2011/11/30
【06:50】【06:30】
- スマホにいろいろなデータを入れていくと,いつの間にかminiSDカードが一杯です。そろそろ容量の大きなものにしようかなと思って調べていたら,なんと32GBで2,899円! もちろん速攻で購入!
- 先日のテレビ東京の特番(12月19日夜8時放送予定)では対戦相手(関東地方のほとんどの大学病院形成外科のお偉方など)に逃げられましたが、本来なら私の方で,絶対に対戦相手に逃げられないように罠を仕掛けておくべきでした。今頃になって「絶対に対戦相手に逃げられない方法」を思いつく私は,ちょっとオマヌケさんです。実に簡単な方法で,狙った相手が討論の場から逃げられなくできるんですよ。次の機会にはそれをやってみようかと考えております。
- 今回の大阪ダブル選挙を見ていて,民主主義とは何か,ということが見事に浮き彫りにされたように思う。
「民主主義は神聖にして侵すべからざるものだ」という考えの人にとっては橋下さんは独裁者だろうし,民主主義の原則に立ち返れば議論を尽くして結論を出すべきだろう。
だが,民主主義とは平穏無事な時代に最適の政治的意思決定システムではないかと思う。たとえば,沈没しつつあるタイタニック号で「乗組員と乗客でこれからどうすべきかを話し合いましょう」というのが民主主義だが,多分,議論しているうちに全員海の底だ。
こういう状態では,みんなの意見を聞くなんて悠長なことをしている暇はない。誰かが咄嗟に指揮官になって号令をかけるしかないし,そもそも,指揮官を選ぶ選挙をしている暇もない。もちろん,その号令に従えば助かるかもしれないし,助からないかもしれない。しかし,民主主義の原則に則って全員の意見を募って議論を重ねていれば全員お陀仏なのだから,誰かの号令に従って行動して何人かが助かれば,その方がよほどましだ。
多分,橋下さんには大阪府が「氷山にぶつかって沈みつつあるタイタニック」に見え,対立候補の平松さんには「安全に航海を続けているタイタニック」に見えるのだろう。そして恐らく,橋下さんに投票した人にも「大阪は沈没しつつあるタイタニック」に見えていたのだと思う。
平和で平穏無事で経済右肩上がりの時代なら民主主義的な手順を踏んで方向をゆっくりと決めていいし,多分それがベストの選択だ。しかし,状況が変われば民主主義的手続きを踏んでいる間に社会そのものが潰れてしまいかねない。天気が晴れの時なら「傘を持って行くか置いていくか」でゆっくりと討論すればいいが,土砂降りの時にそういう議論をしていたらずぶ濡れになる。
平時の政治的指導者は調整型の人物が適役だが,非常時に調整型の政治家がトップに立っていると二進も三進もいかなくなって立ち往生することが多いことは過去の歴史が教えている。
- 【橋下徹新大阪市長、BBCで「暴力団員の息子が当選」と報道】
橋本さんが暴力団員の息子だろうと殺人犯の息子だろうと人間国宝の息子だろうと旧華族の息子だろうと,そんなのどうだっていいことである。重要なことは彼の親がどういう人間だったかではなく,彼自身がどういう人間かということであり,彼が今まで何をしてきたか,これから何をしようとしているのか,ということだ。親が暴力団でも息子が素晴らしい仕事をしていたら賞賛すべきだし,親が高潔な人徳者でも息子が人間のクズならクズと呼ぶだけのことだ。親は無関係である。
こういう風に,親のことを持ち出して子供を非難する人間こそ「人間のクズ」と呼ぶべきだろう。
- 【スターリンの一人娘、米で死去「父のせいで、どこにいても政治的囚人だった」】
子供は親を選べません。好き好んでその親の子供として生まれたわけではありません。だから,親の所業で子供にレッテルを貼るのは理不尽であり不合理です。スターリンの娘だろうが西太后の娘だろうがヒトラーの娘だろうが釈迦牟尼の娘だろうが二宮尊徳の娘だろうが,親は親,子は子であり,親と子供は別です。
- 【レノボから5型タブレット LePad S2005】
5インチのタブレットとなると,単なる「電話機能のないネット端末」じゃないかと思うんですが・・・。携帯電話としては微妙にでかいし,ネット閲覧・データ閲覧するだけなら画面が小さすぎるし・・・。わたし的にはタブレットPCのベストサイズは7インチです。
- 「子供から,なぜ人を殺してはいけないの,と質問されたらあなたはどう答えますか?」という命題がありますよね。これって論理で説明できない命題なんですよ。例えば「あなたも殺されたくないでしょう? だから殺しちゃダメ」と答えても,「僕,殺されてもかまわないもんね」と返されたらそれでおしまいだからです。
それに対し,週刊アスキーで岡田斗司夫さんが実に見事な回答をしています。そうか,そういう答え方があったか。お見事! 座布団10枚!
2011/11/29
【07:30】【06:30】
- 昨日は一日中,ポメラDM100を使っていましたが,電池切れを気にせずにガンガン使えるのはやはりいいです。ずっと使っていたのに,バッテリー表示が一目盛も下がっていません。エディタとしての能力はほぼ理想的ですし,筐体サイズはやや大きいものの(B5紙を縦半分に折ったのより大きい)とても軽い(電池を入れても400g強)ため非常にいいです。
- そういえば,昨日の収録の合間,他の先生から何度も「なんで先生のパートだけセカンドオピニオンの医者がいないの?」と尋ねられました。もちろん,本番収録の際もMCの加藤浩次さんも開口一番,「あれっ,このコーナーだけ治療法の対戦相手がいないんですか?」と質問されました。それで仕方なしに,「私も対戦相手がいると思ってきたんですけど,誰も対戦を受けていただけなくて・・・」と答えるしかありません。
番組収録後,前述の先生方は「そうか。あの説明を聞いたら,今更,傷を消毒して乾かす治療が正しい,なんて恥ずかしくて言えませんね。日常的に傷を消毒している先生方も,理論的根拠を出せと言われても根拠が無いのですから,恥をかくだけですね」と納得されていました。
- 悲しくなるほど出来の悪い手抜き映画,《紀元前1億年》を紹介。絶対に見ちゃダメ!
- 昨日のTV東京の収録ですが,17:30過ぎに無事終了。それから東京モノレール,山手線を乗り継いで上野に戻り,アメ横でそそくさと食事(もちろん,糖質制限してます)を済ませて20:30に石岡駅到着。
バラエティ番組への出演はこれで2回目ですが,待ち時間(=何もしていない時間)が長いため,結構疲れるものです。
- 【ネアンデルタール人は異種交配で絶滅?】
ネアンデルタール人と現生人類(ホモ・サピエンス)は出現時期から言うと,ホモ・サピエンスのほうが2万年ほど古くから存在し,ネアンデルタール人はその後に出現しています。そして古くからいるホモ・サピエンスが生き延び,一方のネアンデルタール人は3万年前に絶滅しています。両者の運命を決めたのはそれぞれの個体数であり,異種交配による遺伝子汚染の結果として少数派が消えていった,というのが今回の研究です。
- 【「ビジネス書籍も氷河期時代に......」老舗出版社にも倒産ラッシュか?】
これまで不況に強いと言われてきたアダルト系書籍ですがネットの普及で2007年ころから次々に倒産しています。それより手堅い商売をしていたのがビジネス書ですが,こちらも危なくなってきたようです。
ビジネスのノウハウについて他人に伝えたいという人間はたくさんいますが,これまでは書籍か雑誌の論文の形でしかそれを公開できなかったのですが,ネットという「超お手軽な公開手段」ができてしまいました。そして,ビジネス書籍がビジネスとして成り立たなくなってしまったのです。
私は10年くらい前から繰り返し,「医学雑誌(特に学会雑誌)はすべて廃止してネットでHTML文書として公開する形にしていいんじゃないの?」と書いています。それは紙媒体での論文には限界があるからです。論文なんて全てHTMLファイルでいいんですよ。
紙媒体雑誌をネット上のHTMLファイルにした時の利点です。
- 症例写真やCT画像のサイズの問題がなくなる。これまでは雑誌の誌面のサイズと原稿の枚数制限で掲載できる写真の最大サイズが決まっていたが,HTMLならその制限がなくなり,すべての写真がフルカラーの詳細なものにできる。
- 心電図やエコーの動画が貼り付けられる
- 引用文献も本文中にポップアップするようにして,そこから元論文にジャンプするようにすれば,元の論文の内容を簡単に検証できる。
- 論文の内容はGoogleなどで検索できるようになる。その結果,「誰も注目していなかった優れた論文」も検索対象になるため,埋もれた論文が日の目をみる
- (ほとんど読むことのない)学会雑誌や専門雑誌を本棚を占領する一掃できる
- その研究に使用した検査機器や治療機器の販売サイトにリンクすることも可能
- 【外来100円上乗せ断念…政府・民主,反発懸念】
外来100円上乗せなんてことより,「軽症なのに救急車を呼んでタクシー代りに使用した場合,相応の料金を患者から徴収する」というのを全国ルールにして欲しいです。ついでに「日中から具合が悪くしかも日中に受診できたのに,夜間に救急室を受診した軽症患者からは加算料金を徴収する」というのも制度化して欲しいです。そうしないと,真面目な医者が疲弊するばかりで,やがて救急医療は崩壊します。
- 【「ノロって呼ばないで」 野呂さん,ウイルス改称訴え】
気持ちはわかるんだけど,これは世界的な学術名ですから,ちょっと無理な相談です。
ちなみにこのウイルスは,1968年にアメリカのオハイオ州ノーウォークで自動から発見されて "Norwalk virus" と命名され,その後,1977年の札幌で発生した幼児の胃腸炎からこれによく似た小型球形ウイルスが発見されたために "Sapporo virus" と命名され,2002年に "Norwalk virus" は "Norovirus", 後者の "Sapporo virus" は "Sapovirus" と正式に命名された,という経緯があります。前者は "Nor" にラテン語の連結形 "o" を加え,後者は "Sap" に連結形 "o" を付け加えた命名です。つまり,日本語の「野呂」と無関係に,偶然から同じ発音になっただけなんですね。
2011/11/28
【10:30】【06:30】
- TV東京の特番『健康お悩み解消バラエティー! セカンドオピニオン』収録のためにテレビ東京の天王洲スタジオに到着しました。放送は以前17日とアナウンスしましたが,12月19日(月)20:00~21:54に放映日が決定しました。
- 「ポメラDM100,買っちゃいました」。ネット接続も,音楽視聴も,動画鑑賞も,オフィスの閲覧も,PDFファイルも読めないマシンですが,ストレスなく使える理想のテキスト入力マシンです。私が欲しかったのはこれです。
- ミニエッセイにちょっとだけ追加。
- 今日はこれからすぐに常磐線に乗って東京に向かい,10時から夕方5時まで番組収録でスタジオ缶詰状態となります。
ちなみに番組には,前田美波里さん,松本伊代さん,土田晃之さん,オリラジの中田敦彦さんが出演するそうです。松本伊代さんとテレビでご一緒するのはこれで2度目です(もちろん,伊代ちゃんは覚えていないと思うけど・・・)。
2011/11/25
【13:30】【10:30】
- 来週月曜日(28日),TV東京で12月17日放送予定の医療番組系特番の収録があり,私は「ヤケドは皮膚移植しないで治す」側で「ヤケドは皮膚移植をして治す(=日本熱傷学会のガイドライン治療)」側の先生とちょっと討論でも,という予定でしたが,ついに「ヤケドは植皮」側の先生は出演しないことが決まりました。多数の大学病院形成外科の教授や熱傷治療で有名な先生方にかたっぱしから出演依頼したのですが,誰一人として「討論で湿潤治療をとっちめてやろう」という人はいません。ただ一人,出演に前向きだった茨城県T市某病院皮膚科の先生(いろんな所で「湿潤治療なんてダメだ」と悪口を言いふらしたり論文を投稿している御仁です)も今日になって「都合がわるいので出演できません」と敵前逃亡! うわぁ,こいつ,マジ情けねぇ! タマなし野郎かよ? 文句があるなら出てこいよ。コテンパンにやっつけてやろうとてぐすねひいて待っていたのに,タマなし野郎じゃしょうがねえな。
ヤケドに対して皮膚移植で治すのが正しいとテレビ視聴者に主張できる絶好の場を提供したのに,日本熱傷学会の先生方も大学病院形成外科の教授たちもその機会を放棄しました。彼らはそんなに後ろめたい治療をしているのでしょうか? 正しい治療だと信じて行なっているのなら,それを堂々と主張したらいいじゃないですか。湿潤治療より植皮治療が優れているって主張すればいいじゃないですか。正々堂々と討論するのが苦手なんですか? そんなにしてまで隠しておきたい治療,治療結果を秘密にしたい治療をしているんですか?
