2011/12/31
【10:30】【07:00】
- 愛知県で湿潤治療を積極的に行なっているきよすクリニックの伊藤先生から次のようなメールをいただきました。1月1日の休日診療所に出られているそうです。
きよすクリニックも12月28日午後から1月4日までは休診なのですが,1月1日は,西名古屋医師会の休日診療所(愛知県清須市)で診療を行っています。外科系は担当医で,私は内科,小児科系の休日診療所にいるのですが,電話での問い合わせまたは窓口で,「本日担当医の伊藤医師に対応可能かどうか聞いてください」とお尋ね下さい。内科疾患で大混雑している場合は不可能ですが,重症やものすごく多数でなければ対応します。
- http://www.nni-med.jp/kuugitsu.htm
- 内科・小児科系・・・西部休日診療所(052-503-8277)
- 西枇杷島町町民会館保健室
- 診療受付時間:午前9時30分~11時30分・午後1時~4時30分(時間厳守で)
- 2月18日の高知での講演の詳細が決まりました。
- 大晦日のクソ忙しいさなかに,こんなにくだらない映画を紹介していいんだろうか,という若干の疑問を持ちつつレビューを書いちゃいました。《ムーン・オブ・ザ・デッド》です。アメリカ映画なのになぜか舞台は中国のど田舎だったりします。
2011/12/30
【08:40】【06:30】
- この2日間で「ヤケドをしてしまいました。湿潤治療を受けたくても病院は休みです。どうしたら良いでしょうか?」という質問メールを数通頂いております。12月26日のこのコーナーにも書きましたが,年末年始に入ってしまうと
「治療法と治療材料の入手法を教えます。頑張ってください。何か問題がありましたら,またご連絡ください」と返事を書くしかありません。
同様に,ヤケド以外のメール相談も年末年始になると多いです。
というわけで,皆様,頑張ってなんとか年末年始を乗り切ってください。
- いわゆる「宇宙人との第4種接近遭遇」を描いた映画,《THE 4TH KIND フォース・カインド》をレビュー。「迫真的な記録ビデオ + 再現ドラマ」で作られていますが,実は全て・・・でした。
2011/12/29
【06:30】
- 現在治療中の「金属プレートが露出した下腿骨折症例」の治療経過の第7回目。プレートがほとんど見えなくなりました。依然として,感染は起きていません。
- 今日は昼まで外来を開き,これで今年の診療は終了です。
ちなみに,明日以降の本サイトですが,例年通りに「B級映画のレビュー」などのネタで更新する予定です。
- 【金正恩はなぜ太っているのか 信頼と忠誠もたらす手段?】
この記事の中でも「金正日のシークレットブーツ」が取り上げられていますが,この「シークレット疑惑」問題についてこれまでもっとも科学的に迫ったのはこの記事でしょう。もう10年近い記事ですが,情報を可能な限り詳細に集め,その中で科学的分析にたえる情報を抽出し,その情報を分析し,科学的に演繹することで真実に到達する・・・という,まさにこれぞ科学,という素晴らしい記事です。
- 【金正日総書記葬儀,国葬で「正恩体制」を誇示】
「号泣し,全身で悲しみをあらわにする人々」の様子が繰り返し流されましたね。整然と並んで泣いていらっしゃるんですが,泣く演技が死去直後より雑になっていませんか? もうちょっと「本当に泣いている」ように努力しないと,YouTubeでまたまた世界の物笑いのタネにされちゃいますぜ。
2011/12/28
【06:30】
- 現在治療中の「金属プレートが露出した下腿骨折症例」の治療経過の第6回目。2/3荷重の歩行訓練も始まり,プレートはどんどん肉芽に埋もれてつつあります。依然として,感染は起きていません。
- 【太平洋沿岸M9.0で震源域想定】
専門家の先生たちが集まって,日本列島の全海岸線の1/3でマグニチュード9.0の大地震が起こる可能性がある,という想定を公表したんだそうです。もうここまで来たら「全海岸線の1/3」なんてケチなことは言わず,「日本列島の全海岸線でM9.0の地震が起こる可能性がある」と「想定」したほうがいいと思います。そうすれば,絶対に当たります。ハズレ無しで,100%当たる「想定」です。
ここまで大雑把な「想定」でいいなら楽なもんですよ。「日本人の9割は90歳までに死亡する確率が高い」という想定もありだし,「日本人の8割は急性上気道炎に罹患するおそれがある」という想定だってありです。「人間は130歳までに死ぬ確率はほぼ100%である」という予想だって立てられます。
しかも,「東日本大震災で,およそ1100年前の貞観地震の津波の痕跡を対策に生かしきれなかった反省に立ち」ということらしいですが,これってムチャクチャなことを言ってませんか? 地質学的には「たった1100年前」でしょうが,貞観地震が起きたのは西暦で言えば869年,つまり平安時代前期です。平安前期の記録を生かして21世紀の対策を考えろ,なんてバカじゃないっすか?
しかも,きっちりと1100年ごとに大地震が起こるなら「対策を取る」ことは可能ですが,実際には地震の周期は1100年だったり,1395年だったり,817年だったりするわけで,人間サイドからすると「あてにならない大雑把な周期」で起きます。だから,「前回の地震からもうそろそろ1100年だから,津波を防ぐためにでかい堤防を作った方がいい」と考えて堤防を作り始めても,地震が1100年でなく1098年目に発生したら間に合わないし,1200年目に発生したら,せっかく作った堤防はもう壊れていて津波は防げません。
- 【うどん県の香川・丸亀市が「骨付鳥市」に改名へ?】
とりあえず,秋田県男鹿市は「なまはげ市」,秋田県横手市は「かまくら市」,水戸市は「納豆市」,青森市は「ねぶた市」,山形市は「冷やしラーメン市」,岡山県備前市は「カキオコ市」,宇都宮市は「餃子市」,栃木県は「しもつかれ県」,仙台市は「牛たん市」,長崎市は「ちゃんぽん市」,高知市は「竜馬市」,三重市は「赤福市」,三重県鳥羽市は「海女素潜り市」,甲府市は「ほうとう市」か「風林火山市」,滋賀県近江八幡市は「鳥人間コンテスト市」,長野県松本市は「ぼんぼん市」,盛岡市は「冷麺市」,札幌市は「スープカレー市」,富山市は「寒ぶり市」,新潟県魚沼市は「コシヒカリ市」,群馬県前橋市は「上毛かるた市」,名古屋市は「八丁味噌市」,千葉県野田市は「醤油市」・・・を押さえておいて,早めに商標登録したほうがいいと思います。
- 【年越しの「あけおめ」メールは自衛のためにも自粛を 多くの疑問符が残ったNTTドコモ「spモード事件」】
先日発生した「ドコモのメール誤配信事件」について,技術的側面から詳しく解説した記事で,「病院外来の受付番号」による説明が解りやすいです。
どうやら,システムの根幹に関わる問題が横たわっているようで,ここを修正しない限り,トラフィックが集中したらまた同じ「事件」が再発しても不思議ないとのことです。
2011/12/27
【09:00】【08:30】
- 昨日,「いつもの居酒屋さん」で数ヶ月ぶりに会ったお客さんの第一声が,「先生,痩せたでしょう? 前はもうちょっとメタボのお腹だったよ」でした。ちょっと嬉しかったです。そういえば,スラックスのベルトが一つ分狭くなっていますね。
この数ヶ月で変えたといえば,食事から意識的に糖質を減らしたことだけで,運動をしているわけでもなければ酒量を減らしたわけでもありません。しかも体調も悪くないので,しばらく糖質制限を続けてみようかと考えています。
【07:30】
- 漫画「とりぱん」が生んだ地味なスターといえばツグミのつぐみんですが,今朝,病院の庭で今年初めてのつぐみんを見ました。地味に可愛い鳥です。
【06:30】
- Pomera DM100の専用ケースもようやく数種類から選べるようになりました。当初からキングジムから出ていたケースは「たしかにDM100にピッタリサイズだけど,コスパ悪くないっすか?」という書き込みも結構ありました。私は,2,800円出してこれなら,その倍でもいいから革ケースにしちゃえ,とキャメルの革ケースを買っちゃいました。やはり長く使うなら,革製のほうが愛着が湧きます。
そして今回,5,600円という「専用ケースとしてはかなりお高い」ケースも販売開始となりました。実物を見たわけではありませんが,写真で見る限りキングジムの専用ケースより高級感がありそうです。でも,5,600円というのはちょっとお高いよなぁ・・・。
- 現在治療中の「金属プレートが露出した下腿骨折症例」の治療経過の第5回目。清潔操作もせず,無菌物も使わず,抗生剤も消毒薬も使っていないのにいまだに創感染は起きていませんし,骨髄炎も起きていません。患者さんの歩行訓練が徐々に進んでいます。
- 実際に起きた事件を素材に,国のために働くスパイを非常に切り捨てていく国家組織の恐ろしさを描くサスペンス映画,《スパイ・バウンド》を紹介。主演のモニカ・ベルッチの美しさだけ見ていればそれで満足・・・という人向けの映画でした。
- 【腕時計 Android端末 MOTOACTVをroot,1.6型Honeycombタブレット化 (動画)】
以前から,サンコーレアモノショップからは「音楽プレーヤー+動画プレーヤー機能もある腕時計」が販売されていましたが,Android OSと合体することで本格的な「なんでもできる腕時計」に! とは言っても,1.6インチの画面は老眼にはちと辛いですが・・・。
- 【天使の変遷,霊的存在から守護者へ】
「天使」の概念についての歴史的変遷がまとめられています。
ちなみに,記事中の「アメリカ人の約55%は人生において守護天使に守られたことがあると信じている」という数字に「オイオイ,アメリカ人っておかしくね?」とツッコミを入れたくなりますが,実はこれは誇張でもなんでもないようです。
以前紹介したこの本にもありましたが,現在のアメリカ人成人の70%が「死後の世界は実在する」と信じ,65%が悪魔の実在を信じているのです。また,以前のこの記事にも書いたように「天使を信じる81%,サンタを信じた86%」というアメリカの世論調査もあります。どうやら,脳みその中で天使と悪魔とサンタクロースがリアルに飛び交っているのが彼の国の国民のようです。
2011/12/26
【15:50】【14:40】
- 【南北で明暗クッキリ。宇宙からも見える北朝鮮の暗国時代】
「38度線」がくっきりと浮かび上がっています。一目瞭然とはこのことですね。
- 「抜け毛で悩んでいてネットを調べたら石岡第一病院が見つかったので・・・」という患者さんが受診されました。「シャンプー中止,温水洗髪」の原理と方法について説明しましたが,「ネットで抜け毛を調べたら石岡第一病院が・・・」というところにビックリ! ううむ,なぜ抜け毛でこの病院がヒットするんだろうか? 最大の謎です。
【08:30】
- 連休明け,3冊の漫画単行本がamazonから到着。「風呂漫画」では古代ローマのルシウスは日本にワープしたまま戻れなくなってしまうし,「B球グルメ漫画」では「ペヤング」派 vs 「UFO」派 vs 「俺の塩」派のカップ焼きそばでの熱い熱い論争が火蓋を切るし,「野鳥漫画」では「かわぐちかいじ」のパロディーがあったりします。
【06:30】
- この週末,「子供が熱傷で大学病院に入院していて,毎日消毒してガーゼ交換です。湿潤治療についてネットで知りました・・・」という問い合わせメールを数通頂いております。普通なら「お近くで熱傷を湿潤治療している医者なら,ここを受診してみてください。きちんと治療してくれますよ」で一件落着なのですが,この時期はそういきません。あと数日で年末年始の休みに入り,ほとんどのところは12月30日から1月3日までの5日間,休みになるからです。これは私のところも同じで,今日明日ならまだ何とかなりますが,12月29日に受診された患者さんをどうしたらいいのか,ちょっと悩んでしまいます。28日だとまだ2日診察できますから,処置方法を2回指導でき,大多数の症例は大丈夫ですが,さすがに29日初診では手も足も出ません。
- 「外傷を湿潤治療している医師」,「熱傷を湿潤治療している医師」に,愛知県豊川市の宮地病院 形成外科/森本 剛先生を追加させていただきました。ありがとうございます。なお,水曜日午後のみの診察となるそうです。
- 次のようなメールをいただきました。高野正一先生,グッジョブ!
