熱傷:全(?)症例の治療経過 その3
169)
69歳女性。7月25日,熱湯で左足にやけど。直ちに当院救急外来受診。プラスモイストで治療。
7月29日まで痛みが強く歩けないとの訴えがあったが,「横になると痛くないが,家事が休めないため安静にできない」とのことであった。8月9日より仕事に復帰した。
168)
54歳男性。7月25日,ゴミ焼きをしていてスプレー缶が破裂,顔,首,左上腕にヤケド。直ちに当院救急外来を受診し,翌日当科受診。顔はワセリン,その他はプラスモイストで治療。
167)
1歳3ヶ月男児。ポットのお湯で右下肢に熱傷受傷。近くの皮膚科で処置してもらったが,以前から湿潤治療について知っていたため,同日午後に当科を受診した。
166)
6歳女児。自宅の風呂の熱湯が出る蛇口のお湯で腰部にヤケド。翌日,当科を受診。デュオアクティブで治療した。
165)
〇〇県在住の21歳男性。6月20日に火事で頭部と右手にヤケド。N大学I病院ICUに収容された。その後,J大学I病院を紹介され,同院形成外科で手術が必要と言われた。手術に不安になりネットで検索し,7月26日に当科を受診。ラップで治療中。
現在も2ヶ月に一度,外来通院してもらって経過観察中であるが,経過の画像を送ってもらえば通院なしでもいいかな,という気がしている。医者が治しているわけでないからだ。
164)
1歳4ヶ月男児。7月6日,カップ麺の熱湯で腹部に熱傷。プラスモイストで治療。
163)
43歳女性。6月26日,整髪用スプレーに引火し両側前腕,顔面に熱傷受傷。S病院救急外来を受診してラップで処置してもらい,当科受診を薦められた。
右前腕熱傷の経過を提示。
なお,7月6日の写真はPentax Optio W90のデジタル顕微鏡モードで撮影したもの。
左前腕の経過
162)
59歳男性。仕事中(養豚業)に浄化槽のメタンガスに引火し,顔面と右前腕に熱傷受傷。直ちに当科を受診。
161)
58歳女性。朝7時ころ,熱いフライパンの油で左手にヤケド。ずっと冷たい水で冷やしていたが痛みが取れないため,同日午後,当科を受診。発赤はなかったが強い疼痛を訴えた。デュオアクティブ貼付したところ瞬時に痛みがなくなった。
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7/6 |
160)
63歳女性。4月2日,熱湯を右足にかけて受傷。直ちに近くの外科病院を受診し,ハイドロサイトで治療をうけていたが,一部が深いため当科を紹介された。4月13日,当科受診。プラスモイストで治療。
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10/20 |
7/6(翌年) |
159)
41歳女性。ビニールを熱で圧着させる機械に左手を挟んで熱傷受傷。直ちに当科を受診。プラスモイストで治療。
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7/11 |
7/30 |
158)
1歳7ヶ月男児。6月28日,熱したバーベキューの鉄板で左手掌熱傷。直ちに当院救急外来を受診し,ラップで処置。翌日,当科を受診しミトン型プラスモイストで治療。
157)
67歳女性。6月7日,コンロの上の油で右下腿にヤケド。近くの皮膚科で軟膏治療を受けていたが,なかなか治らないこともあって家族から当科を受診したほうがいいと勧められ,6月28日に受診。プラスモイストで治療。
156)
1歳3ヶ月女児。6月27日,バーベキューの熱いトングに触って左前腕にヤケド。直ちに当院救急外来受診し,ワセリンを塗布したプラスモイストで治療。
155)
2歳5ヶ月男児。2月1日,鍋の熱湯で顔と前胸部に熱傷受傷。IK病院形成外科でゲーベンクリームで治療を受けていたが,皮膚移植が必要と言われた。ネットで湿潤治療を知り,2月23日に当科受診。当科ではプラスモイストで治療。
現在,両側腋窩ともに軽度の瘢痕拘縮があるが,普通に鉄棒にぶら下がって遊んでいるとのことで,経過観察中である。
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2/23 |
2/23 |
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2/23 |
7/28 |
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7/28 |
9/22 |
154)
70歳女性。11月11日,風呂に入ろうとして脱衣しててんかん発作(ミオクローヌスてんかん)が起こり,ストーブに尻餅をついた。直ちに当院救急外来受診。ラップで処置。
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12/24 |
1/27 |
6/18(受傷から20ヶ月後) |
153)
2歳4ヶ月男児。6月5日,コップのお湯で左肩,上肢にやけど。TM病院皮膚科を受診し処置を受けたが,治療に疑問を持ち,インターネットで検索してTM病院のガーゼを外してラップをあて,6月8日に当科受診。
それにしても,素人から「この治療はおかしいと思った。こんな治療では駄目だと思った」とダメ出しされたTM病院皮膚科って,大丈夫か?
