EBMに基づく感染予防対策
〜感染予防対策における合理的手順と実践〜(診療と新薬,Vol.41(8): 772-802, 2004)


 突っ込み甲斐があり,ツッコミどころ満載の爆笑論文である。特に創の消毒に関する項目は世界の常識からも大きく外れていて,呆れると言うよりこんな論文を出していいんだろうかと,そちらの方が心配になるくらいだ。

 執筆しているのは波多江新平先生ほか49名である(・・・49人の力を合わせてこの程度の内容ですかぁ・・・なんて,言っちゃいけない)。執筆者の中にはイソジンの製造,販売元の明治製菓関係者が5名程含まれているが,これはまあ,会社からの命令だろうから,許してあげよう。生きていくためだもの。立場上,イソジンを擁護するのは当たり前だ。

 問題はこういうトンデモ論文を執筆した医者と看護師である。49人がこの30ページの大論文のどの部分を分担して書いたのかは不明だが,そこはやはり連帯責任と言うものだろう。執筆者全員,「傷は消毒するものだ。消毒しないと化膿するじゃないか」と考えていらっしゃるのだろう。要するに,これらのお医者様,看護師様達は,患者を痛めつけ,苦しめ,治らないようにする事が医療だと考えていらっしゃるのでしょう。私が患者だったら,私の家族が患者だったら,こういう医者や看護師のいる病院は嫌だな。

 暇があったら,執筆者全員の名前を掲載しましょう。完成の暁にはそれは「傷を消毒している医師・看護師」の一覧表になることでしょう。


 それにしても,世の中がすこしずつ「傷は消毒しない」方向に動いていると言うのに,こういう論文の執筆者として名前を出して大丈夫なんだろうか。「消毒しないのが常識」になった時,これらの執筆者は「古い常識に囚われた頑迷な医師・看護師」としてレッテルを張られてしまいますからね。

 ま,沈みゆくタイタニックと運命を共にするのも,滅びゆく江戸幕府への忠義に死ぬのも悪くないけどさ・・・。頑迷さは一種の美学に見えますから・・・。


 なお,以下に述べる私の批判に対し,執筆者からの反対意見,疑問,質問がありましたら,是非,メールでご連絡ください。討論は私の望むところですし,むしろ議論を吹っかけてください。執筆者からの勇気ある反論,論理的反論を心よりお待ち申し上げております。
 ちなみに,その討論はすべてこのサイトで公開し,どちらの言い分が正しいのか,読者の方に判定していただこうと思っております。


 さあ,それでは,ギター侍じゃないけど,「残念! 消毒斬り!」のはじまり,はじまり。

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(2004/10/26)

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