在主流の考えです。データをサーバに置いておくのはお金を銀行に預けるのと同じ,タンス預金より銀行のほうが安全でしょ,と説明をする人もいます。
でも,以前にも書いたように情報とお金は別物なんですね。私の1000円札とあなたの1000円札は同じもので交換可能ですが,私の情報とあなたの情報は別物で交換できないのです。警備会社の倉庫から盗まれた6億円に私のお金が入っていても私のお金は減りませんが,情報はそうではありません。私個人の情報は私個人に属するものだからです。
誰からでも便利にアクセスできるが,どこからも不正侵入されないネットワークシステム・・・なんてありえないのです。今回侵入した連中の次なるターゲットはamazonかもしれないし楽天かもしれません。それが怖いです。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,「湿潤治療の講演をしている医師」に,シンガポールのHealthway Japanese Medical Centre/佐藤健一先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
最近,海外の診療所で湿潤治療をされる先生が少しずつ増えてきました。
- 「植皮術を説明しよう」シリーズの第4回目,「なぜ網状にしたりパッチ状にして移植するのか」です。
- 講演用のスライドをマイナーバージョンアップし,「なぜ傷を乾かしてはいけないのか」を模式図にしました(・・・実はこのようなイラストをアニメにして動かすのは結構大変)。ご覧になりたい方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
なお,以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。
2011/05/16
【11:30】【06:30】
- 以前,湿潤治療を取り上げていただいた週刊朝日から『原発・大震災サバイバルブック 』(週刊朝日臨時増刊)が送られてきました。いろいろな役立ち情報がコンパクトにまとまっていて,参考になると思います。ちなみに,「災害時の怪我には湿潤治療!」と紹介されています。
- 「植皮術を説明しよう」シリーズの第3回目,「皮膚移植術の種類」です。
- 先日,ちょっと紹介した《血みどろの西洋史―狂気の1000年》という本についてのレビューを追加。中世ヨーロッパについての薀蓄と初期キリスト教の成立過程についての分析が一杯のとても面白いものです。
- 【震災翌朝,全燃料落下=1号機メルトダウン】
ということは,メルトダウンが起きてから既に65日ほど経過していることになります。私などは,メルトダウンと聞くと映画「チャイナ・シンドローム(1979年公開のサスペンス・アクション映画)」を思い出してしまうのですが(・・・というか,これしか思いつかない),メルトダウンの現場からわずか100キロ足らずのところにいるのに,何だかのんびりしていて現実感がありません。
泥縄式にメルトダウンについて勉強中ですが,これから何が起こるのか,何がは起こらない(起こりそうにない)のか,そのあたりがよくわかっていません。とりあえず分かっているのは,再臨界さえ起こらなければ何とかなりそうだけど,再臨界が起きてしまったら手がつけられそうにない・・・ということだけです。
- 【四つ折りPCコンセプト Flexbook】
このコンセプト,面白いですね。実際に製品化されるかどうかは不明ですが,是非,作って欲しいです。
- 昨日夜のテレビ東京「チェンジメーカー 変革者たち」,ご覧になりましたか? いやぁ,一人でテレビを見ていても小っ恥ずかしかったです。何だかカッコよさげに編集されていて,当社比150%増,ってな感じでしたね。制作にあたった日経映像,グッジョブ!
