2009/03/02
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2009/02/27
- 科学の発達とは「専門知識,専門技術の大衆化・一般化」だ。
かつて,文字の読み書きができるだけで商売になった時期があった。しかし,教育が普及し,誰でも最低限の文章が読み書きできるようになり,代書屋や代読業はなくなった。
かつてタイプライターが打てるだけで仕事になっていたものだ。しかし,パソコンの普及とともにキーボードはどこにでもあるものとなり,タイプライターが打てるだけでは仕事にならなくなった。
レントゲンもCTもない時期,肺炎の診断には名人芸が必要だった。それこそ,聴診や打診など五感をフルに活用して診断するものだった。しかし,レントゲン撮影やCTは肺炎の診断を「駆け出しの医者でも診断できるもの」にした。その結果,過去の名人芸的診断技術はレントゲンやCTに駆逐された。これはいわば,歴史の必然といえる。
ここで提唱している外傷治療,熱傷治療もその流れで考えるべきではないかと思う。
例えば,「裂創は縫合して治療するもの」というのがこれまでの常識だったが,このサイトで示すように大部分の顔面裂傷はテーピングで治るし,その他の部位の裂傷もテーピングや被覆材で治療可能だ。もちろん,形成外科医が丁寧に縫合した方がきれいに治るが,縫合した場合の「きれいさ」とテーピングした場合の「きれいさ」の差は形成外科医にとっては大きなものだが,素人(=患者)にとっては大した違いではないようなのだ。
だったら,顔面裂傷を形成外科医の仕事とするより,研修医が片手間で治療できるものにした方が患者にとっては利益になる。
熱傷治療も同じだ。これまでの熱傷治療は面倒だったし専門知識が必要だった。だから専門医が必要だったし,熱傷センターなどの専門の治療機関が必要だった。治療が面倒だったからだ。
しかし,「とりあえず水疱膜を全て除去し,プラスモイストを張っておけば簡単に治る」ものになれば素人でも治療できるし,熱傷センターや専門医を受診する必要もなくなる。患者にとってはこちらの方がいいに決まっている。
- 2012年,人類のほとんどが死に絶えてしまった。ニューヨークでただ一人の生き残りの男の凄絶なサバイバルを描くアクション映画の傑作,《アイ・アム・レジェンド》について。映像的には素晴らしいし,主演のウィル・スミスの演技も文句なしにいいです・・・が・・・。
2009/02/26
- フラメンコ・ピアノの勉強のためにスペインに留学されていたというピアニストの方から,スペイン滞在中の怪我の治療の相談に乗ってあげたお礼として,2枚のフラメンコ・ジャズのCDをいただきました。
- Diego Amador: Rio De Los Canasteros
- Chano Dominguez: IMAN
どちらも好きなピアニストなのですが,Amazonでも前者は品切れ,後者はリストにすら載っていない状態だったので,もう,感謝感激です。演奏も素晴らしいです。
- 光文社から出版予定の新書本ですが,ようやく「第1回目の校正」にとりかかりました。もっと早く取り掛かりたかったのですが,いろいろな出版社からの依頼原稿が続いたり,研修医の「1週間の外来見学」が1月からずっと続いたりして時間がとれず,ここまで遅れてしまいました。この分だと6月出版になりそうです。
- 日本の作家びっくり!申請なければ全文が米グーグルDBに
今から10年ほど前,ピアノ楽譜収集をしていた私は,今回のGoogleと同じことを考えていた。著作権の切れた古今東西のあらゆるピアノ曲の楽譜をスキャンしてPDFファイルにしてどこかのサーバに保存し,その楽譜を必要とするピアニストやピアノファンはインターネットを通じていつでも自由にその楽譜をダウンロードできるようにしたら便利だろうな,というアイディアです。ある程度までその計画を実現しましたが,楽譜関連の著作権の複雑怪奇さに音を上げ,中断することになりましたが,基本的な考えは間違っていなかったと思っています。
商業ベースの出版業に任せていては,売れる楽譜しか出版されなくなり,資料としての楽譜は失われていくばかりです。だから,ピアノ楽譜で書店に並んでいる作曲家は実はあまり多くありません。特定の作曲家の作品しか売れず,それ以外のものは出版されても商売にならないため,絶版になるからです。もちろん,音大の図書館に行けば希少楽譜は所蔵されていますが,どの図書館にどの楽譜があるのかを調べるのはかなり大変だし,それが外国の図書館だったら「ちょっと見に行く」ことは不可能です。
しかし,個人のピアノ楽譜コレクターの本棚にはとんでもない希少楽譜が眠っています。だから,それらの情報を集めてネットでお互いに共有できるようにしたら,史上空前の「楽譜図書館」が作れるはずです。
さて,今回の「Googleによる書籍のデジタルデータベース化」計画ですが,私は全面的に支持します。できれば,「楽譜のデジタルデータ化」もGoogleにして欲しいと思っていますし,私がこれまでに作った全データを提供してもいいと思っています。
それにしても,このGoogleの計画に対し,本の著者はどうしたらいいのでしょうね。売れっ子の作家だったらデジタルデータ化を拒否しても全く影響はありませんが,「あまり売れない本」の場合にはGoogle検索に引っかからなくなって,事実上「存在しない本」になってしまうからです。
2009/02/25
- ケナコルトA(R)回収問題ですが,医療現場ではかなり混乱しているようです。
懸濁液ステロイドとしてはデポ・メドロール(R)(後発品ならデポ・メルコート(R))とリンデロン懸濁注(R)があることを教えていただきましたが,ケナコルト(R)の回収のニュースとともに全国各地で争奪線(?)が起きていて入手困難となっています。
このため,「メーカーが自主回収しているだけ。治療に必要なこと,副作用がでる可能性があることを説明した上で使用するのは医師の裁量権の範囲内である」,との解釈で,メーカーにケナコルトを返還せずに使い続けている病院もあるようです。
私の外来でも、昨日一日だけでバネ指の新患が3人ほど来院されて,ケナコルトが必要な患者さんは日々受診されています。一日も早く,また使えるようになってほしいです。
- コミック・雑誌落ち込み、講談社が過去最大の赤字