息子転んで,すねをコンクリートでえぐってしまいました。
その時,どこの病院にかかろうかと考えた時,このサイトから,自宅から最寄りの,静岡市清水区の高野整形外科を知り,受診しました。私は,万が一の時の為に,プラスモイストを購入してありましたので,初期処置をしての受診でした。
高野医師からは,初期処置が間違ってなかったと言ってもらい,その後の経過見込みの話や,家庭での処置等についてうかがい,夏井先生がなさっている治療を地元で受けられているという実感を持つことができました。
このサイトで,地元の素晴らしい医師を紹介してくださり,ありがとうございます。
- 現在治療中の「金属プレートが露出した下腿骨折症例」の治療経過の第4回目。いまだに感染は起きていませんし,骨髄炎も起きていません。至って平穏な日々が続いています。
- 講演後の宴会でよく「読んだ本の内容をよく覚えていますね」と言われたりする。もちろん私は,本を一回読んで内容をすっかり覚えられるほど頭は良くない。だから,ちょっとだけ努力が必要となる。
努力といっても特別なことはしていない。単に,「キーボードで本の文章を書き写しながら覚えていく」だけのことだ。本を読んで,この内容は覚えておきたいな,とか,このデータや考え方は重要だなと思ったら,その文章をそっくりそのまま書き写している。ちょっと面倒で手間がかかるけど,確実に内容を覚えられるようだ。
例えば,先日紹介した『物語 食の文化史』の内容を書き写したメモ書きはトータルで48,000字(=原稿用紙120枚),『窓の思想史』では11,000字,『大気の進化46億年』は7,600字と,本の内容を原稿用紙にして20~30枚分の分量でまとめるわけだ。これを全ての読んだ本で行っていて,それを基にHPのレビューを書いている。そしてレビューが完成したら,その本は人にあげることにして手元には残さない。最初から手放すことを前提にして本を読むと結構必死になるものである。
以前は,重要なデータとか気になった文章をスキャナで取り込んでPDFファイルにしていたが,これだと内容をちっとも覚えないのである。いつでも読めると思うからだろう。このあたりは,「ラインマーカーで参考書に線を引いても記憶したことにならない」のと同じかもしれない。
- というわけで,『細胞が自分を食べるオートファジーの謎』を読了し,内容を1万字くらいにまとめ終わったところです。これから暇を見つけてレビューを書こうと思いますが,これは面白かったです。これってもしかすると,「糖質制限食」の本質部分を説明することになるかもしれないし,さらに,「多細胞生物の6億年の進化史から見た神経組織とグルコースの関係」という視点から捉え直すと,さらに壮大な絵図が描けるかもしれません。
そして,これから読もうかと思っているのが『東京,消える生き物 増える生き物』です。クマゼミは東京都内で増えているわけじゃないんですね。なるほど,納得!
- 【J. S. Bach - Air [Violin Solo]】
バッハの「G線上のアリア」をヴァイオリンソロで演奏しています・・・って,オイオイ,ヴァイオリンソロ!? なんと,メロディーだけでなくあらゆる声部を1台のヴァイオリンで再現するというトンデモ力技!
- 【金正日,7つの爆笑エピソード】
1週間ほど前のNewsweekの記事ですが,あまりに素晴らしい内容なので紹介します。「金正日は生後3週間で歩き,8週間で言葉を発したという。大学時代には3年間で1500冊の本を書き,”音楽史上最も素晴らしい” 6本のオペラを作曲した」そうです。ファンタスティック! 「音楽史上最も素晴らしいオペラ6編」は音楽ファンとしては是非聞いてみたいです。現在も北朝鮮国内で繰り返し上演されているはずです。なんてたって『フィガロ』や『カルメン』や『トリスタンとイゾルデ』より優れている「音楽史上最も素晴らしいオペラ」なんですから。
- 【「これ何?」と聞かれて「ああ歳とったな…」と実感したモノがこれ】
「チャンネルを回して,っていうけどチャンネルって何?」,「リターンキーってどこにあるキー?」,「ディレクトリって何?」って時々言われています。
2011/12/22
【07:20】【06:30】
- 【Sergio Timepo's Studies On Chopin Etudes】
私はこれまで「ショパンエチュードの2曲(あるいは3曲)合体曲」をたくさん聞いて来ましたし,非売品も含めて楽譜も結構集めましたが,このTimepoのアレンジと演奏は凄まじすぎます。右手が「3度 Op.25-6」,左手は「革命 Op.10-12」を合体させたもので,アイディアとしては特に珍しいものではありませんが,右手の3度のスピードが尋常じゃありません。それに左手の細かい動きが重なるのですから,開いた口がふさがりません。いやはや,トンデモない爆奏です。
- NHKの朝のニュースで「節電の冬,陶器の湯たんぽが人気沸騰」ということで,湯たんぽ作りの工房の様子が流れていましたが,こういうニュースを見ると「今シーズンも低温ヤケドが多いんだろうな」とちょっと憂鬱な気分になります。
皆様,湯たんぽは直接肌に付けず,離して使ってくださいね。低温ヤケドは完治するまでに2~3ヶ月かかります。クリスマスに低温ヤケドしたら,治るのは速くてもバレンタインデーのあたり,下手をすると桜が咲く頃です。
- 千葉市の小倉台クリニック/福田世一先生から,「両手と左前腕に膿痂疹をきたしたⅡ度熱傷にプラスモイストが奏功した症例」という投稿をいただきましたので掲載させて頂きます。ありがとうございました。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,富山県射水市の射水市民病院 整形外科/宮田岳人先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 奴隷貿易廃止に一生を捧げた若き英国国会議員ウィルバーフォースの人生を描く感動作,《アメイジング・グレイス》を紹介。エンドロール直前に流れる「アメイジング・グレイス」の演奏はまさに圧倒的であり,胸が熱くなる。
- 【貴重文書焼失,エジプト学士院火災】
エジプトの反政府デモの陰でこんな事件が起きていたんですね。結局,どんなに貴重な資料でも「紙」である以上は燃えたらおしまいです。では,最も丈夫な記録素材は何かというと,もちろんロゼッタストーンです。作られてから2200年ほど経過していますが,いまだにしっかりと読めます。
ちなみに,CD-ROMもDVDもHDDもフラッシュメモリーも,20~30年で読めなくなるんだったかな。ロゼッタストーンの前ではうたかたみたいなものです。
2011/12/21
【16:10】【11:30】
- 私が「創傷被覆材による外傷治療」を手探りで始めてからおよそ15年になりますが,そろそろ「いつ頃,どんなきっかけから治療を始めたのか」についてまとめておこうかなと考えています。そろそろ年齢的にもボケが始まるでしょうから,すっかりボケてしまわないうちに昔の出来事を記録しとくかなと・・・。
また,「実は私が湿潤治療を始めた」なんて言い出す輩がそのうち出てくるでしょうから,「この時この教授はこのように発言していた」と証拠を残す意味もあります。
【06:30】
- 【「重大発表」の巻】
最終回って,ウソでしょう!? マジっすか!? 水曜日の楽しみだったのに!
- 昨日,「15年来,どこの皮膚科に行っても治らない手湿疹」の患者さんが千葉県から受診されました。一昨日のテレビを見られて思い切って受診されたそうです。ちなみに今も皮膚科に通院していて,ネリゾナクリームとメサデルムクリームを処方されていました。
それでいつものように亀裂の深い部分にデュオアクティブを貼ってみたところ,たちどころに痛みが消失! あとはいつものように「ワセリンごしごしワックスがけ」を指導して治療終了。「なんかもう,治っちゃったみたい!」とのことでした。
そして同時に,私の前腕に油性マジックで落書きし,そこにネリゾナクリームを塗布してこする実験をして見せました。30秒ほどで油性マジックが跡形なく消えるのを見て,「こんなに油を落とすものを知らずに塗っていたのか」と絶句されました。ハンドクリームにしろステロイドクリームにしろ,強烈な界面活性効果を持ち,油性マジックだろうが機械油だろうが,あっという間に落とせるんですね。こんなものを皮膚に塗ったら皮膚が乾燥するのは当たり前ですってば。
- 【美容医療 規制強化求める方針】
美容外科絡みで言うと,様々な美容外科手術(腋臭症手術,ニキビ跡を消す手術など)後に創が壊死したりして傷が治らない・・・という症例が多いです。今年1年間でも4~5例治療しましたが,メールや電話での問い合わせを受け,他の湿潤治療をしている医師に紹介多分を含めると,かなりの数にのぼります。
そのほとんどは[傷が開く]⇒[感染したと考えて一生懸命に消毒]⇒[さらに傷が深くなる]⇒[治療のためにゲーベンクリーム,アクトシン軟膏などを塗布]⇒[さらに傷が深くなり手が付けられなくなる]・・・という経過をたどっていますが,ここで面白い(?)のが,手術を行った美容外科医院で「これは治らないから,他の医者で治療をしてもらえ」と患者に命令することです。簡単に患者をほうり投げちゃうんですね。そこで途方にくれた患者さんがネットで検索して私に相談,となります。
患者さんに「なんで手術をした医者に文句を言わないの?」と聞くと,「だって,術後に何が起きても文句を言わないという誓約書にサインしちゃったし・・・」とのことで,泣き寝入りです。ううむ,それでいいの?
2011/12/20
【14:30】【13:30】
- とげぬき地蔵尊で有名な巣鴨の高岩寺のご住職から「平成二十四年 とげぬき地蔵尊カレンダー」が送られてきました。毎月1つずつ,名言が載せられているカレンダーですが,なぜか9月の名言は「傷は消毒するな」なんですよ。何しろ,1月の古代ローマの大詩人ホラティウスの言葉から始まり,夢想国師や土門拳,双葉山などのずっしりと重みのある言葉に混じって私ですから,違和感ありまくりです。檀家の方々,「なんだこりゃ,9月だけ捨てちゃおう」,なんて思わないでくださいね。
【06:30】
- 【納豆を10万回混ぜてみる】
バカバカしいことを真剣に実験して見ることにかけては右にでるものがないのがDaily Portal Zだ。以前の「納豆1万回混ぜ」で納豆がカニ味噌味に変貌することを世界最初に発見した彼らが,今回はなんと16時間かけて10万回混ぜに挑戦! 人類初の無謀な試みに挑戦する君たちの姿はバカだけど美しい!
