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2010/06/30

　第14回目の「顔面擦過創・挫創：症例写真のお蔵出し」。まだまだ症例が残っています。
　内田春菊さんの漫画『私たちは繁殖している』第10巻の150ページから湿潤治療が紹介されています。漫画家・エッセイストの南伸坊さんから『傷はぜったい消毒するな』を紹介されて湿潤治療を知られたようです。
　内田先生，ありがとうございます。

私たちは繁殖している（10）
価格：1,260円（税込、送料別）
　講演用のスライドをバージョンアップし，顔面挫創の症例を全て未公開のものと入れ替えました。最新版は6月29日作成のものです。ご覧になりたい方は本名，所属を明記してメールでご連絡下さい。
　なお，以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。
【3時間煮ると牛乳は甘くなる】
　1リットルの牛乳を3時間かけてゆっくり，じっくりと煮詰めていったその時，鍋の中に「蘇」が姿を現しました。平安時代の古文書「延喜式」に登場する伝説のご馳走です。砂糖を使っていないのにほんのり甘く，素朴なミルクケーキといった趣だったそうです。
　3時間，鍋の前に立ち続けて，鍋の中の牛乳をかき回し続けた者にしか味わえない「平安時代の究極のメニュー」です。言うは安く，行うに難い実験です。
【名刺を画像データで保存・管理　キングジムが電子ホルダー】
　未整理の名刺1500枚をどうしようか困っている私にとっては，これは大いに食指をそそられる新製品です。
　これまで名刺専用スキャナは幾つかありましたが，その多くはパソコンに接続して使用し，データの保存先もパソコンでした。このため，パソコンのOSをバージョンアップした途端に使えなくなったりしました（・・・体験済みさ）。
　この商品は単体で名刺読み取り，文字認識とデータベース化，マイクロSDカードへの保存ができるようです。8月6日発売ですが，小売価格は2万円台前半と思われます。これはちょっと欲しいかも。
【謹慎力士・親方、名古屋入りＯＫ　早くも処分骨抜き】
　どうやら，力士も親方も日本語が読めないか理解できない模様です。「伝統と格式」のある「謹慎」という日本語を勉強して欲しいものです。伝統と格式が相撲なんですから。
【枝野氏「小沢氏は大衆迎合」公約修正批判に反論】
　小沢さんの「高速道路無料化、子ども手当、（農業の戸別）所得補償などを昨年の総選挙で約束して議席をもらった。政権を取ったら、金がないからできませんなんて、そんなバカなことがあるか」という発言を受けての枝野さんの発言ですが，「マニフェストにあげたから全部実行しなければならない」という小沢さんの論理のほうが間違っています。
　民主党は確かにマニフェストを掲げて衆院選で勝ちましたが，有権者は恐らく，マニフェストの全項目に賛同して民主党に投票したわけでないからです。「Aという政策には賛同するがBには疑問符」という人も，「Bには賛成するけどAはすぐに実行する必要はない」と思っている人も民主党に投票したからです。
　マニフェストという公約に全て賛同したからその政党に投票する，ということは絶対にありえません。1億人の国民の全ての要求や考え方に適合するマニフェストなんて作れません。なぜかというと，要求や考え方は多種多様だからです。
　政党がマニフェストを掲げて活動するのは結構ですが，掲げたマニフェストに縛られるのは愚かです。
　現在，NHKでは政見放送が流されていますが，この視聴率ってどのくらいなんでしょうか。正直に告白すると，私は一度も見たことがありません。NHKを見ていて政見放送になったら，慌ててチャンネルを変えます（・・・「チャンネルを変える」ってそのうち意味が通じなくなりますね）。情報が全く得られない番組だからです。情報を発し続けているテレビで唯一，情報を含まない番組が政見放送です。
　恐らく，今日突然，政見放送が流されなくなったとしても，誰もそれに気がつかないんじゃないかと思います。そして，なくなったとしても誰も困らない番組です。

2010/06/29

　「外傷を湿潤治療している医師」に，長野県松本市の赤羽医院／赤羽康彦先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
　ある女性から，乾燥肌について次のようなメールを頂きました。
　これまで毎年のように秋口になると腕や下腿の乾燥肌がひどく，激しい痒みに悩まされてきました。
　そこでこのサイトを見て，穴あきポリ袋とワセリンで治るんじゃないかと思い，穴あきポリ袋の代わりにラップに切れ目を入れて創部を覆い，ワセリンを併用してみました。同時に，ボディソープは捨て，週に1日だけ石鹸で体を洗い，他の日は湯船に浸かるかシャワーのみにしてみました。洗髪は極少量のシャンプーだけで，ハンドクリームがわりにワセリンを使っています。
　そうしたら，今年の冬は痒みに悩まされることなく，快適に過ごせました。本当に助かりました。
　ラップに切れ目を入れるのはナイス・アイディアですね。ボディソープとシャンプーを思い切ってやめてみたのも良かったと思います。なにはともあれ，長年苦しめてきた「痒み」がなくなってよかったです。

　こういう症例を多数見てくると，病名はなんであれ，「痒み」を主症状とする様々な皮膚科疾患（アトピー性皮膚炎，〇〇皮膚炎，痒疹，皮膚掻痒症・・・）の「痒み」は，創面（皮膚）の乾燥が主な原因であり，ボディソープで洗う，シャンプーをするといった日常動作が増悪因子ではないかと考えてしまいます。同時に，これらの疾患に抗ヒスタミン剤がほとんど効いていない理由も見えてきます。これらの「痒み」の発言に，そもそもヒスタミンが関与していないのです。だから，抗ヒスタミン剤をいくら投与しても「痒み」はよくなりません。
　キアヌ・リーヴス主演のしょうもないB級アクション映画，《フェイクシティある男のルール "Street King"》を紹介。キアヌ・リーヴスは「人間以外」の役をやっていると違和感ないのですが，「人間」役をしていると演技の下手さが際立ちます。
　読みたい本，読まなければいけない本が沢山あって「積ん読（つんどく）」状態です。美容外科学会の講演までの待ち時間に読み始めたのが『宇宙の”未”解決問題』（リチャード・ハモンド，講談社ブルーバックス）です。現時点で未解決の宇宙物理，量子物理学，量子重力の問題を解説した本で，内容的には特に目新しい感じはありませんが，要所要所で「質問」があり，いずれも，ものごとの本質を理解していないと答えられない面白い問題が挙げられています。
　例えば，最初の章にはこんな問題が載っています。
ガラス管に水素を満たし，そこに電流を通すと中の気体は鈍い光を放つ。この水素の光をプリズムに通してみたら何が起こるか？
1. 何も起こらない
2. 光は屈折して青く見える
3. 光は分裂して虹色に分かれる
4. 四つの異なる色に分かれる
　さて，正解は何番でしょうか？　実はこれが，宇宙の膨張を証明するのに重要なんですね。
　あるいは「なぜ土星の環は巨大な座金のように一個の個体でなく，何十億もの粒子からできているのか？」なんて問題も基本がわかっていなければ答えられません。答えは本書の40ページです。
　上野駅の駅ナカのラーメン屋さん「粋家」に「醤油味冷やしラーメン」という新メニューがありました。食べてみると，いわゆる「冷やし中華」でなく，山形名物の「冷やしラーメン」と同じ冷たいラーメンで，「冷やしラーメン＠山形」のファンとしてはちょっと懐かしかったです。
　ただ，山形市の栄屋（冷やしラーメン発祥の店）の冷やしラーメンは700円で薬膳スープで野菜もチャーシューもたっぷりだったのに，東京の駅ナカでは同じ700円で具の量がちょっと・・・でした。
　ま，山形と東京では物価が違うけどね。
　というわけで，昨日（28日）は午前中に日本美容外科学会で11：30まで講演をし，上野で冷やしラーメンを急いで食べて12：30の常磐線特急に飛び乗り，14：30から外来診療をしました。外来はかなり混んでいて，ちょっと疲労気味。
　そうそう，美容外科学会の講演では最前列の中央に高須クリニックの高須克弥先生が陣取っていて，講演終了後には熱心に質問され，質疑応答終了後もいろいろと話をさせていただきました。先生の顔写真付き名刺をいただきましたが，「この名刺，すぐに使えなくなるよ。だって，いろんな手術や治療を自分の顔で試しているから，すぐに変わっちゃうんだよ」と笑っておられました。「まず最初に，自分の体で試すんだよ」という姿勢に，勝手ながら親近感を覚えてしまいました。
　そういえば，27日の東京中野サンプラザでの講演のあとで，何人かの先生から「近くの創傷ケアセンターに患者を紹介したら消毒，ゲーベンガーゼの治療をされて傷が深くなった。なぜ，湿潤治療でないのに創傷ケアセンターと名乗っているのですか？」という質問されました。翌日の美容外科学会の会場でも講演後，同様の質問をいただきました。
　結果から先に書くと，ミレニア社が各地の病院に作っている「創傷ケアセンター」は駄目治療を行っているところが多いようです（全てダメとは言わないけど）。同社は「アメリカの先進的糖尿病足の治療を日本に導入する」ことを目的に設立され，「アメリカ医学が世界の最先端，アメリカの治療に間違いはない」ことを前提にしています。だから，アメリカにない治療は間違っていると考えています。だから，消毒とゲーベンのような時代遅れの治療（＝アメリカでは最先端の治療）をしている医者がいるわけですね。
　とりあえず，本サイトの「湿潤治療医師リスト」に載っていない「創傷治療センター，創傷ケアセンター」への受診，患者紹介はちょっと考えてからにした方がいいと思います。「アメリカの時代遅れの傷治療」を受けたいなら別ですが・・・。