というわけで,日本熱傷学会+形成外科学会の不戦敗,湿潤治療の不戦勝が決まりました。文句があるならテレビに出てきて言いなさい。陰でコソコソ,2ちゃんねるでコソコソなんて男のすることじゃないぜ。
【07:30】
- 私も一部執筆している『これだけは知っておきたい小児ケアQ&A』 (ナーシングケアQ&A)が第2版になりました。
【06:30】
- 中京病院(ご存知,熱傷治療の総本山)救急部の黒木先生から「熱傷後ヘルペスが多発しています。その原因として私はフィブラストスプレーを疑っています。フィブラストを使っている症例にしか発生していないからです」というメールをいただきました。ちょっと長文ですが,引用させて頂きます。
この2年くらい,当熱傷センターで熱傷創へのヘルペス感染が相次いでいます。熱傷創へのヘルペス感染は過去に文献でも報告例がありますが,なぜ当熱傷センターにおいて最近増えたのか原因を考えてみました。
これは,全くの思いつきなのですが,「フィブラストスプレー」が犯人ではないかという気がしてきたのです。
ヘルペスのようなウィルスは,細胞分裂が盛んな細胞に好んで感染します。例えば,熱傷創であれば,浅在性2度熱傷や採皮創に感染します。3度熱傷のように完全に壊死した組織には感染しません。
フィブラストスプレーは線維芽細胞増殖因子ですので,細胞分裂を活性化させ,ウィルスがより好む環境に組織を変化させるのではないかと思われるのです。時期的にフィブラストスプレーが盛んに使われるようになった時期とヘルペス感染が発生した時期とが一致していますし,フィブラストスプレーを好んで使う医者が主治医をする患者にやたらとヘルペスが発症しているのです。湿潤療法も細胞分裂を促進させますから容疑者といえば容疑者ですが,僕のように湿潤療法のみでフィブラストを使わない医者が主治医をしている患者にはヘルペスは発症していません。
そもそも,もともと人間が合成する物質を補充するという治療コンセプトは今のところことごとく否定されています。例えば,アルブミンがそうです。アルブミンはいまや”killer fluid”と呼ばれ,重症患者の独立した死亡リスク因子となることが示されています。敗血症に対する免疫グロブリンやDICに対するアンチトロンビン製剤の効果も今のところ否定的な意見が優勢です。だから,フィブラストスプレーが発売された当初から僕は懐疑的でした。
夏井先生も「フィブラストスプレーは使ったことがあったが,もう今は使っていない。そもそも臨床試験の対照群がユーパスタである時点で眉唾ものだ」ということをどこかで書いていたように記憶しています。
僕は同薬を撲滅すべき薬だと思っています。効果があるかどうかわからないくせに高価だし,なにより噴霧すると患者さんがものすごく痛がるからです。さらにウィルス感染を助長するとなれば,もうこれは絶対に使ってはならないクスリということになるでしょう。
ちなみに,熱傷に合併したヘルペス,私は10年間で一例も経験していないので,写真を送ってもらいました。非常に痛いそうです。
他の病院,熱傷センターではどうでしょうか。同様の症例が発生していますか? 是非,ご教示ください。
- 本日,11月25日はポメラDM100の発売開始日です。amazonさん,早く届けてください。待ち遠しいです。
ちなみに,予約した時より値段が2,000円も下がっているけど,悔しいなんて思ってないもんね。2,000円高くたって悔しくなんかないもんね。ホントに悔しくないもんね(・・・と,無理やり自分に言い聞かせています)。
- 「石鹸で傷を洗えと医者に指導されましたが,本当に石鹸で洗わないといけないのでしょうか?」という質問に回答しました。
- 巨大なクモが雪山のスキーヤーを次々に襲う,という,初期設定からして無理ありまくりのパニック映画,《アイス・スパイダー》を紹介。
- 【ペルム紀大絶滅,わずか20万年で】
地球史上,最大の生物絶滅といえばこのペルム紀大絶滅です。古生物学ファンにとってペルム紀大絶滅はカンブリア爆発と並ぶ最大の謎といっていいでしょう。そのペルム紀大絶滅が「2億5228万年前頃を中心とした20万年で起きた」ことが判明したようです。
この「わずか20万年」というのをどう感じ取るかが問題です。何しろ,ホモ・サピエンスが地球上に登場してからまだ「わずか10万年足らず」だからです。つまり,ホモ・サピエンスという生物種は20万年という時間単位をまだ経験していないのです。だから,私の想像力では20万年という時間経過は想像の範疇を超える時間です。数字としての20万年は「2000千万年の1/100,2億年の1/1000,20年の1万倍」ですが,実際の時間感覚としては想像を超えてしまいます。
私はむしろ,この「ペルム紀大絶滅」を生き延びた多細胞生物がいたという事実が奇跡的だと思います。多細胞生物の基になる真核細胞は,地球全史で唯一度,22億年前に発生したのみで,最初の真核細胞が存続できるための条件は極めて特異な環境下でしか成立しないからです。このペルム紀大絶滅で真核生物が生き延びられず,細菌のみが生き延びられたとしたら(その可能性は十分にあったはずです。真核生物は酸素がなくては生存できず,細菌のように深海底や地殻内に逃げこむという選択肢はありません),地球は現在でも細菌しかいない世界だったはずです。
- 【スマートフォンを巡るグーグルとアップルの横暴】
iPhoneにしろAndroidスマホにしろ,かつてのWindowsと同じ状況になっています。パソコン(Windowsマシン)を購入するとOSはWindows,ブラウザはIE,日本語変換はMS-IME,オフィスソフトはもちろんMS-Office・・・とすぐに使えて便利ですが,一時,ブラウザのIEをアンインストールできない時期がありました。IEをアンインストールするとOS自体が不安定になってしまったからです。つまり,そのパソコンを買ったら,OSを入れ替えない限り嫌でもIEを使い続けるしか選択肢はありませんでした。
現在のスマホの世界はそれと同じです。Androidスマホを買えば嫌でもAndroid Marketでソフトを購入するしかないし,iPhoneを使うためにはAppStoreにアクセスするしかなく,それ以外の選択肢はありません。すべてプリインストールされていて,それを使っている間は便利ですが,それ以外を使おうとすると不便な作りになっているからです。
- 【無抵抗の学生に警察が催涙スプレーしている写真…あまりにひどいと批判殺到】
ビデオを見ると吐き気を催します。催吐剤に使えます。こんな国には住みたくないな。
2011/11/24
【13:40】【12:00】
- 【雑草のハトムギでお茶とご飯を作る 】
最近,ことあるごとに「糖質制限食」を取り上げていますが,こういう実験系の記事を読むと,もともと雑草だった穀物の原種を食べるのがいかに大変だったのかがよくわかります。現代の道具を使ってもこれだけ大変なのですから,ろくな道具も容器もなかった時代ではものすごい努力をしなければ「飢えを満たせるだけの量の穀物」なんて食べられなかったのでしょう。要するに,麦類の栽培に成功したからといって,すぐに食べられたわけではないはずです。
私たちの食事の栄養の4割が炭水化物(糖質)ですが,これは人類史の上では「つい最近」可能になった食習慣に過ぎないことがよくわかります。決して,穀物は人類本来の食物ではありません。
【07:20】
- 昨日の「近畿外来小児科研究会」で数人の先生から「実はすりむき傷に対し,ラップで覆ってみたら,数日後に蜂窩織炎を起こした症例があったが」という質問をいただきました。質問者に聞いてみると,治療についての説明が十分になされていなかたり,翌日診察していないようでした。
会場で岡田医院の岡田先生も「私は毎日,診察するようにしています。もしも土曜日に患者さんが受診されたら,日曜日も診察するようにしています。特に,治療を始めた頃はそうしたほうがいいです」とアドバイスしていましたがこれが正解です。
湿潤治療は非常に簡単に始められますが,やはり治療を始めた当初は「毎日診察」を習慣にしたほうが良いです。毎日見ることによって「傷の治り方」がわかってくるし,どういう過程を経て治っていくかがわかります。
また,診察する場合は必ず,「昨日より痛くないですか?」と尋ねることも重要です。前日より痛くなかったらセーフですが,前日と同じくらい痛い,あるいは前日よりもっと痛い場合には,感染を起こしているか,血腫ができて圧迫されているか,あるいは別の何かトラブルが起きていると考えられるからです。創部に発赤はなくても軽度でも圧痛があったら,確実に何かが起きているのです。そして,速やかにそのトラブルに対して対策を取らなければ,確実に「本当の蜂窩織炎」になってしまいます。それを防ぐためにも「毎日診察」が必要です。
そうやって治療例を増やしていくと,徐々に「正常な傷の治り方」がわかってきますから,そうなったら次第に通院間隔を延ばしていきます。
なお,患者さんへの治療の説明ですが,私はこんな具合に説明しています。これで治療について納得いていただけなかった例はありません。
【06:30】
- 昨日早朝,ある方から「子供がヤケドしまして入院しています。消毒と軟膏ガーゼの治療で,治療のたびに子供が泣き喚いていて可哀想で見ていられません。ネットで湿潤治療について知り,これで治療してくれないかと主治医に尋ねても《湿潤治療は軽症のヤケドにしか効かない。これは深いやけどなので湿潤治療では治らない。いずれ皮膚移植が必要だろう》と説明されました。何とか助けてください」とメールをいただきました。
それで,何度かメールのやりとりをして,直接「近畿外来小児科研究会」講演会場(大阪医大)まで来られるということなので来ていただき,研究会に参加していた「通院可能な病院で湿潤治療をしている医師」を会場で見つけ,彼に紹介しました。関西在住の方だったことが幸いしましたが,最初のメールをいただいてから8時間ほどでの電光石火の早業でした。
ちなみに,講演の冒頭で「この研究会はたった今,一人のヤケドの患者さんを救いました」と事の経緯を紹介しましたが,拍手喝采でした。そして講演終了後の懇親会でも「これからは軽いヤケドは小児科医がどんどん治す時代になるんでしょう。大学病院で植皮しないと治らないと言われた熱傷が,小児科クリニック(こことか,こことか)でどんどん治っているんですからね」と何人もの小児科の先生から話しかけられました。
日本に熱傷学会があることすら知らない小児科の先生方が,どんどん熱傷を治療する時代がもうそこまで来ているようです。まさに,日本熱傷学会にとっては青天の霹靂,「そんなの聞いてないよ」という事態でしょうけどね。