それにしても,テレビとかラジオから流れる自分の声・顔って,自分自身が認識している「自分の声・顔」と全然違っていて,本当に変な感じです・・・と,自分が変な声で変な顔であるという事実から目をそらして生きています。
2011/05/13
【15:20】【08:00】
- 今日の朝, 「〇〇大学形成外科で治療を受けていた熱傷症例」の写真を載せましたが,ついさっき,患者さんが再診され,さらに上皮化が進んでいましたが,診察の際の雑談でちょっと面白い(?)話をしてくれました。
数日前に「植皮をしなければ治らない」と説明されたときに,自然に治す方法ではどうでしょうかと尋ねたところ,主治医は「その方法だと3ヶ月か4ヶ月もかかるので駄目だ」と答えたそうです。
医学知識のない医者というのはほんとうに困ったものです。
【06:30】
- 【シリコンバレーで最もイケてる起業家 エバーノートCEOが日本をベタ褒め】
読むとちょっと嬉しくなる記事です。
- 「植皮術を説明しよう」シリーズの第2回目,「皮膚移植とはどういう手術なのか」です。
- 講演用のスライドをマイナーバージョンアップし,皮膚損傷の治り方の模式図を全面的に書き直しました。最新版は5月13日作成のものです。ご覧になりたい方は本名,所属を明記してメールでご連絡下さい。
なお,以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。
- 昨日書いた「〇〇大学病院形成外科で皮膚移植が必要と言われた症例」の写真です。どう見てもⅢ度熱傷(DB)ではなくⅡ度の深い熱傷(DDB)です。なぜこの「治る熱傷」に皮膚移植が必要と考えたのか,私には理解できません。
なお,この写真を見て「これは絶対に皮膚移植しないと治らない。保存的治療は絶対にしてはいけない」とお考えの大学病院形成外科・皮膚科の先生がいらっしゃいましたら,是非,ご反論ください・・・というか,反論を心からお待ち申し上げております。是非,公開討論をしましょうよ。
- 昨日,「2週間で治らない熱傷には速攻で皮膚移植をしないといけない」という熱傷治療の常識を取り上げましたが,この「常識」が成立するためには
という前提が必要です。
- 受傷後,2週間で治らない(=上皮化しない)熱傷は絶対に治らない/自然治癒しない
ところが,実際に熱傷治療をしてみると13日目で治る熱傷,14日目で治る熱傷,15日目で治る熱傷・・・と,治癒に要する日数は連続したデータになるし,14日目を境に上皮化しなくなるわけでもありません。つまり,「2週間で判断できる」という前提は成立せず,「2週間で治らない熱傷は植皮しなければいけない」という「常識」は過去のパラダイムに過ぎません。
このようなわけで,「2週間で治らない熱傷は植皮しなければいけない/2週間で治らない熱傷に植皮するのが形成外科専門医である」と信じ込んでいる〇〇大学形成外科のお医者様が,熱傷患者にとって最大の迷惑であり,最大の治癒阻害因子である,ということになります。
- 南極で起きた世界初の殺人事件を追う女性捜査官の活躍を描く映画,《ホワイトアウト》を紹介。ケイト・ベッキンセールはいくつになっても綺麗だな~,ということしか印象に残っていません。
2011/05/12
【15:40】【08:15】
- 今日も東京の渋谷から熱傷の患者さんが受診されました。5月1日受傷の上肢熱傷で〇〇大学病院形成外科で治療を受けていますが,皮膚移植が必要と言われて驚き,ネットで検索して当科を受診されたそうです。
治療に使っていたのはビューゲルと思われる被覆材で,上腕の創がちょっと深いくらいでこのまま治療を続けていれば2週間以内に完治すると予想できます。
ではなぜ〇〇大学形成外科の主治医は,もうちょっとで治りそうな熱傷に植皮術を勧めたのでしょうか。それは,熱傷治療の「受傷後2週間たっても上皮化しない熱傷は植皮しなければいけない」という大原則があるからです。その「熱傷治療の常識」に忠実に従って,「受傷が5月1日であり,5月15日までには治りそうにもない。来週早々に手術をしなければ手遅れになる」と判断したのでしょう。