2010/06/28

　6月28日の早朝です。これから日本美容外科学会で講演で，東京ドームホテルで更新記事を書いています。
　「わたくし，お母さんやってます」というブログを作っていらっしゃる方から，またまた，嬉しいメールを頂きました。
　息子さんが熱湯でヤケドし，名古屋市内の某病院（熱傷治療で超有名なあの病院！）形成外科を受診し，エキザルベ・ガーゼで治療を受け，「あとは自分でやっときなさい。次の診察は1週間後」と説明を受け，困り果ててインターネットで調べて湿潤治療について知り，名古屋記念病院の武内有城先生のもとを受診したら呆気なく治ってしまった，ということです。前の病院ではガーゼを剥がす激痛でのたうちまわっていたのに，武内先生の治療は全然痛くなく，とても優しく親切で，お人柄もとても素晴らしく，感動してしまいました，とのことでした。
　武内有城先生，グッジョブ！！
　先週金曜日，羽田空港第2ビルから那覇空港に向かったのですが，ちょっとびっくりしたことが。羽田空港第2ビル3Fのいつも行く本屋さん（丸善）が閉まっていて，その手前に小さな本屋さんがあったのですが，なんと私の光文社新書の本が6冊も並んでいるんですよ。しかも他に並んでいる光文社新書は新刊書ばかりです。最近，私のこの本はさすがに売れ行きが鈍っているらしく，どこの本屋さんに行っても書棚に1冊あるかないかなんですが，なんとここでは6冊も！　しかもキヨスクより狭い小さな本屋さんで！
　思わず，書店の人に「この本の著者なんですが」って名乗っちゃいまして，お礼を申し上げた次第です。本屋の店員さん，「これから本のお仕事ですか？」と言いながら，本の表紙が見えるように配置を変えてくれたのです。重ね重ね，ありがとうございました。
　さて，その沖縄ですが，これまで沖縄料理で唯一未体験だった2大巨頭，ヒージャー（山羊）汁とイラブー（ウミヘビ）汁をついに食べてしまいました。
　ヒージャー汁は匂いが強烈なことで知られていて，かの東海林さだお氏も「一瞬にして鼻が曲がり，顔まで曲がってしまった」，「山羊小屋に3年間敷き詰めた藁を東京ガスで煮込んだような強烈な臭気」と表現されているほどです。
　で，食べてみましたが，これは楽勝でした。確かに「これは獣の匂いだな」という匂いですが，肉の臭みは大したことはないし，あえて言えば汁にちょっと独特なケモノ臭があるくらいで，これなら十分に食べられます。
　ちなみに，一緒に行った南部徳洲会病院の先生から「これを食べちゃうと，夜眠れなくなっちゃって困るよ」と注意をいただきました。もちろん，体の「あの部分」が元気になりすぎちゃう，という意味なのですが，私の場合，待てど暮らせど，反応なし。ううむ，話，違うじゃないか。

　で，翌日はイラブー汁。薬膳の材料で真っ黒な鱗に包まれた蛇肉とテビチ（豚足）を煮込んだものでしたが，こちらの方は普通の薬膳スープと美味しいお肉，といった感じでした。ウミヘビの肉は癖がなく，真っ黒な皮も美味し食いただきました。
　ちなみに，食堂のおやじさんから「これを食べちゃうと，夜眠れなくなっちゃって困るよ」と注意をいただきました。もちろん，体の「あの部分」が元気になりすぎちゃう，という意味なのですが，私の場合，待てど暮らせど，反応なし。ううむ，話，違うじゃないか。
　というわけで，ヒージャーもイラブーも，私の体と相互作用することなくただ通過したのみでございました。強いて言えば，夜遅くまで飲んでいたのに，翌朝の二日酔いの程度がちょっと軽かったのが「効果」だったかも知れません。
　沖縄への往復の飛行機の機中で読んだのが『世界の野菜を旅する』（玉村豊男，講談社現代新書）。様々な野菜の原産地はどこで，どのような経緯で他の地域に運ばれ，その地でどのように定着し，品種改良がなされ，どのような料理が生み出されていったのかを詳しく説明した面白い本です。扱われている野菜は，キャベツ，ジャガイモ，トウモロコシ，ピーマン，コショウ，トウガラシ，ナス，キュウリ，ニンジン，サトイモ，ヤマイモ，ダイコン，ハクサイ，テンサイ（甜菜）などです。これらについて，著者の旅の思い出と旅先で食べた料理の記憶をからめ，人間の生存の基本である「食」の問題を根源から問い直す良書です。
　玉村さんはもともと文章が非常にうまい人だし，料理についての描写もうまいですが，彼の最初期の著書の完成度の高さに比べると，やや冗長な部分があることも事実でしょう。その意味で，彼の最高傑作は処女作（と思われる）『料理の四面体』だと断言します。この本は本当に凄かったです。サラダとは何かという定義を突き詰めていって最後に「刺身はサラダである」と言い切り，「焼く」とはどういうことなのかを突き詰めて「日干しと焼き魚は同じだ」と看破しています。今から30年ほど前に出版された本だったと思いますが，私が影響を受けた本の一冊です。
【再生肺移植，ラット実験で初成功】
　元の論文を読んでいないのでなんとも言えませんが（オイオイ），どうやら，肺から「肺胞・血管」成分と「骨組み」成分（気管支，細気管支など）を分離し，その骨組みに培養した肺胞細胞を定着させ，そうやってできた「肺」をラットに移植した，という実験のようです。
　肺胞はそれでいいかもしれないけど，血管系はこれでは作られていないため，肝心の酸素交換機能はないはずだよね，というところが気になります。
【巨大イカは少食でロハス】
　『海底2万マイル』や数々の「巨大イカパニック映画」で描かれてきた巨大イカの姿はぜんぶウソ，という記事です。なんと，体重500キロのダイオウホウズキイカは，1日50グラムの魚を食べるだけで大丈夫なんだとか。50グラムというと観賞用の金魚のランチュウのでかいのが50グラムくらいだったと思います。金魚一匹で500キロの巨体が維持できるというのですから，すごい燃費の良さです。
　逆にいうと，恒温動物とは凄まじく燃費の悪い生物です。小さな哺乳類では一日中食べていないと体温を作り出し，維持できません。そのかわり，何かあったらすぐに走り出せます。つまり恒温動物とは，常にアイドリング状態にあるようなものです。

2010/06/25

【消毒用消石灰　やけど多発　口蹄疫で二次災害　貿易作業の宮崎県職員ら】
　口蹄疫による殺処分のために宮崎入りした知人の獣医さんから，消毒用の消石灰によるヤケド患者がかなり出ていてひどいようだ，と連絡が入りました。現地で治療にあたっていらっしゃる先生方，いかがでしょうか。
　そこで瑞光メディカル（プラスモイストの開発元）から私のところに「現地でヤケドの治療で困っているようであれば治療用にプラスモイストを無償提供したい」と申し出がありました。
　もしも使ってみたいという先生がいらっしゃいましたら，私にご連絡いただければ直ちに手配します。
　明後日（6月27日）の東京中野サンプラザでの講演ですが，講演終了後に『傷はぜったい消毒するな』 (光文社新書)の販売・サイン会を行ないます。市価よりちょっぴり安いです。
　ヤケドといえば，先日も，茨城県内の某総合病院形成外科から逃げてきた熱傷患者さんが受診されましたが，創面はほとんど上皮化していて，潰瘍が散在している程度でした。

　この患者さんに対し，形成外科の先生は「皮膚移植しないと治らないので手術します」と説明したんだってさ。一体どこに皮膚移植するつもりだったのでしょうか。まさか，再生した皮膚を全て剥ぎ取って新たに皮膚移植でもしようとしていたんでしょうか。これが「形成外科の常識，熱傷治療の常識」とは信じたくないですが，このように患者に説明する形成外科医は少なくないのです（ほとんど治っているのに「皮膚移植しないと治らない」と説明を受けた熱傷患者の証拠写真，たくさんあります）。
　はっきり言えるのは，この形成外科医はこれまで何度も，こういう熱傷患者に対し皮膚移植を行ってきた可能性が高い，ということです。
　『ロボトミスト 3400回ロボトミー手術を行った医師の栄光と失墜』，この本のタイトル，すごく気になります。
　おそらく，患者を助けようとして日夜，寝る間も惜しんで努力し，持てる限りの能力をつぎ込んで「ロボトミー」という手術をした医者がいたはずです。彼の唯一の誤算は，彼が「磐石の基盤」と信じていた治療理論がパラダイムに過ぎなかったことです。だから，パラダイムが信じられていた時代には彼は名医ですが，パラダイムが崩れた時，彼は悪魔の医者となります。
　医療はパラダイムの集合体です。だから頻繁に治療法が変遷していきます。しかし，変わらない治療もあります（例：「細菌感染症には抗生剤投与して治す」という方法は100年間変わっていない）。それは，基礎科学（物理学，化学，生物学）を基礎としたものです。基礎科学の「事実」は生半可なことではひっくり返らないからです。
　だから，医療がパラダイムから脱却しようとすれば，基礎科学をもとにするしかありません。これが私の基本テーゼです。
【土星の衛星，タイタンとディオネ】
　ちなみに土星には12個の衛生があり，タイタンは最大の衛星，ディオネは4番目に大きな衛星です。ディオネの直径は1120キロですから，東京から宗谷岬，東京から福岡までの距離と同じくらいです。
　それにしても，地球と木星は光でも80分かかります。そんな遠くから，よくこんな鮮明な画像が送れるものだと，毎度のことながら感動してしまいます。
【＜茨城空港＞唯一の国内定期便８月末運休　スカイマーク発表】
　ついに「国内便ゼロの国内空港誕生！」ってか？
　私はこれまで何度か茨城から神戸に行きましたが，神戸空港は一度も使ったことがありません。1往復しかないため，利用しようにも時間が合わないからです。新幹線の方が時間の自由度が圧倒的に高いし，新幹線の車中では乗ってから降りるまでずっと仕事が続けられます（飛行機だと電子機器が使える時間が短いし，空港まで行く時間のロスも大きい）。
　今日から4日間，強行軍の日程です。まず今日は10：30まで外来診療をし，11：13石岡駅発の電車に乗って上野に向かい，14：05のANA機で那覇空港に向かい南部徳州会病院で講演。
　翌日（土曜日）は午後の飛行機で仙台空港へ。
　その翌日（日曜日）は10時の東北新幹線で東京に向かい，中野サンプラザで講演。講演終了後に宴会があり，そのあと水道橋に移動。
　翌日（月曜日）午前中に日本美容外科学会で講演をして，その後上野に移動し，12：30上野発の電車に乗って石岡へ。そして，14：30から外来診療・・・という予定になっております。
　移動距離を合計すると4521キロ。ちなみに，「東京からラオスとミャンマーの国境」，「東京からマーシャル諸島」までの距離がおおよそ4500キロです。

2010/06/24

　第13回目の「顔面擦過創・挫創：症例写真のお蔵出し」。まだまだ症例が残っています。
　講演用のスライドをマイナー・バージョンアップしました。最新版は6月23日作成のものです。ご覧になりたい方は本名，所属を明記してメールでご連絡下さい。
　なお，以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。
　先日，ペンタックスのデジカメ，Optio W90について書いたところ，皮膚科の先生から「発売されてすぐに衝動買いしましたが，1センチマクロは皮膚病変の記録には誠に都合が良いです」とメールを頂きました。皮膚科の先生が「このマクロ機能は使えますよ」というのですから，本当に「使える」事がわかります。
　よっしゃあ！買ったるで！

