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2006/11/30
- 最近,手持ちの貴重な(?)本をばらしてPDFファイルにするのが快感になってきました。今回の餌食(?)は名著『謎の解剖学者ヴェサリウス』です。入手はかなり難しいようですので,お読みになりたい方はご連絡下さい。特に,医学部の学生には読んで欲しい本です。
- そういえば,【「マイナスイオン商品」根拠なしも、都が文書指導】というニュースがありましたね。昔から,マイナスイオンはインチキであることは知っていましたが,ようやくここまできたようです。要するに「マイナスイオンを出していて健康にいいですよ」という商品はどれもこれも陰イオンとは無関係で,単に「負に帯電している水滴をちょっと含む霧みたいなもの」をちょろっと出しているだけです。だから,マイナスイオン商品を高い金を出して購入するのは愚の骨頂だと思っています。
以前,「噂の真相」だったかで「マイナスイオンを追究する」という記事があり,そこで,根拠となる科学論文はあるにはあるが大昔に書かれたものしかないこと,健康にいいという実験もなければ検証もされていないこと,そもそも「マイナスイオン」とは何かという統一基準すらないこと,を見事に暴いていました。要するに,「大気中にはごく少量の負のイオンが存在するが,滝の周りにはそれがちょっと多い」⇒「滝の近くにいると気持ちいいよね」⇒「それって負のイオンの効果じゃない?」・・・ってな感じの思い込みなんでしょう。
それでも「マイナスイオンは体にいいんだ」と思っていらっしゃる方は,次のサイトをご参照下さい。
- 以前,どこの大学病院でも治せない難治性の潰瘍の患者さんを診察したことがある。この方のそれまでの治療歴を聞くと,錚々たる大学病院や総合病院の名前が並んでいた。何度も手術を受けていることから,深部に縫合糸でも残っているのかな,と思った。
とりあえず,ドレナージをするくらいしか手がなく,患者さんの自宅から通える病院を紹介し,そこにお願いしたが,途中までなんともなかったのにいきなり感染を起こしたため,結局,入院治療が必要とのことで総合病院を紹介した,という連絡をいただいた。その病院からも連絡をいただいたが,やはり感染源は不明で,なぜ感染したかもわからない,ということだった。
その後,1年くらいたった頃だろうか,講演会場のフロアである先生から声をかけられた。「実はあの症例,ミュンヒハウゼン症候群でしたよ」。
私のこれまでの20年以上に及ぶ臨床生活で2例目である。知らないと診断できない難治性潰瘍である。
2006/11/29
- 来年2月5日(月)に東京都府中市の榊原記念病院で講演することが決まりました。
- レオナルド・ディカプリオとトム・ハンクスの競演,スティーブン・スティルバーグ監督という豪華な顔ぶれによるある若い詐欺師の物語,《キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン》について。頭を空っぽにしてみている分には,とても面白い映画ですが・・・。
2006/11/28
- 今週金曜日の静岡県三島市での講演ですが,講演開始時間は18:30です。お間違いのないよう,お願いいたします。
- 「外傷の湿潤治療を行っている医師」にこれまで兵庫県の関西労災病院で活動なさっていた高松純平先生が大阪市鶴見区の城東病院に移動されました。
2006/11/27
- 先週金曜日は富山県の中新川郡医師会で講演でした。富山県ではほぼ一年ぶりの講演です。中新川郡は数万人規模の地域で医師会の会員も40人ちょっとということでしたが,パラメディカルの方なども参加されて会場は満員近く,質疑応答でも多くの質問を頂きました。ご参加いただき,ありがとうございます。
その後は8人ほどの先生方と富山市内に移動してお寿司屋さんで懇親会。ここでも色々な質問を頂きました。もちろん,肴もお寿司も地酒も美味でした。
- 一言で言えばお馬鹿ホラー映画,《Dr. チョッパー》について。ついでに,形成外科と整形外科の違いについて説明したりして・・・。
