《ブラッディ・マリー》 ★★(2005年,アメリカ)


 アメリカの都市伝説を基にした、典型的B級・低予算ホラー映画。出来はよくありません。いろいろと大風呂敷を広げたのはいいけれど、風呂敷の畳み方を知らなかったというか、広げた風呂敷を畳まないといけないと言うことを知らなかったのか、そういう感じですね。意味ありげな伏線を張りまくったあげく、何一つとして解決しないままに終わっちゃいます。この映画を身終わった人はほぼ全員、次の言葉を口にするはずです。

 「で、この後どうなるの? あれは一体何だったの?」。

 しかも、映画の基になっている都市伝説自体が私たちには親しみがないものですから、話の全体像が掴めないうちにドンドン話が先に進んじゃう感じです。この都市伝説をよく知っているアメリカ人なら「へぇ、あの話を映画にするのか」という感じで見ているのかもしれませんが。


 ストーリーはこんな感じです。

 舞台はとある州立精神病院。この建物には地下フロアがありますが現在では使われていません。しかし、病院の看護師ジェナたちはここである秘密の儀式「鏡のゲーム」をしていました。しかし、新入りの看護師ニコルがその秘密を恋人に教えてしまったため、ジェナは罰としてニコルを裸にして地下室に降りるようにいい、奥の部屋にある鏡の前で "I belive in Broody Mary" という言葉を言うように命じます。そして、ニコルが降りて数分後、地下フロアにニコルの悲鳴が響きわたり、そのまま彼女は戻ってきません。警察官がやってきますが、ジェナたちはもちろん、自分たちは何も知らないと嘘をつきます。

 そして、失踪したにコルの安否を気遣う姉のナタリーは警察に捜索願いを出し、手がかりを求めて病院に到着。そして、妹の恋人ポールから「鏡のゲーム」という秘密の儀式に参加していたことを知ります。それは恐怖の都市伝説 "Broody Mary" に関わる儀式だった・・・というお話。


 映画の主役ともいうべき "Broody Mary" 伝説ですが、この映画によると「精神病院に正体不明の女性が収容され、ある日、他の患者を殺して姿を消す。そして数週間後、地下室で餓死しているところ発見された。しかし、彼女は実はその地下室で今でも生きていて・・・」というものらしいのです。アメリカ人向けならこれで説明完了なんでしょうが、アメリカ人以外には何ともわかりにくいというか、だから何なの、というお話でしかありません。

 この伝説を基に映画を作るのですが、最初の方は、いかにもいかにもという感じの怪しげで意味ありげなエピソードが繰り出されます。

 こんな感じで,どんどん風呂敷が広がっていくのです。普通に考えれば,ジェナがかしずいている「皮膚腫瘍男」が黒幕で,こいつが "Broody Mary" を操り,ジェナを利用して何かしようとしているとか,逆に「皮膚腫瘍男」をジェナが騙していて,実は・・・とか,そういう方向に進むんだろうなと思うわけですよ。


 ところが,ものの見事に何一つ説明も解決もされないまま,唐突に終わっちゃうのです。あの「皮膚腫瘍男」は誰なのか,こいつは何をしようとしているのか,こいつと "Broody Mary" との関係はどうなっているのか,人殺しをしてまでジェナは何をしようとしていたのか,何のために "Broody Mary" は目玉をコレクションしているのか,脳性麻痺のように見えるあの患者は結局何だったのか,鏡と "Broody Mary" の関係はどうなっているのか,病院当局はこの事件に絡んでいるのかいないのか,「皮膚腫瘍男」は結局どうなったのか・・・など,あらゆる謎を投げかけておきながら,その謎を一切解決せずに終わっちゃう。こうなると,一種の放置プレーですね。

 もちろん,これだけ伏線があるんだから,観客側が謎を勝手に推理してね,という路線もありなのかも知れないけど,真相を推理するための具体的手がかりがないに等しいため,それも不可能です。個々に起きている現象同士の繋がりが全くないためなんですね。しかも,登場人物の言動が首尾一貫していないし,整合性がない部分も多いです。


 そういうダメ映画なんですが,B級ホラーのお約束として無駄オッパイシーンや無駄シャワーシーンは幾つかありますし,出演している女優さんは無名ぞろい(らしい)ですが,そこそこ美形を揃えていますんで(特にジェナ役のDanni Hamiltonは結構美人),まぁ,そのあたりは良かったかな・・・と。

 というわけで,放置プレーされるのが好きな人,わけのわからない映画が好きな人,どんな内容でも美人が出ていればいいという人にだけオススメできる映画でございました。

(2009/03/11)

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