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2009/10/30
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に,東京都練馬区,神奈川県川崎市,徳島県北島町の薬局を追加しました。
ついに,プラスモイスト,四国上陸です。
- 「熱傷を湿潤療法で治療している医師」リストを更新。作業量,膨大です。一昨日の夜から,ちょっとでも空いた時間があるとこの作業に没頭していました。
- 2歳の頃から全身の痒みがあり,どこの病院,大学病院,皮膚科医院でも原因不明,治療法なしといわれた15歳の方が遠方から受診されました。何でも,私の本(光文社新書)をご両親がお読みになり,駄目もとで受診されたそうです。全身のカサカサの乾燥肌と掻き崩してできたと思われる糜爛が多発していました。
いろいろな大学病院皮膚科で診断できないものが私にわかるはずがありません。でも,感想肌で痒くて掻いてさらに痒くなっているのならプラスモイストで何とかなるんじゃないの,とバカの一つ覚えでプラスモイストを試験的に右上肢にだけ貼付。1週間後に来てもらいました。
で,1週間後の昨日,受診してもらったら,なんとほとんど治っているじゃありませんか。貼付直後から痒みがなくなったそうです。
何で治ったのか,そもそもそれは何だったのか・・・というあたりを医者(=私)が全然わかっていない,というところがすごく格好悪いですが,とりあえず治ってますので,突っ込まないで下さい。
- 伝統的生活を大切にするスイスの保守的農村を舞台に,80歳の婆ちゃん4人がそれまで封印してきた夢の実現に向かって爆走する姿を描く,パワフルで熱くて,しかもとてもチャーミングな映画,それが《マルタのやさしい刺繍》だ。文句なしの五つ星!
- 先進国ではなぜ、少子化するのか -“理想の”狩猟採集生活に戻ろうとしている現代人
この前から何度か紹介している論文の一部です。これも非常に読み応えがあります。結局は,消費するエネルギー量と,増大するエントロピーの捨て場の環境容量の問題に帰結するようです。深く納得!
- 火曜日だよ,「哀」の劇場
いろんな「鍋奉行」が登場します。松村師匠,ナイス!
ちなみにこの松村画伯は,先日外来を見学にこられた先生の高校の同級生なんだそうです。世の中,狭いです。
- ゴキブリは排尿しない:その優れた代謝系が明らかに
ここにも体内常在菌との見事な共生が見られます。ゴキブリは,通常の動物では体外に排泄される尿酸を体内に溜め込み,窒素源が不足した環境になると〔尿酸⇒アンモニア⇒アミノ酸〕と分解して利用できる形にするのですが,その際,強制細菌が活躍していた,という記事です。
人間の場合,老廃物である尿酸を尿と言う形で排泄するために大量の水を必要としますが,ゴキブリの場合,この水すら必要としないわけで,過酷な条件でも生きていける見事な適応戦略となっています。
2009/10/29
- 「熱傷を湿潤療法で治してくれる医者はどこにいるの?」という問い合わせがあまりにも多いため,新たに「熱傷を湿潤療法で治療している医師」のリストを作成しました。ヤケドをしたらこれらの先生方に御相談下さい。
このリストを見ると判りますが,開業医の先生のクリニックが多数登録されていて,しかも内科,整形外科,外科など,通常は熱傷治療とあまり関係のない診療科の先生が並んでいることに気がつくと思います。一見,奇異に感じますが,実はここに本質があります。湿潤治療さえ知っていれば,内科医だろうと小児科医だろうと精神科医だろうと熱傷は治療でき,従来の熱傷治療の知識なしに治療が始められるからです。
むしろ,それまで熱傷治療を行ってきた形成外科や皮膚科の先生ほど,「湿潤治療はやっているがゲーベンクリームだけは手放せない」とか,「感染している傷にはやはり消毒をしないと・・・」となる傾向が強いようです。
- 普段なら,しょうもない映画のレビューとか,気になった科学系の記事を紹介したりするんですが,「熱傷治療医師リスト」作りの手作業が膨大なため,他に何も書けませんでした。すまん!
「リストに名前を載せていいよ」と連絡をいただいた先生の数が多く,まだ2/3しか載せていません。順次加えていきますので,少々お待ち下さい。
このあおりで,せっかく買ったVAIO X,触る暇がありません。VAIO X,触りたいよぉ!
2009/10/28
- 「78歳,広範3度熱傷」の10月20日の状態,そして,「短冊ポリ袋」の簡単な作り方です。
患者さん,依然として元気です。やはり高齢者では「安静を強制しない」ことがいかに重要かがわかります。皮膚移植をすれば全身麻酔が必要になるし,術後は最低でも数日間の安静が必要になるし,採皮部の痛みもあり十分に動けなくなることになるはずです。若い人ならそれでも大丈夫ですが,高齢者ではこの「数日間の安静」が問題になるんじゃないかと思います。
- 来年2月26日(金)に静岡市立清水病院で講演することが決まりました。
- “郵政改革の大転換”に見る日本の宿痾 ~なぜ、焼け野原にならなければ改革できないのか
国鉄民営化と郵政民営化,似ているようで全く違っていました。経営が破綻寸前で誰の目にも潰れることが明らかだった国鉄と,経営は順調で国民にとっても利便性があり,なぜここで民営化しなければ誰にもよくわからないまま民営化に突っ走ってしまったのが郵政民営化です。
今,数年前の郵政選挙の頃を思い起こしてみると,小泉さんは「何が何でも郵政民営化!」と叫んで選挙で大勝しましたが,その後の彼の行動を見ていると,郵政民営化が実現したとたんに興味を失い,しっかりした民営組織として「再生」させることなく,さっさと手を引いてしまったことが判ります。そして,麻生政権下での「郵政民営化見直し」の機運が高まっても,それに抗議するでもなく,淡々と政界から隠居する始末。しかも,自分が誕生させた大量の「小泉チルドレン」が次の選挙で公認取り消しをされても一切行動しなかったしね。
一体この人は,何のためにあれほど「郵政民営化!」と叫んだんでしょうか? 一部には,特定郵便局の支持が得られずに彼の父親(だったかな?)が選挙で落選した私怨をはらすためだけだったの? という憶測もあったと思いますが,案外,正鵠を射ているような気が・・・。要するにこの人は,小泉王国の維持しか頭になかったんじゃないのか?
私怨と言えば,亀井さんの頭の中に渦巻いているのも私怨だけじゃないのか,という気がするし・・・。
- 詐欺容疑の女、睡眠剤を病院で入手 連続不審死
「げに,世の中にワイドショーのネタは尽きまじ」というやつだな。複数の死体から検出された睡眠導入剤の成分が一致したと言うことですから,ほぼクロでしょう。この事件一つでワイドショーや週刊誌が1ヶ月食えますね。
2009/10/27
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,愛知県大府市のもりした整形外科/森下俊哉先生にも御参加いただきました。ありがとうございます。
- 雑誌「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」72号の特集「ちょっとしたケガの手当て」で湿潤治療を取り上げていただきました。さまざまな外傷についても取り上げられていて,小さなお子さんをお持ちの方には参考になる内容となっています。
- 頭をぶつけた
- 眼球にボールが当たった
- 肘や肩が抜けた
- 手首や足首のねんざ
- すり傷,切り傷,やけど
- 動物に噛まれた
- 虫(カ,ガ,ハチ)に刺された
- 魚の骨がのどに刺さった
- 耳に虫が入った
- 鼻の中に豆やBB弾などの異物が入った
- 走って飛んで,銃器まで使えるゾンビが登場する映画,それが《デイ・オブ・ザ・デッド》だ。まぁ,ここまでくるとゾンビと呼んでいいかどうか,微妙ですけどね。映画としてはそこそこ面白かったです。
- デル Adamo XPSはCore 2 Duoとインテル内蔵グラフィック、約700g?