152)
81歳男性。6月7日にゴミ焼きをしていてスプレー缶が破裂。顔面と右上肢に熱傷受傷。翌日,当科受診。顔面はデュオアクティブ,上肢はプラスモイストで治療。
151)
44歳男性。詳しい経過はこちら。
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8/20 |
8/27 |
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5/27(9ヶ月後) |
6/10(9ヶ月後) |
150)
30歳男性。9月4日,仕事中に長靴の中に熱湯が入り,左足にヤケド。直ちに当科を受診。初日はラップ,翌日からはプラスモイストで治療。9月下旬に仕事に復帰した。
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9/29 |
10/17 |
149)
10ヶ月の女児。2月27日,味噌汁のおわんに左手を入れて受傷。TK病院皮膚科でゲーベンクリームで治療を受けていたが,知人から当科受診を薦められ,3月1日に当科受診。
プラスモイストで治療したが,乳児のために示指・中指・小指の瘢痕拘縮(伸展障害)を生じた。
148)
68歳女性。1月18日,ヤカンのお湯で受傷。直ちに当科を受診。プラスモイストで治療。
V度熱傷と思われたが,受傷から2ヶ月たってから突然,肉芽面に「皮膚の島」が出現している。つまり,U度熱傷かV度熱傷かは2ヶ月以内には鑑別できない,ということがわかる。
なお,3月2日,24日の写真はPentax Optio W90のデジタル顕微鏡モードで撮影したもの。
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5/21 |
6/15 |
147)
35歳女性。5月25日にヤカンの熱湯で大腿前面全体に熱傷受傷。MC病院形成外科で治療(トレックスガーゼと軟膏)を受けていたが,形成外科医より皮膚移植が必要と言われ,心配になりネットで調べて当科を6月10日に受診。
プラスモイストで治療したが,4日で完治した。この熱傷に「皮膚移植が必要」とムンテラする形成外科医がいるんだよ,○市には・・・。
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6/10 |
6/14 |
146)
34歳男性。5月21日,仕事中に熱い油を顔面・頚部・右前腕浴びて熱傷受傷。直ちにHS病院形成外科に入院。同科ではテラジアパスタで治療していた。
しかし,家族が知人から湿潤治療が有効という話を聞き,近隣にある湿潤治療をしている病院への転院を希望したところ,突然,主治医が「すぐに手術が必要で,直ちに手術をしないと命も危ない。そんな病院に移ったら命の保証はできない」と脅迫まがいの説明をした。ちなみに,それまでその医師は「手術は必要ないでしょう」と説明していたようである。「ある種の熱傷専門医」がよくする「脅迫的ムンテラ」ってやつである。
その脅しに屈せず,5月下旬に同院を退院して「湿潤治療の病院」を受診。念のため,ということで6月14日に当科を受診された。
この程度の軽い熱傷に「皮膚移植しないと治らない」と説明する形成外科医が○市にいるんだよ。
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6月14日
| 6月14日
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145)
66歳女性。12月28日,沸かしたての熱湯で両足に熱傷。直ちに当院救急外来を受診,プラスモイストで処置。29日当科受診し,この時点では痛みなく,普通に歩行していた。
30日,痛みがひどくて歩けない,と受診。感染症状はなく,発熱もなく,創部にも異常はなかったが,痛みの訴えが強いため入院となる。その後も痛みの訴えは強かったが,1月28日,突然痛みがなくなり,スタスタ歩けるようになった。痛みの原因は最後まで不明だった。
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2月13日 |
3月16日 |
7月11日(18ヶ月後) |
7月11日(18ヶ月後) |
144)
16歳男性。5月9日,自宅の風呂で熱湯を右前腕に浴びて熱傷受傷。自宅近くのS病院を受診して処置してもらった。5月10日に当科初診。プラスモイストで治療。
143)
2歳6ヶ月女児。○県在住。4月30日,水筒のお湯を飲もうとして顔面,前胸部にやけど。US病院救急を受診し,DK大学形成外科に紹介される。同科医師より手術が必要と言われて心配になり,ネットで検索して5月7日に当科を受診。デュオアクティブで治療。
この程度の熱傷に対し「植皮が必要」と診断する形成外科医って,本当に形成外科医なんでしょうか? もしかしたら熱傷治療の経験のない医者だったの?