米プレイボーイ、身売り検討
日本の出版業界はどうなっているのか。「出版ニュース」2008年10月上旬号の「出版社売上ランキング2007」によると,2007年度の販売金額は次のようになっています。
講談社 |
1443億 100万円 |
小学館 |
1413億4400万円 |
集英社 |
1389億7800万円 |
角川GH |
720億3300万円 |
学習研究社 |
641億2200万円 |
日経BP社 |
535億5900万円 |
ゼンリン |
512億7800万円 |
新潮社 |
310億0000万円 |
ぎょうせい |
307億4100万円 |
光文社 |
305億8100万円 |
というわけで講談社がトップです。講談社の漫画雑誌といえば少年漫画誌の雄「少年マガジン」,青年向け漫画誌の雄「モーニング」を擁していますし,雑誌では「週刊現代」,「FRIDAY」,「with」,「ViVi」,「テレビマガジン」,「たのしい幼稚園」などの超有名雑誌を出しています。
その講談社がコミックと雑誌の販売落ち込みなどで過去最高の赤字というのですから,出版業界の不況は極めて深刻なのでしょう。
一方で,アメリカの「プレーボーイ」身売りのニュースもちょっとビックリ。プレーボーイもインターネットには勝てなかったようで,これも時代の流れなんでしょうね。
1990年代半ばまでの日本では,金髪の超美人お姉さんのナイスバディを拝もうと思ったら,意を決して「プレーボーイ」を購入するしか選択枝がありませんでしたが,2000年以降は高速回線による常時接続が一般的になり,「金髪の超美人お姉さんのナイスバディ」は無料動画で簡単に見られるようになりました。これでは雑誌メディアには勝ち目はありません。
- 政治色ないアカデミー賞に見るオバマ政権の影響
「おくりびと」のオスカー受賞で湧き上がっていますが,上記の記事の分析は面白かったです。なるほど,ペネロペ・クルスをはじめ,みんなが純白のウェディング姿だったのは,そういうわけね。
「ブッシュ政権8年間のアカデミー賞受賞作品の流れ」という分析も納得できるものでした。
- アカデミー賞といえば,思い出すのがラジー賞。「最低映画」に贈られるとっても不名誉な賞です。今年もパリス・ヒルトンらが受賞(受傷?)しちゃいました。
それにしても,最低映画賞を受傷・・・じゃない,受賞した『愛の伝道師 ラブ・グル』ってのにはそそられますね。レンタルになっているみたいだし,借りちゃおうかな・・・そのうち,市場から姿を消すだろうし・・・。
- 日本では連日,WBC(Word Baseball Classic)のニュースで盛り上がっていますが,盛り上がっているのは日本だけ,という噂も聞こえてきます。というより,WBCそのものへの関心も低く,自分が選手に選ばれたことすら知らない選手もいたり,選ばれても辞退者が多く,選抜選手が顔をあわせるのも,WBC開幕の数日前らしいです。「そんなのに出ても金にならないし,怪我でもしたらどうすんのよ。それよりチームがワールド・シリーズに出ることが最優先さ」というのが選手たちの本音だとか。
でも,宮崎県の経済には多大に寄与したのですから,麻生政権の経済対策よりは有効だったようです。
- 今,テレビのニュース番組で麻生首相がオバマ大統領と会談している様子が映されていて,麻生さんは英語で直接話していたみたいです。英語ではさすがの麻生さんも「失言」していない模様です。ま,漢字じゃないから誤読する可能性はゼロでしょうが,見ていてハラハラします。
2009/02/24
- プラスモイストP取扱店に宮城県多賀城市のつばさ薬局多賀城店を追加しました。
また,インターネットのアンツィアーナショップからもプラスモイストが直接購入できるようになりました。
- 注射用ステロイド剤「ケナコルトA」を自主回収
これは困ったな。ケナコルトは懸濁液のため,注射後も組織内にとどまる時間が長く,他の「水溶性ステロイド注射剤」に比べると効果は全然違います。ケナコルトが使えなくなると,ばね指やケロイドの治療ができなくなっちゃうんですよ。
というわけで,ケナコルトのような注射用懸濁液ステロイドをご存知の方,是非,ご教示下さい。
- アメリカ犯罪史上,もっとも有名な事件をテーマにした映画,《ロンリーハート》を紹介。ジョン・トラボルタが渋い刑事役で活躍しています。
- 以前から公立小の英語導入に不安が半数 出版社調査という声が現場から上がっていましたが,小学校での英語教育を選考実施している学校から「やればやるほど英語嫌い」 小学校英語活動に異論続々という調査結果が教研集会で報告されました。
何のために英語教育をするのか,英語教育の目的は何なのか,なぜ英語教育をするのか・・・という根本から問い直す必要があるのではないかと思います。
英語に限らず,言語とはコミュニケーションの手段です。つまり,身振り・手振りと同じです。相手に伝えたいことがあれば英語が話せなくても身振りや手振りでそれを伝えることは(ある程度)可能です。しかし,相手に伝えたいことがなければ,いくら英語を流暢に話せても使い道がありません。
日本で生まれ育った人で「数学嫌い」はいますが「日本語嫌い」はいません。同様に,アメリカ合衆国で生まれ育った人で「歴史嫌い」はいても「英語嫌い」はいないはずです。アメリカ人にとって英語は,好き嫌いの対象ではないからです。アメリカ人にとって英語は生活に必要なものなので,好きだ嫌いだとわがままを言う余裕はありません。生きるための手段だから覚えるしかありません。
日本で「英語嫌い」がいるのは,日本人にとって英語が好き嫌いの対象だからです。英語が嫌いでも生活に困らないからです。だから,敢えて覚える必然性はありません。その意味で,日本人にとって英語とは,数学や音楽と同じです。
世界史や微積分を知らなくても生きていけるように,英語を知らなくても日本では生きていけます。そして,英語を話せないと生きていけない環境におかれたら,学校で習わなくても,50歳を過ぎてからでも話せるようになります。
- 政府・自民に内閣改造論=政権浮揚に懐疑的見方も
どう転んでも9月の総選挙は必ずあるんだから,それまでの数ヶ月間でいいから○○大臣と呼ばれてみたい,○○大臣の肩書き入り名刺を配ってみたい,と思っている人が自民党に沢山いるんでしょうね。しかも,大臣としての仕事をしなくてもどこからも文句は出ないでしょうし・・・ね。
