《ミートマーケット 地獄からの脱出》 (2007年,アメリカ)


 まさかこのお馬鹿映画がシリーズ化され,3作目まで作られるとは・・・と,感慨深いものがあります。よくぞここまでたどり着いたなというか,バカも極めると壮烈バカに進化するんだなとか,いろいろなことを考えさせてくれます。
 私も「このクズ映画が!」と罵倒しながらも,見放したりせず,よくついて来たものだと思います。やはりお馬鹿さんです。

 しかもこの第3作目は,ストーリーは一番よくできていて,そこそこ面白いのです(・・・クズはクズだけど)。超面白くない映画なんですが,最後の結末知りたさにきちんと見ましたよ。でも,あの結末はちょっと普通すぎましたね。どうせミートマーケット・シリーズなんだから,もっとぶっ飛んだショウモナイ結末でよかったような気がします。


 ちなみに第1作目は《ミートマーケット ゾンビ撃滅作戦》です。おかまの覆面プロレスラー,アズールと3人の女吸血鬼がコンビを組んでゾンビをやっつけちゃうというシュールな設定と,グダグダした展開が秀逸というか,悲惨というか,そういう映画でした。

 第2作目は《ミートマーケット 人類滅亡の日》。何がなんだかよくわからないうちに結末を迎えるゾンビ映画でして,総制作費2,000ドルという学生の自主制作映画より金がかかっていない代物でした。日本語吹き替えが想像を絶する下手さ加減で,それに唖然とした記憶しか残っていません。


 そして,それから5年の歳月を経て作られたのが本作でございます。もしかしたら第2作目より金をかけていないかも,という感じです。主な登場人物は一組の夫婦で,家の外はゾンビがうようよしているために一軒の家に立て篭もっています。映画の2/3くらいはこの家の中だけで進みますので,室内劇と言っていいでしょう。ゾンビも窓の外には来るけどドアを破るほどの力はありませんので,最後の方になるまで家に侵入してきません。金を使わない工夫が随所に見られます。

 しかも,夫婦の会話がこれまたグダグダと続きますが,その大半は「明かりをつけるとゾンビに見つかるわ」とか,「大きな声を出すなよ」とか,「夜が明けたのに暗いのはなぜだ?」とかそういう会話ばかりです。まったり,ゆったりとした時間が流れます。

 途中で警察官が助けに来ますが,ゾンビに教われてあっけなく絶命。しかし銃が夫婦に残されます。そして外のパトカーの中にショットガンとライフルがあります。その銃を取りにゾンビの群れを掻き分けてパトカーにたどり着きますが,なぜかショットガンはなく,夫婦はまた家に戻ります。こういうシーンが2回か3回繰り返されます。

 警察官が持っている無線が繋がりますが,出た相手はなぜか女性で,しかも「お腹が空いた,食べ物がない」とショウモナイ話しかしません。しかも夫婦の夫も「なぜこうなったのか?」という質問を繰り返します。この状況で「なぜ」を質問するのはマヌケです。


 この映画の新機軸は,この事件が現実なのか幻覚なのかが最後の方まで明かされないという点にあります(・・・ま,こういう映画は腐るほどあるけどさ)。要するに,ハチャメチャ系の映画から普通系の映画への転進を図っているのかもしれません。そして最後に科学者が出てきて「実はこれは」と真相を明らかにします。こういう真相だったら,別に明かさなくてもよかったような気がしないでもありませんが,ま,気にしないで下さい。

 主人公の夫婦ですが,夫は全然役に立ちません。不用意に明かりをつけて奥さんに叱られたりします。
 しかし奥さんの方は戦闘能力は高いし,銃の扱いにもなれていて,ゾンビの頭をショットガンでバシバシふっ飛ばします。すごい美人ではありませんが,結構魅力的だったりします。

 そうそう,折角登場した覆面レスラーのアズール君,5年ぶりなのに全然活躍しません。吸血鬼お姉さんも吸血鬼としては登場しません。お二人とも「ちわ〜,ミートマーケットと聞いたんで顔を出してみました」という感じです。それにしても,君たちは一体何のために登場したの?

 そうそう,日本語吹き替えですが第2作目よりは幾分まともになっていました。笑うしかないほど下手ではありません。もちろん,学芸会レベルですけどね。


 それにしても,カナダのゾンビお馬鹿さん,ブライアン・クレメンスの一方的なゾンビ愛もここまでくると感動しちゃいますね。第4作目も作れたらいいね,ブライアン!

(2008/10/28)

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