水道水と細菌


 以前,「褥瘡洗浄は生食か,水道水か」褥瘡洗浄は水道水で十分と書いたが,それについてちょっと補則。

 まず基本的に水道水(上水道)は無菌である。
 例えば,藤沢市学校薬剤師会のサイトでは生徒が持参する水筒の水の安全性について研究しているが,ここでは「水道水から細菌は検出されなかった」とある。
 あるいは,横浜市衛生研究所は「ポリタンクで保存した水道水はいつまで安全に飲めるか」という実験を行っているが,それによるとポリタンク中の水は8日目までは細菌が全く検出されず,水質基準に定める細菌数を超えたのは11日目以降だったという。

 また「焼酎盆地」というサイトでは「水道水に大腸菌を混入し細菌数の変化をみる」実験を行っているが,水道水中では大腸菌は減少することが示されている。もちろん,残留塩素の効果であろう。


 これらをもってして,全国全ての水道局の水が全く無菌である,と結論付ける事は無理にしても,残留塩素がある通常の上水道は無菌と考えていいだろう。となると,「水道水には雑菌が含まれるため,水道水で洗浄すると細菌感染の危険性がある」という考えは全く意味のない杞憂であることがわかる。

(2003/01/24)

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