なかなか正体を見せない超薄型軽量ノートパソコン。なんと,13.3インチ液晶ながら重量が700グラム前後らしいです。前代未聞の軽さと薄さです。
- 「VAIO X」シリーズ開発者インタビュー(上)~ひたすら薄く軽くを目指して
「VAIO X」シリーズ開発者インタビュー(下)~“プレミアムモバイル”を安価に提供するチャレンジ
一昨日から,少しずつ「VAIO X」を触っていますが,細部まで磨きぬかれ,考え抜かれて設計されたマシンであることはすぐにわかりました。特に,「LAN端子より本体が薄いのにLANを搭載する」ギミックにしびれました。これはすごいです。
そして,上記の開発者のインタビューを読むと,このギミックが「壊れるなら外れてしまえばいいんだ」という逆転の発想から生まれたものであり,その他にも,厚さ13.9ミリにするために機能を妥協せず,必要とする機能を全て盛り込むために極限まで切り詰めて設計されたことがわかります。まさに「アスリート・ノート」の名にふさわしいものです。
こういう「不可能を可能にする」技術者たちの創意工夫は本当にすごいです。
- と言うわけで,Windows 7 も少しずつ使っています。私はVistaは全く使っていなかったのでXPから一足飛びに7です。
以前は,OSが新しくなると真っ先に飛びつき,ワクワクしながらいじり倒したものでしたが,年齢が50歳を超えるとOSの乗り換えがちょっと面倒なんですね(・・・こういうのを「歳を取った」と言います)。どうせパソコンなんて仕事の道具なんですから,以前のOSでしていた仕事が切れ目なく続けられないと困るんですが,それがなかなか大変なのです。
私の場合,さまざまなフリーソフトを駆使して(・・・というほどのもんじゃないけどね)使い勝手をよくするためにチューニングしていますが,それらのすべてが新OSに対応していなかったりするのです。現在のところ,FTPソフトもランチャソフトもWindows 7で動いていることが確認できていますが,コピー機能拡張ソフトやIME切り替えソフトの対応が確認できていません。まぁ,自分が人柱になって試してみればいいだけなんですけどね。
2009/10/26
- 「78歳,広範3度熱傷」の10月18日の状態。
- 毎月のように光文社からその月に発行された新刊の新書が送られてきます。今月ので一番面白かったのが『戦略の不条理 -なぜ合理的な行動は失敗するのか』(菊澤研宗)。最近,経営学でよく登場する言葉が「経営戦略論」で,企業が生き残るためには「キュービック・グランド・ステラテジー(多層的・立体的な戦略的思考)」が重要と言われるようになって来ました(・・・ここらは本書からのそのまんまコピーだな)。この問題に対し,「戦略論」の本家本元である孫子,クラウゼヴィッツ,リデル・ハート,ロンメルの各々の戦略を解説しながら,戦略的には正しい行動が必ずしも成功しなかった理由を分析し,生き残りのための戦略的思考を提案するのが本書です。
わたし的にはクラウゼヴィッツやリデル・ハートの生涯や彼らの「戦略」に対する思考生成過程がまとめて読め,正しい知識が得られたことが一番の収穫でした。
- 24日の夕方のニュース番組で警察の取調べの可視化の是非を巡っての特集が組まれていた。可視化することにより冤罪が減るのではないかという意見がある一方,映像データが裁判員に及ぼす影響が大きすぎてそれが裁判の行方を左右するのではないかという懸念もあり,一筋縄では解決できない問題があることが説明されていた。
いろいろな考えがあると思うが,私はこの問題については,少なくとも録画していない時代より録画した時代の方がましだと思っている。確かに可視化することによる弊害があるかもしれないが,それで免罪が減らせるのならそれでいいのではないかと思う。可視化によって得られるプラスと可視化によって生じるマイナスを勘案し,総体として前者が多ければそれでいいのではないだろうか。
人間が絡むシステムで完全なものはありえない。裁判というシステムはその極致だ。だからこそ,全体としてマイナスが少なくできればそれでよしとするしかないのである。そういう「小さなプラス」を少しずつ加えていって,以前より多少でもよいシステムにできればそれでいいはずだ。
- 野村監督のアンチクライマックスな超能力
野村監督の退任騒動をネタに,京都人と大阪人について語り,「県民性」という概念を疑い,さらに「プロ野球球団にとって監督とはどういう存在でなければいけないのか」を縦横無尽に語ります。オダジマさんの文章のうまさ,いつも舌を巻きます。
- VAIO X(VPCX118KJ/B),衝動買いしちゃいました。
2009/10/23
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,東京都板橋区の常盤台らいおん整形外科/小崎直人先生にも加わっていただきました。ありがとうございます。
- 「78歳,広範3度熱傷」の10月14日の状態。ゆっくりと,しかし着実に皮膚再生が進んでいることがわかります。これこそが「治療に修飾されない熱傷の自然経過」でしょう。これが明らかにならない限り,「熱傷の標準治療」を決められないはずです。そのための「ほぼ毎日ライブ更新」です。
- 昨日,オリオン座流星群とハレー彗星の疑問についてちょっと書きましたが,さっそくいろいろと教えていただきました。なるほど,そういうことだったのですか。これでまた一つ,賢くなったような気がします。
また,「ナショナルジオグラフィックの翻訳はちょっと質が悪いような気がします」という指摘もいただきました。確かに,翻訳が悪いと意味がわかりにくくなりますね。
まさに,聞くは一時の恥,聞かぬは一生の恥,というやつです。
- 海外のピアノ愛好家という方から,大量のバッハのピアノソロ用編曲,ベートーヴェンの曲のピアノソロ用編曲の楽譜をいただきました。その中にベートーヴェンの「交響曲第5番」によるカルクブレンナーやフンメルのソロ用編曲がありました。カルクブレンナー,フンメルといえばショパンが最も尊敬したピアニスト・作曲家ですから,彼らの編曲(楽譜はほとんど残っていないはずです)には興味を持ち,早速楽譜を見てみましたが,やはり凡百の「オケの譜面をピアノ楽譜に書き直してみました」程度のアレンジで,およそ演奏会で取り上げるようなピアノ曲のレベルではありませんでした。やっぱりね,という感じです。
ベートーヴェンの交響曲のソロ用アレンジといえばリストの編曲がいまだに最高峰です(リストを元に,さらに手を加えたカツァリスのアレンジもありますが)。2本の手,10本の指でオーケストラが出すあらゆる音をピアノ鍵盤で再現してやろうというリストの意気込みが楽譜全体から迫ってきますし,その楽譜から生み出される響きは圧倒的です。ベートーヴェンのオーケストラ楽譜の音符をピアノ楽譜に置き換えることが目的ではなく,オーケストラが生み出す音響をピアノで再現することに果敢に挑戦し,あらゆる秘術を繰り出してベートーヴェンと真正面から対峙しています。リストは数多くの編曲を残していますが,その最高傑作は交響曲のアレンジだと私は思っています。
リストの編曲がどれほど素晴らしいかは,ベートーヴェンの「第5交響曲」第4楽章のコーダに突入する直前の部分を見ただけで判ります。ピッコロとフルートの高音域のトリル,中音域の弦のトレモロ,それに乗って歌われるメロディーの重なりがほぼ完璧に再現されています。私は中学生の頃,この交響曲全曲のソロ用アレンジに挑戦したことがありましたが,この部分だけはついにピアノ曲にできず,断念した記憶がありますが,それだけにこの部分のリストの楽譜を見たとき,そのあまりの見事さに震え,圧倒されました。天才と凡人はこれほど違うのかと,凄さに声が出ませんでした。リストという世紀の天才はまさにあの4小節に凝縮されているのです。
フンメルもカルクブレンナーもピアノ音楽史・ピアノ演奏技術史の中では欠かすことのできない重要な存在ですが,彼らが残した作品のほとんどが歴史の中に忘れ去られて埋もれていき,一方,リストやショパンの作品が今なお主要演奏レパートリーとして残っている理由は,今回のフンメルらの楽譜を見るとよくわかります。
- 5億9000万年前の胚:左右相称動物の起源
最も古い左右相称動物の胚と思われる化石の分析から,左右相称動物の発生が,従来の定説よりさらに4000万年早まり,さらに,左右相称動物の胚には2つのグループがあって別個に進化したようだ,という記事です。ただし,この記事を読んだだけでは「2つのグループ」がどのように違うのかは言及されていませんので,原著を読むしかないようです。
ちなみに,この5億9千万年前という年代は全地球凍結(Snowball Earth)終結から数千万年後にあたりますから,全地球凍結で抑えられていた生物進化が一気に加速したことは確認されていますので,恐らくこの時期に左右相称動物の体制の可能性が何通りも試されたのかもしれません。
- 東芝、モバイル燃料電池 Dynarioを商品化。3000台限定
いつの間にか忘れられようとしている燃料電池ですが,ついにコンシューマ向けの携帯用燃料電池が商品化されました。本体価格は29,800円,カートリッジ(燃料のメタノールが入っている)が5本入りで3,150円。出力が5V, 800mAですから携帯電話やMP3プレーヤーなどが充電できそうです。とりあえず,カートリッジさえ持ち歩いていれば,電池切れということはなくなりますので,N700系「のぞみ」のグリーン車(全席にAC電源付き)以外の東海道新幹線の車両,東北新幹線に乗る場合にはかなり便利そうです。
- 過去最大95兆円予算でわかった-民主政権の危うさ
「厚労省,総務省の予算になぜ厚労大臣,総務大臣が切り込めないのか。それはこれらの象徴が扱っている分野があまりにも大き過ぎ,一人の大臣で目配りできなくなってしまったからだ」という指摘です。確かに「厚生」と「労働」は扱っている問題が全く違いますから,いくら長妻さん(年金問題のエキスパートだが,年金問題以外の厚労省の仕事については・・・)が意気込んでもどこにどういう問題があるのか,そもそもその計画は必要なのかはわからないはずです。これは総務大臣についても同じです。
このような巨大省庁は橋下内閣の行政改革で生まれたものですが,これは果たして改革だったのか,それとも改悪だったのか,そろそろ考え直す時期かもしれません。個人的には少なくとも厚生労働省は厚生省と労働省に分離すべきだと考えます。仕事の内容がまるで違うからです。
2009/10/22
- 登山雑誌「登山時報」11月号,「看護学雑誌」9月号に『傷はぜったい消毒するな -生態系としての皮膚の科学-』の書評が掲載されました。
- 人類が宇宙に進出してみたら,なんと宇宙はそこらじゅうヴァンパイアだらけだった,というムチャクチャ系のクズ映画,《エイリアン・シューター》を紹介。
- オリオン座流星群,極大期に
へぇ,オリオン座流星群ってハレー彗星が放出した砂粒大のチリだったんだ。52年生きてきて,初めて知りました。要するに,ハレー彗星が76年周期で太陽の周りを回っていて,小惑星帯より内側に入ると太陽熱で彗星核の氷が昇華し,そのことで氷に閉じ込められていた砂粒が放出されて「水星軌道上のチリの帯」になり,そこに地球が突入するための現象らしいです。
でも,この記事を読んでいると矛盾した記述があることに気がつきます。「地球がちりの塊の中を通過する可能性は彗星が地球に再接近する時期が最も高く,その年に流星群が活発化する」というのは理解できますが,そのちょっと後に,「ハレー彗星は現在,遠日点(太陽から最も遠ざかる位置)の辺りを移動しているため,今年のオリオン座流星群はちりの塊とは関係がない」という説明があることです。後者の説明が正しいとしたら,今年のオリオン座流星群はハレー彗星由来でないことになり,別の彗星によるもの,としか読めません。それとも,オリオン座流星群はハレー彗星の放出物質以外でも起きているのかなぁ?
