新しい創傷治療:デビルズ・アイランド

《デビルズ・アイランド》 ★★(2005年,アメリカ)


 典型的な低予算B級のモンスター系ホラー映画。特に新しい趣向もなければ新鮮味もありません。ちょっとスプラッターっぽいのですが,やたらと夜のシーンが多く,食い散らかされた動物や人間の死体の映像もちょっと映る程度なので,グロいシーンは全然大したことがありません。モンスターというかゾンビというかそういうのは襲ってきますが,迫力は余りありません。でも,登場する二人のお姉さんはどちらもちょっと美形で,しかも一人はオッパイを披露してくれますので,そういう面でのサービスは忘れていないようです。


 ま,とりあえずストーリーをば。

 カリフォルニアのサーファーたちがいてですね,メキシコをほっつき歩いていてビッグウェイブが打ち寄せる人気のない海岸を見つけちゃうのです。波はいいし誰もいないので,サーファーの弟のコリンに「お前も女の子を連れて来いよ」と連絡を取ります。

 サーファーの楽園とも思える海岸、プント・アプリオボスに到着したコリンたち(3人の男と2人の女性)は早速サーフィンに興じますが,海岸で落ち合おうぜといっていた兄たちは,なぜか姿を現しません。そして,一人が撮影したビデオカメラには不思議な人影が映っていたのです。そして,正体不明の殺戮者が襲ってくるのでありました。


 この手のモンスター映画としては,ストーリーそのものは破綻はありません。襲ってきた怪物の正体もそれなりに説明をつけているし,なぜ怪物になったのか,なぜそこらに動物や人間の死体が散乱していたのかも納得できるものです。なるほど,それで「目を見ちゃいかんぜよ」なのか。
 それで,トイレの脇にいた男は生きたままニワトリを食っていたわけか。皆,お腹がすいていたんだね。

 ですが,低予算映画の悲しさで,そういうモンスター(?)の怖さが全然伝わってきません。予算を浮かすために暗闇でのシーンばかりで,せいぜい焚き火に照らされて人物の顔や姿がちょっと見える程度だし,襲ってくる怪物にしても目のところのアップや顔の部分のアップばかりなんですよ。もうちょっと照明予算をつけて,もう少し明るくしたら怖さが伝わってくると思うんだけどなぁ。

 それにしても,この海岸の周辺部に住む住民は確実に怪物がいるとわかっているんだから,道を通行止めにするとか別の対策を取るとか,ちょっとは工夫しろよ,と思ったりもします。ま,それじゃ,事件にならないんだけどね。


 そういう意味で,基本的な設定そのものは悪くないので,もうちょっと金をかけ,登場人物をもう少し増やせば,まともに面白い映画になったと思いますね。

(2008/11/25)

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