この「2週間で治らないものは植皮」という基準はあらゆる形成外科の教科書に書かれていますが,これはいかにも乱暴な基準でして,これに従えば「受傷から15日で治る熱傷」も「15日では治らないが20日間で治る熱傷」も「50日かければきれいに治る熱傷」も一緒くたに植皮をすることになります。実際にこの患者さんも,明日入院の予定だったそうです。
明日にでもこの症例の写真を提示しようと思いますが,形成外科はいつまでこの「2週間で治らなければ植皮」というトンデモ常識を金科玉条の如く,不磨の大典の如く崇め奉るつもりなんでしょうか。これでは「治療法を守って患者守らず」になっちゃいますよ。
- 【死んだら木になりたい人のための新しい埋葬の形…スペイン】
私が死んだらこの骨壷がいいな。今から買っとくかな。
- 【ドキドキの初体験…エスカレーターに乗りたいけどなかなか乗れないパプアニューギニアのお年寄り(動画)】
そういえば昔,「一人でエレベーターに乗れない,乗れてもボタンを押せない年寄りにはムンテラしても理解してもらえない」と言っていた先生がいました。
【07:30】
- 【「11日に震度14の大地震」予言で大騒ぎに】
震度14,津波の高さが170メートルが5月11日に起こる,という大予言で台湾がパニックに! 震度14,というのが笑えます。
- 【ビンラディンは“タレント政治家”だった】
ビンラディンとは「大金持ちのヤンキー」という指摘に大笑い。ビンラディン自身の言動を見るとイスラム原理主義を深く理解しているようでもないし,反米の思想も何だかよくわからなかったのですが,この記事を見て納得。なるほど,格好いいヤンキー(・・・反米だけど・・・)で,心は永遠の16歳だったのね。
その他にも,今この時期にビンラディンを殺害したアメリカの思惑,不満が吹き出すのを何とか押さえ込もうとしているサウジアラビアの状況など,非常に分かりやすい記事となっています。
【07:00】
- 久しぶりに日本褥瘡学会のホームページを見てみたら,東北大震災への学会としての支援活動が載っていました。体圧分散型マットレスを被災地に送ってるじゃないですか。ちょっとは偉いぞ。
でもその後に,「ユーパスタとゲーベンクリームを大量に送りました」ってあるじゃないですか。なんだ,褒めて損したよ。こんな毒薬クズ軟膏を送ったのはもしかしたら,「褥瘡をひどくして患者を痛めつけてやれ,褥瘡を治らなくして困らせてやろう」という魂胆でもあるんでしょうか?
この二つの軟膏を傷に塗ったらどうなるか,自分の体で試してみれば一目瞭然です(ゲーベンの素晴らしい破壊力,ユーパスタの凄まじい破壊力)。そういう簡単な実験もせず昔の教科書の丸写しばかりしているから,褥瘡学会はいつまでたっても二流学会であり,学会理事の皆さんは科学者として二流なのです。
というわけで,日本褥瘡学会は褥瘡患者の敵,褥瘡治療の最大の障害だということがよくわかる支援活動報告でございました。日本褥瘡学会,ナイス! 日本褥瘡学会からの抗議,お待ちしております。もちろん,抗議文が来たら速攻で晒しモノにしますけどね。
- 【噴火予測に道,セントヘレンズを3D化】
このように火山の地下の様子を三次元化し,経時的に追っていけばかなりの精度で噴火が予測できるようになるかもしれません。
思わず,地震もこの手法で何とか予知できないか,なんて考えてしまいますが,火山噴火と地震には決定的な違いがあります。火山は動かないけれど,震源地は常に動いている,という違いです。
- 9月3日(土)に岡山県小児科医会研修会で講演することが決まりました。
- 「皮膚移植とはそもそもどういう手術なのか」について何回かに分けて説明してみようと思います。まず第1回目「なぜ皮膚移植が必要なのか」です。
2011/05/11
【08:00】【06:30】
- 【震災後のデマ80件を分類整理して見えてきたパニック時の社会心理】
様々なところで紹介されているブログですが,素晴らしい労作です。まだご覧になっていない方はぜひご一読を。「えっ,あれってデマだったの? 俺,信じていたよ」というのが結構あると思います?