病院の同僚の先生(といってもTRYB先生じゃないよ)が,「次から次へと,よくもまぁ,あんなクダラナイ映画ばかり探しては,よく見てますね。どういうルートで情報を仕入れるんですか?」って尋ねてきたので,「ほら,よく言うじゃないですか。蛇の道は邪道,ってさ」って答えてしまいました。あとで考えたら,ちょっと間違っていたような気が・・・。
- この週末,夢中で読んでいるのが『背信の科学者たち -論文捏造,データ改ざんはなぜ繰り返されるのか-』(ウィリアム・ブロード,講談社ブルーバックス)。
- 紀元2世紀に天動説を作り上げたプトレマイオスは自分で観測せず,古代のヒッパルコスのデータをそのまま引用し,あたかも自分が天文観測をしたかのように主張した。
- 実験によって,落下運動が加速度運動であり,落下速度は物体の質量と無関係であることを証明したとされるガリレオは,実は実験をしていなかった。ガリレオの実験を検証した他の学者は,ガリレオの実験が再現できないことを質問したが,ガリレオはそれを無視した。
- ニュートンは『プリンキピア』で万有引力の法則を主張したが,その観測データは彼が捏造したものであり,彼はその捏造を意識的に行っていた。
- 原子論の創始者,ドルトンの実験は再現性がなかったし,彼の提示した方法では彼のデータが得られないことが証明されている。
- 遺伝学の祖,メンデルのデータはあまりに美しすぎ,現在でもメンデルの提示したほどきれいなデータは得られていない。
- 電子の荷電量を測定したミリカンが提示した実験法では,電子の電荷 e が一定の値になることを証明することは不可能であり,再現性はなかった。ミリカンは自分の理論(もちろん正しかった)に都合の悪いデータを除外し,きれいなデータになるように操作していたことが明らかになっている。
これらの歴史的事実から始まり,20世紀後半に実際にあった論文捏造事件,データ改ざん事件を例に取り,なぜ,このようなデタラメがまかり通ってしまうのか,なぜそのデタラメが何年も発見されなかったのかについて詳細に論じている。
これを読むと,医学界では捏造論文やデータ改ざん論文を生みやすい下地があることがよくわかる。実際,「マイナーな雑誌に投稿された他人の論文をそのまま自分の論文(=投稿者の名前だけ書き替えて)としてさらにマイナーな雑誌に投稿して掲載され,それを実績として積み重ね,出世を狙った」医者が何人もいたからである。
世界中にはおびただしい数の有象無象の医学雑誌が出版されていて,そこには「論文として掲載されることが目的で,医学的には意味のない研究論文」が氾濫しているのがその元凶だとこの本の著者は指摘している(ある雑誌のEditorは,自分の雑誌に掲載されている論文のうち,本当に意味があるものはいくらもない,と認めている。しかし,その他大勢の意味のない論文を掲載しないと,雑誌発行が続けられないために,ゴミ論文とわかっても掲載せざるを得ない)。
いくら論文検索システムが発達しても,上記のような「丸ごとコピー論文」は発見できないのである。実際,日本のマイナーな雑誌に投稿された英文論文が,実は1年前に南米のある国のマイナー雑誌に投稿されたものと全く同じだなんて,誰にもわからないはずだ。タイトルと著者名,中身をちょっと替えれば検索不可能であるし,日本の雑誌の多くは電子化すらされていないため,検索そのものが不可能である。
2006/11/24
- 昨日は休日なのにすることもなかったため,二冊の大切にしてきた本,『外科学の歴史』(クロード・ダレーヌ,白水社)と『遥かなるセントラルパーク』を解体してPDFファイルにしました。お読みになりたい方はご連絡下さい(・・・ちなみに『外科の夜明け』と同じところからダウンロードできます)。
- 映画《THE 有頂天ホテル》について。非常に評判のよかった映画で,監督はかの三谷幸喜さん。ネット上の映画感想サイトを見ると絶賛されている映画ですが,私は途中で飽きて見るのを止めました。非常につまらない映画でした。ギャグの連続はいいとしても,ギャグが安っぽ過ぎて笑えません。