- 今回の金正日総書記死去に関連してだが,韓国は彼がそう遅くない時期に死亡することを想定して「韓国はその時,どういう行動を取るのがベストなのか」というシミュレーションしていたのだろうか。中国は結構早い時期から「金正日後の北朝鮮」のシミュレーションを積み重ねてきたようだが,韓国側の動きを見ていると万全のシミュレートをしていたようには見えないのだ。もしも本当にシミュレーションをしていないとしたら,かなり心配である。
- 来年8月下旬に横浜で開催される第22回日本外来小児科学会年次集会(横浜)で講演することが決まりました。
- 以前から雑誌「エキスパートナース」について色々書いていますが,ついに次のようなメールをいただきました。是非,掲載して欲しいとのことですので,掲載しちゃいます。「エキスパートナース」からの反論がありましたら,私までお寄せ下さい。
一時,エキスパートナースという雑誌とかかわりがあり,ひどい目にあったことのある医療関係者です。ここのところのこの雑誌のあまりの無尽ぶりに怒りがよみがえり,メールを差し上げたことをお許しください。なお,上記の(中略)に何が書かれていたんだろう,と興味を持たれた方はメール下さい。
この雑誌が,褥瘡学会や,真田,溝上氏などWOC関係者のご用達雑誌であることは,もはや言うまでもありません。とくに,今回の記事(12月9日の本コーナー)は,先生は被覆材カタログと切っておられましたが,もう1つ深い意味があり,これは少しばかり世間をにぎわしている「特定看護師」の啓蒙活動の片棒を担いだ記事であるのです。この特定看護師制度は,真田氏をはじめとする一部のWOCナースが,診療報酬の加算効果で過剰育成で低迷傾向になったこの領域を活気付けるため,非常にポリティカルに乗っかってきているわけです。
そこに相乗りする出版社も非常に公益性を欠くもので,いわゆるクズ雑誌です。
そもそも,このエキスパートナースの発行人である有賀洋文,そして編集人である森紀子は,読者ニーズは横に置き,褥瘡学会やWOCナース集団のご機嫌取り,記事は褥瘡褥瘡のオンパレード。見事に広告役を果たしています。褥瘡学会が海外講師を呼ぶ際に資金を援助したり,理事クラスの方々の飲み代を払い,とある学会では100万以上の接待費を使ったこともあるなど,見事な癒着ぶりです。
(中略)
さらに〇〇氏にいたっては,社内でセクハラを繰り返すもそれが黙認される現状。その被害にあい,心の病に陥るスタッフがおるにもかかわらず会社は放置。拒否した社員は追い込んでリストラ。いまも病院に通うスタッフもおります。小学館という大会社を親会社に持ち,さらに女性が多くを占める看護雑誌を出版しているとは思えない所業です。
先生のクズ雑誌という言葉に胸がすく思いでしたので,冒頭に書いた御礼とともに一言だけご報告をさせていただいた次第です。
- 【橋下市長ニコニコ初登庁「船長になった気分」 職員に「面従腹背」大歓迎】
橋下徹さんは真剣に,「あと20年,それが無理ならせめて15年は大阪が潰れては困る」と切実に願っているんじゃないかと思う。それは彼の子供がまだ小さいからだ。一番幼い子供が成人するまで大阪は盤石であって欲しいし,そうするのが親としての自分の務めだと悟り,覚悟を決めたのだ。だから,遮二無二,大阪の改革に奔走しているんじゃないだろうか。要するに,60代,70代の政治家とは時間感覚が違うのだ。
例えば20年後,橋下さんはまだ60代になったばかりであり現役バリバリ,一番下のお子さんがようやく就職する頃だろう。つまり,橋本さんにとって20年後は極めてリアルな未来だ。リアルだからこそ,真剣に考えるし,必要ならシステムそのものを壊して再構築することも厭わない。20年間,現在のシステムで大阪が大丈夫,とは思えないからだ。それを放置して20年後に大阪が崩壊したら,それは自分の責任だからだ。
一方,2011年に70代の人間にとって20年後は「死後の世界」だ。死後の世界だからその時に何が起きても自分は責任を取らなくていい。
政治家は,橋下さんのように若い世代がいいと思う。自分の子供が幼ければ,嫌でも政治に真面目に取り組むしかないし,彼にとって数十年後の世界はリアルな現実だからだ。自分の失敗は自分に跳ね返ってくるのだ。一方,20年後に棺桶に入っている世代に政治を任せても碌なことはない。彼らは未来に対して責任は感じていない。だから,「20年後=死後の世界」である世代に政治を任せるのは危険だ。こいつらは失敗してもその被害を被らないのだ。彼らの失敗の被害を被るのはその下の世代だ。
- 【PlayStation Vita に不具合の報告多数,対応Q&A公開】
「開封後初回は,電源ボタンを5秒間長押ししないと電源が入らない」という仕様らしいですが,なんでこんな仕様にしたんでしょうか。これはおかしいよ,という声が開発初期の段階で上がってもよさそうなものです。
普通,ゲーム専用機は取扱説明書なんて読まずに使える商品であり,その意味では掃除機とかテレビと同じです。それなのに,「電源ボタンを押す前に取扱説明書を必ずお読みください。電源を入れる方法が書いてあります。これを読まないと電源が入りません」なんて常識はずれです。ソニー,大丈夫か?
- 【北朝鮮はすぐに崩壊はしない 中国政府の動向がカギを握る】
昨日の私の予測とほぼ同じです。とにかく中国としても韓国としても,北朝鮮がすぐに崩壊してもらっては困ります。この国が国家としては既に破綻していることは誰の目にも明らかですが,それでもいいから崩壊だけはしてくれるな,という感じです。
医療現場で言えば「とりあえず心臓は動いているが,呼吸は止まり,腎臓も機能していない。でも,是非生きているうちに会いたいという家族がいて,3日後にしか来れない。だから何とかそれまで心臓を動かしてほしい」という状況がよくありますが,それに似ています。だから,主治医(=中国)はとりあえず頑張るしかありません。
2011/12/19
【16:20】【12:30】
- 今日もまた帯状疱疹の患者さんが受診されましたが,プラスモイストを発疹に貼ってみたら,すぐにピリピリした痛みが和らぎ楽になったそうです。やはり,熱傷の痛みもそうですが「空気を遮断すると痛みが治まる。痛みも原因は空気への被曝」で間違いないようです。
- 【韓国軍の警戒レベル引き上げ 金正日総書記死去で】
とりあえず,4時間前の更新で書いた予測の一つは当たっちゃいました・・・と言うか,これを外しちゃ駄目ですけどね。
【10:30】
- 【金正日総書記が死去】
間違いなく,本日最大のニュースでしょうね。今後,何が起こるかをチョー適当に予測。
- 金正恩さんが軍を完全に掌握しているのであれば,すぐに何か起こることはないだろうけど,軍を抑えきれていないと北朝鮮軍が暴走(=軍事行動)する可能性があるか?
- 今年の北朝鮮の食糧事情はどうなんでしょうか? 足りていなければかなりヤバイはず。何しろこれから厳しい冬ですから,軍隊でも食料が不足して入れば間違いなく暴走要因になる。
- 中国はとりあえず援助強化かな? 北朝鮮が崩壊して大量の難民が押し寄せるのだけは避けたいはず。中国と韓国の関係がちょっと悪くなっているから,北への援助(=安定化)は韓国に恩を売る事になるはず。
- 韓国は国境警備を強化し,全軍を戦闘配置につけた状態で様子見かな? 北朝鮮軍が軍事行動に出るのも困るけど,難民化して韓国にやってくるのはもっと困る。北を併合したって韓国には短期的メリットは全くない(国民は増えるが,GNPは全く増えないから)。
【09:20】
- amazonで見つけて,次に読んでみようかと思っているのがこの本。ちょっと面白そうです。
- 【iPhoneとAndroid,2台のスマホを月額7000円以下で運用する方法】
いろいろな手が使えるみたいです。
【08:00】
- 【TV東京『健康お悩み解消バラエティー! セカンドオピニオン】
今日の夜20:00~21:54に放送される医療バラエティ番組にちょっぴり登場します。
【06:30】
- 本日発売の「週刊アスキー」に「はめたままスマホが操作できる手袋」が付録として付いていました。早速使って見ましたが,これって結構スグレモノです。ばっちり操作でき,むしろ素手より使いやすいです。
- 現在治療中の「金属プレートが露出した下腿骨折症例」の治療経過の第3回目。初診から7 日目ですが,感染は起きていませんし,骨髄炎も起きていません。至って平穏な日々が続いています。
- 自然界で生きている鳥類の運動に関する膨大なデータを基に,太古の巨大翼竜は本当に飛べたのかを鋭く追求する快著,『巨大翼竜は飛べたのか スケールと行動の動物学』を紹介。科学とはこういうものだ,という見本のような内容です。
- 【「カップヌードルごはん」以外の「〇〇ごはん」】
こういう手軽にできる実験系記事は楽しいです。「わかめスープご飯」は美味しそう!
- 【新入生勧誘の革労協反主流派 キセル乗車容疑で逮捕】
革労協(革命的労働者協会)ってまだ活動していたんですか? ちょっとびっくりしました。革労協なんて一世代前の話だと思ってましたよ。私の認識不足ですな。ちなみに「反主流派」というからには「主流派」も生き残っているんでしょうね。世の中,広いです。
私は昭和49年(1974年)に東北大学に入学しましたが,当時の東北大のキャンパスにはまだ革マル派とかの立て看板が立っていたのを記憶しています(全国的には学生運動が下火になっていたのに,なぜかまだ活動が続いていたようです)。しかし大多数の学生は「それって何? 時代錯誤だよね」程度の認識でした。
あれからはや35年ですが,まだ活動を続けている「活動家」がいたんですね。42歳という年齢がちょっとイタイです。手本とすべきソ連は20年前に崩壊し,中国も資本主義経済導入に忙しく,共産主義を標榜する国家そのものがほぼ絶滅しているのに・・・。
2011/12/16
【15:00】【10:30】
- 【Dressings for superficial and partial thickness burns】
ある先生から「こんな文献,見つけました」と教えて頂きました。「治癒までの日数,処置回数,痛みの点でハイドロコロイドやポリウレタンフィルムが有用であると示唆する結果があったが,ゲーベンクリームの使用を支持するようなエビデンスは無かった(There was no evidence to support the use of silver sulphadiazine.)」という結論を出しています。
とは言っても,「ゲーベン大好き先生」はこんな論文,読まないだろうなあ。そして今日もまたゲーベンを塗りたくるんでしょう。
ちなみに,われらが日本熱傷学会のガイドラインではゲーベン使用を推奨しております ⇒「日本熱傷学会 熱傷診療ガイドライン」
【06:30】
- 12月19日(月)のTV東京『健康お悩み解消バラエティー! セカンドオピニオン』の公式サイト。多分,一番最後に登場する予定です。
- 昨日の「プラズマ医療・健康産業シンポジウム」の名刺交換会の場で,某メーカーの研究者という方から,「キズの治癒を早める細菌を創面に加えて傷を早く治す,なんてことは可能でしょうか?」と質問をいただきましたが,「発想としては面白いですが,たぶん無理でしょう」と答えました。
傷の治癒を早める物質を産生する細菌が存在したとしても,それが創面の物理的・化学的環境で増殖していけるかという問題があるからです。仮に何とか生存できたとしても,大昔から創面で暮らしてきて創面という環境に最高度に適応してきた黄色ブドウ球菌の「創面での増殖速度」にはかなわないだろうし,どう頑張っても黄ブ菌のコロニーになってしまうはずです。
- 未知のウイルスの蔓延で人類が絶滅を迎えようとしている世界では・・・という,よくあるタイプの感染症パニック映画,《フェーズ6》を紹介。感情移入ができる登場人物が一人もいないので,見ていてだんだん辛くなってくる映画でした。
- 昨日(12月15日)は産業技術総合研究所が主催する「プラズマ医療・健康産業シンポジウム」で講演させて頂きました。講演後に懇親会があり,それに参加する予定だったため,最後のカーボンナノチューブ関連のセクションを会場の片隅で聞かせて頂きましたが,ものの見事に一言も理解できなかったです。もちろん,カーボンナノチューブについては知っているのですが,その分野の最先端の研究となると「ちょっとは知っているけど」程度の知識では,まさに馬の耳に念仏状態,会場に一人だけ紛れ込んだ異邦人状態でした(ちなみに,100人弱の参加者中で医者は3人のみで,残りは物理の研究者と関連メーカーの方)。
その後の名刺交換会,さらに懇親会にも参加させて頂きましたが,物理の先生方から色々教えていただき,面白かったです。気がついたら,場に馴染んでいました。
ちなみに,懇親会が終わったのが21:30頃,それから「ゆりかもめ」に飛び乗り,山手線に乗り換え,常磐線(実は,人身事故でかなり遅れていた)に乗り換え,自宅に戻ったのは午前0時直前でした。なかなかハードでした。
ちなみに今日は病院の忘年会だったりします。
2011/12/15
【07:30】【06:30】
- イタリア滞在中に1歳の子供さんが熱傷を受傷されたという方から,メールで相談を受けました。「とりあえず日本に帰国するまでは,ワセリンを塗ったラップで覆い,毎日交換すればいいよ」といつものとおり返事を出しましたが,そのメールには「イタリアでの熱傷治療」が生々しく書かれていて,なかなか興味深いです。
ちなみに,メール添付の写真を見ると浅いⅡ度熱傷と思われ,湿潤治療ならあと7日くらいで完治しそうですが,「網目ガーゼと白い軟膏」では確実に深くなりそうで心配です。「白い軟膏」がゲーベンとかアクトシンでないことを祈るばかりです。
- 夜間救急では「軟膏を塗って,網目に白い薬がついた布をはり,ガーゼと保護ネット」
- 翌日,病院の皮膚科を受診。「浅い部分は軟膏を塗布。それ以外は網目ガーゼと白い軟膏」
- 現在治療中の「金属プレートが露出した下腿骨折症例」の治療経過の第2回目。初診から4日目です。
- これまで何度か引用した『物語 食の文化』の書評を追加。圧倒的な情報量に脱帽! 素晴らしい本です。
- 【必要ないけど欲しくなっちゃう遊び心でいっぱいのグッズいろいろ】
私はこの手の商品は大好きなんですが,ここで紹介されているものはどれもちょっとビミョー。欲しいものが一つもありません。私の感覚とどっかズレてます。
- 【Android 版 Google 日本語入力,明日15日リリース?】
これを書いている時点ではまだリリースされていないようです。私としてはPC用の「Google日本語」をもっと改善して欲しいです。漢字の手書き検索なんて簡単な漢字以外はなかなかヒットしないし,いつバージョンアップされたのかも不明。もしかしたらGoogleは「Google日本語」のことを忘れちゃっているんじゃないでしょうか?
