【09:30】
- 【バン・クライバーン氏死去＝冷戦期に活躍した米ピアニスト】
時代に翻弄された名ピアニスト，クライバーンが亡くなりました。彼の思い出を綴ったエッセイはこちら。
【08:30】
- 女性雑誌には豪華な付録がついているものが珍しくありませんが，コンビニでたまたま見つけて 「ポーターの革ケースが付録で1,600円？ 安いかも！」 と衝動買いしたのがこれ。サイズはパスポートサイズで，薄くて固めのケースという感じです。私は超小型マウス，イヤフォン，データ移動用USBメモリ，スマホ充電用超小型モバイルバッテリー（講演のための移動の際に忘れがちだけど，ないと困っちゃうもの）を入れて，いつものボストンバッグに入れています。
【06:00】
- お馬鹿パワー全開のゾンビ映画，《悪魔の毒々パーティ》を紹介。映画タイトルからしてアホ丸出しですが，もてないダサい男子たちがゾンビから仲間を救うために奮闘する成長物語だったりします。ちなみに《悪魔の毒々～》というとトロマ社のシリーズ映画ですが，この作品は全く無関係です。
- 「美味しい糖質制限食が楽しめる飲食店」に，東京都豊島区の「エコール・クリオロ」を追加しました。このお店を紹介してくださった先生（「練馬都西東京で糖質制限を語る医者の櫂」のメンバー）からの情報です。
今回メールしたのは、糖質制限ケーキをプロデュースしたお店のご紹介です。有楽町線千川駅から歩いて2分ほどのところにある「エコール・クリオロ」というお店です。
シェフ・パティシエのサントス・アントワーヌさんは、かつて人気TV番組だった「どっちの料理ショー」のアイスクリーム対決で鎧塚俊彦氏（川島なお美の旦那さん）に勝利したり，世界パティシエ選手権「COUPE DU MONDE」でフランスチームのキャプテンを務めるなどなど、輝かしい経歴を持つ有名パティシエです。
そのお店が、プロデュースした糖質制限ケーキがこれです。
医療者として何より感心するのが、糖質制限の理解者である山田悟先生（北里研究所糖尿病センター長)に糖尿病患者でのデータを取ってもらいながら製作した点です。
ただし、サントスさん曰く「今のところ、売れ行きは今ひとつ。どこか良いところで宣伝して」とのことなので(笑)，夏井先生のサイトで宣伝して戴けると喜んでもらえると思います。
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価格：3,500円（税込、送料別） - 【なんだこの毛むくじゃらの丸いの。え？ お掃除してくれるの？】
カワイイけど，本当にゴミを取ってくれるのでしょうか。でも，カワイイから許す！
【12:00】
- 「ワセリンと痒み」についての新情報です。
夏井先生の読みたい本リストにある傳田光洋さんの『皮膚感覚と人間のこころ』にワセリン対策のヒントになる記述があります。4章 5章辺りに。私の机に2冊の未読本が乗っていますが，ついでにこれも買っちゃうかな。
創傷が治癒するプロセス。表皮の最表層にあるケラチノサイトの微妙なバリア機能の最適化を保つ。両方とも同じようにワセリンや湿潤環境を良好にたもつことで対応できるものと私は考えていました。が、傳田さんの著書を読むと一筋縄でいかないのかな?と思います。敏感な表皮に対するアプローチはダメージの強弱によって塗布するワセリンの量とかオイルの種類、コレステロールやスクワランなど、方法を変えたほうがいいのかなと思いました。
敏感肌のケラチノサイトは曲者です。
【09:00】
- 糖質制限関連のメールです。
先日NHKで放送がありましたのでご報告です。
ぶどう糖と同じ化学式で分子構造の異なる糖だそうです。
要は、ぶどう糖と異なり糖同士の結合がされにくく、かつエネルギーとしても吸収されにくい。ぶどう糖より先にポケットに入るのでぶどう糖が吸収されないまま排出される・・・というもののようです。それ以外にもこの手の「稀少糖」をがんの治療薬に等の紹介がありました。
糖質制限すりゃいいだけの話ですよね。
【06:00】
- 「粉瘤の治療をしている医師」に，広島県広島市の林クリニック／林 克実先生，東京都渋谷区の坂口クリニック／坂口文希を追加しました。
- 湿潤治療をしている先生から，大学病院の熱傷治療についての怒りのメールです。
２６歳女性。ストーブの火が洋服に引火し、急いでシャワーで消火したが熱傷となり救急車で〇〇医科大学病院搬送、形成外科入院となった。下腿から背部にかけ２５％の熱傷であり、植皮が必要と説明受けた。こういうのを敵前逃亡といいます。「自分たちの治療を患者が拒否しているなら，その患者は病院の外に出してなるものか！」 というのが〇〇大学形成外科の考え方です。まさに，ゲスの浅知恵というやつです。ちなみに，九州地方の某大学です。
知人が湿潤療法のことを知らせ、サイトから当院が自宅から一番近いことを知り入院４日目に連絡。病室から本人は電話していた。植皮はしたくないので、一度見てもらいたいとのこと。主治医に話し、セカンドオピニオンのかたちで当院まで外出受診となった。
…と、これが夏井先生のところでもよくある受診までの一般的経過だと思われます。で、診てみてどうだったか？………結局、みえませんでした。何故か？真相は不明なのです。
さらに詳細を記します。
本人は、主治医に話し、主治医から当院に連絡あり、私はその主治医と直接話しました。
- 主治医・・・「先生、2度一部3度の２５％の重傷です。医院だけどみれますか？」
- 私・・・「外来で継続的診れるかどうかわかりませんが、とりあえず、本人の希望もありますし、診させていただけないでしょうか？（もし、外来でみれなくても開放型病床登録している懇意の病院があるため入院の必要性があればそこに入院させればよいんです）
- 主治医・・・「わかりました、では受診方法や日どりなど決定したら再度連絡いたします」
ここで、最初に本人に確認したことで現在の疼痛状況と歩行可否ですが、疼痛それほどなく歩行も可能。車での移動は自らが運転しなければ可能とのこと。
主治医から2日後のセカンドオピニオン受診が決まった、と連絡あり。
で、です、なんと
受診時の大学病院から当院まではストレッチャー付の患者搬送車で受診させる。仰臥位のまま受診させます。当院での診察中は外で待機しています。診察終了後は再びその車で大学病院に帰りますとのこと。なんんと仰々しいことを！！でも、私も実際にみていませんので、実際みたらその必要性がやはりあったなと思うかもしれないので、それ以上は深く考えませんでした。
で、当日。
「やはり患者さんが、受診は辞めると申し出たので受診はなしです」と連絡ありました。そんなことありますか？悩みぬいて勇気しぼって連絡して、何か後悔しない治療法を探してやっと日どりも決まって、急遽翻意する。考えにくいんですよ。
で、連絡してきたのが病棟の看護師ですよ。主治医がきちんと理由説明するでしょう、常識的には。卑怯な集団です。さもしい輩です。しかし、なんて説明したんでしょね？ 多分、上級医と一緒に、湿潤療法、ラップ使って感染起こした症例なんか見せて感染→敗血症の話して、受診を思いとどまらせたんだろうと邪推してしまいます。
最後に本人と話したのが受診予定前日だったのですが、どうしてその搬送車になったのか尋ねました。主治医が、移動での全身状態の悪化と感染の発生が懸念されるからだそうです。この人たちの過剰防衛はすごいですね。もしも、もしも、もしもばっかりで可能性と蓋然性の違いが理解されていないようです。
ともあれ、私も実際に診ていないのであくまで想像です。ひょっとしたら本人の希望をきちんと汲んで保存的に見てくれて無駄な植皮を回避できていたのかもしれませんし。
「これは私のことだ」とピンときた患者さんは，形成外科の主治医連中の説明を，証拠として細大漏らさず記録しておいたほうがいいです。いずれそれが，あなたの武器になる時期が来ますから。 - 【キングジム『ポメラ』DM25発表、編集機能を強化＆低価格化した折りたたみモデル】
長文テキスト入力マシンとしては現時点で最強ガジェット，ポメラの最新版です。もちろん，ポメラニアンとしては気にならないわけがありませんが、購入するかと言われるとちょっと躊躇します。理由は次の通り。
- ファイルの最大字数が3万字と、4万字のポメラDM100より少ない（読んだ本の要約をしていると、3万字を越すことはざらにあります）。
- 薄くなったとはいえ、DM20との差はわずか4mm。折り畳んだ際の厚さが25mm以下ならいいのになぁ。
- DM100より液晶の解像度が低い。
- DM100の国語辞典，英和・和英辞典がない。
というわけで，［DM100の全機能と解像度］＋［折りたたんだ厚みが25mm以下］というポメラなら絶対に衝動買いしちゃうんだけどなぁ・・・。キングジムさん，よろしくお願いいたします。 - 【老人の置き去り多発、インドの宗教大祭】
12年に1度のヒンズー教の大祭が国家規模での姨捨山と化すのだそうです。記事を読むと，「聖地で死ねば解脱できる」という教えを根拠に何やらすごいことになっていることがわかります。
ちなみにヒンズー教というと，私はいつもこの本を思い出します。 - 【野生のパンダが家畜の羊を捕食！去り際は食べかけをお持ち帰り】
パンダはもともと肉食獣であったことはDNA分析からも消化管の構造からも明らかです。なぜパンダがタケ食になったのかというと，われわれのご先祖様がパンダ君たちを本来の生息域から追い出したからです。
人間に追われたパンダは高緯度地帯に逃げ込みますが，ここは獲物となる動物が少なく，パンダは飢餓に直面します。そしてパンダは生えているタケを口にするわけですが，パンダの消化管にはセルロース分解酵素は存在しません（これは現在のパンダも同じ）。また，牛や馬などの草食動物のように，消化管にセルロース分解菌が住み着いていてタケのセルロースを分解してくれるわけでもありません。つまり，飢餓状態のパンダがタケを口にしたところで栄養になりません。
「パンダは何万年もかけて消化管をタケ食に合わせて改造し，草食動物になった」 と考える人もいるでしょうが，何千年とか何万年という悠長なことは言っていられません。飢餓に直面している肉食獣のパンダは数日以内にタケから栄養を取らないと確実に死ぬからです。数日以内にタケを栄養にできる固体が出現しない限り，パンだという生物種は地球から絶滅します。パンダに残された時間はわずか数日であって，数万年ではありません。
しかし，パンダは生き延びました。タケを食べて栄養を取れるようになったからです。ではなぜ，肉食獣だったパンダは消化酵素も消化を助ける細菌も持っていないのに，タケ食に切り替えられたのでしょうか。
現在執筆中の本（＝糖質制限関連本）では，この謎の解明にも挑んでいます。 - 【明日地球上の全ての人が、南アフリカに引っ越したとしても、その人口密度は現在の東京以下」】
たまたま見つけた記事ですが，確かに計算するとこうなります。というか，
［アフリカ大陸の面積］＞［中国＋インド＋アメリカ合衆国＋南欧諸国＋北欧諸国＋東欧諸国の合計面積］というのにビックリ！ メルカトル図法の世界地図ばかり見ていると，大きさ（面積）の感覚が狂いますね。
【12:00】
- 「ワセリンで痒み」についてのメールです。
ワセリン塗布後のかゆみについて質問した元助産師のパート看護師です。早速公開していただき、たくさんの方から色々と情報をいただき、ありがとうございました。私自身も納得できたのでこれで、かゆみが出るという方にも説明ができると思います。
糖質制限も先生の更新履歴で拝見して２０１１年１２月から始め（スーパー），大変スタイルが良くなり今が人生で一番良い（４６歳）と思います。
歯科医師を途方に暮れさせた歯槽膿漏もとても良くなりました。現在ほとんど歯磨きをしない状態でも褒められています。
体調は他人が見て一番よくわかるようです。１０年前からの知人は最近元気になったねと言ってくれます。
実験的食生活は面白いです。この冬は少し果物を食べてみたらてきめんに体型に変化が出ました。腰周りが太くなりました。穀物などの糖質の半分しか血糖を上げないと言われる果物でもこれだけ出るのだと実感できる変化でした。
シャンプー & ボディーソープ・レスももう何年しているか忘れてしまいました。ふけと仕事ができないくらい気になる痒みがあったのですがなくなりました。量が多くてコシの強い髪質なので、寝癖がつくとどうしようもなくなっていましたが、今は扱いやすくなりました。わたくしは
- 糖質制限実践者
- シャンプーレス
- ひどい手荒れ（手荒れ＆さかむけ＆皮むけ）も
はじめプロぺトを塗って治療しようとしましたが、私の場合は、プロぺトを塗ると余計に乾燥して、手荒れが悪化します。白色ワセリンで試してみたところ、少しは状態が良くなります。
- プロぺト使用→余計に乾燥、皮むけ悪化（ただし、美容のために顔面に塗る分にはプロペトでも大丈夫です）
- 白色ワセリン使用 →少し改善（手荒れの治療＆美容のための顔面塗布、ともに良好）
私の場合は、プロペトのさらさらしたものよりも、白色ワセリンのべちょっとした感じのほうが、より合うようです。
ワセリン・プロペトが合わないというのは、私だけだと思っていました。
【06:00】
- 「下肢熱傷の治療経過」を追加。たまたま上皮化してから130日後の写真が撮影できたので供覧します。
- 「ワセリンで痒み」についてのメールです。
小児科医です。ワセリンが合わなかった子は2例いました。
1例目は乳児でプロペトを塗ると赤く腫れたので、接触性皮膚炎を起こしていたのだと思います。その子はなぜか、あるメーカーのオリーブ油だと大丈夫だったので、顔にはそれを塗るようにしていました。なぜか顔以外はプロペトでも大丈夫でした。半年くらい診ていましたが、その後来なくなったので、経過はわかりません。キンダベート軟膏でも、赤く腫れてしまい、ロコイド軟膏だと大丈夫でした。ステロイドの強さに関係しているのか、やはりかぶれなのかはわかりませんでした。
もう1例はもっと大きいお子さんだったのですが、ワセリンを塗ると全身かゆがってだめでした。ヒルドイド軟膏もだめで、ヒルドイドローションにしたら、落ち着きました。私自身もそうなのですが、汗をかくと皮膚が痒くなるタイプの人が結構いるので（皮膚科の先生は軽い皮膚炎があるとそうなるとおっしゃっていました）、もしかしたら、ワセリンで汗腺の出口をふさいでしまい、汗が外に出なくて痒みが出たのかなと考えていました。顔は汗をかきやすいし、ほかの部位より感覚が強いような気がするのですが、どうなのでしょうか？38歳男性です。
冬であまり汗をかかないせいか最近は余りありませんが、風呂上りや就寝前など、顔面が上気した状態の時に痒いことがあった気がします。塗布後顔面や首筋がチクチクと痒みだし、ワセリンが鬱陶しくてたまらず掻き壊してしまったり、ふき取ってしまったりします。ワセリンがプロペトであろうと、ロコイドやリンデロン等のワセリンベースの軟膏であろうと一緒でした。
そういう場合は痒い部位のワセリンを一旦落とし、ムヒ等清涼感のある親水性クリーム（眉をひそめられそうですが）を部分的に塗布すると、なぜか掻痒感が収まります。清涼感がなくてもラナケインクリーム（これまた親水性です）も比較的痒みが鎮まりました。チクチクが収まってからムヒを洗い流し、改めてワセリンを塗っておりました。痒い個所を氷嚢で冷やしたこともありましたが、あまり効果がありません。清涼感のあるものでも、ワセリンベースのメンソレータムでは今一つでした。
私の要因も、他の投稿者にもあったワセリンによる「火照り」や「温熱じんましん」に近いかもしれません。ワセリンに限らず油性基剤は保温性とバリア力が高いのではないでしょうか。私はワセリンを塗り込んでしまう（擦り込む）方なのですが、本来は皮膚を刺激したり、みだりに充血させない方が良いのかもしれません。
私は20歳頃より顔面や頭皮など首から上部が乾燥しだし、皮膚がフケのように剥落するため、ワセリン（プロぺト）を塗っております。シャンプー＆石鹸レス、ワセリン歴5年ほどになりますが、残念ながら乾燥は収まっていません。ワセリン塗布後の痒みは、私だけの例外か塗り方が悪いのだろうと思っておりました。そのため一時ワセリンの使用をやめ、オリブ油など他の保湿剤をいろいろ試したこともありましたが、結局プロペトに戻ってきました。頭皮の痒みとフケが最大の悩みですが、頭髪がべた付かない、頭皮用の保湿剤があるとよいな、と思います。ワセリンについて。参考になればという程度の情報です。(amazonや楽天のレビューや@コスメの口コミで調べた程度の確実性のない情報です。) なんとなく調べた不確実な情報ですが、ワセリンが合わないという方は確かにいるようです。
また品種によって良かったり、ダメだったりする場合もあります(高級品、安価品関係なく）。メーカによって原料が微妙に違ったり、精製方法も微妙に違うのではないかと思います。この差異は規格内で問題のない範囲の微妙な違いで、どのメーカーも不純物は問題ないレベルで，品質管理もきちんとされていると思います。ただ、相当過敏な方は痕跡量の不純物でも反応してしまうのかもしれません。またある商品には酢酸トコフェロール(ビタミンE）とジブチルヒドロキシトルエン(BHT)が入っているのでそれに反応する場合も考えられます。
添加物がダメということではないです、あくまでも特定の物質に反応する人がいるかもしれないということです。(合成、天然にかかわらずこの問題は発生する可能性があります。)。
別なメーカーのものを使ってみるとか、プラスチベースなどを試してみるのが良いのではないかと思います。
以下はあくまでも商品によって差異があるという実例で特定の商品を中傷、宣伝するものではありません。薬局方の白色ワセリンはいろいろなメーカーがあるのですが、やわらかさや使用感の細かい差はあるようです。以下は調べた範囲で特徴が
ありそうなものをピックアップしたものです。
ヴァセリン オリジナル 酢酸トコフェロール(ビタミンE)とジブチルヒドロキシトルエン（BHT）が添加
添加物のないヴァセリンもあるようです大洋製薬 ワセリンＨＧ 酸処理を伴わない精製方法だそうです(詳細は不明) 日興リカ サンホワイトP-1 通常の白色ワセリンをさらに精製しているようです 丸石製薬 プロペト こちらも白色ワセリンをさらに精製(サンホワイトP-1よりは劣るそうです(不確定情報))
あくまでも、口コミでそのような感想があったというレベルです。
基本的にはどれも安全性には問題なくトラブルが起こる確率は小さいですし、個人差があるので自分に合ったものを使えば良いと思います。
ワセリンの精製方法は当たり前すぎるのか、なかなか見つけられませんでした。日興リカの特許に少しふれられています。 ⇒【PDFファイル】 - 「子どもと糖質制限」についてのメールです。
一般人です。
子供が糖質制限する意味について問題提起がありましたので少し考えてみました。糖質摂取によると考えられる症状が出ている場合は意味があると思います。
- 肥満
- 情緒不安定(キレやすいとか…血糖値の乱高下による)
- 機能性低血糖(糖質をとった結果反動として血糖値が下がることによる眠気とか…)
- てんかん
- アレルギー(アトピーなどは成人でも改善が報告されてましたね)
それらが無ければやらなくてもいいとは思います。
で、成長が遅くなったという件なんですが。以下のように妄想してみました。
- 糖質制限すると、蛋白質脂肪など成長に使用される栄養素を活動エネルギーへ変換しなければならず、活動エネルギーが必要であればあるほど成長に使用する分が不足する。（成長より活動の方が優先されるでしょう）
- 糖質制限するなら成長と活動を賄うにはには栄養素がまだまだ不足しているのでは…（単純に増やせるかどうかわかりませんが、糖質制限下であってもドンドン食べる量を増やせば太れますので…私は調子に乗り過ぎて太りました。（笑））
糖質を摂ると、脂肪分解系や肝臓による糖新生が即停止して解糖系に切り替わる現象が知られています。これもまた、成長にタンパク質や脂肪を回す上では有利に働くかもしれません。 - 熱傷治療などについての感想メールを頂きました。ちょっと長大ですが，紹介させて頂きます。
湿潤治療についてこんなにも多くの知識を公開していただき、とても感謝しています。- 1月2日に1歳半の次男が電熱器にポンと手を乗せてしまい、手のひらの内側の母指の下と手首にやけどを負ってしまいました。なんとなく乾かしてはいけないような気がして、冷やした後に軟膏をたっぷり塗って、ガーゼをあてていました。（亜鉛華軟膏です。いつもはプロペトを持ち歩いているのに、たまたま手元になくこれを塗ってしまいました。）。翌日1月3日はまた水泡ができはじめたところで、つぶさないようにプロペトを塗布したあと普通の絆創膏を貼っておきました。
- 1月4日夜、気がつくと水疱が破れ、創面が乾いていました。ここでようやくやけど治療についてネットで検索し、夏井先生のHPに行き着きました。
もうすでに夜11時でしたが、急に不安なり、いますぐハイドロコロイドの被覆材を買ってこなければ！と雪で路面が凍る中、深夜までやっているドラッグストアに行きました。ケアリーヴの「治す力」という商品を薦められ、購入し、その日の夜から素人ながら湿潤治療を開始しました。 - 翌日（1月5日）、剥がしてみると、できはじめていたかさぶたがドロドロに溶けて、創面に付着していました。流水で優しく洗うとスルっと落ちました。少し水泡膜が残っていたので、滅菌したハサミで除去しまたケアリーヴで覆いました。
- 1月6日、剥がしてみると、黄色くてかなり厚みのあるべろべろしたもので創面全体が覆われていました。見た目に治ってきているというよりは、感染しているようにも見えたので、またべろべろしたものを流水で流しながら指でそうっと除去しました。
- 1月7日からはひたすら被覆。同じものをずっと貼り続けてもよかったのですが、お風呂に入ったりするとはがれ易くなるため、長くても2日で交換、というように続けていきました。
- 保育園が始まり、園の先生には「傷を乾燥させたくないので、はがれたら交換をお願いします」と伝えました。数日後、先生が「剥がれた絆創膏を交換するときに傷をみたんですが、まだすごいジュクジュクなんですけど・・・。」とあまりに不安げにおっしゃるので、「ちゃんと医師から指導されているので大丈夫です。」と言い切りました。（嘘ですが・・・）
- 保育園との連絡につかっている帳面を参照すると、1月21日にはだいぶ上皮化が進んだようで、ケアリーヴのサイズが小さくなりました。
- というわけで2月を待たないですっかり治ってしましました。ケロイドなし！まだ赤みはありますが、一時よりも目立たなくなりました。周りの皮膚との境界もなく本当ににフラットになっています。驚きです！
うちの母は幼少時に両方の大腿に熱湯がかかり、ひどいケロイドが残っています。
私は8年ほど前にアキレス腱を断裂した時の手術後がひどいケロイドになっています。女性にとって傷跡というのはかなり精神的なダメージが大きいです。（メッシュ植皮の話も心が痛みました。わたしも15センチの大きな傷が残っているので。）
もっともっと湿潤治療が広まったらいいな、と思います。
標準治療って何なんのだろう？と思います。
息子は2人とも乳幼児期からアトピーでした。長男のときにとにかく治したい一心で近所の皮膚科を受診したのですが、息子のアトピーになっている皮膚を一瞥もせずに「はい、じゃああっちで薬塗ってもらってね。」と看護師にステロイドを塗布するよう指示する医師に「見もしないの？」と心底ガッカリしました。
その後信頼できる医師に出会い、特にステロイド剤などを使用せずに皮膚をよい状態にまでもっていくことができました。（まだまだ2人とも乾燥肌ですが・・・。もちろん、石鹸、シャンプーは使いません!皮脂を落とすのがもったいないので。）
次男については長男でしっかり臨床しているので、皮膚トラブルにもあわてずに自分で対処できました。（主治医に見せるのは皮膚に感染がおこっているかもしれない時だけでした。）
夏井先生のHPを読んでないところはない、というくらいに熟読しました。そのおかげで病院にかからないで息子の火傷を治療することができました。本当にありがとうございました。
沢山のお母さんにこのHPを紹介したいと思います。毎日こどもに接して、よく観察しているお母さんたちは、小さな火傷や外傷なら自らが主治医になれると思います。（もちろん動物咬傷や、重度の創傷は別ですが。）
【14:00】
- 下記の「ワセリンで痒み」についてのメールです。まさに 「三人寄れば文殊の知恵」 ですね。
皮膚科医です。
当院で処方しているのはプロペトですが、ごくたまに赤くなったり痒くなられる方があります。
その場合、アズノール軟膏に変更することでたいていは代用できています。
しかし1例だけプロペトもアズノールも顔が受け付けなかった患者さんも経験しています。女性医師です。
私もまぶたにワセリンを塗ったときだけかゆくなります。頬部はかゆくなりません。
原因について自分なりに考察しました。サーモグラフィーをgoogle検索すると人間の顔面、特に眼球付近は温度が高いのがわかります。私は湯上りに胸部にポツポツとしたじんましんが一時的にでる、いわゆる温熱じんましんがあります。
ワセリンは保温効果がありますから、体温が高めの方であればまぶたにワセリンを塗っているとお風呂上りくらいの温度になるのかもしれません。顔面にかゆみの出やすい方に一度温熱じんましんの既往について確認してみたらいかがでしょうか？
逆に、「ワセリン・保温効果」で検索してみるとマラソンランナー、野外ライブ愛好者の方などが、手足に塗るなど、保温目的で使用されていることもあるようです。愛読者です。
先生のサイトを見るようになってから，もう3年ほど化粧もスキンケアもせず，冬のみワセリンをちょっとつけるという生活です。化粧・スキンケアをやめたことで，乾燥はなくなりお肌絶好調です。
しかし，最初の頃に一度だけ，ワセリンをつけて顔が真っ赤に腫れ，かゆみが出たことがあります。それは，不潔な手にワセリンを広げて顔につけたときでした。
私の場合はこうでした。部屋の掃除をして，ダニがうようよいるであろう絨毯にさわったり，カーテンにさわったりしたあと，手を洗わずにおりました。後に手を洗っていないこともすっかり忘れて，顔にワセリンをつけようと，ほんの少量を手のひらに取り，両手をすり合わせてワセリンを広げ，それを顔中にぺたりぺたりと付けたのです。その直後，顔中がかゆくなり，あわてて鏡をみると真っ赤に腫れていました。すぐに顔を洗ったところ，かゆみも赤みもほどなく引いて大事には至りませんでした。それ以来，顔にワセリンをつけるときには，必ず洗顔後，手も清潔な状態でというのを守っております。
ちなみに私はもともとアレルギー持ちです。なので参考になるかどうかわかりませんが，アレルゲン物質が手のひらに付着した状態でワセリンを顔に密着させると確実に顔がかゆくなると考えられるのではないかと思いました。私も美肌のためや、手あれ、アトピーの方にワセリンを勧めてみるのですが、中には肌に合わないという方がいました。
１例は、たまに、夜中に無意識に腕などを掻いてしまう方で、ワセリンを試したら余計掻いてしまったという方。その方は身体が温まると痒みを感じるらしく、ワセリンを塗る事で汗の蒸散が抑えられその部分が「火照った」ように感じて悪化してしまったようです。その方自身の経験上、タイガーバームやメンソレータムが意外と効くという事からも、温かさを解消するため、試しにワセリンに極少量のメントールの結晶を溶かした物を作って試してみてもらったら、「悪くはない」、との事でした。ただ、メントールだけだとあまり臭いがよろしくないのであくまで実験だけでしたが。
もう１例は顔に塗ると不快感がものすごくて嫌だという方。
夏井先生が手荒れに対するワセリンの塗り方で推薦しているたっぷり塗ってからゴシゴシ拭き取るという方法は、顔の場合、あまり擦りたくないので、どうしてもベタつき勝ちになるようです。その方は最初、日本薬局方白色ワセリンを使っていたのですが、サンホワイトＰ－1を試してもらったところ、伸びがよく、ベタつきもあまり気にならなくて愛用しているようです。
メールの方は、もしかすると花粉やハウスダストなどに敏感な方なのではないでしょうか？ワセリンをベタベタ状態にしておくとアレルゲン物質を吸着しまくって痒みを生じる可能性もあるのではないでしょうか？
その場合の対策は、べたつかない塗り方を工夫したりワセリンを変えてみたりすると良いのではないかと思います。以前知恵袋の質問で、火傷の治療中は白色ワセリンとラップを使用して問題なく治癒されたのに、上皮化後も同じワセリンを塗り続けたら酷い皮膚炎を起された方が見えました。
回答後のコメントでは、ワセリンをやめたら治るのに、再び塗ったらまた皮膚炎を起こしたので、薬剤師さんに相談したところ、白色ワセリンより精度の高いワセリンを教えてもらってそれを塗った結果、かぶれも出ず、順調に赤みが引いた様です。
多分、先に塗っていたのは日本薬局方の白色ワセリンで、後から購入したのは白色ワセリンをさらに精製して不純物を遥かに少なくしたプロペトではないかと思います。
私もいつもプロペトを使用していますが、白色ワセリンに比べて透明度・柔らかさが全く別物の様に違うので一度試してみるのも良いのではないかと思います。
【11:00】
- ワセリンについてこんなメールをいただきました。どういうことなんでしょうか。
元助産師のパート看護師です。あちこちで先生の本とともに湿潤治療を勧めているのですが，ワセリンでかゆみが出るという40代の女性がいます。以下、彼女からのメールです。私はこういう経験はありません。どなたか，このような経験をお持ちですか？
ワセリン…
なんだか恐縮で何ですが，本当にあれだけは肌(顔)に合わないようです。
お借りした本を読んでからワセリンを常備し、傷などにはつけておりますが…
だいたい顔には、化粧はめんどくさいし目に染みて涙がでるのでやりません。でも日焼けは避けたくて、日焼け止めをぬったり、ＵＶ効果のある化粧水や乳液や化粧下地など、安いものを使います。悪そうなものが入っていそうでもあまり気にせず使ったりします。
で、ワセリンは悪いものはないと思って、保湿にいいかなとつけてみたのです。それから顔が痒くて痒くて仕事中も気になって仕方ないほどに痒くなって。
最初は何か食べ物かな？と思いましたが、特に変わったものを食べてはいなかったし、まさかワセリンが原因とは思い付かずにいました。けれどやっぱり変わったものと言えばそれしかなくて、止めてみたら痒みがなくなり、またつけると痒くなったので、やっぱりそれだと思いました。
調べてみると、ワセリンが駄目だという人はたくさんおられるようで、私だけじゃないんだなと思いましたが、他の方はワセリン以外のものも駄目なようで、ワセリンだけ合わないのは私だけかも知れません。
それ以来つけるのは止めました。ワセリンで痒いと思うのは顔だけですね。駄目だという方はネットで見ました。ワセリンは日本薬局方白色ワセリンです。こういうメールでした。顔だけはだめで傷に少量塗るのは平気というのはどういう状況なのか私には理解できません。
ほかにもこういう方がいらっしゃるのでしょうか
その機序はどうなっているのか興味があります。大変申し訳ありませんが、説明いただけると助かります。
【08:30】
- 今日は夕方まで外来診療をして，終わり次第，品川駅に向かって午後5時半の新幹線に飛び乗って三島に向かい，医師会で講演。講演終了後の懇親会に参加して，午後9時半頃に三島駅発の新幹線に飛び乗って東京に戻る予定です。自宅到着は多分11時半頃。しかも，外来患者は予定に入っているだけで40名。この分だと50人超えちゃうかな？ 新幹線に間に合うかちょっと心配です。
今日もちょっぴりハードな一日になりそうです。
【06:00】
- 鳥谷部先生が考案されたOpWT（穴あきポリ袋＋紙おむつ）は実に素晴らしい褥瘡治療法ですが，唯一の難点は穴あきポリ袋がちょっと入手しにくいことです。それを解決するために，さくらいクリニックの桜井孝先生が「メッシュラップを使った被覆材料」を考案なさっておられます（ちなみに桜井先生は 『大往生なんか、せんでもええやん!
