《メガスネーク Mega Snake》★★(2007年,アメリカ)


 今まで,両手の指の数程の「蛇パニック映画」を見てきた私ですが(観たけどレビューを書いていないのがかなりあります),今回のヘビ君はサイズ的には「蛇パニック映画史上最大」でしょう。人間をどんどん食っちゃって,最終的には胴回りの直径2メートル,長さ20メートル以上(?)まで成長します。さすがは「メガスネーク」というタイトルに嘘偽りはありません。この分で行くと,次の巨大ヘビ映画は「ギガスネーク」,その次は「テラスネーク」,そしてその次は「ペタスネーク」でしょうね。そのたびに体積は1024倍に増えたりして・・・。

 そして今回の映画の蛇退治の方法がナイスです。ピノキオのゼペットじいさん方式,一寸法師の鬼退治方式なんですよ。うわぁ,そうきたか。馬鹿丸出しですごいぞ。

 巨大ヘビは全てCGでして,安物映画にしてはヘビの鱗までかなり細かくに再現していて,CGとしてはそこそこ頑張ったな,という感じですが,実写との重ね合わせがかなり下手なんで,かなり残念感が強いです。


 ツッコミどころも満載なんで,ビールとポテチのお供に「馬鹿だねぇ」と笑いながら見るのにいい映画ですね。とりあえず,ストーリーを紹介しながらツッコミを入れていきます。

 主人公はレンジャー隊員のレス。幼い頃,父親がガラガラヘビを使った教会の儀式で間違って噛まれ,死亡するという悲惨なんだかお笑いなんだかよくわからない過去を持っている青年です。なんで「教会でガラガラヘビか」というと,「ヘビを恐れるな。我々には神様が付いているからだ!」ということで,神への信仰の証としてガラガラヘビをみんなで触りっこするというお馬鹿教会だからです。猛毒のガラガラヘビを素手で掴んだり,首に巻いたり,怖いもの知らずです。おまけに,レスの父親が噛まれて倒れたのに「ヘビを恐れるな。神は我らとともにあり!」なんてお祈りを続けるんだから,バカにもほどがあります。オイオイ,誰か救急車を呼べよ!


 で,時は移って20年後,レスと兄のダブは20代後半に成長しておりますが,兄のダブは父親が蛇に噛まれて死んだというのに,一層その宗教にのめり込んでいるらしく,ヘビまっしぐら,ヘビヲタクの道を歩んでおります。一方のレスは,保安官のエリンと恋仲で,周囲からはそろそろ結婚だね,と見られていますが,なぜかレス君は煮え切らなくて彼女に愛想をつかされかけております。

 で,教会の儀式に使うガラガラヘビを探して,先住民の子孫が経営する蛇ショップにやってきたダフは,そこで観たこともない小さな蛇が入っている容器を見つけます。店主によるとそれは,チェロキー族をすんでのところで全滅させるところだった伝説の大蛇,アンテカだというのです。なんとしてもアンテカが欲しいダフに店主は値段交渉しますが,店主は「これは売り物じゃねぇ」と追い払いますが,ダフは隙を見てアンテカ入りの容器を盗み出します。オイオイ,神に仕えるものが盗みをしちゃダメだろ。
 ちなみに,ショップの店主によると,アンテカは「容器から出してはいけない。生きた餌を与えてはいけない。恐れてはいけない」という3つを守れば安全なんだそうです。生きた餌を与えないのになぜアンテカが生きているんだろう,とか,巨大になったアンテカを先住民が倒したのはいいとして,そのちっこいアンテカはどこで見つけてどうやってその容器に入れたのだろうか,とか,色々疑問は渦巻きますが,この程度のことを気にしていたらダメなのがこの映画ですので,先を急ぎましょう。

 でも,せっかく教えてもらった「3つの教え」をすぐに忘れるニワトリ頭のダフ君は,自宅に持ち帰った容器をいきなり落としてしまいます。するとミミズサイズのアンテカはいきなり小型蛇サイズに大きくなります。空気を吸って膨らんだんでしょうか。でも,ダフ君はとりあえず近くにあるタッパーみたいな容器に閉じ込めることに成功。そこで厳重に封印でもするのかと思っていたら,それで満足したのかそのまま寝ちゃいます。やはり,モンスター映画にはこういうアホは必須登場人物ですね。