- 【イラク戦争総括へ 米大統領,帰還兵に演説】
昔から「戦争を始めるのは簡単だが,辞めるのが難しい」という言葉があります。まさにその言葉通りになったのがイラク戦争(とアメリカが呼んでいる戦争)です。なぜこうなったかというと,当初の戦争目的(=イラクが所有しているはずの大量破壊兵器を放棄させる)が途中からどっかにいってしまい,何のために戦争しているのかわからなくなったためです。
最初の目的は「イラクに大量破壊兵器を放棄させる」でしたが,肝心の大量破壊兵器が存在しないため,「フセイン政権を倒す」ことが目的になり,フセインを倒した痕は「テロリストを倒す」ことが目的になり・・・と,コロコロと戦争目的が変化していきます。もうこうなると「戦争を続けることが戦争目的」,「戦争を止めないことが戦争目的」です。
過去の名将たちは言っています。「まず,戦争の最終目的を決めろ。その目的を忘れるな!」と。開戦を決めた当時のブッシュ大統領はこの言葉をご存知なかったようです。
「誰と戦っているかはすぐにわかるが,なぜ戦っているのかが時々わからなくなる」は傑作映画《麦の穂をゆらす風》の登場人物の台詞ですが,イラク戦争の戦場でアメリカ兵たちは同じ事を言っていたかもしれません。
2011/12/14
【12:00】【11:30】
- 【「乱獲と汚染で魚が消えた中国の海」に原因=中国漁民の韓国近海での違法操業―台湾メディア】
要するに,無計画に魚を獲りまくり,野放図に汚染物質を自国の海にまき散らしたもんだから魚が全然いなくなり,しょうがないんで他所の国の海に出没しているようです。国際ルールとか常識とかが欠如している国ですからやりたい放題です。こんな連中,殺しちゃっていいよ。どうせ13億もいるんだし。
ついでにこういう馬鹿も殺しちゃえ!
【06:30】
- 【酒を撹拌して美味にするエアレーター:試用レポート】
これはマジに欲しいっす! 日本で売ってるのかなぁ?
- 北関東の某県の患者さんがまた受診されました。今度は「アキレス腱縫合後の創離開,アキレス腱露出」の患者さんです。今週月曜日に初診され,2日間,プラスモイストで被覆してもらいましたが,明らかに創周囲の皮膚の状態が改善していて,患者さんも安心されたようです。
ちなみに前医では感染するといけないからとゲーベンクリームを塗布し,数週間抗生剤を内服させていたようですが,ゲーベンの破壊効果により露出したアキレス腱表面は白く壊死しています。「感染が怖いから抗菌力の強いゲーベン」と考えたのでしょうが,組織が壊死したらさらに感染しやすくなるだけのことですよね。なんでこんな簡単なことに気が付かないのでしょうか?
このお医者様,今後も同様のことが起きたらゲーベンクリームを使い,アキレス腱を壊死させるんでしょうね。困ったものです。
- 現在治療中の「金属プレートが露出した下腿骨折症例」の治療経過を「ほぼリアルタイム」で報告します。今回は初診時の状態です。これほど金属プレートが露出しているのに,すぐに水道で洗い,穴あきゴミ袋で患部を覆いました。
恐らく,日本中の整形外科の先生が悲鳴を上げるような治療法だと思いますが,これが最も安全で効果的な治療です。このような状態でお悩みの全国の患者さん,実は治療法は簡単ですよ。
- 【アノマロカリスの眼,レンズ3万個?】
カンブリア爆発の大スター,アノマロカリスの眼についての新知見です。これによると,アノマロカリスの眼は複眼で,一側の眼は恐らく3万個の個眼の集合体だったそうです。ちなみに,昆虫の目が複眼ですが,個眼の数は現在のハエで2,000個,トンボが20,000個ですから,5億年前のアノマロカリスの複眼はそれよりはるかに多い個眼で構成されていたことになります。
カンブリア爆発を「眼の獲得」という視点で見事に説明したのが『眼の誕生』という本でした。眼がないために温度やpHや各種イオン濃度の変化で環境を捉えていた時代(エディアカラ紀)と,視覚による情報で環境を知覚する時代(カンブリア紀)では情報量が桁違いに多くなり,視覚情報を処理するために中枢神経系が必要となり,視覚により得られる膨大な情報に反応するために運動系が発達した過程が見事に描かれていました。そして,アノマロカリスが捕食していたであろう三葉虫が,現在の昆虫と同等の複眼を備えていたことはわかっていますし,その三葉虫を捕食するためには,さらに優秀な複眼と俊敏な運動機能が必要だったはずです。
そして同署では,エディアカラ紀の生物の「外胚葉の光センサー」が「三葉虫の複雑な複眼」に進化するのに大して時間がかからないことも解き明かしていました。そしてこれが「中枢神経系は外胚葉由来でなければいけない」理由なのです。
- 【驚くほどシンプル「こうするとアメリカでは車は盗まれない」】
どうしたら車が盗まれないか,とりあえず必死に考えてみてください。その上で上記のサイトを開いてみると,恐らく唖然とするはずです。そういえば「アメリカ」で車が盗まれない方法でした。
- 【韓国海洋警官殺傷,中国外務省が「遺憾」】
中国に「反省」とか「遺憾の意」なんて似合いません。ここはいつものように「安全に操業していたわが国の漁船にぶつかってきた韓国海洋警察が悪い。非は韓国にあり,中国はむしろ犠牲者である」と発表して欲しいです。謝るなんて,中国らしくないぞ!
- 【ヒッグス粒子,発見の可能性高まる】
素粒子物理学で最大の謎(の一つ)が「なぜ物質には質量があるのか」です。物質は原子ででき,原子は素粒子から作られていますから,質量のもとは素粒子レベルで説明されるはずです。それがヒッグス粒子で「宇宙創成初期では素粒子は自由に動けたが,直後に起きた相対性の破れから真空の相転移が起こり,素粒子は運動の際に抵抗を受けることになった。その動きにくさが質量であり,抵抗を生じさせたのがヒッグス粒子である」という具合になります(正確な説明じゃないけど,正確な説明をしようとすると膨大な前提知識が必要になります)。
以上のようなことは50年くらい前に予想され,様々な素粒子が発見されましたが最後まで見つからなかったのがヒッグス粒子です。何しろ,宇宙創成直後の状態を作り出す必要があるからです。つまり,ほぼ完全な真空中を,ほぼ光速で素粒子が飛び回っている状態を作り,素粒子同士を衝突させなければいけません。そのためにヨーロッパに山手線とほぼ同じサイズの加速器を作って実験を繰り返してきたわけです。
とまぁ,文章化すると「なんだ,それだけ?」と思ってしまいますが,この本を読むとこれがとんでもない実験施設であることがわかり,目がクラクラしてきます。なんと,山手線全体を「ほぼ絶対零度」に冷却し,しかもミクロン単位の精度で組み立てているのです。だから,なにか不具合が生じて実験器具を直そうと思っても,まず5週間かけて超伝導磁石を室温に戻す必要があり,月に行くより時間がかかるのです。
- 【つながらない,邪魔する,つながせない,あぶない…スマホ普及とオフロード需要爆発で露見する「Wi-Fiの罠」】
WiFi,お前もか! WiFiは基本的に無線LANですが,これってもともと不特定多数が一度にアクセスする状態を想定していないらしいです。だから,ユーザーが増えると必然的につながりにくくなるらしい。ううむ,困ったなぁ。
2011/12/13
【10:00】【09:00】
- 「アメリカの外傷・熱傷治療」ですが,ペンシルバニア州在住の方からこんなメールが。
左手指に熱したオリーブ油でヤケドしました。緊急診療所と一般医で湿潤療法についてお尋ねしたら初耳だった由で吃驚しました。治療は「消毒してゲーベンクリーム」ですので,自分の判断でラップとワセリンに変えましたが,すぐに痛みがなくなり,楽になりました。「湿潤治療の第一人者」であらせられる塩谷名誉教授によると「アメリカでは湿潤治療は広く普及している。日本はアメリカに10年以上遅れている」ことになっているんですが,もしかしたら,塩谷教授の言っている「アメリカ」って,彼の頭の中にしか存在しない御伽の国なのかも・・・。
- 【遺伝子組み換えパパイヤ,買いますか? 人が直接食べるGM作物の輸入が解禁に】
⇒遺伝子組み換え作物は極めて安全!
- 【】
【06:30】
- 朔日,ある先生からの「湿潤治療は知的作業だが,従来の創傷・熱傷治療に知性は不要」というメールを紹介しましたが,工学系の方からこんなメールをいただきました。ううむ,鋭い! というか,これが普通の感覚ですよね。
昨日の更新で紹介されたメールにあった「湿潤治療は知的な医師にしか実践できない」という件に関して,学生時代,「科学は多数決ではない!」と教授に怒鳴られた出来事を思い出しました。「科学は多数決ではない」のですが,なぜか医学界は「多数決で正しさが決まる」世界です。でも,医者の大多数は医学の世界しか知らないから,それが異常だとも思いません。
論文に載っているから正しい,という意味の主張をした私に対して,強烈な,そして目が醒めるような一言でした。
医学にはEBMという医学独特の考えがあるそうですね。この,論文,学会の方針や権威のある組織のガイドラインに従った方法で仕事をするという医療独特の形態は医療レベルの底上げをしている陽の部分と,ガイドライン原理主義者が跳梁跋扈する一因にもなっている陰の部分がある,そんな気がします。(全くの当てずっぽうです)
科学者にとって普遍的に頼れる武器は,数学,法則,自分の頭の3つでしょう。そこに自分の分野の様々な枝葉がつく,と。
「ゲーベンクリームみんなで塗れば怖くない」の状態にあるお医者様は,数学,法則,自分の頭のいずれか,またはすべてが欠如していて,枝葉だけで勝負しているのかもしれませんね。足りない部分は「エビデンス」が補ってくれる,ということでしょうか。
ところで我々工学屋の現場には「品質で工程を管理する」という素晴らしい言葉があります。もうちょっと噛み砕くと,「いい畑かどうかは,そこでとれた作物を食えばわかる」としてもいいでしょう。つまり,良い品物ができるならば,その製造に関わる人・材料・機械・方法は良い。品物が悪いなら,作り方が間違っている。ということです。
これを医療に適用すれば患者が痛がらず,従来の治療に比べて良い結果が得られ,そしてその結果に患者が満足しているのならば,その治療方法は良い治療方法である,ということでしょう。
他院から逃げてきた患者さんが笑顔で帰って行かれるのであれば,それはよい治療です。治らないなら間違った治療法です。
ゲーベン先生方には,自分の患者さんが笑顔で帰って行かれるのかどうか,興味はないのでしょうか?