』 の著者です）。
それに対し，当科外来通院中の 「広範囲Ⅲ度熱傷＠F君」 がさまざまなメッシュラップ製品を購入して，使い方のコツをまとめてくれました。彼はもともと化学専攻というだけあって，実に見事なレポートになっています。 - 「面白そうだけどまだ購入していない本」がどんどん増えるばかりです。
- 外科の先生からの「糖質制限1周年」というメールをいただきました。
私が糖質制限を開始して、本日で一年が経過致しました。先生のサイトで糖質制限を知ることができ、又実際に減量に成功できたことを大変幸せに感じております。
糖質制限一年経過した時点での、私の実体験等を簡単に報告させていただきます。一人でも多くの方に糖質制限を実践していただけると幸いです。制限レベルは、現在概ねスタンダード～スーパーです。
- 体重は約17～18kg減。計測上体重はほぼ定常状態だが、体のラインはさらに細くなっている。白衣はLLからSサイズになった。
- 体力、気力が明らかにアップ。朝早起きになり、率先して家事の手伝いをするようになった。ただ夜21時すぎには眠気が襲ってしまう。
- 私は外科医であるが、術中の判断や、手先の動きが早く正確になったと思う。手術中ばてることは絶対にない。
- 極端な冷え性になった。ただし、夏は比較的過ごしやすかった。
- 肌がきれいになり、見た目若返ったと患者様から指摘されるようになった。
- 飲み過ぎた次の日、体のむくみやきつさが以前より少なくなった。
- 炭水化物が欲しくなることはない、逆に拒否する。たまに甘いものが欲しくなる（たまにつまみますが・・・）。
- 便秘になり、放屁が多くなった（臭いはやや強い）。
又何かありましたら、ご報告致します。 - 「子どもと糖質制限」についてのメールです。
子供どころか乳児ですが、うちの娘(間もなく1歳)の様子をお知らせします。うちの娘ですが、今のところ1日680mlのフォローアップミルクと蒸した鮭+豆腐、つぶした野菜、無糖ヨーグルトと低塩 orクリームチーズ、果実(ミカン類数房もしくはリンゴ1/8程度)を毎日食べています。
時たまご飯や芋類などを与えることがありますが、そのときはその後の眠気が来るのが早くなる気がします。あと、うんちの匂いがてきめんに変わります。ご飯や芋類を摂ったときの方がいわゆる糞臭が強くなりますね。
少しでも元気に遊べる時間が長くなる方がいいと思っているので，なるべく炭水化物少なめの離乳食で今のところ過ごしています。今のところ少し小さめですが、とても元気に機嫌良く過ごせているので，まぁこれでいいかと思って、お気楽育児な毎日です。
体操選手のお話が出ていますが、あれは練習の特性上低身長になるのではないでしょうか。自分でもやっていたのでわかりますが、体操競技の練習では身体の縦方向に大きな衝撃が短時間で繰り返しかかります。このような環境では身長が伸びる方向の成長が妨げられるとどこかで読んだことがあります。
金メダリストの内村選手はブラックサンダー(糖質の塊！)好きで知られていますし，体操選手の低身長については糖質制限とはほとんど関係ないと思います。 - 「熱傷治療の医者の説明がおかしい」というメールです。
高齢者福祉の仕事をしています。
私の知っている高齢女性がお茶をこぼし、５㎝大の水泡ができました。家族と総合病院の皮膚科を受診したところ、
（針のようなもので）触っても痛がらないので深いやけどかもしれない
早く治したかったら皮膚移植という方法もある
（軟膏たっぷりにガーゼで）傷をぬらさないようと医師から説明を受けました。
翌日傷を見せてもらったのですが、先生の治療例に載せるほどでもない軽いやけどでした。（医師でないものが診断してはいけませんが）
この程度のやけどで、深いやけどかもしれないとか植皮とかの話をするとは、ブログでは見ていましたが本当の話だったのですね。
家族は先生（医師）の言うことだから（治療方法を）その通りにしてみると言います。
仕事をしている立場上、資格のない者が医療的な意見を言うのはとても難しいのです。「自分だったらこうする」とか「植皮になるようなら他の意見も聞いて良く検討してから」くらいしか言えません。
結局、軽いやけどで（湿潤療法でなくても）２週間ほどで順調に治りました。軟膏がゲーベンクリームではなく、本人も痛がらなかったのが幸いです。（家族を心配させ、２週間はお風呂に入れないということはありましたが） - ミックスナッツ（ただしジャイアントコーンを含まないやつね）は糖質セイゲニスト御用達の食品ですが，最近私がはまっているのがコストコのミックスナッツです。 カシューナッツ，アーモンド，マカデミアナッツという不動の御三家に加え，ペカンナッツとブラジルナッツというちょっと珍しいナッツ2種類が入っていて，いずれも脂肪分が多いナッツのようで味がいいです。おまけにお値段は1kg超で2000円以下とお得です（ちなみにセブン-イレブンのミックスナッツは110gで298円だったかな？ ）。無塩でないとちょっと・・・という潔癖症の人以外にはオススメかも。
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個人的にはタブレットは7インチがベストだと思っています。8インチにするなら，左右のベゼルをもうちょっと狭くしないと駄目でしょう。また，下のベゼルはホームボタンがあるのでこれ以上小さくできないと想いますが，上部のベゼルはもっと小さくできます。カメラの位置を右上隅にするだけで上部ベゼルが狭くできるはずです。あるいは，8インチ液晶を二つ折りにしちゃうとか。 - 【「こんなキラキラネームはいやだ！」 子供による「改名」が認められる条件は？】
親は自己陶酔で素敵な名前と思っているようだけど，これだけ読めないと子供は迷惑だろうなぁ，というキラキラネームですが，外来をしていると毎日数人は出くわすようになりました。電子カルテで患者を検索する場合，「名前をヨミで検索」はありますが「漢字で検索」はないので，「患者の名前の漢字はわかるんだけど，ヨミがわからないので検索できない」という事態が起きています。
そういうわけで，「誕生時に親がつけた名前は幼名，成人（あるいは昔で言う元服にあたる14歳頃）の後に自分で名前を決める」というシステムにしてもいいような気がします。
2013/02/23 ・・・[09:30]
【09:30】
- 下記のような悲惨な相談メールをいただきました。
20代の女性です。こういうメールを頂くのが一番辛いです。こう答えるしかないからです。
数カ月前に背中から足首まで火傷をしてしまい，家族も医者も湿潤治療への理解が無く、先生からは感染で死ぬかもと言われ、メッシュ植皮をしてしまいました。
それから１ヶ月で傷口がまだ塞がらないところもあり、ふさがっているところもとても治っているとは思えない状態です。傷を見て泣いてしまう日が続いています。
やっぱりメッシュ植皮の部分はもう治らないんでしょうか？
女性の体に網状植皮（メッシュ植皮）をするのは犯罪行為です。一生治らない傷跡を残し，しかも20年経っても30年経ってもうろこ状のままだからです。
このような悲劇をなくすには，皮膚移植術を受けた患者さんの不満，悲しみ，怒りの声を集め，それを皮膚移植バカ医者どもに突きつけ，バカ医者どもが皮膚移植できない状況を作るしかありません。東京新聞の記者も熱傷治療や皮膚移植の問題を継続的に取り上げたいとのことです。
そのためにはまず，皮膚移植を受けてしまった患者さんや家族の方からのナマの声をお寄せいただけないでしょうか。「きれいに治ると医者に言われて手術に同意させられた」，「ろくな説明もなしに手術になった」，「皮膚移植以外に治療法がないと説明を受けた」など，何でも結構です。よろしくお願いいたします。 - 皮膚移植についてのメールです。
最近の記事を見ていると、うそつき皮膚科も出て来ましたね。ここまでくるとかなりパラダイムシフトが近いと思います。
さらに、皮膚移植されたあとに、新しい湿潤療法を見た患者さんは、かなり医療訴訟に傾くでしょう。ここで一発訴訟が出て、（正しい方に）判決が下れば、一気に爆発するのではないかと思っています。（サッカーチームメイトの医者は、医療訴訟の話ばかりして怯えています） - 先日の大阪での講演を聞かれた神戸逓信病院 外科の安藤先生からのメールです。以前から熱心に湿潤治療に取り組んでおられる外科の先生です。
先生のところでの研修によって得た貴重な体験やHP等でのご指導のもと、病院内の教育環境作りに着手し、その機運を少しずつもりあげていきました。
お陰様で最近は、ネット検索により、大学病院その他の大病院の皮膚科や形成外科から逃げてくる患者様が多くなりました。患者様やその家族が、痛みを伴わない湿潤療法を理解してくださり、互いのコミュニケーションが良く取れた信頼関係の上に成り立つ理想的な診療、まさに医師冥利に尽きる次第です。
今週末には「当科における湿潤療法に基づく熱傷治療」と題して、近くの医師会で発表する予定です。先日の東京新聞による「広がるやけど湿潤療法・・・」の記事は、非常にタイムリーの様な気がします。 - 「子どもと糖質制限」についてのメールです。
子どもに糖質背期限をさせることのメリットってあるのでしょうか。
得た知識で糖質制限をやっている身で言えることだけですが、子どもは、解糖系で生きているのですよね。子どものエネルギー源の主体は糖分。本能的に、遊具 おにごっこ ドッジボールなどで元気よく遊ぶのが楽しいし、それが子どもの仕事。
そんな子どもらにエネルギー源である糖質をセーブさせるのはよくないんじゃないですが。ただでさえ代謝高いのだし。もちろん糖質摂量も程度問題ですが。
子どもは小さな大人じゃない っていいますよね。子どもは、身体をつくってゆくためにたんぱく質がたくさん必要だし、活動のエネルギーにするために糖質もたくさん必要じゃないのでしょうか。
身長というより、大人（親）が子どもに糖質制限させるメリットってなんなのかなあ？ というのが、素朴な疑問なんですが。
【08:30】
- ただいま，新大阪を出たばかりの新幹線の車中で更新しています。昨夜，ホテルに戻ったのが午後11時過ぎです。今日はちょっぴり寝坊をして朝5時半起きです。我ながらタフです。
- 「子どもと糖質制限」の質問をされた方からの補足情報です。
書き忘れていたというか、私は小学校で養護教諭をしております。
養護教諭の方がメールをくださった、成長曲線については、次男は生れた時から＋２ＳＤのラインを上回っていましたので、私も気にしておりましたが、成長には個人差があるのもなので、他と比べてどうかではなく、個人での成長を見た場合にどうかという点で、次男の成長を気にしておりました。
その点でみれば、昨年４月から１１月終わりまでの身長の伸びは、６ミリほどで、５歳児の身長測定時の誤差範囲くらいの伸びしかありません。成長率からみれば横ばいです。ただ、成長曲線だけをみれば平均になったという感じです。
伊藤先生の雑感にありました、寝る子は育つに関しては、糖質制限前、後と変わりなく夜８：３０～朝６：３０まで健やかに寝ております。寝起きは、多分、前から普通の子よりもとびぬけてよいです。なぜなら、朝ご飯を早く食べたいから・・・・なんです・・・。ですので変わりありません。
伊藤先生の資料１にあったケトン食の低身長という副作用かもしれません・・・。
でも、次男はどちらかというと、最後に書かれていた、農耕前の民族の幼児の成長曲線になったような気がします。（やさしくって力持ちで金太郎を絵にかいたような元気な男の子なので・・・。）
家で次男の食べているものといえば、本当に肉・魚・葉っぱという感じです。しかも、たくさん食べるのでおばあちゃん家でとれた野菜か、購入するにしても安い旬の野菜がほとんどです。おとなでも好き嫌いの分かれる、ネギや春菊、夏ならピーマンなどもバクバク食べます。唯一、食べたくないものが（嫌いで食べられないのではなくおいしいと思はないもの）カニカマです。それ以外のもので今まで食卓に上がって本人が食べなかったものはありません。また、食事は手作りで、家で煮るか焼くかです。
ですので今の時代の中ではかなり狩猟民族的な食生活です。もちろん生まれてこのかたＭドなるドも食べたことがありません。
私自身、将来、子どもの身長が低かろうが、高かろうが、身長で人の価値など決まらないので、どちらでも構わないのですが、健康に成長していっているのかが気になります。
今後もこの件に関してなにか情報があればお教えいただければ嬉しく思います。
また、先日、熱傷の治療で患者が訴えたら・・・・とありましたが、教育現場の湿潤療法でも同じ思いです。私の勤める県の教育委員会では湿潤療法を○とはしておらず、消毒＋ガーゼです。湿潤療法をよい処置方法と知りつつも、現場では使えません。ですので、保護者が教育委員会に「子どもに一生傷を負わす気か！」と消毒＋ガーゼ処置を批判してくれたらいいのになあ・・・。といつも思います。 - 糖質制限小説『甘い罠』についての感想文です。
こちらで紹介されていた、「甘い罠」という糖質制限の小説を読みました。
まず、思ったのは「糖質制限を知らない人が読んでも、あまり意味が分からないだろうなぁ」と思いました。「そこそこ理解できる自分はマニアだなぁ」と少し嬉しくなりました。
実は、自分でも糖質制限をテーマにした物語があったら面白いだろうと思っていたので期待して直ぐに購入したのですが、正直、ストーリーは物足りないというか・・・。タイトルは良いと感したのですが、なんと言いますか・・・。
思うに、悪者が1人も出てこないというストーリー自体ダメなんじゃないかと思いました。
例えば、正義の糖尿病専門医を主人公にして、悪の学会と対決するというストーリーにすれば面白いと思うのですがどうでしょうかねぇ？ ドラマとかになれば一般の視聴者への影響は大きいと思うんですけと・・・。
例えば夏井先生のご本にもありましたゼンメルワイス医師の話ですが、あれをドラマとかアニメにしたら絶対ヒットすると思うのですが・・・。どうでしょう？ 絶対欠かせないのは悪役ですね。あくまでも物語ということで現実より悪めに書いて頂くと効果的かとおもいます。 - 「うつ病・不眠症」についてのメールです。
30代神経内科医です．
昨日のうつ病，不眠症についてのメール，興味深く拝見しました．「皮膚移植を勧める皮膚科医」と「向精神薬を勧める精神科医」，本当に構図が似ていますよね．
私自身，糖質制限がうつ病に効くという事を実体験として知っているので，うつ病，あるいはうつ病のような状態に対しては精神科へ行って向精神薬を処方される前に糖質制限を試すべきだと強く思います．
向精神薬について勉強すればするほどそのうさんくささがわかってきます．そのことは『精神科は今日も、やりたい放題』『大笑い! 精神医学
』という本に詳しく書かれていました．
向精神薬の代表格である抗うつ薬の多くはセロトニン再取り込み阻害薬というセロトニン濃度を高める薬ですが，この正当性は「モノアミン仮説」に基づいているとされています．「モノアミン仮説」とは，脳内の神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンといったモノアミンの働きが精神症状と関係しているという考えで，セロトニンが減少するとうつ状態になるとか，ドーパミンが増えると統合失調症になるなどとされています．
しかしこの「モノアミン仮説」，上記の本によるとその正当性は実は証明されていません．証明されていないのに仮説のまま抗うつ薬がどんどん処方されていきます．また抗うつ薬の作用機序は麻薬と同じです．そして麻薬と同様に抗うつ薬には依存性があります．抗うつ薬が効くように見えるのは麻薬のように一時的に特殊な精神状態を作り出しているに過ぎないのです．そして依存性があるために薬をやめると調子を悪くします．無理に薬をやめようとすると断薬症候群にさいなまれます．私自身抗うつ薬を飲んだ経験があるのでわかりますが，抗うつ薬を飲んでも決して気分は晴れず，どちらかと言えば無感情に近くなります．（一方糖質制限は感情の起伏がよみがえってきます．）
このように向精神薬は詐欺のような薬ですが，困ったことに当の精神科医がその事に気づいていないのか，もしくは気づいていても認めようとしないのか，どんどん精神科医によって向精神薬は処方されていきます．「皮膚科医だから外用剤で治療する」という勝手な縛りと同様に，「精神科医だから向精神薬で治療する」ということしかできない精神科医がほとんどだと思います．私は向精神薬を出さずに食事療法や精神療法など薬以外の手段だけで問題を解決しようとしている精神科医を周りに知りません．勿論，どうしても向精神薬が必要となる場面はあるにはあると思いますが，現実はそうでないのに向精神薬が出されている場合が圧倒的大多数です．先日も「不安障害」の診断で向精神薬を3剤内服されている患者さんが嚥下機能低下をきたし誤嚥性肺炎を起こしたために当科で入院加療したということがありました．私はその精神科医に少しは向精神薬を減らしてくれないかと頼みましたが，「急に減らすと悪くなる」「このくらいの薬でそんなことを起こす可能性は低い」と取り合ってくれませんでした．
さらに言えば神経内科と精神科は本来同じ脳領域を扱う親和性の高い分野と思われるのですが，精神科医で神経学的所見を取る人も見たことがありません．医師のカルテ記載の基本に「SOAP」と呼ばれる方式があります．患者さんから話を聞いて，主観的な訴えや症状を「S（Subject：主観的データ）」，診察して得られた客観的な所見や検査結果などを「O（Object：客観的データ）」，そうして得られた情報から考えた診断や考えられる問題点を「A（Assessment：評価）」，最後に今後どうしていくか，どのように治療するかを「P（Plan：計画）」として記載します．
ところが，精神科医の記載は「S」「A」「P」のみである事がほとんどで，客観的な「O」が欠如しています．これはつまり「S」だけで，あとは精神科医にしかわからない達人技？で「A」「P」を導いてしまっているわけです．これは信用できません．
例えば，レヴィ小体型認知症という病気があります．これは動作緩慢，筋肉のこわばり，手のふるえなどパーキンソン症状を呈して，かつ変動性のある認知症状を呈することが特徴の病気です．パーキンソン症状は診察をすることで初めて確認ができますので，これを無視してレヴィ小体型認知症をみてしまうと，一見感情の起伏の激しい人と見られてしまいます．こうなると達人技？で統合失調症と診断されたり，人格障害と診断されたり，はたまた不安障害と診断されてしまうかもしれません．そんなわけで私は少なくとも神経学的所見をとらず話だけ聞いて診断を下す精神科医を信用していません．
そしてもう一つ困ったことは，メールにも紹介されていたように精神科に行く患者さんのほとんどが精神科医のことを盲信しているということです．それはほとんど無条件で信用しているといっても過言ではありません．この辺は糖尿病専門医にかかれば糖尿病を治してもらえると信じ込んでいる患者さん達と同じ構図です．この状況から抜け出すには「医師が賢くなる」か，あるいは「患者が賢くなる」かありませんが，残念ながら多くの医師は「イシ頭」ですので，我々のようにこのトリックに気づいた人間が「患者さんが賢くなるように知識を普及する」というのが最も良い方法なのではないかと思います．
知人の女性が，この3年の間に向精神薬に5剤ほど内服するほど心療内科に通いつめていたということがありました．そして彼女につけられた病名は「抑うつ状態」でした．そんな曖昧な病名で多数の向精神薬を出され，その時点でその心療内科は信用できないと感じた私は，彼女に精神医学の闇とトリックをこと細かく説明しましたが，残念なことに彼女は「それでも何もできなかった私を救ってくれたのはあの（心療内科の）先生だ」と感謝の気持ちを現してしまっていました．実際，精神科，心療内科をめぐってはそのような医師-患者関係が残念ながらほとんどなのであろうと想像します．
それでも私は減薬・断薬を強く勧め続けて，ついに先日彼女は断薬することに成功しました．かなりハイペースで断薬に至ったので離脱症状が出ないように今後も私がフォローしてあげないといけませんが．ちなみに断薬に際して私が彼女に糖質制限を勧めたというのは言うまでもありません．
創傷治療，熱傷治療，褥瘡治療，糖尿病治療，そして精神医療と医学界には根深い闇が横たわっているということを痛感する次第です．今後も正しい知識を周りに地道に普及していく心づもりです． - 先日の東京新聞／中日新聞の記事についてのメールです。
先日の東京新聞の記事見ました。素晴しい記事でしたね。記者の方が反論を考慮に入れて記事を書いているというのもいいですね。熱傷学会の医師が「娘には皮膚移植はさせない！」っていう発言を載せたのはインパクトあると思います。
いずれ湿潤療法が標準治療になった時に、今まで反対していた人が最新の治療ですなんてことをドヤ顔で言いそうな気もするのでお馬鹿記事はアーカイブしておいた方がよさそうですね。
ネットや知恵袋などで湿潤療法関係の記事を見ているのですが、つい最近、若い女性がメッシュ移植されて傷あとに愕然とされ悩まれている書き込みを目にしました、新聞記事がもっと早く出ていてそれを見ていたら回避出来ていたのかなと思いました。これから恋愛してという年頃でもありショックは相当なものなのだろうと思うとすごく悲しいです。
皮膚移植した医師はきっときれいに治りましたねといっているんでしょうね。傷が少なくて済む治療があってしかも簡単にできる治療がそこにあるのになぜやらないのか？ 不思議でなりません。暴言ですが、知っていて看過するのはもはや医師失格じゃないかとまで思います。
皮膚移植を勧める口実として皮膚移植しないと癌になる(有棘細胞癌)ということを言われることがあるみたいです。治さずに放置して、難治性潰瘍にするとか、きちんと治さないと癌のリスクはあると思うのですが、湿潤療法ならきちんと治すから少なくとも皮膚移植と同程度のリスクだとは思っているのですが実際はどうなんでしょうか。
ゆでたまご嶋田先生は退院されたようですがまだ痛みは続いていて完治に六ヶ月かかるそうです。3時間にわたる大手術を受けたそうで、どんな治療をしたらこんなことになるのだろうと正直思いました。
小林製薬といえば極悪商品の傷ドライはまだ薬局で見かけます。同社の製品でアッチQQというのを見かけました。これはどうなんでしょうかね。
いまだに火傷にはアロエという迷信がはびこっているのですが、どうやらアロエの葉肉を貼り付けるようで、アロエがカピカピになるまでの間、一時的に湿潤になっていて運よく乾かさずに治せたという偶発的なことからいまだに広がっているのかなと思いました。(被覆材で覆えばいいだけのことですが)
【06:00】
- エイリアンが乗り移った教師に少年少女たちが立ち向かうという設定のデンマーク映画，《パラサイトX》を紹介。小粒ながら結構面白かったです。
- 「子どもと糖質制限」についてのメールです。
小さいうちから強力に糖質制限すると、最終身長が低くなるのではないかという懸念を、私自身持っていました。m3に江別先生が登場したとき、その質問をぶつけてみたのですが、｢大丈夫です。狩猟採集時代の日本人も、イヌイットも、こどもは糖質制限食で育てられ、成長したわけですから。｣という趣旨のお答えを頂いたように覚えています。ただ、糖質食に比べて最終身長が低くならないかという不安に対するお答えにはなっていないと思います。
現実を見てみると、今の祖父母世代、親世代、こども世代と比べると、平均身長はどんどん伸びていると思います。これが、栄養全般の改善によるのか、糖質摂取の増加によるのか、どうなのでしょうか。
また、体が小さい方が有利なスポーツを小さい頃からやっているこども、とくに女子の体操選手で目立ちますが、驚くほど小さいと思うことありませんか。もしかしてですが、糖質制限食を小さいときから続けていないでしょうか。
さらに、身長を伸ばすのに必要なのは、あくまでたんぱく質なはずです。しかし、厳密な糖質制限を行うと、糖新生にアミノ酸が使用されてしまい、成長にまわせるアミノ酸が減ってしまわないでしょか。逆に、糖質食を食べて寝ると、就寝中の低血糖を防ぐため、成長ホルモンの分泌が良くなり、｢寝る子は育つ｣ならず｢糖質食べて寝る子は育つ｣状態になっているのではないでしょうか。実際、成長ホルモン分泌刺激試験にインスリン負荷試験というものがあり、最も強力な分泌刺激になります。
わたし自身、糖質制限をしていて、その効果を実感していますが、以上の不安が解決されないうちは、身長増加が止まるまでは、こどもに糖質制限を勧めにくいと感じています。肥満度50%を超えるような病的肥満は、その限りではないでしょうが。
糖質制限食を広めていくにあたって、このあたりの問題がひとつのネックになりそうに思います。知識ある方のご意見を是非伺いたいと思います。 - 糖質制限関連の話題についてのメールです。
日経ビジネスオンラインに【世界最強の食材「唐揚」】という記事があり、コンビニでの唐揚の売上げが2010年から2012にかけて年率10～15％増のペースで拡大したと見られるとのことでした。