 その夜,箱に近づいた子猫ちゃんを食って成長したアンテカは,ニワトリ小屋のニワトリ全部を平らげてどんどん大きくなり,ついにはニワトリ小屋にやってきた兄弟の母親まで攻撃! でもまだ人間は丸呑みできないので,ばあちゃんを毒で動けなくして指一本を丸かじりしたりします。ヘビって丸呑みするだけで噛り取ることはできないよね,それができたらワニだよね,というツッコミが四方八方から入ると思いますが,とりあえず先を急ぐのでありました。


 母親が大変なことになっているというのに,レス君は恋人に未練たっぷりだったり,その恋人が上司のおっさんと仲良くしているのを見て元カノとよりを戻しそうになったりと優柔不断男丸出しです。一方の兄のダフはアンテカが逃げ出しているに気が付き,ニワトリ小屋が血の海であることを見て(ちなみにこの時点で,ヘビ君はばあちゃんを丸呑みしちゃったらしい),こりゃヤバイってんで,山に住んでいる猟師のおっさん(?)のところに向かいます。母親がいなくなったことに全く無頓着なダフ君,ナイスです。そしてダフ君は猟師のおっさんに,「仮にってことで話を聞いて欲しんだけど,友達がアンテカっていう伝説のヘビに困っていて,どうにか殺せないかって尋ねてきたんだ。教えてくれないかなぁ」と,そんな困った友だちがいるかよ,お前のことだろ,と誰しもピンとくるところですが,ピンと来ない所が猟師さんたちのいいところですから,「そりゃあお前,でかくなったアンテカは無理だけど,小さいうちなら頭を潰せばいいらしいぜ」と方法を教えてもらい,なんとかアンテカを見つけて箱に閉じ込め,頭を潰してヘビ退治成功! 伝説のアンテカ君,あまり強くありません。ダフ君,アンテカを庭に埋めて証拠隠滅。

 「でも,これで終わりじゃないよねぇ。アンテカ,生き返るよねぇ。普通なら頭を潰すだけじゃなくって頭を切り落とすとか,全身切り刻むとか,ガソリンをかけ撒いて焼き殺すとかするよね」と誰しも考えるところですが,案の定,頑張り屋のアンテカは根性で生き返り,レスの家の犬をパクパクとお食事タイム! ついでに,家の中でのんきにジャンクフードをぱくついているダフ君もひと飲みしちゃいます。アンテカ君,人を丸飲みできるくらい成長しております。

 翌日,レス君が帰ってきますが,ソファーは血だらけでダフがいません。でも,母親がいないことには気が付きません。ヘビに食われたのに息子二人にスルーされるばあちゃんが不憫でなりません。で,保安官に事情を説明しますが,「お前は昨夜,兄貴のダフと喧嘩していただろ」ということから殺人の容疑がかけられ,哀れ留置場行き。レス君は本編の主人公のはずなんですが,エリンと元カノの間でウダウダしているばかりで,全く活躍していません。


 一方,主人公不在を良い事に(?),アンテカ君はさらにパワーアップ! 湖畔でキャンプしている一家を次々に丸呑みしてお食事タイムの真っ最中。その後,エリンはその場所に行き,車に付いている牙の形から,巨大な蛇が襲ってきた可能性があることに気が付きます。なぜかというと,彼女は大学の時に生物学を専攻していたんですね。大学時代の知識はいつか役に立つ時が来るのだ,ということを教えてくれます。ですが,上司の保安官も市長も一笑に付します。その街で一年に一度のお祭りがあるからです。お祭り最優先の市長はこの手の映画のお約束ですね。

 で,一人調査を続けるエリンですが,さすがは生物学専攻,すぐに巨大な蛇の抜け殻を見つけます。なんと全長9メートル! どう見てもビニールのゴミ袋を張り合わせたものにしか見えないのですが,ここは「心の目」でヘビの抜け殻と思ってください。

 抜け殻を車に積み込んだエリンちゃんは保安官事務所に行き,上司のおっさんがもう一人の女子職員に色目を使って夢中なのに気が付き,レス君を脱獄させます。そしてレスに「やはり巨大ヘビが犯人よ」と説明します。