私には自分の工場で作った製品がいい製品かどうか,お客さんが満足してくれているかどうか,それがとても気になります。満足してくれなければおまんまの食い上げです。
お客さんが満足しないのに食いっぱぐれない職業があるなんてちょっと羨ましい限りです(という知性のない先生への嫌味)。
- 毎度の糖質制限ネタであるが,外食で糖質制限するのは本当に大変である。まず,定食や丼物,お寿司,うどん,蕎麦は「糖質だけ食事」なのでまず最初から対象外である。ラーメンなんて論外である。
そうなると「ニラレバ定食を注文してご飯を食べない」とか,「肉野菜炒め定食を頼んで肉野菜炒めしか食べない」という選択肢くらいしかなくなってしまう。夜の居酒屋だったら「チューハイと野菜炒めと焼き魚だけ」の食事もできるが,昼間ではかなり大変だ。
コンビニで何か買って食べるかな,と思っても大変だ。主食系(弁当,サンドイッチ,焼きそばなど)を除くと唐揚げとかサラダとか漬け物くらいしかないからだ。糖質を制限するためには,「ゆで卵とチーズとサラダと枝豆で缶入りウーロンハイか糖質ゼロのビールを飲む」しかなくなってしまう。これは駅のキヨスクでも同じで,「買えるもの」の選択肢の幅は猫の額より狭いのである。
日本の食の歴史を勉強すると,日本人は「いかにして少量のおかずで大量の米を食うか」を至上命題にしてきたことがわかる。何しろ,米は塩辛い味との相性が抜群なのである。塩さえあれば飯が食えるし,塩辛や漬け物があれば,何杯でも飯が食えるのが日本人だ。腹一杯に白い飯を食べるのが長年の日本人の夢だったのだ。それが体にいいか悪いかはどうでもいいから,とにかく白米を最上位に置くことで発達してきたのが近代以降の日本人の食事だったようだ。
その結果,効率的に白米を食べるためのおかずが考案され,そういうおかずと白米を組み合わせが工夫され,その末裔がキヨスクやコンビニに並んでいるお弁当である。昭和37年をピークに日本の米消費量は減少しているが,「食事とは白米を食うこと」という基本設計(=屋台骨)はキヨスクでもコンビニでも外食産業でも揺らいでいないのである。
かくして,「お米を食べないで外食で食事をする」ことはすごく大変なのである。
- 医局の机の引き出しの中に大量の未整理名刺が眠っている。その数,おそらく2000枚。そして,講演のたびに十数枚ずつ増えていく。
名刺ボックスで名前の順に整理してみたこともある。100枚とか200枚とかだったらこれで対処できたが,1000枚を越えてしまうとこれでは目指す名刺を見つけるのは手間がかかりすぎる。
名刺専用スキャナというのを使っていた時期もあった。これはこれで便利だったし,データがコンピュータで検索できるのはよかったが,WindowsがXPになった時にハードが認識されなくなり,後継機種も販売されなかった。それ以来,専用スキャナは怖くて使えなくなった。ドライバがバージョンアップされるとは限らないからだ。
もちろん,汎用スキャナで取り込み,専用ソフトで管理するという手もある。名刺が100枚くらいだったら大した手間ではないと思うが,2000枚となるとどれほどの手間と時間なんだろう。たぶん,半端でない時間がかかるんじゃないだろうか。少なくとも,今その暇はない。
そして今週もまた講演がある。たぶん,また数十枚の名刺が増えるはずだ。この大量の名刺をどうしたらいいのだろうか。
- 【小沢氏「首相が決意示すべき」 消費増税めぐり批判】
今この状況で「しっかりとマニフェストを守ることが大事だ」なんていう小沢さん,かなり感覚がずれていると思います。民主党が政権を取ったのは「しっかりしたマニフェストを掲げてそれが国民に支持されたから」ではなく,自民党ではなかったからです。自民党が政権から滑り落ちたのは「しっかりしたマニフェストを提示しなかったから」ではなく,自民党だったからです。つまり,小沢一郎さんは完全に勘違いしています。
民主党のマニフェストは「政権なんて取れないだろうけど,もしも政権が取れたらこんなことをしてみたいんだ」という願望集・夢想集です。言ってみれば,小学生が「大きくなったらノーベル賞を取りたい」,「大きくなったらサッカー選手になりたい」,「大きくなったらアイドル歌手になりたい」というのと同じです。
というわけで,そろそろ小沢くんは「我等はマニフェストがあったから政権をとれたのだ」という幻想から目覚めた方がよろしいかと・・・。
- 【相手は総合格闘技のチャンピオンだった…銃で脅した強盗,ボコボコにされる】
相手が悪すぎた! これから強盗しようと考えている人は,銃を突きつけた相手に「もしかしたら総合格闘技のチャンピオンとか,空手の有段者とか,カポエラのチャンピオンとかじゃないっすよね」と尋ねたほうがいいかもしれません。ボコられてから「そうか,こいつはチャンピオンだったのか」と気がついても遅いです。
2011/12/12
【16:50】【07:30】
- 週末に陰嚢膿瘍で切開排膿した患者さんが受診されました。絆創膏を剥がすのも痛いし,日曜日の処置も大変だったようです。
そこで,パンツの裏側にプラスモイストTOPを貼り,それを履いてもらうことにしました。キズが擦れることもなく,ガーゼを陰嚢に貼る必要もなく,とても楽になったと喜んでおられました。今回は浸出液がすでに少ないため下着に直接貼りましたが,多い時期ではパンツ型のオムツに貼るのがいいかもしれません。いずれにしても,外陰部の膿瘍切開後や潰瘍,外傷に使えると思います。
キズは消毒しない,ガーゼもいらない!話題の湿潤療法に最適な保護材プラスモイスト TOP
価格:5,250円(税込,送料別)
【06:30】
- 【100円ショップに強盗,金庫の160万円奪う】
100円ショップで160万円の売上を上げるためには16,000個の商品を売らなければいけないわけですよね。客一人が5個の商品を買ったとしても,客が3,200人入らないと160万円になりません。営業時間で割ると・・・と計算すると,とんでもない数字だとわかります。そして,160万円売って利益はどのくらいなんでしょうか?
ちなみに,ちょっと気になる「100円ショップの商品原価」ですが,こんな感じらしいです(10年ほど前の数字ですけどね)。
- 「毛巣洞の治療についてアドバイスを」という質問に回答しました。
- 「外傷を湿潤治療している医師」,「熱傷を湿潤治療している医師」に,茨城県筑西市ののかおい整形外科/市川日出勝先生にも加わって頂きました。ありがとうございます
- かなり早い時期から湿潤治療を行なっているある外科系の先生からのメールです。非常に鋭いです。
最近,気づいた事があります。私は,これが真相かなと思っています。
湿潤治療は実は極めて,知的作業である事です。一方,消毒し,ゲーベンを塗布するのは,機械的,「知」を要しない治療です。何も考えず,漫然と治療するのが,旧来の治療です。しかし,湿潤治療は,極めて知的作業です。
何故か,それは,創部の繊細な観察と,創部の変化を知的に考察することが必要だからです。私の同僚にも,消毒を漫然と行う医師がいます。そういう医師からは,治療を取り上げます。なぜなら,創部の観察,評価が出来ないからです。
そう言う意味で,湿潤治療は,知的でない医師には無理だと気づきました。未だに,ゲーベンを漫然と塗布するのは,知的考察を要しない=考えない治療と思います。
湿潤治療で,上手くいかないのは,そう言う医師が,湿潤治療を行い,観察をしないから,上手くいかないのです。そう言う意味で,湿潤治療を広げるのは,大げさに言えば,知的医師が不足しているからです。
医師は基本的に,知的職業と,世間では理解されています。しかし,知的考察が苦手というか,無理な人間が,多いことに気づきました。先生が,ゲーベン治療に怒るのは,良くわかりますが,上述の,私の考察が全てだと思っています。
日暮れて道通しですね。何も考えず,ゲーベンを塗っていても非難されないなら,その方が楽だからです。
- 【カメムシ 豪雪の前触れ?】
以前から,降雪量と関連付けられているのが「カマキリが卵を生む高さ」です。これは,「カマキリが高いところに卵を産むと豪雪,低いところなら暖冬で湯が少ない」という経験則ですが,研究者からは否定されています。今回の「カメムシ予想」はどうでしょうか。
- 朝,ニュースを見ていたら「子供から親にガン検診を呼びかける」という試みが報じられていた。仕事が忙しくてガン検診なんて行ってられないよ,という人でも,わが子に「まだガンで死なないで下さい」なんて言われたらちょっと考えるはずだ。これで実際にガンが減らせるのなら悪いことではない。
では,ガン検診が現在よりもっと普及し,あらゆるガンが早期発見されて治療されるようになり,ガンで死ぬ人が一人もいなくなったらどうなるか。ガンで死ななくなった日本人は死ななくなるかというと,もちろんそんなことはない。人間は必ず死ぬからだ。つまり,ガンが撲滅され,脳血管疾患でも死ななくなり,心臓病も撲滅され,事故で死ぬ人がいなくなったとしても,やはり人は必ず死ぬし,死ななくなることはない。
ガンも心臓病も脳血管疾患も撲滅された時,私達は何で死ぬのだろうか。みんな老衰死するのだろうか。それとも,別の病気で死ぬようになるのだろうか。その病気に対してもまた,早期検診・早期治療が叫ばれるのだろうか。
2011/12/09
【12:40】【11:30】
- 【ジム帰り私服はやはりオサレなのにスッピンはまたも衝撃的過ぎるキャメロン・ディアス!】
以前紹介した「スッピンになるとお婆ちゃんに変身するシャロン・ストーン」ほどの衝撃ではありませんが,キャメロン・ディアスはスッピン画像が出るたびに劣化が激しくなっていきますね。化粧は肌を老化させるという歴然たる証拠です。
【11:10】
- アメリカ在住の方から,「アメリカ人とハイドロコロイド被覆材,Neosporin」に追加情報。なるほどなぁ,という情報ばかりです。
Neorsporinは,私もワセリンベースなのでいいものかと思って息子に塗ってみたのですが,患部が赤くなってぶつぶつと湿疹が出て来て焦りました。その時,neosporin allergyで検索したら沢山の事例が出て来たので即刻使用を中止した次第です。
さてハイドロコロイドですが,これは普通のバンドエイドと一緒の棚に売られています。またバンドエイドのサイトにも湿潤治療のことが書かれています。
しかしながら,病院のERではまったく湿潤治療は実践されていません。靴ずれ対策用と思われているというコメントがあったように,Blister Healという名前が付いていたりして,一般人には用途が誤解されているのではないかと思います。私が交通事故の後に使ったのはこの製品ですが,普通の人ならぱっと見て擦過傷に使うとは思えないでしょう。
またBand aidやこちらで大手の薬局であるCVSでは,Advanced healing bandageなどという名前で売られているので,普通の怪我には使わないものだと思っているのだと想像します。
【08:00】
- 先ほどの更新で,アメリカの方々の「ハイドロコロイドは市販されているが,小さいサイズのものしか販売されていないから,いざ傷に貼ろうとすると大きさが足りなくて不便なんだよね」という意見を紹介しました。ここで日本なら,「ならば,サイズの大きなものを販売して自由に切って使えるようにすればいいよね」という方向に進むんですが,アメリカではそうならないです。なぜかというと,すごく不器用だから・・・。アメリカ在住の方からのメールです。
アメリカ人ははさみを使いませんね。こちらの学校では授業ではさみやカッターを使うことはありません(安全管理上,そういうものは一切教室にはないのです)。そうか! だからデュオアクティブもハイドロサイトも使用説明書に「切って使わないように」って書いてあるのか。キズのサイズに合わせて切るというスキルがないんじゃ,「切ったら変な形になって使えなくなった。これは欠陥商品だ!」と訴訟を起こされちゃうもんね。
だからアメリカ人の手先のモータースキルが残念な状態なんですよね。おりがみなんて教えても折れないし,字はきったないし……。
はさみやカッターを使いたい人は,After School Programに別料金を払ってArtのクラスをとったりするのです。
【06:30】
- 最近メールのやりとりをしているアメリカ在住の方に,アメリカでのキズ・ヤケドの治療はどうですかと尋ねたところ,次のような回答をいただきました。やはり,アメリカでは湿潤治療は全く普及していないようです。
> このハイドロコロイド被覆材,実際にどのくらい使われているものでしょうか。「湿潤治療の第一人者」と名乗っている塩谷名誉教授によると「アメリカでは湿潤治療は広く普及している。日本はアメリカに10年以上遅れている」ことになっているんですが,まるっきり嘘であることがわかります。
この点について,10人の友人ママたち(白人4人,黒人3人,インド人1人,韓国人2人)にインタビューしてきました。
- 【家庭での,minor injuryのcareは具体的にどうしてる?】
なんと全員が「Neosporinとごく普通の絆創膏」でした。やはりNeosporinの普及率は相当なものですね。- 【消毒してる?】
水道水で洗うそうです。- 【(キズパワーパッドを見せながら)これ使ったことある?】
5人(韓国人2人とインド人1人と白人2人)が,「顔の傷に使ったことがある」そうです。amazingly きれいに治った,と言ってました。あと,面白かったのが,「あ,これ知ってる。靴擦れに使うものなのよね」と言った黒人に対して「そうそう,靴擦れにはコレなのよ」と同調する人が数名いました。なぜもっと普通の傷に使わないのかというと,小さいサイズのものしか販売されていないから,いざ傷に貼ろうとすると大きさが足りなくて断念するのだそうです。
やけどに関してですが,病院では,白い銀含有のクリーム(ゲーベンと同成分)を塗って被覆材とガーゼ,という処置だそうです。家庭医は(訴訟が怖いので?)やけどはすぐに専門のBurn Centerに紹介するのだそうです。
うちの近所のUrgent Care(ERと家庭医の中間くらいに位置する,アポイントなしで見てもらえるクリニック)では,『24時間,アイスノン又は氷で冷やしてその後,何も塗らない,触らない事そうすれば跡も残らず自然と治る』と言っているそうです。がっかりですね。
また,アメリカではハイドロコロイド被覆材はドラッグストアで売られてはいても,擦り傷やヤケドの治療材料としては認知されていないことがわかります。靴擦れにはハイドロコロイドですが,擦り傷にはNeosporinなんですね。
- 「アメリカですりむいたらNeosporinを塗るのが常識」というNeosporinですが,多数の方から成分について教えて頂きましたが,アメリカ在住の他の方から「これはとんでもない軟膏です」というメールをいただきました。
こういう情報が欲しかったのです。ネットを見れば成分は一目瞭然ですが,「キズに塗るとちょっと痛い」とか「かぶれることが多い」とか,そういう情報は書いていません。本当に重要な情報は「使ってみてどうだったか」です。成分表ではありません。ネオスポリンですが,Wikiを見ていただければ成分が分かるのではないかと思います。基本的にワセリンベースで抗生物質が含まれています。
ただしこの抗生物質が曲者で,neosporin allergy で検索してもらうと沢山ヒットするのが分かると思います。うちの息子もキズがただれて大変なことになりました。
- 雑誌「Expert Nurse」12月号が『ナースが行う“適切な”褥瘡・創傷ドレッシング材の選択』という特集記事を組んでいたので読んでみた。この雑誌は以前,「鳥谷部を出席させないラップ療法座談会」というおバカ企画を何度もしてきたクズ雑誌であるが(・・・こういうクズ企画にホイホイと乗せられて座談会に参加する医者も情けない,というか,科学者としての最低限の常識を持ち合わせていないと思う),今回の記事もまた大いに笑わせてくれた。毎度,ツッコミネタを提供してくれるありがたい雑誌であり,いつも感謝している。感謝しつつ,ツッコミを入れさせて頂く次第でございます。
「Expert Nurse」はこれからもツッコミどころ満載のクズ企画をどんどん掲載してほしいと切に願う次第である。
- 要するにこれは創傷被覆材などの「治療材料・軟膏販売促進用カタログ雑誌」であり,それ以上でもそれ以下でもない。あらゆる創傷被覆材を漏れなく紹介するのが記事の目的なので,商品の欠点とか,その欠点を補う工夫(=実はユーザーがもっとも知りたい情報はこれ)などは全く書かれていない。
- 創傷被覆材は連続2~3週間しか使えない,という創傷被覆材治療最大の問題にまともに答えていない。読者がもっとも知りたいのはこの点だと思うのだが・・・。
- しかし,それではさすがにマズいと思ったのか,「2週間を越えた場合の2つの解決法」について言及している。
- 第1の解決法は「非固着性ドレッシング材(=メロリンなど)に切り替える」というもの。一見もっともらしいが,記事で取り上げられているメロリンなどの「非固着性ドレッシング材」を実際に使ってみるとわかるが,創面に固着して剥がすときにすごく痛いのだ。なぜかというと,メロリンは「キズを乾燥させる」ために設計された被覆材料だからだ。つまり,この記事を書いたWOCナースはこのあたりの基礎的知識もないらしい。
- 本物の非固着性ドレッシング(=OpWT,モイスキンパッド,プラスモイストなど)を薦めた方がいいと思うが,これらはこの雑誌が大嫌いな「鳥谷部がらみのドレッシング」のため,清々しいくらいにスルー!