2009/02/23
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,東京都足立区の深見医院 深見公一先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 「質問コーナー」に「透析の際のシャント穿刺時の無菌操作や消毒は必要でしょうか?」を追加しました。
- 先日の「腰痛の画像検査は無用?」のほか,以前から「頚椎捻挫で頚椎撮影は必要?」,「頭部打撲で頭部2方向は必要?」というアンケートを行っています。これらは,臨床的にはあまり意味はないが今までずっとしてきたからやめるのも怖いし,患者も漫然と検査を要求している,という検査だと思っています。要するに,「傷の消毒」と同じです。
何でこんな話題を提供してきたかというと,理由は二つあります。
- たかがレントゲン撮影だが,全国の病院,医院で毎日のように行われているため,全国レベルで見ると医療費削減に効果的。
- 「昔からしてきたという理由で惰性でしているが,実は臨床的にあまり意味がない」検査や診断や治療法を問題視して撲滅に果敢に立ち上がり,撲滅に成功したら有名になれる・・・かも。
もちろん,全ての医者を敵に回すだろうが・・・。
というわけで,やる気とパワーのある30~40代のお医者さん,誰かこれに挑戦してみませんか? 今回の「基礎疾患のない腰痛症での画像検査は無用?」はLancet 2009年2月7日号に掲載されたものですから,少なくとも世界中にこれを不要と思っている研究者がいるということは間違いないはずです。
- クラゲ、世界で大発生 水質汚染、魚乱獲が一因
これはクラゲに限らず,他の生物でもいえることです。「クラゲしか棲めない環境になった」から「クラゲしかいない」海になっただけです。クラゲが「クラゲしか棲めない海」にしたわけではありません。クラゲはあくまでも,クラゲが生息できる環境にしか棲めません。
これは細菌も同じです。黄色ブドウ球菌なら黄色ブドウ球菌,緑膿菌なら緑膿菌には適した環境があり,それ以外の環境では,その環境に適した細菌が優勢になり,黄色ブドウ球菌も緑膿菌も排除されます。
肉芽から黄色ブドウ球菌が検出されるのは,その肉芽の状態が黄色ブドウ球菌の生存に最適だったからです。もしも緑膿菌に最適の環境であれば,黄色ブドウ球菌でなく緑膿菌が生息しているはずです。
2009/02/20
- 腰痛の画像検査は無用?
という記事がケアネットのサイトに掲載されています。「重篤な基礎疾患のない腰痛ではルーチンに撮影しても意味がない」という内容ですが,皆様はこれについてどうお考えですか?
⇒アンケートです
- スーパーのうずら卵から,ひな鳥ピヨピヨ!
いつも面白い記事が満載のDaily Portal Zですが,なんとスーパーで売っているうずらの卵を温めたら雛鳥が誕生したそうです。その雛鳥のかわいいこと! 自分で実際に確かめてみたというのが何より素晴らしいです。
- 猫踏んじゃった!
ある人から教えてもらった「猫踏んじゃった」の華麗なアレンジです。途中で右手にショパンの「黒鍵のエチュード」のパッセージが顔を出す,センスのいいアレンジです。
2009/02/19
- 東西冷戦下のベルリンが,一夜にして分断された。それが「ベルリンの壁」だ。政治の暴力により突然引き裂かれた家族や恋人を取り戻すため,ベルリンの地下に145メートルに及ぶ地下トンネルを素手で掘った男たちと女たちがいた。その姿を圧倒的な迫力のドキュメンタリータッチで描いた大傑作映画が《トンネル》だ。結末がわかっていて見ても,まだなお息苦しいほどの緊迫感の連続に圧倒される作品です。
- ダーウィン生誕200年 絶えぬ進化論批判 くすぶる「科学VS.宗教」
ヨーロッパなどのキリスト教国では「聖書と科学は別物」という至極当たり前の考えが常識なのに,アメリカだけは「聖書の記述は科学より優位に立つ」と信じているわけでして,しかも「聖書正しい,進化論間違い」と考える成人が増えているんだとか。
以前なら,「何でこんなにアメリカ人は頭が悪いんだろうか?」と不思議に思っていたのですが,以前紹介した『アメリカの宗教右派』という本を読んでから,考えが変わりました。アメリカとは「聖書だけを信じて生きて生きたい,信じるものは聖書だけ」と考えるカルト集団が作った国だからなんですね。だから,聖書を信じることはアメリカの国是であり,「アメリカ=聖書」みたいなものなんでしょう。
しかも,「カトリック⇒プロテスタント⇒ピューリタニズム⇒・・・」の順にストイックになり遊びがなくなっていきます。これは一神教の宿命でしょう。
- ヤマ場になると飲まずにいられない…中川氏、失態いろいろ
恐らくこの人は性格が政治家向きじゃなかったんでしょうね。父親(中川一郎氏)がたまたま有力政治家で,しかもいきなり謎の自殺を遂げてしまったために,講演会が政治家への適正の有無も考えずに有無を言わさずに立候補させて「中川一郎の地盤」を守ろうとしたんでしょう。だから,プレッシャーがかかる場面になると,ついお酒に逃げちゃう。
確かに,政治家になってから「政治家に化ける」人もいるけど,基本的な性格,性質が向いていない場合は毎日が辛いんじゃないでしょうかね。多分この人は,代議士にならずに銀行員のままの方が幸せだったのかな,なんて思ってしまいます・・・政治家になって美味しい汁が吸えたとしても・・・。
- 戦慄すら、でも残虐極まりないとまでは…星島被告判決
「日本では殺し得,殺され損だよ」,「どんなに残忍なころし方をしても1人殺したくらいじゃ死刑じゃないよ」,「どんなひどい事件を起こしても,加害者の権利だけは守ってあげるよ」,と裁判所が保障してくれました。これから殺人を犯そうとする人を勇気付ける判決かな・・・と。
2009/02/18
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,宮城県仙台市のふくじゅ草クリニック 福寿岳雄先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に,兵庫県西宮市ののぞみ薬局西宮店を追加しました。
- ジャガーの保護が感染症を防ぐ?
