松本市医師会は大丈夫か?


 最初に断っておくが,この文章は私が個人の医師で書いたものであり,所属している病院とは全く無関係の文章である。もしも松本市医師会の先生方が以下の文章を読んでお怒りであれば,私個人に反論して欲しい。間違っても,相澤病院に抗議するなんていう姑息な手段は取らないようにしていただきたい。

 松本市医師会からの反論,心よりお待ち申し上げております。


 「松本市医師会会報 2004年8月号(第435号)」に平成16年7月27日に行われた「医療委員会」の報告として,次のような文章が書かれていた。  

ラップ療法(Wet方式)について
学校現場での初期創傷処置については,従来通りの無菌的消毒処置を徹底していただくよう教育委員会あてに通知したと花村理事より報告があった


 松本市医師会医療委員会,正気でこういう通達を出しちゃったのでしょうか? 確認しておきますけど,要するにこの理事の先生がおっしゃっているのは,「学校現場では傷は消毒しろ。消毒しないという治療は許さない。夏井と言うおかしな医者の言う事を聞くんじゃない」ということなんですよね。

 そりゃあまぁ,松本なんて小さな地域しか知らないと「消毒しないなんて非常識だ」とお考えかもしれないけれど,既に世の中はそうじゃない方向に動きつつあるのです。

 私がこれまで,東京大学,慶応大学,東京女子医科大学,三重大学,岡山大学,自治医科大学など,全国各地の大学で講演を行い,全国各地の医師会からの講演依頼が殺到している事は,いかに松本市医師会といえどもご存知でしょう。これらの大学や医師会では,最新の治療とは何か,患者を傷つけない創傷治療とはなにかを考え,私の治療法を実践しているのです。


 おまけに,10年以上前から欧米の外科の教科書には「創内に消毒薬をいれてはいけない。目に入れて安全なものしか傷の中に入れてはいけない」と明記されています。要するに,「創面を消毒しない」というのは世界の常識なのです。
 いまどき,「傷は消毒しないと駄目」なんて言っている時点で時代遅れ,時代錯誤ですね。せめて外科の医者なら,外科の教科書くらい読むべきじゃないでしょうか。要するに,私の治療を否定するということは,これらの欧米で最も読まれている教科書も否定するということです。松本市医師会,わかっていらっしゃるのでしょうか。


 それなのに,松本市医師会はこういう公式文章を残しちゃっていいのでしょうか。松本市医師会は19世紀の間違い治療を頭から信じ込んでいる,という動かぬ証拠になります。悪い事は言いません,早めに訂正文を出しておかなければ,日本中の笑い物,世界中の笑い物でしょう。老婆心ながら(老婆じゃないけど)注進申し上げるものです。

 消毒薬に組織障害性があること,消毒薬には全く治療効果がないこと,従来の傷の治療ではむしろ傷の治癒は阻害されていること,消毒すればするほど傷が化膿することは,生物学的にも化学的にも反論の余地がない普遍的な事実です。これらを否定しようとするのは,地動説や進化論,量子力学を否定するのと同じです。要するに,現代科学,現代医学そのものが根本からひっくり返らない限り,消毒はしてはいけない行為であり,障害行為なのです。


 それにしても,松本市医師会と言うのは恐ろしいことを指令していますよね。学校で怪我をしたら,怪我がもっと深くなるように,もっと痛みが増すように,怪我が治らないように消毒しろと通達を出しているのですから・・・。市民の健康を害することを奨励しているのでしょうか。

 もしもこの文章をお読みになっている松本市民がいらっしゃったら,万一怪我をしたら,間違ってもこういう病院(どういう病院か,おわかりですね)に行ってはいけません。「傷に消毒」という19世紀の処置をされ,痛みを与えられ,傷が治らなくなります。


 松本市医師会の先生はこのような下世話なサイトはご覧になっていらっしゃらないと思いますが,もしもこれをお読みの松本市医師会の先生がいらっしゃったら,次のような反証をあげて理論的に反論して下さい。

  1. 消毒しても創面の組織が傷害されないと言う証拠
  2. 消毒すると創感染が防げると言う証拠
 もしも私に反論しようという勇気(蛮勇だな)ある先生がいらっしゃいましたら,是非反論をお願いいたします。お待ち申し上げております。そしたら,喜んで論破させて頂きます。完璧に論破してさし上げます。完膚なきまでに叩きのめしてさし上げます。そして,どのような噴飯物の反論をしてきたかを,このサイトのネタとして使わせて頂きます。


 はっきりさせておきますが,私,夏井の治療に先に喧嘩をふっかけてきたのは松本市医師会の方です。しかも一方的に喧嘩を売ってきたのです。

 もちろん,松本市医師会は強大な力を持つ団体ですし,私はペイペイの一チンピラ医者です。しかし,蟷螂の斧であろうとドン・キホーテであろうと,不当に売られた喧嘩はきっちりと買わせて頂きます。


 最後にもう一度確認しておきますが,これは私,夏井個人と松本市医師会の問題です。松本市医師会が,私の所属している病院に文句をつけるような姑息な手段を取ったり,意地悪したりするような組織でないことだけは信じております。

 そういえば,ちょっと前に松本市長にお会いして,この医師会報をご覧に入れたところ,「この記述はまずいよ。こんなことを書いちゃいかんな」とおっしゃられていたことを,付け加えておきます。

(2004/09/24)

左側にフレームが表示されない場合は,ここをクリックしてください