- 第2の解決法は「従来からの軟膏とガーゼで治療しましょう」と言うもの。オイオイ,最初の2週間は被覆材で治療し,その後は軟膏でいいなら,最初からずっと軟膏ガーゼ治療でいいとなるはずだ。なにも被覆材治療はない。この記事を書いたWOCナースさん,そのあたりの矛盾に気がついていないのだろうか。頭悪いなぁ。
- 「コストパフォーマンスと人件費削減に優れた治療の選択が重要」と特集の冒頭に書いておきながら,この特集で紹介されている治療法はコストパフォーマンスが悪く,人件費も削減できない方法ばかりだ。コストパフォーマンス抜群で,人手もかからず,しかも治療効果抜群の方法があるんだけど,それは意地でも取り上げないという姿勢が清々しいくらいだ。
- それにしても,日本中の褥瘡患者に2週間被覆材を使い始めたら医療費はどのくらい必要かを計算してみて欲しい。まともに初等算数ができる人間なら「褥瘡は被覆材で治療する」なんておバカなことは恥ずかしくて書けないと思う。
- 病院での褥瘡治療のことしか考えておらず,在宅での褥瘡治療は完全無視しているのは,世の中の流れに逆行していると思う。全ての褥瘡患者が治療のために病院に入院したら,医療現場は崩壊すると思うけど。
- ちなみに,厚生労働省の試算によると,【14年後の2025年,人口の1/4が65歳以上になり,その40%(=500万人)は死亡する前に半年以上寝たきりになる】となる。私もこの試算は多分正しいだろうと思っている。つまり,国民の20人に1人が寝たきりである。
では,計算してみてほしい。寝たきり患者の1割に褥瘡が発生するとして,それを被覆材で治療したら医療費はどのくらい必要だろうか。どうやら,日本褥瘡学会にはこういう計算ができる人がいないらしい。
- そういえば,ラップ療法について一言も言及していないのが,この雑誌の新機軸らしい。以前のこの雑誌の同様企画では「ラップで治療するなんて悪魔の所行」と悪口雑言の限りを尽くしてきたのだから,どうしたのだろうと逆に心配してしまう。多分,出版社の方から「ラップ療法と鳥谷部はNGワードです」と指示があったのだろう。
出版社としてはラップ療法を取り上げることは絶対にしたくないが,表だって批判することもできず(批判したら私に「このアホ雑誌は5年たってもアホだった」と罵倒するネタを提供するだけ),あたかもこの世にラップ療法は存在しないように装うことしかできなかったのだろう。「目の前に倒れている人がいたら,とりあえず目を閉じましょう。すると見えなくなります」とアドバイスするのと同じだな。
- よくよく情けない雑誌であり,情けない書き手ばかり揃えたものだと思う。自分たちの治療が正しい,自分たちは信念をもって治療をしている,というのなら,堂々と「ラップ療法なんて正しくない。よい子は絶対にしないように!」と書けばいいのである。それが科学と言うものであり,科学者が最低限守るべきモラルである。まぁ,このクズ雑誌に科学を説くのは,馬に念仏を教えるようなものかな。
- 【橋下氏,文科省指摘に「バカみたいなコメント」】
私は基本的に橋下徹さんの姿勢が好きだ。もしも大阪に住民票があったら,絶対に彼に投票したと思う。彼の基本的な姿勢(=現状がおかしいなら変えればいい。古いものが間違っているなら切り捨てるしかない)は私のそれと同じだからだ。
しかし,彼の個々の政治姿勢や政策すべてを支持しているわけではない。支持できる政策と支持できない政策が混在している。要するに,「橋下個人を支持すること」=「彼の政策すべてを支持すること」ではないだ。
だが,橋下さんは「自分が当選したのは自分の政策のすべてが支持されたからだ」と考えるはずだ。そして,選挙戦で打ち出した政策の実現に全力で邁進するはずだ。何しろ,選挙民は自分の政策を支持したからこそ自分に投票してくれたのだから・・・。
ちなみにこれは「民主党に投票はしたが,民主党のマニフェストをすべて支持したから投票したわけではない」というのと同じだ。
- 【アメリカ人「英語の筆記体ってどこで使うの?習ったけど一度も使ったことない」】
2日前の記事ですが,面白いので紹介。中学時代に必死で覚えたアルファベットの筆記体ですが,実は肝心のアメリカの皆様には「読めないし書けない」人のほうが多いんだとか。そういえば,こんな記事もありましたっけ。
私たちの大多数は,江戸時代の書籍や瓦版は読めません。それらを読むためには,読めるようになるための教育と訓練が必要です。アメリカ人にとって筆記体は,現代日本人にとっての江戸文字と同じなのかもしれません。
- 【群大教授暴言「福島の農家はオウム信者と同じ」】
なんで,こんなに頭の悪い発言をしちゃうんでしょうか。喩えとしてオウム真理教を持ちだした時点で頭の悪さが際立っています。この人,火山学の研究者らしいけど,こんな杜撰な論理を振り回すところから類推すると,そもそも科学の研究者として不適格じゃないかと思います。
この問題を考える上で,「福島の農家は福島県や国が米作りしても大丈夫だと宣言したから米作りをした」という事実が大前提です。つまり,「危険だと言われたけれど,米作りを強行した」訳ではないのです。この点が,オウムのお馬鹿さんたち(=サリンは危険だとわかっていたから製造した)とは方向性が180°違います。
こんな,小学生でもわかることを理解できない55歳の大学教授がいるなんて,悲しくなります。
2011/12/08
【12:00】【08:00】
- 「アメリカでは擦り傷にはNeosporin」だそうですが,外見はワセリンとそっくり,とのことです。
- 【アレルギーのギモンお答えしますSP】
NHKの朝の番組「朝イチ」を見ていた人から,ゲストの先生の無茶苦茶な話に笑ってしまいました,とメールが入っております。NHKの朝イチ アレルギーの特集でしたが,上出先生突っ込みどころ満載でした。特に笑ったのは昔は「ステロイドを野放図に使っていたから治らなかった」。いまは「使用量が少ないから治らない」と言う点ですね。この上出先生という方は,「アトピーはステロイドでかならず治るし,治らないわけがない。治らないのはステロイドが効かないのではなく,量が多すぎるか足りなすぎるからだ」とおっしゃっていたようですが,「では,どの量が適量なのですか?」と質問すると答えていただけるのでしょうか。多分,どのくらいが適量かは永遠にわからず,いつまでたっても多すぎるか足りな過ぎるかのどっちかじゃないかと思います。
そういえば江戸落語に,患者が悪くなってからつれていくと「手遅れだ,もっと早く連れてこい」と言い,具合が悪くなる前につれていくと「つれてくるのが早すぎる」というお医者様が登場する噺があったような気がします。
【06:30】
- アメリカ在住の方から,「こちらではすりむき傷には Neosporin を塗るのが一般的です。ゲル状の軟膏です。ほとんどの家庭に常備している薬だと思います」という情報が寄せられました。
このNeosporinについて基剤とか成分とかについてご存じの方はご教示いただけましたら幸いに存じます。
- ある先生からの提案メールです。
介護施設に短期入所した高齢者の褥創へゲーベンクリーム等を使われて,褥創のみならず全身状態も悪化させられたことを何度も経験し,最近は「ゲーベンクリーム,イソジン,カデックスにアレルギーあり」と紹介状に書きまくっています。皆様,この提案はいかがでしょうか。これこそが,患者を守るために必要な行動ではないかと思います。
そこで提案ですが,「薬剤等によって創傷,やけどの治癒が遅延(というか創傷,やけどの悪化)を認めた時,それを医師は報告する義務がある」という「薬事法第77条の4の2第2項に基づく医薬品・医療機器等安全性情報報告」をみんなで行う,というのはいかがでしょう。
昔は製薬会社のMRさんと書いていましたが,今は医師が書いて直接厚労省へ送ります。
また,皮膚移植跡もメッシュ移植なら,メッシュ化器具の副作用として報告できるかもしれません。
⇒医療機関報告のお願い(厚生労働省)
本来なら私が率先して報告しまくるところですが(何しろ,ゲーベン,カデックス,アクトシンなどで悪化した症例は山ほど持っています),何しろ忙しすぎるため,こちらまで手を広げることは当分無理そうです。とりあえず,上記の厚生省のサイトを見て報告方法について勉強してみようと思っています。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,福井県坂井市のつちだ小児科/土田晋也先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- 「アメリカでの湿潤治療」についてアメリカ在住の方から面白い情報です。
アメリカにはラ・レーチェ・リーグという母乳育児支援の団体があります。この団体は60年以上の歴史があり,アメリカ小児学会も公認する由緒正しい非政府組織の団体です。
ここでは,授乳時に児の吸着がまずかったときなどに乳首がきれてしまったときの対処として,100%純度のラノリンを塗ってmoist wound healingすることが推奨されています。
アメリカ国内でも,母乳育児経験者でしたらこの方法を知っていると思います。だって,わたしが夏井先生のサイトを発見したとき,「あ,アメリカで乳首にラノリン塗ってサランラップのっけたのと同じだ!」って思ったものですから(笑)
ちなみにラノリンはソフラチュールに塗られている油で,「羊毛を刈り取ってウールに仕上げる際に副産物として回収されるウールグリースを精製したもの。融点40℃付近の淡黄色の蝋状物質で,高級アルコール及び高級脂肪酸のワックスエステル」で,白色ワセリンに比較するとちょっと獣臭い臭がします。
- 映画のストーリーに無関係な人間関係・人間像を無闇に丁寧に描いてしまったため,結局何が描きたかったのかわからなくなってしまった残念系の感染症パニック映画,《オーシャンズ・オデッセイ》を紹介。いわゆるひとつの「意欲の空回り」ってやつですね。
- 【民主党政権が狂わせた普天間返還への歯車】
一川保夫議員はこれまで農政畑一本でやってきた議員さんです。防衛に関してはご自分も認めているとおりの素人です。野田首相はそんな「素人」を防衛大臣に指名し,しかも「防衛大臣として適材である」と言ってしまったものだから,自縄自縛状態です。「いつまでこんなことをしているんだよ,さっさと素人は切り捨てて,本来の政治の仕事に戻れ!」と言いたいです。
2011/12/07
【15:00】【11:40】
- 先日,雑誌「Expert Nurse 12月号が見たい」と書きましたが,早速ゲット! ツッコミどころ満載の楽しい(?)特集記事です。
【09:30】
- アメリカでの湿潤治療について,別の方からもメールをいただきました。
先日,仕事でニューヨークに行ってきました。ドラッグストアには,一部ハイドロコロイドが販売されていますが,市民に湿潤療法が普及しているとは見えなかったです。
ラップなんかを使って湿潤環境を整える工夫をするといった小技が出来る国民性でもありませんし,何も考えずにジャブジャブ消毒して,乾燥させているのが実情と思います。