生態系において生命多様性,すなわち多種多様な生物が同じ環境で生きていることがもっとも重要だ,ということはもはや生物学では常識です。そして,人間も生態系の一員であって,生態系から外れた存在ではないということであり,生物多様性が崩れた時,人間もまた健康を維持できないということなのです。その象徴がジャガーというわけですね。
当たり前のことがようやく語られるようになって来たようです。
- 「ノアの洪水」は誇張された物語?
かと思ったら,同じナショナルジオグラフィックのサイトにこんな記事も。
「大洪水が実際に起こったという説や、洪水がきっかけとなってヨーロッパに農業が広まったという見当違いな説が覆されることを期待している」と,今回の研究を発表したブラウンさんという方のコメントが載っていますが,それよりも,「ノアの洪水は本当に起きた事件だ。なぜなら聖書にそう書いてあるからだ。聖書に嘘が書いてあるはずがない」と信じ込んで,それを証明するために本気で遺跡発掘などをしている研究者がいるということの方が信じられません。
毎度書いていますが,「ノアの洪水」が本当に起きたことだと信じるのは,「ヤマタノオロチ」は実在した生物だと信じて頭が8つの蛇の骨の化石を探すのと同じくらい愚かです。聖書なんて民族固有の「神話=伝承・おとぎ話集」なんだから当たり前です。何でこんな簡単なことに気がつかないんでしょうか,キリスト教馬鹿の連中は。
- 中川財務相、法案通過待たず辞任 後任は与謝野氏が兼務
中川さん,よかったね。これで心置きなくお酒が飲めますね。朝から気兼ねなく泥酔していいですよ。
それにしても最初の外遊先として日本を選んで来日中のヒラリー・クリントンさん,「なんで,主要閣僚が国際会議の場で泥酔して責任を取って辞任するようなアホな国に来ちゃったんだろ,時間の無駄よね,ダーリンの言うとおりに日本なんて放っておけばよかったわ」,なんて思っているんじゃないでしょうか。
- この「泥酔辞任」を受けるように,株価急落。なんと7,645円! 全世界で日本の株価だけが大幅下落を続けています。なぜかというと,日本だけが株価対策を一切取っていない,取れていないからです。
しかも泥酔大臣の後任は与謝野大臣が兼任。これで「財務金融+経済財政」兼任大臣になります。金融と財政って利害が対立することもあるよね。もうどうでもいいから,友達で固めようという感じです。まさにグチャグチャだな。
- 最近,固有名詞がすぐに出なくなったり,思い出すのに時間がかかることが多くなってきた。もうすぐ52歳だ。まさに「年をとった」ことを日々実感している。去年まではこんなことはなかったよな,と思ってしまう。
多分,このように一つ,また一つと記憶が思い出せなくなり,やがて全てが思い出せなくなり,その時,脳は思考は停止し,私という人間は「物体として存在しているが,人間としては全く意味がない」ものとなるのだろう。
生物としての死,意思を持った主体としての死へのカウントダウンはもう私の体で始まってしまったらしい。
2009/02/17
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,兵庫県洲本市の松島医院 松島 進先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 「ラスト7分11秒まで,真犯人は絶対わからない」という挑戦的な宣伝文句を掲げるサスペンス映画,《パーフェクト・ストレンジャー》について。要するに,観客を騙すことを目的に作られた映画で,それがわかってしまうと空っぽの映画です。
確かにこの真犯人はわからないというか,この設定じゃ観客は,真犯人が誰かを推理できないですね。示された証拠があまりにも希薄だからです。要するに,究極の後出しジャンケンってやつですね。
ちなみに,ヒロインのハル・ベリーはきれいでセクシーですが,「全国的に超有名な広告宣伝会社のCEO」を演じるブルース・ウィリスは全然それらしく見えません。というか,社長としての仕事を全然していないのが笑えます。
- 中川財務相、自民内からも「早く辞めた方がいい」
昨日,いつもの居酒屋さんで食べていたら,テレビでは中川大臣の記者会見の様子が放映されました。それを見たカウンターの酔っ払いおじさん達(私を含む)から口々に,「これは酔っ払いの話し方だよ」,「俺たちより酔ってるぞ,こいつ」と見抜いちゃいました。酔っ払いは酔っ払いがわかるんだよね。
この中川さんは以前から,無類の酒好きとして知られています。これまでで一番有名な酒がらみの失態としては,2008年11月20日のスペイン国王夫妻を迎えての天皇陛下主催の晩餐会で泥酔し,大声を出して暴れたという事件で,これは週刊新潮がすっぱ抜いています。要するに,お酒が目の前にあると後先考えずに飲み干してしまう,という条件反射が働いているようで,以前からアルコール依存症一歩手前,と噂されている人物なんですね。
ちなみに,お父さんは中川一郎さん(私らの世代では有名な代議士ですね),そして叔父さんも参議院議員という政治家一族の生まれです。
2009/02/16
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,福岡市西区の手島クリニック 手島康一先生,名古屋市東区の徳川かとうクリニック 加藤 康二郎先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 先週土曜日は福岡での「第2回 湿潤療法(うるおい療法)に関するセミナー」で講演。80人近い方においでいただき,講演後の質疑応答も極めて活発でした。また,私の講演の前に有田共立病院の武内先生の「下肢難治性潰瘍の治療」についての講演もあり,とても参考になりました。