そういえば一昔前,「ダイオキシンはすべて猛毒!」とか「環境ホルモン」とか「マイナスイオン」なんていうインチキ・トンデモ情報がもてはやされていましたが,いまだに信じている人がいますしね。
- 先日,ちょっと紹介した『手の多様性―魚からヒトへの軌跡』について本格的にレビュー。もしも私がこの本の編集者だったら・・・という視点からちょっと(?)辛口の書評となりました。
- 原子力発電所問題についてはハードランディングでなくソフトランディングの道を模索すべきだと思っている。
私は原子力エネルギーはもしかしたら人間の脳みそでは制御できないものではないかと考えているし,原発は一旦事故が起きたらシャレにならない規模の被害を及ぼすことも知っている。だが,全てすぐに停止しろ,という考えはおかしいと思っている。なぜかというと,ハードランディングは大変だし,しばしば失敗するからだ。
これは医学で言えば,山ほど薬を処方されている患者への処方をどうするかという問題に似ていると思う。それこそ「薬でお腹がいっぱい」というくらい処方されている患者は珍しくないし,本当に必要なのだろうかと思われる薬も多い。そして,薬による副作用を抑えるための薬が多い。つまり,本来不要な薬が多い。これは臨床医なら誰でも気がついていることだ。
問題はその「不要な薬」の切り方だ。一番手っ取り早いのは,全ての薬を中止し,その上で体調を見ながら必要な薬を新たに出す,という方法だ。これなら白紙状態から治療が始められ,薬も大幅に減らすことができる。これがハードランディングである。
だが,現実的にこれは難しい。患者の状態が一気に悪化する危険性がゼロではないし,悪化しなくても患者の不安感が強いからだ。何しろそれまで10年以上,毎日飲んできた薬を,いきなり「全て飲まなくていいよ」と言われても納得できないからだ。そして,納得できない患者は薬を出してくれる別の医者を探すはずだ。
こういう場合は,とりあえず切っても大丈夫そうな薬から一つ一つ止めていくか,1日3回内服を2回にし,その後1回に減らし・・・と漸減していくとうまくいく。内服しなくても体調が悪くならないことを患者さん自身に納得してもらいながら,時間をかけて減らしていくわけだ。これがソフトランディングだ。
長期的に原発から脱却するのも悪くないし,別の発電方法に切り替えていくのが望ましいと思う。だが,現時点では「原子力発電所由来の電力込み」で社会は安定して運営されているのだ。だから,一気に「原発なし社会」にするのでなく,ソフトランディング的に原発依存度を少しずつ低くし,同時に代替エネルギーと少しずつ置き換えていくしかないと思うのだ。
- 次なる読書ターゲットとしてロックオンしているのが『裏側からみた美術史』(宮下規久朗,日経プレミアシリーズ)です。
- 【天然ガス採掘でメタン汚染の可能性】
「天然ガスはCO2排出が少なく,地球に優しい」という謳い文句でしたが,もしかするとちょっと違うかも・・・という記事です。メタンによる飲み水の汚染問題です。現時点では不確定要素が多すぎて判断が難しいですが,全く欠点のないエネルギー源ではないらしい,ということは言えそうです。
- 【広瀬隆 特別インタビュー 「浜岡原発全面停止」以降の課題】
反原発の騎手,広瀬隆さんのインタビューです。相変わらず,強引に論を展開しています。例えば「今年の夏が昨年のように猛暑になることはまずあり得ないので,余裕をもって乗り切れます。だから何を騒ぐのかというのが第一の疑問です」と言い切っていますが,この根拠はどこにあるのでしょうか? ちなみに昨年の気象庁による長期予報は最初は冷夏の予想で,その後,例年通りの暑さになると大幅修正し,実際にはあの猛暑でした。そして,気象庁の今年の長期予報は「例年通りの暑さ」ですから,「気象庁が冷夏といえば猛暑だったから,猛暑と言ってる今年は冷夏に決まっている」となる可能性はありますけどね。
その他にも,事実と仮定(例:石油も天然ガスも安定して供給され潤沢に使える・・・はず)をゴチャマゼにして論を進めている部分もあります。全体的に「原子力にはとことん厳しく,反原発にはとことん甘い」インタビュー記事でした。
2011/05/10
【14:15】【08:00】
- 【「ごちゃついたコンセントまわりを手軽に改善してくれる」と感心されていた方法】
この工夫,いいですね。とりあえず,今日は食バンを買って帰ろうっと。
【06:30】