ハレー彗星が地球に再接近したのは1986年です。それならこの年にオリオン座流星群はもっとも活発になっているはずなのに,によると「2006年に突然活動が活発化」したとあります。この現象についていろいろ調べましたが理由がよくわかりません。
それと,宇宙空間で砂粒大の「彗星のチリ」が数千年間,同じ位置に漂っているということですが,それだけの時間,力学的に安定して漂っていられるというのも,ちょっと理解できません。
このあたりについて御存知の方は御教示いただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。
- 回転ドラム式の電気自動車コンセプト『eRinGo』
走っている動画,見てぇ!
- 17年前のビールを飲んでみる
おそるべし,ベルギー・ビール! アルコール度数14%で賞味期限なしで「瓶内熟成」させて飲むビールなんだとか。飲みてぇ!
- 石油がエネルギー・チャンピオンになった理由 -「霧のロンドン」の真実と低エントロピー源革命
以前から何度か紹介している「人口とエネルギー源が起こす地殻変動」シリーズの第4弾です。石油がなぜエネルギー源の王となったのか,天然ガスや原子力は石油より何が優れているのかについて,詳細に説明しています。これも論理の展開が精緻で,非常に読み応えがあります。
- 鳩山首相、「脱官僚」と矛盾せず=退官14年、民間も経験-日本郵政
「元大蔵次官の斎藤次郎氏」って1998年のノーパンしゃぶしゃぶ事件で責任を取って辞めた人ですよね。
西川さんが辞めさせられた理由がよくわからない以上,その後釜の社長には財界人は躊躇するでしょうから,最終的には元官僚しかいなかったのかもしれないけど,よりにもよってあの「ノーパン君」か・・・。他に人材がいないの?
- 民主党政権に変わってよかったなと思うのは,それまで裏でこそこそ決められて実行されてきた様々なことが,しっかりと表で議論されるようになったことだろう。要するに,世の中の風通しがちょっとよくなったことは確かだと思う。
しかし,日本は60年以上もの間,「第一党交代による本当の政権交代」を経験したことがないため,民主党もどうしたらいいのか手探り状態で仕事を始めるしかなかったし,国民も政権交代で何が起こるかをわからずに選択した。政権が変わることで何かが変わるとは思っていたが,それが現実のものとなったとき何が起こるかまでは予想していなかったと思う。
民主党にしては,自民党政権下で積もりに積もった埃をどこから払ったらいいのか,積み残しの問題をどう解決したらいいのか,自分たちがやりたいことはどこから手をつけるべきなのか,自民党政権と真逆の政策はどのように実行していったらいいのか,選挙用マニフェストをどこまで「現実の政策」として実行していいのか・・・というさまざまな問題に対処するノウハウを持たないまま,自民党の自滅により,棚ボタ的に政権についてしまった。
恐らく,このような「本当の政権交代」を何度か経験することにより,政治(政党)側も国民側も「政権交代による変化に対応するノウハウ」を学んでいくしかないような気がする。
2009/10/21
- 「78歳,広範3度熱傷」の10月13日の状態,および,治療(処置)にかかっている費用を計算してみました。なんと,一日あたりたったの138~199円! これより安い費用で3度熱傷を治療している病院,ありますか?
- 日本におけるインフルエンザ A (H1N1) の新型インフルエンザによる入院患者数の概況
新型インフルエンザに関する厚生労働省の統計です。
- 234万人がインフルエンザに罹患したと推計される
- 入院患者数:2146人(入院率0.09%)
- 重症(脳症または人工呼吸器)患者数:148人(重症化率0.005%)
- 入院患者の8割以上は19歳以下(1799人),成人は2割以下(347人)
- 19歳以下入院患者の68%には基礎疾患がない
- 成人入院患者の93%には基礎疾患がある
当初の政府シナリオ「入院率1.5%,重症化率0.15%」よりかなり低く推移しています。そして,新型インフルエンザの死亡率は季節型インフルエンザの死亡率(0.1%)よりはるかに低くなっています。
- CHIMAさんのサイトにズブロッカのことが書いてあったので,私も一言。
ズブロッカはポーランドのウォッカで,中にバイソングラス(ヨーロッパバイソンが好んで食べる植物で,バイソンの精力の源と信じられていた)という植物の茎が1本入っていて,わずかに薄黄緑色をしている。軽やかで鮮烈な草原の香り,そして滑らかな舌触りがこの銘酒の身上だ。
一方,ポーランドといえばショパンとシマノフスキとゴドフスキーを生んだ国,いわば,ピアノの神が降臨した国だ。その国の酒がうまくないわけがない。
ズブロッカには他にロシア産,チェコ産などのものがあったと記憶するが,どれもズブロッカと名乗るのが許せないような駄酒だった。
私とズブロッカの出会いは30年以上前だ。大学浪人の末,何とか東北大学医学部にもぐりこんだが,その頃,作家の開高健の小説やエッセイを耽読していた。そのエッセイのどれか(確か,『白いページ』のどれかだったと思う)に,このポーランドの酒のことが書かれていたのだ。その中で,生まれて初めてズブロッカを飲んだ開高は,「滑らかな舌触りと信じられないほどの芳香に私は魂奪われ,したたかに痛飲し,翌日はひどい二日酔だった。しかし,自分のオシッコからはまだズブロッカの香りが漂っていた」という感じの最上級の表現で褒め称えていたのだ。
開高健に心酔していた私は,この酒は絶対に飲もうと思った。ピアノとショパンと開高健を愛する人間ならこの酒を飲むねばならないと,一途に恋焦がれてしまった。
だが,ズブロッカを満たしたグラスは遠かった。私の暮らす仙台では,どこの酒屋でも置いてなかったからである。
当時私は21か22歳だったと思う。どこの酒屋に行っても置いてない酒をどうしたら手に入れられるのか,途方に暮れてしまった。そこで,「仙台で輸入食品といえば明治屋」という話を聞き,駄目もとで明治屋に行き,お酒コーナーの店員に「ズブロッカというポーランドのお酒を置いてください。お願いします!」と勇気を奮って直談判を決行してみたのだ。若気の至り,怖いもの知らず,世間知らずである。
すると店員は「ズブロッカですか。実は私もちょっと興味を持っているんです。何とか探してみます」と言ってくれ,それから数ヵ月後,「ズブロッカ,入りました!」と連絡が入ったのだ。そして私は,ショパンとゴドフスキーと開高健の酒,ズブロッカを手に入れた。夢にまで見た酒であり,それは神々しいばかりの香りだった。
初めてこの酒を口にした時の感動は今でも覚えている。鮮烈という言葉の意味を教えてくれたのはこの酒だった。
私はそれから,大学の同級生を度々私のアパートに招き,この酒を振舞った。何とか明治屋に置いて貰ったズブロッカだが,貧乏学生だった私にはいつでも買える値段ではない。だから,この酒の素晴らしさを知人たちに知ってもらい,彼らに買ってもらう必要があったのだ。
そういう細やかな努力の効果かどうかは不明だが,その数年後,仙台のいろいろな酒屋さん,デパートの酒売り場にズブロッカが並ぶようになった。最初期に私のアパートでズブロッカの味を知った知人たちは,私のことを「仙台におけるズブロッカの父」と呼んでくれた。
その後私は,『鷲は舞い降りた』のリーアム・デブリンが愛飲するオールド・ブッシュ・ミルズを(30年,60度のものは超絶的絶品!),『凱旋門』の老医師が愛飲するカルバドスを,私立探偵スペンサーが愛飲するビール,アムステルを味わうことができた。どれもが絶品だった。