講演終了後は5人の医療関係者,主催者側の方と懇親会。フグ鍋を堪能しつつ,しょうもないことばかり喋っていたような記憶が・・・。遅くまでお付き合いいただき,ありがとうございました。
- その講演の質問で足白癬について質問がありました。私は皮膚科医ではないのでよくわからないのですが,高齢者の足白癬についてはちょっと考えることがあります。高齢者の足白癬とは,白癬菌しか棲めない皮膚になったから白癬菌が定着しているだけではないのか・・・と。
つまり,〔皮膚が萎縮〕⇒〔皮脂腺や汗腺なども萎縮〕⇒〔皮膚常在菌の最優勢腫Propionibacterium属の生存に適さない状態になる〕⇒〔その他の皮膚常在菌も栄養不足のために減少〕⇒〔しかし,白癬菌には最適な状態である〕⇒〔白癬菌が優勢になる〕
という経過があり,皮膚上の細菌を調べると白癬菌のみが検出されるために「足白癬」という病名が下されているだけじゃないでしょうか。
では,この白癬菌を消すためにはどうしたらいいのか。
解決法は一つしかありません。白癬菌が棲めない状態にすること,つまり,正常な皮膚に戻して皮膚常在菌のみしか生存できない皮膚にすればいいのです。萎縮した皮膚を萎縮していない皮膚に戻せばいい・・・要するに,高齢者を若返らせればいい・・・。
もちろん,これは無理です。若返りを不可能にしているのは熱力学第2法則,つまり宇宙普遍の法則です。若返らせることは時間の流れを逆転するしかないからです。
ということはつまり,「白癬菌しか棲めなくなった皮膚」を「白癬菌が澄めない健常な皮膚」に戻すことは不可能だということです。たとえ,抗菌剤で白癬菌をゼロにできたとしても,皮膚が「白癬菌しか棲めない皮膚」である以上,いずれまた白癬菌が繁殖します。白癬菌しか棲めない環境,白癬菌に絶好の皮膚だからです。
このような生態学的な発想をせずに,「皮膚から白癬菌が検出されるのは異常だから,消毒と抗菌薬で白癬菌を殺せばいい」と安易に考えても無駄ということではないでしょうか。
- この週末の移動の飛行機でずっと読んでいるのが『人類史のなかの定住革命』(西田正規,講談社学術文庫)という本です。1986年に最初に出版され,その後絶版となり,2006年に新たに講談社学術文庫に収録されたとのことです。
従来からの定説「作物の栽培⇒定住化」は正しくなく,まず「定住化」が起こり,その結果として作物の栽培が始まった,という説を展開していますが,多くの証拠から緻密に思考を重ね,しかも大胆に想像力を働かせる部分もあり,ページをめくるたびに興奮させられます。まだ半分しか読んでいませんが,いずれ書評を書いてみようと思います。
- 麻生内閣支持率9.7%に 世論調査
日テレは読売新聞系で,読売新聞は本質的に自民党寄りのマスメディアです。そのため日テレの世論調査では従来,自民党支持,政府支持が多くなることが多いのですが,その日テレですら10%を割ってしまったというのですから,不人気ぶりはかなり深刻です。
ちなみに,日本政治史上,最低の内閣支持率を記録したのは森内閣の5.7%です。この最低記録を更新するのも時間の問題かも・・・。
2009/02/13
- 「先進国(OECD加盟国)の政治指導者は何歳なのだろうか?」について調べてみました。
- 「笑っちゃうくらいあきれた」=郵政見直し発言、首相を批判-自民・小泉氏
郵政民営化の当の本人としては当然の発言だろう。問題は,郵政見直し発言をしたときの麻生さんが,小泉さんの反発をどの程度予想していたかどうかだ。
- ええ格好しいの麻生さんとしては,森政権の史上最低支持率の更新だけは避けたい。そして,7月のサミットにだけは何が何でも出席したい。というか恐らく,サミットに出られたら後はどうでもいい(・・・としか麻生さんは考えていない)。
- 支持率を上げるには郵政民営化を快く思っていない自民党支持者を取り入れるのが手っ取り早い(・・・と麻生さんは考えた)。
- 事実,小泉政権下の「郵政選挙」では自民党議員の大多数は民営化に反対だった。だから,民営化見直しを今言えば,麻生内閣の党内基盤は磐石になるはず(・・・と麻生さんは考えた)。。
- しかし,国民の間ではなぜか小泉さんの個人的人気は依然として高い。現時点で敵に回す政治的メリットはない(・・・というのが政治家としては当然の判断)。
- そして,郵政民営化でほとんどの国民は困っていないし,郵政民営化見直しを求める声も大きくない。なぜなら,それは現時点で国民が政治に求める政策の最優先課題ではないからだ(・・・ということを麻生さんはわかっていない)。
- 以上から考えると,現時点で郵政民営化見直しを持ち出しても政治的メリットはないし,マイナス要因ばかりだ。他の争点を提唱すべきだ(・・・ということに麻生さんは気がついていない)。
政治の素人が考えてもこのくらいはわかる。麻生さんはここまで考えて,あのタイミングで「郵政民営化見直し」を口にしたのか,ということだ。
しかも,この小泉さんの批判を受けて麻生さんは「今,政治家として取り組まなければいけないのは景気対策だ」と喋っていたが,それだったら,喋れば必ず論争の的になる「郵政民営化見直し」を打ち出すのは矛盾している。今これを打ち出しせば自民党内はガタガタになり「一致団結して景気浮揚対策」をとれなくなるからだ。
麻生さんの発言は一議員としてなら評価できる。しかし,内閣総理大臣の発言としてはまともではないし全く間違っている。これは思っていても言ってはいけないことだった。
内閣総理大臣とは何々かという基本を知らずに総理大臣をしているとしか思えないのだ。
- 青森延伸で東北新幹線刷新 新型E5系で統一 姿消す「2階建て」
