《ファンタスティック・フォー [超能力ユニット] 》 (2005年,アメリカ)


 《スパイダーマン》とか《X-Men》と同じ,アメコミを元に作られた映画らしいですが,全然面白くなかったです。暇つぶしにもならないくらい内容がスカスカでした。いくらCGに金をかけていても,いくら女優さんが美人でスタイルがよくても,中身がこれほど空虚じゃ,救いようがありません。

 最後まで我慢して見ましたが,勧善懲悪まっしぐらの映画ですから,最後がどうなるかは最初からバレバレだし,気持ちをうまく伝えられない男がヒロインに告白してくっついちゃうんだろうなというのもミエミエの展開だし・・・というわけで,予想を裏切る展開が皆無です。

 最後の見せ場というか,この映画唯一の見せ場のアクションシーンもなんだかあっけなく終わっちゃうし,「熱した金属を急速に冷やすとどうなるかな?」というのも別に科学者でなくても知っているわけで,もったいぶって言うほどのことじゃないよね。


 映画の大体のストーリーをまとめると,宇宙で実験中の5人(男4人と女性1人)が宇宙嵐とやらを浴びてDNAが変化して,特殊能力を持っちゃうわけね。一人は全身が固く岩石みたいになって馬鹿力が出せ,一人は全身がゴムみたいに伸び縮みできるようになるし,一人は全身火の玉みたいになって空を飛べるし,女性は透明になれて「かめはめ波〜!」みたいなのを放つ能力も持っちゃう。

 そしてこの4人が交通事故現場で超能力を発揮して人助けしちゃったもんだから「ファンタスティック・フォー」って報道されちゃって人気者になります。しかし,岩石男を除く3人は普段は普通の姿をしているんだけど,なぜか岩石君だけ元の姿に戻れず,彼の姿を見た最愛の妻は逃げ出すし,社会にも受け入れられず,一人悩んだりするわけさ。

 しかし,一緒に宇宙嵐を浴びた一人だけには変化がなく,しかもこいつは会社の経営もうまくいかなくなり,追いつめられた状況でなぜか,変身できるようになり,「かめはめ波@強力バージョン」みたいな能力まで持ってしまいます。そして,残りの4人を殺して超能力で世界を乗っ取ろうと考え,それを阻止しようと4人が力を合わせて対決する,という映画です。


 超能力を持ってしまった人間が悩む,というのがこの映画の主題の一つみたいなんだけど,その苦悩の表現がワンパターンすぎて,おまけにそのシーンが長いため途中でだれてしまいます。「超人の悩み」を描いた映画や小説なら他に幾らでもあるわけで,2005年の映画としてはあまりに陳腐です。

 さらに,せっかく超能力を持った4人を主役にしているのに,その能力が発揮されるのは最初の消防車(だったかな?)を救出するところと,最後の対決シーンだけで,他にはありません。しかも,最初の救出シーンにしたって,あれは岩石君がいたからかえって大災害になっただけのことで,車数十台を巻き込む事故を自分で起こしておきながら,それでたかだか数人を助けるのですから,コストパフォーマンスはすごく悪いです。おまけに,このシーンでは「透明人間女」はいてもいなくてもよく,大した活躍もしていません。マスコミが彼女をなぜ「ファンタスティック・フォー」の一員として認識したのか,理由がわかりません。

 しかもこの映画,誰がヒーロー役なのかがわかりにくいです。ヒロインが透明女ちゃんなのはすぐに判るけど,最初は岩石君だけのシーンが連続するため,こいつがヒーローだとばかり思っていたら,最後のシーンでヒロインとゴム人間君がくっついたのを見て,「うわぁ,こいつがヒーロー役だったのか」って驚いちゃいましたよ。主人公としてはキャラ弱すぎますね。

 また,悪役君が何をしようとしているのかも最後までよくわかりません。一体こいつは,何をしたかったんでしょうか。


 結局,派手な超能力を持った5人が登場する割には事件そのものは地味だし,その能力を十分に発揮させる出来事も一つしかないわけで,「大山鳴動してネズミ一匹大賞」をこの映画に贈ろうと思います。

(2007/03/16)

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