研究開始時期が早いだけで,治療そのものは,日本の方が遥かに進んでいると思います。
【08:40】
- 一昨日(12月6日)にこのコーナーで紹介した「3ヶ月間ゲーベンクリームで治療されていた熱傷患者さん」から朝,電話がありました。手を動かすこともままならなかった激痛が嘘みたいになくなり,シャワーで洗っても大丈夫で,精神的にすごく楽になったそうです。やはり痛みの原因はゲーベンクリームでした。[ゲーベンクリーム=有害クズ軟膏]という分類でよろしいかと・・・。
- 12月5日のこのコーナーで取り上げた「塩谷名誉教授の盗癖,虚言癖」問題ですが,日経の記事にあった「欧米ではすでに湿潤治療は広く普及しているが,日本はそれより10年遅れている」発言について,アメリカ在住の方から連絡をいただきました。
海外での普及に関しては,少なくともアメリカではまったく知られていません。子供が怪我してラップ治療していると,周りの子や親が興味深そうに見ていきますので,これが日本で生まれた最新に治療方法だと自慢しています。各病院のERに例の英語マニュアルを配りたいくらいです。塩谷名誉教授は1931年,つまり昭和6年のお生まれです。14歳の時に敗戦を迎えていますから,もろに「強くて優しいマッカーサー! ギブ・ミー・チョコレート」世代です。この世代には「アメリカ最高! アメリカ文化が世界をリードしている。アメリカ人に日本人は勝てっこない」と脳みそに刷り込まれてしまった人がいます。
そういう人間が医者になると「アメリカ医学こそが全て! アメリカ医学万歳! 日本医学はアメリカ医学のあとをついていくしかない」と思い込んでしまうし,「日本独自の治療なんて存在しない。日本だけの治療なんて滅相もない。日本人にできることはアメリカで普及している治療をありがたく教えて頂くだけに決まっている」と考えてしまうんでしょう。「アメリカ人の足の裏を舐めろ」と命令されたら,嬉々として一晩中舐めているタイプでしょう。
【06:30】
- 毎度の「糖質制限食」ネタです。私は数年前から「朝食と夕食ではデンプン(糖質)はほとんど食べない。昼食のお弁当だけごはんを食べる」という生活をしていますが,最近は昼食のご飯・麺類も半分も食べなくなりました(つまり,半分残しちゃう)。そういう私を見て,病院の看護師さんたちが「お腹減らないですか?」と不思議そうに言いますが,そんな昼食でも夜まで空腹を覚えることはありません。普通に仕事をしていますが,低血糖でふらふら,なんてこともありません。
そういえば最近,キムチ鍋とかちり鍋を食べることはあっても,「締めの雑炊・うどん」を食べていないです。せいぜい,野菜を追加して食べるくらいです。どうやら「鍋物の最後は雑炊かうどんで締めるもの」という事自体が「昔からの風習」に過ぎなかったようです。
- 「O脚用インソール」を1年間使ってみたレポートを追加しました。靴・スニーカーの踵がすり減らなくなりました。
- 先月24日の07:20付けでこのコーナーに書いた熱傷患者さんですが,小児科の福田先生の治療できれいに治り,通院終了となったそうです。福田先生,グッジョブ!
入院先の病院では手術の話しまで出て湿潤療法で治す火傷ではない。と言われ焦りと不安で一杯でしたが,福田先生に見ていただいたら全然軽い火傷やわ!と言って頂き安心して治療をお願いする事が出来ました。とのことでした。よかった,よかった。「湿潤治療で治す火傷ではない」という医者の言葉がチャンチャラおかしいです。ヘソがホットコーヒーを沸かしております。
「大学病院,総合病院,熱傷センターで治らない熱傷を,小児科クリニックで治す」時代になりつつある,というだけのことですね。
- 昨日,「3ヶ月間,ゲーベンクリームで熱傷を治療している皮膚科医から逃げてきた患者さん」のことを書きましたが,この皮膚科のお医者様は「2週間で治らない熱傷は皮膚移植しないと治らない」という教科書的な常識(・・・もちろん,私からすれば「常識」のほうが間違っていますが)をご存知なかったことになります。
このお医者様の心理を想像すると,「覚えている知識は,熱傷はゲーベンクリームで治療する,ということだけ」⇒「知識に忠実にゲーベンクリームを毎日使い続けているがなぜか治らない」⇒「明日は治るだろう,明日になれば良くなっているだろう,とゲーベンを使い続ける」⇒「しかし治らない,どころか,どう見ても悪化している」⇒「気がついたら受傷後2週間はとっくに過ぎている」⇒「今さら形成外科に紹介しても,なぜもっと早く紹介しなかったのかと非難されるかもしれない」⇒「それは嫌だ」⇒「とりあえず,ゲーベンを使い続けよう。そうすれば,ある日突然,治るかもしれない」・・・と考えていたとしか考えられませんが,真相はどうなんでしょうか? このお医者様はこの患者さんをどうするつもりだったのでしょうか?
- 私がPomera DM100を使っているのを見た同僚の先生は「クリスマスに自分へのご褒美として買おう」と決めたそうです。理由は次のとおり。
- iPad, iPhoneとブルーツゥース接続すると外部キーボードとして使える。外付けキーボードとしては格段に打ちやすくて薄くて軽い。
- 咄嗟の時にはPomera単体で文章を書き,iPadなどにデータを送れる。
- 【デジタルノート Asus Eee Note は12月発売,1万9800円。筆圧手書き&Evernote連携】
非常に魅力的なガジェットですが,ネット接続が時々不安定になるド田舎に住んでいる人間としては,「ネット接続できない状態でどのくらい使えるのか」が知りたいです。
- 【ハビタブルゾーン中心に地球に似た惑星】
先日書いたように,「惑星がハビタブルゾーンにあって地表に液体の水がある」ということと,「生命がいる」ということは全く別物です。生命が誕生するためには恐らく,「その惑星が誕生から10億年以上,ハビタブルゾーンにある」ことが必要だからです。おまけに,湿潤温暖環境を維持するためのフィードバックシステムも必要です。そして,こういうシステムは熱力学的に極めて不安定な系です。生命体誕生のネックはここにあります。
2011/12/06
【11:40】【07:20】
- 今日も県境を超えて熱傷患者さんが受診されました。3ヶ月前の受傷で,3ヶ月間毎日,近くの皮膚科クリニックに通院していたそうですが,治療は「治っていない部分はゲーベン,カデックス」,「治ったところはヒルドイド」というクズ軟膏のオンパレードです。治療のあまりの痛さに我慢ができなくなり,ネットで検索して当科を受診されました。
創部を見ると案の定,ほとんどの部分がゲーベンとカデックスで全層壊死の状態になっていました。幸い,感染は起こしていなかったため,べっとりと付いているゲーベンを洗い落とし,プラスモイストTOPで創部を覆いましたが,それだけでとても楽になったそうです。
「医者の説明を鵜呑みにせず,治療を医者任せにせず,患者自身が勉強して駄目な医者とわかったらさっさと逃げ出さないといけないのですね。お医者様が正しい知識を持っているとは限らないんですね」と,おっしゃられていました。
それにしてもこの皮膚科の先生,今後もずっとゲーベンクリームで治療を続けるつもりだったのでしょうか。普通の皮膚科医の感覚を持っていたら,全層壊死になった部分を見て「これは治りそうにない」とわかるはずですし,さっさと形成外科などに紹介するはずです。この医者の頭の中身,どうなっているんでしょうか。最大の謎です。こういう医者は患者にとって迷惑以外の何者でもありませんね。
【06:30】
- 日本褥瘡学会の御用雑誌, "Expert Nurse " の12月号が「ナースが行う“適切な”褥瘡・創傷ドレッシング材の選択」という特集を組んでいます。どういう内容なのかとても興味がありますので(何しろ,「適切な」とあるのですから,「適切でない」ものは取り上げられていないはずです),この雑誌をお持ちの方は特集の内容を教えていただけないでしょうか。よろしくお願い申しあげます。
同様に,「ナース専科」12月号でも同様の特集が組まれているようですので,こちらをお持ちの方もよろしくお願い致します。
- 「ヤケドで入院していますが,毎日のガーゼ交換の激痛にノイローゼになりそうです。湿潤治療をしている病院に移りたいのですが主治医がいい顔をしません。どうしたらこの病院から抜け出せますか?」という質問への回答を追加しました。
- タイトルとDVDジャケットを見るとモンスター級の巨大クマが襲ってくるパニック映画かと思ってしまいますが,実はドロドロの愛憎昼メロ,という《グリズリー 2010》を紹介。グリズリーの演技は見事ですが,他に見所はありません。
- 【バクテリアを養殖する“雪男ガニ”】
深海底の熱水噴出孔に生きているヤドカリが細菌(記事には明確に書かれていませんが,恐らくメタン分解をする古細菌でしょうか?)を体表の毛で培養し,それを食料にしていた,という私好みの新発見です。これまでも,体表面で細菌を育てて食料にしているウミウシはすでに報告されていましたが,甲殻類での「細菌培養」はまだほとんどなかったかもしれません(・・・うろ覚えのあやふやな記憶ですが・・・)。
これが「共生関係」かどうかは,細菌側のメリットが何かということですが,安定したコロニーを確実に作れるため,宿主に食われる分を差し引いても一定以上の個体数を維持できるということなんでしょうか。
いずれにしても,深海底の熱水噴出孔という環境では,種々の古細菌を中心とした多種多様な共生関係が成立していると思われ,まだまだわかっていないことが多そうでワクワクします。
- 【世界タブレット市場,Amazon.com の「Kindle Fire」がいきなり2位】
「iPadとiPad2とその他の有象無象」と揶揄されているのがタブレット市場ですが,ようやくiPadへの本命対抗馬登場です。Kindle Fireは実は「原価割れの本体価格を設定」していて,1台売れるごとに2ドル損をしている計算ですが,もちろん,「損して得取れ」がamazonの社是ですから,最終的に利益は回収できる仕組みを作っています。
私みたいに「とりあえずタブレットが必要なわけじゃないけど,安けりゃ使ってみてもいいかな。WiFi常時接続だし・・・」という人間にとっては,Kindle Fireは非常に魅力的です。
- 【乾燥シイタケからセシウム 群馬,出荷自粛・自主回収】
こういうニュースを見るたびに,「そのシイタケ,私食べますから下さい」と言っちゃいます。セシウムを体内に取り込んだとしてガンが発生するのは20年後でしょうから,私の場合75歳です。つまり,セシウムを取り込んだためのガンなのか,自然発生したガンなのかはわかりません。たとえ,セシウムによる癌だったとしても,同年代の男性の3人に1人はがんで死亡するのですから,セシウムが原因かどうかはどうでも良くなります。それに第一,20年後には同年代の男性の半分はもう死んでるかボケてますから・・・。
- 【鳩山元首相「関係ズタズタと米は思ってない」】
日米関係はズタズタじゃないと思うけど,民主党と沖縄の関係をズタズタにしたのは誰だっけ? ルーピー鳩山,いまだ健在!
