患者さんへの説明


 「消毒しないと患者さんが納得しないので困っているが,どうしたらいいでしょうか?」という質問をよくいただく。私の説明の仕方はすでに書いてあるとおりであるが,相澤病院外傷治療センターではさらに,下記のような方法で治療法の宣伝を行っている。


 まず,外来の廊下にはこのような掲示をしている。

 要するに,治療法を取り上げてもらった新聞や雑誌の記事,テレビ出演したときのスナップ写真である。


 まず真ん中に婦人公論の記事。その下はNHKの「ためしてガッテン!」の撮影風景。その隣には2冊の著作の表紙。そして,左端にあるのはご存知,「ゴッドハンド輝(週刊少年マガジン連載中)」。もちろん,「ゴッドハンド輝」の掲示については作者の山本航暉さんから直接,使用許可をいただいている。
 また,掲載している雑誌記事は,順次新しいものに取り替えている。

 さらに,記事のコピーについては自由に持ち帰ってもらうようにしているが,これが毎週,60〜80部が持ち帰られているそうだ。

 おまけに,救急外来の待合室のテレビでは,治療を紹介したテレビニュースを時々流したりもしている。ここまでやれば,治療法は自然と広まってくるはずだ。


 相澤病院は救急治療にかなり力を入れている病院であるが,この掲示を熱心に読んでいる人が多く,また,実際の治療を受けた人がこの治療を周囲に宣伝してくれるのだが,そのときにこの雑誌コピーが威力を発揮しているという。そのため,松本市とその周辺では,「消毒しない,乾かさない」治療がかなり広まっている感じである。

 病院全体がこの治療について理解し,そればかりか,治療の普及に全面的に協力してくれるためにここまでやれているわけで,同様のことをしようとするならやはり,病院全体に理解を広めるのが最優先だろうと思う。その意味で,私にとっては最高の病院である。

(2005/03/03)

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