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,福岡市早良区の福岡記念病院 救急診療科/黒田亮太先生にも加わって頂きました。ありがとうございます。
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に,福岡市早良区の福岡記念病院 売店を追加しました。
- 昨日,大阪で講演があり,京都のホテル(高槻市は京都の隣)で更新しています。これから茨城に戻り,午後から外来です。
2011/11/22
【11:50】【06:30】
- ううむ,これに皮膚移植するかよ,という症例です。
小学校1年生の女児です。9月30日,ワンタンのスープで右大腿に熱傷受傷。千葉県内の某医科大学病院形成外科で治療を受けていますが,主治医から手術が必要と言われたそうです。しかし,同科の4人の医師の説明がバラバラなことに不信感を持ち,ネットで調べて11月14日に当科を受診しています。それが左側の状態なのですが,このどこに植皮をしようとしたのかも不明なら,なぜこの状態の熱傷を「植皮をしないと治らない熱傷」と診断したのかも意味不明です。と言うか,創面の状態をきちんと見て「植皮が必要」と判断したのかどうかも疑わしいです。ちなみに,創部はソフラチュールとガーゼで覆われていて,ソフラチュールがくっついていて,剥がす際に患者さんを泣かせてしまいました。
当科ではプラスモイストで覆いましたが,その途端,「全然痛くなくなった」とニコニコ顔になり,笑顔で帰っていきました。
右側が1週間後の状態です。普通に走れるようになり,学校では体育の授業に出席し,患部をお風呂で洗っても痛くないそうです。
昨日たまたま,テレビ東京が取材に来ていましたが,この患者さんが皮膚移植されるところだったというのを聞いて憤慨し,同時に,痛くて歩けない状態からすぐに走り回れるようになったと親御さんから聞いて,「大学病院の熱傷治療とは全く別次元の治療ですね」といたく感動なさった様子でした。
11月14日 11月21日
- 酒浸りの初老のカントリーミュージシャンの復活劇を描く感動的映画,《クレイジー・ハート》を紹介。腐臭漂うようなアルコール依存症@メタボおやじの姿が,なんだか他人ごとではありません。だからこそ,彼の復活劇に涙,涙です。
- 朔日,無事にTV東京の取材が終了しました。ほとんどの患者さんからカメラOK,取材OKの許可をいただき,撮影も非常にスムーズでした。なお,取材の様子やスタジオ収録の様子は12月17日(土) 20:00~22:00の医療特番『セカンドオピニオン(仮題)』で放送される予定です。ちなみにMCは加藤浩次さんの予定。
- ちなみに,上記の番組では同じ患者さんに対し「私はこう治療します」,「私は別の治療法を選択します」と異なる治療法を行う複数の医師を登場させてそれぞれの治療法を提示する,という方式になる予定です。私が登場する「熱傷の治療」パートでも,同じ熱傷症例に対し私は皮膚移植なしで治療,同じ症例に対して「私は絶対に皮膚移植で治療します」という立場の先生に出演していただくことを予定しています。
ところが,番組では様々な大学病院形成外科や熱傷学会の医師に「皮膚移植推進派として是非出演を」と打診を続けているのですが,「テレビに出て皮膚移植術の優位性を訴えたい」とテレビ出演を受諾してくださった医者はまだいないようです。熱傷患者に皮膚移植を毎日行なっておられる先生方,「湿潤治療よりは皮膚移植の方が優れている治療である。湿潤治療なんてダメ治療だ」と宣伝する絶好の機会ですので是非出演してください。でないと,「熱傷は皮膚移植で治療する」という熱傷学会ガイドライン治療が不戦敗,敵前逃亡になってしまいます。
- 「ナノカプサイシン 辻さん家のとける唐辛子」って御存知ですか? これ,マジで美味いっす。辛いのが好きな人には絶対オススメ!
ナノカプサイシン 辻さん家のとける唐辛子
価格:800円(税込,送料別)
- Asus "Zenbook"を使い始めて3週間経ちますが,簡単な設定で「外付けマウスを繋いでいる時はタッチパッドが効かないようにする」とできることに昨日気が付きました。今まで,文章を書いていて手のひらがタッチパッドに触れるたびに,カーソルがあっちこっちに飛んだり,突然文字が拡大・縮小したりと,かなりイライラしながら文章を打っていましたが,これでもうイライラ解消です。私は「マニュアルをあまり読まずにとりあえず使い始める」派なんですが,やはりマニュアルはよく読んだほうがよろしいようです。
それと,ACアダプタの表面に薄いシールが付いていることに昨日になって気が付き,それを剥がしてみたら,なんとそこには同心円状のヘアライン仕上げが! もちろん,Zenbook筐体天板の美しいヘアライン仕上げと同じデザインです。こんな所にも意匠を凝らしていたんですね。このACアダプタはサイズも小さいし,よく考えられているデザインだし,何よりケーブルが細くてかさばらないしと(ACアダプタがいくら小さくても,ケーブルが太いとすごく邪魔)気に入っていましたが,まさかここまで気を配っているとは思っていませんでした。
そういえば,週刊アスキーにAsus Zenbook(UX31E)とSonyのVAIO Z(VPCZ21)のベンチマークの比較記事がありましたが,PCMark7の総合スコアではVaio Zを凌駕し,CPUスコアでもほとんど肉薄していました。ちないみにVAIO Zは標準電圧版のCore i5,Zenbookは低電圧版のCore i7なんですが,ユーザーとしてはちょっと嬉しいデータでした。
- 【ニコンのフルサイズ後継機は D800,3600万画素?】
ついに,2400万画素相当と言われている銀塩フィルムの解像度を,デジカメが凌駕する日がやって来ました。
2011/11/21
【08:20】【06:30】
- 【スペイン総選挙,政権交代へ=野党・国民党が単独過半数】
EUの火薬庫と化しているPIIGS諸国では次々と政権交代が起きていますが,政権を取った側は果たして喜んでいるんでしょうか,それとも「あ~あ,政権取っちゃったよ。これからどうするんだよ。野党の方が楽でいいよ」というのが本音なんでしょうか。だって,問題(=経済破綻,失業 etc.)を早期に解決することは絶対に不可能だし,今後これらの国で経済が上向く可能性も薄いからです。敢えて火中の栗を拾うという言葉がありますが,私の感覚では「溶岩の中に素っ裸で飛び込む」みたいなものじゃないかと思うのです。それでも政権を取りたいものなのかなぁ,なんて思ってしまいます。
- 今日は一日,テレビ東京の取材(診察風景の撮影,患者へのインタビューなど)が入ります。そして来週月曜日はスタジオ収録で一日中,スタジオ閉じ込め状態です。放送は12月17日 夜8時からの予定です。
- 「皮膚科の常識・非常識」シリーズに「では,白癬症の治療はどうしたらいいのか」を追加しました。
- 曹洞宗萬頂山高岩寺のご住職から「当山で毎年作って檀信徒に配布している【名言カレンダー】2012年版の9月の名言に傷の話を載せさせて頂きました」という連絡をいただきました。もちろん,萬頂山高岩寺といえばあの有名な「とげぬき地蔵」のお寺です。医師でもあるご住職は湿潤治療をご存知だったそうです。カレンダーに取り入れていただき,ありがとうございました。
- ある先生から「学生の試験問題をつくろうと医師国家試験の過去問を探していたら,《褥瘡の治療 ⇒⇒ 正解は湿潤環境》ってあるんですよ。嬉しくなっちゃいました」というメールをいただきました。
平成23年度 医師国家試験 G問題 問11 ⇒ 正解
まさか本当に出題されているとは思わなかったです。しかも「褥瘡の消毒は間違い」となっているじゃないですか。「傷の消毒」,思いっきり否定されています。社会ってのは,変わるときには変わってくるもんですね。
- 次に読もうと思っているのが『巨大翼竜は飛べたのか-スケールと行動の動物学』 (平凡社新書)です。著者は超小型のデータロガーを野生動物に装着し,彼らが実際にどのように飛び,泳ぎ,移動しているのかを次々に解明している研究者ですが,膨大なデータを詳細に読み解いて基本原理を導き出し,その原理から演繹的思考を積み重ねることで従来の常識を次々に否定していきます。まさに私好みの本です。
- 【武装した泥棒,小さな子供2人に貯めてたお小遣いを渡され何も盗らずに逃走】
二人の幼い兄弟の勇気と気概と機転に,おっちゃん,泣いちゃったよ。子供たちが差し出したお金を受け取らずに逃げた泥棒さん,今度こそ真人間に戻ってね。
- 先週末,講演の後にホテルに宿泊しましたが,翌朝,久しぶりに「朝食を食べながら新聞を読む」というのをしました。5年以上前から自宅では新聞を取っていないので,新聞を読むこと自体,久しぶりです。2紙の全国紙と2紙のスポーツ新聞を読んでみたんですが,「新聞記事ってこんなに読む所がなかったんだ」とびっくりしました。もちろん,朝起きてすぐにネットに接続してニュースをチェックしていて,その後に新聞を読んだためなんですが,これほどまでに内容スカスカとは予想していなかったです。
逆に,「この新聞,毎月いくらの購読料なら納得して読むか?」なんて考えてしまいました。全国紙を駅のキヨスクなんかで買うと130円くらい,1ヶ月の購読料が3000円くらいだったと思いますが,この値段が新聞のコンテンツに見合ったものかと質問されると,ちょっと微妙なんですよね。
例えば,「キヨスクで1紙130円」で売られているということは「1週間分で910円」です。910円といえば週刊誌,漫画雑誌の3冊分です。果たして週刊誌3冊分の情報が新聞1週間分に掲載されているのか,ということです。
それと今回初めて気がついたのですが,「紙の新聞や雑誌は読み手の視力に合わせて文字サイズを変えられない」のですよ。これは老眼にならないと気が付かないことでした。老眼になると細かい文字が読めなくなるため,老眼鏡をかけるなど様々な作業が必要になりますが,これがパソコンだと「表示文字を拡大する」だけで読めるようになるんですよ。その意味では,パソコン画面は高齢者に優しいですが,新聞は高齢者に優しくないです。
2011/11/18
【06:30】
- ある方から「ヒナmama☆HAPPY TALK」というブログを教えて頂きました。1歳のお子さんが熱湯でヤケドしてしまい,地域の救急病院で「ガーゼ+軟膏厚塗り治療」を受けましたがその治療に不安になり,看護師をしている妹さんに相談して思い切って湿潤治療をしてみて自分でわが子を治した,という感動のブログです。ものの見事に治っていて,この深さなのに傷跡がほとんど残っていません。そこらの「消毒と軟膏ガーゼしか知らない熱傷専門医」より優れた治療結果じゃないでしょうか。
ヒナmamaさん,グッジョブ!!!