糖質制限を始めてから一年以上たちますが、わたしがコンビニで買うのは、おにぎりではなく「唐揚」や「ナッツ」「チーズ」です。糖質セイゲニストが増えてコンビニの唐揚の売上が増えたのかもしれませんね。
ツーリング時にコンビニで休憩したときなど唐揚やフライドチキンを食べていると、「太るんじゃない？」などと、おにぎりを食べている仲間に不思議がられますので待ってましたとばかりに糖質制限を力説するのですが「やってみよう」という人はあまりいないのが残念です。
【13:00】
- 本日紹介した「子どもと糖質制限」について，きよすクリニックの伊藤先生からのメール，そして養護教諭からのメールです。
てんかんの食事療法、ケトン食については、低身長などがあるとの記載があります。 ⇒【資料】
あとは、雑感ですが、参考までに。
※寝る子は育つ ＞＞＞ 睡眠により、成長ホルモンが分泌されます。 ⇒【資料1】，【資料2】
糖質制限食にて覚醒している時間が長くなった。すなわち睡眠時間が減った。
※成長ホルモン分泌刺激試験に使用する薬剤
糖質摂取によるインスリンによる成長ホルモン分泌刺激、こちらのほうがより考えられます。
幼児の成長に炭水化物が必要なのかどうかは私にはわかりませんが、もともとの人間の身長は、糖質を多く摂取するようになる以前（稲作前）の高さが本来の高さで、現在の身長が高すぎるのかもしれない、とも思いました。養護教諭です。今朝の身長が伸びないお子さんの話ですが、まずは「成長曲線(ネットで検索すると、グラフが手に入ります。）」を書いてみてください
４才で１１０センチというのは標準偏差＋２ＳDを超えているので、かなり大きいお子さんだと思います。
今までの成長がこの曲線の一番上のラインを少し超えたところにそっていれば、確かに成長の伸びが良くないので気になりますね
ただ子どもの成長はデリケートで、環境のストレスや家庭環境のストレスなどでも、伸びない時期があるのは、高校生の成長曲線を見ているとよくあります(ただし小学校からのものだけですが）
全くそういう心当たりがないとすると、糖質制限の可能性や、たまたま他の病気の可能性も考えられますが、とりあえずはぜひ成長曲線を書いてみるとよいかなと思います。
【09:30】
- 下記の「キズパワーパッドの販売時期」についての情報です。
本日ホームページに載っていたキズパワーパッドの発売時期の件です。2000年頃に市販されていたのは同じハイドロコロイド剤でも「タコ・ウオノメ保護用や靴ずれ用（新鮮創用ではなくて）」で（もちろん先生のホームページの勧めを見て、新鮮創に利用したり、講義でお勧めしていたりしていましたが・・・）、それをキズパワーパッドに転用し始めたのは2004年頃（その頃自前のパワーポイントの資料にクイックヘルプとともにキズパワーパッドのビデオファイルを使い始めています）ではなかったでしょうか？というわけで，前述の記載を修正しておきます。
【08:30】
- 湿潤治療関連のメールをいただきました。
昨日の北海道新聞に「進化するばんそうこう」という記事が載っていました。アルコールが入っているものを傷に塗ったら痛いのは当たり前。そういう商品を「さかむけに有効」と宣伝するのは詐欺同然でしょう。何しろこのメーカーはあのインチキ薬品，キズドライを売っていたメーカーですからね。現在も，多数のトンデモ薬品を世の中に売り出しています。
記事では、小林製薬の液体ばんそうこう「サカムケア」と，湿潤療法タイプのばんそうこうとして「キズパワーパッド」「クイックパッド」が紹介され、西さっぽろ皮フ科・アレルギー科院長宮沢仁先生の話として
「消毒は原則不要」「消毒薬によって傷口の細胞にまでダメージを与えてしまう」と書かれていました。
病院スタッフでも「サカムケア」を使用している方もいますが，アルコールが含まれ塗ると痛い(激痛)だそうです・・・ - 糖質制限に関する質問メールです。どなたかご教示いただけませんか？
次男の糖質制限についてのメールをさせてもらいます。
私は、少々がっしりしておりまして163㎝、64㎏ありました。もう少し痩せたら動きやすくなるのにと思い、先生のＨＰに触発され、昨年の2、3月とスーパー糖質制限し、４．５㎏減となり、とても喜んでいました。なので、次男（現在5歳）がとても食べたがりでいつも「もうそのあたりでやめなさいと。」言わないとダメで、十分に食べてはいるものの気持ちが満足できていない次男がかわいそうになり、ならば糖質制限すればいいのでは・・・？と思い、朝はごくごく軽くごはんを食べさせ、おかずは卵、ウインナー、チーズ、みそ汁など。昼は普通に給食。（保育園なので糖質パラダイス）。夜はご飯粒を食べさせず、お肉や野菜はおかわり自由。として4月から過ごしました。おやつは普段からスナック菓子は食べず、私の手作りのものだけでしたが、それも私が糖質制限していたのでおから蒸しパンや、ラカントで作った生チョコ、あとは果物などです。それを1か月に1度か2度程度。
本人もよく考えて、おかずがめいいっぱい食べたいときには朝昼夜の糖質を抜き、4歳ながらスーパー糖質制限食で過ごしていました。
おかげで体重は横ばい「あんなに食べているのにホント太らないなあ・・・。」と喜んでいたのですが、ふと、11月ごろに「あれれ？？身長が全然伸びてないや！？」と気づきました。それまでは身長もぐんぐん伸びていて、4歳だった去年の4月で１１０㎝ありました。これは大きい方だと思のですが、それ以降、11月ごろまでほとんど伸びておらず、なんだか心配になってきて、12月の終わりの冬休みと1月は夜のご飯を少々解禁しました。すると、2月の身長は1センチほど伸びていました。
①たまたま伸びない時期と糖質制限がかさなった？
②幼児の成長には炭水化物が必要なのか？？
と思い、そういえば前に先生のＨＰにも幼児の炭水化物のことを投稿されているママがおられたなあ・・・と思い探してみたのですが記事が見つかりません。ただ、その時も、必要かどうかのご意見が他からたくさん出ていた感じはなく、ほかのお子さんで糖質制限された幼児の方はおられないのかなあ・・・？と思いメールをさせてもらいました。
体調はすこぶるよく、シャンプーレスもして、健康そのものの次男なんですけど・・・。よろしくご教授いただけましたら幸いです。 - うつ病，不眠症についてのメールをいただきました。
わたしは高校の養護教諭ですが、まさに「不適切な処方」によって苦しめられている生徒をたくさんみました。
先日，夏井先生が、糖質制限とアトピーについて述べられていましたが、まさに精神科治療に対してわたしが感じていることそのものでした。アトピーをうつ病等（とはっきり診断できる医者も少ないですが）と読みかえて読んでみました。
うつ病等のように病態がよくわからなくて，しかも患者が多い疾患については，生活環境とかが関与している部分が多いのでは，と推理できる。
とりあえず，要因と思われるものを一つづつ抜いていく。ここで重要なのは「抜く」こと。
「抜ける」ものから順に抜いてみる。例えば，ボディーソープ，シャンプー（うつ病状態の生徒でいえば、過剰な勉強や忙しすぎるバイト、友達関係、精神的負担になっているストレスなどでしょうか）。それでも改善しなかったら糖質を抜いてみる。 （←これは実際に使えそうですよね！）
それでかなりの患者が改善する（・・・はず）。
それでも改善しない場合は別の要因なので，あとは患者一人一人に合わせて原因と考えられるものを抜いていく。 （思春期の子供であれば、親子間のひずみ、背伸びした生き方、安定しない家庭環境、過剰な期待や勉強 大人であれば経済的な不安やリストラ、過労死するような労働環境など？）
そこまでやっても治らないうつ病に対して，初めて何かを「足して」やる。（うつ病またはうつ状態になっている人の中には、もともと他人とのコミュニケーションが苦手な生徒も多いので、スキルトレーニングやカウンセリングなど また現実に耐えがたいストレスがあるようなら、それに対する支援や援助 大人であれば経済的支援や周りからの支援）
他院から逃げてきた「治らない潰瘍」の場合も同じです。
まず最初は処方されている薬を抜き（たいていは多剤処方で、その状態が本来の精神疾患によるものなのか、副作用によるものなのかわからなくなっていることが多いです）乾燥させる（うつ病であれば、不安定な精神状態や落ち込みの）原因を抜いていきます。その上で乾燥を防ぐ手立て（うつ病であれば、経済的社会的、または精神的に支えていく）をします。これで大抵の潰瘍は治ってきます。それでも駄目な時，初めて他の原因を探り，軟膏（うつ病等であれば少量の抗精神薬や安定剤）を加えていきます。場合によっては壊疽性膿皮症（統合失調症）を疑ってステロイドを内服させたりします。
つまり，徹底的に引き算をして「何もない状態」に戻し，その上で足し算をしていくわけです。屋上屋を重ねるような治療だと奏功しません。とにかく最初に創面を「初期化」しないとダメではないかと考えています。残念ながら多剤処方を長いこと受けていると、「初期化」はできなくなるようです。
それは皮膚移植した熱傷と同じで、患者は完全に治ると信じていたのに、ありえないような形にされてしまい、しかも医者は「それで治った」とか「しょうがない」とかいうわけです。
もっというと、その状態に不服があっても、皮膚移植をもとに戻す治療法はないし、一度処方薬に依存させられてしまった人たち（違法薬物は治療プログラムがあるのに）に救いの手を差し伸べてくれる人はないという声をよく聞きます。
今の時代なら、「皮膚移植しますが」と言われて、逃げ出すという手段ができてきつつありますが、精神科の薬は「大丈夫です」「安全です」「副作用はほとんどありません」「途中でやめちゃだめです」と、医者、看護師、薬剤師、そして場合によってはわたしたち養護教諭に大合唱され、寝ている間に皮膚移植・・・じゃないですが、しまったと思った時にはすでに手遅れ・・・ということもあります。
家のことで悩み、救いを求めて精神科の門戸をたたいた生徒が、日々生気がなくなり、目がうつろになり、ろれつも回らなくなって、記憶までとんじゃう・・・
そんな姿をたくさん見てきたわたしは、今はよほどのことがないかぎり、精神科を勧めなくなりました・・・
でも「うつは心のかぜです♪」っていうキャンペーンのせいか、すっかり精神科の敷居は低くなり（しかも巷にあふれているので）、薬に解決を求めたがる生徒たちが増えてきたのが悩みの種です・・・
【07:30】
- 今日はちょっと忙しいです。昼間で外来診療をして，それから品川に向かい，新幹線で大阪へ。そして講演。翌日は朝8時の新幹線に飛び乗って11時前に東京駅到着。それから病院に向かって14：00から外来です。
【06:00】
- 昨日取り上げた「ばん皮膚科 院長ブログ」について，こんなメールをいただきました。
2/20付けの更新履歴で，恥ずかしいブログを見つけちゃいました のコーナ－?での恥ずかしポイントがよくわかりませんでした。この方のように，「あらゆるブログには本当の事実しか書かれていない」と思い込んでしまうと，この院長のインチキに気が付きません。そして，この方のようにコロリと騙されます。
ばん皮膚科さん2/19付けブログの内容からは湿潤療法に賛成であるが，皮膚科医全員が無知であるかのごとく記載された記事内容を問題にされた感じを受けました。(受け止め方は人それぞれですが)
こで少し興味が沸き，過去のブロクを見ると2012年6月10日の内容として奥様の包丁傷を湿潤療法で治癒させたとのことです。この先生はまっとうな湿潤療法使いの医師でしょうか，それともやっちゃった医師でしょうか。私には判断がつきかねます。仮にまっとうな湿潤療法使いの可能性が多少なりとも有ると思われた場合は，その旨を更新していただくと羽島地域の湿潤療法普及につながるかも知れません。
まず，この院長先生様の文章をそのままここにコピペします。どこに嘘が書かれているかわかりますか？
院長です。今日の中日新聞にやけどの湿潤療法の記事が載っていました。ひどい内容です。皮膚科医，形成外科医は湿潤療法を使えないかのごとき記事です。湿潤療法の概念は1962年に発表されており，1990年代には日本の皮膚科の世界では標準的な治療になっていました。数年前から，キズパワーパッドという製品が売られるようになり，一般の人にも湿潤療法は有名になりました。なんで，今日のような記事が載るのかというと，結局，新聞記者の取材不足なのです。皮膚科医には質問せずに，記事にしたのでしょうね。この院長先生の主張を要約すると，「湿潤療法は皮膚科の世界では1990年代には標準治療となっている。だから，今更新しい治療のように取り上げるのはおかしい。皮膚科の医者なら誰だってこんな治療を知っている」となります。これが嘘八百・捏造の塊なんですよ。ありもしない嘘を並べて新聞記事を批判しているから，この院長はインチキ野郎だなと断じたわけです。
なお，湿潤療法にはいろいろなやり方があります。一見，湿潤療法をしていないように思われることもあります。皮膚科医の引き出しは多いです。ケースバイケースで薬，医療材料を選択しています。
どこに嘘が書かれているかというと「皮膚科の世界では1990年代から湿潤治療が普及していた」という部分です。これが嘘であるという証拠です。
- 私は1996年9月頃，前腕擦過創の患者にアルギン酸塩被覆材（カルトスタット(R)）を貼付してみたのが最初の1例目である。この直前，被覆材を販売している各メーカー（コンバテック，スミス・アンド・ネフュー，アルケア，ジョンソン・エンド・ジョンソンなど）に「創傷被覆材を新鮮外傷に使用した論文・学会発表はあるのか？」と質問し，全てのメーカーから「使用したという論文も発表も，世界中に一つも見つけられないし，学会発表もまだされていない。しかし，外傷に使っていけないという論文もない」という返事をもらっている。つまり，1996年9月の時点で，外傷に創傷被覆材を使っていた医者は世界のどこにも存在しない。もちろん，日本にも存在しない。ゆえに，1990年代に湿潤治療が皮膚科で普及していたというのは嘘である。
- 私は自治医科大学（2002年），岡山大学（2002年），東京大学（2003年），東京慈恵会医科大学皮膚科（2004年），帝京大学（2005年），慶応義塾大学皮膚科（2006年），日本医科大学（2009年）など日本各地の病院で湿潤治療の講演を行なっていて，講演には多数の皮膚科医が参加しているが，「傷を乾かしてはいけない」ことを知っている医者はほとんどいなかった。知っていた医者は全て，私のインターネットサイトか著書を通じて知っていた人だった。
- 2003年5月25日の「日本皮膚科学会総会 モーニングセミナー 」で湿潤治療の講演を行った。会場は皮膚科医で立錐の余地もないほど満員だったが，「傷を乾かしてはいけない」ということを知っている皮膚科医は皆無だった。
- 私が熱傷を湿潤治療を始めた第一例目は2002年8月14日であり（当時，山形市立病院済生館に勤務），サンプルとしてメーカーから提供されたハイドロコロイドを使い，試行錯誤しながら治療を始めた。もちろん，この時点で「熱傷の湿潤治療」をしている医者は世界のどこにもいなかった。だから，何が起こるか一切予測できず，ビクビクしながら治療を始めたものである。
- 2002年4月18日に日本形成外科学会総会のランチョンセミナーで講演した際，会場には日本中の形成外科（一部，皮膚科・形成外科診療班）の教授が詰めかけたが，質疑応答では教授たちから「傷を乾燥させないというのは初めて知った」，「乾燥させてはいけないことは原理的には知っていたが，具体的な治療法は今日初めて知った」という声ばかりで，「湿潤治療は皮膚科の常識である」という声は皆無だった。また，「誰もしていない治療を始めたというところがすごい」と発言した教授が多かった。要するに，2002年4月の段階で「傷は乾燥させない」ことは日本の形成外科学教室，皮膚科・形成外科診療班では「新しい知識」だった。
- 現在も関東地方全域を含め，全国の大学病院皮膚科で熱傷治療を受けている患者が，湿潤治療を求めて当科に逃亡してきている。理由は大学病院皮膚科では湿潤治療を全くしていないし，そもそも湿潤治療の治療材料を準備していないからだ。「ばん皮膚科の院長」が言うように1990年代に湿潤治療が普及しているなら，このような大学病院皮膚科の体たらくはないはずだ。
- 百歩下がって，1990年代に「湿潤治療（＝傷を乾燥させない）」治療が皮膚科の世界に広がっているのなら，なぜ2013年に，亜鉛化軟膏やユーパスタ，ヒルドイドのような「傷を乾燥させる軟膏」を大多数の皮膚科医が処方しているのか？ それは「傷を完走させることが悪いことだ」という知識が皮膚科の世界に広まっていないからである。もちろん，「ばん皮膚科の院長大先生」はヒルドイドとか亜鉛華軟膏とかユーパスタは処方していないと思うが・・・。
- この院長によると「キズパワーパッドの販売は数年前」となるが，これは事実でない。私の記憶では
2000年2004年ころには商品化されていたと思う。当時，ジョンソン・エンド・ジョンソンは3億円かけてテレビコマーシャルを流していたがなかなか売れず，最近数年で一気に商品の認知度が高まった。
この「ばん皮膚科」の院長のように，嘘八百を並べ立てて「自分たちは昔からこういう治療をやっていた」と言い張る医者を，私はペテン師君，あるいは詐欺師ちゃんと呼んでいます。私はこういうペテン師野郎（女性だったらゴメン）が大嫌いです。ペテン師医者のような人間のクズを見過ごすほど，私は心が広くありません。要するに，「自分が褥瘡のラップ療法を開発した」と嘘を並べている大浦武彦北大名誉教授や塩谷名誉教授と同類の「人を騙して名声を得ようとするペテン師ちゃん」です。
褥瘡のラップ療法にしても湿潤治療にしても，先達者が苦労して何とか世の中に知られるようになってくると，手のひらを返したように「それは最初に私が始めたものだ」と言い出す輩が，雨後の筍のごとく登場します。啓蟄後のミミズ君みたいな連中です。 - 一昨日の東京新聞・中日新聞の湿潤治療の記事について，記者の方から連絡をいただきました。
記事の反響ですが、一昨日の杉浦医院は電話が鳴りっぱなしだったようです。編集局の方にはあまり問い合わせがありません。一番期待していた医師からのクレーム、反論は残念ながらまったくです。私としては、「ラップ療法で重篤な感染症が出ているぞ」的な意見が寄せられることを期待して、あえて突っ込みどころを仕込んだつもりだったのですが、仲沢教授のコメントが「反論封じ」の効果を発揮しすぎてしまったのかもしれません。難しいところです。最後の一文，ナイス！
ばん皮膚科の医師には、「皮膚科のやけど治療から逃げた患者家族も取材しました。記事へのご批判は歓迎しますが、そうした患者さんが一人でも少なくなるよう、皮膚科領域の同業者同士でも努力をしてほしい。小児科医師は数年前から学会で既に取り組んでますよ」という主旨の意見を送っておきました。患者の傷口にゲーベンを躊躇なく塗るのに、業界が放置してきた傷口によそ者から塩を塗られて怒りだした、というような感じでしょうか。 - 糖質制限の本がまた一冊出版されますよ，という情報です。
『おやじダイエット部の奇跡』の桐山秀樹さんが、今度は女性版の『糖質制限なでしこダイエット部の大逆転！』という本を世界文化社から3月15日に出されるそうです。Amazonで予約開始されています。
- 一昨日，長年にわたって自民党国会議員の秘書をされていたという方が，顔と手の怪我で受診されました。いつものようにアルギン酸塩被覆材で創部を被覆する治療をしたのですが，昨日再診された時に面白い話をされました。話し好きのおっちゃんの話を文章化するとこんな感じです。
昨日，病院から帰ってからいろんな新聞の政治部の記者連中10人くらいと宴会したんだよ。そこで俺がと話してくれました。どうやら，政治部の記者の皆さんは，10人全員が湿潤治療の意味とその原理を理解し，既にそれが一般常識であるかのように話していたそうです。
転んで怪我をしたというのに，病院では消毒もしてくれないし，薬もつけてくれない。と愚痴をこぼしたら，居合わせた10人が10人，
「それが最新の治療だよ。みんな知っている常識だぞ。お前が受診した病院はどこ？ 光が丘病院？ もしかしたら傷の外来だろ。そこは世界最先端の傷の治療をしているところだよ。お前，知らずに受診したのか？ その先生の書いた本，今度貸してやるから勉強しろよ！」って，散々馬鹿にされちゃいましたよ。
【09:30】
- うわぁ，恥ずかしいブログを見つけちゃいました，というメールをいただきました。
昨日の東京新聞／中日新聞の記事を読んで正しい知識を持たれた方が増えたと思いますが，世の中には同じ記事を読んでもこんな恥ずかしい記事を更新する無知な皮膚科の医師もいます。ばん皮膚科の先生，やっちゃいましたねえ。ブログに書いたということは，コピペされたら，ネット世界に永遠に証拠が残るということです。「2013年2月の時点でこんなこと書いていたんだ，この医者は。脳みその中身が19世紀だったんだね」って，ずっと嘲笑されることになります。それがわかっていて書いたんでしょうか？ 同じ内容を素人が書いたら 「新しいことを勉強した方がいいよ」 となりますが，プロが書いたら 「こいつ，単なる勉強嫌いの馬鹿じゃね？」 になってしまいます。そこらがわかってないのでしょう。
湿潤療法経験者として，「新聞記者の取材不足では無く，ご自分の勉強不足です」と教えてあげたい所ですが残念なことにコメント欄がありません。
ちなみに，ばん皮膚科の先生がブログ記事を削除してももう遅いです。簡単にPDFファイル化できちゃいますから。この皮膚科の先生は，一度ネットに書いたことはずっと残って，この先死ぬまで晒し者になる，ということがわかっていません。
というわけで，こような時代遅れの脳みそをお持ちのお医者様が書いたお馬鹿ブログを発見したら，皆さんもそれをPDFなどにして保存しましょう。私にファイルを送っていただければ，いずれ，「恥ずかしいお馬鹿さん一覧」として永代供養（＝末代までの晒し者，ともいうけどね）したいと思います。
【08:30】
- 「粉瘤の治療をしている医師」に，岐阜県関市のb>岡田医院／岡田洋介にもご参加いただきました。
- 「パレスチナに医療支援に行って来ました」という札幌の宮の森記念病院 真崎先生からのメールです。以前から熱心に湿潤治療に取り組んでおられる外科の先生です。
パレスチナ自治区・ヨルダン川西岸のジェリコにあるアクバドジャベル難民キャンプ診療所の医療支援に行ってまいりました。以前，「東北の大震災・大津波のあと，避難所生活をしてみんな太っちゃった」というメールを紹介しましたが，それと同じ事がパレスチナでも起きているようです。
戦地外傷を予想して現地に赴きましたが，ジェリコでは比較的平穏な時間が流れており，予想したような戦地外傷はなく挫傷，熱傷，褥創等の一般的な創傷が見られました。現地スタッフ，患者さんに湿潤療法を紹介し，瑞光メディカル社から無償提供いただいたプラスモイストを現地で使用しました。
また，パレスチナ北部に位置する都市・ナブルスにあるナジャハ大学から学生さんが実習に来られ，湿潤療法についての講義を行いました。未来を担う学生さんたちが湿潤療法を理解し実践していってくれたら，と思います。パラダイムシフトを期待したいです。
現地では視察した限りでは飢餓状態になっている難民は見受けられず，むしろ糖質過剰摂取による肥満が非常に多く見られました。糖質制限についても普及できればと考えていましたが，宗教的・経済的理由から糖質制限は現実的には困難と思われ，断念しました。糖質を制限しようとすると，ほかに食べるものがない，というのが現地の実情でした。
主観的には住民の90％以上は肥満と思われ，逆に言えば糖質ばかりを摂ると肥満になる，というエビデンス？と思われました。
今回のパレスチナ医療支援報告書のPDFファイルを添付いたします。この報告書は皆様に再配布いただいてかまいません。
⇒【パレスチナ医療支援報告書】
被災地でも避難所でも難民キャンプでも，食事は糖質ばかりになります。海外などからの援助物資・食糧援助もコムギ製品かトウモロコシ製品ばかりです。そういえば，「アメリカのホームレスの1/3は肥満で栄養失調である」という記事もありましたね。
要するに，穀物（＝デンプン食）を食べるようになって人類は空腹ではなくなりましたが，それは単に空腹ではないだけで，不健康で栄養不足のデブになっただけです。江戸時代のように激しい労働をしていれば栄養不足でもデブにならず，糖尿病が発病する前に死んでいましたが，現在では穀物食はデブまっしぐら・糖尿病まっしぐらです。 - 「熱傷治療についての雑感」メールをいただきました。
当科でも
熱傷を受傷→形成外科を受診し植皮が必要と言われる→ネットで調べて湿潤療法を希望されて受診というケースがあとをたちません。
最近では患者さん自らが湿潤療法を実践して上皮化が進んできている段階で，このままの治療継続でよいでしょうか？と確認のため受診する，というケースも増えてきています。
確実にパラダイムシフトは進んできていると実感しています。
【06:00】
- 10月5日（土）に島根県保険医協会で講演することが決まりました。10月というと，出雲大社に日本中の神様が大集合する月ですね。