- 3年間フル稼働で酷使したMP3プレーヤー,Rio Carbonがついに寿命が来ちゃったようで,異常動作するようになってしまいました。何しろ,9:00に外来診療を開始し,17:30に終了するまで,ほぼつけっぱなしで月曜から金曜まで使い,おまけに週末ごとにポケットに入れて持ち歩いていたわけですから,天寿を全うといってもいいかもしれません。
で,外来診療用のMP3プレーヤーを探していますが,多分,CreativeかiRiverになりそうです。
私はMP3プレーヤーが出始めの頃から使っていて,これで何台目になるでしょうか。一番最初に買ったのは,CreativeのJukeboxとか言う機種でハードディスクタイプのものでしたが,何しろでかくて「大きさと形はポータブルCDプレーヤー・サイズだけど,厚さが倍でとても重い」ものでした。気軽に持ち運べる重さではありませんでしたが,CDを何十枚も持ち運ぶよりは軽かったため結構使いました。
その次もCreativeだったかな? ようやく胸ポケットに入るサイズになりましたが,200グラムくらいとずっしり重く,まだワイシャツの胸ポケットに入れることは不可能でした。
そういえば5年位前,コンパクトフラッシュにMP3ファイルをコピーしてそれを装着するというタイプのものも買ったことがあったっけ(機種の名前,忘れちゃったよ)。軽くてよかったんですが,自社製のCFでないとだめよ,というので,試しに手持ちのCF(もちろん他社製品)を入れてみたら,すぐに故障しちゃいました。試したほうが悪いんですが,あれは悲しかったな。
その次がiRiverのiHP-120,で,その次がRio Carbonでした。一番長く使ったのはRio Carbonです。
こういう買い物歴を見ると最近の人は「なんだかマイナーな機種ばかり。なぜiPodにしないの?」と疑問に思うでしょうが,MP3の歴史を切り開いてきたのはCreativeでありiRiverでありRioなんですよ。私にとっては,iPodのアップルもソニーも,Creativeたちが苦労して切り開いた市場が儲けになるとわかった途端に参入してきた新参者であり,漁夫の利を得ているだけにしか見えないのです。だから,iPodもソニーのMP3は使いたくありません。これは,MP3プレーヤー黎明期から見守り,付き合ってきた人間としての意地みたいなものですね。特に,MP3プレーヤーをiPodと総称するのは断じて許せません。
- 今日は午前中いっぱい外来診療をして,午後13:00に松本駅を出発し,長野⇒直江津⇒富山と移動し,中新川郡医師会で講演です。
富山県は長野の隣の県ですが,JRで移動しようとするとすごく不便で5時間弱の行程となります。つまり,時間的には盛岡や広島と同じです。
2006/11/23
- 日本外科学会雑誌(Vol.106) に『熱傷創の管理』という依頼原稿が掲載されました。現在までの熱傷創の局所治療についてまとめたものです。お読みになりたい方はメールでご連絡下さい。
- 今日は久し振りに「移動がない休日」です。することもないため,数ヶ月ぶりに部屋の掃除でもしようかと思っています。ベッドの下とか,ものすごい綿ゴミが積もっているんですよ。
2006/11/22
- すみません。例によって医学と全く無関係なネタでの更新です。
またまた面白いデジタルガジェットを発見。レアモノショップで発売しているデジタル腕時計なんですが,MP3,動画の再生ができて,録音機能もあります。これまでも同様の商品はりましたが,内蔵メモリが少なくてMP3プレーヤーとして非力なため食指が動かなかったのですが,この商品はメモリが2GBと現在販売されているMP3プレーヤーと比べても遜色ありません。思わず衝動買いしてしまいそうでしたが,腕時計にイヤーフォンがつながっている様子を想像して,手首と耳が線で繋がっているのってすごくうざったくないだろうかと,ちょっと購入を躊躇しているところです。
本体とイヤーフォンがBluetoothで接続されているんだったら買うんだけどなぁ・・・。でも,そうしたら本体が大きくなりそうだな。でも,腕時計に録音機能,つまりボイスレコーダがついていたらすごく便利だよな。とっさの思い付きとかを録音したりしてさ・・・。値段も18,000円だし・・・。