東北と北関東の一部の住民にしか関係ない話題ですが,何しろ私は月に2回くらいは東北新幹線を利用しているので2階建て新幹線のMaxがなくなるのはちょっとさびしい気がします。ま,スピードが出せない構造なんでしょうがないのですが。
ちなみに,新型車両はこんな感じ。あっ,2階建て新幹線なんて眼じゃない格好良さじゃん。
2009/02/12
- 2002年にパキスタンで起こったアメリカ人ジャーナリスト誘拐事件を基にした骨太のドラマ,《マイティ・ハート 愛と絆》を紹介。これは素晴らしい感動作です。
- この国のゆくえ 日本の未来が見える村 長野県下條村、出生率「2.04」の必然
なぜこの小さな田舎の村で出生率2.04なのか,その理由はこちらで詳しく説明されています。要するに,「地方に中央(霞ヶ関)は口を出さず,地方が実情に応じて金を使えるようにすれば,安上がりで効率的な地方行政が可能になる」ということ,そしてもう一つが,「地域住民は行政に過度に期待しない,自分たちでできることは自分たちでやる,と意識を変えること」だったようです。あとは,それに気がついた人間が立候補して当選するだけ。
- 経済危機で温室効果ガス減少 08年度は大幅減と環境省
割り箸を使うのは止めましょうとか,レジ袋はエコじゃないので使うのを止めましょうとか,ペットボトルのリサイクルをしましょうとか,ごみの分別をしましょうとか,そんなチマチマしたことをするより,車メーカーが車を作る台数を減らした方がはるかに効率よく二酸化炭素を減らせるよ,ということです。そして,石油を一番がぶ飲みしては二酸化炭素を吐きまくっているのは個々の消費者でなく,過剰の車を生産し続ける車メーカーだった,ってことです。
ちなみに,レジ袋やペットボトルのリサイクル,マイ割り箸は所詮「見かけだけのエコ,エコしたふり,流行としてのエコ」です。車1台を作る際に必要な石油と排出される二酸化炭素の量を,個々の人間の努力でできる二酸化炭素削減と比べると,比較にならないくらい前者が多いからです。
- <麻生首相>自民党執行部にも失望感 郵政発言で連日釈明
これまで政権を支えてきた菅義偉選対副委員長からも苦言というか,舌打ちが聞こえそうな談話が出されていました。
- イスラエル総選挙:中道カディマ第1党に 右派が過半数
イスラエル総選挙:募る危機感、右傾化加速
以前から書いているが,どの民族にも自分たちの出自に関する言い伝えや伝説がある。それが文章の形で残されることもあれば,伝承の形で伝えられることもある。日本で言えば「古事記」などがそうだし,ローマ民族は「ローマ神話」をもっているし,ケルト民族は「ケルト神話」を大事に守ってきた。そして,ユダヤの民にもそういう言い伝えがあり,それを書き記したものが「旧約聖書」だ。
つまり,ローマ神話も旧約聖書もケルト神話も古事記も,似たり寄ったりであり,どれが正しいということもなければ,どれが優れているということもない。どうせ皆,おとぎ話なんだから。
そういう「おとぎ話」の記述を元に,「俺たちは聖書に書かれている約束の地にユダヤ王国を建設する権利があり,それが神に対する義務である」と考え,既にパレスチナ人が住んでいた土地を金と暴力で占領し,無理やり国を作ったのがイスラエルだ。
そんなおとぎ話を「真実の書だ,神の書だ」と信じているのはユダヤ人だけだし,他の民族はおとぎ話を証文に持ち出すような愚かな真似をしない。しているのはユダヤ人だけ。しかも,一神教特有の精神構造として,「正しいのは自分,間違っているのは相手。正しい神を信じない愚かな民を正しい道に導かねば」という唯我独尊が根底にあるから,聞く耳持たずである。
一神教に特有の思考法,一神教特有の精神構造が諸悪の根源なのだ。19世紀以降の世界規模のトラブルの多くは,これから発生しているような気がする。さらに,環境破壊型の開発も一神教特有の自然観が問題と見ることもできる。
ちなみにアメリカの民主党政権は代々,ユダヤ人を支持基盤とし,親イスラエル政策を取っている。オバマさんとしてもいきなり難題を突きつけられた感じだ。
西欧文明,アラブ文明が一神教の呪縛から逃れる日は来るのだろうか。
2009/02/11
- プラスモイストP取扱店に東京都港区のわかば薬局 虎の門を追加しました。
- 郵政民営化「国民は内容知らなかった」=05年衆院選振り返り麻生首相
最近の麻生さんの発言を見ていると,傍から見ていても心配というか気の毒になってしまう。思いつきで口にした発言を引っ込めずに何とか言いくるめようとして説明を重ね,その説明がさらに問題を大きくし,広げた風呂敷を畳めなくなる・・・の繰り返しだからだ。
今回の発言は要するに,「奇人・変人の小泉の口車に乗せられた馬鹿な国民が,ろくに考えもせずに自民党に投票した」ということになるのだが,麻生さんはそれすら気がついていないようだ。
失礼だが,麻生さんの小学校の通信簿が目に浮かぶ。
- よく考えてから話すようにしましょう。
- 人の言うことに耳を傾けましょう。人の意見を聞きましょう。
- 間違ったと思ったら反省しましょう。
それにしても,最近1週間の麻生さんの問題発言の多さといったらどうだろうか。ある発言をして,これは問題だな,論評を書こうかと思っているうちに,次の失言を生み出しているのである。あまりの多さに,追っかけも難しい状態だ。政治家ウォッチャーとしては嬉しい限りだが,もうちょっと失言を口にするスピードをダウンをしてくれないと困ってしまう。
- 早川政務官、辞任意向を撤回 「軽率だった」
沈もうとしている泥舟なんだから,そろそろ逃げないとヤバイ,という感じでしょうか。
- 工人舎、798gのワンセグ搭載ネットブック~ACアダプタ2個付属