- 「外傷を湿潤治療している医師」，「熱傷を湿潤治療している医師」に，名古屋市天白区の岩山小児科／岩山精三先生にもご参加いただきました。ありがとうございます。
- ちょっと嬉しいメール。「患者には治療を選ぶ権利がある」と湿潤治療をしてくれた主治医の先生も素晴らしいです。
私は5年ほどまえに左手中指を切断する事故にあいました。こういうメールをいただくと，治療法を公開してよかったと心底思います。
複合組織移植術後の治療経過が悪くなっていった際に先生のサイトにたどりつき助けられました。
治療例をプリントアウトして主治医にこの治療をしてほしいとお願いしたのです。私の主治医は「患者には治療を選ぶ権利がある」といって私のお願いをきいてくれました。
もしも，夏井先生が治療例を公開されていなかったら私の指先はなくなり，今も卑屈な毎日を送っていたと思います。湿潤療法を確立していただき本当にありがとうございました。 - 昨日の東京新聞／中日新聞の記事，『広がるやけど湿潤治療』を読んだ方からのメールです。
薬剤師です。中日新聞をさっそく読みました。分かりやすい内容で多くの人に正しくメッセージが伝わったことと思います。
ゲーベンクリーム500gといった処方せんを受け取ることがありました。より良い医療の提供にこの記事が役立ってくれることを強く望みます。
医療訴訟の対象といえば，睡眠薬や安定剤に関してはどうなんでしょう。「アシュトンマニュアル」（日本語版は上記URLで日本の国旗をクリック）に記してあるような現象について患者さんから質問されることが時々あります。日本語版マニュアルの「翻訳を終えて」から一部引用します。
医師から，「長期服用して安全な薬」，「一生飲み続けて大丈夫」，「常用量では問題はない」などと言われ，その言葉を信用して飲み続けた結果，深い薬物依存に陥る人たちが今の日本には溢れています。そして，その人たちの多くは，医師に助けを求めても，「離脱症状は4週間以内に消えます」，「それはあなたの元々の症状です」などと退けられ （略）
1990 年代から既に，“日本の”様々な医学書や学術論文の中でも，患者に対して常用量依存や離脱症状についてインフォームド・コンセントが必要なこと，医師は患者の依存形成に注意を払わなければいけないことが明記されています。また，2000年代に入って間もなく，日本のベンゾジアゼピン処方が諸外国と比べて飛び抜けて多いことが複数の論文で指摘されるようにな りました。更に2010年には，国連の一機関である国際麻薬統制委員会(International Narcotics Control Board)がまとめた年次報告書でも同様の指摘がなされ，その背景には“不適切な処方”があると示唆されています。リスクフリーの医療は期待すべきでないものの，改善可能な部分を放置したままでいればそこは追求されていくように思います。
ここ最近のピアノネタを楽しく拝見しています。ピアノといえば，新東名浜松サービスエリアで休憩がてら自動演奏ピアノの演奏を聴くことがありました。ピアノレッスンは小学校で止めてしまって以来ですけど，それでもこのピアノはかなりの「腕前」であることは分かります。
すると気になるのはどこまで演奏できるかです。“超絶技巧”もヤマハの技術者魂でやってのけるのでしょうか。ぜひ聴いてみたいものです。 - その東京新聞の記事ですが，なんと昨日のうちに東京新聞の公式サイトに全文掲載されていたそうです（中日新聞の同じ記事は，22日に掲載予定）。これは新聞を有料で買って読んでいる人に対する背任行為であり，モラル違反です。東京新聞は時に気骨のある記事を掲載しているので嫌いではありませんが，新聞発売日にネットに同時掲載というのはすべきではないと思います。
- 【極めればフリックより早くなる。文字アプリ最速候補『スライム』】
子音を入力するとそれから予測変換してくれる，という入力方法です。確かに，定型的な文字列を何度も入力するにはかなり便利かもしれません。でも，漢字を一文字だけ入力するとか（最近の子供さんのDQNネームは「夜露死苦」や「仏恥義理」と同じで，漢字一字ずつでないと入力できません），同音異義語が多い単語の入力はどうなんだろうかと，脳内シミュレーションをしているところです。
スマートフォンやタブレットだけで仕事を済ませることは可能ですが，それらから生み出される日本語は「予測変換が教えてくれる熟語優先」で，似たり寄ったりの熟語と単語が並ぶ文章になるのかなぁ，なんて考えたりします。もちろん，杞憂かもしれませんが。
【12:00】
- ある先生からのワセリンについての情報です。
ネット上で下記のような記事みました。ワセリンの存在もっと認知されるといいですね。ちなみに，ジェニファー・アニストンの美しき御尊顔はこちら ⇒「画像検索」
⇒【歴史上もっともセクシーなジェニファー・アニストンのスキンケア方法】 - 皆様，本日発売の東京新聞か中日新聞，ご覧になりましたか？ まだお読みになっていなかったら，すぐにでもコンビニかキオスクに急ぎましょう。東京新聞なら12面に「広がるやけど湿潤治療」と大きく取り上げられています。もちろん，記事の内容は湿潤治療全面支持で，「大病院で手術しないと治らないと言われた手の熱傷が，名古屋の内科・小児科クリニックの杉浦医院できれいに治った，という事例が紹介されています（杉浦医院の森先生，グッジョブ！）。
ここで日本熱傷学会理事の仲沢教授（日本大学医学部形成外科）の口から，「十分なインフォームド・コンセントなしに安易に皮膚移植が行われているとしたら大問題。学会のガイドラインを見直す必要がある」との談話も引き出しています。記者の林さん，お見事です。
実は事前に取材を受けたときに，「熱傷の専門医，形成外科の専門医は，皮膚移植しないと治らないから皮膚移植します，程度の説明で皮膚移植を行っているのが現状です。つまりインフォームド・コンセントしていません。インフォームド・コンセントをしないで治療をして患者が不利益を被ったのであれば，これは十分に医療訴訟の対象になりますよね。下手すりゃ，集団訴訟ものでしょう」 と説明しておきましたが，仲沢教授にそれをぶつけてみたのでしょうか。さすがの仲沢教授も，自分たちが非常にヤバい状況に追い込まれつつあるのに気が付かれたようです。
もちろん，これは日本熱傷学会理事としての発言というより，個人としての感想・発言と思われますが，少なくとも，このまま呑気に皮膚移植を続けているわけにはいかないかもしれないぞ，と思われたことは間違いないでしょう。
というわけで，糖質制限についても，「糖質制限の治療は十分なインフォームド・コンセントをした上で治療をしているが，従来の糖尿病治療（食事指導と内服薬，ダメならインスリン注射，そして腎不全で人工透析）は十分なインフォームド・コンセントを行わずに実施されている。これは十分に医療訴訟の対象になる」 という方面から攻めていく手がありますね。
というか，私が弁護士だったら，自分が先頭に立って日本熱傷学会や日本糖尿病学会を相手に集団訴訟を起こしますね。だって，絶対に勝てるもの。負ける要素がないもの。
【09:00】
- シャンプー & ボディーソープ・レスについて，こんな情報が寄せられました。
近藤誠医師の『医者に殺されない47の心得-医療と薬を遠ざけて，元気に，長生きする方法』という新しく出た本の174ページで，石鹸シャンプーレスが紹介されています。
作家の五木寛之さんと対談した場面があり，「今までは盆と正月しか洗髪していなかったが，まわりから，そりゃひどいと言われ，春夏秋冬になって，最近は一か月半に1回洗っている。路上生活者に禿げナシを発見した。」との，作家さんらしき大胆な発言！ 実際に五木さんは80歳で髪ふさふさだそうです。
ちなみに近藤誠さんは，五木さんとの対談後に1か月髪を洗わないチャレンジをし，「1か月ほどすると，頭がツンドラ状になり，フケは黒くなって目立たなくなる」という五木さんに言われた通りになったのを確認したものの，今は週1回お湯シャンしているそうです。
【08:30】
- 【首からさげる「ウイルス除去剤」でやけど 幼児が重傷】
本当にウイルス除去効果があるかどうかもわからない商品で化学熱傷なんて，泣くに泣けないです。これで受診した先の病院の医者が「ゲーベン医者」で「植皮医者」だったら，さらなる悲劇が患者を襲いますね。
このニュースに関連するメールです。
消費者庁のホームページで気になる情報を見つけました。
一方，先日話題になっていた「首からさげるカード」は二酸化塩素を使用しているようですが，愛知県学校薬剤師会によれば環境消毒には勧められないとの指摘があります。
どちらも使用は慎重にした方が良いようです。
話は変わります。日本医事新報掲載の夏井さまのエッセイで「（ホロヴィッツの『星条旗』は）両手の複雑な動きが人間工学的に極めて合理的で無理がない」という点には肯けるものがあります。と言うのも，私が30代後半にしてフルートを習い始めた頃，二年目の発表会で吹いた『ハンガリー田園幻想曲』に同じような印象を持ったからです。作曲はフルートの名手ドップラーで，細かい音符が縦横無尽に走り回る，音大生やプロが吹くような難曲ですが，練習していくうちに指の動きが意外と自然なのに気づきました。もちろん当日の演奏には数多くのボロがありましたが，それを上回る達成感がありました。
【06:00】
- 「母指指尖部損傷」の治療経過を追加。毎度書きますが，この程度の損傷は楽勝です。
- 本日（2月19日）の東京新聞と中日新聞に『やけど治療に湿潤療法／患者家族「皮膚移植は嫌」』という取材記事が掲載されます。熱傷患者さんの取材をもとに，熱傷患者は皮膚移植を望んでいるのか，という点に鋭く踏み込んでいる記事になっていて，私も取材を受けました。記事の内容は正確で，この問題に対する熱傷学会理事の先生の回答も引き出していて，見事です。
なお，それぞれの新聞の2月22日の公式サイトにも記事がアップされる予定です。 - 昨日は忙しかったです。遠方からの新患患者さんが多かったこともあり，昼食もそこそこに夕方まで外来診療を続け，その後，東京大学病院に向かって経産省絡み治療機器のガイドライン策定委員会に出席し，帰宅したのは21:00すぎで，それから遅い夕食でした。その後，この更新記事を書いています。
- 「2月15日の山梨の糖尿病性壊疽の患者さんですが，「穴あきポリ袋＋紙おむつ」の被覆のみでデブリードマンをしていないように読み取れます。治療方針が変わったのでしょうか？」 というメールを幾つかいただいています。いずれ，治療症例を提示して「糖尿病性壊疽の治療」を具体的に書こうと思っていますので，しばしお待ち下さい。ちなみに，キーワードは「デブリードマンの目的は壊死組織の除去ではなく，ドレナージのルートを確保することである」です。
- 糖質制限関連のメールです。
歯医者の待合室で，こんな本を見つけました。中身は江部先生のもので，レシピも一層充実していて，メニューの参考になりました。
エッセ，レタスクラブとくれば，オレンジページはどうだろう（いずれも主婦がよく雑誌です）？と調べたら，ありました！
こちらは中身は見ていないのですが，糖質オフと書かれているので，それなりの内容だとおもいます。
糖質制限を続けるのに一番ネックになるのは「料理」ですよね。自分で料理を作る人ならいいけれど，奥様に頼んでいる場合は協力を得るのが難しいかたもいるかもしれません。
しかし，オレンジページ，エッセ，レタスクラブと御三家（だと勝手に私が思っていますが・・・）が糖質制限を特集したことで，奥様方が「あら，意外においしそう」とか「これ今度作ってみようかしら？？」と思い実践し，やせはじめたら・・・
日本の常識がひっくり返る日も近いかな？？と思いました。
だってやってみると，おもしろいようにやせますからね～～（笑） 奥様がきれいになり，糖質制限食を作ってくれるようになれば，男性陣は一石二鳥ですよね！ - 「主治医，医師が糖質制限に理解がなくって・・・」という場合の対処法について，という内科の先生からのメールです。頂戴ですが面白いです。
主治医が糖質制限食に理解がない場合の対処方法をいくつか考えてみました。
百歩（いや千歩以上）譲って，医師が「糖質制限食は早死するからやってはいけない」というのなら，相撲取りやレーサーになってはいけない，バイクには乗るなというのと同じです。糖尿病あるいは肥満のバイク乗りが長生きするためには，糖質制限食をやめるより，バイクに乗ることをやめたほうが効果的と思われます。
バセドウ病の治療では，薬物，手術，放射性ヨードによる治療が主なもので，医師が薬物療法を勧めても患者が他の治療法を希望したら，選択した治療がうまくいくように支援します。
がんの治療でも同様でしょう。手術，抗がん剤，化学療法，ホスピス，あるいは何もしないなど，いくつかの選択肢がありますが，医師が手術を勧めても何も治療を希望しない場合，ダメと言わずにやはり支援するはずです。
糖質制限食に批判的な医師（石）による糖尿病治療は，治療法の選択肢をいくつか示し，そのメリット，デメリットを説明した上で，患者がある治療法を選択するというのではなく，糖質制限食はダメで，旧来のカロリー制限食しか選択しがないように患者を追い込んでいます。
創傷に対し，湿潤療法があることを説明せずに植皮をやたらと勧める医師と似ています。
また，糖質制限食の長期安全性は不明だからやってはいけないという論理でいけば，新薬の長期安全性は不明だから使用してはいけないことになります。
長い前置きでしたが，糖質制限を糖尿病患者が希望したのに医師が拒否した場合の対応方法を考えてみました。
【対応方法その１】
まず，「私にはバイクのレーサー（あるいはもっと危険な職業などが思いついたらその職業）になる権利はないですか？」と尋ねる。基本的人権なので，権利はないとは言わないはずです。
万が一ダメと言ったら，それこそ大問題ですね。すかさず，「私には糖質制限食を選択する権利はないですか？」と尋ねる。
選択する権利はないかと尋ねれば普通はダメとは言わないはずですが，もしダメと言ったら，糖質制限食の長期安全性が不明，あるいは早死するとおっしゃいますが，バイクのレーサーになったほうが，はるかに早死しそうな気がしますが。バイクのレーサーになる権利はあるのに，糖質制限を選択する権利がないのはなぜですか」と尋ねる。【対応方法その2】
長期安全性という観点で，糖質制限食はダメで，薬剤はよいという「矛盾」を指摘する。
糖質制限食の長期安全性が不明であるからという理由で勧められないのであれば，新薬の長期安全性は当然不明ですから勧められないことになります。現にグリベンクラミド（先発品の商品名ではダオニール，オイグルコン）などは，β細胞への負担増加や心臓への影響などにより最近では用いないほうがよいということがわかってきています。もちろん，低血糖という副作用もあります。
まず，糖質制限をやってみたいという希望を医師に伝える。
医師が，「長期安全性は不明だから（あるいは問題があるから）勧められない」と答えたら，「ということは，新薬はすべて長期安全性は不明なので，処方しないのですね」と確認する。あるいは，「先生はグリベンクラミド（オイグルコン，ダオニールなど）を処方していますか？」と尋ねる。
糖尿病患者を多数診ている医師であれば処方しているはずです。「処方している」と答えたら，「グリベンクラミドは長期安全性に問題があるのに，処方しているのは，糖質制限は長期安全性に問題があるから勧めないと言うことと矛盾しているのではないですか」と指摘する。【対応方法その3】
これは，やり合うのがお好きな血の気の多い方向けです（笑）
「糖質制限をやってみたいのですが」と伝える。医師が「勧めない」と答えた場合，「先生は糖尿病専門医ですから，糖尿病の治療については詳しいんですよね」と確認する。専門医の沽券（コケン）に関わるので，「そうだ」と答えるはずです。
次に，「糖尿病患者の治療経験も豊富なんですよね」と確認する。「経験豊富だ」と答えた場合，「では，糖質制限食の指導経験も豊富なんですよね」と尋ねる。
経験豊富，つまり糖質制限食を数多くの患者に指導しているのであれば，通常はその有効性も体感しているはずですから，糖質制限に否定的な医師であれば，糖質制限食の指導経験はほとんどないはずです。
「指導したことはない」と答えたら，「なんだ，糖尿病専門医だから，糖質制限食の指導経験もあって，熟知した上で糖質制限食を勧めないのかと思ったら，経験がないのに論文だけを頼りにモノを言っているんですね」と確認する。
さらに，「もし糖質制限食の指導をする気になれば，先生は指導できるのですか？ まさか指導できないから勧めないと言っているのではないでしょうね」と尋ねる。
「いや，指導できる」と答えたら，堂々と糖質制限食の指導を要求しましょう。上記の３つの方法から，皆さんに合ったものを選択して，糖質制限食の希望がかなうことを願っています。 - 2冊の本について教えて頂きました。
ある書評を紹介させていただきます。実はまだ書評の対象とした本を入手できていない，という大変にみっともない話なのですが。
特に「捕食者なき世界」の方は，先生の興味に相当合致しているのではないでしょうか？ ご参考になれば幸いです。 - 「チーズ盗難事件」についてのメールです。
【09:30】
- こんなメールをいただきました。
以下のような報道を見て興味深く思ったのでお知らせさせていただきます。このたぐいの「研究」はよくあります。10年くらいまえは世界中で「ハチミツ治療」の研究が行われていました。当サイトの掲示板でも，何度か話題になっていましたね（例１，例２）。
単純に考えれば，「ラップやワセリンがあれば，もっと効果的なのに」となります。
従来の消毒薬ほどではないにしても，（砂糖は）傷口の細胞には悪そうです。
が，ひょっとするとなにか思いがけない作用があり，効果的なのかも知れません。
ひょっとすると，湿潤治療用の材料がない状況での代替として意味があるのかも知れません。
この手の記事の読み方としては，「何と比較して治療効果があったと判定したか」が重要です。例えば，砂糖，ゲーベンクリーム，イソジンシュガーゲル（ユーパスタ）を比較すると，治療効果は
砂糖＞ユーパスタ＞ゲーベンクリームの順になり，砂糖は最高の治療になります。では，水道水，希釈したイソジン，砂糖，ラップで比較すると
ラップ＞水道水洗浄＞希釈したイソジンで消毒＞砂糖となり，砂糖が一番悪くなります。
三輪車しか乗ったことがない人が自転車に乗れば「風の様に速い」と思うし，自転車しか知らない人がバイクを見たら「信じられないスピード」と言うでしょう。しかし，彼らの知らない世界ではポルシェと新幹線がは普通に走っているのです。
英国ウェストミッドランド州ウルヴァーハンプトン大学の先生たちはいまだに「三輪車の褥瘡治療」をしていてそれが最高の治療だと思っていました。ところがジンバブエから先生が「砂糖自転車」を見せたから，「世の中にこんなに早い乗り物があるなんて！」と大騒ぎし，それを地元マスコミが取り上げた・・・というわけでしょう。
更にこの記事を読むと，イギリスの病院では褥瘡と下腿潰瘍の治療は「感染の制御」がメインであることが読み取れます。要するに「創感染しているから褥瘡／下腿潰瘍が治らない」と考えているわけです。「砂糖はバクテリア増殖を食い止め，それが傷の治癒を促進している」と説明してありますが，この言葉は記者が書いたものでなく，インタビューを受けた医者の言葉でしょう。なぜこんなことをこの医者が言ったかというと，「細菌がいるから傷が治らない」というのが褥瘡治療界の常識だからです。
しかし，「細菌がいるから除菌しなければ傷は治らない／傷が深くなった」と考える医者だから褥瘡が治せない，「細菌除去をメインに治療をしている」から下腿潰瘍が治らない，という裏側に気がつくと事の真相が見えてきます。そういう，創傷治癒の基礎がわかっていない医者だから，砂糖の治療効果にびっくりして，天下の特効薬だと勘違いしたんですよ。
【06:00】
- 先日，ちょっと紹介した『古代文明と気候大変動』という本についてレビューを追加。内容は精緻にして膨大で，ごく一部を紹介するだけで4,000字になってしまいました。こういう本に出会えるのは読書冥利に尽きるというものです。
- 「糖質制限と皮膚科」というメールをいただきました。
医療素人ソフト屋です。
今日，月に１回通院している皮膚科にいきました。（アレルギー系は大体持ってます）
そこは医大から週３回ぐらい皮膚科の医師が来ている病院なのですが，私は最初気づきませんでしたが半年ぶりに合う先生でした。
「あれ？痩せました？」と聞かれて「ええ，糖質制限してます。そんなにちゃんとではないですが」と言ったら。
「江部先生はご存知ですか？江部先生はアトピーの治療もしているんですよ」と言われました。何気に浸透していますね。 - 「熱傷の痛み，糖質制限」についてのメールです。
先日の熱傷と痛み止めの話はものすごくわかりやすかったです。
私は今まで，なぜ熱傷は痛みが強いのか，そして命に関わるような重症になるのかがわかっていませんでした。ただ実体験として，擦り傷や切り傷よりもやけどのほうが治りも悪いし，痛みも強いからこわい・・・っていう思いはありました。
実は先日昼過ぎにお弁当用に作り置きしようとから揚げをあげている際に，鶏肉の中から油がはじけ，菜箸を持って鶏肉をひっくり返していたわたしの右手親指付け根に飛んできました。
すぐに「やってしまった！」と思い，とりあえず火を消し，水道で冷やしながら，次の行動をシュミレーションしていました。
すぐにワセリンぬってプラスモイスト貼るでしょう～
もし水ぶくれれができてしまったらつぶして，余計な皮膚は切り取って～
そうそう。
治る経過の写真を撮っておくのも忘れないようにしなくちゃ！！（笑）結局水で冷やしたのはそれを考える間の1分足らずで，すぐに手元にあったプラスモイストをはりましたが，痛みはすぐに治まりました。
その日の夜お風呂に入る前におそるおそるプラスモイストをはがしてみましたが，どこがやけどしたのかまったくわからず（みずぶくれはもちろん，赤くもなっていませんでした），ただお風呂で温めたら少し痛みが増しましたが，3日くらいで完治してしまいました。（まったく赤くもならなかったので，写真を撮る必要もありませんでした）
実は1年くらい前に，母が天ぷらを揚げた後の油を油こしに移す際に，あやまって手に油をかけてしまったことがありました。母は10分くらい冷やしてからわたしに言ってきたのですぐにワセリンをぬってプラスモイストをはりました。
その日の夜母がおそるおそる（手が大変なことになっているだろうと思っていたそうです）プラスモイストをはがすと，何もなっていませんでした。ただ，プラスモイストがちょっと足らずにはみ出ていた部分は赤くなってました。
やけどの患者さんが病院に行って治療を受けるのは時間がたってからだと思うのですが，もしかしたら一家にひとつプラスモイストがあれば（今バンソウコウが普通に家にあるように）やけどの直後にプラスモイストを貼ってしまえば，もっと軽くてすむのでは？と思いました。
ところで昨日買い物に行ったときにこんなものを見つけました
「カロリー0の糖質エリスリトールを使用することで，お好みソースに比べカロリーを50％オフ。旨み系の原材料，野菜・果実をバランスよく配合することで，カロリー半分でも厚みのある味わいに仕上がりました。」とのことでした。糖質制限から言えば，糖質０ではないので今ひとつかもしれませんが，糖質制限食によく出てくるお好み焼きのお供に，なんちゃって糖質セイゲニストとしてはありがたいな～と思いました。
おまけに糸こんにゃくお好み焼きなどのレシピもあったりして，「粉もの」相手のソース屋さんが，生き残りをかけてがんばっているんだな～と思ってしまいました。
- 「チーズ盗難事件」についてのメールです。
冷蔵庫にこんなシールを貼ってはどうでしょうか。
私の家のゴミステーションでは，100円ショップで売っている『防犯カメラ作動中』のシールを貼ってからゴミの出し方が良くなりましたよ。
チーズを買ったままにせず，自分らしさを出す。かわいいお弁当箱に入れ替えるとか，毒入りとかくとか。
私は家族に食べられたくない物は，歯型を付けておきます。噛むのが嫌なら，手でチーズを割ったり切ったりしておけば良いです。要するに，何かちょこっと手を加えると盗みにくいのでは。まったく面白くない対策としては，チーズを中身の見えないタッパーに入れて，なおかつきんちゃく袋などに入れておけば，個人所有のものとして見てもらえるとは思います。かなり面倒くさいですが（箱やもの自体がもう，犯人の食欲をそそっている気もしますし）。
ちょっといじわるな方法は，箱の中身を抜いて，代わりにそれらしい重さのものを入れ，パッケージをがっちり糊付けしてとにかく開かないようにする。日々ちがう種類の箱が入っているのですが，ぜったいに開けられない，または，苦労して開けても中身が食べ物でなければ，いいかげん懲りるのではないでしょうか。
あと，犯人が冷蔵庫前にいる時間も長くなるので，犯行（！）現場を見かける人も出てくると思います。
石鹸は，食べ物はでないので，冷蔵庫に入れるのはやめたほうが良いかと思います。
箱に，小麦粉をみちみちに詰めておく，というのも考えたものの，いじわるすぎるのでやめておきました。 - 【97％の都市で地下水汚染＝高まる危機感】