また,日本各地を講演で回るたびにその地の吟醸酒や純米酒を飲み,信じられないほど美味な「首吊り」製法の日本酒を,そして焼酎を味わってきた。
同様に,ハブやマムシがとぐろを巻いて浮いている酒も,ネズミの胎児が浮かんでいる酒も,蛾の幼虫が沈んでいる酒も飲んできた。
世界各地のラム酒を集めたバーでは,置いてあるラム酒の9割くらいまでは味わい尽くしたし,一本数万円以上のワインやシャンパンもなぜか飲んだことがある。
要するに,「酒」というラベルが張ってある液体は,とりあえず飲んでみようとする節操のない酒飲みである。
そんな私だが,今でもズブロッカだけは別格の存在だ。ズブロッカの味わいは飲まなくてもすぐに思い出せる。そして,苦労して手に入れた30年前の記憶が蘇り,最初にグラスに注いだときの香りと感動,それを口に含んだときの驚きは今でも鮮やかに思い出せる。
ズブロッカよりうまい酒はいくらでもある。しかし,ズブロッカ以上に思い出が詰まっている酒はない。
- 太陽系外の惑星32個を新たに発見
これで,太陽系外で発見された惑星は400個を越えることになるそうです。今回の記事で一番注目されるのが「木星クラスの質量を持つ惑星が,金属をあまり含まない恒星の周囲を公転しているケースもいくつか確認された」という部分でしょう。従来の惑星形成の標準理論では「惑星は惑星形成円盤(金属のチリなどを含む渦)で形成される」というものだったからです。
しばらく惑星学についての本を読んでいませんが,そろそろまとまった本が読みたくなりました。
- ひょんなことから地球物理学の研究者という方と知遇を得,『ダイヤモンド号で行く地底旅行』(入舩徹男,新日本出版社)という本を教えていただきました。日本海溝から出発し,移動するプレートに乗って地中に移動していくとどんな世界が展開されるのか,地球の深部はどうなっているのかについて解説した本です。まだ1/3しか読んでいませんが,結構面白いです。地球内部というと光はないから暗黒の世界なんだろうな,と思っていたら違うんですね。マントル深部は眩いばかりの明るい光に見ているので,地底旅行の懐中電灯は不要で,むしろサングラスが必要なんだそうです。
医学と無関係の分野の専門書って面白いです。
-
いずれも比較的シンプルな構造なのに,見事に生物の動きを再現しています。機械の動き,見ていて飽きません。
2009/10/20
- 来年2月19日(金)に市川市医師会(千葉県)で講演することが決まりました。
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に,福岡県久留米市の薬局を追加しました。
- 佐賀県の有田共立病院で長いこと湿潤治療の普及に活躍してこられた武内謙輔先生が,来月から埼玉県の東鷲宮病院に移動されることが決まったそうです。東鷲宮病院といえばもちろん,湿潤治療や褥瘡治療で活躍されている水原先生の病院ですから,これで同病院は水原,武内の2枚看板で「褥瘡のOpWT」普及の強力な拠点の一つになっていくことが予想されます。
- 一世を風靡した落ち目の中年アクションスターが銀行強盗事件に巻き込まれて・・・という映画,《その男ヴァン・ダム》を紹介。スクリーンの中のようにヒーローになりきれず,それでも懸命に現実に立ち向かっていく中年男の悲哀をヴァン・ダムが好演!
- 恐竜絶滅の決定打はインドの隕石?
6500万年前の突然(?)の恐竜絶滅についてこれまでは,ユカタンを直撃した直径10kmの隕石衝突が主犯と考えられてきましたが,本当のとどめとなったのはインド西岸沖に落下した直径40kmの隕石であり,その証拠を見つけたというのがこの記事。インド洋海底の直径500kmのクレーターがそれです。
これが正しいかどうかは現時点では不明ですが,なぜ6500万年前に巨大隕石が相次いで(運悪く・・・都合よく?)地球を直撃したのか,その後,同様の巨大隕石衝突が起きていないのはなぜなのか,という疑問は残ります。このあたりについてはどう説明されているのか,ちょっと勉強してみようと思います。
いずれにしても,空から直径40kmの物体が降ってくるというのは,凄まじい光景だったろうと思います。40kmというのは日常的な距離ですが(東京23区が大体この範囲に入ります),40kmの物体となると私はなかなか想像できません。
- 経済状況は「天国と地獄」の差! -先進国を凌駕した新興国が迎える“岐路”
中世以降の世界の経済を引っ張ってきた「先進国」の変遷の歴史から,今後の世界経済の未来を分析する記事です。現在,中国などの新興国の経済発展が世界経済を牽引していますが,あまりに離陸準備期間が短すぎるため,世界を引っ張るほど高く飛翔できるのか,という根本的な疑問が提示されています。
2009/10/19
2009/10/16
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に,静岡県浜松市南区の薬局を追加しました。
- トム・クルーズ主演,スピルバーグ監督による駄作クズ映画,《宇宙戦争》を紹介。傑作SF小説をベースに,名優が出演し,天才監督がメガホンを取り,巨額を投じても,設定が駄目なら元も子もない,という見事な実例ではないかと思います。
- 以前レビューを書いた《テキサス・チェーンソー》について,「大きな事実誤認があります」という御指摘をいただきましたので,御許可を得て引用・追加させていただきました(上記レビューの一番最後に引用させていただきました)。御指摘,ありがとうございました。
- 人類は環境問題から逃れられない/はるか古代からあった森林の大規模伐採と再生可能エネルギーの限界
10月9日に紹介した論文の第3弾で,エネルギーとエントロピーという観点から,人類文明の変遷を鮮やかに解きほぐしていきます。そしてその根底にあるのは,散逸構造・動的平衡という概念であり,それらをベースにして,インダス文明,メソポタミア文明から近代イギリスの産業革命の背後にあったものが何かをクリアに示しています。
壮大で緻密な論理の展開が心地よい私好みの論文です。
- 鉄のゴミを海のサプリに
以前,『鉄理論=地球と生命の奇跡』という本を紹介しました。ありふれた遷移元素の一つに過ぎないと思われていた「鉄」が,実は宇宙の奇跡と地球の奇跡を生み,地球の全生命を支え,人類文明を陰で支え,地球上生命の未来を握る鍵であることを鮮やかに示した好著です。
そして,森林伐採と山林荒廃により死の海となった海底を,再び海藻が繁茂し生命に満ち溢れた海に再生させる切り札として「鉄」が着目されている,というのがこの記事です。生命活動に欠かせない各種酵素がなぜことごとく「鉄」を含んでいるかがわかると,この記事はさらに大きな問題につながっていることが判ります。
- 頭部外傷患児に対する不要なCT検査を回避できる予測ルールが確立された
必要のない頭部レントゲン撮影,CT撮影ってかなり多いんだろうな,と以前から思っていました。何より患者さんとその家族が「とにかくレントゲンを,まずCTを」って要求してきますからね。この記事にあるような知識が医学界で一般化したら,全国規模で見たらかなりの医療費削減になるんじゃないかと思います。
- 激怒した森田知事が一転笑顔になった理由
森田さん,衆議院選挙で東京から出馬したときの選挙公約が「羽田空港の国際空港化」だったんだって。この人,千葉県知事選に立候補したときには自分が自民党所属だったことを忘れ,剣道二段の昇段試験を受けなかったことも忘れ・・・と,物忘れの名人ですが,こんなのがトップにいて,千葉県,大丈夫か?