「ACアダプタ2個」,これはいいですね。なるべく持ち物を減らしたい人間としては,ACアダプタって結構邪魔臭いんですよ。だから私はパソコンを買った時にサードパーティから出ているACアダプタを別途購入し,自宅と職場に置いています。
最初からACアダプタを2個付けてくれるなんて,ユーザーのことをよく考えているメーカーだと思います。他のメーカーの「バッテリー駆動時間3時間」なんてノートパソコンには必ず,2個のACアダプタを付けてほしいものです。
2009/02/10
- 「下腿全面の皮弁状の挫滅創の治療方針について」の質問をいただきました。
- 日経メディカル2月号に『熱傷をきれいに早く治す 患部を湿潤状態に保ち治癒を促進』が掲載されました。「手元に雑誌はないんだけど・・・」という方はご連絡下さい。
- 雑誌,暮らしと健康3月号に取材記事『傷・やけどの治し方 新常識 湿潤(うるおい)治療のススメ』が掲載されました。
イラスト満載で非常にわかりやすくまとめられていて,患者さんへの説明に使えそうです。
- タイトルを見ると「しょうもないホラー映画」ですが,実は緻密に組み立てられた文芸映画を思わせる重厚な作品,《デビルズ バックボーン》を紹介。邦題でかなり損をしている佳作といえます。
- 麻生首相「最終的に民営化賛成」答弁を修正
この人の頭の中には,総選挙で票を取ることしかないようです。だから,「俺は民営化に反対だった,といえば特定郵便局関連の票が入ってウハウハだ」と思いついたもんだから,よく考えもせずに口に出しちゃったんでしょうね。もちろん,後先のことを考えずに喋ったもんだから,「あなたは以前,こう言っていたでしょう?」と証拠を突きつけられ,コロコロと発言を変える羽目になります。
ここ2日間の彼の発言をまとめると,「小泉政権の総務大臣就任当時は郵政民営化に反対だったが,その後勉強していい政策だとわかったので賛成した」ということになります。ということは,「総理大臣になってさらに勉強をしたら,郵政民営化は間違っていたとわかったから反対する」ということになるんでしょう。
人間,幾つになっても勉強だ,ってか?
ちなみに,この問題に関して発言ぶれまくりの総理大臣殿ですが,国会答弁の中で発言内容がぶれなかったことが一つだけありました。「俺は小泉政権では総務大臣だった」ということだけです。
うわあ,なさけねぇ!
2009/02/09
- 先週金曜日(2月6日)は熊本市の桜十字病院で講演でした。近隣病院の先生方も参加されたようで,会場は満席でした。多数ご参加いただき,ありがとうございました。
講演後は同院の先生方と懇親会。生涯2度目のクエ鍋(アラ鍋)と地酒の美味しさに酔いしれ,堪能しました。そして,よせばいいのに一人で喋り続けていたような気がします。遅くまでお付き合いいただき,ありがとうございました。
ちなみに,桜十字病院の先生方は口々に「うちの病院の職員食堂,すごくいいですよ。食べ放題のバイキングです。今度,是非食べに来てください」とおっしゃられていたのが印象的でした。本当に美味しいんでしょうね。ちょっぴり羨ましいです。
- 昔,何かの本で読んだうろ覚えの知識ですが,動物のチーターはオスがメスに求愛する際,数キロメートル(?)走り続けた後にメスが求愛を受け入れるんだとか。そのため,動物園での繁殖が不可能だそうです(繁殖させるために数キロメートル四方の草原が必要だから当然ですね)。最近の動物園はいろいろ工夫して野生の状態に近い環境にしていますが,さすがにチーターは無理かと思われます。
皮膚常在菌や腸管常在菌の研究がなかなか進まないのも,理由は同じなんでしょうね。これらの常在菌が暮らす環境(=人体)を実験室で完全に再現することが不可能だからです。
- 「美味しんぼ」作者、ブログでシー・シェパードと豪を猛批判
彼は以前から,日本の食文化を守るためには捕鯨は必要と発言なさっていますが,さすがに彼の主張には無理があります。1月26日のこのコーナーでも書きましたが,次のような状況だからです。
- ノルウェー,デンマーク,ロシア,アイスランド,アメリカでも捕鯨をしているが,いずれも自国の領海内での捕鯨であり,先住民族の伝統を守るための捕鯨となっている。
- 南氷洋という「公海」で捕鯨をしているのは日本だけである。
- 日本国内の伝統的捕鯨の従事者は全国で31人だけ,捕鯨船は5席のみと伝統産業としてはほぼ壊滅状態である。理由は,日本国政府が自国内での伝統捕鯨(=沿岸捕鯨)を守ってこなかったことによる。
- 調査捕鯨で得られた鯨肉は日本国内に流通しているが,値段は下がる一方である。つまり,消費者が求めている肉ではない。
- 例え南氷洋での捕鯨が認められたとしても,それで得られる鯨肉を日本国内で消費することは不可能で(需要がないから),商業的にも成り立たない。つまり,税金の無駄遣いにしかならない。
- 現在日本が南氷洋で行っている調査捕鯨も意味がない。費用対効果から見て,漸近の無駄遣いにしかなっていない。
- 鯨食は現在の日本では「珍味」の一種でしかない。どうしてもこの「珍味」を守るのであれば,日本領海内の捕鯨を復活させるか,ノルウェーやデンマークなどの沿岸で捕獲された鯨の一部を輸入するだけで十分であるし,商業的にも成立するはず。
- いくらシー・シェパードといえども,日本の領海内の捕鯨には反対できない(領海内には入り込めないから)。彼らが反対活動できるのは「公海での捕鯨」だけであり,日本が「公海での捕鯨」をしているからだ。
- 中国北部、干ばつ深刻 400万人の飲み水不足
中国を含め,世界の穀倉地帯の多くは雨が少ない地域である。雨が少なく晴天が多いから植物の生育に適している。もちろん,足りないのは水だ。そこで地下水をくみ上げるなどして灌漑を行うことで,穀物の大生産地になれたのだ。