【中国の地下水汚染深刻，企業の違法排水後絶たず＝「地方政府は対策を」】
これまで何度か取り上げている中国の水問題ですが，水資源の1/3を占める地下水の97％が汚染されている，というのはまともな状態ではありません。しかも，一部（？）の企業は大量の汚染水を地下に高圧ポンプで注入しているようですから，問題解決は非常に難しそうです。
おまけに，春節明けに大気汚染がさらに悪化したようです。
中国は経済が好調なうちに環境問題に本気になって取り組むべきです。環境問題は経済に余力がある時期でないと取り組めないからです。
2013/02/15 ・・・[06:00]／[08:30]／[09:00]／[09:30]／[11:00]／[12:00]／[12:30]／[13:30]／[14:30]
【14:30】
- 今日の初診の患者さんの一人は，山梨県から来られた糖尿病性壊疽の患者さんです。すでに第1趾の半分くらいまでが黒色壊死になっているので，OpWT（穴あきポリ袋＋紙おむつ。当院では「褥瘡パッド」と呼んでいます）の使い方を今後どうなるかという見通しについて「この症例と同じようになるはず」と説明し，帰って頂きました。
山梨県は湿潤治療をしている医者が少ない（大月市に一人だけ）ので，山梨県からの治療の問い合わせにはいつも苦慮しています。 - 「チーズ盗難事件」についてのメールです。
チーズ問題で盛り上がってますが，冷蔵庫を開ける，またはチーズをさわるとカメラのシャッター音が響き渡る，というのはいかがでしょうか。チーズの箱をあけるとセンサーで音がなると，流石に気まずい感じになるんじゃないかと思います。
別に，シャッター音でなくても，アンパンマンのテーマでもいいですね。いろんな人が一斉に振り返るので効果大だと思います。
【13:30】
- 「チーズ盗難事件」の被害者からの補足メールです。
チーズ盗難事件を取り上げていただき誠にありがとうございます。早速皆様からたくさんのご提案をいただき感謝感激です。状況についていくつか補足があります。
ご提案の中にありました犯人は会社が食べ物を用意していると思っているのではないかという点は，過去においてそのようなことは無かったので考えにくいと思います。
ただし，たまに「お客様用のお菓子を食べないでください」と言うような通達が出ることがありますので会社所有の食べ物が入っていることがあります。
また，冷蔵庫に入っている食べ物の大半は個人，もしくは部署名が書いてあり，記名していない私が悪いという理論は成立しそうです。しかしチーズはMyマヨネーズ（私の記名あり）と一緒に他のものと区分して置いてありますので，犯人はチーズの所有者が私だとわかっているとは思います。
一応文書等で犯人にメッセージを送るのは後にして，まずはご提案いただいている辛いもの，石鹸等で驚かそうと思っております。
例えばちょっと小腹の空く午後4時ごろ，普段は堅物で通っている私の上司が突然冷蔵庫前からトイレへ走って行ってうがいをするというようなシーンを期待しております。
ですから盗難についてはむしろ対応が楽しみなのでしばらく続けてくれないかとさえ思っております。 - 「チーズ盗難事件」についてのメールです。
少々高そうな箱に移して，多少高めの値札を貼る，のはどうでしょう。 買ってきたものであることは，アピールできます。犯人は「１個くらいなら高くても１００円くらいだし良いよね。」と思っていても「１個５００円１０００円もするならやめよう」と思わないでしょうか？ 「他人のものを盗んでいる」という自覚がなければダメでしょうけど。
「ラッキー！今日は高いチーズにありつけた！」と思われると逆効果ですが。。
【12:30】
- 「チーズ盗難事件」についてのメールです。
チーズ盗難事件でが面白そうだったのと，ちょっと危ういと感じるところがあったのでメールいたしました。更新履歴で取り上げていただけると幸いです。
皆さんユーモラスな解決法を考案されているようですが，
- 無記名だからと言って，勝手に開封して持っていくモラルの持ち主なのだから，どんな逆恨みをされるかわからない。
- 普段，相談者がチーズを食べているのは周知の事実。
なので，「たかがチーズ」と思わずに，まずはちゃんと記名することが必要だと思います。
低モラルの人間は斜め上の理論で攻めてくるので，一分の非も作らないことが大事です。また，余罪がザクザクで事が大きくなることもあり得ますので，罠にはめるならそれなりの理由と覚悟が必要です。
記名してなお犯行が止まらないのであれば，私ならこうします。- ちょっと珍しいor高級そうなチーズを用意する。むき出しで複数個入っており，一つぐらいつまんでもわからないものがベスト。
- 開封し少し食べて，残りにはデスソースを塗っておく。
- わかりやすいところに記名して，冷蔵庫に置く。
問題が無事に（出来ればユーモラスに）解決することを祈っています。 - 【ThinkPad Tablet 2専用のBluetoothキーボードを使ってみたのです】
これなら，専用キーボードとAC電源を二つずつ買って，片方を自宅，片方を職場において，タブレットだけ持ち歩くようにしたら，最強のモバイルマシンになるかも。AtomでWindows8が動くから現在の仕事環境もそのままでいい，というのもグッドです。これでSSDが128GBならいうことないんだけど，値段が7万円台ですから，とりあえず現時点では最も物欲を刺激してくれるマシンです。 - 先日，粉瘤で受診された患者さん（女性）と雑談をしていたら，このサイトを見て糖質制限をしたら，あっという間に4キロ体重が落ち，それを見た友人たちの間でも糖質制限が流行中だそうです。とりわけ，46歳の知人（女性）は10キロほど減量に成功してスリムな体型になったかと思ったら，いきなり結婚（初婚）したそうです。
というわけで，糖質制限は体型と体重も変えるけど，人生も変えるのです。
【12:00】
【11:00】
- 「チーズ盗難事件」についてのメールです。
チーズ盗難事件 こういうの大好きなので私からも・・・ちょっと手間がかかりますが・・
チーズの外箱は賞味期限切れのものを用意して，時々交換しつつ中身を入れ替えておきます。しばらく様子をみて，減らないようならＯＫですし，減ってくようなら・・
「おなか壊しませんでしたか？ 先日のはさすがに古すぎたのか私は大変な目にあいました」というメモを入れておきます解決法ではなく，犯人側の理由を考えてみました。
名前が書いてないから，
『貰い物なのでご自由にお食べ下さい』とか，『会社で用意したのでご自由に～』と思われてるかも知れないです。こう思われているなら，開封して持っていかれるのも仕方がないです。
【09:30】
- 「チーズ盗難事件」についてのメールです。
以前，余興の罰ゲームで体験したことがありますが，激辛で有名な「デスソース」ならばチーズに少量塗るだけでもかなりの辛さデス。
辛さのレベルによってはユーモラスに解決できないかもしれません。お気をつけ下さい。
【09:00】
- 「チーズ盗難事件」についてのメールです。
「チーズ盗難事件」の張り紙，私も考えてみました。
私なら「実験中」と張り紙します。さらに（カビ・防腐剤倍量）などテキトーな付記もつけたり。どんな顛末となるか楽しみです。
【08:30】
- 「チーズ盗難事件」についてのメールです。
チーズの包みにおみくじを添付！考えるのも楽しいかもです！
『大吉 今日のあなたはツイてます！今日だけはバレません！You！もう１個いっちゃいなよ！』
『小吉 良心の呵責にさいなまれるかも。。ラッキーアイテムは他人のチーズ。』など，逆にチーズを勧めちゃう。。。
『末吉 この盗っ人めが～！・・・他にオススメあったら教えてね☆』なんて，お茶目なメッセージ。。。
冷蔵庫の扉に張り紙☆
『チーズを勝手に食べた人に反応するリトマス紙的なヤツをAmazonでポチりました☆』
『チーズを勝手に食べた人が発光して見えるサングラスもポチりました』
『チーズを勝手に食べた人に天罰を下す神様もポチリました』盗っ人にウケなかったらちょっとガッカリです☆
これぐらいしか浮かびません～。失礼致しました☆
【06:00】
- レイ・ブラッドベリの短編SF小説を元に作られたタイムスリップ映画，《サウンド・オブ・サンダー》をレビュー。本格SF映画を作ろうと企画されたのに，途中でプロダクションが倒産し，ロケ地のチェコで大水害に見舞われて莫大な被害を出し，その他にも様々なトラブルに見まわれるという，四面楚歌的七転八倒的八方塞がり的前門の虎と後門の狼的状況に陥りながら，不屈の精神と映画作りの才覚でなんとか完成させたんだとか。
- こんな相談メールをいただきました。皆様ならどうしますか？
さて，今回は先生はじめサイトをご覧になっている皆様にお知恵を拝借したくメールしました。最初の「チーズ盗難事件」ですが，ユーモラスに解決したいですね。「このチーズはネロとパトラッシュを救うためのものです」って張り紙をするのはどうかな？
私は糖質制限3年目になります。
普段は内勤業務でワンフロア50人ほどの部署におりますが，昼食はチーズ，ナッツ，ふすまパンなどを組み合わせて摂っております。そのうちチーズなんですが，よくある6Pチーズやスライスチ－ズ，さけるチーズなどをフロアの片隅にある冷蔵庫に保管しています。
で，これが最近ちょくちょく盗まれるんです。（ほぼ毎日です。） 6個のうちの一つ二つとか，スライスチーズ1枚とか。
部署のほかの人は冷蔵庫に食品をしまう際記名するなどして盗難に備えているようなんですが，チーズに名前を書くのもなんだかせこい気がして私は書いておりません。（ちなみに冷蔵庫のある位置はフロアの死角になっていて誰が盗っていったか通常はわからないと思われます。）
まあチーズぐらい欲しいと言われれば好きなだけあげるんですが，ここのところ犯人も馴れたのかまだ封を切っていないチーズの箱を勝手に開封して中身だけを持っていくなど犯行内容がエスカレートしているようにも思えます。
そこで以下のような考え方で対応策を考えております。
- 犯人を特定するつもりはない。
- 仕返しに何か犯人の驚くようなことをしたい。
一応思いついたのが，
- 市販のわさび，トウガラシ，ブラックペッパー等の味付けチーズを普通のチーズのようにして置いておく。
- 形状がソーセージタイプのチーズを縦割りし，中身をくりぬいてそこにワサビ，トウガラシ（タバスコをまぶしたもの），ゆずコショウなどを詰めて置いておく。
- チーズを取ろうとするとアロンアルファ等の瞬間接着剤が指に付着しチーズが指にくっついてしまう仕掛けを作る。
1ではむしろおいしい可能性がありますし，3はあまり現実的ではないし笑いのセンスにかけるので2の方向で行こうと思っておりますが，もし「こんな方法はどうですか？」などご提案していただけますと大変うれしいです。
なにとぞよろしくお願いいたします。
（追伸）
昨日たまたまTsui-Teruに行ってきました。多分4回目ぐらいでしょうか。19時ぐらいですと予約なしでも入れましたがほどなく満席になっておりました。
連れと二人で熟成ステーキ，ロティサリーチキン半身，サラダ等３品を注文しましたがちょっと多すぎました。ステーキかチキンかどちらか一つでよかったです。
後半の「中野のビストロ Tsui-Teru」ですが，二人で「熟成ステーキ，ロティサリーチキン半身」は多過ぎますね。チキンの半身が3人前ではなかったでしょうか。二人だったら 「熟成牛肉＋熟成豚肉，サラダなど数品，フルボディのワイン1本」で十分でしょう（これで多分，7000円オーバーくらい）。 - 【安心の日本製電池を採用。超超大容量の4万800mAhモバイルバッテリー】
4万mAh といえば，通常のモバイルバッテリーの10倍ですよ。これならスマホなら15回以上充電できるし，もちろんタブレットもノートパソコンも余裕で充電できます。おまけに重さは 735g と第一世代のタブレットと大差ありません。ちょっと欲しいかも。
【10:30】
- いつもの生物の先生からのメール。
星条旗演奏お疲れ様でした。やはり，気力がないと弾けないでしょうから，楽しくもあり大変だったろうと想像します。Feinberg編曲の「チャイコフスキーの悲愴 第3楽章」はピアノ編曲史上の最高傑作です。一番最初にラザール・ベルマンの演奏で聞いた時はブッたまげました。オーケストラのあらゆる音が網羅されていて，しかもピアノ曲としての完成度が尋常ではありません。後半の20小説以上に及ぶ長いクレッシェンドの部分なんて，まさしく「ピアノの神・降臨！」です。この曲もマジで弾いてみたいなぁ。
寄寓にも私もこの2週間くらい久々にピアノ編曲ばかり聴いていて，上手い編曲はいいなあと思っていたところでした。ニコニコ動画，意外とyoutubeにはないマニアックなものがたまにあって，いいです。
例えば，楽譜つきファインベルクの悲愴。
いやあ，改めて楽譜見ながら聴くと非常によくできた編曲ですな。ちょっとした工夫で絶大なる演奏効果を生み出しています。コメントもピアノがよくわかっている人が書いていますね。
これは日本船舶振興会のＣＭテーマに似ているので，ある年代以上は原曲しらなくても楽しめるし，原曲知っている人でも，最後こうなってしまうのかと驚きの連続でしょう。とにかく段々盛り上がってくるのがいい。
個人的な掘り出し物では，ペトロフのパガニーニ超絶技巧練習曲
スタジオ放送動画。あのペトロフの伝説の録音に，実は画像がついたものがあったとは。それにしても，このときのペトロフは尋常ではないですね。
こういうの見てしまうと，ピアノが上手いって結局どういう事をいうのか段々とわからなくなります。今の若い人たちは安易に「ネ申」とか言うけど，こういう演奏を神という。
そして，知る人ぞ知る「ペトロフ演奏のパガニーニ練習曲」。これは大昔，FMでスタジオ録音が流され，たまたまそれを聴いていたピアノマニアの間で長く語り継がれている凄絶な演奏です。まさかそれに画像つきのデータが残されていたとは！
それにしても，若き日のリストがどれほどの超絶技巧の持ち主だったのか，唖然とするばかりです。現在，私たちが聞いているリストの『パガニーニ練習曲』は1851年改訂版で，これは一般人も演奏できるようにと「易しく」したものです。ところが，この練習曲の初稿である1838年バージョンはとんでもない怪物なのです。とりわけ，第4番と第6番の技術的難易度は尋常ではありません。一度この楽譜を見たら，1851年バージョンの第4番と第6番はまるでお子様バージョンです。
【06:00】
- 昨日，熱したフライパンに手が触れたという2歳の患者さんが受診されました。待合室でワンワン泣いていましたが，診察室で発赤のある部位にデュオアクティブETを貼付したところ，10秒くらいで泣き止み始め，30秒後にはニコニコしていました。熱傷の痛みにラップやデュオアクティブ，プラスモイストは著効しますね。「熱傷の湿潤治療」 をしている先生方には毎度おなじみの光景でしょう。
なぜラップやプラスモイストなどで，あれほど激しい熱傷の痛みがたちどころに消失するのかについては，拙書『ドクター夏井の熱傷治療裏マニュアル』で詳しく説明してある通りで，痛みの原因は受傷直後は熱刺激によるものですが，その後の痛みの原因は 「創面の乾燥（＝空気との接触）」 そのものです。だから，ラップ一枚，プラスモイスト一枚で痛みは消失します。
逆に，痛みの原因である 「空気との接触」 を遮断しない限り，熱傷の痛みは止まりません。だから，熱傷の疼痛にNSAIDsは無効なのです。以前の日本熱傷学会のガイドラインには 「熱傷の疼痛にNSAIDsは効果はない」 と書かれていましたが，その理由はこれです。
なぜ，鎮痛剤であるNSAIDsが熱傷の疼痛を鎮痛できないのか？ 理由は簡単で，表皮細胞は単独で痛み刺激をキャッチし，その痛み刺激に対し反応（＝ありとあらゆる痛み関連サイトカインを放出する）しますが，この反応に神経は関与していないからです。神経細胞が関与していないからNSAIDsは効果を発揮できないのです。
理由はNSAIDsの作用機序にあります。「痛み」 は通常，神経末端にブラジキニンなどの発痛物質が作用することで発生します。この痛み刺激を増強するのがプロスタグランディンです。NSAIDsはプロスタグランディン産生を抑制することで痛みを抑えていると考えられています。
ところが，熱傷やすりむき傷の痛みの原因は 「表皮細胞が空気に晒され続ける」 ことであり，乾燥刺激を受けた表皮細胞は 「痛み関連サイトカイン（表皮細胞が分泌するサイトカインとしては，IL-2，IL-6，TNF-αなどがある）」 を細胞外に分泌し続けます。それを周囲の細胞がキャッチしてブラジキニンやらプロスタグランディンやらを産生するわけです。
しかし，「表皮細胞が空気に触れて乾燥する痛み」 をNSAIDsが抑えているわけでありません。NSAIDsがあろうとなかろうと，表皮細胞は空気に被曝している限り，痛み関連サイトカインを出し続けます。
その結果，熱傷患者はSIRS（高サイトカイン血症）の状態になります。SIRSの状態になった結果，全身で水分の3rd spaceへの移動が起き，その結果として心不全，呼吸不全が起こります。同時に，腎機能も消化管の機能も傷害されます。いずれもSIRSの部分症状です。
そして，広範囲熱傷であればあるほど，空気に触れることで痛み関連サイトカインを分泌する表皮細胞の数は多くなり，分泌されるサイトカインの量も増加します。だから，より重篤なSIRS状態となり，全身状態は悪化します。これが，広範囲熱傷で全身状態が悪化するメカニズムです。
しかし，このSIRSのそもそもの原因は何かというと，「熱傷で損傷を受けた表皮が空気に触れている」⇒「乾燥の痛み刺激に対し，表皮細胞が痛み関連サイトカインを分泌している」 ことにあります。これに気がつくと，「熱傷では創面を空気を遮断するもので被覆すれば，表皮細胞は痛みを感じなくなり，表皮細胞からの痛み関連サイトカインの分泌が止まり，SIRSにならなくなる」 ということに気がつくはずです。
だから，Ⅰ度熱傷でもⅡ度熱傷でも，創面が空気に触れないように空気を遮断するもの（例：食品包装用ラップ，プラスモイスト，ハイドロコロイド被覆材）で覆ってやれば，表皮細胞からのサイトカイン分泌は停止し，SIRS状態になることもなくなり，心不全や腎不全が発症することもなくなります。これが 「湿潤療法をしていると患者の全身状態が悪化しない」 ということの謎解きです。
これが理解できると，重症熱傷でしばしば行われている 「鎮痛のためのオピオイド（モルヒネや合成麻薬）投与」 は 「SIRSによる全身状態の悪化」 を予防できないことに気が付きます。オピオイドが抑えているのはあくまでも中枢神経レベルでの 「痛みの感知」 であり，表皮細胞からのサイトカイン分泌を抑えているわけでないからです。つまり，いくら大量のオピオイドを投与したとしても，抑制できるのは中枢神経で感じる痛みのみであり，表皮が空気に被曝していればサイトカインを分泌し続けます。だから，「痛みは抑えられているのに全身状態は悪化する」 ということになります。
これは要するに，「外傷の痛みを麻薬で抑えているが，患部からの出血に対して治療をしているわけでないので，どんどん衰弱している」 のと同じです。治療のターゲットは痛みでなく出血を止めることなのに，「痛みさえ止められればいい」 と短絡的に考えるから麻薬投与しか頭に浮かばなくなります。その結果，鎮痛は得られているのに患者は出血で死にます。
「熱傷の鎮痛にオピオイド投与」 はこれと同じです。だから，鎮痛は得られているのに患者は死にます。オピオイドではSIRSを抑制も治療もできないからです。
このように考えると，熱傷治療では湿潤治療が唯一まともな治療，本質的な治療，根本的な治療であることがわかります。湿潤治療（＝創面をラップやプラスモイストで覆う）は 「創面と空気の接触を遮断」 するからです。
以上のロジックの流れを，フローチャートにまとめられないかと考えているところです。 - 【海の生物は痛みを感じるか？ 議論再燃】
・・・となると，この論争ももしかしたらナンセンスかも，という可能性が浮かび上がります。ここでは 「痛みは末梢神経が関与する」 ことを大前提に研究を進め，互いに論争しているからです。人間の表皮細胞はそれ自体が刺激センサー機能を有していて，しっかり機能しています。恐らくこれは，全ての多細胞生物が共通して持っている機能のはずです。
25億年前に誕生した最初の多細胞生物は無胚葉生物（＝表面しかない生物＝外胚葉生物）でしたが，外界（＝環境）の変化を常にモニターしている必要があったからです。そしてその 「モニター機能」 は 「センサー」 に進化し，二胚葉生物では分散神経系として独立器官となり，三胚葉生物への進化とともに現在の 「神経系」に進化します。だから，中枢神経系は外胚葉由来なのです（拙書『傷はぜったい消毒するな』参照）。
- 【馬肉偽装問題，食文化を考える契機に】
ヨーロッパにおける 「馬肉食」 についてはこの本が非常に詳しいです。例えば，フランス革命以後のフランスでは馬肉食が一般的でした。これは，20世紀初頭のパリを舞台にしたフランス映画で，しばしば「馬肉屋」が登場することからも窺い知ることができます。つまり，当時のフランスではパン屋や警察官や雑貨屋と同じように，「馬肉屋」という職業があったのです。
ちなみに馬肉を忌避していたのはイギリスの貴族で，イギリス以外の国では馬を食べることをタブー視した国家・文化はありません。「馬こそ命」のモンゴル帝国でも，死んだ馬は食糧としていました。アメリカで馬肉を食べなかったのは単に，牛肉や豚肉が馬肉よりはるかに値段が安かったからです。 - 【全哺乳類共通の先祖判明！ これがあなたのひいひいひい...ばあちゃんのネズミですよ（動画あり）】
私は生命進化オタクなので，こういう記事は大好きです。6500万年前の白亜紀大絶滅の際，哺乳類で生き残ったのがこの一系統のみかどうかは，まだ議論が分かれるところですが，少なくともこの一系統が生き延びてくれなければ，今日の私たちは地球に存在しなかったかもしれません。
そういえば，白亜紀の恐竜については 「日光を浴びてビタミンDを活性化する必要があった」 から，6500万年前の隕石衝突で絶滅したという説がありますね。実際，爬虫類でも日光を必要としないビタミンD代謝を持っているカメやワニは恐竜絶滅をよそに生き延びたのが何よりの証拠なんだとか。
【10:00】
- 3月16日（土）に中野サンプラザで講演しますが，主催者のアンツィアーナから 「懇親会の場所が決まりました」 と連絡が入りました。中野駅北口の「熟成肉の名店」 Tsui-Teruです。私も何度かこのお店（なかなか予約が取れないことで有名）で食べたことがありますが，お肉もワインも美味です。しかも値段はリーズナブルで，フルボディ・フルボトルの赤ワインが2400円！
講演と懇親会の参加申し込みはこちらからお願いします。
【08:30】
- 毎日，数通の「医療相談メール」をいただきますが，対処に困っているのが時々舞い込む「封筒に入った手書きの手紙」です。中には墨香鮮やかな達筆の毛筆の手紙もあったりします。こういう手紙に対し，返事が書けなくて困っています。
気軽にメールで相談してくれれば，こちらもメールで返事をすぐに出せるのに，なぜ今時，手書きの手紙なんだろうかと思ってしまいます。パソコンにも携帯電話にも触ったことがない，メールなんて見たこともない高齢者の方かと思うと，小さな子供のお母さんからの手紙だったりします。こんな手紙をかくヒマがあったら，さっさとメールを出せよ，と言いたくなります。
だって，手紙を書くのって面倒なんだもの。手紙なんて15年くらい書いたことがないから，手紙を書くにはまず，「手紙の書き方」というマナー集を紐解くところから始め，マナー集のフォーマットに合わせてパソコンで文章を書き，印刷し，封筒を買ってきて印刷した紙を入れ，切手を貼ってポストに投函しなければいけないんですよ。考えただけでうんざりします。
多分，手紙で相談してくる人って「メールで相談するのは失礼，手書きの手紙で相談するのが正式」と考えているのかもしれませんが，それに答える側（＝私）の都合を全く考えていません。むしろ，手紙のほうが相手に手間を取らせ，時間を奪っているわけですから，かえって失礼じゃないかと思います。
というわけで，私の机の片隅に数通の手書きの手紙が積み重なっています。返事を書かなければいけないのはわかっているのですが，返事を書いて印刷して切手と封筒を買って・・・という手間を考えると，つい後回しになってしまうのです。
というわけで，治療に関して質問がある方はメールでご相談下さい。手紙で相談しても，多分未来永劫，返事は返ってこないと思います。
【06:00】
- ピアノ関連・・・と言えなくもないニュースについての情報です。
最近ピアノの話題で盛り上がっていらっしゃり大変興味深いですが，こんな記事を見つけました。ハイアールのPCです（ハイアールって白物家電だけではないんですね。）この 「楽趣Q9」 ですが，どこからツッコんだらいいのか困っています。
【ピアノPCに57万円のスマホ!? 中国でバブリーな品々がアツい！】