そういえば,こんな最軽量Windowsマシンもありますね。重量はなんと350グラム。これでXPが動くらしいです。しかもHDDは30GBでメモリは512MB。これでなんとローマ字入力ができるらしいです。お値段は14万円弱。ううむ,微妙な値段だな。
ちなみに販売元は以前から,OQO 01+ という小さなマシンを販売している韓国のメーカーです。
さらにそういえば,シャープが「ワンセグ視聴可能な電子辞書」を発表しています。録画とかはできないけど,「新しい電子辞書が欲しいけど,そのほかの機能があったら面白いな・・・テレビとかさ」という人には面白いかな? ちなみにお値段は5万円ほどと,こちらもちょっと微妙なお値段。
2006/11/21
- 来年2月9日(金)に長野県の塩筑医師会で講演することが決まりました。ちなみに,会場は松本市の隣の塩尻市です。
- とてもいい映画だと思うんだけど,最後のシーンで目を白黒させてしまいました。マグノリアについて。どうやら,旧約聖書を知らないと最後のシーンの意味がわからないらしいです。
2006/11/20
- 11月17日(金)は広島県の尾道市医師会在宅ケア部会でした。尾道では今年6月末に講演をしたばかりですので,人が集まるかどうか不安だったのですが,会場は満員で補助椅子がたくさん並べられていました。質問もたくさんいただきました。多数お集まりいただき,ありがとうございます。
講演の後は6人ほどの先生方と懇親会。その後さらに,二次会に突入。翌朝は危うく,新幹線に乗り遅れるところでした。
- 「外傷の湿潤治療」に兵庫県芦屋市の南芦屋浜病院 外科 医師 山元奈穂先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 「なんなんだぁ~,この映画は!」系の映画といえば《バーサーカー》。クズより役に立たないゴミ映画です。もちろん配給は,われらがアルバトロス!
2006/11/17
- 来年1月26日(金)に名古屋掖済会病院で講演することが決まりました。
- 戦争の本質,人間の本質に迫る大傑作映画(・・・と私は思う),《シン・レッド・ライン》について。戦争大好き総理大臣に見て欲しい映画です。
- 今日は昼まで外来診療をして,それから松本⇒名古屋⇒岡山⇒新尾道と移動して尾道市医師会住宅ケア部会で講演です。
2006/11/16
- 「湿潤治療の講演を行っている医師」に東京都昭島市の社会福祉法人恩賜財団東京都同胞援護会 昭島病院 外科の奥澤 健先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- つい先日,広島で開催された日本臨床外科学会総会では,創傷治療のシンポジウムが開催されたそうです。傷の消毒の是非を問うシンポだったようですが,「傷は消毒しない」という方向の発表だけだったようです。さてそこで,「縫合創の消毒はどうするか」という問題が提起され,「してもしなくてもいいから,とりあえず消毒してもいいんじゃない」という意見があったとか。
もちろん,これは間違っていると思います。「してもしなくてもいいなら,しない」のが正しいからです。
恐らく現在の状態は,明治初期のチョンマゲみたいなものではないでしょうか。江戸時代はみんながチョンマゲを結っていて,チョンマゲをしないという選択肢はないし,チョンマゲなしには外も歩けません。
明治維新になっても,実はチョンマゲを結っている人が多かったようです。チョンマゲを結わなくてもいいといわれても,それ以外の髪形を知らないからどうしていいかわからなかったし,チョンマゲなしだと裸で歩いているみたいな気分だったかららしいです。
要するに,消毒はチョンマゲです。気分的にチョンマゲを止められない人は必ずいます。そういう人に限って,「チョンマゲを結って悪い事はない,チョンマゲの方が便利だ」とか,屁理屈をこねるんですよ。そういう屁理屈をこねて,チョンマゲ(消毒)を残しておかないと不安でしょうがない。
というわけで,「傷の消毒,縫合創の消毒」を止められない医者はチョンマゲ医者,あるいは人力車医者とお呼びしてさし上げましょう。
- これを書いているのは15日の夜9時半過ぎです。北海道全域と当方太平洋側に津波警報が出ています。経験者だから言いますが,津波は本当に恐ろしいです。潮位が下がった後,波が押し寄せてきます。
