《クリムゾン・アイランド》 (2002年,アメリカ)


 さすがはアルバトロス! 馬鹿丸出しの本格的クズ映画です。80分間をドブに捨てました。この映画DVDを見つけても,決して見ない方がいいです。

 基本的には,オカルティック・スプラッター(モンドと言う方が本格的かな?)・ホラー映画ですが,スリル感がまるでありません。殺され方は残虐だけど,他の本格的モンド系に比べたら月並みだし,ストーリー展開も月並み,というか内容なし。最初の10分くらいで大体読めてしまい,最後の最後にどうやって物語を終えるのか,それだけのために70分間を我慢しました。


 まず,この映画の主要登場人物(?)のピニャータについて説明。これは土偶というか土人形で,メキシコ奥地の村で干魃とか災厄が続いた際,呪術師が「これは皆の心にある悪が災いの元なのだ。それを取り出してこのピニャータに封じ込め,それを川に流せば災いが去るであろう」という理由で作った物です。

 さて,ある無人島に大学のサークル代表が集まって宝探しごっこをするんですね。男女をペアにして手錠をかけ,島中に隠したパンティを多く見つけた方が勝ち,という馬鹿ゲーム。当然,こういう映画に登場するアメリカの馬鹿学生ですから,おつむは揃いも揃って空っぽで,マリファナとエッチのことしか頭に入っていません。おまけに,昔つき合っていて今は別れているだの,あの子にアタックしてみようとか,彼は素敵とか,そういう連中ばかりです。こういう連中にパンティ探しをさせるのですから,アメリカの大学生,馬鹿ばっか。

 ところが,一組のカップルが川岸でピニャータを見つけちゃうのです。ほっとけばいいのに,「中に何か入っているかも」とかいいながら,石をぶつけて割ろうとします。次第にひびが入ってきて,喜ぶ馬鹿二人組。すると伝説のピニャータが怒りの大魔神(ううむ,古いな)みたいな形相で蘇っちゃう。そして片方を殴り殺しちゃう(ちなみに,このカップルは手錠の鍵を持っていたため一人は助かっちゃう)

 顔面血だらけで逃げ帰るお姉ちゃん。初めは誰も信じないけど(そりゃあ,そうだろうな),一人,また一人とピニャータ君が殺すもんだから,次第に事態が飲み込めてくるアホ学生たち。そして最後に残った3人にピニャータ君が襲いかかるのでした・・・ってなお話かな。


 まず,ピニャータ君が素敵です。最初の頃は等身大の土偶そのままで,手にした太い木の枝なんぞでバシバシ頭を殴ったりします。犠牲者の頭,グシャグシャです。この頃のピニャータ君はまだ歩いて移動するのがやっとですが,その後,飛行能力を獲得して,体を流線型みたいに変形させて飛んで追いかけてきます。そして,獲物に追いついては,プロトタイプのピニャータ君に戻り,首を切り落としたりします。進化するピニャータ君,素敵!

 学生は全部で10人だったかな? ピニャータ君は戦闘能力が高いし,獲物は頭の軽いアホ学生なんだから,さっさと殺しちゃえばいいのに,一人殺してはどっかに行き,じっと様子を窺っていて,なかなか次を殺しません。ピニャータ君,ちょっとシャイな性格のようです。このシャイな性格のおかげで,本来なら30分映画のはずが,80分映画になるんですね。このピニャータ君に会わせるように,生き残った学生たちも「生き残っているかもしれない仲間を見捨てられるか! 僕は助けにいく!」とか素晴らしい同胞愛を発揮して,森の中をあっちに行ったりこっちに行ったりするもんだから,さらに無駄な時間が流れます。この間にも何人かやられます。

 それに輪をかけて,ビュンビュン飛べるピニャータ君がなぜか,走って逃げるお姉ちゃんに追いつけません。彼女の走力,すばらしいです。是非,オリンピックに出るなどして,この方面の能力を発揮して欲しいです。


 もう他に書くことがありません。この映画,内容がなさ過ぎ!

(2006/07/21)

 

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