【送料無料】ペンタックス Optio W90 ピスタチオグリーン（メモリーカード2GB付き）【sm15-17...
価格：27,100円（税込，送料込）
　《鳥》というタイトルだけど，「ヒッチコックの鳥」のリメイクじゃない映画を紹介。登場するのは烏（カラス）です。とても手堅く作られていて，カラスの大群のCGなんて見事なものですが，手堅すぎて定石通りに作られていることが欠点といえば欠点かな。
　そういえば，Eric Reed TrioのCDも買っちゃいました。いつもながら格好いいジャズピアノです。
【ロボットが働く病院，スコットランドに開院へ】
　記事中の「伝統的に，廃棄処理と清掃は同じ人間によって行われてきた」という指摘はなかなか鋭いです。同じ人間が行うということは，どこかで物理的接点ができてしまう危険性があるということでしょう。
【「押し付け」ではコミュニティは生まれない――勘違いだらけのカフェビジネス】
　この記事は面白かったです。「こだわりのコーヒーを出すカフェを作りたい」とか「有機野菜の料理を出したい」というような提供側の「押し付け」ではなく，「その街には何が求められているのか？」を徹底的にリサーチして街作りの核となるカフェを作っていく，という方法論が素晴らしいです。
【ほやで塩を作る】
　岩手県の三陸海岸の特産品が「ほやじお」です。ほやに入っている海水を煮詰めて作ったもので，人気商品のため品薄です。
　そこで，新鮮なほやがあれば作れるはずだよね，と思いついたDaily Portalのライターが作ってみました。でも，できた「ほやじお」が本当の「ほやじお」味と同じかは不明です。なぜかというと，本物の「ほやじお」を知らないからです。
　よく考えると，思いつきで無茶なことをしているだけですが，それを実行に移すところがすごいです。
【スーパーで普通に買えるうまいもの】
　もう一本，Daily Portal Zの記事。なるほど，缶酎ハイは「本搾り」，ビールのつまみには「大辛柿乃種」，カップ麺では「ニュータッチ凄麺」か。参考になります。
【人間がコンピューターウイルスに感染する悲劇が現実に】
　昨日のニュースで一番目を引いたタイトルがこれ。コンピュータウイルスが人間に感染ってどういうこと？と思いましたが，人体に埋め込んだICチップに故意にコンピュータウイルスを感染させてみたら・・・という実験でした。ちなみに，ICチップにウイルス感染が起きた途端，本人もかなりの違和感を覚えたんだとか。ICチップ埋め込み後，何気なくできていた動作（例：ドアの電子ロックを解除する）ができなくなったため，それが違和感となったんでしょうね。

2010/06/23

　第12回目の「顔面擦過創・挫創：症例写真のお蔵出し」。
　私の本を出版している某出版社から次のようなメールを頂きました。
先日，入社面接を受けに来られた新卒の女性が湿潤治療についてご存じでした。女子大ということもあるのか，彼女の周囲はこっちの方がキズがきれいに治るので当たり前の治療になっているとのことでした。
　一度湿潤治療の効果を体験した人が一人いればその周囲に情報が次第に広がるでしょうし，マスコミで取り上げられるたびに「この治療は普通の治療なんだ」と捉える人が増えていくはずです。
　というわけで，来月7月12日の日テレ『人生が変わる1分間の深イイ話』で湿潤治療が取り上げられます。
　グレゴリ青山の漫画，買っちゃいました。
　Google Map，最近おかしくないでしょうか？このサイトでも「プラスモイスト取扱薬局」や「湿潤治療をしている医師」リストなどでGoogle Mapを利用していますが，表示した地図を見てもどこにその薬局（病院）があるのかわかりません。例えばGoogle Mapで石岡第一病院を検索するとこのように表示されますが，どこに病院があるのかわかりません。
　Google Mapは機能満載なのですが，肝心の地図機能がこれでは困ってしまいます。これでは不便ですので，Google MapでなくYahoo Mapに切り替え中です。
【鳥の群れが「一体となる」仕組み】
　この巨大なムクドリの群れが，「すべての個体が一つのネットワークに接続していて情報を共有している有機体」のようなものらしい，という記事です。「群の大きさに関わらず，１羽が速度と向きを変えると他のすべての鳥がそれに従っている」ことを認めない限り，「群としての動き」は説明できないようです。問題は，数万羽のムクドリの群れ全体に瞬時に劣化なく情報を伝える手段が全く不明な点らしいです。
【日焼けマシンで負傷70件＝都が消費者庁に対策要望】
　大多数の医者の意見としては，「日焼けはもともと日光によるヤケドである。日焼けサロンとはヤケドをしに行く場所である。だから，日焼けマシンでヤケドをするのは当たり前。ヤケドをしたと文句をいう方がおかしい」・・・じゃないでしょうか。
【相撲Ｗ杯の様相…開催しても外国人力士だらけ】
　2006年初場所以来，26場所連続で優勝力士は日本人以外とのことですし，今後も日本人力士が優勝することは当分なさそうです。ショパン・コンクールやチャイコフスキー・コンクールでポーランド人やロシア人でなく，日本人が優勝するのと同じようなものでしょうか。
【相撲を国技と呼ぶ誤解】
　なぜ相撲が日本の国技となったのかについていろいろ調べてみましたが，一番わかり易いのがこのサイト，そしてこのサイトが参考にしたと思われるのがこちらです。
　要するに，明治42年に相撲興行専門施設を解説するにあたって命名に手間取り，「相撲は国技なり」という文章を見つけた尾車文五郎検査役が，「それなら国技館でいいんじゃないの？」と発案し，それ以来，「相撲は日本の国技」と考えられるようになったらしいです。つまり，「相撲＝日本の国技」の根拠はあってないようなものです。要するに，言ったもん勝ちってやつです。
【国内初の肺再移植が成功岡山大病院，容体は安定】
　とりあえず，「感染しないように手術創を厳重に消毒」⇒「消毒液で創縁が壊死」⇒「壊死してできた創面に細菌定着（＝colonization）」⇒「培養すると細菌が検出される」⇒「それを感染と勘違い」⇒「さらに強力に消毒」⇒「さらに創縁壊死が進行」⇒「もっと強力な消毒薬・殺菌剤を使用（＝組織破壊力はさらに強力）」⇒「さらに組織が破壊される」・・・という，負の連鎖の轍だけは踏まないで欲しいです。

2010/06/22

　来年2月11日，10回久留米関節セミナーで講演することが決まりました。
　第11回目の「顔面擦過創・挫創：症例写真のお蔵出し」。
　《アンダーワールド》シリーズの第3作目となる《アンダーワールドビギンズ》を紹介。
　日本形成外科学会から今年もまた「年会費未納。とっとと金を払え！」という督促状をいただきました。もちろん，会費なんて払うつもりはありませんから，速攻でゴミ箱に捨てました。
　なぜ年会費を払わなくなったかというと，ここにも書いたように徳島大学形成外科教授（現在の日本形成外科学会理事長）から，「こんな熱傷治療（＝湿潤治療）を続けるなら形成外科の専門医として認めるわけにいかない」と恫喝されたからです。学会理事（当時），大学教授という地位と権威を振り回してペイペイの医者を脅したわけですね。
　確かに，「大学病院形成外科が皮膚移植しないと治らないと断言した症例が，ラップで2週間で傷跡ひとつ残らず完治した」なんて症例を提示し，「現時点では，熱傷で大学病院形成外科・皮膚科を受診するのが最も危険」と言われちゃ，日本形成外科学会理事長としては聞き逃すわけにはいかなかったんでしょうね。
　でも，言われた方も黙っているわけにいかないじゃないですか。一寸の虫にも五分の魂ですよ。私はこういう恫喝を前にして，「わかりました。熱傷の湿潤治療は止めますから，どうか日本形成外科学会専門医として認めてください」と泣きついて謝るほど頭がよくありません。逆に，こんな恫喝に屈するくらいなら学会を辞めてやる，専門医の資格もいらない，とキレちゃったわけです。地位と権力を振りかざす相手に泣き寝入りしたら男が廃りますよね。

　学会から抜けてみるとわかりますが，実に清々しい気分です。学会に意味のない無駄金（＝学会費）を払う必要もないし，専門医の資格を維持するために役に立たない講習会に参加する必要もなく，論文を書くためのネタ探しに汲々とすることもなくなりました。何より，「学会から追い出すぞ」と脅されても怖くない，というのがいいです。講演で演者紹介の際，「〇〇学会評議員，▲▲学会理事，◇◇学会専門医」なんていう肩書きが全然ないのがちょっとカッコ悪い程度です。
　というわけで，来年の今頃もまた「学会年会費を払え！」と督促状が舞い込むでしょうが，その時また，このコーナーに同じ話を蒸し返そうと思っております。書かれるのが嫌なら，督促状を送ってこないでね。
　それにしても，学会の方から勝手に「学会から出て行け！」と言っておいて，「でも年会費だけは払えよ！」というのがこの学会です。こういうのを私は業突張りと呼びます。
【東芝 libretto W100 世界初の2画面タッチミニノート】
　「オイオイ，こんなのあり？」と，打者のインハイの胸元に食い込むようなミニノート（・・・何だ，そりゃ？）が発表されました。どう見ても「大型のニンテンドーDS」にしか見えませんが，一方の液晶に仮想キーボードを表示すれば（ちょっと打ちにくい）ノートパソコン，見開き2画面で使えばiPadより画面の大きい情報ビューワーとして使えるようです。
　重量は700グラムをわずかに切っていて申し分ありませんが，バッテリー駆動時間はちょっと短すぎるのが問題でしょうか。
　どうせならもう一歩踏み込んで，下記の「クラウドブック」と合体させて「libretto W100の筐体＋Android OS」にしちゃえばよかったのに・・・。
【東芝，Android搭載の“クラウドブック”「dynabook AZ」】
　以前から噂が出ていたAndroid搭載のノートパソコンです。ネットに繋がっていれば（そこそこ）何でもできますが，ネットに繋がっていない使い道が限定されるため，田舎に行くとちょっと（？）使いにくい「都会仕様」かも知れませんが・・・。
　それにしても，870グラムで動画連続再生7時間，というのはかなり魅力的です。予想されるお値段も4万円くらいだし。
【永谷園，名古屋場所の懸賞金中止　秋場所以降は再度検討】
　［懸賞金を出す］⇒［力士に懸賞金がわたる］⇒［力士が野球賭博に使う］⇒［暴力団の資金源になる］・・・という図式が（一部の）力士で成り立つ以上，「懸賞金を出す＝暴力団の利益」となり，普通の企業は相撲の懸賞金から手を引くはずです。懸賞金を出すだけで「反社会的企業，暴力団協力企業」とみなされてしまうからです。
　これは，現在の相撲界を維持している「勝てば勝つほど金がもらえる」システムの崩壊につながります。「勝てば懸賞金が全部手に入る」システムに慣れ親しんだ力士たちが，「勝っても負けても基本給しかもらえない」世界に我慢・納得できるのかなぁ？
【ポルトガル７─０で圧勝，北朝鮮Ｇ組敗退】
　ちなみに，ワールドカップの歴史を紐解くと，1982年のハンガリー vs エルサルバドルが10：1，1954年のハンガリー vs 韓国，1974年のユーゴスラビア vs ザイールがともに9：0でした。7点差の試合は結構あるみたいです。
　北朝鮮に帰国した後の選手たち，将軍様の逆鱗の触れなければいいのですが・・・。
　ペンタックスのコンパクトデジカメ，Optio W90がちょっと面白そう。「防水・防塵・耐衝撃最強のデジカメ」を売り文句にしているアウトドア仕様のデジカメなんですが，被写体に1センチまで近寄れる「デジタル顕微鏡モード」が搭載されているのです。レンズ周囲に3つのLEDが配置されているため，近寄っても暗くならないらしいです。
　この「レンズ周りのLED ＋マクロ撮影」機能，他のデジカメにも搭載して欲しいです。

