《ホーンテッド・フライト "HAUNTED AIRPLANE"★★(2009年,アメリカ)


 「機内で怪奇現象が起こることを売りにしている飛行機の中に悪魔を封印した箱が持ち込まれ・・・」という設定だけは面白いんだけど,全然それが生かされず、あとはグダグダとつまらないシーンと過去の回想エピソードが続くだけの,オカルト系の低予算クズ映画。余程のカス映画マニア以外は絶対に見ないで下さい。見たら100%激しく後悔します。ダメ映画って言うのは何がダメなのかがよくわかる映画です。


 というわけで,ストーリーを追っていきながらツッコミを入れていきます。

 飛行中に怪奇現象が起こることで有名な航空機1機でアリゾナとニューヨークの間を往復便を就航させているのがスケア・エア航空です。何が何でも怪奇現象マニアというニッチな客だけ相手にし商売なんて成り立つはずないだろう,世の中,舐めんじゃないよ,と誰しも思うところですが,案の定,赤字続きのようです。ですが,捨てる神あれば拾う神あり,というわけで,どっかの物好きな金持ちが売れ残った席を買い切ってくれました。

 そして,怪奇現象好きのジャーナリストとか有名なテレビのスターたちがニューヨーク行き709便に乗り込んできます。ちなみに709便で乗客を迎えるのは熟女3人組(女性パイロット1人と2人のキャビンアテンダント)でございます。オイオイ,パイロット1人で飛行していいの,と誰しも心配になりますが,出発直前に副操縦士が乗り込んできますので心配しないように。ちなみに,2人のキャビンアテンダント(CA)のうち一人は超熟女,もう一人はプレ熟女さん,パイロットのお姉さんはちょい美形の熟女さんです。CAの二人は早くも「テレビのスターが乗っているわ! 私,ずっとお世話したい」とか騒いでおります。こいつら,職業意識のかけらもありません。


 一方,飛行機への積み荷を仕分けしているところでは,作業員のそっくりさんが現れて本物を射殺し,何か訳ありの荷物を積み込んでおります。このあたりの説明は一切ないので,何がどうなっているかよくわかりません。

 一方,飛行機は離陸に向けて準備中ですが,プレ熟女のCAは乗客そっちのけでトイレに急ぎます。すると,彼女の後を追ってスターがトイレに入っていきます。もちろん,目的はエッチです。早速エッチしてます。発情しまくりです。当然,真っ先に死ぬのはこいつら二人だなとわかりますが,さっさと死んでほしい発情二人組です。お前ら,さっさと死ね!

 で,エッチが終わります。エッチの後の一服はうまいと,CAさんはトイレでタバコをスパスパ吸います。すぐに煙探知機の警報が鳴るはずだよね,とワクワクしますが,さすがはいい加減な弱小航空会社ですから,何も起こりません。それにしても,乗客を乗せてからなかなか離陸しない飛行機でございます。


 このあたりになると,「この飛行機の内装,安っぽすぎないっすか?」と誰しも気になり始めます。コックピットの入り口(と思われるドア)はどう見ても安アパートのドアそっくりなんですよ。このドアだったらハイジャックするのは簡単でしょうね。しかも,残った席を買い占めたという割には,乗客は10人程度で席はスカスカです。買い占めたと言うからには満席にしてほしいです。

 この映画冒頭は「いかにもいかにも」という感じのオカルティック・ホラー風シーンで始まるのですが,それ以後ホラーシーンはほとんどありません。そろそろ何かないとまずいよね,ということに映画監督も気づいたようで,ここで冒頭ホラーシーンの焼き直しシーンが挿入されます。ここでエッチしたCAが死ぬんだったかな? そういえば,その前にあのスターが死んだのを忘れてました。


 ここまででも相当意味が分からないのに,ここでいきなり脈絡なく回想モードに入ります。見ている人,ついて来れてますか?

 アリゾナでグラスファイバーの製造をしている(・・・だったかな?)二人組がいて,一人の家に伝わる古地図をもとにアリゾナ砂漠のどっかを掘り起こしています。そして二人は古い木製の箱(50×50×30センチくらい)を掘り当てます。すると翌日,オカルトの研究をしているらしい大金持ちがどっかから噂を聞いたらしくやってきます。そして金持ちは,とんでもない金額で買い取ると約束します。でも,木箱は倉庫においてあるんで,翌朝取り引きすることで話が付きます。