- 【浜岡原発 原子炉停止…電力不足ドミノの恐れは?】
恐らく,菅総理の思いつきによる浜岡原発停止ですが,今年の7月から9月にかけて電力消費のピークがくることは100%の確度で予測できます。何しろ昨日,東海3県はすでに30℃を超えているのです。それが分かっていて,なぜこの時期に正常稼動している浜岡原発を止めるのでしょうか。10月に稼動停止なら大したトラブルは起きることなくソフトランディングさせられますが,今,浜岡原発を止めるのはハードランディングであり,ほぼ確実に産業活動にトラブルが起きます。原発は止めたが日本も止まってしまった,ではシャレになりません。
明日起こるか30年後に起こるかわからない東海地震に備えるのも大事かもしれませんが,2ヵ月後に絶対確実に訪れる電力不足に対処するほうが,政治の優先事項じゃないでしょうか。
- 「外傷を湿潤治療している医師」,「熱傷を湿潤治療している医師」に,福岡市東区の八木病院 外科/牧 孝将先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 明海大学の2011年度入試試験の国語問題に拙書『傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学』 (光文社新書)の一節を使っていただきました。それにしても,あの「大学受験の赤本」に自分の文章が載る日が来るとは,予想もしていなかったです。
これで,この本から大学入試問題が出題されたのは3度目になります(共立女子大,追手門学院大学,明海大学)。受験生の皆さん,この本を読んどいたほうがよろしいかもしれませぬぞ。- いかにもお馬鹿っぽい映画タイトルといい,安っぽいエロ映画っぽいDVDジャケットといい,どう見てもしょーもないゾンビ映画ですが,実はとても真面目に作られたオカルト映画だったのが《ゾンビ・ナース》です。でも,内容は「かなり残念」系でした。
2011/05/09
【08:00】【もう所持金なくなる…被災者,義援金「早く」】【06:30】
私は医学部の学生の時にも宮城沖地震で被災しました。あの時も今回もそうですが,被災生活ではお金がどんどん出ていきます。生活の基盤が全てなくなったため,ちょっとしたことをしようと思っても全てお金がかかります。mricの投稿でも「「寄せ書きの応援メッセージも,コンサートもいらないから,ともかくお金がほしいです。全部流されてしまって,お金がないと何もできないんです。皆,言わないけれども,本当はお金がほしいんです」という被害者の本音が報告されていましたが,まさにその通りでしょう。
義援金はかなり集まっていますが,個々の被災者にまだ届いていません。
「糖尿病性足趾骨髄炎の治療例」を追加。中節骨が融解し基節骨の大半が腐骨になっていますが,それでも何事もなく治っています。普通なら指切断でしょうね。
このような症例を幾つも経験すると,「骨髄炎ってほんとうに怖い感染なの? 実は大したことがない局所感染じゃないの?」という思いが頭をよぎります。
「熱傷を湿潤治療している医師」に,新潟県柏崎市の内山整形外科/内山 徹先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
【すばらしいと絶賛されていた3つの楽器をいっぺんに演奏する美女】
中国雑技団みたいな演奏ですがお見事!
9日朝のNHK「まちかど情報室」で紹介されていたのはこれかな? 室内でトレーニングしながら充電できます。
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2011/05/08
【07:40】例の「ユッケ食中毒」事件ですが,【07:15】と言う事実から考えると,結構昔から食肉の表面に付着していた細菌だろうという気がします(肉の内部に入ると酸素がないから分裂できない)。それなのに,これまで韓国でも日本でもユッケで食中毒が起きていなかったというのは,肉表面のトリミングをしっかりする,という「業界内の常識的作業」が極めて有効であり,そもそも病原性大腸菌自体が牛腸管内で多くなかったからだったからでしょう。
- 病原性大腸菌は1000年前から地球に出現した家畜の腸管常在菌(家畜にとっては有益で無害な菌)
- ただし,家畜腸管内では病原性大腸菌は優勢種ではない
- 大腸菌の分裂には酸素が必要(大腸菌が代謝を完全に嫌気性代謝に切り替えるのは大変らしい)