- これまで何冊か本を書いていますが,印税は一年に1回か2回,忘れた頃にちょっぴり銀行に振り込まれる,という感じだったのですが,光文社新書の方は毎月,増刷された分が振り込まれます(増刷されなければ振り込まれないわけですが)。
自分が書いた本というのは自分の子供みたいなものです。子供だ,子供だと思っていたのにいつの間にか成人して一人で働き始め,毎月少しずつ親に仕送りをするようになった,というような感覚ですね。毎月増刷,なんてことは絶対にありえないことですが,親としては,少しでも長く「仕送り」してくれたらいいな,なんて考えております。
2009/10/15
- 「傷を縫ってもらいましたが,その後,毎日消毒されガーゼを当てられています。これでいいのでしょうか?」という質問への回答を追加。
- 「78歳,広範3度熱傷」の10月5日の状態です。
- 皆様のお知恵拝借,「この皮疹,何でしょうか?」。皮膚科の知識がほとんどないので,こういう皮疹を見ると全くお手上げです。
どなたか,御教示いただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。
- ちょっと便利な「可動式電源タップ」を紹介。
- 手荒れに注意 新型インフル対策で洗いすぎ!?
以前から講演のたびに,「手にはばい菌だけがついているわけでなく,手を洗いすぎると手が荒れて黄色ブドウ球菌(あるいはMRSA)が増えるだけだ」と指摘してきましたが,その通りの記事内容となっています。
じゃあ,どうするかですが,私が推奨するのは次の方法です。
要するに,手洗いをすれば手が荒れるのは当たり前,しかし手を洗わないわけにはいかないのだから,手を洗う前にワセリンで油の被膜を作ってから手を洗い,被膜が落ちてきたらまた被膜を作るしかないのです。手を洗う前に手を守っておく,というのが私の基本的な考えです。
なお,手が荒れるほど頻繁に手洗いをしなければいけない業種の場合は,そもそも素手でなくてディスポの手袋をつけて作業をすべきです。
- 現在の成田空港というのは,東京駅が東海道新幹線駅でしかない状態と考えるとわかりやすい。つまり,「のぞみ」や「ひかり」は次々と発着するが,山手線や中央線に乗ろうとすると神田駅に,東北地方に行くためには上野駅に,横浜方面に行こうとしたら品川駅に・・・という具合で,東京駅に着いたはいいけれど,そこから目的地に行くためには車に乗るか歩いて乗換駅までたどり着き,そこから電車や地下鉄に乗って目的地を目指すしかないのだ。
こう考えると,現在の東京駅や羽田空港がいかに便利で,成田空港が非常に不便なことがわかる。海外からのビジネス客や観光客が成田を目的地とするなら現在のままでもいいが,彼らのほぼ100%は成田を目的としていないのだ。そして,東京都内各地や京都,大阪,北海道などの目的地に行くためには一度東京駅か羽田空港に行かないといけないし,成田から東京・羽田がこれまた遠いのだ。
それなら,海外から来るなら不便な成田ではなく,韓国の仁川 (インチョン) 国際空港に来て,そこから日本各地の飛行場に直接行ったほうがはるかに便利である。
前原発言に激怒した森田千葉県知事にしたって,海外から成田に帰ってきて「不便だなぁ。羽田に直接降りられたら便利なのになぁ」と思っているはずだ。
繰り返しになるが,成田空港に降り立ったビジネス客や観光客の目的地は成田ではなく,成田以外の日本各地である。そういうユーザーの視点に立って空港とはどうあるべきかを考えなければ,観光客はどんどん仁川空港に流れるばかりである。
- Dysonから羽根なし扇風機 Air Multiplier
「何だ,こりゃ?」という感じですが,立派な扇風機です。さすがはダイソン,という感じです。「扇風機とはこういう形をしているものだ」という固定観念を鮮やかにぶち壊しています。
- 「政策の打順」組み誤った民主党/外遊,八ツ場ダム,対官僚…,いずれも二の次ではなかったか
概ね賛同でき,かなり真っ当で正鵠を射ていると思われる「民主党の戦略ミス」についての分析です。民主党政権の新大臣たち,どなたも真面目で一生懸命なのは痛いほど伝わってきますが,現時点で最も急務を要する問題でなく,マニフェストに書いてあるが不要不急の問題についてぶち上げているだけなので,さまざまなトラブルを起こしています。何を最優先にするかの判断を政府首脳が表明していないからでしょう。
2009/10/14
- 日経メディカル10月号に「創傷治療の最前線」という特集があり,鳥谷部先生や私などが紹介されました。
- 以前,「釣り針の抜き方(末長法)」を紹介しましたが,昨日,ワカサギ釣りの針が母指に刺さって抜けない,という患者さんが受診され,早速行ってみましたが,呆気ないほど簡単に抜け,しかもチクっと痛いだけ,とのことでした。この方法,すごいです。
- スペインで起きたアメリカ大統領狙撃事件を8つの異なった視点から描き,巨大な陰謀を浮き彫りにしていこうとする意欲作,それが《バンテージ・ポイント》だ。
狙いは悪くないんだけど,肝心の「陰謀」自体の規模が全く描かれていないためにピンボケ作品になっちゃいました。誰かリメイクしてくれないかな。
- デル,9.99mm厚ノート Adamo XPSを公開
Dellはこのノートパソコン(?),情報がほとんど漏れてきません。どういう構造のパソコンなのか全く不明ですが,とりあえず,「5ミリの板を2枚張り合わせただけ」にしか見えない厚さはすごいです。
- 恐竜の種の3分の1は実在しなかった?
現在の鳥類や哺乳類では成長するまでに大きく形が変わるものがあります。実際,生まれたばかりのパンダと成獣のパンダは同じ動物だとは思えないくらい違います。恐竜もそれと同じではないか,これまで異なった種類の恐竜と思われていたものは成長過程のものを別種として考えていただけではないか,というのが今回の新説。
オタマジャクシとカエル,形だけ見たらどうみても別の生物であり,飼ってみない限り,同じ生物だということには気がつきません。つまりそういうことだな。
- ヒトゲノムの3D構造は「丸めた麺のようなフラクタル」
生命現象の最も根底にある遺伝子物質の構造が,3次元で展開されるヒルベルト曲線,つまり3次元フラクタルであるという発見です。
純粋に理論的な推論と論証から生み出された数学の体系が,後の世で物理学や生物学の世界を記述する手段として最適だった,というのはこれまでも何度もあったことですが(素数分布に関するリーマン予想に登場するゼータ関数が,量子のエネルギー順位を記述するのに最もよい近似式になっていた・・・など),今回の発見もその一つとなりそうです。
- 草食のクモを初めて確認
生物学の「常識」がまた一つ,打ち破られました。恐らく,節足動物の系統発生について大きく見直す必要があるんじゃないかと思います。草食と肉食では消化管の構造が違ってくるし,何より,消化管内の常在菌の種類を根本から組み替える必要があります。肉食の生物が思いつきで「草でも食ってみるか」と食べても,草は消化できません。セルロースを分解する腸内細菌が消化管に生息していることが絶対必要ですし,消化管自体がその細菌の生育環境になっていないと駄目です。
こう考えると「草食のクモ」というのがいかにすごい発見か判ります。
- クレジットカード情報は“漏れるもの”
怪しげな店でなく,いかにもしっかりした店であってもクレジットカード情報は漏れてしまう,という非常に怖い記事です。
- 「寝耳に水」怒りの成田
森田知事は怒っているだろうけど,利用者側からすると「成田空港は遠くて不便で使いにくい。国内線にも乗り換えられないし・・・」です。成田の2本しか滑走路がなく,今後増やすのも大変そうですが,羽田は4本目の滑走路が完成間近で今後も増やそうと思えば増やせます。そして何より,東京駅から近いです。