2011/12/05
【13:30】【06:30】
- 今日は岐阜県からある先生が見学に来られています。夕方まで見学し,最終電車で岐阜に戻られるとか。ご苦労さまです。
- 『大気の進化46億年 O2とCO2 -酸素と二酸化炭素の不思議な関係-』の書評を追加しました。たまにはこういう壮大な視点に立った本を読まないと駄目ですね。
- 【湿潤治療は塩谷名誉教授が第一人者だ!】
「12月3日の日本経済新聞に湿潤治療の記事がありましたが,塩谷名誉教授が湿潤治療の創始者であり第一人者であると書かれていました。あまりにひどい内容に腹が立ったためお知らせします」という腹立ちメールを複数の方からいただきました。面白いので紹介させていただきます。
まず,一般市民の方からのメールです。ところで,本日(12月3日)の日経新聞別刷り付録(プラス1)に湿潤療法の話が大きくと取り上げられております。ある医師からのメールです。
これによると,湿潤療法は米国で1942年に始まったこと,日本での第一人者は北里大学の塩谷名誉教授なども紹介されております。
「オイオイ,夏井睦抜きで湿潤療法の話はないだろ」と,私は言いたいところですが,記者が不勉強なのか,はたまた「過激」すぎて夏井睦が嫌いなのか?
記事によると日本の湿潤療法は欧米に比べると10年から20年遅れているそうですが,本当なのでしょうか。日経新聞の土曜日増補版 NIKKEI プラス1の湿潤療法に関する記事です.「湿潤療法は欧米で広く認知されている」というのは事実誤認も甚だしいです。実際に欧米で怪我をして治療を受けた人に尋ねてみると,皆さん「消毒して軟膏ガーゼ」で治療を受けていますよ。塩谷名誉教授はそういう実際の医療現場をご存じないです。
ちょっとググれば,基礎情報が入手できるのに,この記者は下調べすらしてないのでしょうか.夏井先生を差し置いて,塩谷氏に取材をするとは.しかも,文中「欧米では広く認知されている湿潤療法.日本でも,大人に比べ擦り傷などを負うことが多い相中学生とその親や教師などから知られるようになった.」(自然派生かよ!)なんて書いてあり,事実歪曲も甚だしいものです.夏井先生に言及もせず,自らが第一人者の如くのうのうと取材を受ける塩谷氏の厚顔無知ぶりもすごいですが,「塩谷名誉教授曰く『日本の湿潤療法の認知と実践は,欧米に比べ10年から20年遅れている』と話す.」に至っては,氏は認知症ではないかと心配してしまいました.
このくらい厚かましくないと,名誉教授にはなれないんでしょうね.
この医師への私の返事です。> このくらい厚かましくないと,名誉教授にはなれないんでしょうね.ちなみに,2004年に海外での学会に生まれて初めて出席した時,学会に参加されていた塩谷先生が私に「先生が先頭に立ってどんどん治療を進めてくれるから,ようやくこの治療も知られるようになったよ。治療が普及してきたのは先生の功績だね」と話しかけて頂いたことを今でも鮮明に覚えています(偉い先生に褒められることがほとんどないため,褒められたことは記憶しているのです)。塩谷先生,自分が7年前に行ったことをもうお忘れになったようです。ちょっと心配です。
もちろんそうです。北海道大学形成外科の大浦名誉教授は「私が褥瘡のラップ療法を始めた」なんておっしゃっていますから,もしかしたら名誉教授になるためには「過去を都合よく歪曲する。都合よく記憶を改竄する」能力が必要なのかもしれませんね。もちろん,塩谷名誉教授は大浦名誉教授とは違うと思いますが・・・。
- 先月ころから,「子供がヤケドをして知覚ん病院に入院していますが,消毒して軟膏ガーゼの治療です。この治療で大丈夫でしょうか?」というようなメールを毎週3~5通ほどいただきます。皆さん,主治医(=形成外科)の説明に不安を覚え,ネットで検索して私に相談されたという経緯で共通しています。
要するに,「医者の説明を患者が鵜呑みにする時代」は終わりつつあるのでしょう。
- 次に読もうかなと思っている本は次の2冊。どちらも面白そう!
- 【表現力に驚嘆…ホワイトボードとマジックだけを使って名画を描いた写真14枚】
「弘法筆を選ばず」ってこういうことなんだな。能力さえあればホワイトボードに名画を再現できるんです。それにしても上手いなぁ。
2011/12/02
【16:30】【10:00】
- 週刊朝日増刊号『新名医の最新治療 2012』に「創傷の湿潤治療」が掲載されました。
【07:30】
- 【苦節10年,「焼肉ダイエット」への道】
実に理に適っているダイエット法です。ここでも江部先生の「糖質制限食」が登場します。私はちょっと前から意識して糖質をなるべく食べないようにしていますが,以前より体調がいいことを実感しています。
【06:30】
- 【女性を悩ます乾燥肌・その対策は?】
NHKの朝のニュースです。「顔の肌の洗いすぎ・化粧を始める年齢が早すぎ」という指摘は正しいですが,保湿剤入りクリームを塗っちゃダメでしょうが!なんとも中途半端な特集でした。
乾燥肌も乾燥した 顔も,ぬるま湯で洗ってワセリンを塗るだけでツルツル・ピカピカの赤ちゃん肌に戻るんだけどなぁ。肌荒れもすぐにきれいになるしね。
- 来年3月2日(金),福岡市城南区の長尾病院が主催する「生活習慣病セミナー」で講演することが決まりました。
- 来年6月30日(土),所沢市で開催される「第193回日本口腔外科学会関東地方会」で講演することが決まりました。
- 「カナダ製のホラー映画,サスペンス映画は微妙に面白くない」という私の経験則がありますが,今回の《デス・スピード》という映画でも悪い予感が当たってしまいました(・・・予感が当たって欲しくなかったけど・・・)。なんでこういう設定でこういう映画を作っちゃうんだろう? カナダの映画人の頭の中身,理解不能です。
- ポメラDM100専用革ケースを見つけちゃいました。お値段はなんと6,500円! 現在販売されている専用ケースの倍以上です。やはりちょっとお高いです。
こういう時は,「今使っているDM100が壊れたら,もう一台買うか?」と自問して決めることにしています。現時点なら,もしも壊れたら躊躇せずに次のDM100を買います。だって,仕事に必要だし,これに代わる「文章書きマシン」は他にありませんから・・・。それほど,DM100に惚れ込んでいます。
というわけで,2台,3台とDM100を使い続けていくことを考えると,専用革ケースも悪くないかな,なんて考えております。
- 【大英図書館が300年ぶんの新聞データを公開,検索・購入可能】
これはスゴイです。過去300年,つまり,江戸時代中期以降のイギリスの新聞記事がオンラインで検索でき,(有料で)閲覧できるのです。研究者にとってはまさに夢のようなシステムでしょう。
- 【暑さと異常気象,2011年気象総括】
この記事を読むと,2011年は史上最も暑い年で,地球温暖化の歯止めも掛かりそうにない最悪の年・・・となりますが,もちろん「人類が気候観測を始めて以来,最も暑い年」というだけです。
『大気の進化46億年』を読むと,大気の組成自体がどんどん変化してきたことがわかります。大気中の酸素濃度が現在の値になったのが6億年前ですが,それ以後も何度も15%~35%の間で変動しているし,二酸化炭素濃度にいたってはほとんどゼロ(このとき全球凍結が起きた?)から現在の濃度の10倍以上まで変動の歴史です。
ちなみに,現在大問題となっている二酸化炭素の増加が「現在の濃度の2倍」ですが,この本では「人類が化石燃料を使い切れば人類による二酸化炭素発生はストップし,温暖化は終了する。そして,二酸化炭素が激減するため,安定した炭素循環を地球が獲得するまで数万年以上必要かもしれない」と,至ってクールに説明しています。
- 【名器ストラディバリウスを3D CAD技術で複製,「驚くほどよく似た響き」】
現代科学を持ってしても解明できないでいる名器ストラディバリウスの秘密がついに! 本当に音色までがコピーできているのか,聴いてみたいです(・・・私の耳で違いが聴き取れるとは思わないけどさ)。そうなったら,「ストラディバリウスと同じ音色だけで超安値のヴァイオリン」が作られるかも!
ちなみに,以前紹介した『不機嫌な太陽』ではストラディバリウスの音色について,ストラディバリウスが生きた時代はマウンダー極小期と呼ばれる非常に寒冷な時期であったため,木の成長が遅かったため木目が緻密な木材が得られ・・・と説明していました。
2011/12/01
【11:30】【07:00】
- 今,『スライド講義によるER型救急医療(仮題)』という教科書の私の割り当て分(外傷の湿潤治療)について書いているところです。PowerPointで作成したスライドをそのまま教科書にするという企画なんですが,さすがに講演用スライドそのままというわけにはいかないため,新たにスライドを作ったりしています。
【06:30】
- 昨日(11月30日),「下腿打撲⇒血腫⇒皮膚壊死・感染は珍しくもなんともない」と書きましたが,その証拠症例にリンクするのを忘れました。これが証拠の画像です。
実は,こういう症例が非常に多いということに気がついて,「傷がないのに創感染が起きている。ということは,創感染を起こす細菌は傷から入るわけではない。細菌の侵入経路は別経路としか考えられない。ということは,傷を一生懸命消毒しても,抗菌軟膏を塗りたくっても創感染が防げるわけではない。同様の理由から抗生剤の予防的投与もそう感染予防には無効だろう」と理論化するきっかけになったのです。
そして,CDCの術後創感染(SSI)対策は「術後創感染の起炎菌は術中に術創から入る」ことを大前提にし,「術後に別経路から侵入する細菌」については全く考慮していないことに気が付き,これは絶対に間違っていると直感しました。だから,CDCのSSIガイドラインを厳密に守っても,サーベイランスをしても創感染は減っていないのですよ。CDCガイドラインが大好きで,CDCガイドラインは神からの御宣託と信じ込んでいる某先生や某々先生には悪いけど・・・。
- 先月(11月9日)のこのコーナーで「形成外科では皮膚移植をする前にきちんとインフォームドコンセントをしているのだろうか?」と書きましたが,それを受けて,千葉県の方から強烈な告発メールをいただきました。
もちろん,患者サイドからの一方的な告発であり,医師サイドから見れば別の見方ができる問題だと思いますが,少なくともこれまで,このような問題はほとんど表面に出てこなかったと思います。
- 【オランダ研究者による変異型H5N1インフルエンザウイルス作成に関する報道集】
強毒型鳥インフルエンザH5N1のゲノム(RNA)に5ヶ所変異を導入すると,フェレットに対して致死性で感染性の高いウイルスに変化できる,という研究が今月19日に発表され,理論的には人間に対しても致死的で感染率が高いウイルスも作成可能とか・・・。このウイルス作成過程を論文として公開すべきか否かについての激しい議論が巻き起こっています。
作れるものは作りたくなるし,作ってみたくなるのが研究者の性ですが・・・。
- 【しびれる美しさ!結婚式で花嫁がクールにドラム演奏(動画)】
う,美しい! そして格好いい! お幸せに!
- 【119番中に異常終了,再起動――“電話”には決して許されない事態にスマホはどう取り組んでいくのか 】
私はソニエリ初代のXperiaを使っていますが,電話をかけて呼び出し音が鳴っている時にいきなり切れたり,切れたので電話をかけ直したら別の人にかかったりすることが時々あります。古いから仕方ないのかな,と思っていましたが,スマホ全般に及ぶ問題だったようです。
確かにこの手のトラブルはパソコンでは「よくある事」でして,使い手側も「時々ハングアップするのがパソコンだから,まめにセーブすればいいんだよ」と対処していますが,「ちっちゃなパソコン」であるスマホにもそれが起きていたわけです。しかし困ったことに,通話している最中にハングされたら手も足も出ません。
通話用にガラケーも持つべきなんでしょうか?