- 皆さん,今年のボージョレ・ヌーボー,もうお飲みになられましたか? 私も飲みましたが,15日の午後7時過ぎに飲んじゃったため公式解禁の4時間前です。つまり,フライングですが,ま,許してください。なぜ許して欲しいかというと,辛い海鮮チゲ鍋と一緒にというか,チゲ鍋を肴にボージョレを飲んでしまったからです。
恐らく,15日深夜から16日にかけて,日本全国でボージョレ・ヌーボーが飲まれると思いますが,チゲ鍋と一緒に飲んだってのは全国広しといえども私くらいのものじゃないでしょうか。そして,この組み合わせで飲まれたボージョレってのも,この一本くらいじゃなかったでしょうか。両者を飲み食いしてみるとわかりますが,この組み合わせ,ぜんぜん駄目っすね。
根本的にボージョレと辛口チゲ鍋ってのはぜんぜん合わないですよ。真っ赤なスープで海鮮系チゲ鍋と爽やか系の若いワインってのは,味の方向性が全然違っているし,両者の歩み寄りもなければ協調しようという姿勢すらないのですよ。お互いに,「何でこんなのと私を組み合わせるわけ?」とそっぽを向いているままです。夫婦喧嘩の真っ只中にいる第三者みたいな雰囲気で,居心地が悪かったです。
- ある先生から,「2003年12月に書いた《イラクのアメリカ軍と創感染の消毒》,その後のイラク情勢を予言していましたね」とメールをいただきました。創感染・常在菌・通過菌をテロ組織・ゲリラ組織・ゲリラ戦に対応させて適当に書いた文章ですが,ま,それなりに当たっていたようです。
2006/11/15
2006/11/14
- 雑誌「小動物臨床」に『相澤病院外傷治療センター訪問 -消毒しない湿潤療法による疼痛の少ない創傷治療-』が掲載されました。執筆されたのは佐々木ルリ先生です。お読みになりたい方はご連絡下さい。
- 昨日より,兵庫県三田市の福島先生が見学に見えられています。
- 2月11日(日),長野県の小諸北佐久医師会で講演することが決まりました。
2006/11/13
- 11月10日は神戸市の六甲病院で講演でした。会場が狭いため,同院の医師,看護師などを対象にした講演でしたが,会場はほぼ満員でした。質疑応答も活発で,その後,5人ほどの先生方と懇親会の会場に移動。ここでも数学や生物学の話で喋りまくりでした。私のしょうもない話に最後までおつき合いいただき,ありがとうございました。
- 来年3月17日(土)に東北大学整形外科談論会で講演することが決まりました。
- キリスト教文化の傲岸不遜な一方的押し付けが最高度に鬱陶しい大作,《コンタクト》について。こういう無神経な善意の押し付け,大嫌いだ!
2006/11/10
- 今日は昼まで外来診療をして,それから松本を出発し名古屋経由で新神戸に向かい,六甲病院で講演です。
- 『オイラーの贈物 人類の至宝 eiπ = -1 を学ぶ』(吉田武,ちくま学芸文庫)ですが,何とか38ページ目まで読破しました。無限級数の収束,発散条件の証明問題あたりでかなりてこずってしまいました。数学の計算問題から何十年も遠ざかっているため,早くも遭難寸前です。オイラーが遠くにかすんでいます。
2006/11/09
- 12月15日の室蘭での講演への参加問い合わせ窓口の情報を追加しました。
- 「ひどい映画だよ」という評判だったので見てみました,《スケルトンマン 史上最悪の死神》。評判どおりのひどさでした。ま,このタイトルを見た時点で予想をついていたんですけどね。昔懐かしい「黄金バット」のコスプレをしてんじゃないの,という風体の骸骨君が,手当たり次第に人を殺しまくるというナイスな映画です。
- 小さいマシン好きの私のハートを鷲掴みにしたのが,工人舎というメーカーが12月から発売する "SA1F00A" というパソコンです。重さが950グラムのウィンドウズマシンで,40GBのハードディスクと,SDカードなどの各種メモリスロットを備え,有線・無線LAN,Bluetooth, 外部ディスプレー出力もあり,バッテリー駆動時間が5時間なんですよ。それでお値段は9万円ぽっきりとお手軽価格(・・・パソコンにしては)。Windows Vistaは動かないようですがこのサイズと値段は魅力だよ。ハードディスクを80GBにしてOffice2003を入れたタイプにしても10万円か。