余談ですが，私もエレクトリックギターを40年ほど弾いています。
就職後転勤などで各地に異動していた学生時代のバンドメンバーが，4月の人事異動で東京に集合することになりました。約30年ぶりのことです。再活動予定ですが，今はライブをやらなくてもyoutubeなどで発信できますからいい時代になりました。
鍵盤は5オクターブ，60鍵程度ですから，子供にピアノを習わせる用途には向いていません。ピアノを習わせるのであれば普通のピアノかタッチのいいデジタルピアノかどちらかを買うはずです。となると，ターゲットは「ピアノ学習ソフトでピアノを弾けるようになりたい」と考える人間しか思い浮かびません。そういう人間がどのくらいいるんでしょうか？
パソコンの液晶画面が譜面台になるというのは面白いアイデアですし，このくらいの液晶サイズなら「ピアノ楽譜見開き2ページ」を表示させてもいいでしょう。問題は，ピアノの鍵盤の上にコンピュータのキーボードが乗り，更にその上に液晶が乗っているために，楽譜を見上げる姿勢になります（通常，楽譜は目と同じ高さかそれより低い）。つまり，首が疲れます。
あと，ピアノを練習した後にパソコンとして使おうとすると，椅子をかなり高くしないとコンピュータのキーボードは使えないはずです。つまり，ピアノの椅子と別にコンピュータ用の椅子も必要になるような気がします。 - 先週ずっと，「ホロヴィッツの星条旗」まみれ（？）の生活だったわけだが，この曲を練習している時に，安全域とか治療域という言葉が浮かんできた。
薬には「これ以下の濃度だと効果がない，これ以上の濃度になると毒性の方が強くなる」という濃度が存在する。薬として成立する上限と下限の濃度があり，両者の間の濃度が治療域，つまり「効果はあるが毒性はない」という濃度となる。実はこれは，あらゆる楽器演奏に通じることなのだ。
「星条旗」はスーザの作曲した行進曲だ。行進曲である以上，ノロノロ演奏すると行進曲ではなくなる（テンポの遅い行進曲は「葬送行進曲」である）。つまり，ある程度軽快なテンポで演奏しなければいけない曲である。一方，テンポが速くなるほど演奏は難しくなる。特にこの「星条旗」クラスになると，演奏の難易度はテンポで指数関数的に上昇する（難しくなる）。易しいピアノ曲なら2倍のテンポで演奏するのは難しくないが，「星条旗」では「ノーミスで演奏できる」テンポよりちょっと速いテンポで弾くと，途端にミスタッチが頻発するわ，音が抜けるわと，演奏精度はがた落ちになってしまうのだ。
このように考えると，よほど演奏テクニックに恵まれている人以外，この曲は「安全域」が極めて狭い曲だろう。私のようなへっぽこピアノ弾きの場合，「行進曲として聞こえるギリギリ遅いテンポ」と「ミスなしで弾けるギリギリ速いテンポ」の差はわずかしかなく，「行進曲として聞こえるが演奏ミスもない」テンポ（速度）はほとんど一点に収束してしまう。だから，テンポ設定という意味ではほとんど綱渡りみたいなものである。
このような「治療域，安全域が狭い薬」はジギタリスのように枚挙にいとまがないが，中には「治療域・安全域がない」というとんでもない薬剤も存在する。ほかならぬ消毒薬である。
消毒薬とは細菌を殺すための薬剤だが，「細菌を殺せる最低の濃度」は「人体に害がない最低の濃度」を上回っているため，「細菌は殺せるが人体に害がない」という安全域・治療域が存在しないのだ。つまり「効果はあるが害はない」濃度が存在しないのである。つまり，消毒薬とは「細菌を殺そうとすると人間にも害があり，人間に害がないようにすると細菌は死なない」というトホホな薬剤なのである。 - 【ヒーローごっこをしていた小学2年の男子が『想像上の手榴弾』を投げたふり→教師が見つけて停学に】
この論理で行ったら，学校の給食でナイフを使うのは禁止にしないといけないし（食事に使うナイフは，ヨーロッパ中世時代，ローストした肉塊を大皿に盛り，それを主人が武器である剣で切り分けたのが始まり。その後，会食者がそれぞれナイフを持参するようになり，後に主人が人数に合わせてナイフを用意するようになった），GPSもインターネット（いずれも軍事目的で開発され，後に民用に転用された）も禁止しなければいけません。ダイナマイトも現在は主に掘削用に使われますが，最初は大量破壊兵器として使われたはずです。
【15:00】
- 「糖質制限小説を読んでいます」というメールです。
昨日，甘い罠 小説 糖質制限食 という本の電子版を購入して読んでみました。著者は，医療系でも理系でもなく，佛教大学出身とのことで，仏教的な視点で，糖質制限の人類における意味を書いていらっしゃいます。ストーリーとしては，深みにかけるとは思いますが，よく勉強されている感じは出ています。
とにかく，医療と関係ない方が，小説にしてしまうまで，糖質制限が世の中に広まっていることに驚きました。
- ピアノサイト時代からの知り合いからのメールです。
最近ピアノネタが良く顔を出していて，楽しいです。星条旗，話題になったのではないでしょうか？
夏井さんのＨＰから知らなかった作曲家の話とか，曲とか知り，最近，私のピアノ環境が豊になってきました。グレインジャー，セヴラック，どんな曲かＹｏｕＴｕｂｅで聴きました。綺麗な良い曲がありますね。何か練習してみようかなと思いました。練習しようかなと思う曲が最近増えて来ました。
星条旗もしようと思っているし，楽しみです。
あっ，グレインジャーのIn Dahomeyが良いなと思いました。
【08:30】
- 久しぶりに「ピアノどっぷり生活」をエンジョイしておりますが，こうなると次に練習・マスターする曲を考えちゃいます。易しい曲を練習してもつまらないので，どうせやるなら「難易度かなり高めで派手」のものを選びたいところです。そこで候補に考えているのは次の二つ。グレインジャーはそんなに難しい曲じゃなさそうですけど，私はこの曲が大好きなんですよ。
【06:00】
- 高圧ジェット洗浄装置による両手裂傷の治療例を追加。小指球部の裂傷は筋層内に達していましたが，縫合せずにきれいに治っています。もちろん，縫合しないことによるトラブルも起きていないし，創感染も起きていません。やはり，手掌裂傷は縫合する必要がないというのは正しいです。
- 今度は「切痔とワセリン」というメールです。
私は痔持ちではありませんが，１年スタンダード糖質制限を続けた結果，便のサイクルが安定したということがあります。それまでは，過敏性腸症候群ポク，一日に何回も大便がでて，下痢も多かったです。これが，糖質制限のせいだと思いますが，朝１回というサイクル（最近２回もありますが）になりました。先日も書きましたが，いぼ痔にワセリンは無効ですが，一方，裂肛にワセリンは著効します。そもそも，いぼ痔と裂肛は発症原因が異なりますから当然です。
またここで便質が固くなったことが顕著です。下痢はほどんどなく，ほぼ固い便です。
しかし，この硬い便は，逆に肛門にはちょっと問題です。最近特に肛門裂傷気味になっており，このままいく痔持ちになりそうでこわいです。
今日もかなりとんがった痛みがあり，そうだワセリンを塗ってみようと塗ってみたのです。これが著効です。塗ってすぐ痛みが消失しました。
場所が場所なので，どうかと思いますが，肛門の裂傷にはワセリンいいと思います。まあ傷ですからロジック考えれば同じですよね。 - 一昨日，恥ずかしながら人前で「ホロヴィッツ編曲の星条旗」を演奏してしまった。祝賀会ということもあり，参加者のほとんどが真昼間というのにベロンベロンに酔っ払っていましたから，それに乗じてなんとか弾いちゃいました。最後まで止まらずに弾いたというだけで御の字・・・というレベルの演奏ですけどね。お笑いにならなくてよかったです。
その余勢をかって（？），昨日，銀座の〇〇楽器と▽▽楽器で展示してあるピアノを弾かせてもらいました。もちろん，弾いたのは「星条旗」。某社のフルコンのグランドはすごく弾きやすかったです。やはり，グランドピアノのタッチはいいなぁ。
で，〇〇楽器の楽譜コーナーでセヴラックの 『セルダーニャ』 を購入。以前，ピアノのサイトを作っていた頃夢中になって練習した大好きな曲集です。その後，引っ越しなどで楽譜を紛失しましたが，また挑戦してみようかと思います。特に第4曲目の 『リビアのキリスト像』 は真摯な祈りに満ちた感動的大傑作です。 - 「私もピアノ練習を再開」というメールです。
星条旗の演奏は，どうだったのでしょうか？ ホロヴィッツの星条旗を，人前で弾くというのは，すばらしいです。そうそう，Graingerの「チャイコフスキーのコンチェルトの冒頭だけ ＠ピアノソロ用」というアレンジがありましたね。派手で，見栄え・聴き栄えがよく，しかも派手な割にはあまり難しくないという，素人受け間違いなしという編曲です。楽譜は大きな楽譜屋さんなら結構見つけられると思います。どうしても楽譜が見つからない，という場合はメールでご連絡いただければ何とかします。
あのエッセイ(星条旗のことですね)をよんで，私も，ちょっとだけ ピアノでまた練習しはじめました。さてさて，どうなることか・・・
私もピアノレパートリーは，何曲か持っています(ちょっとまじめな所では，ラフマニノフの鐘， クリスマス用に，ホワイトクリスマスのポピュラー編曲，お洒落なパーティ用には，星に願いや，虹の彼方にの優しいジャズ風，そして，ショパンのワルツや，サティの数曲・・・)。年をとって，レパートリーは，増えないのですが・・・
昔，夏井様が，ある程度簡単で，派手で，かっこよく弾けると思われるピアノ曲を何曲か，書いていたのを覚えていますか？ その時，『グレインジャー編曲のチャイコフスキーのピアノ協奏曲の最初だけ』というのを紹介していました。
何十年も前にちょっとだけ練習したのですが，指というのは，覚えているものですね。もちろん，完璧には弾けませんが，なんとなく弾けるものです。これも，ちょっと今後，練習してみようと思います。(なんせ，これ，かっこいいし，4分少々だし・・・)
ちなみに，私はGraingerフリークでして，現在でも私の数少ない「演奏可能レパートリー」として，『フォーレの夢のあとに』，『ロンドンデリーの歌』をキープしています。どちらも素晴らしい編曲です。
2013/02/10 ・・・[09:00]
【009:00】
- 今日の午後，人前で『ホロヴィッツの星条旗』を演奏します。まぁ，はっきり言って，思いっきり無理で無茶で，とても人様にお聞かせできる代物じゃないんですが，行きがかり上，こうなってしまいました。人生にはこういうことがよくあります。
今日の午後，高久史麿先生（当院の最高顧問，地域医療振興協会会長，自治医科大学学長など）の瑞宝大綬章の叙勲祝賀会があり，以前から出席することになっていました。
一方，日本医事新報1月26日号に私のエッセイ『ピアノの神 ホロヴィッツ』が掲載されます。
これだけならごく日常的な風景なんですが，エッセイを読んだ某先生が「祝賀会の余興としてホロヴィッツを演奏してもらおう」と思いつき・・・という経過をたどります。そして，当院院長先生から話があったのが2月6日！！ オイオイ，絶対に無理だって。ピアノ演奏では，「弾ける」というレベルと「聞かせられる」レベルはまるで違います。そして私は「弾ける」レベルですらないのです。しかも本番は4日後！ 絶対に無理だよ！
でも，引き受けることにしました。おめでたい席での景気づけには悪くない曲ですし，しかも会場にはピアノが弾ける先生は多数いるかもしれませんが（医者で楽器演奏が趣味という人はかなりいますからね），この曲を弾いたことがある人間は一人もいないはずです。ミスしようが，途中で止まろうが，途中で弾くのを止めようが，誰も気が付かないはずです。
風車に突っ込むドン・キホーテの如く，アイガー北壁にサンダルと素手で挑むように，『ホロヴィッツの星条旗』に挑戦してみます。たまには，派手な玉砕的演奏も悪くないでしょう。
2013/02/09 ・・・[09:30]
【09:30】
- 糖質制限についてのメールです。
糖質制限食について講演するために，糖質0食，一日一回食を提唱している釜池（かまいけ）先生の本を買いました。そこにおもしろい記述を見つけました。
医者にかかってはいけない！
糖尿病，あるいは糖尿病予備軍と言われても，絶対に医者にかかってはいけません。医者が何とかしてくれるだろうと思うのは幻想です。医者に，かかると，確実に状態は悪化します。
例え血糖値が下がったとしても。その通りとうなずきました。
まあ，最近は糖質制限に理解のある医者がぽつぽつと出てきたので，糖質制限に理解のない医者にかかってはいけない。といえるかと思いますが。以前から疑問に思っていたのですが，糖質制限において，果糖とかオリゴ糖などの砂糖以外の糖類，そしてその他甘味料（キシリトール，ステビア，など）はどのような分類になるのでしょうか？
実は先日，テレビ東京【エル・フォー・ユー】で白澤卓二先生が，人工甘味料でも甘さを感じるとインスリンが出てしまうといったお話をされていたので「糖質制限」の定義はどこが基準になるのか混乱してしまいました。
これ(前述）は糖尿病患者に関してのみの注意点として理解して良いのでしょうか？糖質制限との因果関係はわかりませんが報告を一つ。
数年前に，「視神経乳頭陥凹・眼圧亢進・緑内障の疑いあり」，といわれ，定期的に検査を受けているんですが，今日，3ヶ月ごとの眼圧検査を受けたところ，両方14とかなり下がっておりました。最初の頃は異常値でも低値。ここ１～２回はは正常値上限ギリギリだったんですが，こんなに下がっていたのには自分でも何がどうしたやらと，謎。どちらかというと最近パソコンの見過ぎで眼疲労が強いような気がしています。
こんなところにも糖質制限は影響するんでしょうか？ 他にもこのような方はいらっしゃるんでしょうか？ ちなみに当方，49歳・男性です。糖質制限をされている乳がん患者さんがお元気でお過ごしの様子を聞き，とても励まされる気持ちがしました。糖質制限がよい傾向をもたらしてくれることを，もっとがん患者さんが知る機会があればよいのにと思います。
私も今年の１月４日から糖質制限を始めました。がん予防ほか病気の予防になると思ったからです。私は５０歳なんですが，何の努力もなく，２５歳ころの一番スリムで美しい？頃の体重にあっという間に戻りました。２キロ減くらいなのですが，その２キロを減らすのは至難で，今までかなったことがなかったのに。体調も良く，私はとても元気です。
がんの再発をした私の友人を，励ます毎日です。もっと早く糖質制限を知っていればよかったです。でも，気がつきわかったことから，頑張ります。 - 「湿潤治療の信奉者です。しかし，いぼ痔にワセリン塗布をしても効きません。なぜでしょうか？」という質問メールをいただきましたが，返事が届きません。複数のメールアドレスから返事を出しても一切届きません。質問をする場合は，返事が受け取れる設定にしてからにして下さい。
ちなみに，返事は以下のとおりです。
痔疾は湿潤治療しても治りません。
痔疾が治らないの原因は「乾燥」ではなく，「痔核の鬱血」だからです。
痔核の鬱血の原因は様々あり，その一つが肥満です。
肥満の治療といえば糖質制限です。
もっと論理的に考えましょう。
世の中は全て「原因」⇒「結果」です。
【15:00】
- 【登山家・栗城史多 指切断望まない】
このニュースに関連して，多くの人から「凍傷の指も湿潤治療で治せますか？」というメールを多数いただいていますが，凍傷だろうが熱傷だろうが外傷だろうが，壊死した部分はこの症例と同じように治療をすれば，壊死組織と生きている組織が次第に分離し，自然に上皮化します。凍傷だから特別な治療が必要なわけではありません。
この登山家の主治医が，そのあたりがわかっている医者なら切断せずに治せるし，わかっていない医者なら切断・断端形成しか治療法を知りません。
【13:30】
- 今日は朝から山口県の花岡先生が見学に見えられています。午前中は目が回るほど忙しくて，ろくに説明するヒマもなかったです。こちらにもう一泊なさるということなので，夜は病院近くの居酒屋さんで食事をしながらゆっくり話をしようかと思っています。
- 糖質制限についてのメールです。
たまたま，私の患者さんで，久しぶり(1年ぶり)に外来に来たら体重が35kgも(110kgから減量)した方がいます．糖質制限をやったとの事でした.私が糖質制限を勧めた訳では無く，自分で，やったとの事でした．
素晴らしいなと思いましたが，よくよく聞いてみると，東京の某有名トレーニングジムで指導されたとの事，それは，それは良かったと思っていたら，とても高額な指導料(えっと聞き返したくらいです)，且つ，医師が関与していないと聞き，これは怪しい，危ないと思っています．
こう言うところで，何かおこったら，それこそ，糖質制限が危ないと言われそうで心配です．いずれ，事故が起きるのではと危惧しています．
どうもいろんなプロテイン，大豆製品なども，売っているようです．
本人が納得して，料金を払っているのだから，それはそれで良いのですが．．なんか，危ないなと思っています．
【08:30】
- 現在読んでいるのが『古代文明と気候第変動』という本。これは面白いです。特に，農耕開始以前の人類の食生活についての知識が半端でなく，私が知らない知識が満載です。
【06:00】
- 「熱傷を湿潤治療している医師」，「粉瘤の治療をしている医師」に，埼玉県所沢市の双葉クリニック／小野田忠先生を追加させて頂きました。
- クワガタムシみたいなチンケなモンスターが登場するしょーもない映画，《STAG スタッグ》をレビュー。見るだけ時間の無駄・・・ってやつね。
- ある外科の先生からの糖質制限についてのメールです。
私も糖質制限を初めてもうすぐ一年が経過致します。
ようやく同僚や先輩方に，自分が劇的に痩せたことに気づいてくれるようになり，大変うれしく思っております。日常診療においても，少しずつ患者さんに糖質制限をおすすめするようになり，一人二人と実行してくれる方が増えつつあります。
さて，先日日本医師会雑誌の2月号が送付されてきたので，パラパラと眺めていると，
「臨床医のための食事療法のポイント No.43 高血圧症の予報と生活習慣の改善ー日本型食生活の意義ー」なるコーナーを見かけました。内容はなんとなく予想できていたのですが，やはりありきたりのことばかり書いてあり，見る気が失せてしまいました。
「ごはんを主食とする食文化を守り・・・」「主食としての米飯を中心として・・・」「ごはんをとる機会が多いほど血清コレステロール値は低下するという報告もある」などなど。
ごはんはタンパク質を含むと記載しておりましたが，米飯150gあたりタンパク質は3.8g程度しか含まれていないことをご存じなのでしょうか？ どの記事も大学病院や有名研究所の教授や部長先生が書かれておりますが，糖尿病や高血圧症などの治療専門医こそ，真実を最も理解されていないんだろうなと思いました。
先生のご感想をお聞かせいただけると幸いでございます。 - 糖質制限についてのメールです。
【Systematic review and meta-analysis of different dietary approaches to the management of type 2 diabetes】ではローカーボと低GI 地中海ダイエットなどのRCTのシステマチックレビューですが，糖尿病には地中海ダイエットが一番いいかもとなっています。
ローカーボの成績わるすぎます。ローカボであって糖質制限ではないですし，ちゃんとした糖質制限ならA1Cの減少や体重減少はもっと効果大きいはずです。
【12:00】
- 1ヶ月ぶりに「糖質制限をしている乳がん局所再発」の患者さんが受診されました。
体調はすこぶる良いとのことで，旦那様がインフルエンザに罹ったというのに，この方はインフルエンザの予防接種もしていないのに風邪一つひいていないそうです。また，昨年まではすごく寒がりで冷え性だったのに（ちなみにヤセ型の小柄な女性です），糖質制限後は体がポカポカして寒さを感じていないそうです。
また，何より顔色が良くて元気そうです。4ヶ月前の初診の時の暗い感じはどっかに行っちゃって，生気に満ち溢れているような印象を受けます。「この外来に来て，先生のしょーもない雑談を聞いて帰るだけで，なんだか元気になるんですよ」と仰られていました。しょーもない雑談も時には役に立つようです。
局所再発した乳がんの状態に目立った変化はありませんが，依然として創面からの出血はないし，何より悪臭が全くありません。普通の 「傷の臭い」 だけです。以前，あれほど悩まされた 「皮膚に穿破した乳がんの悪臭」 が全くない事にびっくりしています。
【10:30】
- 「40代の看護学生」さんからのメールです。
糖尿病・高血圧の家族歴があり，酒・甘いもの・しょっぱいものが好き，アトピーあり…加齢とともに自身の健康に不安を感じることが多くなりました。またメタボな夫と，アトピー性皮膚炎の4歳児がおり，彼らの健康にも気を使うことが多いのです。
ひと月ほど前に，ふとしたことから夏井先生のホームページを知りました。そして，シャンプーレスとワセリン基礎化粧品化計画，糖質制限を実行するに至りました。実際に行ってみての感想・結果です。
【シャンプーレス・ワセリン使用について】- 子どもが就寝中，痒がって起きることがほとんどなくなった。ステロイド軟膏もほとんど使わなくなった。
- 臭いやべたつきが出るのが心配だったけれど，これは全くの杞憂だった。驚くほど何ともない。
- ワセリンを手に取った時や，塗る時の形状の変化が面白いらしく，子どもが自分で保湿をするようになった。
- シャンプーや基礎化粧品を購入する必要がなくなった。（今までは，スーパーやドラックストアでは入手できない物を使っていたので，買うのが大変だった。）
- 旅行の時に，シャンプー・ボディソープ・基礎化粧品などなど，ボトル詰めしていたのが不要になる。ワセリンだけあれば良いので，とても楽になった。
【糖質制限について】- 「飢えている感じ」（常に小腹がすいているような…お店に行くと甘いものをつい買ってしまう…など）がなくなった。
- 食べた後の眠気がなくなった。
- 夫は2週間ほどで約3㎏体重が減り，ベルトがゆるくなってきている。
- お米やビールを買う頻度が減り，買い物が楽になった。
どちらも行ってみると，「なんだ，無くても良いんじゃん。今まで縛られていたものが無くなって楽だなぁ…。」という感じです。以前禁煙した時と似た感覚です。煙草は，百害あって一利なし。糖質やシャンプーとは比較にならないかもしれませんが。
先生も書いておられましたが，「次は何をやめてみようかな…。」と思わずにはいられません。シンプルな生活って良いものですね。無駄を省くことの大切さを感じる良い機会となりました。
【06:00】
- 先日紹介した『幻の楽器 ヴィオラ・アルタ物語』関連のメールをいただきました。
ヴィオラ・アルタのCDを購入したところ，著者の平野さんから，メールを頂いたので，夏井先生のサイトを紹介しました。先生にお礼を伝えてくださいとのメールを頂きました。いやはや，世間は狭いです。
夏井先生のホームページを拝見しました。拙書ご推薦，全くもって恐縮です。また先生の，クラシック音楽に対する情報収集力に驚いております。
また偶然ではありますが，ご近所の呑み仲間の方が，夏井先生のご専門の治療法により火傷の治療時に助けられております。世間は広いようで，狭いですね。 - 「ウイルスブロッカー」の論文についての追加情報です。
この論文の著者，柴田仁氏は「クレベリン」製造メーカーである大幸薬品の会長ですし，参考文献にちょくちょく出てくるTakashi Shibata＝柴田高氏なる人物は大幸薬品社長です。よくある話ですね。
有名なところでは 「マイナスイオン」 もそうだったと思います。マイナスイオン関連商品を出している有名家電メーカーが 「マイナスイオンの効能効果」 の証拠としてあげている論文をたどるとたった一つの論文に行き付き（つまり，元論文は1つだけで，他の論文はそれを引用しただけ），しかもその元論文のデータがインチキだった，というのが暴かれてしまい，それで有名メーカーはマイナスイオンをうたった新商品を出さなくなった，と記憶しています。ちなみに，その「マイナスイオンの唯一の論文」を書いたのが，マイナスイオン発生器で特許をとった人物とのことです。
「論文＝エビデンス」と考えるとこういうインチキに引っかかります。同様に，「科学論文は善人が善意で書いたものだ。悪人が悪意を持って書いた科学論文はない」 とする性善説も危ないです。悪人にコロリと騙されます。
あと，一昔前の日本物理学会だったかその関連学会では，学会に所属さえしていればどんな内容でも学会発表させていた時期があり，超能力から超常現象までなんでもアリだったそうです。そして，「日本物理学会が効果を認めた」 とか 「日本物理学会で大反響」 という枕詞をつけたインチキ商品が山ほど出回ったそうです。 - 「糖質制限と小麦アレルギー」についてのメールです。
一般人です。糖質制限を始めて７ヶ月になります。糖質制限を始めた理由は，
- 母が糖尿病で，私自身も血糖値がやや高く，正常値と境界線型の範囲を行ったり来たりしていたから。
- 私自身が，小麦アレルギー（運動誘発アナフィラキシー）だったので，糖質制限食は都合がよかったから。