しかし,儲けを経営(=儲け)を第一に考えるとトリミングで捨てる分のお肉がもったいない。そこで試しにトリミングを止めてみたけど何も起きなかったのではないでしょうか(何しろ,病原性大腸菌は腸管常在菌では超マイナーな存在なので,滅多に付着しないはず)。そして,この焼肉チェーン店ではそれに味をしめてトリミングをやめちゃった(どうやら,このチェーン店のマニュアルには「トリミング」という作業自体が記載されていなかった模様)。
ところが,何らかの原因で牛の腸管内で病原性大腸菌が増えなければいけないような事態になり,普段より病原性大腸菌の付着量が増えてしまい,トリミングを止めたチェーン店を狙い撃ちしたように食中毒患者が大量発生・・・というシナリオじゃないでしょうか。
7月9日(土)の守口市医師会での講演の詳細が決まりました。
【中部電 異例の要請に苦悩 浜岡原発停止】
まだ傷が治ってなくて出血も続いている患者を放っておいて,まだ怪我もしていなければ病気にもなっていない人をとっ捕まえて「病気をしないように横になって安静にしましょう。怪我をしないようにギプスを巻きましょう」と言っているわけですよ・・・政府は・・・。そんなことよりまず,出血して困っている患者を助けるべきじゃないかと思いますが,主治医は目の前の出血している患者を見て見ぬふりです。
そりゃあ,誰だって病気になるし,今日,怪我をするかもしれません。「あなたは病気になり,やがて死にます」というのを「予測」というなら,それこそ100%当たります。問題は,「なぜ今,この時期に,この人だけに安静を強制するのか?」です。その説明がないから誰も納得できません。
ちなみに,東南海地方で大地震が来る,来る,かならず来る,と言われてはや40年。その間,他の地域では大地震が起きましたが東南海地方では大した地震は起きていません。「地震が起こる。必ず起こる・・・いつかはわからないけど」といえば地震予知の専門家になれるのだったら,誰だって専門家になれます。
もちろん,「今年秋までに東南海地方で震度7の大地震+大津波が発生したが,浜岡原発をその前に停止させていたので大丈夫だった」という可能性もゼロではありませんが・・・。
2011/05/06
【11:15】先日取材のあったテレビ東京「チェンジメーカー 変革者たち」の放送日が決まりました。【06:30】
- テレビ東京・テレビ大阪・・・5月15日(日)22:48~22:52
- テレビ愛知・・・5月16日(月)21:54~22:00
カンボジアでKEN CLINICを開業なさっている奥澤先生からのメールです。現地日本人が最もよく読むフリーペーパーマガジンの医療コラムで湿潤療法を紹介したのに加え,実際に外傷患者に治療を施して,そのあまりのきれいさに驚かれて,カンボジア在住の日本人の間では,湿潤療法はかなり有名になっております。(中略)このメールから判るのは,欧米人医師の外傷治療の知識の古さです。欧米の医師のほとんどはいまだに「傷は消毒して乾かす」のが最善の治療だとという「19世紀の傷の治療の論理」を正しいと信じ込んでいるようです。つまり,傷の治療に関して,欧米に留学する意味はないようです・・・古い医学を確認するためなら別ですけどね。
(しかし)こちらにいる欧米人の医師でさえも「キズは乾かした方がよい」と言います。(中略)
(治療を)啓蒙していくのは日本以上に大変ですが,必ずいつか普及させてみせます。
大型犬サイズのモンスターが暴れ回るモンスター・パニック映画,《U.M.A.ライジング》を紹介。内容盛りだくさんのツマラナイ映画でございました。
よく,「リンクしてもよろしいでしょうか?」というメールを頂きます。それに対する私の答えはいつも同じです。ホームページをインターネットで公開している以上,リンクされることも無断引用されることも当たり前だと思っています。公開しているのにリンクしてはいけない,と考えるほうがおかしいです。リンクされたくなければネットで公開しなければいいと思います。
科学の真理に著作権は存在しません。そして,このホームページの内容は科学の真理だと自負しています。だから,無断引用しようとリンクしようと問題ありませんし,私に断る必要もありません。むしろ,私が知らないところで引用されまくっている,というのが理想です。