唯一の欠点は7インチの液晶の解像度が800×480ドットである点くらいです。多少文字が小さくてもいいから,もうちょっと欲しいなぁ。1024×600ドットくらいだったら良かったのになぁ。
でも,これにUSBタイプの地デジチューナーをつけたら,地デジパソコンになっちゃうわけですよね。バッファローのDH-ONE/U2なんかいいよね。外付けのDVD-RAMドライブなんて安いしね。
でも,この液晶解像度だったら,sigmarion3と変わりないし,重量もsigmarion3の倍だしなぁ・・・。でも,Officeがそのまま動くのは便利だよなぁ。
2006/11/08
- 松本市医師会会報10月号に『「外傷の湿潤治療」事始め』という(お気軽)エッセイが掲載されました。どのようにしてこの治療を始めたのか,何がきっかけだったのかをまとめたものです。PDFファイルにしてありますので,お読みになりたい方はメールでご連絡下さい。
- ついでと言っては何ですが,2003年1月から12月まで雑誌「看護技術」に連載した,『新しい創傷治療』も全てPDFファイルにしました。「創と傷は何が違うの?」「擦過創と挫創って何が違っているの?」というあたりから始まって,湿潤治療の原理,具体的治療法などをまとめた連載です。部分的に古いところもありますが,原稿用紙で70枚と治療の全体像を把握するにはちょうどいいくらいの分量かもしれません。
お読みになりたい方はメールでご連絡下さい。
- 7日夕方から,松本は急速に気温が下がっています。もうコートなしでは夜の外を歩くのは辛い感じです。ちなみに,8日朝の予想最低気温は摂氏1℃と,もう冬本番という勢いです(日中の最高気温は15℃以上だけど・・・)。
これから外来見学に来られる方は,冬仕様の格好で来られた方がいいかもしれません。
ちなみに,8日朝の最低気温は0.6℃でした。
2006/11/07
- 教科書には「保存的方法では治療不可能」と記載されている「手背の皮膚軟部組織欠損による伸筋腱露出」を,保存的に治しちゃいました。しかも患者さんは84歳,皮膚は脆弱。この悪条件にも負けず,傷は健気に治ってくれたのです。
2006/11/06
- 超低予算なのになんでこんなに面白い映画が作れるんだろう,という《エル・マリアッチ》,そして,同じ監督による続作《デスペラード》について。マカロニ・ウェスタンならぬメキシカン・ウェスタンですが,最高のガンファイトが楽しめる快作です。
- 東京都足立区教育委員会が学力テストを行って成績がいい学校に予算を多く配分することを決めたとか。学力テストを行うのはいいし,それを各学校間で比較するのも悪くないと思う。しかし,それと予算を結びつけるのはおかしい。学力テストの結果を得た時点ですべき事は他にあるからだ。
学力テストをすれば,学校間の学力の格差が明らかになる。次にすべきは,なぜ格差が生まれたのか,テストの結果がよかった学校はなぜよかったのか,悪かった学校は何が悪かったかを分析することだ。そして,その差が「予算配分・予算の使い方」が原因だと判明した時点で,成績が悪い学校から純に予算を配分すればいい。逆にこの場合,成績のよい学校の予算を多く配分する必要はない。
要するに,足立区教育委員会の考え方というのは「テストの点数がよければお小遣いをあげるね」という発想と同じである。テストの点数をよくしたいと考えるなら,その方策を子供に教えるとか,環境を整える方向に金を使うべきである。報奨金という考えはもっとも愚劣である。
「手術の成績が病院から順に手厚く予算をあげますよ」と厚生労働省が発表したら,どういうことが起こると思いますか? そうです,重症で面倒くさい患者の手術をやめ,簡単に治りそうな患者の手術だけするようになります。そうすれば簡単に手術成績を上げられるからです。
2006/11/03
- 本当に訳がわからなかった映画,《コリン・ファース トラウマ》について。一体これはどんな事件だったんでしょう,それすら判りません。見ると必ず「トラウマ」になります。