ダイエット効果は当たり前。始めて３ヶ月ぐらいが一番体調が良く，効果は…
- 眠たくならなくなった。
- 勤務時間が不規則なんですが，寝不足でも頭が痛くならなくなった。
- 常時下痢気味だったのが改善された。
- とにかく体調が良く元気になった。
始めて５ヶ月あたりで少し効果が停滞気味といいますか，また眠気が出てきたことと，下痢することが多くなりました。しかし全体的にはメリットの方が多く，ある程度停滞するのは仕方ないかと思っていました。
そんな中，先日ネットで小麦アレルギーについて調べて見たのですが，原因は小麦に含まれる小麦タンパクだとのことでした。小麦タンパクといえば…
今，食べているふすまパンに含まれる成分であり，小麦アレルギーの私にとっては小麦を食べるより悪いんじゃないのか？と思い，ふすまパンはやめました。最近は，運動をすることが少なく，ふすまパンを食べても，アナフィラキシーで倒れることはなかったのですが…
パンをやめてから１週間になりますが，下痢がなくなりました。下痢も小麦アレルギーの症状の一つとのことでしたので，改善できていたら嬉しいと思っています。また体調も良くなれば良いと思っています。 - 「糖質制限とアトピー」についてのメールです。
医療メーカーに勤務しています。
糖質制限とアトピーについてですが，食後高血糖＆インスリンの過剰分泌による低血糖症で，血糖値を上げる為に副腎皮質ホルモン（抗炎症作用，免疫抑制作用あり）を無駄使いしていることが主因でアトピーの症状が出ている場合には，糖質制限にステロイド剤と同じ直接的な効果があると言えそうです。
長年，糖尿病治療を受けていると糖質制限しても血糖値が下がらない体質になってしまうことがあるように，既にステロイド剤を使い続けて効きにくくなっている人は糖質制限しても効果が薄いのかもしれません。
石鹸もボディーソープもシャンプーも使っていなかったの自分の子供にアトピー様の湿疹が出たのですが，浴槽には浸からず，ぬるま湯のシャワーで局部だけ洗い，たまに洗面台で洗髪するだけのところまで入浴制限したら具合が良いです。
防水フィルムやハイドロ救急パッドを貼るだけでもすぐに痒みは治まるようですが，通気性が悪いせいかある程度までしか良くなりません。
プラスモイストDCをテープで固定し，寝ている時に掻いたりしないように くっつく包帯を上から巻いて補強したらようやく治りました。 - 「インフルエンザ検査」についての一般の方からのメールです。
そもそも検査の必要性があるのか？と感じています。
パターンA- 風邪をひく
- 病院で【検査】をする
- 検査で陰性のため，一般的な風邪薬を処方
- その後グッと熱が出る
- 【再検査】する
- 陽性なのでインフルエンザ治療薬を処方
パターンB- 風邪をひく
- 時期（症状）的に疑わしいのでインフルエンザ治療薬を処方
- 薬のおかげかどうかはわからないがひどくならないまま治る
周りで聞く範囲でもパターンAの場合をよく聞きます。しかもインフルエンザ治療薬は発症後48時間以内の服用で効果的とされているはずですが，検査結果のみで判断して処方しない。
- 発生直後は検出率の低い検査
- 発生直後のほうが効きやすい治療薬
検査して患者は減るんでしょうか？楽になるんでしょうか？
なんかおかしいような気がします。 - 【サンコー，外部機器からダイレクトに録画や録音できるメディアプレーヤー】
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【14:00】
- 糖質制限とアトピーについてのメールです。
今日の「アトピー性皮膚炎と糖質制限」をみてちょっと怖くなりました。私はこの「糖質制限とアトピー」については次のように考えます。
この話自身はよく考慮されていると思いますが，何にでも効く特効薬扱いはそれはそれで危険かな・・と思っています。
ソフトの開発で開発作業に「銀の弾はない」という言葉があります。狼男を倒す必殺の「銀の弾」のようなすばらしい開発の仕方などなく，いろいろなやり方をその時に合わせて使っていくという話です。
ソフトで開発のやり方（パラダイム）はその時の流行りでいろいろ出てきています。しかしその時に必ず話されるのが「銀の弾はない」です。その時に物に合わせて，古臭いのから最新のまで一番いいのもを使うのが本当の技術者と考えらています（・・・のはず）
＃ 蛇足ですが「車輪の再発明」てのもありますが，糖質制限も再発明ぽいところありますね。
アトピーに効果はあるのは確かでしょうが，間接的な効果なので，選択肢の一つして当人が選択していく形でないと誤解が生じやすいのではないでしょうか？
もちろん糖尿病には直接的な効果ですから言わんでもないですが，その他の効果は基本的に体が健康になる事に付随するものですので
＃ ちなみに私個人は糖質制限では今の処アトピーに変わりないです。
あと，そろそろ糖質”制限”て言葉がどうかな？と思います。制限でなく，適正バランスをとるって意味の言葉でなんかいいの無いですかね？？＾＾
- アトピーのように病態がよくわからなくて，しかも患者が多い疾患については，生活環境とかが関与している部分が多いのでは，と推理できる。
- とりあえず，要因と思われるものを一つづつ抜いていく。ここで重要なのは「抜く」ことであって，この時点ではワセリン以外のものは「足さない」。
- 簡単に手軽に「抜ける」ものから順に抜いてみる。例えば，ボディーソープ，シャンプー。それでも改善しなかったら糖質を抜いてみる。
- それでかなりの患者が改善する（・・・はず）。
- それでも改善しない場合は別の要因なので，あとは患者一人一人に合わせて原因と考えられるを抜いていく。
- そこまでやっても治らないアトピーに対して，初めて何かを「足して」やる。
これは，他院から逃げてきた「治らない潰瘍」の場合も同じです。まず最初は処方されている薬を抜き，消毒薬を抜き，乾燥させる原因を抜いていきます。その上で乾燥を防ぐ手立てをします。これで大抵の潰瘍は治ってきます。それでも駄目な時，初めて他の原因を探り，軟膏を加えていきます。場合によっては壊疽性膿皮症を疑ってステロイドを内服させたりします。
つまり，徹底的に引き算をして「何もない状態」に戻し，その上で足し算をしていくわけです。屋上屋を重ねるような治療だと奏功しません。とにかく最初に創面を「初期化」しないとダメではないかと考えています。
【13:00】
- ウイルスブロッカーについての情報メールです。
ウイルスブロッカーに関して話題になっていますが，うちの医師会のメーリングリストでも話題になっていため，コメントするために少し調べてみました。
するとクレベリンに関して自衛隊を対象とした実験のデータが見つかりました（添付ファイルの「二酸化塩素放出薬のインフルエンザ様疾患に対する予防効果」です）。
まず，グーグルで「二酸化塩素 エビデンス」で検索したところ，【低濃度二酸化塩素ガスによる空間浄化】というページがヒットして，この参考文献の5（二酸化塩素放出薬のインフルエンザ様疾患に対する予防効果）と6（Effect of chlorine dioxide gas of extremely low concentration on absenteeism of schoolchildren）をダウンロードしてみてみました。前者は自衛隊で行われた前向きコホート実験で，後者は学童を対象とした後ろ向きコホートです。
前者では片方の建物で二酸化塩素放出薬を使用して（対象者数345名），もう片方では使用しない（442名）で，2009年1月19日から3月13日までの54日間インフルエンザ様症状（38度以上の発熱，上気道症状あり，他の疾患ははっきりしない）の発症率と迅速検査結果を調査しました。背景因子では，前者の平均年齢が43.2歳だったのに対し，後者では34.8歳と有意差が見られました。また有意差はありませんが，ワクチン接種率は前者が17.7％に対して，後者が23.1％でした（どちらも前者に不利に働くかもしれませんね）。結果は，前者の発症率が2.3％（8名，迅速キット陽性は2名）だったのに対し，後者では7.2％（32名，迅速キット陽性は12名）と，前者の方が有意に低いというものでした。
これだけで効くとは言えませんし，皆さんがおっしゃるように開放空間での影響，二酸化塩素は水溶性が高いため，水や湿気で失活しやすい（水があると空気中の濃度が急激に減少）といった因子を配慮しなければいけませんが（「加湿器を使用した二酸化塩素ガス室内撒布」参照），本格的に質の高い実験をしてもよいのではと感じました。
もしかしたら，「防衛省でクレベリン採用」という情報は，上記の論文が関係しているのかもしれませんね。
【09:00】
- 今の光が丘公園の状態。
【06:00】
- 「アトピー性皮膚炎と糖質制限」についてのメールです。
当院にひどいアトピー性皮膚炎の20代の患者さんが通院しています。シャンプーとボディソープを禁止してワセリン塗布を頻回行うことで，症状は一時的に落ち着いたのですが，少し良くなったあととワセリン塗布をさぼるようになり，また悪化しました。（患者本人はちゃんと塗っていると言っていますが，ワセリンが無くなる頻度が極端に減っています。）
そこで，糖質制限を勧めてみました。でも，「パンが好きだから」「ご飯を食べなかったら，食べるものがない」とか言って，聞く耳を持ちません。ならばと，血液検査をしてみると，米，トウモロコシ，小麦，大豆に弱いアレルギー反応を認めました。（豚肉，鶏肉，卵などにはアレルギーを認めませんでした。）
「アレルギーがあるのだから，主食はなるべく食べない方がいい。肉や卵や野菜を食べるようにしなさい。そうすればアトピーがよくなる可能性が高いから」と勧めました。
しかし，それでもやっぱり「それじゃ食べるものがない」などと言って，糖質制限をやらない言い訳ばかりしてました。
『食事とは主食を食べること』というパラダイムから抜け出せないようです。パラダイムの中にいる人は，人から勧められただけでは，パラダイムを抜け出すのが難しいのですね。もっといい方法があるのではないかと，自分でパラダイムの外を探せる人だけがパラダイムから抜けだすことが出来るのでしょう。
また，糖質制限でアトピーがよくなった人の中には，もしかして，この患者さんのように米や麦に弱いアレルギーを持っている人がいるのではないかなと妄想しましたが，アレルギーについては詳しい先生のご意見を聞かせて頂ければ，うれしいです。 - 「インフルエンザの簡易検査」についてのメールをいただきました。
医師です。
- 一般の方からのメールをそのまま載せているためでしょうが，表題の件は医師として，正確な知識で修正されたほうがいいと思います。リンク先では抗原抗体反応を利用しての検査です。検体中のインフルエンザ抗原との反応とあります。表題をインフルエンザ抗原が検出されるかどうかの検査としてはどうでしょうか。
- 発熱翌日の受診を進めるのは検出率としては発症後１２時間以内では偽陰性が多いためです。この検出されるインフルエンザ抗原は感染した患者の鼻粘膜等の細胞から発芽したインフルエンザウイルスです。ＭＲＳＡのように保菌状態とか，定着状態とは異なります。
登園禁止期間・登校禁止期間についてですが，インフルエンザと診断され加療後５日経過し，小学生以上ではかつ，解熱後２日たったもの，幼児ではかつ，解熱後３日たったものです。ですから小学生では最短で，５日または７日，幼児でも，最短５日または８日です。
加療後５日というのは抗ウイルス剤で加療しても５日目で，やっと排出されるウィルス量が感染させうる量以下になるからということです。解熱後２日というのは，インフルエンザ抗原検出キットのない時代，抗ウィルス剤のない時代に適当に決められた日数です。抗ウィルス剤が出てから解熱してすぐに学校・職場等に復帰してウィルスを拡散したので昨年度末くらいに改正されています。インフルエンザの検査について，「ウイルスではなく，抗体を検出している」と勘違いされているようです。
検査で検出しているのは鼻水，喉の拭い液にふくまれるインフルエンザウイルスの抗原（ウイルスそのもの，あるいはその部品）です。インフルエンザの感染から発症まで２，３日から１週間ほどかかりますが，その間に増えたウイルスを検出しているはずですよ。また，リンク先もそのように記述されています。
感染したばかりの微量のウイルスを特異的に検出することはインフルエンザに限らずとてもむずかしいです。なので，検査で陽性が出た場合は少なくとも患者さんの体内でウイルスが増殖したと判断されることになります。症状の軽重は患者さん次第ですので，死ぬ人もいれば，元気な人もいる，ということになってしまいます。
患者の抗インフルエンザ抗体は感染後（あるいは予防接種後）２週間から１ヶ月後に上昇してくるので，こちらはさらに検出が難しいと思います。あがってくるのは発症後，元気になって１週間以上あとなので研究目的以外では，検査自体受ける人もいないと思います。また，予防接種を受けている場合は，抗体上昇がワクチン効果か否かの判定ができないので，抗体検査は臨床現場ではされてないと思います。 - 「ウイルスブロッカー」についてのメールです。
二酸化塩素について，国民生活センターのサイトにコメントがあります。
結論から言えば
- 二酸化塩素による部屋等の除菌をうたった商品は，さまざまな状況が考えられる生活空間でどの程度の除菌効果があるのかは現状では分からない
- 二酸化塩素による部屋等の除菌をうたった商品は，二酸化塩素の放散がほとんど確認できないものがあった一方で，使用開始当初に放散速度が大きくなるものもあり，使用に際しては注意が必要である
- 二酸化塩素が食品添加物であること等を根拠に安全であるとうたっている銘柄があるが，必ずしも商品自体の安全性ではない
とのことです。
部屋置きタイプの「クレベリン」のようなものでも，どの程度の除菌効果があるかは不明なようです。恐らく，密閉状態である程度の二酸化塩素濃度がキープ出来れば，食べ物の腐敗を防ぐことはできるとは想像出来ますが，オープンスペースでは果たしてどうでしょうか？
少なくとも，首からぶら下げるタイプのものについては，効果は殆ど無いと考えられる......
そもそも，二酸化塩素の分子量を考えれば，空気の約2倍の重さになるので鼻腔周辺に届くことはありえないと思います。
もし仮に，首からぶら下げてヘソ辺りにある「ウイルスブロッカー」から鼻腔周辺に届くほどの大量の二酸化塩素を発生できるとなると，当の「ウイルスブロッカー」の下部は近寄れないほどの高濃度になっているはずです。
母親が小さいお子様と一緒に手をつないで歩いていたら，健康被害に遭いかねないかも（笑） - そういえば，昨日，何気なくアマゾンの "Amazon Cloud Play" を開いてみたら，過去に購入したmp3ファイルで購入したCDがクラウド・データになっていて，そこから聴けるようになっているんですね。つまり，パソコンやスマートフォンの中に音楽ファイルを入れなくても，ネットにさえつながればいつでも聴けます。これの便利なのは，「過去に購入したmp3ファイル」まで対象になっていることで，もちろん，このデータを元にプレイリストを作ることも可能です。
データのクラウド化が一層進んでいますが，それはとりもなおさず，「ネットに繋がっていればなんでもできるが，ネットに繋がらなければ何もできない」 分野が広がっているということです。全てをクラウド化すると便利ですが，逆に私の実家のような「Pocket WiFiのエリア外」地域に行ってしまうと仕事が全くできなくなります。パソコンやスマートフォンは手元にあり，クラウドにデータもあるのに，そのデータを見ることができないというトホホな状況になります。
私がいまだに「すべてのデータをクラウド化」しないのは，これが怖いからです。 - 【キングジムからオフィス向け卓上洗濯機「スウォッシュ」，容量 250g】
毎度毎度，「思いもよらない方向性の商品だけど使ってみると結構便利」 というの（例：ポメラ，マモメ，ショットノート，スキャナ付きマウス etc）を出してくるキングジムが，またしてもやってくれました。確かに 「あったら便利」 かも・・・。ちなみに商品はこちら。
【13:00】
- 下記のインフルエンザ・ブロッカーについてのメールです。
インフルの簡易検査は抗体ができているかの検査
鼻腔内にウイルスがいるかどうかの判定ではないですね。病院へ検査してもらいに行っても，発熱当日は抗体ができていないから検査できませんと翌日の検査受診を勧められます。
首から下げる空間除菌のアレですが，潔癖症で神経質な嫁サンが貰ってきたらしく，着用させられています。チョットでも歩いたり，空気の流れがあれば消毒成分は流れていってしまうでしょうから。「効果は殆ど無いだろうから人体にもさほど悪影響はないだろう」と思っています。まぁ，おまじないい程度でしょうね。本日のウイルスブロッカーについてです。
知り合いが首からぶら下げているのを見て知りました。その方は企業の社食で働いていて，そこで常時携帯するよう支給されたとのこと。その方に効果を聞かれたので即座に「無意味」と答えました。
確かに二酸化塩素に殺菌・殺ウイルス作用はありますが，蒸散したガスなどすぐに空気の流れに乗ってどこかに雲散霧消してしまいます。狭い密閉空間にいるなら効果は多少あるでしょうがその場合人間にも影響は大きいはずです。
飛行機内などでの効果もうたっていますが，機内の空気は数分で完全に入れ替わっているので密室ではありません。
人の多いところに（工場，レストラン等）でも効果ありと言ってるようですが，人が多ければ多いほど空気の流れは多く，自分の周りだけ二酸化塩素のガスですっぽり覆われるなんてことは絶対にありません。当然ビルなどでは換気もしてますし。
タバコを吸ってる人を見れば簡単にわかること，煙がその人から離れずすっと周囲をただよっているなんてことはない。
どうしてこんな簡単な事が気づかないんでしょうか。防衛省でも採用なんてこと書いてありますが，潜水艦の中なら効果あるかもしれませんが，健康被害も出そうですね。ウソではないが効果はない。と断言できます。
こういう商品はまともな科学者が反論すべきです。人の不安に付け込んでひどいと思いますよ。この会社では全員が常時身に着けて，一人もインフル出してないんでしょうね（笑） - 先程の「糖質制限中の方のコレステロールの問題」について伊藤内科の伊藤先生からのメール。
おそらくは糖質制限は高脂血症にも有効と考えています。もちろんエビデンスはありませんが。参考資料を添付します。
【資料（１）東京医科大学病院 糖尿病・代謝・内分泌内科 准教授 三輪隆准教授】
「中性脂肪が高い方は小粒のコレステロールがたくさんできている状態になっており，この小粒のコレステロールは普通のLDLよりおよそ２０％動脈硬化症になるリスクを上げてしまいます。これは超悪玉コレステロールと言われています。」【資料（２）「糖尿病の解決」の著者バーンスタイン医師の記述】
「LDLには少なくとも2つの型があることが明らかになった。１つは小さい高密度のLDLコレステロール（危険な型）であり，ほかは大きく軽いLDL粒子である。LDL分子のサイズは現在，商業検査所で測定可能。Ａクラスと分類される大きなサイズの分子は良性と考えられる一方，小さな分子は心臓病リスクに関係する。分子のサイズと関係する検査はアポリポ蛋白Ｂである。アポＢ検査結果が１２０mg/dl以下，あるいはLDL分子サイズがAクラスの場合は，LDLが高値であっても良性と考えられ，スタチン系薬物で治療すべきではない。」
「長年ADAの低脂肪ダイエットが使用されているにもかかわらず，概して慢性高血糖の糖尿病患者のLDL（悪玉コレステロール値）は上昇し，HDL（善玉コレステロール）値は低下している。非常に重要なことは，動脈を障害するのは小型で高密度のLDL,酸化LDLおよび糖化LDLだという最近の発見である。これらはすべて血糖値が上がると増加する。」【資料（３）ロトリガのパンフレットより 監修： 千葉大学大学院医学研究院 教授 横手 幸太郎】
高トリグリセライド血症では数多くの心血管系イベントのリスク因子が随伴する
高ＴＧ血症の状態では，動脈硬化を強く促進する超悪玉コレステロール（sd-LDL) やレムナント様リポ蛋白(RLP)が増加する一方，善玉とされるＨＤＬが低下します。このように高ＴＧ血症の状態では，種しゅのイベントリスクが高まっており，ＴＧ治療の重要性が強く提唱されています。
厳格にＬＤＬコレステロールを管理しても，ＴＧ高値例ではイベントリスクが高い
近年，高ＴＧ血症は心血管系イベントの重大なリスクであることが世界的に注目されています。実際に，ＬＤＬコレステロールが70mg/dl未満と厳格に管理できていても，ＴＧが高い場合にはイベントリスクが高いことが報告されています。心血管系イベント抑制を目指した脂質治療には，ＬＤＬコレステロールに加え，ＴＧへの介入も必要でしょう。
資料(Miller M et al., J Am Coli Cardiol 2008; 51: 724.)結論としては下のように考えられます（伊藤の意見です）- LDLコレステロールは２種類あり，高トリグリセライド血症がともなうときは性質が悪い。
- 糖質制限をとりいれるとLDLコレステロールの質が改善する可能性がある。
- 「糖質制限とアトピー」についての看護師さんからのメールです。
40歳の主婦の方が言っていたように，糖質制限でアトピーは治ります！糖質制限をし始めて数年経ちますが，肘や目のまわりの痒みがありません。痒みがないため皮膚の変色（色素沈着）も無くなりました。そのかわり，お菓子などの糖質を食べたときは痒みが出ることがあるので，これは間違いなく糖質だと確信しています（そう思い込んでるため，体が反応してるのかもしれませんが・・・）。「花粉症予防にワセリン」については，当サイトでは2006年3月15日の記事が一番古いですね。
糖質を制限した分，タンパク・脂質が増えた（意識的に増やしてます）ので人間が本来摂取すべき栄養状態に戻ったので，アトピーや花粉症にならないのかなと思っています。
ちなみに花粉症や風邪の感染ですが，ワセリンを鼻や口のまわりに塗ることで防げるんではないかと考えています（以前，そのようなメールがあったような気もしますが・・・）ワセリンの油が花粉やウィルス，細菌をキャッチ（吸着）して深部まで到達しないような・・・。
【10:30】
- 糖質制限とコレステロールについてのメールです。練馬区で糖質制限の指導をしている先生がいらっしゃいましたら，メールでご連絡いただけないでしょうか。
４０歳の主婦です。
糖質制限を始めて，３ヶ月に入りました。その後昼間の眠気もなくなり，睡眠の質も良くなりました。夜，よく眠れているようです。以前はお昼ねをしていましたが，しなくてもいい日もあります。また寒さも感じず，昨年まで家中の暖房をつけていたのが嘘のようです。髪の毛も薄かったのが，だんだんしっかりしてきました。夫のいびきも，米を食べたときとそうでないときは全然違いますね。
先日人間ドッグを受けました。中性脂肪は93から47へ減っていましたが，総コレステロール値が230から280に増えていました。LDLも増えてしまい（値はよく覚えていません。とりあえずその場で教えてもらったので。詳細は後から郵送だそうです。）
ただ視力がよくなりました。昨年の1.2から1.5です。
ですが，コレステロールの値が気になります。コレステロールを下げる薬を飲んだほうがいいのか，それとも糖質制限食をしながら何か食べ物でやめた方がいいものがあるのか（例えば，バターとかチーズなどの乳製品），ご存知でしたら教えていただけますか？
もしくは練馬区で糖質制限に理解のあるドクターで，相談出来る方をご存知でしょうか。
コレステロールの値は高いのですが，私のQOLは良くなりましたので，糖質制限はやめたくありません。
また以下は別の話しです。「お米を減らす」のはアトピーにいいのかも？と私も思います。中学生の子どものお弁当ですが，お米（一応玄米）をお茶碗の半分以下にして，おかず（お肉）や野菜を増やしています。午後「ぜ～んぜ～んおなかがすかない」そうです。学校帰りに甘いドーナツを買ったりするのも減りました。
頭皮のアトピーも，完全ではありませんが良くなっています。ぽろぽろフケのようでかわいそうでしたので，やはり「糖質」を減らすのはいいのでしょうか。玄米に換えたからというより，むしろ「量をへらしたから」のような気もします。子どもは糖質制限はしておりません。マックやアイスをすべて禁止するのは正直無理なので，週５日のお弁当で工夫です。
また夜は玄米，白米をおかゆにします。そうすると「米自体を食べる量は減る」のでいいかな～と思っています。
【08:30】
- ここ数日，「今年は花粉が多いので，今から対策を」というニュースが多くなって来ましたが，「花粉症なんて糖質制限で治っちゃう／症状が軽くなっちゃうよね。主食をやめれば花粉症は大丈夫だよ」 ですよね。
- 「手荒れとブロマック」についてのメールです。
開業獣医師です。