同様に,伊丹空港は便利ですが,関西国際空港は不便です。橋下府知事は伊丹を閉鎖して関空を,と考えていますがとんでもないことです。関空に国内線を集中させたからといって,使いやすい空港になるわけではありません。
利用者の視点に立てば,成田も関空も失敗作です。
- 人の命より資本主義を優先するのか?/米国健康保険改革の座礁
他の国なら常識である「国民皆保険」を提案しただけで,オバマさん,アメリカ中から総スカンを食っています。それに対し,シリコンバレー在住の筆者は「資本主義の理念を人の命にかかわる問題に適用するのが正しいのか?」と疑問を呈しています。何しろアメリカという国は,「国に税金を払いたくない」という連中と,「自分の神様を心ゆくまで祈りたい」という連中が集まって作った国ですから,公的扶助と聞くと「アメリカを共産主義にする気か?」と猛反発します。どうみてもバカです。
ちなみに,この記事の後半に紹介されているフランスのシステムがすごいです。フランスの保険とは「病状が悪化して治療期間が長くなればなるほど,保険料がどんどん下がり,ついには個人負担がゼロになってしまう」のだそうです。命を助けようという哲学がそこにあります。
2009/10/13
- 「湿潤治療の講演をしている医師」に,福井県鯖江市の公立丹南病院 病院長/白崎信二,外科/樋下徹哉,北島竜美先生,埼玉県越谷市の山口整形外科・内科クリニック/山口秀行先生にも御参加いただきました。ありがとうございます。
- 「78歳,広範3度熱傷」の10月1日の状態です。
- コンビニに行ったらサイバラの見たことがない本があってね,内容を見るとこれまで全部読んだことがある作品がちょっとずつ並んでいたんですよ。で,パラパラ立ち読みしていたら止まらなくなっちゃって,気がついたら買ってレジに持って行って,気がついたら買っていました。「サイバラ商法」に引っかかってどうするんだ>俺
ちなみに今回が「疾風篇」で,11月13日に「怒涛篇」が出るんだと。
2009/10/09
- 「78歳,広範3度熱傷」の10月1日の状態です。とても元気で,処置のたびに文句を言っています。褥瘡もできていません。
- 「さぁ,犯人が誰か,わかりますか?」と伏線を張り巡らした謎解き系サスペンス映画,《88ミニッツ》を紹介。真犯人は確かに推理しにくいけど,事件の真相そのものは途中でわかっちゃいますね。アル・パチーノ,久しぶりの主演映画ですが,力の入りすぎた演技はちょっとやりすぎという感じが・・・。
- エネルギーの爆食がもたらした2度目の人口増/産業革命を可能にした石炭と「エントロピー排出」の問題
「物を生産するということは,低エントロピー・エネルギー源を使用して,高エントロピー資源を低エントロピー化することにほかならない」という,至極真っ当で論理的な環境問題についての分析。こういう論理的な文章は読んでいて気持ちがいいです。本文中の「物をいくらリサイクルしても,リサイクル自体で生じる環境のエネルギー汚染(=エントロピー拡大)は防ぎようがない」というのも極めて正しい指摘です。
以前から私も書いているように,ペットボトルのリサイクルは愚の骨頂です。日本全国各地に散らばっているペットボトルという高エントロピーの物質を一箇所に集める(=低エントロピー状態にする)にはエネルギー投入しなければならないし,ペットボトルと包装部分をわける(ここでもエントロピーは減少する)だけでもエネルギーは消費され,さらにそれからペットボトルを作るにはさらに多くのエネルギーを投入しなければいけません。つまり,ペットボトルはリサイクルすればするほどエネルギーを浪費します。一箇所に集めて燃やして熱として取り出すのが,最もエネルギー消費が少なくなります。
マイ箸を使って割り箸を使わないようにしましょう,レジ袋ではなくエコバッグを持ちましょう・・・なんていう「頭の悪いエコごっこ,形だけのエコごっこ」はそろそろ止めにして欲しいです。
- 【戸田覚の最速レビュー】11万円と安い! 極薄の新モバイルノートVAIO Xが登場!
久々に「これはすぐに欲しい! 現物を見ないで注文しちゃうか」と心が躍ったパソコンがこれ。765gと軽量で13.9mmと超薄型で,それでいて標準バッテリーで10時間もつんだぜ。これってすごいことですよ。おまけに,265GBのSSDでメモリは2GB。私みたいな使い方をしているんなら,このスペックで十分です。
VAIO Pが出た時は「この画面は老眼には無理」と購入を即刻諦めましたが,今度のは大丈夫そうです。そして値段はなんと11万円! Sony Styleでなら89,800円! うわぁ,物欲が,物欲が!
- 土星に太陽系最大の環を発見
いわゆる「土星の輪」の外側に,はるかに巨大な「輪」があった,という記事です。土星本体から土星の輪(E環)までの距離は64万キロで,これは地球と月の距離(約38万キロ)の約2倍弱になりますから,人間の感覚ではかなり遠くにあることがわかります。この「新しく見つかった輪」の外側縁と土星の距離は1300万キロですが,地球と火星の平均距離が7800万キロですから,かなりの範囲に広がっていることが判ります。ちなみに,この7800万キロというのは,太陽(の中心)から水星までの平均距離の5800万キロより大きいんですね。
ちなみに,地球の直径は1万3000km弱ですが,これを直径13cmのボールにすると,3.8m離れたところに直径3cmの月があり,1.5km離れたところの直径14mの太陽が浮いている,ということになります。太陽と地球の間の1.5kmの間には直径5cmの水星,直径12cmの金星があるだけです。直径7cmの火星は地球からさらに750m先です。このように日常的なサイズに縮めてみると,太陽系って思ったよりスカスカであることが判ります。
- ウィニー逆転無罪,開発者の責任限定的 違法コピーの課題残る
Winnyの開発者に罪を問うこと自体がおかしいと思っています。Winnyを使って違法行為があったのはWinnyを開発した人間がいたからだ,という論理が通じるとしたら,トヨタの車で起きた交通事故の責任はトヨタ車を作ったトヨタにあり,ドコモの携帯を使った詐欺事件の責任はドコモにあり,縄跳び紐で絞め殺した殺人事件の犯人は縄跳び紐を作ったメーカーにあることになります。
人を殺そうと思ったら,割り箸でもビール瓶でも花瓶でも外付けハードディスクでも液晶テレビでも凶器に使えます。工夫次第で,ボールペンでもトイレ用洗剤でもネクタイでも広辞苑でも人殺しに使えます。
Winnyはそれと同じです。善人が使えば情報共有の強力な手段ですし,悪人が使えば情報を盗む手段に変身します。作り手の意思とお構いなしに用途が広がるのは道具の宿命です。
- 2つの超大質量ブラックホールが衝突する画像
ハッブル宇宙望遠鏡の画像とチャンドラのX線データを組み合わせて浮かび上がった壮麗な画像です。
- アホウドリはシャチを追う:日本の極地研の研究
アホウドリ,頭いいです。誰だ,「阿呆」って名前をつけたのは! ちなみにアホウドリは翼を広げると2メートルを超える威容を誇る美しい鳥です。特に翼を広げて空中を滑空する姿は息を呑むほど見事です。
- 死亡前のマイケル・ジャクソンは健康だった
この「剖検結果のコピー」を見る限り,少なくとも私よりは健康体だったようです。
2009/10/08
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に,大阪府吹田市の薬局を追加しました。
- 村上春樹が「世界」でどう読まれているかなんて,気にする理由あるの?