 エリンちゃん,ヘビの抜け殻を保安官事務所の入口に置いて出発しますが,ここでようやく上司の保安官は巨大ヘビがうろついていることを知ります。そして,保安官3人にショットガンとバギー車を準備するように命令し,ヘビ狩りのために山中に出発。しかし,あえなく返り討ちにあって2人はヘビの胃袋に直行し,上司だけは何とか重傷を追いながらも逃げ出し,例の猟師二人組の家の近くにたどり着き,二人組に「ヘビにやられた」と告げて絶命。

 ヘビ退治なら俺たちの仕事っすよね,というわけで,漁師さん二人組はバーベキューのコンロを改造した火炎放射器なんぞを作り,ピックアップトラックに積み込んでいざ出陣! 「特攻野郎Aチーム」を彷彿とさせる血脇心躍るシーンでございます。このおっさんたちならアンテカだってやっつけてくれるはずですよ。
 で,すぐにアンテカが追いかけてきますが,火炎放射器がすぐに故障してしまい,おっさんたちはアンテカ君の胃袋に直行! おっさんたちに期待した私がバカでした。


 一方,エリンと脱獄囚のレスはダフが壊した容器を手がかりに,先住民経営のヘビショップを訪れ,自分たちが負っている蛇があの伝説のアンテカであることを知ります。しかも,先住民の店長はアンテカの殺し方を知っているのです。この店長さんならアンテカをやっつけてくれるはずです(・・・この時点で,観客の誰もが,レスが主人公であることを忘れていて,彼がヘビ退治に活躍するとは誰も思っていません)

 そして舞台はお約束の「町で一度のフェスティバル」へ。こういうお祭りというと,木陰で女の子とエッチしようとするアホ男がお約束ですが,アンテカ君はこのアホ男をまず最初にたいらげます。アンテカ君,ナイス! そして,迫力が全然ないちゃちなジェットコースターとか,面白くなさそうなメリーゴーランドとか,「正しい電気の使い方」を教えるヒーローショーの舞台とかを次々と襲ってはお食事タイム。逃げ惑う住民たち。そこにようやく到着するのが我らが3人組,レスとエリンと先住民店長さん。

 ところが,エリンちゃんはろくに活躍するまもなくアンテカの胃袋に直行! オーマイゴッド! しかし大丈夫,レスのトランシーバーに胃袋の中のエリンから息も絶え絶えの声が聞こえてきます。どうやら鯨に飲まれたゼペットじいさんか旧約聖書のヨナ状態のようです。


 レスと先住民店長はアンテカを追いかけ,トンネルのアトラクションの中へ。ここで便りの先住民が最初に襲われて壁に振り飛ばされて片腕に怪我をしてしまいます。オーマイゴッド! すると店長さん,「俺の腕はもう使えない。だからお前が倒せ。蛇を恐れなければ丸呑みされるだけだ。そしたら内側からヘビの心臓を狙えばいい。アンテカは外からじゃ駄目なんだ」と伝説(?)の山刀をレスに渡しますが,レス君は「俺には無理ッスよ。駄目っすよ」と尻込みします。二人の間で山刀のやり取りが数回あって,ようやく優柔不断男のレス君は覚悟を決め,ヘビに丸呑みされます。

 オイオイ,どうなるんだよと,誰しもドキドキし始めるまもなく,アンテカ君はいきなり悶え始め,呆気無く絶命! レス君はどうやって,胃袋の中から心臓の位置を知ったのか不明ですが,とりあえず心臓を一突きした模様です。そして,胴体に穴が開いたかと思うとレス君登場。駆け寄る先住民店長。そしてエリンちゃんも無事に助けだされます。ヘビの胃液は強力なんだよね,という常識が呆気なく覆された一瞬です。あるいはこのアンテカ君,胃酸過多でH2 Blockerを内服していたのかもしれません。

 そして,恋敵をすべてアンテカ君に処分してもらったレスとエリンは結婚し,かわいい赤ちゃんも生まれ,めでたしめでたし。


 映画のストーリーを可能な限り正確に再現して見ましたが,こんな感じの映画でした。こんな巨大ヘビ・パニック映画,一度でいいから見てみたかったんだよという人は,直ちにレンタルショップにゴー! それ以外の人はスルー!

(2011/11/18)

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