昨年，先生のサイトで「手荒れと亜鉛」について教えて頂き，我が家でも早速「プロマック」をカミさんに応用してもらいました。しかし，内服後，吐き気がすると寝込んでしまいました。3時間程。症状が落ち着いたところで，翌日，新たに購入してきた「DHC亜鉛」を内服してもらったところ，若干のムネヤケはあれども問題無しとのことなんで継続。おかげさまで手荒れ症状はかなり軽快しました。
プロペトとラテックスフリーのグローブも併用しております。
通常のグローグでは装着時にも痒がっていましたので，ラテックスフリーに変更。料理中，水にずっとさらされていると手が痒くなってくるというのでグローブは手放せません。
先日，「DHC亜鉛」が無くなってしまい，もう一回試してみると「プロマック」を内服。するとやはり3時間寝込んでました。抗潰瘍薬で吐き気を起こしております。再度「DHC亜鉛」に戻して現在は良好です。
ただ，やはり若干のムネヤケはするそうなので，亜鉛に反応しているのでしょうか？
手湿疹症状がキレイに治ってしまえば，亜鉛内服しなくてもグローブとプロペトで維持できるのではと期待しています。
【06:00】
- ［指尖部切断⇒composite graft⇒壊死］の治療例を追加。この程度の壊死に対しても 「骨を削って指を短くしないと治らない」 と整形外科医は説明するんですよ。そして，患者さんが逃げ出します。
- 「元看護師」 さんから，「インフルエンザと消毒薬」 についての質問メールをいただきました。
消毒薬の事に関しての質問です。
この時期，インフルエンザが猛威をふるい出していますが，首から下げるタイプや部屋においておくような二酸化塩素のウイルスブロッカーなるものも近所の薬局から売りきれています。
我が家は必要ないと判断して買っていませんが，あれもどうなんでしょうか？
ウイルスを死滅させるのに正常細胞は平気なんでしょうか？そもそも空気中のウイルスは有機物についている状態ですよね？なんでウイルスが減るのか不思議でなりません。
そして「二酸化塩素」なるものを微量ずつ吸い込んだ方が何か心配です。
また，風邪をひいて病院に行くとインフルエンザの簡易検査をされますがあれって，鼻腔にインフルエンザがいるかどうかを調べているだけですよね？ いるからって感染している状態だとは限りませんよね？
インフルエンザが流行っていると思っているのはこの時期に風邪をひいて病院に行ったときに必ず取っていいほど検査をされるからではないかと思い始めています。
だって，インフルエンザ陽性だったけど熱でなかったよ～。微熱だけどインフルだって言われたよ～。などという子もいます。
それっていただけで感染してないんじゃないの・・・？と突っ込みたくなりましたが「軽くてよかったね～」と笑顔で答えていますが，今のインフルエンザ流行りにはなにか疑問が多くてたまりません。
熱が出なかったら解熱後二日の登園証明書はどのタイミングで書いてもらえるんでしょうかね・・・？ - 小松川クリニックの櫻本先生についてのメールです。
- 「心臓病と結婚生活」についてのメール
【結婚は心臓に良い，急性冠症候群の研究で】
【2月4日 AFP＝時事】心臓の冠動脈が急に閉塞したり狭くなったりすることで引き起こされる急性冠症候群（ACS）は独身者よりも既婚者のほうが少なく，回復する確率も高いとするフィンランドの研究チームによる論文が1月31日，「European Journal of Preventive Cardiology（欧州予防心臓病学ジャーナル）」に掲載された。
研究チームはフィンランドで1993年から2002年の間に心臓発作などの「急性冠動脈イベント」を経験した35～99歳の1万5330人の症例を調べた。半数をやや上回る人が発作から28日以内に死亡していた。
既婚，未婚の別でみると，急性冠動脈イベントの発生数は全ての年齢層で独身男性のほうが既婚男性よりも58～66％高かった。女性では婚姻の有無による差はさらに大きく，独身女性の発作の割合は既婚女性より60～65％高かった。
急性冠症候群による死亡率も，男性，女性双方で既婚者の方が低いことが分かった。発作から28日以内に死亡する確率は，既婚者と比較して独身男性が60～168％，独身女性は71～175％高かった。
研究チームは，夫婦が仕事をしている場合などもあり既婚者の方が収入が多く，生活習慣も健康的で，頼れる人的ネットワークが広いためではないとみている。
結婚生活がもたらす幸福感といった心理的側面も軽視できないという。研究を主導したトゥルク大学病院（Turku University Hospital）のアイノ・ラミンタウスタ（Aino Lammintausta）氏は「独身者は（既婚者よりも）抑うつな気分になることが多いことが分かっている。そしてこれまでの研究で抑うつ感が心血管に起因する死亡率に悪影響を及ぼすことが示されている」と言う。 研究対象になった人の人種や社会的背景はさまざまだったことから，この研究で示された傾向は他の欧米諸国にもおおむね当てはまるのではないかと述べた。ただしこの研究は人口統計データに基づいて行われたため，同居している未婚のカップルについて直接調べることはできなかった。 - 【折りたためちゃうサムスン「GALAXY Q」のスペックが明らかに】
以前から噂になっていたサムスンの「広げると1枚のパネルになっちゃう折りたたみ液晶」がついに姿を表しました。この動画にはちょっと感動。カッコ良すぎ！ サムスンは攻めの姿勢を続けていますね。
栄枯盛衰はデジタル業界の常ですが，10年前の世界から現在にいきなりタイムスリップしたら，サムスン（とアップル）がトップを走っていて，日本の家電メーカーが凋落しているという状況が全く理解できないんじゃないでしょうか。 - 【深海の鉱物開発，可能性と環境への影響】
熱水噴出孔マニア，チューブワームマニアとしては，熱水噴出孔の生態系には手を付けてほしくないです。熱水噴出孔付近からCuやZnやAuが採掘できて，しかも商業ベースに乗るなんてことになったら，世界中の熱水噴出孔が破壊され，生態系はあっという間に消失しちゃいます。
【14:30】
- 熱傷で入院中の患者さんが「夜，なかなか眠れなくって・・・」との事だったので，「だったら，眠れない時間を利用して，普段できない勉強をするってのはどう？ 歴史の本とか物理学の本とか宇宙学の本とか読めばいいじゃん。それで勉強して頭が良くなるかもしれないよ。それに，朝まで眠れなくたって死ぬわけじゃないしさ」とアドバイス。
そもそも，一日中ベッドに横になっている人が夜9時になったらパタリと眠れるわけはないと思います。 - 【年収は，なぜ「使う財布の値段」の200倍になるか？】
私が使っている財布はこれですから，［年収］＝［財布の値段（3980円）］×200 で計算すると「年収80万年弱」と判明します。私の年収，バレちゃいました。
【06:00】
- 先日，ちょっと紹介した本，『幻の楽器 ヴィオラ・アルタ物語』についてのレビューを追加。素晴らしい本です。
- この本に関連するメールをいただきました。
「幻の楽器 ヴィオラ・アルタ物語」を読みました。一気読みしました。いや，本当に面白かったです。ご紹介ありがとうございました。
ヴィオラアルタのCDを注文してしまいました。 - 10月25日に「第23回 東京医科歯科大学整形外科関連病院懇話会」で講演することが決まりました。
- 外出時に「鍵をかけたかどうかちょっと不安！」という時に鍵をかけたことを教えてくれるアイディア商品「ChecKey」を紹介。これはかなり便利です。値段も安いし・・・。
- 暇つぶしにいいかなと思って読んだのが『たとえば銀河がどら焼きだったら』。初出は2008年のハードカバーの本で，これはその文庫化されたものです。
これまで当サイトでは度々，「宇宙ってほとんどスカスカだ」という知識を紹介してきました（1，2）。今回の本も「宇宙を日常的なサイズに縮めてみると，こんなにスカスカなんだ」という内容になっています。
- 地球が直径10cmのリンゴとすると，月はキンカンのサイズで，リンゴとキンカンは3m離れている（想像以上に離れていますよね）
- 太陽を直径1mとすると，地球は100m離れたところにある豆電球。木星は500m離れたソフトボール。海王星は3km離れたピンポン球。
- 直径1mの太陽を東京駅に置くと，冥王星は錦糸町駅か信濃町駅のあたり。
- 太陽を直径1cmのビー玉とすると，太陽に最も近いケンタウルス座α星は琵琶湖にあるビー玉で，その間には星1つない。
- 太陽系のある天の川銀河が直径10cmのどら焼きだとすると，一番近い銀河の大マゼラン雲はミニどら焼きサイズで両者の距離は16cmとかなり近い。天の川銀河とアンドロメダ銀河とは2.3m離れている。
天の川銀河とアンドロメダ銀河は25億年後に衝突すると考えられています。しかし，銀河同士の衝突といっても，銀河を構成する恒星同士が衝突することはないそうです。みっしり詰まっているようにみえる銀河でも，それを構成する恒星と恒星の距離は信じられないくらい遠く，スカスカだからです。つまり，銀河同士の衝突は固体同士の衝突ではなく，むしろ気体と気体の衝突に近いです。 - ラオスで文化人類学の研究をしている方から，湿潤治療についてのメールをいただきました。研究生活のお手伝いができて本当によかったです。
文化人類学を専攻する博士課程の大学院生です。
現在，長期実地調査のためラオスで暮らしています。かれこれもう半年がたちます。文化人類学という学問は，一般的には海外，特に開発途上国で住み込み調査を行うもので，私の大学の先輩後輩たちも皆，ケニア，ガーナ，イラン，パプアニューギニアなどといった国で長期調査をしています。長期調査に出る際にはやはり常に病気や怪我の心配が尽きず，先輩方の多くもやはりマラリアやデング熱などの経験者です…。
私の場合は特にこうした病気はまだ経験していないのですが，未舗装の道をバイクで運転している時に転倒してしまいました。よく転ぶことはあるのですが，今回，転倒した直後は左足親指の爪が付け根のあたりから剥がれてブラブラしている状態でした。すぐに近くの診療所に行きました。 なかなか悲惨でした…。アルコール消毒液をビシャビシャとかけて，麻酔を足指の頭から刺して（しかもこれが全く効かない！注射を間違えたのでは？という程一切効かなかったです），ブラブラしている爪をとり，イソジンのようなものでひたひたにしたガーゼで創面をふき（死ぬ程痛い！），最後はイソジンをひたしたガーゼを貼ってその上から包帯を巻き，抗生物質と炎症止め，そしてただジップロックに入っただけの謎のタブレットを処方されました（たぶんビタミン剤です）。
そしてだいたい予想していたことではありますが，３日後にもう一度行った際には５分以上アルコール消毒液にひたしておいた後でもまったくガーゼが剥がれず，結局また爪を剥がしたときのような痛さで，まさに「振り出しに戻る」という感じでした。しかも懲りずにまた同じようにイソジンひたひたガーゼを貼って包帯を巻き，抗生物質は飲み続けるようにと言われました。まぁ，ラオスのクリニックですから仕方ありません。（同じことを最先端医療技術を誇る日本の医者がしていたらかなり疑いますけれども。）
またガーゼを剥がす時の痛さを考えただけで憂鬱になり，家に帰ってからすぐに，くっついてしまう前に自分で外しました。創面をじっくり見てみると，内出血をしているように黒い部分とかなり濃い赤色の部分で全体的にまだらでボコボコしており，右端に爪の残骸のようなふやけた厚めの皮膚みたいなものが残っていて，しかも謎の鮮やかなオレンジ色のホコリのような点々（つまんだらとれる時もある）が所々に出ていました。
すぐに必死にインターネットで検索をし，足の爪を剥がしてしまった症例をみていたところ夏井先生のホームページに辿り着きました。ワセリンはなかったのですがサランラップはあったので（タイからの輸入品でラオスでもわりと普及しています），とにかく水で流してサランラップ，というのを始めることにしました。その日の夜に水で流した時はまだヒリヒリとしみる痛さがありましたが，翌日の朝にはもうそうした痛みはなく，ただ爪がないものですからシャワーの水圧で押される感じがして少ししんどいくらいでした。（ラオスの水道水事情ですが，メコン河の水を利用しているため鉄などが日本と比べるとけっこう多く，「井戸水チェッカー」を試すとやはり「異物」の多さが際立ちます。細菌等に関してはわかりませんが，特に沸騰させてから使ったりはしていません。）
なにぶん，湿潤療法というものを知ったのもこの時が初めてでしたので，「表皮化」というのもいまいち自分では判断がつかず「これ，表皮化してるのかな？」という感じで不安もあり，そして何より感染症への恐怖との闘いでありました。
そして創面の様子も，夏井先生のホームページにある足の親指の爪がやはり剥がれてしまった方の症例に出ている創面のようにピンク色でつるんとした感じではなく，けっこうでこぼこで色もまだら，湿潤療法を初めてからは右端にあった残骸みたいなものもふやけて真っ白になり，ハッキリいってけっこう汚くグロテスクなままなのです。そのため「これであってるのかな？」と疑い続けていました。
しかしどうせクリニックに行っても同じ結果ですし，自分がやっていることを信じてやり続けるしかありません。
実は来週，日本に一時帰国する機会があるので，この時は「一度日本に帰って，湿潤療法をやっている病院に行き，そこでこの創面のガタガタした残骸をとってもらおう」と思っていました。
すると１週間ほどしてまた水で流していたときに黒っぽくまだらになっていた創面から薄皮が剥けたのです。痛みはなく，その薄皮がとれた後の創面はまさに夏井先生のホームページに出ている症例の写真のようにつるんとして奇麗なピンク色でした。右端にあった白くなった残骸もそのさらに2日後くらいにポロッととれました。これも全く痛くありません。
今は本当にただひたすら爪がのびてくるのを待っている状態です。街の薬局でワセリンを購入できたので一応乾燥予防のために塗り続けています。（現在，乾季なので大気中はカラッカラです）
職業柄，こちらの保険衛生プロジェクトなどの様子もみているのでふと思ったのですが，とにかく途上国で行われている先進国からの保険衛生啓蒙活動では「殺菌！」「消毒！」をひたすら呼びかけているようで，感染症への恐怖心を煽り，特に破傷風なども実際，非常に多いですので，私が最初に行ったクリニックの判断も仕方ないといえば仕方ないのかなと思います。
彼らからすれば，「先端医療」をほこる「先進国」の「医療支援スタッフ」がそのように言っているのだからそれが正しいのだろう，となるわけです。
ラオスのような国内産業が育っていない国ですと，ガーゼから薬，注射器など100%タイやベトナムからの輸入品ですので人々の生活水準に対して医療費が高くついているのではと思います。
そんななかで，湿潤療法が正しい方法で行われることができれば，途上国における医療革命になるのではないかと本気で思いました。焼畑耕作をし，その辺でしょっちゅう野焼きをしているラオス人ですから，きっと火傷などの症例も多いのではないでしょうか…。
日本での普及自体，様々な困難があるようですから，多くの場合は「支援」という名で実はただグローバル医療産業市場に取り込もうとしているだけの保険衛生，医療支援プロジェクトで湿潤療法を広めるのはさらに大変だろうなと思います。
私個人としましては，今回，「自分でなおした！」という自信から，とりあえずは途上国へ調査に行くことの多い同業者たちにこの方法をすすめていきたいと思います。
もしODAの保険衛生スタッフたちと話す機会などがあればこの話をしたいくらいですが，彼らの場合は，「え？未舗装の道でバイク運転してたんですか？」から始まる猛烈頭の硬い人たちなので日本で普及させるよりさらに困難かもしれません…。
長文になりましたが，何も言わずにはいられなかったのでメールさせていただきました。感謝の気持ちでいっぱいです。早く爪がはえてくるといいです。
日中30度を超える暑さのラオスより失礼いたします。 - 時々メールを頂く「福井県の獣医師」さんからのシャンプー & ボディーソープ・レスについてのメールです。
ここ数ヶ月，色々と環境の変化がありました。私見では，乳児期のアトピー性皮膚炎，乳児湿疹の原因はほとんどはボディーソープやシャンプーに含まれる合成界面活性剤です。その証拠に，他の小児科や皮膚科で「アトピー性皮膚炎」と診断された乳児の親御さんにシャンプー & ボディーソープ・レスを指導すると，8割以上の患者さんはこれだけで症状が軽快します。
まず，動物病院を開業いたしました。今まで勤務医だったので，創傷治療に関して院長に遠慮してできなかったところもあったので，これから積極的に取り組んでいこうと思っています。
また，子供が誕生しました。
初めての子供で分からないことばかりですが，沐浴に戸惑いました。産院では，「石けんでしっかり洗って下さい」と言われましたが，石けんに抵抗があったので，お湯だけで洗うことを妻に提案したのですが，妻は「お湯だけなんてきれいになるはずがない」の一点張りで，毎日赤ちゃん用の石けんを使って一生懸命洗っていました。
数日経って，額のあたりに湿疹が出始めたので，検診の時に助産師さんに聞いたら「乳児湿疹はこの時期でやすいから石けんで良く洗ってね。でも石けんは体に残らないようによく洗い流してね。」とのこと。体に残ってよくないと言いながら石けんで洗うことをすすめるという矛盾に気づいてないようです。
この時にお湯のみで洗ったらという提案を受け入れて，石けんをやめたら湿疹もすぐに消えました。ちなみに，同日に出産した人は，一生懸命石けんで洗っているとのことでしたが，顔中湿疹でした。
妻も，最初は湿疹が出てる部分のみお湯で洗って髪の毛はシャンプーを使ってとやっていましたが，その時は頭髪の臭いやフケがありましたが，湿疹が消えたのを見てからシャンプーレスに切り替えました。それから，やはりフケも臭いもなくなっています。
最近，周囲でも出産が続いて，体の皮膚がむけるの多く，代謝がいいからだと言っていましたが，我が家では石鹸レスで洗っているからか，体はきれいなもんです。
このような体験をしましたが，先日の先生の記事の中で，
があったので，妻に読ませてみようと思います。
産院からもっとシャンプーレス・石鹸レスが広まってくれればと思っています。 - 和歌山県で湿潤治療をしているぶよう整形外科の武用先生から，糖質制限関連のメールをいただきました。
先日，糖質ゼロの梅酒があることを知人から教えていただきましたので，すでにご存じかも知れませんが，念のためお知らせします。甘みのあるお酒が飲みたい時にはいいんじゃないでしょうか。
- 【糖質ゼロの梅酒・720ml】
近くのスーパーで売っているのがこちらです。
甘味料（アセスルファムK，スクラロース）で甘みをつけているようです。
味の方ですが，あまりお酒を飲まない私の印象では，同じ価格帯の梅酒と大差ないように思います。 - 【サッポロ カロリー50％オフで糖質ゼロ！うれしい梅酒 8度 900ml パック １本】
他のメーカにもあるみたいですね。
- 【糖質ゼロの梅酒・720ml】
- 【「そういうことじゃないのよ！」ケーキを特注したら期待とかけ離れたものが出てきた】
おもいっきり笑わせていただいた記事ですが，それにしてもとても食い物と思えない寒色系のクリームの色の方が気になります。
【15:30】
- 今日はなぜか他県からの患者さんが多いですが，なぜか，5ミリ程度の皮下腫瘤で遠くから受診された患者さんが3人ほども！ 揃って石灰化上皮腫で，炎症もないので経過観察となりました。石灰化上皮腫で遠くから受診していただいて，申し訳なかったです。
【08:30】
- 最近，ピアノネタが多いのでもう一つ。今もちょっと練習しているのが近藤祐嗣さん作曲の『「巨人の星」とショパン第3ソナタフィナーレの交響的融合』です。知る人ぞ知る名曲だけど，知っている人がどれだけいるかというと・・・という隠れに隠れた名曲です。作曲者の近藤さんが東大医学部5年生の時に完成させたというパロディー的作品で（ちなみに，学生時代の近藤さんのピアノを聞いたことがありますが，まさにプロ級の腕前で，アルカンの難曲をバリバリ弾いていました），ショパンの「ピアノソナタ第3番」の「フィナーレ」をメインフレームにして，それにアニメ「巨人の星」のテーマ曲を流し込む，という手法で作られていますが，完成度の高さは素人の作曲のレベルを遙かに超えているし，演奏効果も非常に高いです。ちなみに，数年前の石岡第一病院の忘年会で一度演奏しましたが，ムチャクチャ，ウケまくりでした。
ただ，演奏しようとするといくつも難関が待ち受けています。ショパンの元曲（これもかなり難しい）より遙かに技術的に困難なことです。特に62小節目からの右手のパッセージは複雑で難しく，ここをテンポを落とさず，しかも内声部の「巨人の星」のメロディーを浮かび上がらせて演奏するのは至難の業です。YouTube映像はこちら。
楽譜を見てみたい，練習してみたいという方は，メールでご連絡下さい。
【06:00】
- 「粉瘤の治療をしている医師」に，世田谷区の武整形外科／武 雅夫先生を追加しました。
- 手堅くまとめられた大きなワニが登場するパニック映画，《グリード》を紹介。しかし，ワニはあまり活躍しませんけどね。
- 【ソニー，ＭＤプレーヤー事業終了へ 最後の機種も３月で出荷終了】
「一時代を築いた商品が，時代の波に飲み込まれ，消えていくのでありました」 的なニュースなんですが，実は私はついにこのMDなるメディアを一度も使ったことがありません。いにしえの記憶をたどると，医者になって数年間は 「自宅ではLPレコード，外ではウォークマン（もちろんカセットテープ方式ですね）」 という使い分けで音楽を聴いていたと記憶しています。そして数年間，全くLPレコードを飼わない時期があり，その後は 「自宅ではCDプレーヤーのデッキで聴き，外ではポータブルCDプレーヤーで音楽を聞く」 時代になり，これが長らく続きました。そしてその後は，発売されたばかりのMP3プレーヤーに入れ込み（ちなみに，当時は台湾と韓国，米国のメーカーばかりで，アップルなんて影も形もありませんでした），CD1枚分のデータすら入らないようなMP3プレーヤーしかない時代からのこの商品を使っていました（ちなみに，世界初のMP3プレーヤーは1998年発売の "mpman"。私が一番最初に購入したのは確かRioのシリーズのどれかで2000年ころの話）。そういうわけで，MDとは微妙にすれ違っています。
ちなみに，ソニーがMDプレヤーの第一号機を発売するのは20年ほど前の1992年，そしてCDプレーヤーが発売されたのはさらに10年前の1982年のことです。 DVD や Bluray Disc といったライバルが登場した時代になっても，CD が現役で使われているのに対し，MDの方は時代の徒花のように消えていく運命です。やはりそこには，ソニーの独自規格である，という限界があったような気がします。
ソニーは昔からこの「独自規格」へのこだわりが尋常ではなく，ベータ，メモリスティック，MD，ATRACなど，独自規格路線はどれも尻つぼみ，先細りの運命です。優れた技術，優れた規格がデファクトスタンダードになるわけではありません。
また，MDのデータ形式であるATRACもまた，MDとともに消えていく運命ですが，何よりソニーのAndroidタブレットがATRACをカバーしていないという事実が全てを物語っています。ソニー自らが，ATRACという独自規格を重荷に感じ，自社製品ですらATRAC対応させるメリットが見いだせていないことを証明しています。
MDというメディアが消えるということは，MDに記録されたデータもまた消えることを意味します。5インチフロッピーに書き込まれたデータが5インチフロッピーディスクドライブの消滅とともに消えた（＝データとして読み取れなくなった）ように，いにしえのワープロ専用機で書いた文章がそれらの絶滅とともに読めなくなったように，MDもあとわずかで読み取れなくなります。MDという「モノ」はあるのに「データ」だけが消失するのです。「8ミリビデオはあるのに，8ミリビデオ再生機がないので中身が見られない」 というのと同じです。
そう考えると，20世紀後半から現代まで，データ保存という点では 「モノはあるのにデータが読めない・利用できない」 ことばかりです。上述のフロッピーディスクもそうですし，MO，ZIPもそうです。レーザーディスクなんてのもありました。VHSはベータとの戦争に勝ちましたが，VHSを今見ようと思ったら専門業者に頼んでDVDに書き換えてもらうしかありませんし，そういう業者もやがて絶滅するでしょう。CDに関しては，DVDプレーヤーやBlurayプレーヤーが下位互換してくれているおかげでまだ現役のメディアですが，いずれこの「下位互換」も重荷になり，対応しない上位規格が出現し，その時点でCDは「読めないメディア」に格下げです。
人類史ではこれまで，「モノ＝情報」 でしたが，現在はどんどん 「モノ」 と 「情報」 の乖離が進んでいて，サイバー空間では 「情報」 のみが飛び交っています。それにより，より大量の情報をより早く手に入れられるようになったわけですが，「データのフォーマットの寿命，メディアの寿命」 という，これまでにない問題に直面しているのではないかと思います。