《パラサイト・デビル》★★(2002年,タイ)


 タイ製のコミック・ホラー映画です。ギャグのセンスは2010年の日本のお笑いの水準から見るとかなり古くて、ちょうど80年代の香港映画みたいな雰囲気です。でも、見続けているうちに何だか懐かしい気分になってきて、それがいい味を出しています。
 どうやら、《スピーシーズ》シリーズのようなエロティック・ホラー路線を狙って作ったようですが、ちょっと胸の谷間とおへそが見える程度ですから、エロティックというほどのことはないと思います。

 また、いろいろな映画のパロディーシーンが登場しますので、それを探すのも面白いかもしれません。


 大学生の男女6、7人がタイの貧しい村、サム・コートル村に旅行に行きます。どうやら、村人の健康増進が目的みたいです。大学生の集団ですから、これがアメリカのホラー映画だったらいきなりエッチシーンになりますが、そこは敬虔な仏教国のタイですから、「ちょっとあの子はかわいいけど、声をかけられないんだ」という奥手の中学生みたいな会話をしていて、何やら微笑ましいです。もちろんタイ映画ですから当然のごとく、オカマの男子学生も登場します。筋骨隆々のオカマ君です。

 で、夜になりますが、一番の美少女が川で水浴びをしていて、そこを男子4人+オカマが覗きます。水浴びといっても敬虔な仏教国ですから服を着たまま川に入っての水浴びです。ところが、おバカ男子どもが騒いでいるうちに古い井戸を覆っている板を踏み抜いてしまい、オカマが落ちてしまいます。するとそこから白い霊魂みたいなのが立ち上ります。どうやらその井戸は、悪霊「肝喰いポプ」が70年前に封印された井戸でして、白い霊魂はポプだったのです。そしてポプ(女性です)は70年ぶりに復活し、水浴び美少女に乗り移ります。

 彼らは大学に戻りますが、清楚で天使みたいだった美少女はセクシー系に変身し、次々とボーイフレンドを作りますが、彼女とつきあう男子学生は次々に殺され、しかも肝臓がなくなっていました。そして、彼女がポプに乗り移られたことを知った学生たちにもポプの手が伸び・・・という映画です。


 まぁ、なんと言いますか、アホみたいな楽しい映画です。途中まではそれなりにストーリーがありますが、途中からはストーリーはどうでもよくなってしまい、ひたすら「面白くておバカでちょっぴり怖い」という路線を突き進みます。一本筋の通ったバカを貫いていて、清々しいくらいです。

 最初にポプが乗り移る「水浴び美少女」ですが、可愛いには可愛いのですが、セクシー系に変身してからの口紅が真っ赤すぎてセンス最悪です。こいつよりヒロイン役の女の子がすごく可愛いくて華があっていいです。この子は一見の価値があります。

 そして、いろいろな映画のパロディーも楽しいです。私が確認しただけで、《霊幻道士》、《メン・イン・ブラック》、《ゴーストバスターズ》、《メリー・ポピンズ》、《アンダーワールド》、《エクソシスト》のパロディーシーンがありました。恐らく他にもあるはずです。この映画の監督は、映画が好きで好きでたまらないんでしょうね。


 と、ここまで書いて、もう書くことがありませんし、あーだ、こーだと解説するような映画でもなさそうです。タイのコメディーってこんな感じなのか、と頭を空っぽにして楽しめばいいんでしょう。

(2010/11/16)

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