《スネークトレイン》 (2006年,アメリカ)


 クソつまらないヘビの映画。巨大ヘビとか,ヘビがウジャウジャという映画は嫌いじゃないんで,結構見ていますが,ここまで来ると許容範囲ぎりぎりですね。ヘビ・パニック映画ではなく,オカルト系というか呪術系というか,そっちの方の映画です。もちろん,ちょびっとヒットした《スネーク・フライト》のパクリで作った映画でしょう・・・多分。

 で,脚本が杜撰というか超テキトーな作りだし,俳優さんの演技もド下手です。日本語吹き替え版で見ましたが,最初の方に登場する3人組のメキシコ人はなぜかデタラメ東北弁(?)をしゃべっていました。吹き替えする方も全然やる気ないです。ま,それもしょうがないです。その程度の映画ですから・・・。


 舞台となるのは,メキシコ国境からロサンゼルスに走る列車です。この列車の貨物室に無賃乗車のメキシコ人夫婦が潜り込みます。旦那は呪術師で,奥さんは乗り込む前から具合が悪そうでゲエゲエしています。実はこの奥さん,家族が望んだ金持ちとの結婚が嫌で,この呪術師と駆け落ちしたらしいのですが,それを恨んだ家族から呪いをかけられたんだそうです。金のために娘を呪い殺す家族というのがすごいです。

 で,どういう呪いかというと,体の中にヘビが発生して体の中で育っちゃう,という呪いらしいです(が,最後までしっかりした説明がありません)。奥さん,ゲエ〜と緑色の大量のゲロ(?)と一緒に小ヘビを吐き出します。旦那はそれをゲロごと瓶に入れて集めます。何でも,ヘビは奥さんの分身だから,外に出た奴を戻さないといけないらしいのです。でも,元に戻すことができる呪術師は彼の叔父さんだけで,その叔父さんがロスに住んでいるから二人でロス行き列車に潜り込んだ,というわけです。


 このあたりで既に,「何だよ,その設定。体にヘビが湧いてきて,それを戻せる呪術師がロスにいる? ハァ?」と引いてしまいますよね。ストーリーが非現実的すぎて,ファンタジーにもなっていません。


 そして,奥さんが吐いた子ヘビが逃げ出すのはお約束。貨物車の中には無賃乗車の先客が4人いますが,なぜかそのうちの一人は奥さんの幼なじみで,彼も呪術ができます。メキシコ人,呪術師だらけのようです。このくらいの不自然な設定,もうどうでもよくなってきます。

 ここから先,映画はどうなるかというと,他の乗客の人物紹介が延々と続くのです。この列車,16時間以上かけてロスに到着するらしく,食堂車も備えていて,20両くらい続いています。が,乗客は全部で12,3人しか乗っていません。その10人足らずの人間の背景を丁寧に描写してくださるのです(要するに時間つぶしですね)。それにしても,こんなに乗客が少ないんじゃ,もうすぐ潰れるな,この鉄道会社は。

 で,無賃乗車君たちの間で喧嘩が始まったり,奥さんがゲエゲエとヘビを吐き出したり,そのヘビに無賃乗車君の二人が咬まれてヘビが皮膚を食い破って体の中に入ったりします。奥さんの幼なじみが食料を持ってきますが,呪術師旦那は奥さんに食べさせずにヘビに食べさせます。分身だから,ヘビに食べさせているんだと。

 で,小ヘビ君たちがなぜか2メートルくらいのヘビにいきなり成長していて,客車のあちこちに出現しては,乗客に噛みついたり,大型のヘビ君は子供を丸ごと飲み込んだり,そのたびに乗客は騒ぎになりますが,緊迫感は全くゼロ。


 おまけに,麻薬の運び屋を引き受けてしまった少女がいて,麻薬捜査官に見つかってオッパイをもみもみされたり,実はその麻薬捜査官は偽物だったり,本物の捜査官が登場して迫力ゼロの銃撃戦をしたり,本筋と関係ないエピソードが延々と続きます。もうどうでもいいから,こんなクズ映画,早く終われよ,という気になってきます。

 咬まれて具合が悪くなった人を見た車掌は,急病人が出たと考えて最寄りの駅に連絡し,緊急停車しようとします。しかし,一刻も早くロスに行かなければいけない呪術師旦那は,列車の屋根を伝い歩きして運転室に侵入し運転士を殺し(?),停車できないように何かの機械を壊します。すると,列車は速度が速まって制御不能になり止まれなくなります。この旦那@呪術師,何を考えて行動しているんでしょうか。

 そうこうしているうちに,ヘビはあちこちに出没し,それを呪術師旦那が追っては袋詰めし(もちろん,妻の体に戻すため),妻の元に戻りますが,そのころには妻はますます具合が悪くなっています。そして「ロスに到着する頃まで体が持ちそうにもないわ」,ということになり,それなら自分でヘビを飲んで戻しましょう(そんなの,最初から気が付けよ),と,小ヘビを生きたまま美味しそうに飲み込みます。口から出ているヘビのしっぽのクネクネがちょっとキモイです。そういえば,呪術師旦那が列車内で拾い集めてきたヘビは2メートルサイズばかりだったのに,なぜか奥さんが飲み込むヘビは20センチくらいの子ヘビです。いつ,小さくなったんでしょうか。

 それにしてもこの列車,旦那が壊して止まれなくしちゃっていますから,ロスに着いても停車できないはずなんですけど・・・,ま,いいか。


 で,このころから奥さんの犬歯は牙に変化し,ヘビを飲み込むたびになんだか危ない雰囲気になっていって顔形も変わったりして,ついに彼女は巨大ヘビに変身し,旦那を飲み込みます(何だよ,この展開は! おら,ついて行けねえだよ)。そして列車から外に出て,猛スピードで走る列車を追いかけ,ご苦労なことに暴走列車の先頭に回り込み,列車を頭から飲み込みます。ヘビに飲まれちゃいけない,ってんで,生き残りの乗客は飲み込まれつつある列車最後尾からなんとか脱出(列車は空中で振り回されているんですけど・・・)

 命からがら脱出したのにさらに襲ってくる巨大ヘビ! それに対し,呪術師の心得のある「奥さんの幼なじみ」が呪文を唱えると煙のごとくヘビは消えましたとさ。


 という,行き当たりばったり系ヘビ・オカルト映画でした。見るだけ,時間の無駄だよ。

(2007/05/08)

 

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