142)
11歳女児。5月13日,学校で給食配膳台のスープが倒れ,右膝窩部にかかった。直ちに受診。プラスモイストで治療。
141)
1歳4ヶ月女児。○県在住。4月24日,ポットのお湯で右足関節部にヤケド。SK病院救急外来を受診。その後,ネットで検索し26日に当科受診。プラスモイストで治療。
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4月26日 |
4月26日 |
4月30日 |
5月11日 |
5月18日 |
140)
3歳4ヶ月女児。5月5日,熱湯で左足背に熱傷。TG病院救急室,その後,UA病院皮膚科で治療を受ける。同科でテラジアパスタを処方されたが,あまりに痛がるため「この治療はおかしいのでは?」と両親が直感し,ネットで検索して5月10日に当科を受診した。当科受診前に自宅でラップ治療に切り替えたが,その直後から痛がらなくなった。当科ではプラスモイストで治療。
プロ(=皮膚科)の治療を,素人のラップ処置が否定した症例である。
「テラジアパスタはいい薬だ。テラジアパスタで熱傷を治療するのが常識だ!」というお医者様,製薬メーカーからの反論を心待ちにしております。
139)
52歳女性。7月3日,熱湯を右足背にかけ,直ちに当科を受診。詳しい経過はこちら。
138)
60歳女性。8月14日,お茶を右手,右足にかけて熱傷を受傷し,直ちに当科を受診。プラスモイストで治療。
「毛孔からの上皮化」のきれいな写真は,Pentax Optio W90のデジタル顕微鏡モードで撮影でしたもの。
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8月20日 |
8月25日 |
137)
84歳女性。11月20日夜,お茶を右大腿前面にこぼして熱傷受傷。直ちに当院救急外来を受診しラップで処置。プラスモイストで治療。
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11月21日 |
11月28日 |
12月8日 |
12月18日 |
136)
62歳女性。12月24日,調理中に鍋をひっくり返して右前腕,胸部などに熱傷受傷。直ちに当科受診。前腕は全周性熱傷であった。プラスモイストで治療。
135)
10歳男子。〇県在住。正月に祖父の家に遊びに来ていてストーブの上のヤカンをひっくり返して右下腿に熱傷受傷。直ちに当院救急室を受診し,ラップで治療。以後,3日間,救急室で同様の治療を続け,1月5日,当科初診。プラスモイストで治療。帰郷後は2週に1度くらいの通院とした。その間は家族がドレッシング交換。
足関節全面に軽度の肥厚性瘢痕を認めるが,瘢痕拘縮はなく,普通にサッカーをしている。
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1月5日 |
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1月13日 |
1月13日 |
2月2日 |
2月2日 |
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3月30日 |
3月30日 |
134)
35歳女性。12月21日,鍋の熱湯で左上肢に受傷。T大学病院形成外科でゲーベンクリームで治療を受けていたが,治らないので植皮が必要と言われ,心配になってネットで検索し受診。12月26日当科を受診。プラスモイストで治療。初診時,翌日の状態はこちら。肘関節の瘢痕拘縮なし。
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12月29日 |
1月14日 |
1月28日 |
2月16日 |
4月30日 |
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6月5日 |
11月26日(11ヶ月後) |
133)
7歳女児。1月10日,ストーブに左手をつけて受傷。自宅で様子を見ていたが治らないため,1月14日受診。ミトン型プラスモイストで治療。
132)
21歳女性。3日前,ヘアアイロンで頬部にヤケドし,1月27日に受診。デュオアクティブでの治療について説明したが,その後通院しなかった。1年8ヶ月後に別のケガで受診した際に撮影。数日できれいに治ったので通院しなかったとのことだった。
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1月27日 |
10月12日(1年8ヶ月後) |
131)
2歳4ヶ月女児。2月7日,ストーブに手をつけて受傷。当院事務員を知っていたため相談し,ラップで処置するようにアドバイスされた。2月9日当科受診。ミトン型プラスモイストで治療。
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