この記事を読んで幼い頃の記憶を思い出しました。
私は1957年生まれですが,小学校1年生になった頃から,毎月自宅に「少年少女世界の名作文学」(恐らく小学館)が一冊ずつ配達されていました。確か全50巻だったはずです。黄色い箱に入った分厚いハードカバーの子供向けの文学全集で,カバーをはずすと表紙を世界の名画が飾っていたことを今でも思い出します。
この日経BPの記事で「文学全集は1950年ごろからの約20年間が2度目の好況期となったヒット商品だった」とありますが,私が育ったのはまさにこの時代だったのです。
私は,この毎月届けられる本が楽しみで,届くたびにむさぼるように読んだものでした。読書好きとしての私の下地はこの時期に作られたものかもしれません。私に,『車輪の下』,『罪と罰』,『ジャン・クリストフ』,『ギリシャ神話』,『ユリシーズ』,『タラス・ブーリバ』などを教えてくれたのはまさにこの全集でした。そしてこの文学全集は子供向きのダイジェスト版でしたが,巻末部分に作家の生涯やその作家の他の作品の要約などがまとめられていて,読者をさらなる奥深い文学の世界に誘ってくれる素晴らしいものでした。
そして私が高校生の頃,自宅には河出書房の全100巻くらいの「世界文学全集+日本文学全集」が毎月一冊ずつ届くようになりましたが,今考えると,まさにあの頃は「文学全集の時代」だったのでしょう。
その後私は,平井和正のウルフガイ・シリーズ,J.G.バラードのSF全作品,大江健三郎の全作品,開高健の全作品,ヒギンズやマクリーンの冒険小説・・・という具合に「世界名作文学」の世界から飛び立ちましたが,読書体験の原点は小学生の頃,毎月自宅に届く小学館の「少年少女世界の名作文学」だったと思っています。
ふと思い返すと,私は村上春樹は一冊も読んだことがありません。一体どういう小説を書いている人なんだろうと気にはなりますが,これだけ多くの人が読んでいるんだから,自分一人くらいは読んでいなくてもいいよね,と思っちゃうんですね。
そして,夏目漱石も「坊ちゃん」しか読んだことがないし,森鴎外は一冊も読んでいません。芥川龍之介も恐らく「蜘蛛の糸」くらいしかまともに読んでいないはずです。そういえば,太宰治も全然読んでいないし,直木三十五も読んでいません。そういえば,「戦争と平和」も「嵐が丘」も「怒りの葡萄」も「誰がために鐘は鳴る」も読んでなかったな。これらの作品,恐らく読まないままに死んじゃうんだろうな。
- 古代,火山の噴火で森林が消滅した
ペルム紀(2億5千万年前)に地球の生物の歴史上最大の大量絶滅が起きます。当時の海洋生物の95パーセント以上が死に絶えたというのですから尋常ではありません。
これまで,その原因についてはさまざま考えられていましたが,今回,火山噴火とそれに伴う有毒ガス噴出,そしてその後に降り続いた酸性雨が原因だったという証拠が見つかったそうです。そして,地表の樹木はほとんど死に絶え,それを分解する木食性の菌類(真核生物)が地表を覆っていたと考えられる証拠が見つかったんだとか。
そして現在,ヨーロッパの森林は酸性雨で枯れ,それを木食性の菌類が覆っていますが,それがかつてのペルム紀の様子と同じではないかと文章は締めくくられています。
- デル,前代未聞デザインの9.99mmノートAdamo XPSをチラ見せ
SonyのVAIO Xも気になるけど,こっちもすごく気になります。1センチを切る薄さもすごいけど,「画面とキーボード部が分かれて開くノート」ってどんな構造をしてるんだよ。実物,早く見たいです。
2009/10/07
- ダークマターを「邪悪な物質」と勘違いしたお馬鹿さんが作ってしまったお馬鹿映画,それが《スーパーストームXXX(トリプルエックス)》だ。非科学的なSF映画,ってのは面白いのだよ。
- 中国で大ヒット中の「一生ネットが無料になる機器」とは!?
いかにも怪しそうな中国らしいデジタルがジェットですが,「通常の無線LANの数倍の出力で遠方のアクセスポイントを検知」し,「無線LANの暗号を解析するソフト付き」というもので,使用中の無線LANを探してはただで使わせてもらおうという「オイオイ」というものですが,これが中国で売れに売れているんだと。どう考えても「そりゃ,犯罪じゃないの?」と思うのですが,中国国内のITメディアが「これはすごい!」と取り上げるもんだから,大ブームになっちゃったらしいです。さすがはパチもんのメッカ,中国です。しかも,ソフトはしっかりと日本語に対応しているし・・・。どうせなら,セキュリティソフトも抱き合わせで販売するか。
- 正規雇用労働者にも忍び寄る“貧困”
現在の日本は,「働いているにもかかわらず貧困状態の世帯が貧困世帯の8割以上を占め,その割合は,OECD加盟諸国平均の63%を大きく上回っている」という異常事態にあります。おまけに,年収300万円未満の男性低所得正規雇用労働者の割合も若年層ほど高くなっていますし,共働きでも貧困状態という世帯が増えている・・・というレポートです。
- 「ヴェニスの商人」の東アジア経済圏――「岩礁都市」にはなぜ全欧州以上の財貨が集中したか?
アドリア海沿岸の岩礁と干潟を整地して誕生した人工都市ヴェネツィア,東京都港区より狭く,資源もなければ耕作できる土地もないために食料自給率ゼロなのにヨーロッパ中の富が集まったヴェネツィア,日本で大宝律令が制定されるより前に住民投票による共和制政治が行われていたヴェネツィアについての分析です。
- 上記二つの記事(偶然にも日経BPの記事でしたが)を併読すると,日本が進むべき方向性が見えてくるような気がします。
安いものが高く売れれば儲けになります。ただ同然のもの破格値で売れたら「濡れ手に粟」です。日本には資源が乏しい以上,海外から買い入れた資源を加工して高い付加価値を持った商品にし,それを海外に売るしか経済成長の手段はないはずです(・・・違うかなぁ?)。
その「付加価値」を作り出せたのがかつてのヴェネツィア,そして高度成長期の日本企業であり,付加価値を作り出せないまま他国との価格競争(=人件費けちり競争)に参入した結果,国内産業が空洞化してしまったのが現在の日本です(・・・素人の分析によれば)。
だから,非正規雇用の規制とか最低賃金を上げても雇用状態は悪化するだけです。亀井金融大臣のモラトリアム法も効果があったとしても一次的でしょう。
- 火曜日だよ,「哀」の劇場
「五輪終(ごりんじゅう)です」に大笑い! 松村師匠,ナイス! 「東京都将軍様銀行」の経営破綻を一発逆転するために(?)「東京オリンピック」をぶち上げた(と言われている)のが東京の某将軍様ですが,「五輪終です」と引導を渡せる人が誰もいません。困ったものです。
- 2009年度イグ・ノーベル賞の顔ぶれ
今回のイグ・ノーベル賞で一番面白かったのが数学賞を受賞したジンバブエ準備銀行(中央銀行)です。御存知のようにジンバブエはスーパー・インフレ状態であり,「100兆ジンバブエドル」というゼロが何個並んでいるんだよ,という紙幣が発行されています。それに対し,「国民の計算能力を世界トップレベル(推定)に押し上げた」と評価されたんだそうです。
- 亀田大,タイトル奪取失敗=兄弟世界王者誕生ならず-WBAフライ級
亀ちゃん一家,もっと弱い「世界チャンピオン」を見つけてこないと駄目だよ。実力,その程度なんだから。
- 暇つぶしにコンビニで買った雑誌なんだけど,結構面白かったのが『家電批評』11月号。いきなり袋とじがあって,それを開けてみたら「この人気家電,ここが残念!」という商品名を挙げての批判記事の特集でした。よく書いたな。もちろん,提灯記事雑誌より数段面白かったです。
ちなみに,来月から月刊誌になるみたいなんで,見つけたら次号も買ってみようかと・・・。
- 出版界の破壊神か創造主か?グーグルが目をつけたオンデマンド製本の正体
ここで取り上げている「印刷・製本機械“エスプレッソ”」はすごいです。この本が欲しいとボタンを押すと,印刷⇒表紙付け⇒裁断を行い,4~5分後には本が出てくるんだって。手軽に読むにはパソコン画面でもいいけど,じっくり読むにはやはり紙の本だよね,という人は多いですから(私もその一人),既に絶版の本が5分後に入手できるなら多少の値段の高さには目をつむるはずです。・・・ってことは,書店に“エスプレッソ”を置いとけば,古今東西の書籍を店頭に並べとくのと同じだし,在庫を抱える必要もなくなります。
音楽の楽譜なんて,全部これでいいんじゃないでしょうか。楽譜なんてそんなに売れるものじゃないし,売れないからすぐに絶版になるんですからね。それならこの“エスプレッソ”一台を楽譜売り場においてもらったほうがよほど便利です。
- 毎朝5時20分頃起床するのですが,ついこの前までは明かりをつける必要がないくらい明るかったのですが,いつの間にか,起きるとまず明かりを,となりました(しかも今週は,起きると雨だし)。
そうか,あと2ヶ月ちょっとで冬至か。
2009/10/06
- 「78歳,広範3度熱傷」の9月29日の状態を追加するとともに,従来の熱傷治療の経過と湿潤治療の経過の違いをまとめてみました。
- 「プラスモイストP取り扱い薬局一覧」に,神奈川県相模原市の薬局を追加しました。今回から,薬局の住所をGoogle Mapとリンクさせました。
- 河川からタミフル,薬剤耐性に懸念:京都大の研究
京都市内でのインフルエンザ患者の増加に伴い,河川から検出されるタミフルの量も増加したようです。しかもそのタミフルは自然界では3週間は分解されません。ということは,野鳥に対してタミフルを投与しているのと同じで,もしもその鳥が体内に鳥インフルエンザを持っていたら・・・と考えると,答えは一つです。
- 日本エイサーのフェラーリPC最新作「Ferrari ONE」はVISIONノート ~Athlon Neo X2,11.6型液晶を搭載予定
Windows 7搭載で11月発売予定。お値段は10万円弱。Acerはフェラーリの公式スポンサーということもあり,これまで何度かフェラーリ・デザインのノートパソコンを出していました。
ちなみに数年前,ASUSTeKがランボルギーニノートを出していましたね。黄色の格好いいパソコンでした。
- 私は毎日,午後11時から12時の間に就寝し,翌朝5時20分頃起床するという生活を3年以上続けています。こうなると,「今日は疲れているからまだ10時だけど寝ちゃおう」と布団に入ると,なぜか翌朝は午前4時にはパッチリと目が開いちゃうのです。若い頃はこんなことはなかったんだけどなぁ・・・。
- 加齢ネタというと,最近,モノが欲しくなくなってきました。デジタルハイビジョンテレビも要らないし,ブルーレイプレーヤーも欲しくありません。テレビ番組も録画してまで見たいものがないし,たとえ録画して保存したとしても,それを見る暇もなさそうです。テレビのアナログ放送が再来年の7月に終了したら,そのあとはワンセグテレビで十分です。ニュース以外には暇つぶしでしかテレビは見ないからです。4畳半の部屋で40インチ・高解像度のテレビでお笑い番組見てもなぁ・・・。
一時期,新製品が出るたびにチェックしていたMP3プレーヤーも,売り場がiPod一色になってからは興味を失いました。昔はいろいろなメーカー(その多くは名前も聞いたことがない新興メーカーでした)が工夫を競って覇権争いしていましたが,アップルやソニー,パナソニックといった巨大メーカーが乗り出したらもう勝ち目はありません。こうなると,昔からこのジャンルの製品を追いかけていた人間は,とたんに面白くなくなり,興味が薄れてくるんでしょう。
携帯電話も通話できるだけで十分で,今使っている携帯電話で別に困ってないし・・・。
2009/10/05
- 針灸専門雑誌「医道の日本」10月号にインタービュー記事『患者と一緒に進化させた「湿潤治療」』が掲載されました。
- 「78歳,広範3度熱傷」の9月28日の状態を追加。
- 二足歩行が人類の配偶関係を変えた?