- 巨大蛇パニック映画史上,恐らく最大級サイズであろう巨大ヘビが暴れまわるのが《メガスネーク》です。最後には「ピノキオのゼペットじいさん」作戦でヘビを倒します。
- 今月になって何度か取り上げている「糖質制限食」です。
よく,「糖質が不要とは言っても,疲れたら甘いものが欲しくなりますよね」と言われますが,少なくとも私の場合,そういう欲求は全くありません。いくら疲れていて目の前にケーキがあっても食べたくありません。丸一日食べてないとか,フルマラソンを走ったとかなら,もしかしたらケーキを食べるかもしれませんが,そういう状況がない限り,私はケーキに手を出さない気がします。
そういう訳で,「疲れたら甘いモノを食べる」というのも後天的な習慣ではないかと疑い始めています。
- 【木星衛星エウロパの氷層内に大きな湖?】
以前から「生命の星エウロパ」とも言われる木星の衛星エウロパに,巨大な塩湖が存在する可能性が高くなってきました。つまり,巨大な木星の潮汐力によるエウロパの「熱」と「水」があるのですから,これなら古細菌なら十分に生存可能でしょう。
とは言っても,エウロパに地球型多細胞生物がいるかというと,それはありえないでしょう。多細胞生物化のためには細菌は細胞壁を脱ぎ捨てる必要があり,細菌が細胞壁を脱ぎ捨てるためにはATP産生専用の細胞内寄生体ミトコンドリアが必要であるからです。そして,ミトコンドリアを持つ細胞は「メタン生成菌内への α-プロテオバクテリアの細胞内寄生」によってもたらされ,その共生が有利だった条件は地球の歴史でごく一時期にしかなかったからです。
- 【Asus Eee Pad Transformer Prime に折り紙風スマートカバー】
こういうギミック,私は大好きです。このカバーだけ欲しいです。
- 【さすが中国,画期的なカンニング防止策が編み出された】
たしかにこれなら「隣の人の答案用紙を盗み見する」ことは不可能ですが,古典的なカンニングペーパーなら簡単に盗み見できそうです。
2011/11/17
【15:00】【12:00】
- 【パスワード変えた議員は半数以下 衆院サイバー攻撃】
国会議員の先生方はさすが,私らとは違いますね。豪胆と言うか剛毅と言うか,サイバー攻撃が怖くて議員ができるかってんだ,という感じなんでしょうか。私なら,速攻でパスワードを変えますけどね・・・。
【06:30】
- 某小児医療センターの感染対策室の方から「心臓外科で術後の創感染が続いています。感染創をどのように処置すればいいでしょうか?」という質問メールをいただきました。さて,どうしたら良いでしょうか。
私だったら「感染した傷の治療をどうするか」とは考えずに,「術後創感染をなくせばいいだけじゃないの?」と考えます。水道管が破裂して水が溢れている時に,「最も効果的な排水装置は何ですか?」と聞くより,さっさと元栓を閉めて水を止め,破裂箇所を修理したほうが手っ取り早いし確実です。それと同じです。水漏れ(=術後創感染が続いている状態)の原因を放置して,漏れた水をどうしよう(=術後創感染を起こした創の処置方法)と考えても意味がありません。
私の経験では,それまで術後創感染があまりなかったのに,ある時期を境に増えたのなら原因は外科医です。新しい医者に変わってから感染が増えたとか,あの先生が手術するとよく傷が開くとか,新しい治療法を導入してから感染が増えた気がするとか,そういうパターンがほとんどです。具体的には,医者の手術手技が未熟だとか粗暴だとか注意力が散漫だとか,新しい手術法をよく理解せずに行なっているとか,そういうことが多いです。
この場合,医者が原因ですから,医者を変えなければ術後創感染の発生は減りません。最善の対策は,医者を取り替えるか,医者の頭・知識を取り替えることです。
もちろん,現実的には最も実現困難な対処法ですけどね・・・。
- ついに,長年(?)の懸案だった「英語での治療法の簡単な説明」を公開しました。以前,多くの方からの協力をいただいて翻訳していただいたものをHTMLにしました(・・・何しろ私の英語能力は中学生並みなもんでして・・・)。「日本語は全くわからないので英語で説明してほしい」という患者さんが受診された時とか,この治療に興味を持っている外国の方に説明する時などにご利用いただけましたら幸いです。
また,このサイトのどっかのページを勝手に翻訳してみたんだけど,というご奇特な方がいらっしゃいましたら,是非,ご連絡ください。
とは言っても,治療についての疑問・質問の英語メールが海外から舞い込んできたら困っちゃうのも事実です。なにせ私,英語は中2程度ですから・・・。今から悩んでもしょうがないので,そういう事態が起きたらその時考えることにしようっと。
- さすがに,夕方まで仕事をしてそれから2時間かけて講演に向かい,講演終了後にまた2時間かけて石岡に戻るというのは,さすがに疲れます。今回は,協賛メーカーから「講演終了後はタクシーで上野に向かってください」との申し出があったため,何とか11時過ぎには自宅アパートに戻ることができ,本当に助かりました。
もちろん,翌日はいつものように朝5:20に起床し(・・・何しろ年寄りなので何時に寝ても朝5時になると目が覚めちゃうのです),この更新記事を書いていますが,さすがに眠いです。
- 【HP Folio 13 ウルトラブック発表,13.3インチ 18mm厚で9時間駆動】
バスに乗り遅れるな,ということでHPもUltrabookを出してきましたが,軽さと長時間駆動の東芝,高改造画面のAsus,格安のAcerという先行する3機種に比べるとちょっと地味目です。薄くもなく軽くもないけどお値段が少し安いのが唯一の取り柄,という感じです。
Ultrabookは規格が決まっているため,どうしても「機能もデザインも横並び」になってしまいます。だからAsusのUX31Eのように「13インチワイド画面なのに,1600×900ドット表示。それなのに低価格!」というような,何か飛び抜けた特徴(機能)がないと他のUltrabookと差別化ができません。
- 【異世界としか思えない魔境「ソコトラ島」の写真17枚】
まさに奇観,まさに絶景です。人間の想像力をはるかに超える生物たちの姿に感動します。
2011/11/16
【15:00】【09:50】
- 「ウマの白癬症がワセリンで治った!」を読んだ内科の先生からのメールです。
私自身が,足白癬で外用薬を使用したことがあります。角質層に効率的に抗真菌薬を到達させるためには,表面活性剤を含んだクリームが良いと考え,「マイコスポールクリーム」を使用したのですが,あまり改善がみられませんでした。次に「ニゾラールローション」を使用したのですが,掻破後の皮膚欠損部にたいする痛みが尋常ではなく,使用継続できませんでした。
そして角質に抗真菌薬を到達させるには,一番効率悪いと思っていた「ハイアラージン軟膏」を使用したところ,たちどころに治癒したのです。r 『牛の白癬菌症の場合は,「ナナオマイシン」という,油基材にナナフロシンという抗生物質?を混ぜた軟膏が有効とされています(ネット上に論文等があります)。これも,本当に有効なのは油基材の方かもしれません。 』このくだりを読んで,自分の足白癬にたいしても「ああそういうことか」と得心しました。これからは,足白癬の人には自信を持って軟膏の抗真菌薬を薦めたいと思った次第です。素直な視点は本当に大事ですね。
【06:30】
- 先ほど,「ウマの白癬症がワセリンで治った!」という記事を載せましたが,早速,次のような感想メールをいただきました。
「馬の白癬をワセリン」で,周りに反対されながらも馬のために頑張った姿に,自分も周囲に負けずに頑張らなければと思いました。ちなみにこの方のお子さん(10歳)は,ケガをすると自分で創部をよく洗い,自分でハイドロコロイド被覆材をつけ,勝手に治しているそうです。「もう,子供のケガに関しては余程のことがない限り,母親の出番はなさそうです」とのことでした。
でもやはり,頭堅いナースは多いです。よく鼻で笑われますから。医療従事者でない方は,「それ何」ってぐいぐい突っ込んで聞いてくれます。
- 「ウマの白癬症がワセリンで治った!」という投稿を掲載しました。素晴らしい内容に脱帽です。
- 今週は講演が相次ぎますが,今日はちょっと忙しいです。15:30まで外来診療をして,それからタクシーに乗って石岡駅に向かい,16:13発の電車に乗って上野経由で貼付に到着するのが18:06。それから調布小児科医会で講演。講演終了後,直ちに京王線に飛び乗って,京王線,中央線,京浜東北線,常磐線を乗り継ぎ,石岡駅に到着するのは23:31。
- 【「茶のしずく石鹸」でアレルギー】
最近,マスコミで「茶のしずく」報道が相次いでいますが,知り合いの複数の美容師さんによると,「実は超有名な○○○というシャンプーを使っている人に頭髪のトラブルが多いのは美容師の間では常識」だそうです。ただし,「諸般の事情」から,これが表面に出ることはないんだとか・・・。
- 【立山連峰に国内初の氷河か】
北半球何軒の氷河が発見されました。「氷河期とは南半球と北半球に氷床がある時期である」という本来の定義からすると,今は立派な氷河期であることがわかります。
- 【ソニエリ,Xperia の今年モデルに "Ice Cream Sandwich" アップデートを提供へ】
XperiaもAndroid 4.0搭載と,順調に進化を続けています。私が1年ちょっと前に買った初代のXperiaとは大違いです。きっといろんな機能が追加されたんだろうなぁ。初代Xperiaとは別物なんだろうなぁ。Androidスマホもパソコンみたいに「簡単にOSバージョンアップ」ができたらいいのになぁ。"Ice Cream Sandwich"を使いたかったら,スマホを買い換えるしかないんだよね。
- 【無敵iPadについに好敵手登場! Kindle Fire徹底レビュー】