【送料無料】ペンタックス Optio W90 ピスタチオグリーン（メモリーカード2GB付き）【sm15-17...
価格：27,100円（税込，送料込）

2010/06/21

　第10回目の「顔面擦過創・挫創：症例写真のお蔵出し」。
　「冷え性で困っています。治療はありますか？」という質問に回答！治療効果は抜群ですが，保険病名をどうするかという問題が・・・。
　虫刺されで受診される患者さんが増えてきましたが，フィルム材（オプサイト，テガダーム，パーミロールなど）かハイドロコロイド被覆材（デュオアクティブ），プラスモイストを貼るだけで痒みはすぐに治まるようです。ステロイド軟膏も抗ヒスタミン剤も不要です。虫に刺されたことによる皮膚炎が痒みの発端ですが，その後は乾燥が痒みを増強させるようです。
　というわけで，痒みに関する従来の理論（＝ヒスタミンが局所で遊離して末梢神経に作用して・・・）が根底からひっくり返ってしまうんではないかと・・・。
【“JAXAの真田ぁ～ず”に総力インタビュー！】
　読んでいて胸が熱くなる膨大・詳細なインタビュー記事です。至る所に理系魂が炸裂します。感動モノ，感涙モノです。
【ネカフェ・マン喫の利用経験は4割程度】
　私は「ネットカフェ未体験，漫画喫茶未体験」であり，その他，「回転寿司未体験，王将未体験，ゴルフ未体験，マージャン未体験，パチンコ未体験，mixi未体験，twitter未体験，iPod未体験，iPhone未体験」人間です。
【ISSから見た大気圏の層】
　とても美しい写真ですが，私はこういう写真を見ると「大気ってこれだけしかないのか。地表面に僅かに張り付いている大気で地球上の生物（のほとんど）は生きているのか。この僅かな大気の下でないと生きられないのか」と考えてしまいます。
【切り出した脳組織が時間を認識】
　単なる山勘ですが，培養表皮細胞（ケラチノサイト）にも「時間認識能」があるんじゃないでしょうか。脳細胞の時間認識能は単に，ケラチノサイトの時間認識能を受け継いだだけじゃないのか，という気がします。山勘の根拠はこちら。
【“神の粒子”は5種類あるとの新証拠】
　現在の素粒子理論の最大の謎（の一つ）が「質量の根源は何か」です。現時点ではヒッグス粒子と言う架空の粒子が候補に上がっていますが，まだ確認されていません。
　それに対し，フェルミ研究所の出した最新のデータでは，「ヒッグス粒子は1種類でなく5種類（・・・場合によってはそれ以上）存在するのでは」という可能性が指摘された，というのが今回の記事です。「素粒子の構成要素」に関する実験と理論，さらに混沌としてきました。
【iPadを買って，使って，考えた電子書籍に保守的な日本出版業の未来】
　本の書き手という立場から考えた電子書籍の可能性，という記事です。「私が出版社だったら，印税を5倍にして有能な書き手を囲ってしまうんだけど」というあたりは面白いです。

　これに関連してですが，本の書き手という立場から，電子書籍のメリットの一つは「1冊の本にするために内容を無理やり水増ししなくても済む」ということじゃないかと思います。例えば，新書1冊を書こうとすると最低でも値段は580円くらいですから，それに見合うページ数（200ページくらいかな？）が必要になり，本の書き手はそれを文字で埋めなければいけません。
　この文字数を埋めるだけの「書きたいこと」が書き手にあれば問題ありませんが，「この内容なら原稿用紙50枚もあれば十分」という場合が少なくないことです。しかし，本にするためにはそれでは全然足りません。そのため，1冊の新書とするためには，過去の思い出とか，関連するよしなし事とか，あまり関係ないけどちょっと関係のある写真を並べるとかして「水増し」するわけですね。「一冊の本」という「形」にするために必要な水増しです。
　でも，電子書籍なら無理に厚くする必要はありません。原稿用紙20枚で30枚でも1編の論文でも「出版」できます。
　おそらくこれが，電子書籍の最大のメリットでしょう。

2010/06/18

　「既にできたやけどの痕に湿潤治療は効果がないとありますが，例えば傷痕をもう一度火傷させるか切除するかなんらかの方法によって傷を作り，湿潤治療をするというのは無理でしょうか？」という質問をいただきました。以前から，同様の質問を時々いただきますので，まとめて回答しました。こちらをご覧下さい。
　ゴッドハンド輝（52） (少年マガジンコミックス)，発売中。巻末で湿潤治療によるアトピー性皮膚炎治療が紹介されています。山本先生，ありがとうございます。
　伝説の銀行破りが地下トンネルを掘って2億ドルを狙う！という《BANKER BREAK バンカー・ブレイク》を紹介。同じような映画は幾つもありますが，これはかなり良くできた作品です。
　昨日は15：00過ぎから上野で講演，その後，懇親会があり，終了後に常磐線に乗って石岡に戻ってきましたが，酔っ払って乗る常磐線は危ないです。危うく，乗り過ごすところでした。
【「人力ポルシェ」がレースコースを走る動画】
　"FERDINAND GT3 RS - The World's slowest Porsche" という動画タイトルがナイスです。健気にトコトコと走っています。
【大嶽親方，野球賭博認める　申告力士ら聴取へ】
　今から20年以上前に思い出だけど，その頃いた病院の医局では相撲の本場所の時期になると「相撲トトカルチョ」をしていて，結構多くの先生が参加していましたね。なんともおおらかな時代でした。相撲業界の皆様はいまだに「おおらかな時代」を生きていらっしゃるようです。

2010/06/17

　先日，ちょっとだけ紹介したベートーヴェン研究書，『秘密諜報員ベートーヴェン』（古山和男，新潮新書）についての評論を追加。従来の「常識」を根底から覆す新説を展開していて，しかも最上級の推理小説を読むような面白さです。

秘密諜報員ベートーヴェン
価格：777円（税込，送料別）
【原油流出：事故原因はBP社の「経費削減」】
　爆発事故の6日前にエンジニアが「この海底油井は悪夢だ」と暴露した電子メールが公開されたようです。BP社は安全対策を全く無視し，経費削減のためにどんどん危険な決定を積み重ねていたようです。映画だと悪徳巨大企業の手口としてこういう手抜きはよく登場するんですけどねぇ・・・。
【夏の和菓子で植物細胞を再現】
　Daily Portal Zの工作番長，乙幡さんがまたも無闇に完成度の高いものを作っちまったぜ。何より，和菓子の材料で植物細胞を作ろうという発想がぶっ飛んでいます。
【相撲協会が賭博問題調査チーム設置】
　ちなみにこの時，武蔵川理事長が「力士が商売敵の野球に賭けるなんて言語道断！力士なら土俵に命をかけろ。飯にちゃんこをかけて食え。国技館の周りを駆けて足腰を鍛えろ。音楽かけるなら相撲甚句。衣紋掛けにかけるのは浴衣！」と叱責した，という事実はないようです。
　私，こういうオモシロお馬鹿発言を密かに期待してたんだけどなぁ・・・。
【相撲協会は進むも地獄，引くも地獄…賭博問題】
　「野球賭博などに関わった全員を休場させたら，幕内の取組は成り立たなくなる」という声が親方衆から早くも上がっています。しかし，いずれ賭博に関わっていた力士の個人名は間違いなくマスコミに出るでしょうから，隠しておけるわけがありません。隠せば隠すほど傷口を大きくするだけです。
　とりあえず，力士数が激減した場合の名古屋場所をどうするかですが，少ない取組数に対応するためには，立会い前の仕切り（睨み合いですね）をうんと長く濃厚にしてパフォーマンスなんかもさせたりして時間を稼ぐ，というのはどうでしょうか。現在の仕切りは幕内4分，重量3分と制限時間が決まっていますが，これはNHKの相撲中継が17：59までに終わらないと困るということから決まったものらしく，もともとは時間無制限だったと言うじゃないですか。
【数万匹×１２０群…丹波でミツバチ大失踪の怪】
　ついに日本でも「蜂群崩壊症候群」か，というニュースです。ここでも，ネオニコチノイド系農薬がミツバチの能に影響し，帰巣本能を狂わしているのではないかと名指しで批判されています。
【小沢前幹事長の地元紙，政界引退促す（読売新聞）】
　Yahoo!のヘッドライン，読売新聞の公式サイトにこの記事が載ったかと思ったら，1時間もしないうちに記事が削除され，読めなくなりました。なぜ？どうして？
　ちなみに6月16日の岩手日報に載っていた記事は47ニュースのサイトで読めます。
　ちなみに岩手日報は岩手県（＝小沢さんのお膝元）で最大の部数を誇る日刊紙です。東京しか知らないと信じられないかもしれませんが，地方では朝日，読売，毎日の三大紙よりその県限定新聞（例：秋田県の魁新報，宮城の河北新報，長野の信濃毎日など）の方が便利なのでよく読まれます。何が便利かといっても，お悔やみ情報と地元スーパーの特売情報だったりしますけどね。