犬歯の形から見て,二足歩行が一夫一婦制を作り,人間のメスで発情期のサインが外から見て判らなくなった理由だ,という説です。説得力があり面白いです。
- 逆ギレ顔/麻生太郎
鳩山首相への「故人」献金に検察のメスが入った民主党も大変だけど,それより大変なのが自民党の台所事情です。銀行から借りまくっていたお金を返せるか,危ないんだとか。そりゃあ,昨年8月30日の党総裁就任以来,解散は近いと匂わせて一年間,何もしなかったもんな。
- 世界一薄い和紙が修復する父子の“絆”
世界一薄い和紙の美しさに驚嘆! そして秘められた人間ドラマに感動。そして同時に,和紙が秘めている可能性の奥深さを思い知らされます。
- タカラトミー,変形するトランスフォーマーのマウスとUSBメモリ
「男の子」心をときめかせるメカっぽさがナイス!
- 風車で携帯電話用アンテナに電力供給
携帯電話のアンテナ用電力を風車で供給しようというアイデアで,既に試験段階に入っているようです。
と,ここまできたら,携帯電話のアンテナ自体をミニ風車にしちゃう,ってのはどうでしょうか。無風になったら,「夕日に向かって走れ」モードになっちゃいますけど,それもまたいいかな・・・ってね。
2009/10/02
- 「外傷を湿潤治療している医師」に,富山県上市町のかみいち総合病院 産婦人科/新井 昇先生,北海道豊頃町の豊頃町立豊頃医院/八重柏政宏先生にも御参加いただきました。ありがとうございます。
- 「78歳,広範3度熱傷」の9月25日の側胸部の写真を追加。ここでも「全層壊死の真ん中で上皮が生き残っている」ことがわかります。3度熱傷,という概念自体を考え直す必要がありそうです。
- これぞフランス映画という人生の奥深さを感じさせる傑作映画,それが《モンテーニュ通りのカフェ》だ。熟成した芳醇なワインのような作品である。
- 「タコの脚の複雑な動き」をロボット工学に応用
タコの足の動きを見たことがありますか? 1本1本の足がとてつもなく複雑で柔軟な動きをしていて,しかもそれが見事に制御されていて,驚嘆するしかない動きをします。その脚の動きについての研究です。
なんとタコの足は1本ごとに固有の脊髄をもっているようなもので,大脳は「足の脊髄」を制御するのみで,個々の足の運動は「足の脊髄」が制御しているそうです。しかも驚くことに,大脳の各部位は「この部位は2番目の足の司令塔,この部位は5番目の足の司令塔」と決まっているわけでなく,状況に応じて臨機応変に領域が変化しているのです。要するに,足1本ごとに独立した運動制御系をもつモジュールがあり,各モジュールを大脳が制御するというシステムで,おまけに各モジュールの担当部位が可変的です。
ううむ,おそるべし,タコの足!
- 外務省記者会見の開放は,不健全なメディアシステム淘汰への一歩だ
開放顔
大手マスコミのほとんどがスルーしたニュースですが,実はすごく大きなニュースだと思います。これが,記者クラブという日本特有の閉鎖的システムに風穴を開ける最初の一歩になってほしいものです。
2009/10/01
- 「78歳,広範3度熱傷」の9月24日の画像を追加。全層壊死と思われた部分でも皮膚がしっかりと生き残っていました。熱傷治療のセントラルドグマである「3度熱傷は早期にデブリードマン,早期に植皮」を鵜呑みにすると,こういう生き残っている皮膚も全て切除することになります。
そして,この症例はもしかしたら「3度熱傷の自然経過」を教えてくれているのではないでしょうか。つまり,これまでの熱傷治療の教科書に書かれていた「3度熱傷の経過」とは,治療(消毒と乾燥)によって修飾され,治療により悪化した状態をあたかも「自然経過」だと思い込んでいただけではないか,ということです。
ちなみに,「本当にいた,海原雄山先生!」というメール,早速いただきました。東京方面,京都方面,静岡方面の大学病院などにいらっしゃるようです。
- 毎日新聞社の家庭医学雑誌,MMJ(The Mainici Medical Journal)9月号のエッセイ「からだの歌 こころの歌」で,湿潤治療とともに『傷はぜったい消毒するな』(光文社新書)が紹介されました。
- 私が一番最初にインターネットサイト『超絶技巧的ピアノ編曲の世界 -体育会系ピアニズムの系譜-』を立ち上げたのが今から13年前の1996年,そして,そのサイトのエッセイとして「傷を乾かさない,消毒しない」というのを少しずつ書き始めたのが11年前の1998年頃,「新しい創傷治療」を立ち上げたのが今から8年前の2001年10月1日です。というわけで,このサイトも8回目の誕生日を無事に迎えました。
- 時間外特別料金で軽症患者減少 鳥取大学医学部付属病院
入院を必要としない軽症患者に対して「診療費+5250円」を徴収したら,時間外受診する軽症患者が3~5割減ったそうです。まぁ,当たり前ですけどね。
- 米大学が講義にKindleを導入してみるも,不満集中
楽譜をPDFファイル化していた頃,ピアノの譜面台を楽譜見開き大の液晶にして楽譜データをハードディスクに入れたら,絶版楽譜を含む古今東西の全てのピアノ曲が弾けるようになるはずだよね,とかなり本気で考えていた時期がありました。ただ,楽譜に指使いなどを書き込めないと使い物にならないのは困るよな,なんて考えていました。
で,プリンストン大学で授業に電子ブックリーダーを導入してみたらどうなったか,というのがこの記事。重い本を何冊も持ち歩かなくていいし,検索機能も強力でいいのですが,「本に書き込めない」というのがやはりネックになっているようです。電子カルテになってから気軽に絵をカルテに書けなくなったのと同じです。
- 一票の格差4.86倍合憲でも「大きな不平等」 最高裁
常識ある人間なら,一票の重みが5倍も違っていたら絶対におかしいと思うのに,なぜか最高裁の偉い方々はそう感じていないようです。それこそ,裁判員制度をこういう裁判に適応してくれたら,さっさと違憲判決が出るんでしょうが・・・。
- 国会図書館の本,ネット配信へ
国立国会図書館の所蔵する書籍をデジタル化し,インターネットで有料配信する,という計画らしいですが,どうも調べてみると,デジタル化の本質を知らないお役人が付け焼刃的に決めたものじゃないかと思われます。なぜかというと,国立国会図書館が公開している文書を読むと,「データはJPEGで保存する」と明記されているからです。
オイオイ,何で文章を画像データとして保存するの? 文字データとして保存しなければ検索できないだろ? 検索できないデータなんてゴミと同じじゃん。
多分,この計画を立案した偉い人たちは,「蔵書のデジタル化? スキャナとかいうやつで取り込めばいいんだろ?」程度の知識だったんじゃないかと思われます。