《ペテン師とサギ師だまされてリビエラ》 (1988年,アメリカ)


 見事な話術で金持ちから金を巻き上げる詐欺師と,しょうもない嘘で小銭を騙し取ろうとするペテン師の丁々発止の騙し合いを描いた楽しいコメディー映画。1964年の《寝室ものがたり》のリメイク作品らしい。

 ストーリー展開が見事で,しかも最後の最後に思いもよらないどんでん返しがあり,最後まで飽きずに鑑賞したが,さすがに今から20年前の作品ということもあって,全体にちょっと古いかな,という感じがあった。特に,ペテン師を演じるスティーヴ・マーティン(下の写真の左側の人ですね)の演技はとても面白いんだけど,「どうだ,面白いだろう」という部分があり,それが気になりだすと,ちょっと醒めちゃうかな。

 私は《THE 有頂天ホテル》のような三谷幸喜さんの「ほら面白いだろう,どうだ面白いだろう」という感じの映画が苦手なんだけど,マーティンの演技はそういう感じなんですね。そのあたりが全然気にならない,むしろ面白いという人には,堪らなく面白い映画じゃないかと思います。


 舞台は南フランスの保養地,コート・ダジュール(リビエラ)。そこで暇をもてあましている富豪女性相手に詐欺を重ねては大金を巻き上げるローレンス・ジェイミソン(マイケル・ケイン)とその一味がいて,スイスの銀行に金を預けに行くわけね。その途中の列車の中で,「母親代わりに私を育ててくれた祖母が病気になってしまって・・・」ってな作り話で同情を買い,小銭を騙し取ろうとしているケチなペテン師フレディ・ベンソン(スティーブ・マーティン)に遭遇するわけね。そこで,彼の目的地がリビエラだと知り,こんなちんけな野郎に自分のシマを荒らされるのは許せない,というわけで,ローレンスはフレディに「リビエラはもう不景気で駄目。行くならもっと先の街だ」って騙しちゃって追い出すわけね。

 そして町に戻って新聞を読むと,アメリカ人の詐欺師,ジャッカルって奴がヨーロッパ中を荒らし回っていることを知ります。アメリカ人の詐欺師,ってさっきの野郎のことか,と,フレディがジャッカルだと思い込んじゃいます。そこに,追い出したはずのフレディが金持ち夫人と一緒にフェラーリで乗ってくるわけね。

 で,色々あって,ローレンスはフレディを「詐欺師の弟子」にすることになり,上流階級の金持ち夫人を騙すためのさまざまなテクニックや知識を伝授するんですよ(この過程がたまらなくおかしい)。そして二人で組んで荒稼ぎ。

 ところが,「君は私の生徒だから」という理由で分け前を渡さないローレンスに腹を立てたフレディは,ある女性から5万ドルを先に巻き上げたほうが勝ち,負けた方は町から立ち去る,という勝負を提案。そこでターゲットとしてロックオンしたのが,アメリカの歯磨き粉会社令嬢と思われるジャネット・コルゲート。
 ある事件からショックで歩けなくなった軍人を演じて同情を買おうと考えるフレディと,その足を治せる世界的名医と名乗るローレンスが,お互いの足を引っ張り合いながらジャネットから金を引き出そうと華麗な騙しのテクニックを次々披露。ところが,大金持ちの令嬢と思っていたジャネットはコルゲート社とは無関係の一般人で,しかもあまりにも純粋で純真なために・・・,ってなことになり,ここからさらに物語は二転三転し,あっと驚く結末を迎えます。


 という感じの映画でございます。マイケル・ケインの重厚な演技は素晴らしいし,ジャネット役の女優さん(名前忘れちゃった)は可愛くて可憐でとてもいいです。二転三転するストーリーの面白さ,口からでまかせの嘘でその場を切り抜けるテクニックの見事さなど,十分に楽しめる内容となっています。

 というわけで,スティーブ・マーティンの演技が楽しめる人にはオススメ映画といえましょう。

(2008/07/09)

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