手術後に傷をガーゼで覆う必要はあるのか?


 外科にしろ整形外科にしろ耳鼻科にしろ,手術後の縫合創はガーゼで覆っている。大抵は滅菌されているガーゼである。手術後,傷を消毒した後,その滅菌ガーゼを,滅菌ピンセットでうやうやしくつまみ,傷の上を覆うのが,いわば儀式と化している。
 こういうのを医学では「清潔操作」と呼んでいる。

 消毒した傷口に患者の手が触れようものなら,「触るんじゃない! 傷が不潔になって化膿するだろ!」と烈火の如く怒られたりするのだ。もちろん,そのガーゼを素手で扱うなんて御法度中の御法度。

 とにかく,外科の手術の後は,「傷が化膿しないように」厳密な清潔操作をするのが常識となっている。


 だがよくよく考えると,これらの医学的根拠は希薄になってくる。よく考えてみると,どれもが嘘じゃないかという気がしてくる。
 術後の「清潔操作」って,本当に必要なんだろうか?


滅菌されたガーゼを使う意味はあるのか?

 そもそも,「滅菌ガーゼ」にしても「清潔操作」にしても,それが目的とするのは「外から細菌を持ち込まないように」というものだろう。つまり,本来「細菌がいない」臓器を扱うための操作だ。
 しかし,開放創にしろ,縫合創にしろ,そこには必ず皮膚常在菌が存在する。常在菌がたくさんいるのに,「外から細菌を持ち込まないように」というのは全くナンセンスだ。まして,滅菌されているからといって,ガーゼを盲信するのは滑稽としか言いようがない。


傷を手で触れるのはいけないことか?


ガーゼは何のため?

(2001/11/04)

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