2010/06/16

　「湿潤治療の講演をしている医師」に，宮城県仙台市の橋本クリニック／橋本雄二先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
　講演用のスライドをマイナー・バージョンアップしました。最新版は6月15日作成のものです。ご覧になりたい方は本名，所属を明記してメールでご連絡下さい。
　なお，以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。
　第9回目の「顔面擦過創・挫創：症例写真のお蔵出し」。
　そういえば先日，患者さんからすごい話を聞きました。
　頚部，顔面，両側上肢の熱傷で，当初はIBRK県M市の某総合病院形成外科でテラジアパスタで治療を受けていたそうです。患者さんが「湿潤治療でよくなったという話を聞いたので治療をしている病院で話を聞いてみたい」と話したところ，主治医の顔色が見る間に変わり，それまで皮膚移植のことなんて一言も話していなかったのに，「湿潤治療なんて駄目だ。直ちに手術しないといけない。すぐに皮膚移植をしないと感染で死んでしまう。湿潤治療なんて受けたら皮膚癌で死んでしまう。それでもいいのか！」と恫喝してきたんだとか。
　もちろん患者さんは医者より利口ですから，その医者の態度の豹変に胡散臭さを感じ，強引に湿潤治療をしている別の病院（私の病院じゃないです）を受診し，私も一度診察させていただきましたが，あと3週間で上皮化完了かな，という感じでした。
　それにしても，「湿潤治療と聞いた途端に形成外科医の顔色が変わり，突然，手術が必要とまくし立てた」というところがすごいですね。
　ちなみに，この患者さんによると，「テラジアパスタってすごく痛い軟膏なんですよ。テラジアパスタを止めたら痛みがなくなりました」と言っていました。

　というわけで，熱傷患者の最大の敵は「湿潤治療を知らない，敵視している形成外科医，熱傷専門医」です。こいつらに熱傷治療をさせるべきではありません。上記のようなバカ医者を撲滅するためには，形成外科医以外の医者が簡単に熱傷治療をして，「火傷をして総合病院にいくと治らないけど，あそこの内科クリニックに行くとすぐに治るよ」がその地域の常識となり，総合病院形成外科に熱傷患者が受診しなくなる世の中にするしかありません。
【梅雨に勝つ！使って驚く「ハイテク折り畳み傘」大集合】
　昨日，折りたたみ傘を買った話を書いたら，こんな特集記事が。風に強い折りたたみ傘，サイズが大きいのに軽量の折りたたみ傘など，どれも一芸に秀でています。
【iPad大人気の裏側で始まるか　コンテンツ制作者のアップル離れ】
【Apple，名作のコミック版を発禁や墨塗り】
　偶然（？），アップルに関する記事が二つ重なりました。単にJobsがオッパイ嫌いなだけかもしれませんが，やはり「検閲基準」は明確にすべきでしょう。私，アップルのこういう閉鎖的姿勢が嫌でアップル製品は使っていません。
【Office 2010はプリインストールの仕組みが変わる――MSが注意喚起　初回にプロダクトキーの入力が必要，同梱DVDの紛失に注意】
　明日から個人向け発売開始の "Office 2010" ですが，初期バージョンはスルーしてバージョン2が出たらPowerPointだけ正規版を購入する予定です。スライド作りは仕事に絶対必要なのでPowerPointは必需品ですが，論文や本の原稿はテキストファイルで書いているためWordは必要なく，せいぜい，他の人から送られてきたWord, Excelファイルが読めれば良い程度なので，OpenOfficeなどの互換フリーソフトで十分なんですね。
【はやぶさ　後継機「２」開発推進へ　参院本会議で菅首相】
　この「はやぶさ」計画は薄氷を踏む思いの連続でなんとか成功しました。まさに努力と工夫の賜物です。逆に言えば，どこか一つがうまくいかないだけで，「170億円もかけて宇宙のゴミを作っただけですか？」と罵倒されたはずです。
　前例のない科学技術をどう評価したらいいのか，難しいところです。
【アフガンの1兆ドル鉱脈：「戦争の真の理由」という声も】
　「オバマの戦争」の真の目的はこれか，という記事。アフガンの荒野が宝の山に変わるのであれば，「戦争」を続ける意味は十分にあります。
【大相撲：野球賭博　理事長「世間に申し訳ない」　終始歯切れ悪く】
　暴行あり，殺人あり，賭博あり，暴力団ありと何でもありの大相撲です。ここまで来たら，「大相撲賭博」を開催して相撲協会が胴元になりテラ銭を稼ぐ，なんてのはどうでしょうか。あるいは，賭博に関与した力士の皆様を解雇して天下り機関を作って就職させ，「サッカーくじのTOTO」みたいなを作ってこの天下り機関に運営させる，という手もありますね。

2010/06/15

　「熱傷を湿潤治療している医師」に，仙台市青葉区の橋本クリニック／橋本雄二先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
　昨日は岡崎市の和田林先生が見学に見えられました。いろいろな症例をお見せできてよかったです。
　コソボ紛争終結後のアルバニアに国際安全保障部隊の一員として参加したイタリア兵の姿を描く映画，《ブラックバード・フォース》を紹介しますが，実は訳の分からない変な映画です。
　梅雨の通勤電車に嬉しいアイディア折りたたみ傘，「マジックアンブレラ」を買っちゃいました。これ，スグレモノです。

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【原油流出：懸念される「分散剤」の環境汚染】
　メキシコ湾の原油流出事故ですが有効な対策が取れないまま，現在も一日あたり400万リットルの流出が続いています。それに対してBP社が使用しているのが分散剤Corexitですが，これ自体が環境汚染の原因になっているのでは，という指摘です。おまけに，BP社の元幹部がCorexit製造元の会社の取締役ときています。
　1日400万リットルと言ってもピンと来ませんが，小学校の25メートルプール（幅12メートル，深さ1.2メートル）を一杯にするのに36万リットルですから，プール11個分の原油が毎日流れているわけです。それに対し，Corexitの総使用料も378万リットルを超えていますからこれはプール10個分になります。Corexitを作っている会社はこの事故でさぞかし儲かったことでしょう。なにやら，「マッチポンプ」という言葉を思い出したりして・・・。
【チーズ蒸しパンは冷凍すると美味しくなる】
　ただ冷凍庫に入れただけで，旨みがギュッと濃縮された感じになるんだとか。しかもここではそれに飽きたらず，さまざまなお菓子を冷凍庫で凍らせて（？）は味を確かめるという実験をしています。カスタードシュークリームはすごく美味しくなったそうですが，こりゃ駄目だ，というものもあったりします。
　美味いか不味いかは実際に食ってみるまで分からない，他人が美味いと言っていてもそれを鵜呑みにしちゃ駄目，実際に試してみて初めてわかることが沢山ある・・・ということを教えてくれる記事です。これが科学の精神です。

2010/06/14

　講演用のスライドをマイナー・バージョンアップしました。最新版は6月11日作成のものです。ご覧になりたい方は本名，所属を明記してメールでご連絡下さい。
　なお，以前ダウンロードしたことがある方は同じアドレスからダウンロードできますのでご利用下さい。
　第8回目の「顔面擦過創・挫創：症例写真のお蔵出し」。
　先週金曜日，千葉県での講演で久しぶりにJR千葉駅に降り立ちましたが，タクシー乗り場がわからず，ちょっと右往左往してしまいました（人に尋ねるのもカッコ悪いし・・・）。そういえば，前回千葉駅からタクシーに乗ろうとした時も乗り場がわからなくてウロウロしたことを思い出しました。私，全然，進歩してませんな。
　それはさておき，千葉駅に初めて行ってタクシーに乗ろうとした人，迷ったことがないでしょうか。皆さん，迷わずにタクシー乗り場に行けましたか？
　千葉駅の場合，正面の入口の脇から入る地下道からでないとタクシー乗り場にたどりつけないのですが，この地下道への入口の表示がすごく小さくて，よほど注意しないと気がつかないのですよ。
　私のこれまでの観察では，普通ならJR駅の正面入口近くにタクシー乗り場があり，路線バスの乗り場はそこからちょっと離れた場所にあります。路線バスは普段からそのバスを利用している人が多く（・・・だから，乗り場が多少遠くてもわかりにくくても迷わない），一方，駅からタクシーを利用する人の多くは観光客などの普段その駅を利用しない人が多いからです。このため，タクシー乗り場は近くてわかり易い場所，路線バスの乗り場はそれよりちょっと遠いところ，という住み分けになっているんじゃないでしょうか。
　その点，JR千葉駅は観光客や一見の客にすごく不親切な構造になっているような気がします。少なくとも，路線バスの乗り場とタクシー乗り場の位置は逆でなければいけないと思います。これでは初めて千葉に来た客に失礼です。
　石岡駅に降りて帰り道を歩いていたら，口に何かをくわえたカラスを2羽のツバメが追っていた。カラスは屋根に降りてその獲物を食べようとしていたが，2羽のツバメはカラスに対し，執拗に急降下しては体当たりを繰り返していた。その攻撃に音を上げたのか，カラスはまた獲物をくわえて飛び立ったが，そのクラスをどこまでもツバメは追っていくように見え，やがて3羽の姿は見えなくなった。
　恐らく，カラスにはその獲物を食べなければいけない事情があり，ツバメには数倍の体の大きさのカラスを追いかける事情があったのだろう。多分，どちらの行動もそれぞれ「正しい」のだろう。
　こういう光景を見るとどうしてもツバメに加担したくなるが，それは人間の都合，人間の立場なんだろうな。
【英キャリアO2も，スマートフォン向け定額データプランを廃止】
　「日本のiPhone独占キャリアであるソフトバンクは，現時点では定額制廃止の具体的な計画はないとしている」とありますが，iPhoneがますます普及して皆が使うようになり，バシバシと動画を見るようになった場合，その増加にソフトバンクの回線が耐えられるのか，メンテナンスが続けられるのか，という問題が起こるような気がします。最近，このような「アップルはただ乗りしているだけじゃないの」という議論をよく目にするようになりました。
【おそらく，うちの国の人たちは政変が好きなのだ】
　「鳩山さんが政権を投げ出して菅直人さんが党首になった途端，支持率が60％になるってどうよ」，「平成に入って16人も首相が変わる国って他にないよね」という問題について評論を書けと言われたら，皆さん，どういう文章を書きますか？私は一応「文章を書く側」の人間なんで，こういう事をいつも考えていますが，このテーマではどう考えてもそんなに面白い文章にはなりそうにありません。
　そういう視点からこの文章を読むと，うまさに舌を巻きます。少なくとも私は，こういう方面に発展させる発想はありませんでした。「車のモデルチェンジの頻度」を例に出すなんて，本当にうまいな。
【トンビは油揚げをさらわない】
　こういう実験の記事，私は大好きです。ダミーの油揚げまで作ったのにトンビに相手にされていません。赤ちゃん用の椅子のテーブルで晩御飯を食べている安藤さんの姿が涙を誘います。
　それにしても，「トンビに油揚げ」って，誰が言い出した諺なんでしょうか。
【電子書籍の未来は「文庫版」と携帯？】
　先週，私も書きましたが，Kindleが生き延びるためには本体を低価格にして「本としての使い勝手」を追求するしかありません。iPadとの機能競争に巻き込まれては勝ち目がありません。
【太古の海生爬虫類は恒温動物の可能性】
　ちなみに，マグロやカツオは高速で水中を泳ぎ続けますが，それは体温を常に水温より10℃以上高く維持しているからです。つまり，マグロやカツオは変温動物でなく恒温動物に近いです。
　その秘密は「血合い」にあります。「血合い」はA-V fistula (ariterio-venous fistula) になっていて，水温が高い場合は「血合い」のA-V fistulaが開いて「血合い」から体表面に血液が流れ，水温が低い場合はA-V fistulaが閉じて体表面（＝冷たい水に接している）に温かい血液が流れないようになり，体温の低下を防いでいるわけです。
　以上，寿司屋のカウンターで使える小ネタでした。
【LEDなのに格安2万円台の大画面モニターは買いか？】
　提灯記事を書かないことで有名な戸田覚さんが絶賛しています。このサイズでこの値段ならサブ画面として買っちゃおうかな。ちなみにamazonのユーザーレビューによると，唯一ダメなのはLGの格好悪いロゴが真ん中にあることだけだそうです。