「iPadとiPad2とその他大勢」と揶揄されているAndroidタブレットですが,amazonのKindle Fireはちょっと違っています。カメラがない,G3に対応せず無線LANしか使えない,画面が7インチと小さいなどないないづくしですが,何しろお値段が安いです。新品で6000円台です。どうやら,原価割れしているようですが,Amazonはそれでも立派に利益が上がるシステムを構築しています。これは強いですね。
2011/11/15
【11:00】【09:30】
- 【キングジム「ポメラDM100」 ~ストレートのキーボード採用。Bluetoothキーボードとしても利用可能】
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
新型ポメラのレビューです。ポメラDM20の欠点がほぼ全面的に解消されているようです。これ,欲しい! まだ発売前だけど,お値段は2万円台後半まで下がっています。
【06:30】
- 一昨日,「皮膚の傷が先か,白癬菌の増殖が先か」という駄文を書きましたが,競走馬の育成牧場で働いている方から,「馬にも白癬症があり,難治性で困っているのですが,思い切って白色ワセリンを塗ってみたら数日で治ってしまいました」というメールをいただきました。すでに数十例の白癬症をワセリンだけで治したそうです。明日にでも「投稿」という形で掲載させていただこうと思っています。
- 熱傷ネタをさらに付け加えると,「熱傷治療とは皮膚移植で熱傷を治すことである」と公言なさっている先生方や,日々,皮膚移植で忙しい熱傷専門医の方々は果たして,自分の子供や孫,親が火傷をした時に皮膚移植するんでしょうか。自分の孫の背中の皮膚を剥ぎとって,腕とか足に皮膚移植するんでしょうか。一度尋ねてみたいです。
私は10年前までは積極的に皮膚移植で熱傷を治療してきましたが,正直言うと「この治療,とてもじゃないけど自分の子供にはできないよなぁ」と思っていました。他に治療の選択肢がなければ植皮するかもしれないけど,植皮せずに治る方法があるんだったら,自分の子供に対しては手術しない治療法を選択します。でも,熱傷専門の先生方は「自分の子供なら尚更,さっさと背中の皮を剥ぎとって植皮するに決まっているじゃないですか」と考えていらっしゃるんでしょうか。
このあたりについて,ケアネットあたりで「熱傷治療はどうあるべきか」という討論番組を企画してくれないかなと思います。熱傷の湿潤治療を批判している先生方,陰でコソコソ悪口を書くんじゃなくて,公開の場で正々堂々と討論しましょうよ。
- 昨日は,〇〇病院形成外科の▲▲先生が見学にいらっしゃいました。
諸般の事情があり,熱傷治療は従来の治療をするしかない状況とのことです。熱傷患者さんが数人受診されたため処置をご覧にいれることができましたが,「こんな簡単な治療でいいのなら・・・」とおっしゃられていました。
でも,熱傷の湿潤治療についてはよくご存知で,現在のスタンダートの熱傷治療(=熱傷学会御推奨の治療ガイドライン)が「エビデンス・レベル C,Dばかり」という異常さ,植皮術を前提に治療計画を立てていることの異常さなどについて話し合うことができ,楽しかったです。
また,昨日実際に「隣県の某大学病院形成外科から逃げてきた患者さん」がいらっしゃったのですが,「患者が大学病院形成外科から逃げるって,本当にあるんですね。こういう治療をしていると患者が治療を拒否して逃げ出す時代がもう来ていますね」と,驚かれていました。
- その「隣県の某大学病院形成外科から逃げてきた」小学生の患者さんですが,9月下旬の熱湯による受傷でまだ治癒せず,最近主治医から「皮膚移植して治しましょう」と言われたそうですが,4人の形成外科医の説明がそれぞれバラバラなために不安になり,ネットで調べて受診されました。
診ると,まだ上皮化していない部分は最大でも幅8ミリ,長さ数センチ程度で,プラスモイストならあと1週間で確実に上皮化しそうな感じです。上記の見学の先生も「これに植皮しちゃうの?」と呆れ顔でした。
ちなみに,その大学病院では「ワセリンとガーゼ」での処置で,ガーゼを剥がす時に大泣きされましたが,プラスモイストを当てたら「痛くなくなった」とニコッとしていました。付き添ってこられたご家族の方は「こんな事なら,もっと早く逃げ出す決断をすればよかった。そうすれば,治療で子供の泣き叫ぶ声を聞かずに済んだ」とちょっと後悔されていました。
- 深海モンスター映画だけど,なぜかモンスターは森の中でしか暴れない,というちょっと変なモンスター映画,《フィアー・フロム・デプス》を紹介。
- 【Philips の家庭用養蜂ケース Urban Beehive】
別に蜂蜜が欲しいわけではありませんが,この養蜂箱はベランダに欲しいです。ちなみに,例の「ミツバチ集団失踪事件」はもう解決したのかな?
2011/11/14
【07:00】【06:30】
- 湿潤治療をしていただいている竹内歯科クリニックの竹内先生から,「湿潤治療でドライソケットの治療をしています。非常にいいです」と連絡をいただきました。ドライソケットでお悩みの方,ぜひご一読ください。
- 「皮膚科の常識・非常識」シリーズに「皮膚の傷が先か,白癬菌の増殖が先か」を追加しました。要するに,環境の変化が先なのか,生物種の変化が先なのか,という問題です。
- 糖質制限食,つまり「糖質を制限した食事にするだけで糖尿病は良くなる」という治療について先週ちょっと紹介したが,それと併せて『物語 食の文化』や『親指はなぜ太いのか』を読み返してみると,人類発祥以来,糖質(=炭水化物)を好きなだけ食べられるようになったのはつい百年前(甜菜がヨーロッパで栽培されるようになったのは19世紀末で,これにより砂糖は日常的に入手できる安価な商品となった),炭水化物や脂質,タンパク質を豊富に含む穀類(稲,小麦,大麦など)が安定して入手できるようになってからまだ5,000年しかたっていないことがわかる。類人猿からヒト属が分かれて600万年,ホモ・サピエンスが登場したのが20万年前だから,人類史のほとんどを通じてヒトは穀物も炭水化物も食べていなかったか,食べてもごく少量だったのである。
なぜかというと,穀類という植物の原種は決して食べ易くなかったからだ。小麦も大麦も原種は種実も小さくて大量に採取できず,加熱しなければ消化もできず食用にはならない代物だったのだ。麦は一年草だから品種改良はしやすいとは言え,小さな実しか付けない麦の原種を見て,それが数百年後に小麦や大麦に変化するとは誰も予想できなかったはずだ。
しかも,麦の原種が自生していた地域はメソポタミアなどごく限られた地域であり,原種が自生していなければ,そもそも品種改良もできないのである。
しかも,小麦の原種から品種改良して現在の多収穫性の小麦ができたとしても,小麦の種実から外皮と胚乳を分離することは原理的に不可能であり,粉(=小麦粉)にするしか利用方法はないのである(これは現在も同じで,大麦は麦飯として粒で食べられるが,小麦は現代でも粒食できない穀物である)。となると,小麦の種実をすりつぶして小麦粉にする技術が必要になるが,小麦の製粉自体が大変な技術だし,できた小麦粉はそのままでは食べられないし,小麦粉を食料にするのには数え切れない技術的障壁を乗り越えなければならなかったのだ。
同様に,コメも非常に栄養価の高い穀物だが,もちろんそのまま生で食べても栄養にならず,食物にするためには数々の技術の集積が必要なのである。要するに,稲の栽培に成功したからといってただちにご飯が食べられるようになったわけではないし,コムギの栽培に成功したから翌日からパンが食べられたわけでもないのである。
このようにして穀物栽培開始から数千年かけて人類は,日常的にご飯やパンを食べ,炭水化物をふんだんに食べられるようになったわけだが,それは人類の歴史の極々最近のできごとであり,人類史の大半は穀物とも炭水化物とも無縁の生活だったのである。となれば,私たちの消化管も消化器付属器官にしても,炭水化物を想定せずに構築されたものであり,炭水化物の消化は後天的に無理矢理付け加わった能力と考えざるを得ないのである。
インスリンは元々,飢餓状態に適応するために体に備わっている酵素らしい。地上の生物は本来,飢餓状態,準飢餓状態が本来の状態であるからだ。そのインスリンが無理矢理,畑違いの「糖質過剰食」にも対応するように配置転換を言い渡されたようなものである。これは要するに,低所得状態を乗り切るために設立された部門を,高所得状態の資金運用部門に振り分けるようなものではないだろうか。
このように考えると,「人間の三大栄養素は炭水化物,タンパク質,脂質です」という栄養学の基本中の基本も眉唾ではないかと思う。ホモ・サピエンスは元々,わずかな炭水化物しか食べられなかったからだ。だから,炭水化物を摂取すると様々なトラブルが起きるし,逆に,炭水化物摂取を制限すると体調がいいのだと思う(これは私自身が日々実感している。確かに,糖質を食べないほうが絶対に体調は良い)。
- 今,すこしずつ読み進めている本が『大気の進化46億年 O2とCO2 -酸素と二酸化炭素の不思議な関係-』 (知りたい!サイエンス)ですが,予想以上に面白く勉強になります。
そうか,酸素という極めて不安定な分子が大気中に安定して含まれている事自体,奇跡みたいなものなんですね。なるほどなぁ。
- 【4歳でこの画力とは…天才少女の描く神々しいまでの絵画いろいろ】
幼稚園の年中さんがこんな絵を描けるって・・・・! 「神の愛でし人」って,こういう人のことを言うのでしょうか。どれも素晴らしいです。
- 【後からピント合わせカメラ Lytro のマニュアル公開,極めてシンプル】
ガジェット好きの間で話題になっている「ピントを合わせずに撮影しても,後でピントの合った写真にしてくれるカメラ」がついに商品になりました。驚くほどシンプルな形をしていて,そもそもピントをあわせる必要がないためシャッターボタンはなく,もちろんオートフォーカス機能もありません。これで3万円くらいで購入できるなら,買ってもいいかな?
