タイトルの massacre は大量殺戮の意味です。そして,映画の中では大勢(と言っても10人くらいだけど)のチアリーダーたちが殺されます。その意味ではタイトルに嘘偽りはありません。
そしてアメリカ映画でのチアリーダーといえばセックスとエロの象徴です。金髪の美女たちが,はちきれんばかりのオッパイをユサユサさせるのがチアリーダー映画ってものです。そして,こういうチアリーダー映画には必ず「オッパイ要員」がいて,シャワーシーン(サービスシーン)でオッパイを披露するのが恒例となっています。この映画では惜しげもなく・・・と言うよりは,「もうオッパイはいいからさっさとストーリーを進めろ!」と抗議したくなるくらい,無駄オッパイシーンが長いです。
という説明で勘のいい人はわかったと思いますが,この映画はクズ映画です。もう,B級にすらなっていません。多分,この映画を作った監督さんに欠けているのは,映画作りの才能ですね。
ストーリーの展開の仕方がヘタというか,ストーリーの流れのプレゼンの仕方が悪いというか,そもそも監督の頭の中でストーリーが整理されていないままに撮影を進めた感じなので,ストーリーを説明する方も大変ですが,こんな感じです。
どうやら,チア・リーディングの地区代表を決める合宿みたいなのが山奥の合宿所みたいなところで開催され,2つのチームが車で合宿所に向かっています。その1つのチームが途中の山道で「空飛ぶ円盤型ギロチン」に襲われ,5人全員が惨殺されます。
一方,もう1つのチームは無事に合宿所に到着しますが,主人公(と思われる)は仕事でバスに乗れず,チームメイトでもある親友に車で送ってもらいます。
その頃,この親友の父親(何かの研究をしている科学者らしい)にスパイ容疑がかけられますが,部屋に入ってきた「メカ蜘蛛」みたいなマシンに殺されます。
その頃,主人公は合宿所に到着しますが,主人公の親友と他のチームメイトは仲が悪いようで,なんだかギクシャクしています。
一方,合宿を取材しようとテレビ・クルーも山に入っています。
相手チームが到着しないまま,チームの練習が終わってプールで遊んだりしていますが,ここで一人がシャワーを浴びている最中に殺されます。チームメイトが一人足りないことを気にしない他の3人は,頭の足りなそうなボーイフレンド3人を呼び寄せます。
テレビ・クルーの助手も姿を消し,チームメイトも一人,また一人と消えていきます。
果たして,誰が殺人犯で,その目的は何で,あのメカは何なんでしょうか・・・という映画でございます。
映画の冒頭,バスの中のチアリーダー5人とコーチがあっけなく殺されます。「空飛ぶ回転ギロチン」の切れ味がスゴすぎて,逆に怖さが全くありません。やはり,過ぎたるは及ばざるが如しですね。ちなみに,ここで殺される5人のチアリーダーはどれもスタイルがよくて美人で,B級ホラー映画の主役・準主役になれるレベルです。私はこの人たちが主人公かと思いましたよ。「映画にでるのはいいけど,オッパイを出すのはダメ!」という女優さんたちをまとめて殺しちゃったようです。
そして,次のシーンはいきなりオッパイシーンです。これが無駄に長いです。その後も,ストーリー的に意味のないオッパイシーンが連続し,フルヌードのシーンも2つほどあります。これらが無駄に長いです。多分,この無駄オッパイシーンを端折れば,30分映画にできたんじゃないかと思います。しかも,フルヌードになる女優さんはそれほどきれいでもなければ,スタイルも抜群というわけでもありません。どうやら「裸になるから映画に出して!」という女優さんたちのようです。そういえば,主人公の女の子とその親友はオッパイの谷間を見せることすら拒否し,それ以外のチームメイトたちはオッパイのみ披露,となります。つまり,女優さんたちは「フルヌード組,オッパイ組,着衣組」の3グループがはっきり分かれているわけですね。
オッパイ以外のシーンは殺戮シーンなんですが,何しろメカの破壊力が強力すぎるためと,CGがチープすぎるため,現実的な怖さは皆無です。殺され方が淡泊すぎるんですね。もうちょっと破壊力を弱めた方がよろしかったかと思います。
ちなみに,殺人鬼の正体は主人公の親友です。チームメイトたちに恨みを持っていて,このバカ女どもを殺してやろうと父親が開発した秘密兵器を持ち出し(だから父親にスパイ容疑がかけられたわけね),バカスカ殺しまくったんですよ。一人助かった主人公が自宅に戻ると,パソコン画面にこの親友の動画が再生され,実は彼女の目的は全人類的な恒久的平和をもたらすことだったことがわかります。うわぁ,そこまで風呂敷を広げちゃうか!
というわけで,オッパイが見たい人だけご覧ください。それ以外の価値はありません。
(2013/07/04)