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【結婚から２５分で離婚も…中国の１人っ子世代】
　最初，ジョーク記事かと思っちゃいましたよ。この分で行くと，来年には「婚姻届を出す前に離婚」が登場するんじゃないでしょうか。
【財産は後継機「はやぶさ２（仮称）」へ　太陽系の大航海時代幕開け】
　月より遠い天体に「行って着陸して帰ってきた」のは現時点では「はやぶさ」のみです。つまり，世界トップの技術力であり，とんでもない偉業です。7年間に起きた予期せぬ出来事が襲いかかり，それを技術者たちが工夫と努力で乗り越えてきたわけです。

2010/06/11

　「第7回目の顔面擦過創・挫創：症例写真のお蔵出し」。
　巨大な虎が大都市を暴れまわるパニック映画・・・と誰しもDVDジャケットに勘違いしてしまう映画，《ワイルドサヴェージ》を紹介。
【LEGOで作ったアンコールワット】
　すげぇ！マジ，パネーっす。
【アマゾンKindleに防水読書ケースM-Edge Guardian Case】
　iPad登場以来，話題がメッキリ少なくなったKindleですが，これまでの電子機器の歴史を見ているとKindleには勝ち目はないだろうなと思います。［電子書籍しか読めないKindle］vs［電子書籍も読めるiPad］という圧倒的機能差がある両者の戦いでKindleが勝つためには「すごく値段が安い」か「iPadより圧倒的に薄くて軽い」でなければならないからです。要するに，3,000円くらいで300グラムなら60,000円で700グラムのiPadと同じくらい売れるでしょうが，そうでなければまず勝てないでしょう。
　ワープロ専用機（「書院」や「文豪」や「ルポ」）がパソコンに駆逐されたように，数字しか表示できないポケベルがネットも通話もできる携帯電話に駆逐されたように，Kindleもまた遅からず消えて行くような気がします。

2010/06/10

　「外傷を湿潤治療している医師」に，兵庫県尼崎市のさくらいクリニック／桜井隆先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
　ついでに桜井先生の近著をもう一回宣伝。
　「第6回目の顔面擦過傷症例のお蔵出し」。
　昨日もまた，ちょっと嬉しいメールを頂きました。
指のケガの件で相談した〇〇です。早速，岐阜外科の澤田先生に見ていただき，とても安心できました。
また，これからも頼りにできる先生に出会えて本当に良かったです。
　澤田先生，グッジョブ！
【メキシコ湾の石油事故で日本の未来が見える】　「メキシコ湾は今日も一日に小学校の25メートルプールの120杯分の原油が流出している」と具体的に換算すると，どれほどの大惨事かわかります。同時に，1500メートルの海底から高圧で吹き出しているこれほど大量の液体（原油）噴出を止める手段はほとんど無いであろうということは，素人でもわかります。恐らく，この海底にある原油が枯渇するまで噴出が続きます。単純な物理学です。
【その名も「楽酷天」　楽天とBaiduの中国事業が始動】
　昨日見た様々な記事で，一番インパクトのあった漢字がこの「楽酷天」です。「楽天は中国に入ってくるな。こんなのを中国に入れたら酷いことになるぞ」というネガティブキャンペーンかと思っちゃいました。
　そうか，「酷」って中国では「Cool」の漢字表記で「チョー格好いい」という意味だったのか。中国と日本では同じ漢字だからといって同じ意味にはならない，といういい例ですね。
　今週になってから2日続けて，1日のアクセス数が5,000を越しています。なぜ？

2010/06/09

　「湿潤治療の講演をしている医師」に，おかだ小児科医院／岡田清春先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
　「第5回目の顔面擦過傷症例のお蔵出し」。
　以前，息子さんの指尖部切断で相談を受けた方から嬉しいメールを頂きました。
約１年前，息子の右手指の切断相談した〇〇です。
ケガをした直後に駆け込んだ病院では強引にイソジン消毒をがっちりされ，多量に出血していたため強引に縫合され，息子は叫び続けました。あまりの処置だったので別の総合病院に行くとまたもやイソジン消毒で絶叫！
紹介を受けた宇都宮の五味渕整形外科に連絡をとってみたところ，快く引き受けていただき，プラスモイストで治療を始めました。痛がる様子もなくなり，3ヶ月でとてもきれいに治りました。治り方を見て五味渕先生も感動されていました。本当によかったです。
　五味渕先生，グッジョブ！
　掲示板で紹介されていたのがこの本，『救児の人々 ~ 医療にどこまで求めますか』。6月19日までネットで全文を閲覧できますが，極小未熟児を出産し，懸命の治療でなんとか命が助かったものの，意思の疎通もできないわが子をもってしまった母親の苦しみを描くプロローグを読むだけで胸が詰まります。命を助ければそれでいいのか，救命することが幸せにつながるのか，そもそも医療とは何なのか・・・という重い問題を医者に突きつけてくる本です。
　医者なら，看護師なら一度は手に取るべき本ではないかと思います。
【ポメラに由良拓也モデル――ケースと本体の一体型，キーボードには“F1”マシンも】
　うわぁ，マジ，欲しいっす。ポメラDM20はもう持っているけど，ポメラニアンとしてはこれは買わねば！
【危機感欠如がもたらした口蹄疫の爆発的拡大　行政は後手に回った防疫活動の虚しさを知れ】
　口蹄疫の発生を知りその拡大を懸命に阻止しようとして独自に対策を取る畜産業者，その活動を邪魔する行政，10年前の口蹄疫は大したことがなかったから今回も大丈夫とタカをくくっていた県当事者・・・という構図を見事に浮かび上がらせる記事です。
　人間の移動が高速・広範囲となり，大規模経営の畜舎が増えると，ウイルス感染は爆発的に増えます。蔓延速度は昔の比ではありません。だからこそ，最初の数例の発生で対策をとり始めないと，とんでもないことになります。そして，人間が高速・広範囲に移動している以上，ウイルスは人間とともに移動しますから，ウイルスの拡大・侵入を防ぐには人間の移動自体を止めるしかないはずです。

2010/06/08

　久しぶりに「78歳，Ⅲ度熱傷，30％」の経過写真を追加しました。ちなみに数ヶ月前に79歳の誕生日を無事に迎えられました。
　「79歳と高齢で，受傷後10ヶ月近く治っていない傷があり，在宅で素人が治療し，清潔操作もしてないし滅菌物も使っていない」のに，感染症も起きなければ，全身状態も悪化しないどころかますます元気になり，ゆっくりと確実に上皮化が進んで傷が小さくなっていきます。
　さくらいクリニックの桜井隆先生から，先生のご著書『大往生なんか，せんでもええやん！』（講談社）が送られてきました。在宅医療の先生たちの間で最近話題の本ですが，在宅での褥瘡や外傷の治療として湿潤療法（ラップ療法）も取り上げられています。
　アルジェリア独立戦争におけるフランスの戦争犯罪の恐ろしさをえぐり出す傑作フランス映画，《いのちの戦場 -アルジェリア1959- "L'ennemi Intime"》を紹介。娯楽的要素は皆無で見ているのが辛い映画です。しかし，見終わった後に残る感動の深さは，他の映画では得られないものです。
　それにしても，よくぞこんな映画をフランスが作ったものです。
【普天間住民を引っ越しさせる方法】
　これはマスコミには絶対に出てこない「真実」でしょうね。普天間基地近くの小学校も以前から移転計画が上がっているけど，「普天間は騒音がひどくしかも危ない」という象徴的存在として移転に反対する勢力がいるらしいです。普天間移転を主張するためにはこの小学校に移転されて困るんですね。この小学校の生徒達が「利用」されているわけです。だから，「基地を移転するより，住民が移転した方が早くて安上がりでは？」という意見は封じ込められます。
　何がなんでも普天間基地を移転させたい人達がいて，その本心は「住民の安全を守る」ではなく，「基地跡地に何を作って設けるか」です。真っ先に作られるのは巨大カジノという噂もあったりして・・・。裏にあるのは巨大な利権です。
【だまし絵の壺を自分の顔で作った】
　だまし絵として超有名なのが「ルビンの壷」です。誰でも一回は見たことがあるはずです。それをなんと，自分の横顔をトレースして本物の壺を作っちゃいました（・・・発泡スチロールだけど・・・）。無闇に，そして無駄に（失礼！）完成度が高いです。
　それにしても，この壺を実物として作ってみようという発想が素晴らしいです。
【なぜ消費税でなければならないのか　増税をめぐる認識ギャップについて考える】
　昨日読んださまざまな記事の中で，一番面白かったのがこれです。その主張をまとめると次のようになるかと思います。
- 日本の財政赤字は常軌を逸した水準であり，放置すればギリシャの二の舞だ。
- 「無駄を削減すれば財政赤字は補填できる」というのは幻想。財政赤字があまりにも莫大過ぎるため，ムダ削減だけでは到底補えない。
- 税金とは要するに生活の余裕を徴収すること。徴収方法には「所得という入口で徴収する」方法と，「消費という出口で徴収する」方法の二つしかない。
- 「所得税＝入り口徴収」はサラリーマンと事業主では捕捉率が異なり不平等。それに比べると「消費税＝出口徴収」での捕捉のほうがまだ平等。
- 「出口捕捉」の消費税には非累進性という欠点があるが，それは所得再分配で補えるのではないか。しかもそちらの方がシステムも単純明快になる。
- 世代間の負担アンバランスを是正するためには，引退世代にも税負担をしてもらうしかない。これが可能なのは消費税のみ。
- 少子高齢化社会においては，有権者に占める引退世代の割合がどんどん高くなる。だから，何もしなければ引退世代に有利な税制となってしまう。
　「有権者に占める引退世代の比率がどんどん高くなる」という現象は医療にも当てはまります。国民（＝有権者）の声を聞き，国民目線の医療制度を進めていくと，必然的に引退世代に有利な医療ばかり優先されることになります。そしてこれはさらに少子化を進めます。
　少子化対策（＝非有権者を増やす対策）とは要するに引退世代に不利な政策です（予算が有限である以上，少子化対策をするためにはどこかの部門を削らなければいけないから）。「国民目線の政治」をうたう政党は本当に少子化対策を取れるんでしょうか。
　そういえば，昨日ちょっと取り上げた雑誌「Wedge」6月号にも『政治漂流先般は「国民目線」議員』という秀逸な記事がありましたね。民主党にも自民党にも，個々の問題についての「国民目線」で考えるスペシャリストばかりで，「国政」を考えられる政治家がいなくなった，という内容でした。
【＜口蹄疫＞運搬車が感染経路か　調査チーム指摘】
　東南アジアや西アジアでの鳥インフルエンザの伝播経路も主要幹線道路と鉄道でした。人間の経済活動がウイルスの移動を手伝っていたわけです。口蹄疫も同じであったことがわかります。
【マンモス絶滅で寒冷化に拍車？】
　草食動物は消化管内にセルロース分解細菌を常在させ，彼らに植物のセルロースを分解してもらい，その副産物として細菌が生成する（＝排泄する）蛋白質やアミノ酸を吸収することで生きています。マンモスや恐竜が草という低カロリー・低栄養の食物しか食べていないのにあの巨体を維持できているのは，こういう巧妙な「共生関係」を獲得できたからです。ちなみに，セルロースを分解できる動物（あらゆる哺乳類・・・どころか，昆虫を含めても）は地球上に存在しません。そして，草食動物の消化管内のセルロース分解菌がセルロースを分解する過程で必然的に産生されるのがメタン（CH₃）です。このメタンが二酸化炭素以上に熱を溜め込む性質を持っているわけですね。