2011/11/11
【11:00】【06:30】
- 佐賀県の脳外科の先生から面白いメールをいただきました。なんと,長年悩んでいた口内炎がおしゃぶり昆布で治りそうだ,というメールです。
小学生の頃からもう40年近く年数回の口内炎に苦しんできました。最近はイソジンうがい液を綿棒に着けて潰瘍部に1分くらい押しつけると,激痛ですが白いふやけた被膜が除去され,幼弱肉芽らしき赤い組織が露出し,その後は痺れているうちに痛まなくなり,白い被膜は再び付着したままでしたが,気にならずいつ治ったのか分からない状態でした。私には口内炎が無いので試せませんが,口内炎でお悩みの方はダメもとでためしてみるのも悪くないと思います。
今回綿棒攻撃が手緩かったのか,改善なく,日頃創の過湿潤にアルジサイト(アルギン酸塩被覆材)を使用しながら昆布の話をするのを思い出し,おしゃぶり昆布をあてがってみました。そのままでは傷に塩を塗る痛さでしたが,少しなめてやわらかくなったものを舌で運び,歯と創の間に置きます。りっぱな白苔の付着した状態から,午前中の外来の間に,やけどの中に出来てくる島状の粘膜ができたように見え,午後もなるべくあてがって過ごし,朝3時に起きて見たのですが,中央にきれいな口腔粘膜が再生しているように見えます。まだどこか圧痛はありますが,こんな途中経過を見たことがなかったし,簡単便利なので投稿いたします。
ちなみに,アルギン酸塩被覆材の原料は昆布の一種のラミナリアです。また,北欧のバイキングは経験的に「傷口を海藻で覆うと痛くない」ことを知っていたという言い伝えもあります。更に,第二次大戦中,ドイツがUボートでイギリスを海上封鎖しようとしたため,一時アメリカから綿花がイギリスに輸入されず,ガーゼが作れずに困ったことがあったそうですが,この時,「綿花も植物なら海藻も植物。ならば海藻からガーゼみたいなのが作れないか」ということになり,「海藻ガーゼ」が作られたことがあったそうです(実物がどういうものだったかは不明ですが)。その後,ドイツの敗戦で安価な綿花が入るようになって海藻ガーゼは廃れたらしいのですが,もしもそのままこの海藻ガーゼ(原理的にはアルギン酸塩被覆材と同じでしょう)が使われていたら,創傷治療の歴史が変わったかもしれませんね。
- 『「窓」の思想史』という本についてのレビューを追加しました。窓をテーマに本が書けることに脱帽。
- 「ミニエッセイ」をちょっとだけ更新。
- 気がつくと,研修医の先生方が自分の息子や娘と同じ年齢なんですよ。そりゃぁ,こちとら,54歳ですから当然のことなんですが,なんだか不思議な気分です。
思い起こすと,私が大学を卒業して一番最初に外科研修医として働いた病院の外科部長の先生は,20歳くらい年上の先生でした。私を見て多分,「また,息子みたいな医者がやってきたな」と感じていたんでしょうね。そして,息子に教えるような気分で私たちを指導していたんでしょう。そしてようやく私が彼の立場になったというだけのことです。
そういえば,ある看護師さんの話を思い出しました。彼女は看護学校を卒業して病院に就職した時は「お医者さんってなんてすごいんだろう。何でもできるし,何でも知っているんだ」と感動したそうです。そして数年後,自分と同年齢の医者が新卒で入局するようになると,「最近の医者って昔の先生方に比べると頼りないね。点滴もろくに入れられないなんて本当に医者?」と感じたそうです。そしてさらに数年後,自分よりはるかに年下の新卒の医者を見て,「こんな学生みたいな医者で大丈夫かよ。昔の先生と大違い。こんなのが手術するなんて許せないよ」と思ったそうです。
しかしある日,それは単に自分が年を取っただけだということに気が付き,若い医者に文句を言わなくなったそうです。医者が変わったのでなく,医者の実力を判断する基準(=自分の経験)が変化しただけなんですね。
年を取って初めて見えてくるものがあり,同時に,年を取ると見えなくなるものがある,ということでしょう。
- 【「目が覚めたらうぎゃー!」酔っ払い3人がおしりに烙印を押して大ヤケド】
若さゆえのお馬鹿な行動,ってやつですが,記事中の「結局救急隊たちは,おしりに消毒のクリームを塗って包帯をしただけ」という部分が面白いです。オーストラリアでも「ヤケドには消毒クリーム」が常識なんですね。
- 【<地球の内部>地下4000キロで変化 東工大チーム確認】
現在,磁石のN極は北を指しますが,かつて地球の地磁気は全く逆転していた時期があったことが確認されています。現時点で確認されているのは約500万年前~約400万年前,そして258万年前~78万年前の2回ですが,そのメカニズムは全く謎とされていました。
その謎を解明できるかもしれない新理論で,要するに地球の外核(=マントルの下で,液体状の酸化鉄が対流している。この対流が地磁気を作っていると考えられている)を構成する酸化鉄は3700℃を境に相転移するため2層に分かれて,別々の方向に対流している,というものです。なるほど,これなら説明できそうです。
2011/11/10
【10:50】【06:30】
- 今日の朝,「糖質を制限すると体調がいい」と書きましたが,早速,ある内科の先生から次のようなメールをいただきました。
私自身平素から糖質を制限するよう心がけています。その代わりおかずと蒸留酒は好きなだけ摂っていますが。.糖質を制限していると,本当に体が軽いですね!体調もよいです。看護師,栄養士さんを見ていると,自分が教えられたことや教科書に書いていることを絶対に疑わない,それが唯一正しいと考える人がいます。とりわけ,学会とか看護協会とか栄養士さんの学会とかで「これが正しい」と教わると,それを疑うなんて畏れ多い,という感じになっちゃうようです。もちろん,医者にも「学会は絶対に正しい」,「学会のガイドラインは神聖不可侵」と考えるタイプも少なくないですけどね。
DMを中心とした生活習慣病の患者さんにも糖質制限を常々勧めているのですが,先日,医師会での糖尿病講習会に参加したところ,例により基幹病院の管理栄養師さんが登壇し,「糖質制限食はダメです! 糖質は50-60%カロリーベースで摂らないとだめです!脂肪を制限しましょう!」と声高になんども叫んでいました。最初から私は白けて聞いていたのですが。
栄養師さんは,糖質大好き,コレステロールは下げすぎないように! 中性脂肪は下げましょう! ですね,例外なく。もちろん私は正反対が正解じゃないかと思ってます。
記事にもあるようにグルコーススパイクが血管内皮の障害→糖尿病あるいは耐糖能異常のごく初期から高インスリン,大血管障害→脳卒中,心臓病というコースで,これは内科医にとっても常識となりつつあることで,栄養師さんの話はいつもなんだかなあと思ってます。
要するに,優等生タイプなんでしょう。教えられたことを覚えるのは得意だけど,教えられたことを疑うことができない・・・という優等生です。
教えられたことが正しい間はこのタイプはとても優秀なんですが,その知識がを根底から否定する新常識(例:糖質が一番重要⇒糖質は摂らないほうがいい)が登場した時にうまく対応できません。
- Asus "Zenbook" を1週間使ってみた感想をまとめました。
- 地底から突如出現したモンスターが人間を次々と襲う・・・という,よくあるタイプのモンスター・ホラー映画,《ブラックアウト》を紹介。可もなく不可もないよね,という程度の面白さでした。
- 【ご飯・パンの糖質が現代病の元凶だった!】
京都の高雄病院(以前,講演させて頂きました)の江部先生が書かれています。
実は私,数年前から偶然にも,あまり糖質を取らない食生活をしています。朝は少量のシリアルと牛乳とお茶だけ,昼は仕出し弁当だけどご飯は半分以上残すし,夜はいつもの居酒屋さんでお酒を飲みながら野菜炒めと焼き魚を食べるだけで糖質は一杯だけ飲む日本酒のみです。(単身赴任中の)自宅アパートでは焼酎は飲みますが食べ物は一切取りません(と言うか,アパートに食べ物を置いてないから食べたくても食べられない)。お菓子類は一切食べないので,1日で取る糖質はおそらくご飯茶碗一杯分もないと思います。
なぜかこれで体調がいいのです。むしろ,ごはんを多めに食べた後はすごく眠くなって仕事どころではなくなります。今までは「そんなものかなぁ」程度に考えていましたが,(江部先生から頂いた)この本を読んでその理由がわかりました。糖質をほとんど食べていないから調子がいいんですね。
以前,ちょっと紹介した『物語 食の文化 - 美味い話,味な知識』 (中公新書)にも「長く人類はまずいものを繰り返し食べてきた」とあります。平安貴族たちは毎日毎日なま物と干物だけを食べていたし(つまり,加熱した料理そのものがなかった),15世紀になってもヨーロッパの王侯貴族の食事は焼いた肉しかなく,それを手づかみで食べていました。その頃の庶民が食べていたのは野菜のごった煮だけで,それを来る日も来る日も食べていました。実は人類はつい先日まで,そういう食生活で生きてきたのです。
- 次の次に読んでみようかなと思っているのが『創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』 (光文社新書)です。そうか,演歌ってつい最近になって作られた歌なんだ。昔からあった歌のジャンルじゃなかったんだ。
- Firefoxは7.0.1からいきなり8.0.0.にバージョンアップ。もちろん,速攻でバージョンアップしましたが,それにしてもこの数字の変化はちょっと唐突すぎませんか?
- 【Eee Pad Transformer Prime 正式発表,4コア Tegra 3で12+6時間駆動】
なんだかんだ言っても,Eee Pad Transformerは正常進化の道を歩んでいますね。CPUがTegra3になり,筐体もより薄くより軽くなっています。Asus,すごいです。これでさらに,BluetoothマウスにOSが対応してくれたら使い勝手は格段に向上するはずです。
2011/11/09
【15:40】【09:50】
- 「ヤケドで皮膚移植を受けたのですが,手術前はきれいに治ると言われたのに,全然きれいに治っていません。診察のたびに医者はきれいに治ったねと言いますがショックです。この移植した皮膚はきれいに治せますか?」という電話やメールでの相談を全国からいただきます。湿潤治療できれいに治った写真を見られて,最後の望みをかけて相談してきた方に,「皮膚移植されてしまうと,もうきれいにはできません。お力になれず申し訳ありません」と謝るしかないのは,とても残念です。と言うか,なぜ私が謝らないといけないのか,謝るべき医者は皮膚移植をした医者だろうと思ったりします。
そこでふと思ったのですが,植皮術の同意書を取る際,主治医は患者さんや家族に「皮膚移植をするとこういうふうに治ります。皮膚を取ったところはこうなります。皮膚移植しますか?」と過去の植皮をした症例写真を提示しながら説明した上で,手術の同意書を取っているんでしょうか。これまで私は「きれいに治ると主治医の説明を受けて手術を受けましたが,結果に納得できません」という患者さんは多数見ていますが,「どういう結果になるか,主治医から写真を見せてもらって説明を受け,その上で手術を決断しました」という患者さんには出会ったことがないからです。皮膚移植についてのインフォームド・コンセントはどうなっているのでしょうか?
