〔創感染−生態系〕仮説


 年がら年中,傷ばかり見ているといろんな疑問が生じてくる。大抵はたわいもない疑問なんだけど,ちょっと深く考えてみると,なかなか面白くて,「もしかしたら結構いい線を狙えるんじゃない?」ってなものもたまにある。こういう数々の疑問を捨て去るのももったいないので,まとめて「仮説」として提案しようと思う。

 また,私の疑問だけでなく,同僚であり戦友であり師匠でもある(一応,彼が私より年寄りである)鳥谷部先生の仮説も一緒に提示する。だって,鳥谷部先生,「俺さ,忙しいから,適当に書いちゃってよ」っていうんだもの。

 なお,以下の「仮説」は,鳥谷部先生との雑談で生まれたものである。その程度のものだから,知的優先権を主張するつもりはないし,著作権なんて野暮なものも主張しない。この仮説を面白いなと思ったら,実験していただいて構わないし,論文にしていただくのも大歓迎である。修士論文,悪くても博士論文くらいにはなるんじゃないかと思うが,どうだろうか。是非,検証して欲しい。


【発端となった幾つかの疑問】

  1. すぐに上皮化する肉芽と,なかなか上皮化しない肉芽の違いは何なのか。
  2. 肉芽(創面)から検出される菌の大半が黄色ブドウ球菌(MRSA)なのはなぜか。
  3. 易感染性患者の創面からプロテウスや緑膿菌が多く検出されるのはなぜか。
  4. 黄色ブドウ球菌やMRSAが検出される創が問題なく上皮化することが多いのはなぜか。
  5. なぜ黄色ブドウ旧菌(MRSA)は治癒を邪魔しなのか。
  6. 肉芽が水っぽくブヨブヨしていると治癒がストップするはなぜか。
  7. 創面にいる細菌は除去されるべきものなのか。
  8. 創面の細菌数を減らす事に意味はあるのか。減らして何かいいことがあるのか。
  9. 無菌の創面は現実に存在するのか。
  10. MRSAを除菌に成功した創で緑膿菌が検出されるのはなぜか。
  11. MRSAや緑膿菌を除菌すれば,創面は無菌になるのか。
  12. 感染しにくい創(肉芽)と感染を起こす創(肉芽)の違いはどこにあるのか。
  13. バイオフィルムとは何なのか。それはそもそも有害なものなのか無害なものなのか。

(2005/09/21)

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