2006/11/02
- 雑誌,月刊保団連11月号に『新しい創傷治療 -湿潤治療-(下)』が掲載されました。
- 12月9日(土)の山口県での講演の問い合わせ先情報などを追加しました。
- ローカルネタですみません。
夜の松本の街を歩いていてふと思ったのですが,なぜか大きな蛾を見る機会がほとんどありません。東北地方に暮らしていたころは,街中でもヤママユガとかクスサン,オオミズアオなどの大型の蛾が灯りの周りを飛んでいたり,灯りの下で死んでいる姿をよく見かけたものですが,松本に来てからはそれをほとんど見かけません。せいぜい,スズメガを数種類見かけたくらいです(もちろん,山の中に入れば違うんだろうけど・・・)。
そういえば,大型の蝶も街中ではあまり見かけないような印象です。秋田ではナミアゲハ,キアゲハ,クロアゲハをよく見ましたし,宮城県ではナミアゲハのほか,アオスジアゲハがよく飛んでいました。東京都内でも注意してみているとアオスジアゲハがよく飛んでますよね。
地域(生息環境,植生)が違っているのだから生息している昆虫も違う,のは当たり前なんだろうけどちょっと不思議です。
2006/11/01
- 「医療行為に食品を包むラップを使うなんて」とか「安全性が確かめられていないラップを使うのはけしからん」と発表されたり発言されたりする医療関係者がまだまだ多いわけですが,こういう人たちは「皮膚科におけるラップを使ったODT療法」をどう考えているんでしょうね? たとえば手元に転がっている(?)皮膚科の教科書を開いてみてください。そこには商品名付きで「サランラップで覆う」と明記されています。恐らく,日本の皮膚科教科書で「サランラップ」という商標名が書かれていないものは少ないはずです。
要するに,皮膚科領域では何十年も昔からサランラップ(およびその他の食品包装用ラップ)を治療目的に使っているのです。上記の「ラップけしからん」派の先生方はこの現実をどのように考えられているのでしょうか?
もしも本気で「ラップを治療に使うのはけしからん」と思っているのであれば,「褥瘡のラップ療法」を問題にする前に「皮膚科でのラップを使ったODT療法」を問題にすべきですし,皮膚科学会に文句を言うべきです。そういうこともせず,「褥瘡のラップ療法」なんてちっぽけな問題だけほじくるのは,理論的に間違っています。
というわけで,「ラップけしからん」派の先生方は,まず皮膚科学会に「お前らの治療は間違っている」と喧嘩を売るべきです。そういう勇気ある先生のみ,「褥瘡のラップ療法」に文句を言う資格があります。
- 全然医学と関係ないネタです・・・っていうか,最近はそういうネタばかりで更新してますけどね・・・・。
というわけで(・・・意味不明),ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」の第1楽章の第1主題の部分だけをピアノソロで弾けるようにアレンジしてみました。rachmaninoff_concerto2.pdf (279 KB)
とはいっても,超手抜きアレンジです。ラフマニノフのオリジナルのピアノパートにちょっと手を加えてオケのメロディーを重ねただけなんでラフマニノフのピアノパートそのままの部分がかなりありますし,もちろん人前で弾くためのものではありません。第一,手元にピアノがないために実際に弾いて確かめることができず,聞き栄えとかそちらの方は全く不明です。頭の中でピアノを鳴らしてみた段階では,ま,そこそこメロディーは響くかな,という気がするのですが,実際はどうなんだろうか。もちろん,もう少し音を厚くした方がいいのはわかっているし,そのためにはラフマニノフのオリジナルのピアノパートを簡略化し,オケのパートを可能な限り拾った方がいいのはわかるのですが,ピアノが手元にない素人にとってはこのあたりが限界です。
なお,展開部の後半くらいまでは頭の中に設計図は出来上がっているのですが,本業の方が忙しすぎるため,楽譜にする暇はなさそうです。というわけで,「このコンチェルトのこの部分だけでも一人で弾いてみたかったんだよね,格好いいもんね」という方は暇つぶしに弾いてみてください。