しかし,これらの穀倉地帯はどこも,地下水の水位が低くなり,より深くまで掘らなければ水が得られなくなっている。アメリカの穀倉地帯はどこもそうらしい。地下水が枯渇した時,どういう事態になるかは誰にも予想できるが,これはちょっと考えたくない事態である。
同様に,中国では揚子江も黄河も途中で干上がってしまい,海に到達しない日が年の半分に及ぼうとしている。中国では人工降雨も考えているらしいが,もちろんこれは根本的解決にならない。
2009/02/06
- 書名を見て面白そうだなと思って買ったのが『太陽系に未知の「惑星X」が存在する!』(向井正 & P.リカフィカ,講談社+α新書)という本。著者らの研究に至る歴史についてはよくまとめられていますが,肝心の著者らの新説に関してはおざなりの説明が書かれているだけです。なぜこんな本になってしまったかを推理(・・・というか邪推だけど)してみました。
- クズ映画のダメ要素を集めてごった煮にしたようなゴミ溜め級映画,それが《エイリアンアタック! Alien Attacks!》です。学生の自主制作映画より出来の悪い低レベルの商業映画でございます。
2009/02/05
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,埼玉県入間郡三芳町のこうの医院 (内科・外科・消化器内科・肛門外科) 河野知久先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 今の資本主義はもう、やめてくれ “森の国”の思想が次の経済システムを作る
資本主義の根底には一神教固有の発想があるのではないか,だから一神教文明は資本主義の問題点を解決できないのではないか,というとても納得できる論評です。特に,砂漠の文明はなぜ一神教を生み出したのか,なぜ砂漠の生活は唯一神の声を聞いてしまうのか,という考察や,環境破壊を必然的に生み出してしまう一神教の自然観などは納得できるものです。
- モータースポーツ活動の柱を終了=三菱自動車
街で売られているもの(商品)は次のどれかに入ります。
- ないと困るもの
- あったら便利なもの
- あったら使うもの
- 無理してでも持ちたいもの
- なくても困らないもの
現時点で自動車という商品はどの分類に入るでしょうか。茨城県の田舎では「ないと困るもの」ですが,首都圏では「なくても困らないもの」「あったら使うもの」ではないかと思います。そして,商品の意味づけは時代によって変わって生きます。
- キッチン焼き肉の悦楽
ここに「カラムーチョ,ドンタコスを焼いて食べると感激するほど美味い」とありますが,やってみるとわかりますが,これは本当に美味いです。焼き過ぎるとすぐに焦げるのでさっと焼くのがコツです。
2009/02/04
2009/02/03
2009/02/02
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,静岡県浜松市のいがらし皮ふ科 長渡裕子先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 「生命進化から見た皮膚」シリーズ。今度は「常在菌の世界をちょっぴり想像してみると」です。
- Acer Aspire Oneを特に不便を感じずに使っているのですが(・・・つまり,パソコンではその程度の仕事しかしていないってことさね),唯一,使いにくいのは矢印キーが小さくて,その上にある [Pg Up] と [Pg Dn] と矢印キーを押し間違えちゃうことがあることです。このパソコンは右側のキーが小さいんですね。しかも [Pg Up] と [Pg Dn] も私は全然使わないキーなんで,余計に邪魔臭いですよ。
というわけで,KeySwapというフリーソフトを入れ, [Pg Up] と [Pg Dn] をそれぞれ矢印キーに振り替えました。これで一挙に入力が快適になりました。
普段使わないキーをよく使うキーに入れ替えたい,キー配列に癖があって使いにくい,なんて時にとても便利有用なソフトです。
- なぜ派遣は切られたか?もう一つの理由「09年問題」
非正規社員切りの裏にこういう問題もあったのか,と教えられた記事です。
「派遣社員は受け入れ3年後に直接雇用を義務付ける」という法律を作ってしまえば,どんな会社も派遣社員を3年後に自動的に正規社員として受け入れるはず,という,現場を知らない政治家的な発想があだになった・・・ということでしょうか。
- <次期衆院選>麻生首相とのポスター、自民議員が二の足
自党の議員からここまで敬遠されているとは・・・! 確かに,麻生さんが横に写っているポスター,破かれそうです。
もちろん,現在の不況は世界的なものと小泉改革の負の遺産が一挙に押し寄せたためのもので,麻生さんの責任でもなんでもないんだけど,どんな政権にとっても前政権の尻拭いが初仕事です。前政権に何か問題があってそれを処理できなかったから自分に政権が転がり込んだだけの話で,問題処理という尻拭いは最初からコミなんですね。俺は自分の仕事をしたいがために首相になったんだ,前政権の尻拭いをさせられるのは心外だ,なんて言っちゃ駄目。
オバマさんだってブッシュ政権,そして歴代政権の尻拭いに四苦八苦しているんだから。
ちなみに,当の麻生さんは「7月のサミットには絶対出席する」と意気込んでいらっしゃるらしい。その気持ち,わからないんでもないんだけど,「7月のサミットに出席したい」⇒「出席するためには首相でなければいけない」⇒「7月までは首相でいようっと」・・・というのは本末転倒って言わないか? サミットに出席するために首相の座にしがみつかれても困るんだよ。