「そもそも,皮膚移植術ってどういう手術なの?」という疑問に答えるシリーズを準備中です。なぜ皮膚を移植しなければいけないのか,皮膚を移植するというのはどういう事なのか,移植した皮膚はなぜ生着するのか,メリットとデメリットは何か・・・ということについて,多面的に考察していく予定です。第1回目は来週月曜日の予定です。
【最長1時間! 働く女子が「メイクにかける時間と重視ポイント」】
そういえば,化粧上手の知人女性(40代後半)は,「お化粧って結局,自分の顔をキャンバスに絵を描いて,理想の顔を作ることなのよ」と話していたのを思い出します。「でも,肌が荒れてきません?」と聞くと,「だから余計にお化粧が必要になるの。考えてみたら悪循環なんだけど,もうこの悪循環から抜け出せないのよ」ということでした。「もしもタイムマシンがあって10代の自分に会えたら,お化粧についてどうアドバイスしますか?」とさらに尋ねたら,「もちろん,絶対に化粧なんてするな,あとで苦労するわよ,って言いますね」だそうです。
この連休中に読破した本。『フェルメールの光とラ・トゥールの焔 ─「闇」の西洋絵画史』 (小学館101ビジュアル新書),『血みどろの西洋史―狂気の一〇〇〇年』 (KAWADE夢新書)です。どちらも面白かったです。
前者は「ヨーロッパ絵画は全体に薄暗いものが多いが,それはなぜなのだろうか?」という疑問から始まり,どのようにして闇が描かれ,光を描く技法がどのように発展していったかが語られています。何より,図版が全てカラーで美しいです。
後者は,魔女狩り,十字軍,異端派キリスト教宗派の弾圧の歴史を描いています。そして,魔女狩りには魔女狩りを正当とする論理が,異端派キリスト教を弾圧するのを正当とする論理があり,それぞれに「こうすることが正しい」とする時代背景,社会情勢があったことがわかります。人類は愚かだったから魔女狩りに奔走したわけでなく,必要にかられて魔女狩りをし,正しいこととして魔女狩りを受け入れていたのです。
2011/05/04
【08:35】アメリカの栄光のアポロ計画のドキュメンタリー映画,《ザ・ムーン》を紹介。1969年のアポロ11号の月着陸などを,実際の宇宙パイロットの証言と当時の映像で再現していきます。
それにしても,今から40年以上前に人類が月に降り立っていたというのが,なんだか信じられません。1972年を最後に人類は月に行っていないのですから。
雑誌「ニューズウィーク日本版」5月4/11日号の特集,「元気が出る映画 "100 Movies to Watch Now"」が面白いです。取り上げられた100のうちこれまで見たのは2割から3割くらいでしょうか。まだまだ,見るべき作品が残っているようで嬉しくなります。
あ~あ,また歳をとっちまったぜ! それにしても,もう50代半ばだと言うのに,全然落ち着きがありません。というか,同年代の患者さんが私より大人に見えます。
2011/05/03
【07:00】落雷パニック映画なんですが,落雷を操るのはモンスターだとしてしまったために収集が付かなくなってしまったのが,この《ライトニング・ストライク》です。映像的に凝っている部分が多い分,内容のひどさが目立ってしまったようです。
そういえば,明日5月4日は「みどりの日」です。私の誕生日を祝して内閣府が休日に指定してくれました・・・という嘘を毎年書いております。
2011/05/02
【11:40】10代の女性から4月中旬に次のような相談メールを頂きました。【08:00】今年1月に湯たんぽでふくらはぎに低温火傷しました。近くの外科医院を受診し,「これは深くない低温火傷ですぐに治るよ」と説明を受けましたが,3ヶ月間通院しているのに治りません。毎日通院しては消毒してユーパスタという軟膏で治療を受けています。どうしたらいいでしょうか?それに対し,湿潤治療について説明したところ,2週間ぶりに返事を頂きました。あれから通院しているお医者さんに電話して聞いたら「ユーパスタは直接傷に塗る薬だから大丈夫だ!」と言われ,その答えを聞いて通院するのを止め,自分でワセリン+ラップで処置してみました。そうした,10日ほどで治っちゃいました。何はともあれ,治ってよかったですね。ちなみにこういう場合,「ユーパスタは治療薬だ」と信じ込んでいる医者自身とユーパスタが治癒の阻害因子だったことがわかります。「ユーパスタは傷に塗る薬だから大丈夫」という医者の答えを聞いて,この医者じゃ駄目だ,と判断した10代女性はこの「ユーパスタ医者」より正しい知識と的確な判断力を持っていたわけで,頼もしい限りです。