ちなみに私は,治療例の経過写真を見せて,「あなたのヤケドはこの症例と同じくらいです。だから,7日くらい経つとこのくらいに治り,更に1ヶ月くらいでこういう状態になります。この程度の治り方でよろしければ治療を開始しますけど」と説明しています。
【06:30】
- 昨日,テレビ東京の取材がありましたが,その際,
「傷を乾燥させないようにするだけで深いヤケドも治っているのに,なぜ大学病院では手術をするのですか?」と質問がありました。それに対し,「ヤケドは手術で治すべきものであり,そういう治療が正しい。大学病院はそういう正しい治療をする場である。故に,大学病院ではヤケド患者に対して手術する・・・という論理なんでしょう。しかも,手術で治したヤケドしか見たことがないから,手術しないと治らないと考えてしまいます。これはつまり,日本国内だけしか知らなければ,日本語だけが言語であり,世の中には他の言葉はないと考えるのと同じです。しかも,熱傷は手術で治す外傷だと学生や研修医に教えている手前,今更,それは間違っているとも言えない」と答えました。確かにこのあたりの「業界内部の論理」は一般の人にはわかりにくいかもしれませんね。
- 12月3日の香川県での講演のあと,懇親会 & 忘年会を企画しています。参加ご希望の方はここからお申し込みください。
- 「白癬菌のジレンマ」という雑文を追加。
- 【ポメラ DM100 発表,Bluetoothで外部キーボード化・親指シフトにも対応
うわぁぁぁぁぁ,キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
なんと唐突に,ポメラの新バージョンです。 これ,マジで欲しいっす。依然として古き良き白黒液晶の伝統(?)を引き継いでいますが,文章作成を日常業務にしている人間にとってはこれは問題ではありません。しかも,前バージョンの問題点(見た目の小ささの割には重くて,しかも折りたたみキーボードも液晶もちょっと分厚い)を解決していて,おまけに電子辞書を搭載してBluetoothにも対応しました。ポメラニアン(=日常的文章書き)としては食指が動きます。
ついこの前,格安でLifetouch Note(キーボード付きのAndroid末端)を買ったばかりですが,重量が結構あり,おまけにATOKのキーアサインが変えられないという「物書きマシン」としての致命的欠点があり,持ち歩く頻度は高くありません。
そういう時にこのポメラDM100の登場です。電池抜きで399g,厚さ24mmだったら「最強の文章書きマシン」じゃないでしょうか。実物を早く見たいです。2万円台に値段が下がったら買おう,っと!
- 【キングジムが Boogie Board Rip を販売,PDF形式で保存可能】
こちらの方も地味ながら着実に進化しています。これまでのBoogie Boardは「E-Inkの液晶は感動するほどきれいで精細だけど,書いた内容を保存できないのは不便なんだよなぁ」という要望に応えてくれました(一旦保存したデータを後で修正できるかどうかは不明だけど)。唯一の問題は14,800円というお値段ですね。従来タイプのBoogie Boardは3,500円で買えるからです。こっちも6000円台なら書いかな?
- 【なぜ民主党内からはTPP反対派の声ばかりが大きく聞こえてくるのか】
野田首相はTPP参加に前向きだが,その方向に進むことを決めたのなら,そのためのしっかりした戦略を持ち,その戦略実現のための行動を起こせ,という真っ当な提案です。
TPP参加に関しては賛否両論であって,両派がいくら話し合っても一つの結論にまとまることは絶対にありません。両派ともに絶対に譲れない立場があるからです。「ペットは犬か猫のどちらかにする」と決めるために犬好きと猫好きが話し合っても,絶対に結論が出ないのと同じ,天動説と地動説に歩み寄りの余地が無いのと同じです。明治維新は佐幕派と尊皇派で話し合って「じゃあ,開国して徳川幕府でなく天皇中心の国にしましょう」と決めて実現したわけではありません。「話し合いで物事を決めるのが民主主義」というのは妥協の余地のある問題についてであり,妥協の余地のない「佐幕 vs 勤王」の対立では話し合いは成立しません。
目の前の道が二股にわかれていて,しかも道を戻るという選択肢も立ち止まるという選択肢もないのであれば,エイヤと誰かが右か左を決めるしかありません。国家ではその役目は首相なり大統領なり王様しかいません。
だからこそ,どちらに決めるにせよ,皆が納得する選択はありえないのですから戦略が必要なのです。
2011/11/08
【11:30】【07:30】
- 【危機にひんするギリシャの「緩さ」】
ギリシャって何で食っている国なのか調べてみたら,主要産業は観光なんですね。第一次産業も第二次産業も基幹産業と呼べるほどのものはないのですが,何しろ国全体が古代ギリシャの遺跡だし,風光明媚なエーゲ海はあるし,観光資源的にはすごく恵まれているわけです。だから,観光で食っていけるわけですね。
考えてみると,過去の遺跡にしろ風光明媚な風景にしろ,それは「過去の遺産」です。頑張ったのは古代ギリシャ人と地球であって,現代ギリシャ人は一切努力せずにそれらを手に入れていることになります。つまり,過去の遺産とその利子だけで食っていることになり,必死に働いてモノを作って売って生計を立てる必要はありません。だからこそ,労働者の4人1人は公務員,なんていう状態でも国が成り立っていたんでしょうね。
農業にしても工業にしても,それで食うためには努力と計画と計算が必要です。しかし,観光客が向こうからやってきてお金を落としてくれるのなら努力は要らないし,計画を立てる必要もありません。
だから,一旦経済が破綻し始めると,そこから抜け出すことは難しくなります。観光業で収入を増やすには観光客を増やすしかなく,余程の努力と工夫をしない限り現状以上の観光客が押し寄せることはないからです。
「過去の遺産で食っている」といえば産油国も同じで,こちらは2億年前の遺産で食っています。地下に埋まっているものを掘り出すだけで巨額の富に化け,一旦堀当ててしまえばあとはその後の努力はほとんど不要でしょう。多分,「働いて食っている」という意識は皆無のなずですし,おそらく,富を作り出す難しさを感じることもないでしょう。そして,そういう巨額のアブク銭がオイルマネーとして金融市場に流れ,それが現在の「歴史的円高」の一因となっているようです。
個人レベルでは不労所得というのは嬉しいものですが,国家レベルでの不労所得というのはいずれトラブルを起こす原因なのかな,なんて思ったりします。
【06:30】
- 【TPP早期参加表明を=「農協は何をしていたか」と批判―仙谷氏】
TPPについてはいろいろ議論がありますが,「農業はTPPで崩壊する」という主張はおかしいです。仙谷氏も言っているように,TPPに入ろうと入るまいと,日本の農業は老衰死寸前だからです。「農業就業人口の国際比較」を見ると明らかですが,スペインやイタリアは農業従事者が各年齢層でほぼ同じ数,フランスでは30代,40代が一番多くなっていますが,日本だけは60代以上が極端に多く(平均年齢66歳),しかも年齢が上がるほど比率が高くなるという状況です。
これを医者に例えてみるといかに異常かわかります。病院に行っても市中のクリニックに行っても,見かける医者は高齢者ばかりで30代の医者はほとんどいない,という状態と同じです。こういう業界,職種に未来はあるんでしょうか。平均年齢66歳ということは,5年後にはどうなるんでしょうか。
要するに「日本農業を守るためにTPP参加反対」という論理が成立するのは「TPPに加入しなければ若い農業従事者が増える」となる場合だけだと思うのです(・・・数学的に考えれば)。
結局,農協が守ろうとしているのは農業ではなく農協でしょう。農協にとって農業なんてどうだっていいのでしょう。だから,平均年齢66歳という状態を異常とも思わないのです。食料自給率なんて,TPPを受け入れなくてもどんどん下がります。農業従事者が減り,生産量が減るからです。もしも本気で農協が「食料自給率向上」を目指すのなら,大規模集約型の農業への転換を農協主導で進めるべきであり,それ以外の方法はありえません。つまり,農業従事者が減少しても大丈夫なように,少人数で大規模耕作する方向です。
しかし,農協がこの方向を打ち出すことはないでしょう。「少数の大規模農家」より「多数の小規模農家」の方が農村票の数が多いからです。もちろん,農村票を目当てにしている代議士にとっても同じです。
- 2月18日(土)に高知県で講演することが決まりました。
- 「悪魔憑き+双子もの+ナチスによるホロコースト」という合体ロボみたいなホラー映画,《アンボーン》を紹介。「悪魔憑き映画は,悪魔を信じていない人には全然怖くない」という経験則が今回も有効でした。ヒロインが美少女系だったのが唯一の美点かな?
- 昨日から,新しいノートパソコン(ASUS UX31E)へのソフトとツール(=フリーソフト)のインストールに明け暮れていますが,なかなか大変です。これまで使っていたVAIO XのOSは「Windows 7 32ビット版」で,今回のZenbookは「Windows 7 64ビット版」のため,これまで使えていたフリーソフトやツールが使えないことがあるからです。「痒いところに手が届くツール」が使えなくなったため,ちょっとストレスが溜まっています。特に,気の利いた「拡張コピーツール」がなかなか見つかりません。
ちなみに昨日,音が非常にいいと書きましたが,USBスピーカーと同程度の音質,音量のため,USBスピーカーが不要になりました。
- 【8600万円が台無しに…清掃員が汚れと思って掃除したら芸術作品だった】
仕事熱心な清掃員,ちょっと気の毒です。ゲージュツなのかゴミなのか,判断つかない「芸術作品」って結構ありますからね。
2011/11/07
【06:30】
- 一昨日(5日)は大阪での日本プライマリケア連合学会で,久しぶりに鳥谷部先生とジョイント講演。鳥谷部先生,ますます元気でした。また,懇親会では様々な先生とお会いでき,楽しかったです。
- で,翌日大阪から戻りましたが,東京で時間があいたため,以前から行ってみようと思っていた上野の西洋美術館の「ゴヤ展」に行って見ました。よかったです。
展示されていたのは版画集『気まぐれ』,『妄』,『闘牛士』,『戦争の惨禍』そして「地下画帳C」を中心とした素描,そして初期のタペストリー用の風俗画と中期の肖像画数点,そして『着衣のマハ』という陣容で,ちょっと地味な感じですが,それでもさすがに『戦争の惨禍』は凄まじい迫力で,幾つかの作品(「私はそれを見た」,「どちらも同じ」,「虚無」など)の前では動けなくなってしまいました。また,以前から見たかった『妄』の「飛翔の妄」,「愚かな妄」は本当に美しかったです。それにしても,「カルロス4世」を見ていると,この王様が「堂々たる体躯と威厳,空っぽの頭」であったことがよくわかり,笑ってしまいました。
- AsusのZenbook UX31Eが届きました。日曜日夕方,大阪から戻ってきて病院に直行し,事務室に届いていたZenbookを持ち帰りました。膨大なデータを入れ,各種フリーソフトをインストールしたり,それらの設定をしたりとかなりの手間がかかります。まぁ,これもパソコンを使う楽しみみたいなもんですけどね。
そこで,ちょっと触ってみて気になった点,気がついた点を挙げてみます。
- 電源ボタンの位置がダメです。[Backspace]の直上に電源ボタンがあり,[Delete]キーと間違ってしまいます(このあたりはポメラDM20のキーボードそっくり)。電源ボタンは別の位置において欲しかった。あと,カーソルキーはもうちょっと大きい方がいいと思いました。
- スリープからの復帰は本当に2秒です。CPUがCore i7なんで本当に速いっす。
- 発熱に関しては気になるほどではないような気がします。
- 13インチのUX31Eにしたため,さすがにこれまで使っていたVAIO X(重さ860g)に比べると重いですが,この程度なら日常の持ち歩きは問題なし。
- UX31Eの1600×900ドットの画面は広くていいです。文字サイズも問題なし。
- サイズの関係から有線LAN端子が搭載できないため,有線LANにつなぐにはUSBポート接続のLAN端子を使う必要があります。これを考えると,USB端子は2つでなく3つ欲しかったです。
- 音は非常に良いです。私がこれまで様々なノートパソコンを使ってきましたが,これほど音のいいのは初めてです。これなら外部スピーカーは不要かもしれません。
- バッテリー駆動時間は,画面を最大輝度にして無線LANで常時接続という状態で4時間くらいかな。
- ACアダプタは小型で持ち運びで邪魔になりません。
- なお,映画レビューに「見た順に表示」を追加し,これをデフォルトにしました。
見た目は地味な変更ですが,もちろん作業量は膨大です。大量のデータを目的に合わせて配列し直すための最適なアルゴリズムを見つけるのが好きなんですね。
2011/11/04
【13:10】【12:30】
- 【菅野浪人決断ハム拒否 巨人愛貫き通す】
ドラフト制度は何のためにあるかというと,12球団の戦力を均衡化するためです。なぜ均衡化しないといけないかというと,特定の有名球団に選手が集中すると早々とリーグ戦の優勝が決まり,その後は消化試合がダラダラと続くことになり,誰も野球なんて観なくなるからです。逆に,最後の最後まで優勝争いが続けば目が離せなくなります。ドラフト会議はそのための一つの解決策です。そしてこれは,読売ジャイアンツだって了解して制度作りに参加したはずです。
そのあたりがわかっていたら,原監督は菅野君に「お前がジャイアンツが好きなのは俺が一番わかっている。しかし,ルールはルールだ。プロ野球全体が発展するためにはドラフト制度が必要なんだ。だから,グッと堪えて日ハムに入れ!」と一喝すべきなんですね。
菅野くんも「巨人ばかりが野球ではありません」と日ハム入団を決めれば「あいつ,男だね」と人気が上がったはずですが,これでは「あのドラフトでゴネた奴ね」と言われるだけでしょう。
【06:30】
- ある方から,「くみこのブログ」というサイトを教えて頂きました。お子さんが手足の熱傷を受傷され,倉敷市の平成南町クリニックで湿潤治療を受けて,重傷だったにも関わらずほとんど傷を残さず治癒した,という経過を写真付きで報告しています。そして,とても親切で丁寧な治療にも感激なさっています。
玉田次郎先生,グッジョブ!