2010/06/07

　「第4回目の顔面擦過傷症例のお蔵出し」。
　週末の滋賀県への移動の新幹線車中で雑誌「Wedge」6月号を読んでいたが，その中で「医師不足は看護師で対応する米国」という記事があった。要するに，医療訴訟保険があまりに高額なため，ビジネスとして成り立たないとして，と廃業する医師が多いためらしい。そこで，28の州で看護師の権限を高める動きがあるのだそうだ。
　一見良さそうなこの漢字がするが，これは多分うまく行かない。「医者だから訴訟を起こしたが，看護師に対しては訴訟を起こさない」というならこの計画は有効だが，恐らくこれでは，訴訟のターゲットが医者から看護師に変わるだけで，解決にはならないことは目にみえている。つまり，いずれ「看護婦不足」が起こるはずだ。要するに，「イチャモンでも何でも訴訟してしまえ。訴訟を起こせば簡単に大金を手に入れられる」という訴訟天国というアメリカ人の考え方自体に問題があるのだ。
　というわけで，看護師に医者の仕事をさせることは対処療法に過ぎず，根本治療にはならないと予想される。

　ちなみにこの雑誌「Wedge」は東海道新幹線のグリーン車に無料で置いてあって結構読んでいますが（駅のキヨスクでも売ってるけど），経済記事を中心に読み応えのある記事が並んでいて，手にとるのが楽しみな雑誌です。
　そうそう，"Wedge" という雑誌名をキーボード入力していて気がつきましたが，"Wedge" って「左手だけで打つアルファベット」でできている単語です。こういう単語の例としては，"free", "beer", "draft", "dear", "water", "waste", "Severac" （フランスの作曲家）， "abstract" なんてのがあります。
　ちなみに「右手だけで打つ単語」としては，"you", "oil"，"mill", "Phillipin"（正式の国名は複数形の "Phillipines" だけどね），"Philipp"，"Pollini"（イタリアのピアニスト）なんてのがあります。
　先週，【からし焼！それは東十条のパワーフード】という記事を紹介したところ，すぐさま，東十条住民から「東十条の飲み屋さんは素晴らしいです。からし焼き，激ウマです！」と熱烈賛美メールを頂きました。最近の「B級グルメブームに便乗して適当に作ってみました」的B級グルメではない，昔から地元に根づき地元民に愛されている食べ物であることがわかります。こりゃ，食べに行くしかないな。
　さて，猫も杓子もオタマジャクシもアメンボもiPadである。パソコン関連サイト，パソコン雑誌を見ても記事の半分くらいはiPadがらみだ。
　もちろん，デジタルガジェット大好き人間の私も興味がある。しかし多分，当分は買わないだろう。使っている暇がないからだ。
　新しいガジェットを購入するのは楽しいし，それを使いこなすのはもっと楽しい。そして，新しいデジタルコンテンツは恐らく，もっともっと楽しい。それは十分わかっている。問題は，そういう「楽しみ」が楽しめるようになるためには，それ相応の時間が必要，という点にある。しかも私は凝り性だ。パソコンをさわり始めると自分でプログラミングが組めるまでにならないと気が済まないし，新しいガジェットを買ったら裏技情報を集めてすべて確かめてみるまで気が済まないからだ。多分，iPadを使うのはすごく楽しいと思うし，使い始めたら寝る間も惜しんでいじくり倒すはずだ。
　問題は，iPadを買ってもそれを楽しむ時間が無いことだ。ホームページの更新ネタを見つけて記事を書き，出版予定の書籍原稿を執筆し，雑誌からの依頼原稿を書き，全国の医者や患者さんからの問い合わせメールへの返事を書き，その上でさらにiPadを触る時間を作り出すのは絶対に不可能だ。どう頑張っても，どう工夫しても一日は24時間しかないからだ。iPadを楽しむためには他の時間を削るしかないが，その「削るべき時間」がどこにもないのである。
　なんてことを書いていたら，小田嶋隆さんも同じようなことを書かれていました。⇒私がiPadを買うべきでない理由
【インテル，新プラットフォームCanoe Lakeと厚さ14mmネットブックを披露】
　CULVやタブレットPCに押されてすっかり陰の薄くなったネットブックですが，デュアルコアに対応した次世代atomが発表され，これを使うと「厚さ14ミリのネットブック」が可能になります。14ミリといえば，私の愛機 "Vaio type X と同じですから，恐らく重量も700g台になることが予想されます（・・・あくまでも私の希望的観測）。
　ちなみに，今大人気のiPadですが，厚さは13mm, 重量680gであり，実機を持ってみると「案外厚くて，予想したより重い」ものですが，同じ厚さと重量でキーボード付きなら，私はこちらの方（新型ネットブック）の方が欲しいです。
【回転すし店にワゴン車が突っ込み客１４人けが　大津】
　私，回転寿司店に入ったことがありませんので，回転寿司店のお作法について全く無知です。だから，一人で入る勇気がありません。
　とは言っても，「回っていない寿司屋」はもっと怖い（・・・いろんな意味で）のでこちらにも一人では入れません。

2010/06/04

　「第3回目の顔面擦過傷症例のお蔵出し」。3日連続，酒飲みモードでデータを追加しています。
　もしも水道から水が出なくなったらどうなるんだろうか，という真面目な社会派パニック映画，《ウォーター・パニック in L.A.》を紹介。発想は悪くないんだけど，映画の作り方自体が拙すぎます。肝心のパニックが起きてません。
【からし焼！それは東十条のパワーフード】
　年齢的にこういう食べ物はちょっと辛いけど，これは美味そう！というか，この東十条の昔ながらの飲み屋さんに行ってみたいです。東十条なら上野（ほぼ毎週，上野駅を利用）から近いしね。私，こういう，下町系商店街が大好きです。
【閉鎖環境で500日間暮らす，火星に行くつもり実験スタート】
　この記事の中の「火星に向かい，30日間の実験を行って，帰ってくるとすると，都合520日かかります」という部分にびっくりしませんか？月なら数日で到着できるのに，火星だと片道250日もかかるのです。しかも，その間には何も無いのです。太陽系と言っても，惑星と惑星の間はほとんど何もない空虚な空間だと言うことがよくわかります。
【動画：14インチ x 2画面のおばけタブレットKno】
　たしかにダブル画面は便利だろうけど，2.5kgは私には重過ぎます。
【飛び道具顔】
　結局，田中真紀子さんは出馬しないことになりましたが，「小泉⇒安倍⇒福田⇒麻生⇒鳩山と続いた世襲議員が首相になるという日本の伝統を切らしてはいけない。そのためには政治家血統の田中真紀子しかいない」というところに大笑い。ちなみに，急遽名前が上がった樽床議員のお父さんは仕立て服職人，管さんのお父さんは会社員のようです。
【鳩山・小沢氏のツートップ辞任にだまされるな】
　昨日，さまざまなメディアで民主党政権についての論評が発表されましたが，これがベストじゃないかと思います。8ヶ月間の鳩山政権は結局，「政策ごっこ」をしていただけじゃないかと鋭く指摘しています。唯一評価できるのは事業仕分けですが，それにしたって実効性がなく，単に「事業仕分けごっこ」をしただけに終わる可能性大です。
　自民党政権時代，私は繰り返し「政界には人材が払底しているんじゃないか」と書きましたが，実は民主党でも政治家としての才能ある人材はあまり多くないようです。