3ヶ月間毎日,ユーパスタぬって通院してたのが馬鹿みたいです。自分が無知だったのがいけないのかもしれませんが医療費も時間も返してほしいくらいです。
それにしても,患者に「この医者,駄目だわ」ってダメ出しされる医者ってどうよ。
【富山の2日前,福井でも男児死亡…焼肉店ユッケ食中毒】【07:00】
先日紹介した『大腸菌ー進化のカギを握るミクロな生命体』によると,病原性大腸菌(O-157 H7株)は牛などの動物を宿主とする大腸菌で,宿主には全く無害な共生体です。人間に致死性の病原性を持つのは,O-157にとって人間が正しい宿主ではないからです(このあたりは,他の病原菌についても言えます)。また,O-157は動物宿主を助けるために毒素を持っていて,この大腸菌を持っている羊はそうでない羊より発がん性ウイルスに感染しにくいというデータが出ています。さらに,O-157のゲノム分析によると,この細菌が誕生したのは今から1000年前と「非常に若い細菌」で,畜産業の繁栄がこの細菌の生存を助けたんだとか。
いずれにしても,家畜にとっては有益な共生細菌の一つなので,この細菌が消えることはないと思われますので,人間側が気をつけるしか対策はありません。
【長期微量被曝はどれくらい危険か】
極めて正確,妥当な解説記事シリーズです。とにかく,放射能に関してあまりに非科学的・感情的な報道が多すぎます。それにしても「空気中の放射性粉塵に対し,3つ折りのトイレットペーパーを口に当てることで91%が除去できる」というのは初めて知りました。すごいぞ,トイレットペーパー!
朝,テレビを見ていたら「東北大学(宮城県仙台市にあり,今回の震災の被災地である)は1ヶ月遅れの5月6日(金)に入学式」をいうニュースが流れた。このニュースを聞いて私は逆に「えっ,東北大学で入学式があるの?」とビックリした。なぜかというと,私は東北大学に1978年に入学し1984年に卒業したが,入学式も卒業式もなかったからである。当時は「大学なんだから入学式でもないんだろうな。他の大学もそうなんだろうな」程度に思っていたが,実は入学式がないのは東北大学だけだったんですね。【06:30】
ちなみに,ネットで調べてみると「東北大学では1969年頃から1990年頃までは入学式はなかった」そうです。
そういえば,東北大学って校歌もなかったような気がする。これも普通だと思っていたが,実は普通じゃなかったりして・・・。
先日,ちょっと紹介した本,『古語の謎―書き替えられる読みと意味 』について本格的にレビュー。この本は面白いです。
次の次の次に読んでみようかな,と思って買ったのが『Art 2 フェルメールの光とラ・トゥールの焔 ─「闇」の西洋絵画史』(宮下規久朗,小学館101ビジュアル新書)です。最近,西洋美術の本を連続的に読んでいますが,理由は単に私が西洋美術についてよく知らず,知らない分野の本を読むのが好き,というだけのことです。
昨日はアパートが揺れるほどの風が吹き,おまけに震度3程度の余震が何度もあったため,風で揺れているんだか余震なんだかどっちだよ・・・状態でした。
手術で予想外の事態に直面した時,手術の術者は何をしなければいけないだろうか。例えば,予想もしていない臓器に浸潤していたとか,術前に分からなかった腹膜播種がありそうだ,とかいう場合だ。もちろん,選択肢はいくつかある。拡大手術をするのか,予定通りの手術でそれ以上の侵襲を避けるか,そこで手術を中断して撤退するかだ。しかし,どれを選んでも100点満点の回答はあり得ない。下手をすれば負け戦だ。
そういう条件下でも術者は進むべき方向を決めなければいけない。術者である以上,手術を始めてしまった以上,どんな形であれ手術を終わらせなければいけないからだ(例:開腹したからには絶対に閉腹だけはしないといけない)。それが術者の仕事だ。
組織のリーダーはこれと同じだと思う。リーダーの仕事は進むべき方向を決めることであり,その決定の全責任を追うことだ。自分が全責任を負うからこの方向に進もう,とリーダーが決断し,その上で部下に「今すべき仕事」を命じる。逆に,今後どうするかを決められない術者と,今しなくていいこと(例:フォーレカテを入れ替えろ/抗生剤を点滴しろ/レントゲンを撮れ)を思いついて命令・指示する術者では困るのである。
なぜか,ここ1ヶ月半の状況を見ていて,こんなことを思ってしまった。別に他意はない。