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に,神奈川県横須賀市の有限会社石黒薬局を追加しました。
- 昨日,用事があって東京に行きましたが,用事が済んだ後はパソコンショップに直行。11月3日に販売開始とアナウンスされていた Asus の Ultrabook, "Zenbook" の実機をチェックするのが目的です。
で,店頭に並んでいた実機を触ってみて無条件で一目惚れ! 薄いし格好良いし,しかも質感もいいです。これ,欲しいっす!
当初は「11インチで1366×768ドット」の『ASUS UX21E』にしようと思っていたのですが,「13インチで1600×900ドット」の『ASUS UX31E』を実際に見ると,これはもう絶対に13インチのUX31Eですね。この表示面積の広さは圧倒的です。文字は小さいけど,まだこれなら大丈夫でしょう。しかも,CPUはクワッドコアのCore i7ですから,ATOMのVaio Xに比べると段違いの速さです。
というわけで,速攻でamazonの購入ボタンをクリック!
- 次に読んでみようかなと思っているのが,『大気の進化46億年 O2とCO2 -酸素と二酸化炭素の不思議な関係- 』です。「知らない情報が書かれている本」ではないようですが,既知の情報をまとめるにはいい本かなと思われました。
- 書店の店頭で『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』 (集英社新書)というちょっと面白そうなタイトルの新書を発見。著者の荒木飛呂彦さんは「ジョジョの奇妙な冒険」の漫画家です。暇つぶしに面白いかなと思って中をパラパラ見てみたところ,紹介されているホラー映画の多くは「既に観たか,内容を知っている映画」でした。私は5年近く,週に2編の映画を鑑賞し,その1/3ほどがホラー系ですから当たり前ですね。
- 震災・津波から半年以上経とうとしているのに,津波直撃を受けた宮城,岩手の三陸海岸の町はどれも仮設住宅ができた状態から先に進まず,これで冬を迎えようとしています。
復興が進まない理由は簡単で,「復興の最終目標をどこに設定するか」というゴールが決まっていないからです。震災を受ける前の町に戻したい,生まれ育った町に住み続けたいという住民の気持ちは十分にわかりますが,これらの地域は震災前から住民が年々減少し,平均年齢が高い地域でした。これは私が生まれ育った秋田県の田舎町の現状(=年寄りしかいない。子供がいない。人口が毎年減っている。基幹産業が脆弱)と同じでしょう。いわば,10年後には「限界集落」になっていても不思議がない地域です。私の生まれ故郷は恐らく20年後には自然消滅していても不思議ありません。
では,震災・津波からの復興をするとして,前の状態に戻すということは「プレ限界集落」を新たに作るということと同じです。「プレ限界集落」のために全てのライフラインを作り直すのと同じです。これは多分,合理的な選択ではないでしょう。
いずれにしても,誰かが「復興の最終像・最終目標」を決めなければ次には進めません。
2011/11/02
【08:00】【06:30】
- 先日,ちょっと紹介した『「窓」の思想史: 日本とヨーロッパの建築表象論』 (筑摩選書)を読み終えましたが,予想に違わぬ面白さでした。「押す文化」と「引く文化」の違い,キリスト教文明の持つ垂直志向と建築様式の関係,防御とドアの関係,日本で鉄砲がなかなか作れなかった理由と窓の関係,ガラス製造の歴史,ヨーロッパと日本の「夜這い」の作法の違い,建築家としてのムッソリーニの実力など,情報満載でした。
- 「手荒れの治療例」を追加しました。
- 【Asus Eee PC に2万円台のX101H,AMD E-450 APU採用の新1215B】
Asusが強烈な値段のネットブックを発表! CPUはAtom,メモリは1GB,液晶は1024×600ドットとネットブックそのものですが,22mmで1キロジャストの筐体はすごいです。しかも2万円台! これって「キーボード無しの液晶のみのタブレット」より安いじゃん。
- 【アマゾン電子書籍契約は妥当か無茶か 大手は反発,中小は興味示す?】
売上の55%をアマゾンに,というのはちょっとびっくりしましたが,小規模出版社にとっては悪い条件ではないでしょう。本の原稿が完成したらそれをアマゾンに渡すだけで電子書籍になり,製本と運送にかかるあらゆるコストが不要になるからです。55%をアマゾンに渡したとしても,利益率は同じかもしれません。
今回はあくまでも出版社とアマゾンの交渉でしたが,大手出版社が絶対拒否ですったもんだしているうちに,作家個人がアマゾンと直接交渉するケースも出てきそうです。現時点では印税は最高でも11%くらいですから,「アマゾンに55%,自分が45%」なら印税45%になるからです。
- 【海外メディアが伝えた中国人の「恥」=イケア中国の「奇観」】
実際の熟睡の様子はこちらです。「私は眠いから寝ているだけ。何が悪いんだ! ここにベッドを置くから悪いんだ」,「私たちは愛し合っているんだから,どこでイチャイチャしようと自由よ! ここのソファを置く方が悪いのよ。ソファって座るためのものよ!」,「お腹が減ったからテーブルに座って食べているだけ。食べて欲しくなかったらテーブルなんて置かなきゃいいよの!」という声が写真から聞こえてきます。世界の常識は中国の非常識,ってか。
2011/11/01
【08:10】【06:30】
- 【【Android】最新はバージョン4.0だが現行スマホは2.3が主流】
スマートフォンを実際に使い始める前はなんとなく,OSは共通なんだからパソコンのようにOSをバージョンアップできるんだろうなぁ,と考えていたんですが,実際に使ってみるとバージョンアップできるのはコンマ以下のバージョン(2.1→2.2 とか 3.1→3.2 とか)だけで,コンマ以上のバージョンアップってないんですね。OSの基本部分は共通でも,各機種ごとにカスタマイズされてバンドリングされているためです。だから,そのメーカーがバージョンアップを提供してくれない限り,古いバージョンを使い続けるしかありません。
そして,メーカー側としても新機種の販売しか考えていないわけで,古い機種の面倒なんて知ったこっちゃないとばかりに,バージョンアップには消極的です。結局,新しいOSを使いたければそれを搭載した新機種に買い換えるしかありません。
アンドロイド・スマホってそういうものなんだ,と割り切るしかなさそうです。
- 「怪奇現象が起こることで有名な飛行機の中で怪奇現象が起きちゃいました」というムチャクチャつまらないオカルト・ホラー映画,《ホーンテッド・フライト》を紹介。こんな映画,誰も観ないと思いますが,マジで観てはいけません。基本設定は悪くないんですが,多分,脚本と演出と撮影スタッフと監督が悪いんでしょう。
- 昨日一日だけで他の病院で治療を受けている熱傷患者さんが3,4人受診されました。いずれも「このヤケドは跡が残る」と言われて不安になり,ネットで検索して受診,というパターンです。
しかし,どの患者さんもあと1週間から10日くらいで上皮化が得られそうな浅いⅡ度熱傷で,絶対に痕は残らない熱傷ばかりです。前医から「跡が残る」と説明されて悲観・絶望しているお母さんに「この程度のヤケド,跡が残る訳ないですよ。あと10日もすれば皮膚が再生し,今年のクリスマスか遅くても来年のバレンタインデーの頃にはほとんどわからなくなりますよ」と説明すると,安心したのか泣き出す親御さんもいます。
まぁ,小児科や内科の医師でもできる簡単な治療をしているだけなんですけどね。
- そういえば,『聖☆おにいさん』の第7巻が出ていました。初登場となる聖母マリア様はキャンパス・ライフに憧れているんだとか。確かに処女懐胎しちゃってその後は聖母様ですから,青春ライフを謳歌する暇もなかったんですね。その意味では,ちょっと可哀想な気もします。
それにしてもマリア様,かわいいっすよ。マリア様,萌え~!
- 【アジア大陸でジャワサイが絶滅】
恐らく地球上に最後に残っていたであろう最後の一頭が,「サイの角」目当ての銃弾を撃ち込まれて死にました。巨鳥モアやリョコウバトといった「人間が欲と愚かしさ故に絶滅させた生物」のリストにまた一つ,生物種の名前が追加されました。そして,もう二度と生きているジャワサイを見る機会はなくなりました。
そして昨日,累々たる絶滅生物種の屍の上に,ホモサピエンスは70億人を超えました。地球の歴史を俯瞰してみても,平均体重50キロの中型哺乳類がこれほど増えたことはありませんが,それでもまだ足りないと増加のスピードはますます加速しています。