2010/06/03

　「外傷を湿潤治療している医師」，「熱傷を湿潤治療している医師」に和歌山市の武用整形外科／武用泰輔先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
　ちなみに，武用先生は今週月曜日，わざわざ和歌山から外来見学いらっしゃっています。
　「第2回目の顔面擦過傷症例のお蔵出し」。こういう記事は酒を飲みながらでも書けるので楽です。
【グアテマラで大陥没：洪水が原因？】
　大迫力の一枚です。交差点に巨大な穴があいています。ちなみに原因は下水管破損と豪雨とのことです。
【Computex会場外でデモ「ジョブズはOEM吸血鬼」】
　もちろん，ジョブズが吸血鬼というわけでなく，富士康（フォックスコン）の経営形態というか，労働環境が凄まじいと言うだけのことです。富士康は中国が誇る優良企業の一つですが，最近，その内情を伝える記事が増えています（例えばこれとか，これとか）。「また自殺した労働者がいたけど，同僚の誰も彼の名前を知らなかった」というのもすごいし，「私は自殺しません」と言う念書を書かせるも他の国では見られない風景でしょう。
　以前から，中国には大企業はあってもIBMやSONYのような名前の知られた企業はない，と言うことが指摘されていますが，その原因の一端が見えてきます。こういう企業は今は大儲けしていても，長続きしません。
【「国民が聞く耳持たなくなった」　最後まで“宇宙人”】
　昨日，テレビで繰り返し流されたフレーズがこれ。今年の流行語大賞を狙っているのかもしれませんが，これを聞いたほとんどの人が，「国民が聞く耳持たなくなった，って？国民の耳が悪いのかよ。悪いのは鳩山の口（言葉）だろ」と思ったはずです。
　ちなみに，平成になってからの内閣総理大臣を並べてみました。懐かしい名前が並んでいますね。
1. 宇野宗佑（1989年6月3日～1989年8月10日，69日間）
2. 海部俊樹（1989年8月10日～1991年11 月5日，819日）
3. 宮澤喜一（1991年11月5日～1993 年8月9日，644日）
4. 細川護熙（1993年8月9日～1994 年4月28日，263日）
5. 羽田孜（1994年4月28日～1994年6月30日，64日）
6. 村山富市（1994年6月30日～1996 年1月11日，561日）
7. 橋本龍太郎（1996年1月11日～1998年7月30日，933日）
8. 小渕恵三（1998年7月30日～2000 年4月5日，633日）
9. 森喜朗（2000年4月5日～2001年4月26日，388日）
10. 小泉純一郎（2001年4月26日～2006年9月26日，1044日）
11. 安倍晋三（2006年9月26日～2007年9月26日，366日）
12. 福田康夫（2007年9月26日～2008 年9月24日，365日）
13. 麻生太郎（2008年9月24日～2009 年9月16日，358日）
14. 鳩山由紀夫（2009年9月16日～）

2010/06/02

　いろいろな雑誌からの原稿依頼をいただくことが多いが，症例写真はどうしても同じものを使い回すことが多くなる。膨大な症例写真の中から経過がしっかりわかっている症例をピックアップするのが大変だからだ。しかしその結果，「使われない症例写真」が残ってしまう。これでは，せっかく写真を撮らせて貰った患者さんに申し訳ない。
　そこで，いろいろな外傷をジャンルごとにまとめて供覧することにした。年齢が不明だったり，受傷後何日目に受診したかがはっきりしないものがあるが，「ハードディスクの肥やし」にするのは余りに惜しいので，こういう形で発表しようと思ったわけだ。いわゆるお蔵出し，というやつである。
　そういうわけで，「第1回目の顔面擦過傷症例のお蔵出し」である。暇を見て順次追加していこうと思う。
【『電子書籍の衝撃』の衝撃――セルフパブリッシングは救世主か？】
　図らずも，私は「本を読む人」から「本を書く人，売る人」になってしまったので，こういう記事があるとつい読み耽ってしまいます。「定価1000円の初版5000部の本なら，初版が完売しても出版社は赤字。黒字になるのは重刷が完売してから」と言う数字は，なぜ出版界は不況なのかを見事に説明しています。書籍という「物」を作って「情報」を売る以上，返本は避けられず，それが利益を圧迫しています。
　その点，電子書籍では30％をamazonに払ったとしても，初版の5000部ですでに利益が上がります。ただし，本の定価が下がるため，出版社側（編集者側）としては出版数を多くして対処するしかなさそうです。となると，校正の作業を手抜きするしかなくなり，レベルの低い本が増えちゃうのかな？　となると，ニッチを狙った単一テーマのページ数の少ない電子本が増えるのかな？
【動画：モノクロ手書きタブレット Eee Tablet プレビュー】
　今時珍しい白黒液晶・・・って，お前はポメラか？しかも，「iPad並に重い」らしいです。確かに競合する製品がないジャンルのガジェットで，常にメモ書きが必要な人には便利？
【鳩山政権，「離婚」の余波で崩壊か】
　6月2日早朝の時点では，鳩山さんがいつ辞任するか，それとも辞任せずに居座っちゃうのかについての表情報，裏情報が錯綜していますが，選挙を第一に考えれば「鳩山さんはできるだけ早く辞任，管さんが新首相に就任，小沢さんはそのまま」という新体制で選挙に向かうのが民主党にとってのベストの選択でしょうね。また，社民党福島党首は「筋を通した」わけですが，「何があっても自説を曲げない」のであれば，参院選挙の結果はどうであれ，社民党と組む政権はなくなるだろうということも，容易に予想できます。
　それにしても，「常識的なビジネス・パーソンとしては，情報の裏取りとスケジュールの確認は基本動作だ。鳩山氏を反面教師にして確認して置こう」というのは痛烈です。

2010/06/01

　絵に買いたような，「低予算・工夫なし・ダラダラ系」サスペンス映画，《ネバー・フォーゲット》を紹介。登場人物が二人しかいなくて，しかも片方が記憶喪失という設定なら「なんでもあり」です。どんな映画だって作れます。そういう設定に寄りかかってしまうと，こういう駄作になっちゃうよ，という見事な反面教師になっています。
　先日，某書店の医学書コーナーをぶらついていたら，いきなり私の顔が目の前に！売り場でケアネットのDVDを流していたんですが，たまたま私のDVDを流していたんですね。こういうのって，すげえ，気まずいでやんの。恥ずかしと言ったらありゃあしないぜ！
　さて，鳩山民主党政権のドタバタを見ていると，その根本原因はマニフェストの各項目（例：子ども手当，普天間問題，アメリカとの同盟，消費税・・・）を同じレベルの問題だとしてしまい，収集がつかなくなったんじゃないだろうか。
　政策には，すぐに実行できるもの，実行可能だが時間がかかるもの，それまでの政策と方向性が違うもの，多方面との事前の折衝が必要なものなど，多種多様である。それを全ていきなり実行に移そうとするからおかしくなる。

　これは病院に例えるとわかりやすい。
　例えば，「病院全体で使っている絆創膏をA社からB社に変更する」のは簡単だ。どこにも根回しもいらないし，多分，絆創膏が変わったことに気がつかない人の方が多いだろうから，突然変えてもトラブルも起きないはずだ。
　これが「局麻剤をキシロカインからカルボカインに全面的に切り替える」とすると，ちょっと大変だ。「どっちでもいいよ」という医者もいるが，カルボカインを使ったことがない医者が多いからだ。だから，入念な事前の根回しが必要になるし，場合によっては「全面切り替え」は不可能だったりする。
　そして，「紙カルテから電子カルテに切り替える」となると非常に大変だ。パソコンが何台必要か，どのメーカーのパソコンにするか，どのメーカーの電子カルテにするか，全職員がパソコンを使えるのか，使えない職員をどうするか，・・・など，問題山積であり，導入には最低でも半年以上の準備期間が必要だ。
　これがさらに「病院移転の計画を白紙撤回して新たな場所に移転する」となるとさらに大変だ。まず何より，新病院を建てるだけの広い土地を新たに見つけるのが大変だし，見つけたとしても購入価格の折衝が大変だし，道路や下水道などのインフラの問題もあるし・・・など，とんでもないことになる。おまけに，既に移転場所が決まっていると，それを見越して投資している業者なんかもいるわけで，その業者だって黙っていない。要するに，移転計画を白紙撤回してゼロから新たに作るのは数年がかりの作業となるし，こんなに面倒なら最初の計画通りでいいんじゃないの，なんてことになったりする。

　要するに，鳩山民主党政権は「絆創膏の銘柄切り替え」と「病院移転計画の白紙撤回」を同レベルに扱ってしまったのだ。
　しかも，各部門間の事前調整もしないもんだから，「包帯の銘柄全面切り替えはマニフェスト」，「人工呼吸器すべて買い換えはマニフェスト」，「病院の廊下に全て手すりをつけるのもマニフェスト」，「電子カルテにするのもマニフェスト」，「新病院は同じ敷地内でなく他の町内に移転するのもマニフェスト」と，各部門がそれぞれのマニフェスト実現を主張し，収集がつかなくなってしまったのだ。

　いずれにしても，民主党のマニフェストとは，「政権が取れるかどうかはわからないけど，政権取れたらこういうのをやってみたいな」程度のものだったと思う。つまり，「お年玉は1万円しかもらえないと思うけど，10万円貰ったらこういうのを買ってみたいんだよね」リストみたいなものである。
　そして，実際に貰ったお年玉が1万円なのに，「政権を取ったから10万円貰ったつもり」になってリスト通りに10万円の買い物をしてしまった，というのに近いんじゃないだろうか。
【Asus Eee Pad 発表，Core 2 Duo + Windows 7で10時間駆動】
　超話題のiPadを含め，この手の閲覧型ガジェットのキモは稼働時間でも豊富な機能でもなく，重量ではないかと思っています。iPadはおよそ700グラムですが，私の感覚ではまだ重過ぎます。なぜかというと，私が日常持ち歩いているノートパソコン，Vaio Type Xは重量760グラムの超軽量，超薄型マシンですが，「立ちながら片手で持って青空文庫を読書」するのは不可能です。760グラムはパソコンとしては軽量ですが，本としては重量級です。
【【文具王】ペン型ハサミ「ペンカット」が隠し持つ“驚きの機能”に脱帽！】
　こういう文具，大好きです。実物を手にとったら絶対に衝動買いするだろうな。
【ＳＳ元船長「もう妨害活動しないと思う」】
　これまで何度も書いていますが，南極海での調査捕鯨を日本が止めても，捕鯨禁止になっても，それで困る日本人はほとんどゼロです。調査捕鯨で捕獲した鯨肉自体が日本国内で消費できずにだぶついているからです。売れないものを取っても意味がありません。それに第一，鯨肉なんてそんなに美味しいものではありません。サエズリにしてもオノミにしても，牛肉・豚肉の方が美味です。要するに，世界を敵に回してまで食べるようなものではありません。
　では，日本が調査捕鯨をやめて一番困るのは誰かというと，もちろん，シー・シェパードの皆さんです。彼らの反捕鯨活動を支えているのは，日本の調査捕鯨です。彼らの利益のために調査捕鯨しているようなものです。
【おもしろ消しゴムの工場見学は気前がよすぎる】
　この工場，見学に行きた～い！消しゴムを山ほど「大人買い」した～い！病院のとなりにこの工場があったら，毎日行くぞ。
【iPad活用法】
　iPadもこんな「使われ方」をするとは思っていなかっただろうな。着眼点，ナイス！