 ところがその夜(?),箱を置いてある倉庫が武装テロリスト(?)の襲撃を受けます。こいつらが誰なのか,全く説明なし。倉庫の警備員4人はスナイパーに射殺されたり,忍び寄ったテロリストに喉を掻き切られたりと,やけに丹念に殺害シーンが描かれます。そしてテロリストが倉庫に入り,例の木箱に手をかけますが,そこで血が木箱に滴ります。

 その瞬間,木箱がパカっと開いたかと思うと煙がモヤモヤと出て,死神さんみたいなのが出てきます。どう見ても,ドクロの頭に白いシーツがヒラヒラしている安っぽいCGでございますが,ここで驚くのがクズ映画ファンの礼儀でございますよ。ちなみに,この死神さんの活躍でテロリストチームは全滅です。

 で,翌朝,例の大金持ちが派遣したチームがやってきて箱を引き取り,発見者のちょいイケメン君とともにスケア・エア航空902便に乗り込んだわけです。ちなみにこの時点で,箱から脱出した死神さんは箱の外に出ているはずですが,なぜか,木箱の中に自主的に戻り,自主的に鍵をかけてくれた模様です。


  ここで話は飛行機の機内に戻ります。ここらでようやく,902便に乗り込んだ面々が誰なのか,ようやくわかってきます。登場人物の紹介の手順がすごく悪い映画です。脚本が悪いんですね。
 さぁ,これから飛行機内部での死神 vs 乗客のサバイバル線が展開されるんだろうな,と誰しもワクワクしますが,なぜかここでまたグダグダした回想シーンに突入。

 話は200年ほど前のアリゾナ開拓時代に戻ります。聖書の教えに忠実な敬虔な二人の兄弟がいましたが,途中で「悪魔が入っている箱」を見つけてしまった兄が悪魔崇拝儀式に夢中になり,悪魔の親玉ルシファーに乗り移られた兄は大量虐殺事件を起こします。それを知った弟は兄の隠れ家を見つけて襲撃し,兄を殺し,ルシファーを木の箱に閉じこめ,地中に埋めます。それがあの木箱なんですね。これで,件の木の箱の由来がわかりました。そして,ルシファーの復活を願う勢力と,それに対抗しようとする勢力がいることも何となくわかってきます。それにしても,弟さんがどうやってルシファーを木箱に閉じこめたのかは最後まで不明です。それにしても,物語の全体像紹介の手順がすごく悪い映画です。やはり脚本が悪いっすね。


 で,またお話は902便の機内に戻り,怪奇現象大好きさんがキャビンアテンダントがグチャグチャ死体で転がっているのを発見します。そこで何だかんだあって悪魔だか死神を箱に閉じこめようと言うことになるのですが,最初に機内に木箱を持ち込んだ研究者(?)の助手みたいな人が突如反乱を起こしちゃいます。どうやら,「ルシファー入り木箱を破壊しようとする勢力」の仲間だったようです。そして銃を突きつけて起爆装置みたいなのを見せ,「俺を殺したら木箱もろとも木っ端みじんだぜ!」ってなことを言います。アリゾナ空港の金属探知機は,大量の銃と武器を見逃していたようです。アメリカ国内のテロリストさんたちはアリゾナ空港を目指しましょう。今なら航空機のハイジャックし放題です。

 で,反乱者は貨物室に直行して木箱の悪魔を蘇らせようとします。一方,それを阻止しようとする飛行機の機長と木箱の第一発見者と悪魔研究家の3名はそれを阻止しようと頑張りますが,銃の弾丸は残りわずか。そしたら何を狂ったか,研究者さんは「木箱を利用しようとした我々が間違っていた。あれを復活させてはダメだ!」とか口走って,いきなり銃で自殺。残り少ない銃弾はそういう無駄なことに使わない方がいいと思います。


 そしてよくわからないけど,最後は貨物室の非常用コックを開けて,ルシファーさんを空へ吹き飛ばして退治しちゃいます。めでたし,めでたし。そして902便は無事に着陸し,なぜか機長さんと木箱第一発見者君がカップリング反応を起こしていて,イチャイチャするシーンでおしまい。めでたし,めでたし。

 「俺が死んだら飛行機ごと木っ端みじん」になるはずじゃなかったっすか,とか,途中で何度も木箱が開いているんだから,その時にルシファーさんは外に出てるはずじゃないっすか,とか,902便は嵐の中を飛行しているはずなのに機内が全然揺れないのはなぜ,とか,なんでルシファーが飛行機の外に出たら死ぬんだよ,とか,いろいろ疑問な点はあると思いますが,まぁ,そういうレベルの映画じゃないので、気が付かないフリをしてあげましょう。


 頑張って,ここまで感想文を書きました。もう,許してつかんさい。もう,一文字も書けません。

(2011/11/01)

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